路面補修システム
【課題】効率的な路面状態の検出および路面補修作業を行う路面補修システムを提供する。
【解決手段】路面補修システムは、ダンプトラックと、管理局と、補修車両とから構成される。路面補修システムは、ミリ波センサによって走行する路面の状態を検出し、補修が必要なほど大きな凹凸がある位置を、補修必要位置として検出する。管理局では、ダンプトラックからの情報に基づいて、鉱山のマップデータに補修必要位置を付加した補修マップデータを作成し、補修車両に送信する。補修車両のオペレータは、補修マップデータに従って補修必要位置まで走行し、ブレードを駆動して路面の補修作業を行う。
【解決手段】路面補修システムは、ダンプトラックと、管理局と、補修車両とから構成される。路面補修システムは、ミリ波センサによって走行する路面の状態を検出し、補修が必要なほど大きな凹凸がある位置を、補修必要位置として検出する。管理局では、ダンプトラックからの情報に基づいて、鉱山のマップデータに補修必要位置を付加した補修マップデータを作成し、補修車両に送信する。補修車両のオペレータは、補修マップデータに従って補修必要位置まで走行し、ブレードを駆動して路面の補修作業を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面補修システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行するアスファルトやコンクリートで舗装された一般道路や高速道路の路面、または空港内で航空機が走行する誘導路や滑走路等の走行路の路面に発生した凹凸の有無、およびその大きさを検知する方法や装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−219214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置は、投光器から投射された検査光が路面で散乱した散乱光の散乱パターンをカメラで撮影し、撮影した散乱パターンの映像信号から得られる画像に基づいて、路面における凹凸の有無を検出する。
【0005】
鉱山や採石現場においても、路面の凹凸を検出し、補修する必要がある。鉱山や採石現場において作業車両が走行する路面に凹凸があると、作業車両は振動や走行抵抗により過剰な燃料消費やタイヤの摩耗といった影響を受けるとともに、車両のオペレータにも不快感をあたえてしまう。このため、鉱山や採石現場においては路面補修機械により定期的に路面補修を行っている。
【0006】
特許文献1に記載の装置を、鉱山等の走行路面状態を検出/補修するシステムに適用した場合、次のような問題点がある。すなわち、路面状態検出のための画像処理方法が複雑であるとともに、画像処理では、雨や霧等の天候の影響により路面の凹凸を判定することが困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による路面補修システムは、車両が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段と、車両の位置を検出する位置検出手段と、路面状態検出手段および位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段と、補修要否判断手段によって補修が必要と判断された路面の補修を行う路面補修手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、補修が必要な路面を的確に判断して、効率的な路面補修を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態による路面補修システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】ダンプトラックの全体構成図。
【図3】ダンプトラックの制御システムのブロック図。
【図4】管理局の制御システムのブロック図。
【図5】補修車両の制御システムのブロック図。
【図6】ダンプトラックにおける動作の流れを説明するフローチャート。
【図7】ミリ波センサで検出される路面状態の一例を示す図。
【図8】管理局における動作の流れを説明するフローチャート。
【図9】管理局における動作の流れを説明するフローチャート。
【図10】第2の実施の形態による補修車両の制御システムのブロック図。
【図11】第2の実施の形態における補修車両の動作の流れを説明するフローチャート。
【図12】第2の実施の形態において使用する補修マップデータの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《第1の実施の形態》
以下に、本発明の第1の実施の形態による路面補修システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
ダンプトラックは、油圧ショベル等の作業地点で積み込みを行い、放土地点まで走行して積荷の積み下ろしを行う。作業地点と放土地点との間の走行路において、路面に凹凸があると、ダンプトラックに振動や走行抵抗等の影響を与えてしまう。このため、鉱山や採石現場では、一般的に、定期的に路面補修作業が行われている。しかし、走行路全体の補修作業を行う場合、補修作業に大きな労力および時間がかかり、ダンプトラックの稼働時間の低下にもつながってしまう。
【0012】
そこで、第1の実施の形態による路面補修システムは、走行路面の路面状態を検出し、走行路面上に補修が必要な箇所が存在するかを判断して、補修が必要と判断された箇所を補修するように構成されている。
【0013】
図1に、第1の実施の形態による路面補修システムの構成を示すブロック図を示す。路面補修システムは、ダンプトラック1と、ダンプトラック1の作業等を管理する管理局20と、管理局20からの指令に基づいてダンプトラック1が走行する路面の補修作業を行う補修車両30とを備える。
【0014】
図2に、ダンプトラック1の全体構成図を示し、図3に、ダンプトラック1に搭載される制御システムのブロック構成図を示す。ダンプトラック1は、制御装置2、通信機3、GPS装置4、および路面を監視するミリ波センサ5等を備えている。
【0015】
ミリ波センサ5は、ダンプトラック1の走行中、ダンプトラック1が走行する路面の路面状態を検出する。ミリ波センサ5は、ダンプトラック1の前面に設けられており、放射部でダンプトラック1の前方の走行路面に送信波を照射し、受光部で路面からの反射波を受光する。ダンプトラック1が凹凸のない平地を走行している場合、送信波に対して路面からの反射波は一定の間隔で受光される。一方、路面に凹凸や障害物がある場合、突起物であれば反射波の戻りが早くなり、窪み穴であれば反射波の戻りが遅くなる。平地を走行している場合の反射波の戻り時間との差を検出することにより、路面に凹凸等が存在するかを検出することができる。
【0016】
具体的には、ミリ波センサ5は、反射波の戻り時間に基づいて、ダンプトラック1におけるミリ波センサ5の設置位置から路面までの距離を測定し、制御装置2に送信する。なお、ミリ波センサ5の照射領域は、ダンプトラック1が走行する路面の幅全体をカバーできるように構成されている。
【0017】
GPS装置4は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて、ダンプトラック1の位置情報を算出して記録する。通信機3は、ダンプトラック1と管理局20との間の情報の送受信を行う。
【0018】
制御装置2は、例えばCPU等を備え、ダンプトラック1における処理の全体を制御する。具体的には、制御装置2は、ミリ波センサ5およびGPS装置4からの信号に基づいて、路面補修が必要か否かを判断し、路面補修が必要な位置を特定する。制御装置2は、ミリ波センサ5からの検出信号に基づいて、ダンプトラック1の走行路面の状態を検出し、補修必要なほど大きな凹凸があるか否かを判定する。補修必要な箇所があると判断すると、ダンプトラック1の走行位置を、補修必要な凹凸がある位置(路面凹凸位置情報)としてRAM9に記憶する。
【0019】
さらに、制御装置2は、GPS信号に基づいてダンプトラック1の走行位置を検出してRAM9に記憶する。所定時間ごとに検出された走行位置データにより、ダンプトラック1が走行するルート(走行軌跡)を検出することができる。制御装置2は、RAM9に記憶した路面凹凸位置情報および走行軌跡情報を通信機3を介して所定のタイミングで管理局20に送信する。これらの制御処理は、ROM10に予め記憶された所定のプログラムに基づいて、制御装置2が備えるCPU等によって実行される。制御装置2で行われる処理の詳細については、後述する。
