説明

足裏マッサージ器

【課題】ソファー等でゆったりとくつろいだ状態で、足裏にあるツボを刺激することができる足裏マッサージ器を提供する。
【解決手段】床上に安定して置くことができる保持台20に、表面に多数の突起35を備える一対のローラ30が回転自在に併置されている。突起35の下端側には雄ネジが形成されると共に、ローラ30にはこの雄ネジに螺合する雌ネジが形成され、個々の突起35がローラ表面からの高さを調節可能に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏マッサージ器に関し、特に、ソファーや椅子でリラックスした状態で使用することができる足裏マッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
足先は、心臓から遠く離れて体の低い場所に位置するため、血液の流れが滞りがちとなる。そこで、足裏のツボをマッサージして、足先の筋肉を刺激すると、血行が良くなり、心臓の働きも活発にすることができる。また、全身の血液循環を良くすることによって、足裏のツボに関連する内臓や器官のリンパ液や血液の流れが促進され、新陳代謝が活発となり、余分な体脂肪を除去する働きがある。
【0003】
例えば、足裏にある湧泉というツボは、刺激により生命エネルギーが湧き出ると言われ、歩き疲れのような足の使い過ぎによる筋肉疲労の回復に効果があり、また、リラクゼーションにも効果があると言われている。さらに、踵の中央部分にある失眠というツボは、不眠の解消に効果があり、また、足底の痛みや足のだるさを解消するのに効果があると言われている。
【0004】
このような足裏のツボを刺激する健康器具として、例えば、特許文献1に記載された足裏マッサージ器がある。図5に示すように、この足裏マッサージ器90は、踏み台下部91と踏み台上部92を備えている。そして、踏み台下部91の上には、多数の突起95を備える足裏刺激部93が敷設されている。
【0005】
使用者は、踏み台下部91と踏み台上部92との間を足踏み運動することにより、下肢全体を鍛えることができると共に、足裏刺激部93の突起95によって足裏が刺激され、足裏を好適にマッサージすることができる。そして、足裏にある湧泉や失眠などのツボも刺激され、筋肉疲労からの回復や不眠の解消等の効果を得ることができる。
【0006】
しかしながら、このような足裏マッサージ器90は、使用の際に、必ず足踏み運動をしなければならない。このため、リラクゼーションを求めて湧泉等のツボを刺激しても、ゆったりとした気分に浸ることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−14821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、足裏にある湧泉や失眠などのツボを刺激して、筋肉疲労からの回復や不眠の解消等の効果が得られると共に、ソファーや椅子等でゆったりとくつろぐことができる足裏マッサージ器を提供することにある。そして、足裏のツボを最適な状態で刺激することができる足裏マッサージ器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る足裏マッサージ器は、床上に安定して置くことができる保持台に回転自在に併置され、表面に多数の突起を備える一対のローラからなる足裏マッサージ器であって、前記突起の下端側には雄ネジが形成されると共に、前記ローラには前記雄ネジに螺合する雌ネジが形成され、個々の前記突起が、前記ローラ表面からの高さを調節可能に形成されてなる手段を採用している。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る足裏マッサージ器は、請求項1に記載の足裏マッサージ器において、前記保持台が、木材又はプラスチックを素材とするものである手段を採用している。また、本発明の請求項3に係る足裏マッサージ器は、請求項1又は2に記載の足裏マッサージ器において、前記ローラが、木材又はプラスチックを素材とするものである手段を採用している。また、本発明の請求項4に係る足裏マッサージ器は、請求項1乃至3の何れかに記載の足裏マッサージ器において、前記突起が、半導体を用いてなるものである手段を採用している。また、本発明の請求項5に係る足裏マッサージ器は、請求項4に記載の足裏マッサージ器において、前記半導体が、ゲルマニウム半導体薄膜からなる手段を採用している。
【発明の効果】
【0011】
本発明の足裏マッサージ器は、上記の手段を採用することにより、ソファーや椅子等でリラックスした状態で足裏をマッサージすることができる。そして、足裏にある湧泉や失眠等のツボを刺激して、筋肉疲労からの回復や不眠の解消等の効果を得ることができる。また、足裏を刺激する突起の素材としてゲルマニウム半導体薄膜等の半導体を用いることにより、足裏全体の血流が増加し、マッサージ効果を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の足裏マッサージ器の一例を示す斜視図である。
【図2】同じく分解斜視図である。
【図3】同じく縦断面図である。
【図4】同じくローラの縦断面図である。
【図5】従来の足裏マッサージ器の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図1〜4を参照して、本発明の実施の一例を説明する。図1は本発明の足裏マッサージ器10の斜視図を示し、図2は構成部品の分解斜視図、図3は全体の縦断面図、図4はローラの縦断面図を示す。
【0014】
本発明の足裏マッサージ器10は、床上に安定して置くことができる保持台20と、表面に多数の突起を備える一対のローラ30、30とで構成されている。一対のローラ30、30は、保持台20に対して回転自在に併置されている。
【0015】
保持台20は、床上に置かれる平板状の基板21と、基板21の中央部に固定される中央壁22と、両端部に固定される側壁23a、23bを備えている。そして、中央壁22の両側と、これに対向する側壁23a、23bの側面に密着させて、ローラ30、30の軸受となる支柱24a、24b、24c、24dが設けられる。
