説明

路面積雪検出装置及び路面積雪検出方法

【課題】 昼夜による日光や照明の影響、建物の影の影響、路面の濡れ・乾きによって誤作動を生じることのない、また、路面上の積雪が水分を含んだシャーベット状であっても、正確に積雪の有無を判断することができる路面積雪検出方法の提供。
【解決手段】 道路標示4を含んだ所定領域の路面3をカメラ1にて撮影し、撮影された画像を画素ごとの階調データとして画像処理装置5に取り込んで路面の階調分布ヒストグラムを作成し、該階調分布ヒストグラムからしきい値決定手法を適用してしきい値を求め、そして撮影された画像における道路標示を含まない領域の画素毎の階調データと上記しきい値を比較することにより積雪の有無を判断する路面積雪検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術を用いた路面積雪検出装置及び路面積雪検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において路面の積雪を検出して融雪装置を自動的に動作させるように制御可能とした技術は色々知られている。赤外線を照射し、その反射率を測定する方法もあるが、観測できる範囲はごく小さい領域に限られる。このため、センサーを回転台の上にのせ路面をスキャンする方式としているが、モーターにて回転する可動部を備えることが必要であり、結果として耐久性、信頼性が損なわれる。
【0003】
本発明は路面の状況をカメラで捉えて画像処理する方法であるが、従来においても画像処理による路面積雪センサーは実用化されている。しかし昼夜による日光や照明の影響、建物の影、路面の濡れ・乾きによる誤作動が生じやすいといった問題がある。
【0004】
特開平8−327542号に係る「路面積雪検出装置」は広い範囲を検出することで正確に路面の積雪、乾燥および凍結状態を検出することができる積雪検出装置である。すなわち、路面を撮影する撮影手段と、該撮影手段からの画像出力をディジタル信号に変換して記録するフレームメモリと、該フレームメモリで記録されたディジタル信号をフーリエ変換するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部で変換して求められた周波数空間上のパワースペクトル画像を記録するメモリと、パワースペクトル画像中におけるパワースペクトル成分を抽出するフィルター部と、フィルター部で抽出された特徴値が設定された値より大の時は積雪、小の時は乾燥または凍結状態を出力する判定部とを備えている。
【0005】
実開平4−7384号に係る「路面赤外線反射式積雪センサー」は、投光器と受光器を傾斜させて別々に取着し、しかも路面の法線を中心として互いに対称なる位置にV形を成して配置して上記投光器からは間歇投射光を投射し、該投射光が路面に当たって反射する路面反射光を上記受光器が受け、該受光器は路面反射光の反射率を検出する機能を有し、さらに受光器側には補助光源を備えている。
【0006】
特開2003−114283号に係る「積雪監視装置および融氷雪システム」は、降水検知センサー、温度センサーおよび画像撮影手段を備え、降水検知、気温低下、および画像撮影手段によって撮影された観測地点の明度の条件をもとに積雪を判断し融雪装置の制御を行う。
【0007】
しかし、従来の画像処理による積雪センサーは上記の通り、昼夜による日光や照明の影響、建物の影の影響、路面の濡れ・乾きの影響によって誤作動を生じやすい。また、路面上の積雪が水分を含んだシャーベット状である場合には積雪のない路面との判別が難しく、従来の積雪センサーでは積雪を検知できず融雪装置が運転されないなどの問題があった。
【特許文献1】特開平8−327542号に係る「路面積雪検出装置」
【特許文献2】実開平4−7384号に係る「路面赤外線反射式積雪センサー」
【特許文献3】実開2003−114283号に係る「積雪監視装置および融氷雪システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来の積雪センサーには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれらの問題点であり、昼夜による日光や照明の影響、建物の影の影響、路面の濡れ・乾きによって誤作動を生じることのない、また、路面上の積雪が水分を含んだシャーベット状であっても、正確に積雪の有無を判断することができる路面積雪検出装置及び路面積雪検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る路面積雪検出方法では、道路標示を含む所定領域の路面をカメラにて撮影し、撮影した信号を画像処理装置に取り込んで画像の全部または一部を階調データに変換して階調分布ヒストグラムを作成する。ヒストグラムとはカメラで撮影した画像を複数の画素に分割して各画素の諧調値を調べ、諧調値と画素数との対応関係を示したものである。本発明は路面を撮影した画像を処理してヒストグラムを用いるものであり、白色の路面標示を含む積雪のない路面画像では輝度値の階調分布ヒストグラムにおいて、路面標示の輝度値が大きい部分と路面標示以外の輝度値が小さい部分を示す二つのピークが現れる。