【0020】
図4に、管理局20が備える制御システムのブロック構成図を示す。管理局20は、制御装置21、通信機22、および表示器25等を備えている。制御装置21は、CPU等を備え、管理局20における処理の全体を制御する。制御装置21は、ダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報および走行軌跡情報を通信機22を介して受信し、受信した情報をRAM23に記憶する。制御装置21は、ダンプトラック1から取得した路面凹凸位置情報および走行軌跡情報に基づいて、走行路の補修必要位置を示した鉱山や採石現場等の補修マップデータを作成する。制御装置21は、補修必要位置の補修作業を行う指示として、補修マップデータを通信機22を介して補修車両30へ送信する。これらの制御処理は、ROM24に予め記憶された所定のプログラムに基づいて、制御装置2が備えるCPU等によって実行される。制御装置21で行われる処理の詳細については、後述する。
【0021】
図5に、補修車両30が備える制御システムのブロック構成図を示す。補修車両30は、制御装置31、GPS装置32、ブレードアクチュエータ33、通信機34、RAM35、ROM36、および表示器37等を備えている。補修車両30は、前後車軸間に設置したブレード(排土板)をブレードアクチュエータ33によって駆動して整地を行う、いわゆるモータグレーダである。
【0022】
補修車両30の制御装置31は、CPU等を備え、補修車両30における処理の全体を制御する。制御装置31は、管理局20から送信される補修マップデータを通信機34を介して受信する。受信した補修マップデータは、例えば液晶ディスプレイ等から構成される表示器37に表示される。補修車両30のオペレータは、GPS装置32で検出される自車両の位置を確認しながら、補修マップデータに示される補修必要位置まで走行し、補修必要位置まで到達すると、ブレードを駆動して補修作業を開始する。
【0023】
次に、第1の実施の形態による補修システムの動作を説明する。まず、図6のフローチャートを用いてダンプトラック1の動作の流れを説明する。図6に示す処理は、ダンプトラック1の制御装置2によって実行される。
【0024】
ステップS1でダンプトラック1のイグニッションスイッチがオンされた、またはエンジンが始動したと判定されると、ステップS2に進む。ステップS2で制御装置2は、GPS装置4から入力されるGPS信号に基づいてダンプトラック1の位置検出を開始する。ステップS3では、ダンプトラック1が走行開始したか否かを判定する。例えば、パーキングブレーキ6の解除、シフトレバー7のニュートラル(N)位置からのシフト、またはアクセルペダル8の所定量以上の操作が検出されると、制御装置2はダンプトラック1が走行を開始したと判断して、ステップS4へ進む。
【0025】
ステップS4では、例えば制御装置2に内蔵されたタイマをオンして時間(s)の測定を開始する。つづくステップS5では、ステップS2でGPS装置4によって検出されるダンプトラック1の走行位置と、ステップS4で測定される時間のデータを、RAM9に記録する。走行位置を継続して測定、記録することにより、ダンプトラック1が作業地点と放土地点との間、どのようなルートを通って走行しているかを表す走行軌跡情報を得ることができる。
【0026】
ステップS6では、ステップS4で測定された時間(s)と閾値Z(s)とを比較する。閾値Zは、RAM9に記録した情報を管理局20に送信する時間間隔を表し、予め適切な値が設定されてROM10に保存されている。例えば、閾値Zを数秒に設定すると、データは数秒間隔で管理局20に送信される。閾値Zを、例えばダンプトラック1が作業地点と放土地点との間を走行する時間に相当する値に設定すると、作業地点と放土地点との間をダンプトラックが1度走行し終わると、データが管理局20に送信されることになる。
【0027】
ステップS4で測定を開始してからの時間が閾値Zよりも小さいと判定されると、ステップS10へ進み、ミリ波センサ5による路面の検出を行う。ステップS11で制御装置2は、ミリ波センサ5からの検出信号に基づいて、路面の凹凸を判断する。具体的には、ミリ波センサ5の設置位置から凹凸のない平地の路面(基準路面)までの距離を基準値X(m)とし、ミリ波センサ5で測定された路面までの距離Y(m)との差を比較する。
【0028】
距離測定値Yが基準値Xよりも所定値α(m)以上大きい場合は、路面に深さα(m)以上の窪み穴が存在し、距離測定値Yが基準値よりも所定値α(m)以上小さい場合は、路面に高さα(m)以上の突起物が存在すると判断できる。所定値α(m)は、路面上の凹凸が、補修が必要なほどの大きさであるかを判断するための値であり、予め適切な値を設定してROM10に保存しておく。
【0029】
距離測定値Yが(X+α)以上の場合、または(X−α)以下の場合は、ステップS12へ進み、路面に補修が必要なほど大きな凹凸があると判断する。一方、距離測定値Yが(X−α)から(X+α)の間である場合は、補修が必要なほどの大きな凹凸はないと判断して、ステップS5へ戻り、路面状態の検出を繰り返す。
【0030】
ステップS13では、補修必要な凹凸があると判断したときの時間と、GPS装置4によって検出されたダンプトラック1の走行位置を、RAM9に記録する。図7に、ミリ波センサ5によって検出された路面までの距離の時系列変化の一例を示す。図7では、ミリ波センサ5から基準路面までの距離を基準値X=0として表し、基準値Xと距離測定値Yとの差、すなわち基準路面から測定地点までの距離の変化を示している。
【0031】
図7に示すように、路面に凹凸がない場合、基準路面からの距離は略0を示すが、凹凸が存在する箇所では測定地点までの距離が変動する。時間t1で測定地点までの距離が所定値α(例えば、α=12cm)以上となると、この位置を補修必要位置としてRAM9に記録する。その後、時間t2で測定地点までの距離が所定値αを下回るまでの範囲が、実質的に補修必要位置となる。また、時間t3で測定地点までの距離の絶対値が所定値−α以上となると、この位置から時間t4で所定値−αよりも小さくなるまでの範囲を補修必要位置として記録する。
【0032】
つづくステップS14で、ダンプトラック1が走行停止するか否かを判定する。例えば、シフトレバー7がN位置にシフトされた場合、または、パーキングブレーキ6が作動された場合には、ダンプトラック1が停止すると判定して、ステップS15へ進む。ダンプトラック1がまだ停止しないと判定すると、ステップS5へ戻り、路面状態の検出を継続する。ステップS15では、ダンプトラック1のエンジンが停止されたか否かを判定する。エンジンが停止している場合はステップS16へ進み、エンジンが停止していない場合は、ステップS3へ戻り、上述した処理を継続する。
【0033】
ステップS16では、上述した処理で検出した路面凹凸位置情報と走行軌跡情報をRAM9から読み出し、通信機3を介して管理局20へ送信した後、ステップS17においてタイマをリセットする。これにより、走行路面に補修必要な凹凸があると判断した場合は、ダンプトラック1のエンジンが停止すると速やかにその情報を管理局20へ送信する。
【0034】
一方、ステップS6において、測定開始からの時間が閾値Z以上であると判定されると、ステップS7へ進み、RAM9に記録されている路面凹凸位置情報と走行軌跡情報を、通信機3を介して管理局20へ送信する。ステップS8では、タイマをリセットし、ステップS9では再度タイマによる計時を開始する。これにより、ダンプトラック1が継続して作業を行っている場合には、所定時間Zごとに、路面凹凸位置情報と走行軌跡情報が管理局20に送信される。
【0035】
ダンプトラック1から情報を受け取る管理局20の制御の流れを、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まずステップS21において、管理局20の制御装置21は、通信機22を介してダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報と走行軌跡情報を取得し、取得した情報をRAM23に記録する。ステップS22で制御装置21は、予め取得してあるダンプトラック1の作業現場、例えば鉱山のマップデータに、ステップS21で取得した補修必要位置の情報を付与し、補修マップデータを作成する。補修マップデータは、例えば鉱山の地図上において、補修必要位置に対応する地点にマークを付したものである。
