説明

跨座型モノレール分岐器

【課題】跨座型モノレール分岐器において、ロック装置構造の簡略化と保守性の構造を図る。
【解決手段】ロック装置4は、電動シリンダ11、ロック腕12、ロックローラ13、ロック受14a、14b、固定ストッパー15a、15b、により構成される。台車2の端面と固定ストッパー15aが衝突した状態、もしくは若干隙間が生じた状態となる。次に分岐器桁が所定の位置まで転換したことを検知し、ロック装置4に動作指令が与えられる。ロック装置4は電動シリンダ11により、リンク機能を介し、ロックローラ13を押し上げ、ロック受14aに押し当てることにより分岐桁1を直線側に押し付ける。反対側は台車端面と台車ストッパー15a機能するため、結果としてロックローラ13と固定ストッパー15aが、台車2を挟み込むようになり、分岐桁1を所定の位置に保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は跨座型分岐モノレール分岐器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の分岐器は、分岐器の各台車に電動シリンダとロックローラを取り付け、各電動シリンダに対して、地上側に直線軌道構成用、及び曲線軌道構成用の2つのロック受けを取り付けており、電動シリンダによりロックローラを動作させ地上側のロック受にロックローラを押し込み、分岐桁を保持する構造としている。
この種の装置は下記の特許文献に開示されている。
【特許文献1】特開2007−211558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1.前記従来技術の分岐器は、分岐器軌道桁に電動シリンダを取り付けていたため、ロック装置用の配線ケーブルは分岐器固定端付近の分岐器軌道桁から立ち上げ、分岐桁下方の側面部を沿わせて、配線されている。また、分岐器軌道桁は複数の桁がピン結合されており桁関節部が折れ曲がる構造となっているため、桁関節部には、必要な余長を設け、ずれない様に固定する等の対策が施されており、配線ルートを複雑にしている。
【0004】
2.電動シリンダは台車表面に立てかけて取り付ける構造となっている。電動シリンダは重量が重いこと及び電動シリンダ取り付け部のスペースが狭いことから作業性を悪化させている。
【0005】
3.ロック受は地上に取り付けられており、ロック受内にはゴミが溜まるため定期的な清掃が必要である。
本発明の目的とするところは、上記3つの課題を改善し、ロック装置構造簡略化及び保守性の向上を図った、跨座型モノレール分岐器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、地上側に電動シリンダを取り付け、分岐器台車にロック受けを取り付けることにより問題を解決できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、以下の効果が得られる。
1.分岐器軌道桁に配線するケーブルが無くなり、構造が簡略化される。
2.ロック装置が地上側に設置されるため、取付・取外し作業が容易になる。
3.ロック受を台車側に取り付けるため、ロック受にゴミが溜まることがなくなりロック受の清掃作業が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に係わる跨座型モノレール用分岐器の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の跨座型モノレール分岐器の全体図を示す。
図2は、本発明の分岐器モノレール分岐器の側面図を示す。
【0009】
本発明の分岐器は、分岐桁1と分岐桁を支持する台車2と分岐桁を転換させる駆動装置3と、本発明である分岐器を保持するロック装置4とから構成される。
隣接桁1c側は固定端となっており、隣接桁1a、1b側は可動端であり、直線状態には隣接桁1a、曲線時には隣接桁1bに進路を構成する。
分岐器は、駆動装置3により転換し、ロック装置4により分岐桁を保持する構造になっている。ロック装置4は地上側の各台車付近に設置され、駆動装置3を含めた各装置と干渉しないよう配置する。
【0010】
以下、図3、図4に従いロック装置構造について説明する。
図3は直線転換状態のロック装置の平面図、図4は曲線転換状態のロック装置の側面図を示す。
ロック装置4は、電動シリンダ11、ロック腕12、ロックローラ13、ロック受14a、14b、固定ストッパー15a、15b、により構成される。
【0011】
電動シリンダ11は、電動シリンダ受台16により地上側ベースプレート上に設置される。ロック腕12は地上側に設置したロック腕受台17により回転可能となるようピン接合され、ロック腕12の先端部には、偏摩耗防止のためロックローラ13を取り付ける。
ロック受14a、14bは直線転換状態用として14a、曲線転換状態用として14bを設け、各々、ロックローラ13と適合した配置とする。
【0012】
以下、ロック装置4の動作について説明する。
分岐器が曲線から直線に転換した場合、台車2の端面と固定ストッパー15aが衝突した状態、もしくは若干隙間が生じた状態となる。次に分岐器桁が所定の位置まで転換したことを検知し、ロック装置4に動作指令が与えられる。
【0013】
ロック装置4は電動シリンダ11により、リンク機能を介し、ロックローラ13を押し上げ、ロック受14aに押し当てることにより分岐桁1を直線側に押し付ける。反対側は台車端面と台車ストッパー15a機能するため、結果としてロックローラ13と固定ストッパー15aが、台車2を挟み込むようになり、分岐桁1を所定の位置に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】モノレール分岐器の平面図。
【図2】モノレール分岐器の側面図。
【図3】直線転換状態のロック装置。
【図4】曲線転換状態のロック装置。
【符号の説明】
【0015】
1:分岐桁
1a:直線側隣接桁
1b:曲線側隣接桁
1c:固定端隣接桁
2:台車
3:駆動装置
4:ロック装置
11:電動シリンダ
12:ロック腕
13:ロックローラ
14a:直線状態用ロック受
14b:曲線状態用ロック受
15a:直線状態用固定ストッパー
15b:曲線状態用固定ストッパー
16:電動シリンダ受台
17:ロック腕受台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上側に設置した電動シリンダと、前記電動シリンダにより動作可能としたロックローラと、分岐器軌道桁を支持する台車に取り付けたロック受と、地上側に設置した固定ストッパーとからなるロック装置を備え、分岐器を保持することを特徴とする跨座型モノレール分岐器。
【請求項2】
請求項1の分岐器において、電動シリンダは直線転換状態と曲線転換状態の中間位置に設置し、台車表面に直線転換状態用と曲線転換用2つのロック受を備えた跨座型モノレール分岐器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−144454(P2009−144454A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324283(P2007−324283)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】