【0010】
そして、しきい値決定手法により求められた二値化しきい値は、この二つのピークの谷間にしきい値を設定するので、積雪のない路面標示以外の部分はしきい値以下の輝度値を持つ領域となる。一方、積雪のある路面画像では、路面標示以外の部分も積雪で覆われ、積雪または路面標示の輝度値が大きい部分と、積雪のない輝度値が小さい部分が現れる。しきい値決定手法により求められた二値化しきい値と比較し、二値化しきい値以上の輝度値を持つ領域を積雪部分と判断する。
【0011】
夜間においては照明を点灯して撮影を行うため、照明の中心部と周辺部では輝度値に差が生じ、正確な積雪判断ができない。この場合、照明から受ける明るさが同程度なりかつ各領域は路面標示を含むような複数の領域に画像を分割し、分割された領域ごとに階調分布ヒストグラムを作成し、しきい値決定手法を適用して二値化しきい値を求め、画素毎の階調値と二値化しきい値とを比較することにより照明による影響をなくし、正確な積雪判断を行うことができる。
【0012】
しかし、路面の一部が建物の影に覆われたり、路面の一部が濡れていたりしている場合には、二値化しきい値との比較では正しい積雪判断ができない場合がある。すなわち、積雪のない路面の一部が建物の影で覆われた路面においては、路面標示部、日向の路面、影に覆われた路面の三つのピークが現れ、路面の一部が濡れている場合には路面標示部、乾いた路面、濡れた路面の三つのピークが現れる。このため二値化しきい値との比較では正しい積雪判断ができない。条件によってはさらに複雑となり、四つ以上のピークが現れる場合もある。このような場合にはしきい値決定手法を適用して複数の多値化しきい値を求め積雪判断を行う。n値化を行う場合、k,k,…,kn−1(k<k<…<kn−1)のn−1個のしきい値が求まり、階調分布ヒストグラムはこれらのしきい値によりn個のクラスに分割される。
【0013】
複数求まる多値化しきい値のうち、どの値を積雪判断のためのしきい値とするかを決定するにはクラス間分離度を用いて判断する。クラス間分離度は階調分布ヒストグラムにおいて、あるしきい値により分離された隣り合う2つのクラスがどの程度分離しているかを表す尺度であり、2つのクラスの平均値の差を用いる方法や分散を用いる方法がある。後者は2つのクラスのクラス間分散を両クラスの全分散で割った値を用いる方法である。この場合、クラス間分離度は0から1の間の値を持ち、1に近いほど、2つのクラスが大きく分離していることを示す。しきい値kn−1,kn−2,…と順番に調べ、調べようとするしきい値により分離された2つのクラスのクラス間分離度が設定された値より大きなクラス間分離度となるしきい値を積雪判断のためのしきい値とする。積雪判断のためのしきい値と領域内の各画素の階調値とを比較することにより積雪判定を行う。
【0014】
しきい値決定手法にはkittlerの方法、判別分析法などがある。判別分析法は、しきい値決定手法の一般的な手法の1つで、全ての階調値kに対してクラス間分散σ(k)を求め、クラス間分散σ(k)を最大とするkを求める二値化しきい値とする手法である。多値化しきい値を求める場合においても同様に判別分析法を用いることができる。n値化を行うにはn−1個の階調値の全ての組み合わせk,k,…,kn−1(k<k<…<kn−1)に対してクラス間分散σ(k,k,…,kn−1)を求め、クラス間分散σ(k,k,…,kn−1)を最大とするk,k,…,kn−1を求める多値化しきい値とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による路面積雪検出装置は、昼夜による日光や照明の影響、建物の影の影響、路面の濡れ・乾きの影響による誤作動を生じることがなく安定した積雪検知が可能である。すなわち、階調値として輝度値を用いる場合において、しきい値を固定した値として設定し、そのしきい値と画素ごとの輝度値との比較により積雪判断を行う場合、昼と夜では画像全体の明るさが異なることから、正確な積雪判断ができない。昼と夜において異なるしきい値を設定し時刻によりしきい値の切り替えを行う場合でも、切り替わりの前後の時間において判断を誤る場合がある。しかし、本発明による路面積雪検出装置は道路上に描かれているセンターライン等の道路標示を含む画像から統計的に最適なしきい値を設定し、このしきい値と画像の各画素との比較により積雪判断を行うので、昼夜による画像全体の明るさの違いによる誤作動がなく、安定した積雪検知が可能である。