【0037】
ステップS23で制御装置21は、ステップS22で作成した補修マップデータを、通信機22を介して補修車両30に送信する。これにより、今回の処理を終了する。
【0038】
補修車両30のオペレータ30は、管理局20から送信される補修マップデータに基づいて、路面補修を行う。受信した補修マップデータは、例えば液晶ディスプレイから構成される補修車両30の表示器37に表示される。オペレータは、表示器37に表示される補修マップデータと、GPS装置32で検出される自車両の走行位置を確認しながら、補修必要位置まで走行する。そして、補修必要位置の数メートル手前から、ブレードアクチュエータ33を駆動してブレードを作動させ、路面の凹凸の補修を行う。補修必要位置を数メートル通過した後、オペレータはブレードアクチュエータ33の駆動を停止し、その位置の路面補修を終了する。補修車両30の制御装置31は、路面補修作業が完了すると、補修作業を行った補修必要位置と、補修作業が完了した時間とを含む作業完了情報を、通信機34を介して管理局20に送信する。
【0039】
補修車両30による路面補修作業が完了すると、管理局20では、図9のフローチャートに示すような処理を行う。
【0040】
ステップS31で管理局20の制御装置21は、通信機22を介して、補修車両30から送信される作業完了情報を受信する。ステップS32で制御装置21は、ステップS31で取得した作業完了情報に基づいて、補修作業が完了した補修必要位置を、補修マップデータから削除して補修マップデータを更新する。ここで、補修マップデータから削除した補修必要位置についての補修作業が完了した時刻を、補修マップデータに付与してもよい。
【0041】
以上説明した第1の実施の形態による補修システムは、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)補修システムは、車両(ダンプトラック1)が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段であるミリ波センサ5と、車両の位置を検出する位置検出手段であるGPS装置4と、路面状態検出手段および位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段である制御装置2と、補修要否判断手段によって補修が必要と判断された路面の補修を行う路面補修手段であるブレードアクチュエータ33を有する。具体的には、路面補修システムは、ミリ波センサ5によって路面状態を検出し、ダンプトラック1の位置と路面状態に基づいて補修が必要な路面が判断されると、ブレードアクチュエータ33によりブレードを駆動して路面の補修を行うように構成されている。これにより、補修が必要と判断された箇所を効果的に補修でき、効率的な路面補修システムを構成することができる。
(2)路面の補修が必要と判断すると、ダンプトラック1の制御装置2は、そのときにGPS装置4で検出されるダンプトラック1の位置を、補修必要位置としてRAM9に記憶する。これにより、補修必要な路面が、実際にどこに位置するかを記録することができる。
(3)管理局20の制御装置21は、補修必要位置に関する情報を、ダンプトラック1が走行するエリアの地図データに付加して補修マップデータを作成する。これにより、補修作業を行う際に、補修必要位置が広大な作業現場のどこに位置するかを容易に把握することができる。
(4)管理局20の制御装置21は、補修車両30による路面の補修が完了すると、補修マップデータを更新する。これにより、常に最新の情報を含む補修マップデータを生成することができる。
(5)車両は、作業現場内を走行する作業車両、例えばダンプトラック1であり、少なくとも、路面状態検出手段および位置検出手段は、作業車両1に搭載される。少なくとも路面補修手段は、路面の補修を行う補修車両30に搭載される。補修要否判断手段は、作業車両1、補修車両30、または、作業車両1および補修車両30とは異なる管理局20のいずれかに設置される。第1の実施の形態では、補修要否判断手段を、ダンプトラック1の制御装置2として構成した。
【0042】
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による補修システムについて説明する。
上述した第1の実施の形態においては、ダンプトラック1と、管理局20と、補修車両30とを備える補修システムにおいて、管理局20から提供される情報に基づいて、オペレータが補修車両30を操作して路面の補修作業を行うように構成した。
【0043】
第2の実施の形態では、補修車両30を無人で走行/作業するように構成し、無人の補修車両30により、路面の補修作業を自動で行う。図10に、第2の実施の形態による補修車両30Aの制御システムを表すブロック図を示す。図10において、図5に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付している。以下では、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0044】
図10に示すように、補修車両30Aは自動で走行および停止するための駆動制御装置38をさらに備えている。補修車両30Aの走行/停止および補修作業は、制御装置31によって自動制御される。
【0045】
以下に、補修車両30Aによる自動路面補修作業の流れを、図11のフローチャートを用いて説明する。図11に示す処理は、補修車両30Aの制御装置31によって実行される。
【0046】
ステップS41で補修車両30Aのエンジンが始動したと判定されると、ステップS42に進む。ステップS42で制御装置31Aは、GPS装置4から入力されるGPS信号に基づいて補修車両30Aの位置検出を開始する。
【0047】
ステップS43では、管理局20から送信される補修マップデータを受信する。ここで、自動で作業を行う補修車両30に提供される補修マップデータの一例を、図12に示す。図12に示す補修マップデータは、予め取得してあるダンプトラック1の作業現場、例えば鉱山のマップデータに、補修車両30Aが走行すべきコースを示すコースデータ27、および補修作業を実行する補修必要位置28の情報を重畳して表したものである。
【0048】
補修車両30Aを自動で走行させる場合、補修必要位置の情報だけでなく、その位置までどのようなルートを通って走行するかといったコース情報も提供する必要がある。コースデータ27は、ダンプトラック1から取得した走行軌跡情報に基づいて作成することができる。一般的に、鉱山や採石現場における掘削作業地点は作業が進むにしたがって移動し、作業地点と放土地点の間の走行ルートも変化する。そこで、ダンプトラック1から逐次得られる走行軌跡情報からコースデータを作成することにより、現在の作業地点までダンプトラック1がどのようなルートを通って走行しているかを把握することができる。
【0049】
つづくステップS44では、補修車両30Aが走行開始したか否かを判定する。なお、補修車両30Aは、補修マップデータに示されているコースデータ27に従って自動で走行する。補修車両30Aが走行開始したと判定されると、ステップS45へ進む。ステップS45で制御装置31Aは、補修車両30Aが補修マップデータに示される補修必要位置に接近したか否かを判定する。補修必要位置の数メートル(例えば5メートル)手前まで接近していると、ステップS45が肯定判定され、ステップS46に進む。ステップS46で制御装置31Aは、ブレードアクチュエータ33を駆動し、ブレードを作動させて補修必要位置の補修を開始する。補修作業を開始すると、制御装置31Aは補修作業中であるとの情報を、通信機34を介して管理局へ送信する。
【0050】
ステップS47では、補修必要位置を通過したか否かを判定する。具体的には、補修作業を行いながら補修必要位置を数メートル(例えば5メートル)通過した場合に、補修必要位置を通過したと判定して、ステップS48へ進む。ステップS48で制御装置31Aは、ブレードアクチュエータ33の駆動を停止し、その補修必要位置における補修作業を終了する。
【0051】