【0016】
支柱24a、‥‥24dは、基板21等に固定されていることが好ましいが、自由に取り外しができる構造とすることもできる。支柱24a、‥‥24dは、上部がU字状に形成されており、その高さ及び凹部の大きさは一定である。そして、支柱24aと支柱24b、及び支柱24cと支柱24dは、所定の間隔で対向して配置されている。
【0017】
保持台20を構成する基板21、中央壁22、側壁23a、23b及び支柱24a、‥‥24dは、木材又はプラスチックを素材とするものであることが好ましい。金属を素材とすることもできるが、冷たい感触になると共に、重量が増加するので推奨できない。なお、基板21の下側には、適宜ゴム等の材質で、滑り止め26を取り付けることが好ましい。
【0018】
ローラ30は、パイプ状の筒部31にスリーブ32を介して軸部33を差し込んで固定し、筒部31の両側から軸部33の両端を突出させた状態に形成されている。突出している部分の長さは、10〜20mm程度とすることが好ましい。また、筒部31の長さは、支柱24aと支柱24bとの間隔、又は支柱24cと支柱24dとの間隔よりも1〜5mm短く形成することが好ましい。このように形成することにより、一対のローラ30、30を保持台20に回転自在に併置することができる。
【0019】
ローラ30、30は、筒部31の表面に多数の突起35を備えている。突起35の下端側には雄ネジが形成されると共に、ローラ30の筒部31には、この雄ネジに螺合する雌ネジが形成されている。そして、個々の突起35は、回転を与えることによって雌ネジに対して進入又は後退することになるので、ローラ表面からの高さを調節することができる。
【0020】
突起35の直径は8〜15mmが好ましく、先端側が丸く滑らかに形成されていることが好ましい。そして、各突起35の平均的な高さは、自由に決めることができるが、調整可能な最高位置と最低位置との差は、5〜10mmであることが好ましい。
【0021】
ローラ30を構成する筒部31、スリーブ32及び軸部33は、木材又はプラスチックを素材とすることが好ましい。金属を素材とすることもできるが、冷たい感触になると共に、重量が増加するので推奨できない。
【0022】
突起35は、セラミック、プラスチック又は金属を素材とすることができる。足裏を直接刺激する突起35は、冷たい感触も好まれるからである。セラミックとしては、アルミナ、マグネシア、酸化珪素、酸化チタン等を用いることができる。
【0023】
また、突起35の先端部又は全体が、半導体を用いて形成されることも好ましい。半導体としてはp型半導体であることが好ましく、例えば、高純度のシリコンに硼素やアルミニウムを微量添加して形成することができる。p型半導体としては、シリコン半導体薄膜、ゲルマニウム半導体薄膜、ガリウム燐半導体薄膜、硫化亜鉛半導体薄膜等を使用することができる。これらの中でも、ゲルマニウム半導体薄膜が、特に効果的である。
【0024】
本発明の足裏マッサージ器10を使用するときは、ソファーや椅子でリラックスした状態で両ローラ30、30の上に足裏を乗せる。そして、足先を前後に動かすことにより、足裏の動きに合わせてローラ30、30が回転する。ローラ30、30の回転に伴って、複数の突起35が次々に足裏の各ツボに当たり刺激を加える。
【0025】
各突起35は、ローラ表面からの高さを調節することができるので、使用者は自分の好みで調節することができる。したがって、ローラ30の回転する方向に高さを変化させたり、軸方向に変化させたり、回転方向と軸方向の両方に変化させたりすることができる。
【0026】
また、全体を滑らかに変化させたり、局所的に急激に変化させたりすることができる。使用者は、足裏を全体的に刺激したり、ツボを局所的に刺激したり、複数のツボを次々に刺激したり、好みに応じて自由に調整することができる。そして、繰り返し使用することにより、自分に合った調整を見つけ出して、自分だけのための足裏マッサージをすることができる。
【0027】
本発明の足裏マッサージ器10は、足踏み運動等をする必要がなく、食事の後、入浴の後、運動の後等のリラックス時間にくつろいだ状態でマッサージすることができる。また、床屋や美容院でのサービスとして、顧客に足裏マッサージを施すこともできる。
【符号の説明】
【0028】
10、90 足裏マッサージ器
20 保持台
21 基板
22 中央壁
23a、23b 側壁
24a、24b、24c、24d 支柱
26 滑り止め
30 ローラ
31 筒部
32 スリーブ
33 軸部
35、95 突起
91 踏み台下部
92 踏み台上部
93 足裏刺激部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に安定して置くことができる保持台に回転自在に併置され、表面に多数の突起を備える一対のローラからなる足裏マッサージ器であって、
前記突起の下端側には雄ネジが形成されると共に、前記ローラには前記雄ネジに螺合する雌ネジが形成され、個々の前記突起が、前記ローラ表面からの高さを調節可能に形成されてなることを特徴とする足裏マッサージ器。
【請求項2】
前記保持台が、木材又はプラスチックを素材とするものである請求項1に記載の足裏マッサージ器。
【請求項3】
前記ローラが、木材又はプラスチックを素材とするものである請求項1又は2に記載の足裏マッサージ器。
【請求項4】
前記突起が、半導体を用いてなるものである請求項1乃至3の何れかに記載の足裏マッサージ器。
【請求項5】
前記半導体が、ゲルマニウム半導体薄膜からなることを特徴とする請求項4に記載の足裏マッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−172421(P2010−172421A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16912(P2009−16912)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(303065555)株式会社Jメイク (11)
【Fターム(参考)】