【0016】
また、夜間の照明下においては明るさが一様でなく、照明の中心部とその周辺部では画像の明るさが異なることから、積雪のない場合においても、輝度値の大きい照明の中心部を積雪と判断してしまい判断を誤る場合がある。このような場合でも、照明から受ける明るさがほぼ同じとなるような複数の小領域に分け、それぞれの領域毎にしきい値決定手法を適用することによりしきい値を求め積雪判断を行うことで、照明の影響をキャンセルし、安定した積雪検知を行うことができる。
【0017】
多値化しきい値を求め積雪判断を行う方法においては、二値化しきい値との比較による判断では誤判断するような、路面の一部が濡れていたり路面の一部が建物の影に覆われたりしている状況においても安定した積雪検知を行うことができる。さらに、従来の積雪センサーでは検知できない場合が多かったシャーベット状の雪についても確実な検知が可能となる。
【0018】
本発明においては道路標示を含む路面の画像から階調分布ヒストグラムを作成し、しきい値を決定して積雪判断を行うが、本発明における道路標示は、指示標示や規制標示ばかりでなく、例えば歩道上の点字ブロックでもよく、色の3原色のいずれかまたはその組み合わせによる階調分布、または輝度、色相、彩度のいずれかによる階調分布において路面と異なる特徴を有し、路面上の雪と似た特徴を有しているものであればその階調分布を利用して積雪検知を行うことができる。
【実施例】
【0019】
図1は本発明にかかる積雪センサーを備えた道路の概要を表している。同図の1はカメラ、2は照明装置、3は路面、4は道路標示であるセンターライン、5は画像処理装置、6は融雪制御装置を表している。ここで、上記カメラ1は道路標示であるセンターラインを含む路面を撮影する。さらに、上記カメラは時間をずらして撮影した複数の画像を蓄積し平均化した画像を出力する機能を有しており、道路を通行する車両や人が写らない画像を出力する。
【0020】
撮影された画像はビットマップデータとして画像処理装置5に取り込み、図2の7に示すしきい値決定手法適用領域における画素ごとの階調データを画像処理装置5の記憶装置に複数蓄積して階調分布ヒストグラムを作成する。階調データにはビットマップデータから計算された輝度値を採用する。そして、同図の8は積雪判断領域を示し、この領域に積雪があるか否かの判断を上記諧調ヒストグラムのしきい値を基にして行う。
【0021】
図3は積雪のない路面の輝度を表す階調ヒストグラムを示し、同図の横軸は輝度を示し、縦軸は画素数を表している。輝度値の階調分布ヒストグラムは同図に示すようにセンターラインを示す輝度値の大きい部分Aとアスファルト路面を示す輝度値の低い部分Bとに区別されている。そして輝度値の大きな部分Aと輝度値の低い部分Bとの間には、画素数の小さな領域が存在している。この諧調ヒストグラムに対し、しきい値決定手法のひとつである判別分析法を適用すると、図3の9の直線で示す二値化しきい値kが求まる。求められたしきい値と図2の8に示す点線で囲まれた積雪判断領域内の各画素の輝度値との大小比較により積雪判断を行う。すなわち、図3において、二値化しきい値kより大きい部分は路面上のセンターライン、二値化しきい値kより小さい部分は路面の輝度を表しており、積雪判断領域領域内8にはしきい値以上の輝度を有する画素がないので積雪なしと判断することができる。
【0022】
図4のように路面上に積雪10のある場合、輝度値の階調分布ヒストグラムは図5に示すようになる。すなわち、センターライン4または積雪10を示す輝度値の大きい部分Aとアスファルト路面を示す輝度値の低い部分Bとに区別されている。この諧調ヒストグラムに対し同様に、判別分析法を適用すると、図5の9の直線で示す二値化しきい値kが求まる。求められた二値化しきい値と図4の積雪判断領域8内の各画素の輝度値との大小比較により積雪判断を行う。積雪判断領域内の各画素の輝度が二値化しきい値k以上の輝度を有する部分を積雪10と判断することができる。