ステップS49で、補修マップデータに示された全ての補修必要位置の補修が終了したか否かを判定する。まだ、全ての補修必要位置の補修が完了していない場合は、ステップS45に戻り、別の補修必要位置まで走行して補修作業を行う。一方、全ての補修必要位置の補修が終了したと判定されると、制御装置31Aは、ステップS50へ進み、全補修必要位置の補修作業が完了したことを表す情報を管理局20へ送信する。補修作業を完了すると、制御装置31Aは、補修マップデータに示されているコースデータ27に従って、所定位置まで補修車両30Aを走行させ、ステップS51においてエンジンを停止する。これにより、今回の処理を終了する。
【0052】
以上説明した第2の実施の形態による路面補修システムは、上述した第1の実施の形態による効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)管理局20の制御装置21は、位置検出手段によって検出される車両(ダンプトラック1)の位置に基づいて、車両1の走行軌跡を表すコースデータを作成する。そして、制御装置21は、地図データに、補修必要位置とコースデータを重畳して補修マップデータを作成する。これにより、作業現場において、実際にダンプトラック1がどのようなルートを走行しているかを把握し、ダンプトラック1の走行ルートと補修必要位置とを補修車両30Aに提供することができる。
(2)車両は、作業現場内を走行する作業車両、例えばダンプトラック1であり、少なくとも、路面状態検出手段および位置検出手段は、作業車両1に搭載され、少なくとも路面補修手段は、路面の補修を行う補修車両30Aに搭載される。補修車両30Aは、補修マップデータ作成手段で作成された補修マップデータのコースデータに従って走行する駆動制御装置(駆動制御手段)38をさらに有し、補修マップデータに示された補修必要位置に到達すると、路面補修手段によって路面の補修作業を自動で行う。これにより、路面の補修作業を効率的に行うことができる。
【0053】
上述した第1および第2の実施の形態による路面補修システムは、例えば以下のような種々の変形が可能である。
【0054】
第1及び第2の実施の形態においては、ダンプトラック1に搭載される制御装置2において、ミリ波センサ5の検出信号に基づいて路面に補修必要な凹凸があるかを判断した。しかし、これには限定されず、ダンプトラック1から提供されるミリ波センサ5の検出信号に基づいて、管理局20の制御装置21において、路面に補修必要な凹凸があるかを判断してもよい。この場合、ダンプトラック1に搭載される制御装置2は補修必要な凹凸の有無の判断を行う必要がないので、構成を簡単にすることができる。
【0055】
また、管理局20を省略し、路面補修システムをダンプトラック1と補修車両30とから構成することもできる。この場合、ダンプトラック1で補修マップデータを作成して補修車両30,30Aに送信することができる。あるいは、ダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報に基づいて補修車両30,30Aで補修マップデータを作成してもよい。または、ダンプトラック1から送信される情報に基づいて、補修車両30,30Aで路面凹凸判断と補修マップデータの作成を行うように構成してもよい。
【0056】
すなわち、少なくとも、ダンプトラック1において路面状態と位置を検出し、補修マップデータを補修車両30,30Aに送信して補修作業を行うように路面補修システムが構成されていれば、補修要否の判断は、ダンプトラック1、管理局20、および補修車両30,30Aのいずれで行ってもよい。
【0057】
また、ダンプトラック1、管理局20、および補修車両30,30Aの間の情報送受信のタイミングも、上述した第1及び第2の実施の形態には限定されない。例えば、図8のフローチャートでは、ダンプトラック1からの情報を受信すると(ステップS21)、ステップS22においてすぐに補修マップデータの作成を行ったが、例えば、ダンプトラック1から送信される情報が所定量蓄積された場合に、補修マップデータを作成したり、所定の時間間隔で定期的に行うようにしてもよい。また、ステップS23において補修マップデータを補修車両30,30Aに送信するタイミングも、例えば補修車両30,30Aから補修マップデータが要求されたときに管理局20から送信するように構成してもよい。
【0058】
上述した第1および第2の実施の形態では、ダンプトラック1はミリ波センサ5を用いて走行路面の状態を検出したが、これには限定されず、別の路面状態検出手段を用いることも可能である。例えば、加速度センサによってダンプトラック1にかかる加速度Gを検出することによって、走行路面に存在する凹凸を検出することもできる。または、ダンプトラック1の各車輪に設けられたサスペンションの圧力を検出することによって、路面の凹凸を検出するようにしてもよい。
【0059】
上述した第1及び第2の実施の形態で説明した路面状態検出手段を、複数のダンプトラック1に設置し、複数のダンプトラック1で取得される路面状態に関する情報に基づいて、補修必要な凹凸があるかを判断するようにしてもよい。これにより、より正確な路面状態の検出および補修要否の判断を行うことができる。
【0060】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。たとえば、上述した路面補修システムは、鉱山や採石現場以外、例えば一般道路、高速道路、空港内の誘導路や滑走路等の路面を補修するシステムにも適用できる。この場合、路面状態の検出手段は、大型のダンプトラックではなく、これらの路面上を走行する車両に設置する。
【符号の説明】
【0061】
1:ダンプトラック、2:制御装置、3:通信機、4:GPS装置、5:ミリ波センサ、20:管理局、21:制御装置、33:通信機、30,30A:補修車両、31,31A:制御装置、32:GPS装置、33:ブレードアクチュエータ、34:通信機
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面補修システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が走行するアスファルトやコンクリートで舗装された一般道路や高速道路の路面、または空港内で航空機が走行する誘導路や滑走路等の走行路の路面に発生した凹凸の有無、およびその大きさを検知する方法や装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−219214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置は、投光器から投射された検査光が路面で散乱した散乱光の散乱パターンをカメラで撮影し、撮影した散乱パターンの映像信号から得られる画像に基づいて、路面における凹凸の有無を検出する。
【0005】
鉱山や採石現場においても、路面の凹凸を検出し、補修する必要がある。鉱山や採石現場において作業車両が走行する路面に凹凸があると、作業車両は振動や走行抵抗により過剰な燃料消費やタイヤの摩耗といった影響を受けるとともに、車両のオペレータにも不快感をあたえてしまう。このため、鉱山や採石現場においては路面補修機械により定期的に路面補修を行っている。
【0006】
特許文献1に記載の装置を、鉱山等の走行路面状態を検出/補修するシステムに適用した場合、次のような問題点がある。すなわち、路面状態検出のための画像処理方法が複雑であるとともに、画像処理では、雨や霧等の天候の影響により路面の凹凸を判定することが困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による路面補修システムは、車両が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段と、車両の位置を検出する位置検出手段と、路面状態検出手段および位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段と、補修要否判断手段によって補修が必要と判断された路面の補修を行う路面補修手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、補修が必要な路面を的確に判断して、効率的な路面補修を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態による路面補修システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】ダンプトラックの全体構成図。
【図3】ダンプトラックの制御システムのブロック図。
【図4】管理局の制御システムのブロック図。
【図5】補修車両の制御システムのブロック図。
【図6】ダンプトラックにおける動作の流れを説明するフローチャート。
【図7】ミリ波センサで検出される路面状態の一例を示す図。
【図8】管理局における動作の流れを説明するフローチャート。
【図9】管理局における動作の流れを説明するフローチャート。
【図10】第2の実施の形態による補修車両の制御システムのブロック図。
【図11】第2の実施の形態における補修車両の動作の流れを説明するフローチャート。
【図12】第2の実施の形態において使用する補修マップデータの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
《第1の実施の形態》
以下に、本発明の第1の実施の形態による路面補修システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
ダンプトラックは、油圧ショベル等の作業地点で積み込みを行い、放土地点まで走行して積荷の積み下ろしを行う。作業地点と放土地点との間の走行路において、路面に凹凸があると、ダンプトラックに振動や走行抵抗等の影響を与えてしまう。このため、鉱山や採石現場では、一般的に、定期的に路面補修作業が行われている。しかし、走行路全体の補修作業を行う場合、補修作業に大きな労力および時間がかかり、ダンプトラックの稼働時間の低下にもつながってしまう。
【0012】
そこで、第1の実施の形態による路面補修システムは、走行路面の路面状態を検出し、走行路面上に補修が必要な箇所が存在するかを判断して、補修が必要と判断された箇所を補修するように構成されている。
【0013】
図1に、第1の実施の形態による路面補修システムの構成を示すブロック図を示す。路面補修システムは、ダンプトラック1と、ダンプトラック1の作業等を管理する管理局20と、管理局20からの指令に基づいてダンプトラック1が走行する路面の補修作業を行う補修車両30とを備える。
【0014】
図2に、ダンプトラック1の全体構成図を示し、図3に、ダンプトラック1に搭載される制御システムのブロック構成図を示す。ダンプトラック1は、制御装置2、通信機3、GPS装置4、および路面を監視するミリ波センサ5等を備えている。
【0015】
ミリ波センサ5は、ダンプトラック1の走行中、ダンプトラック1が走行する路面の路面状態を検出する。ミリ波センサ5は、ダンプトラック1の前面に設けられており、放射部でダンプトラック1の前方の走行路面に送信波を照射し、受光部で路面からの反射波を受光する。ダンプトラック1が凹凸のない平地を走行している場合、送信波に対して路面からの反射波は一定の間隔で受光される。一方、路面に凹凸や障害物がある場合、突起物であれば反射波の戻りが早くなり、窪み穴であれば反射波の戻りが遅くなる。平地を走行している場合の反射波の戻り時間との差を検出することにより、路面に凹凸等が存在するかを検出することができる。
【0016】
具体的には、ミリ波センサ5は、反射波の戻り時間に基づいて、ダンプトラック1におけるミリ波センサ5の設置位置から路面までの距離を測定し、制御装置2に送信する。なお、ミリ波センサ5の照射領域は、ダンプトラック1が走行する路面の幅全体をカバーできるように構成されている。
【0017】
GPS装置4は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて、ダンプトラック1の位置情報を算出して記録する。通信機3は、ダンプトラック1と管理局20との間の情報の送受信を行う。
【0018】
制御装置2は、例えばCPU等を備え、ダンプトラック1における処理の全体を制御する。具体的には、制御装置2は、ミリ波センサ5およびGPS装置4からの信号に基づいて、路面補修が必要か否かを判断し、路面補修が必要な位置を特定する。制御装置2は、ミリ波センサ5からの検出信号に基づいて、ダンプトラック1の走行路面の状態を検出し、補修必要なほど大きな凹凸があるか否かを判定する。補修必要な箇所があると判断すると、ダンプトラック1の走行位置を、補修必要な凹凸がある位置(路面凹凸位置情報)としてRAM9に記憶する。
【0019】
さらに、制御装置2は、GPS信号に基づいてダンプトラック1の走行位置を検出してRAM9に記憶する。所定時間ごとに検出された走行位置データにより、ダンプトラック1が走行するルート(走行軌跡)を検出することができる。制御装置2は、RAM9に記憶した路面凹凸位置情報および走行軌跡情報を通信機3を介して所定のタイミングで管理局20に送信する。これらの制御処理は、ROM10に予め記憶された所定のプログラムに基づいて、制御装置2が備えるCPU等によって実行される。制御装置2で行われる処理の詳細については、後述する。
【0020】
図4に、管理局20が備える制御システムのブロック構成図を示す。管理局20は、制御装置21、通信機22、および表示器25等を備えている。制御装置21は、CPU等を備え、管理局20における処理の全体を制御する。制御装置21は、ダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報および走行軌跡情報を通信機22を介して受信し、受信した情報をRAM23に記憶する。制御装置21は、ダンプトラック1から取得した路面凹凸位置情報および走行軌跡情報に基づいて、走行路の補修必要位置を示した鉱山や採石現場等の補修マップデータを作成する。制御装置21は、補修必要位置の補修作業を行う指示として、補修マップデータを通信機22を介して補修車両30へ送信する。これらの制御処理は、ROM24に予め記憶された所定のプログラムに基づいて、制御装置2が備えるCPU等によって実行される。制御装置21で行われる処理の詳細については、後述する。
【0021】
図5に、補修車両30が備える制御システムのブロック構成図を示す。補修車両30は、制御装置31、GPS装置32、ブレードアクチュエータ33、通信機34、RAM35、ROM36、および表示器37等を備えている。補修車両30は、前後車軸間に設置したブレード(排土板)をブレードアクチュエータ33によって駆動して整地を行う、いわゆるモータグレーダである。
【0022】
補修車両30の制御装置31は、CPU等を備え、補修車両30における処理の全体を制御する。制御装置31は、管理局20から送信される補修マップデータを通信機34を介して受信する。受信した補修マップデータは、例えば液晶ディスプレイ等から構成される表示器37に表示される。補修車両30のオペレータは、GPS装置32で検出される自車両の位置を確認しながら、補修マップデータに示される補修必要位置まで走行し、補修必要位置まで到達すると、ブレードを駆動して補修作業を開始する。
【0023】
次に、第1の実施の形態による補修システムの動作を説明する。まず、図6のフローチャートを用いてダンプトラック1の動作の流れを説明する。図6に示す処理は、ダンプトラック1の制御装置2によって実行される。
【0024】
ステップS1でダンプトラック1のイグニッションスイッチがオンされた、またはエンジンが始動したと判定されると、ステップS2に進む。ステップS2で制御装置2は、GPS装置4から入力されるGPS信号に基づいてダンプトラック1の位置検出を開始する。ステップS3では、ダンプトラック1が走行開始したか否かを判定する。例えば、パーキングブレーキ6の解除、シフトレバー7のニュートラル(N)位置からのシフト、またはアクセルペダル8の所定量以上の操作が検出されると、制御装置2はダンプトラック1が走行を開始したと判断して、ステップS4へ進む。
【0025】
ステップS4では、例えば制御装置2に内蔵されたタイマをオンして時間(s)の測定を開始する。つづくステップS5では、ステップS2でGPS装置4によって検出されるダンプトラック1の走行位置と、ステップS4で測定される時間のデータを、RAM9に記録する。走行位置を継続して測定、記録することにより、ダンプトラック1が作業地点と放土地点との間、どのようなルートを通って走行しているかを表す走行軌跡情報を得ることができる。
【0026】
ステップS6では、ステップS4で測定された時間(s)と閾値Z(s)とを比較する。閾値Zは、RAM9に記録した情報を管理局20に送信する時間間隔を表し、予め適切な値が設定されてROM10に保存されている。例えば、閾値Zを数秒に設定すると、データは数秒間隔で管理局20に送信される。閾値Zを、例えばダンプトラック1が作業地点と放土地点との間を走行する時間に相当する値に設定すると、作業地点と放土地点との間をダンプトラックが1度走行し終わると、データが管理局20に送信されることになる。