【0023】
夜間においては照明を点灯して撮影を行うため、照明の中心部と周辺部では輝度値に差が生じ、しきい値決定手法適用領域に対し一括してしきい値決定手法適用した場合、照明中心部の明るい領域を積雪と誤判定する場合がある。そこで、図6の12の楕円で示すように照明から受ける明るさが同程度となり、かつ各領域は路面標示を含むような小領域に画像を分割し、分割された小領域ごとに階調分布ヒストグラムを作成し、しきい値決定手法を適用して二値化しきい値を求め、画素毎の階調値と二値化しきい値とを比較することにより照明による影響をなくし、正確な積雪判断を行うことができる。この小領域に分割してしきい値決定手法を適用する方法は夜間のみでなく、日中において適用してもよく、一貫した処理方法を行うことにより夜間から日中へ切り替わる時間帯の誤判断を防ぐことができる。
【0024】
上記の方法により積雪の有無を判断することが可能であるが、路面の一部が建物の影に覆われたり、路面の一部が濡れていたりしている場合には、3つ以上のピークが現れ、二値化しきい値との比較による方法では正しい積雪判断ができない場合がある。また、路面に積雪がある場合においてはシャーベット状の雪を積雪と判断できない場合がある。これらの場合には階調分布ヒストグラムにおいて二値化しきい値によって分けられた2つのクラスのクラス間分離度が小さくなることから、二値化しきい値によるクラス間分離度が0.8以下の場合、または積雪判断領域内に積雪ありと判断された場合には、誤判断を防ぐため、さらに次の処理を行う。
【0025】
図7は路面の一部が濡れている場合の画像例である。そして、この路面の輝度値の階調分布ヒストグラムは図8に示すように、センターライン、乾いた路面、濡れた路面の3つのピークが現れる。このヒストグラムに対して判別分析法を適用して3値化しきい値k、k(k<k)を求める。2つのしきい値は図8の直線に示すようにそれぞれ3つのピークの谷間を示しており、2つのしきい値k、kを境界として3つのクラスA,B,Cに分けられる。しきい値kで分けられた両側の2つのクラスA,Bについてクラス間分離度を計算する。一部が濡れた路面である場合はkの両側の2つのクラスA,Bの分離度が大きく、0.75以上となる。クラス間分離度が0.75以上であればkを積雪判断のためのしきい値とし、しきい値kと図7の積雪判断領域8内の各画素の輝度値との大小比較により積雪判断を行う。積雪判断領域8内にはしきい値k以上の輝度値を持つ画素がないので積雪なしと判断できる。路面の一部が周囲の建物の影で覆われている場合も同様の処理により正しい判断が可能である。
【0026】
図9は路面に乾いた雪や水分を含んだシャーベット状の雪が存在する場合である。そして、輝度値の階調分布ヒストグラムは図10に示すようにセンターライン4または積雪10、シャーベット状の雪14、路面3を表す3つのピークとなる。このヒストグラムに対して判別分析法を適用して2つのしきい値k、k(k<k)を求める。2つのしきい値k、kで分けられた3つのクラスA,B,Cは、それぞれセンターライン4または乾いた積雪10、シャーベット状の雪14、路面3を示す。この場合、しきい値kで分けられた両側の2つのクラスA,Bはヒストグラム上ではっきりと区分されていないのでクラス間分離度が小さくなる。しきい値kで分けられた両側の2つのクラスA,Bについてクラス間分離度を計算し、クラス間分離度が0.75未満であればkを積雪判断のためのしきい値とする。そこで、しきい値kと積雪判断領域8内の各画素の輝度値との大小比較により積雪判断を行う。乾いた積雪10およびシャーベット状の雪14の両方の領域がしきい値kより大きい輝度値を持つのでシャーベット状の雪14も積雪と判断される。このようにしてシャーベット状の雪14であっても確実に検知することが可能である。
【0027】
ここでは、しきい値決定手法を適用して多値化しきい値を求めて積雪判断を行う方法として、ヒストグラムを3つのクラスA,B,Cに分ける3値化を行う場合を示したが、ヒストグラムをn個に分けるn値化についても同じようにして、求められたn―1個のしきい値kn−1,kn−2,…,kについて大きい方から順番に調べ、調べようとするしきい値により分離された2つのクラスのクラス間分離度が0.75より大きなクラス間分離度となるしきい値を積雪判断のためのしきい値とすることで、ほぼ同様の積雪判断結果が得られる。
【0028】
以上の方法により積雪判断を行い、積雪判断領域8の20%以上の面積について積雪と判断された場合、6の融雪制御装置または積雪警報装置に対して信号を送り、融雪装置を作動させたり、積雪に対する注意を促す警報を発したりする。そして、雪が解け、積雪と判断された面積が積雪判断領域8の10%以下に低下した場合、融雪装置を停止させたり積雪に対する警報の解除を行う。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る積雪検出装置を備えた道路の概要。
【図2】積雪のない路面。
【図3】積雪のない路面の輝度を表す階調分布ヒストグラムおよびしきい値。
【図4】積雪のある路面。
【図5】積雪のある路面の輝度を表す階調分布ヒストグラムおよびしきい値。
【図6】夜間における積雪検出方法。
【図7】一部が濡れている路面。
【図8】一部が濡れている路面の輝度を表す階調分布ヒストグラムおよびしきい値。
【図9】シャーベット状の雪が存在する路面。
【図10】シャーベット状の雪が存在する路面の輝度を表す階調分布ヒストグラムおよびしきい値。
【符号の説明】
【0030】
1 カメラ
2 照明装置
3 路面
4 路面標示(センターライン)
5 画像処理装置
6 融雪制御装置または積雪警報装置
7 しきい値決定手法適用領域
8 積雪判断領域
9 しきい値決定手法により求められたしきい値
10 積雪
11 照明中心
12 照明の影響をキャンセルするための小領域
13 路面上の濡れ
14 シャーベット状の積雪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面の積雪を検出するための装置において、道路標示を含んだ所定領域の路面を撮影するカメラと、該カメラにて撮影した画像を処理する画像処理装置を備えたもので、撮影された画像の画素ごとの階調データから階調分布ヒストグラムを作成する手段、そして上記階調分布ヒストグラムからしきい値決定手法を適用して二値化しきい値を求める手段、撮影した画像における道路標示を含まない領域の画素毎の階調データと上記二値化しきい値を比較することにより積雪の有無を判断する手段とを備えたことを特徴とする路面積雪検出装置。
【請求項2】
路面の積雪を検出するための装置において、道路標示を含んだ所定領域の路面を撮影するカメラと、該カメラにて撮影した画像を処理する画像処理装置を備えたもので、撮影された画像の画素ごとの階調データから階調分布ヒストグラムを作成する手段、そして上記階調分布ヒストグラムからしきい値決定手法を適用して複数の多値化しきい値を求める手段、撮影した画像における道路標示を含まない領域の画素毎の階調データと上記複数の多値化しきい値のうちクラス間分離度から判断された特定のしきい値を比較することにより積雪の有無を判断する手段とを備えたことを特徴とする路面積雪検出装置。
【請求項3】
しきい値決定手法として判別分析法を適用する請求事項1または2記載の路面積雪検出装置。
【請求項4】
路面の積雪を検出する方法において、道路標示を含んだ所定領域の路面をカメラにて撮影し、撮影された画像を画素ごとの階調データとして画像処理装置に取り込んで階調分布ヒストグラムを作成し、該階調分布ヒストグラムからしきい値決定手法を適用して二値化しきい値を求め、そして撮影された画像における道路標示を含まない領域の画素毎の階調データと上記二値化しきい値を比較することにより積雪の有無を判断することを特徴とする路面積雪検出方法。
【請求項5】
路面の積雪を検出する方法において、道路標示を含んだ所定領域の路面をカメラにて撮影し、撮影された画像を画素ごとの階調データとして画像処理装置に取り込んで階調分布ヒストグラムを作成し、該階調分布ヒストグラムから多値化しきい値決定手法を適用して複数の多値化しきい値を求め、そして撮影された画像における道路標示を含まない領域の画素毎の階調データと上記複数の多値化しきい値のうちクラス間分離度から判断された特定のしきい値を比較することにより積雪の有無を判断することを特徴とする路面積雪検出方法。
【請求項6】
しきい値決定手法として判別分析法を適用する請求事項4または請求事項5記載の路面積雪検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−180622(P2008−180622A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14688(P2007−14688)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(592029256)福井県 (122)
【Fターム(参考)】