【0027】
ステップS4で測定を開始してからの時間が閾値Zよりも小さいと判定されると、ステップS10へ進み、ミリ波センサ5による路面の検出を行う。ステップS11で制御装置2は、ミリ波センサ5からの検出信号に基づいて、路面の凹凸を判断する。具体的には、ミリ波センサ5の設置位置から凹凸のない平地の路面(基準路面)までの距離を基準値X(m)とし、ミリ波センサ5で測定された路面までの距離Y(m)との差を比較する。
【0028】
距離測定値Yが基準値Xよりも所定値α(m)以上大きい場合は、路面に深さα(m)以上の窪み穴が存在し、距離測定値Yが基準値よりも所定値α(m)以上小さい場合は、路面に高さα(m)以上の突起物が存在すると判断できる。所定値α(m)は、路面上の凹凸が、補修が必要なほどの大きさであるかを判断するための値であり、予め適切な値を設定してROM10に保存しておく。
【0029】
距離測定値Yが(X+α)以上の場合、または(X−α)以下の場合は、ステップS12へ進み、路面に補修が必要なほど大きな凹凸があると判断する。一方、距離測定値Yが(X−α)から(X+α)の間である場合は、補修が必要なほどの大きな凹凸はないと判断して、ステップS5へ戻り、路面状態の検出を繰り返す。
【0030】
ステップS13では、補修必要な凹凸があると判断したときの時間と、GPS装置4によって検出されたダンプトラック1の走行位置を、RAM9に記録する。図7に、ミリ波センサ5によって検出された路面までの距離の時系列変化の一例を示す。図7では、ミリ波センサ5から基準路面までの距離を基準値X=0として表し、基準値Xと距離測定値Yとの差、すなわち基準路面から測定地点までの距離の変化を示している。
【0031】
図7に示すように、路面に凹凸がない場合、基準路面からの距離は略0を示すが、凹凸が存在する箇所では測定地点までの距離が変動する。時間t1で測定地点までの距離が所定値α(例えば、α=12cm)以上となると、この位置を補修必要位置としてRAM9に記録する。その後、時間t2で測定地点までの距離が所定値αを下回るまでの範囲が、実質的に補修必要位置となる。また、時間t3で測定地点までの距離の絶対値が所定値−α以上となると、この位置から時間t4で所定値−αよりも小さくなるまでの範囲を補修必要位置として記録する。
【0032】
つづくステップS14で、ダンプトラック1が走行停止するか否かを判定する。例えば、シフトレバー7がN位置にシフトされた場合、または、パーキングブレーキ6が作動された場合には、ダンプトラック1が停止すると判定して、ステップS15へ進む。ダンプトラック1がまだ停止しないと判定すると、ステップS5へ戻り、路面状態の検出を継続する。ステップS15では、ダンプトラック1のエンジンが停止されたか否かを判定する。エンジンが停止している場合はステップS16へ進み、エンジンが停止していない場合は、ステップS3へ戻り、上述した処理を継続する。
【0033】
ステップS16では、上述した処理で検出した路面凹凸位置情報と走行軌跡情報をRAM9から読み出し、通信機3を介して管理局20へ送信した後、ステップS17においてタイマをリセットする。これにより、走行路面に補修必要な凹凸があると判断した場合は、ダンプトラック1のエンジンが停止すると速やかにその情報を管理局20へ送信する。
【0034】
一方、ステップS6において、測定開始からの時間が閾値Z以上であると判定されると、ステップS7へ進み、RAM9に記録されている路面凹凸位置情報と走行軌跡情報を、通信機3を介して管理局20へ送信する。ステップS8では、タイマをリセットし、ステップS9では再度タイマによる計時を開始する。これにより、ダンプトラック1が継続して作業を行っている場合には、所定時間Zごとに、路面凹凸位置情報と走行軌跡情報が管理局20に送信される。
【0035】
ダンプトラック1から情報を受け取る管理局20の制御の流れを、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まずステップS21において、管理局20の制御装置21は、通信機22を介してダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報と走行軌跡情報を取得し、取得した情報をRAM23に記録する。ステップS22で制御装置21は、予め取得してあるダンプトラック1の作業現場、例えば鉱山のマップデータに、ステップS21で取得した補修必要位置の情報を付与し、補修マップデータを作成する。補修マップデータは、例えば鉱山の地図上において、補修必要位置に対応する地点にマークを付したものである。
【0037】
ステップS23で制御装置21は、ステップS22で作成した補修マップデータを、通信機22を介して補修車両30に送信する。これにより、今回の処理を終了する。
【0038】
補修車両30のオペレータ30は、管理局20から送信される補修マップデータに基づいて、路面補修を行う。受信した補修マップデータは、例えば液晶ディスプレイから構成される補修車両30の表示器37に表示される。オペレータは、表示器37に表示される補修マップデータと、GPS装置32で検出される自車両の走行位置を確認しながら、補修必要位置まで走行する。そして、補修必要位置の数メートル手前から、ブレードアクチュエータ33を駆動してブレードを作動させ、路面の凹凸の補修を行う。補修必要位置を数メートル通過した後、オペレータはブレードアクチュエータ33の駆動を停止し、その位置の路面補修を終了する。補修車両30の制御装置31は、路面補修作業が完了すると、補修作業を行った補修必要位置と、補修作業が完了した時間とを含む作業完了情報を、通信機34を介して管理局20に送信する。
【0039】
補修車両30による路面補修作業が完了すると、管理局20では、図9のフローチャートに示すような処理を行う。
【0040】
ステップS31で管理局20の制御装置21は、通信機22を介して、補修車両30から送信される作業完了情報を受信する。ステップS32で制御装置21は、ステップS31で取得した作業完了情報に基づいて、補修作業が完了した補修必要位置を、補修マップデータから削除して補修マップデータを更新する。ここで、補修マップデータから削除した補修必要位置についての補修作業が完了した時刻を、補修マップデータに付与してもよい。
【0041】
以上説明した第1の実施の形態による補修システムは、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)補修システムは、車両(ダンプトラック1)が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段であるミリ波センサ5と、車両の位置を検出する位置検出手段であるGPS装置4と、路面状態検出手段および位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段である制御装置2と、補修要否判断手段によって補修が必要と判断された路面の補修を行う路面補修手段であるブレードアクチュエータ33を有する。具体的には、路面補修システムは、ミリ波センサ5によって路面状態を検出し、ダンプトラック1の位置と路面状態に基づいて補修が必要な路面が判断されると、ブレードアクチュエータ33によりブレードを駆動して路面の補修を行うように構成されている。これにより、補修が必要と判断された箇所を効果的に補修でき、効率的な路面補修システムを構成することができる。
(2)路面の補修が必要と判断すると、ダンプトラック1の制御装置2は、そのときにGPS装置4で検出されるダンプトラック1の位置を、補修必要位置としてRAM9に記憶する。これにより、補修必要な路面が、実際にどこに位置するかを記録することができる。
(3)管理局20の制御装置21は、補修必要位置に関する情報を、ダンプトラック1が走行するエリアの地図データに付加して補修マップデータを作成する。これにより、補修作業を行う際に、補修必要位置が広大な作業現場のどこに位置するかを容易に把握することができる。
(4)管理局20の制御装置21は、補修車両30による路面の補修が完了すると、補修マップデータを更新する。これにより、常に最新の情報を含む補修マップデータを生成することができる。
(5)車両は、作業現場内を走行する作業車両、例えばダンプトラック1であり、少なくとも、路面状態検出手段および位置検出手段は、作業車両1に搭載される。少なくとも路面補修手段は、路面の補修を行う補修車両30に搭載される。補修要否判断手段は、作業車両1、補修車両30、または、作業車両1および補修車両30とは異なる管理局20のいずれかに設置される。第1の実施の形態では、補修要否判断手段を、ダンプトラック1の制御装置2として構成した。
【0042】
《第2の実施の形態》
以下に、本発明の第2の実施の形態による補修システムについて説明する。
上述した第1の実施の形態においては、ダンプトラック1と、管理局20と、補修車両30とを備える補修システムにおいて、管理局20から提供される情報に基づいて、オペレータが補修車両30を操作して路面の補修作業を行うように構成した。
【0043】
第2の実施の形態では、補修車両30を無人で走行/作業するように構成し、無人の補修車両30により、路面の補修作業を自動で行う。図10に、第2の実施の形態による補修車両30Aの制御システムを表すブロック図を示す。図10において、図5に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付している。以下では、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0044】
図10に示すように、補修車両30Aは自動で走行および停止するための駆動制御装置38をさらに備えている。補修車両30Aの走行/停止および補修作業は、制御装置31によって自動制御される。
【0045】
以下に、補修車両30Aによる自動路面補修作業の流れを、図11のフローチャートを用いて説明する。図11に示す処理は、補修車両30Aの制御装置31によって実行される。
【0046】
ステップS41で補修車両30Aのエンジンが始動したと判定されると、ステップS42に進む。ステップS42で制御装置31Aは、GPS装置4から入力されるGPS信号に基づいて補修車両30Aの位置検出を開始する。
【0047】
ステップS43では、管理局20から送信される補修マップデータを受信する。ここで、自動で作業を行う補修車両30に提供される補修マップデータの一例を、図12に示す。図12に示す補修マップデータは、予め取得してあるダンプトラック1の作業現場、例えば鉱山のマップデータに、補修車両30Aが走行すべきコースを示すコースデータ27、および補修作業を実行する補修必要位置28の情報を重畳して表したものである。
【0048】
補修車両30Aを自動で走行させる場合、補修必要位置の情報だけでなく、その位置までどのようなルートを通って走行するかといったコース情報も提供する必要がある。コースデータ27は、ダンプトラック1から取得した走行軌跡情報に基づいて作成することができる。一般的に、鉱山や採石現場における掘削作業地点は作業が進むにしたがって移動し、作業地点と放土地点の間の走行ルートも変化する。そこで、ダンプトラック1から逐次得られる走行軌跡情報からコースデータを作成することにより、現在の作業地点までダンプトラック1がどのようなルートを通って走行しているかを把握することができる。
【0049】
つづくステップS44では、補修車両30Aが走行開始したか否かを判定する。なお、補修車両30Aは、補修マップデータに示されているコースデータ27に従って自動で走行する。補修車両30Aが走行開始したと判定されると、ステップS45へ進む。ステップS45で制御装置31Aは、補修車両30Aが補修マップデータに示される補修必要位置に接近したか否かを判定する。補修必要位置の数メートル(例えば5メートル)手前まで接近していると、ステップS45が肯定判定され、ステップS46に進む。ステップS46で制御装置31Aは、ブレードアクチュエータ33を駆動し、ブレードを作動させて補修必要位置の補修を開始する。補修作業を開始すると、制御装置31Aは補修作業中であるとの情報を、通信機34を介して管理局へ送信する。
【0050】
ステップS47では、補修必要位置を通過したか否かを判定する。具体的には、補修作業を行いながら補修必要位置を数メートル(例えば5メートル)通過した場合に、補修必要位置を通過したと判定して、ステップS48へ進む。ステップS48で制御装置31Aは、ブレードアクチュエータ33の駆動を停止し、その補修必要位置における補修作業を終了する。
【0051】
ステップS49で、補修マップデータに示された全ての補修必要位置の補修が終了したか否かを判定する。まだ、全ての補修必要位置の補修が完了していない場合は、ステップS45に戻り、別の補修必要位置まで走行して補修作業を行う。一方、全ての補修必要位置の補修が終了したと判定されると、制御装置31Aは、ステップS50へ進み、全補修必要位置の補修作業が完了したことを表す情報を管理局20へ送信する。補修作業を完了すると、制御装置31Aは、補修マップデータに示されているコースデータ27に従って、所定位置まで補修車両30Aを走行させ、ステップS51においてエンジンを停止する。これにより、今回の処理を終了する。
【0052】
以上説明した第2の実施の形態による路面補修システムは、上述した第1の実施の形態による効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)管理局20の制御装置21は、位置検出手段によって検出される車両(ダンプトラック1)の位置に基づいて、車両1の走行軌跡を表すコースデータを作成する。そして、制御装置21は、地図データに、補修必要位置とコースデータを重畳して補修マップデータを作成する。これにより、作業現場において、実際にダンプトラック1がどのようなルートを走行しているかを把握し、ダンプトラック1の走行ルートと補修必要位置とを補修車両30Aに提供することができる。
(2)車両は、作業現場内を走行する作業車両、例えばダンプトラック1であり、少なくとも、路面状態検出手段および位置検出手段は、作業車両1に搭載され、少なくとも路面補修手段は、路面の補修を行う補修車両30Aに搭載される。補修車両30Aは、補修マップデータ作成手段で作成された補修マップデータのコースデータに従って走行する駆動制御装置(駆動制御手段)38をさらに有し、補修マップデータに示された補修必要位置に到達すると、路面補修手段によって路面の補修作業を自動で行う。これにより、路面の補修作業を効率的に行うことができる。
【0053】
上述した第1および第2の実施の形態による路面補修システムは、例えば以下のような種々の変形が可能である。
【0054】
第1及び第2の実施の形態においては、ダンプトラック1に搭載される制御装置2において、ミリ波センサ5の検出信号に基づいて路面に補修必要な凹凸があるかを判断した。しかし、これには限定されず、ダンプトラック1から提供されるミリ波センサ5の検出信号に基づいて、管理局20の制御装置21において、路面に補修必要な凹凸があるかを判断してもよい。この場合、ダンプトラック1に搭載される制御装置2は補修必要な凹凸の有無の判断を行う必要がないので、構成を簡単にすることができる。
【0055】
また、管理局20を省略し、路面補修システムをダンプトラック1と補修車両30とから構成することもできる。この場合、ダンプトラック1で補修マップデータを作成して補修車両30,30Aに送信することができる。あるいは、ダンプトラック1から送信される路面凹凸位置情報に基づいて補修車両30,30Aで補修マップデータを作成してもよい。または、ダンプトラック1から送信される情報に基づいて、補修車両30,30Aで路面凹凸判断と補修マップデータの作成を行うように構成してもよい。
【0056】
すなわち、少なくとも、ダンプトラック1において路面状態と位置を検出し、補修マップデータを補修車両30,30Aに送信して補修作業を行うように路面補修システムが構成されていれば、補修要否の判断は、ダンプトラック1、管理局20、および補修車両30,30Aのいずれで行ってもよい。
【0057】
また、ダンプトラック1、管理局20、および補修車両30,30Aの間の情報送受信のタイミングも、上述した第1及び第2の実施の形態には限定されない。例えば、図8のフローチャートでは、ダンプトラック1からの情報を受信すると(ステップS21)、ステップS22においてすぐに補修マップデータの作成を行ったが、例えば、ダンプトラック1から送信される情報が所定量蓄積された場合に、補修マップデータを作成したり、所定の時間間隔で定期的に行うようにしてもよい。また、ステップS23において補修マップデータを補修車両30,30Aに送信するタイミングも、例えば補修車両30,30Aから補修マップデータが要求されたときに管理局20から送信するように構成してもよい。
【0058】
上述した第1および第2の実施の形態では、ダンプトラック1はミリ波センサ5を用いて走行路面の状態を検出したが、これには限定されず、別の路面状態検出手段を用いることも可能である。例えば、加速度センサによってダンプトラック1にかかる加速度Gを検出することによって、走行路面に存在する凹凸を検出することもできる。または、ダンプトラック1の各車輪に設けられたサスペンションの圧力を検出することによって、路面の凹凸を検出するようにしてもよい。
【0059】
上述した第1及び第2の実施の形態で説明した路面状態検出手段を、複数のダンプトラック1に設置し、複数のダンプトラック1で取得される路面状態に関する情報に基づいて、補修必要な凹凸があるかを判断するようにしてもよい。これにより、より正確な路面状態の検出および補修要否の判断を行うことができる。
【0060】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。たとえば、上述した路面補修システムは、鉱山や採石現場以外、例えば一般道路、高速道路、空港内の誘導路や滑走路等の路面を補修するシステムにも適用できる。この場合、路面状態の検出手段は、大型のダンプトラックではなく、これらの路面上を走行する車両に設置する。
【符号の説明】
【0061】
1:ダンプトラック、2:制御装置、3:通信機、4:GPS装置、5:ミリ波センサ、20:管理局、21:制御装置、33:通信機、30,30A:補修車両、31,31A:制御装置、32:GPS装置、33:ブレードアクチュエータ、34:通信機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段と、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
前記路面状態検出手段および前記位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段と、
前記補修要否判断手段によって補修が必要と判断された前記路面の補修を行う路面補修手段とを備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項2】
請求項1に記載の路面補修システムにおいて、
前記補修要否判断手段によって補修が必要と判断されると、そのときに前記位置検出手段で検出される前記車両の位置を、補修必要位置として記憶する記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項3】
請求項2に記載の路面補修システムにおいて、
前記記憶制御手段で記憶した前記補修必要位置に関する情報を、前記車両が走行するエリアの地図データに付加して補修マップデータを作成する補修マップデータ作成手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項4】
請求項3に記載の路面補修システムにおいて、
前記位置検出手段によって検出される前記車両の位置に基づいて、前記車両の走行軌跡を表すコースデータを作成するコースデータ作成手段をさらに備え、
前記補修マップデータ作成手段は、前記地図データに、前記補修必要位置と前記コースデータを重畳して前記補修マップデータを作成することを特徴とする路面補修システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の路面補修システムにおいて、
前記路面補修手段による前記路面の補修が完了すると、前記補修マップデータを更新する補修マップデータ更新手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の路面補修システムにおいて、
前記車両は、作業現場内を走行する作業車両であり、
少なくとも、前記路面状態検出手段および前記位置検出手段は、前記作業車両に搭載され、
少なくとも前記路面補修手段は、前記路面の補修を行う補修車両に搭載され、
前記補修要否判断手段は、前記作業車両、前記補修車両、または、前記作業車両および前記補修車両とは異なる管理局のいずれかに設置されることを特徴とする路面補修システム。
【請求項7】
請求項4に記載の路面補修システムにおいて、
前記車両は、作業現場内を走行する作業車両であり、
少なくとも、前記路面状態検出手段および前記位置検出手段は、前記作業車両に搭載され、
少なくとも前記路面補修手段は、前記路面の補修を行う補修車両に搭載され、
前記補修車両は、前記補修マップデータ作成手段で作成された前記補修マップデータの前記コースデータに従って走行する駆動制御手段をさらに有し、前記補修マップデータに示された前記補修必要位置に到達すると、前記路面補修手段によって前記路面の補修作業を自動で行うことを特徴とする路面補修システム。
【請求項1】
車両が走行する路面の状態を検出する路面状態検出手段と、
前記車両の位置を検出する位置検出手段と、
前記路面状態検出手段および前記位置検出手段の検出結果に基づいて、補修が必要な路面を判断する補修要否判断手段と、
前記補修要否判断手段によって補修が必要と判断された前記路面の補修を行う路面補修手段とを備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項2】
請求項1に記載の路面補修システムにおいて、
前記補修要否判断手段によって補修が必要と判断されると、そのときに前記位置検出手段で検出される前記車両の位置を、補修必要位置として記憶する記憶制御手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項3】
請求項2に記載の路面補修システムにおいて、
前記記憶制御手段で記憶した前記補修必要位置に関する情報を、前記車両が走行するエリアの地図データに付加して補修マップデータを作成する補修マップデータ作成手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項4】
請求項3に記載の路面補修システムにおいて、
前記位置検出手段によって検出される前記車両の位置に基づいて、前記車両の走行軌跡を表すコースデータを作成するコースデータ作成手段をさらに備え、
前記補修マップデータ作成手段は、前記地図データに、前記補修必要位置と前記コースデータを重畳して前記補修マップデータを作成することを特徴とする路面補修システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の路面補修システムにおいて、
前記路面補修手段による前記路面の補修が完了すると、前記補修マップデータを更新する補修マップデータ更新手段をさらに備えることを特徴とする路面補修システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の路面補修システムにおいて、
前記車両は、作業現場内を走行する作業車両であり、
少なくとも、前記路面状態検出手段および前記位置検出手段は、前記作業車両に搭載され、
少なくとも前記路面補修手段は、前記路面の補修を行う補修車両に搭載され、
前記補修要否判断手段は、前記作業車両、前記補修車両、または、前記作業車両および前記補修車両とは異なる管理局のいずれかに設置されることを特徴とする路面補修システム。
【請求項7】
請求項4に記載の路面補修システムにおいて、
前記車両は、作業現場内を走行する作業車両であり、
少なくとも、前記路面状態検出手段および前記位置検出手段は、前記作業車両に搭載され、
少なくとも前記路面補修手段は、前記路面の補修を行う補修車両に搭載され、
前記補修車両は、前記補修マップデータ作成手段で作成された前記補修マップデータの前記コースデータに従って走行する駆動制御手段をさらに有し、前記補修マップデータに示された前記補修必要位置に到達すると、前記路面補修手段によって前記路面の補修作業を自動で行うことを特徴とする路面補修システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−242345(P2010−242345A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90924(P2009−90924)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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