説明

身体内の動きのある標的体積に照射するための制御パラメータの決定

制御パラメータは、身体77内の所定の標的体積を粒子ビーム75で照射するシステム10に関する。システムは、標的体積内の複数の標的点30に連続して粒子ビームを向けて、標的点毎に、該標的点の周囲の領域において所定の線量分布42を生成するように構成される。制御パラメータは、第1の標的点の線量分布と隣接する標的点の線量分布との重なりの程度を制御する。制御パラメータを求めるために、第1の標的点において身体の動きを定量的に特徴付ける動きパラメータを求める(94)。動きパラメータに基づいて、制御パラメータを求める(95)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラスタ走査法、スポット走査法、若しくは連続走査法又は何らかの他の走査法において、少なくとも場合によって動くことがある所定の標的体積に照射するための粒子治療システムの制御パラメータを求める方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子ビーム、特に陽子、α粒子及び炭素原子核を使用する腫瘍治療が重要度を増しつつある。その意味では、ラスタ走査法は他の方法に勝る多くの利点を有する。この方法では、3次元ラスタが腫瘍体積上に置かれる。粒子ビームは、互いに垂直な2つの方向(x方向及びy方向)において偏向磁石によって偏向される。粒子エネルギーを能動的に変更することによって、最大量の線量が蓄積するブラッグピークの位置が、身体内の異なる複数の深度(z方向)に設定される。
【0003】
腫瘍治療に関連するいくつかの器官は肺の近くに位置し、したがって、患者の呼吸の動きに合わせて動かされる。粒子ビームの制御は、粒子治療システムに対して動かない座標系を基準にして実行される。その座標系に対して、照射される組織又は身体が動くと、必然的に、身体内で生成される線量分布と、治療する上で望ましい線量分布とが一致しないという結果を生じる。これらの不一致は、治療の成功に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、身体内で実際に生成される線量分布と、治療する上で必要な分布との間の不一致を小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その課題は、請求項1に記載の方法及び請求項12に記載の装置によって解決される。
【0006】
本発明の好ましい展開は、従属請求項において規定される。
【0007】
本発明は、身体又は身体の小領域の動きの程度に応じて、標的体積におけるビーム焦点の大きさ、又はビームの横方向寸法を変更するという着想に基づく。詳細には、粒子ビームの直径が、身体又は身体の小領域の動きの大きさ及び/又は速さに応じて変更される。その過程において、標的体積の動き又は時間依存性を考慮することに加えて、ビーム方向において標的体積の前に存在する領域の動き又は時間依存性も考慮に入れられる。
【0008】
動いていないか又はわずかしか動いていない、照射される身体の領域は、小さなビーム焦点、たとえば実現可能である最小のビーム焦点を使用して照射される。動いている領域は、拡大した焦点又は拡大した直径若しくはより幅広いビームプロファイルを有する拡張されたビームを使用して照射される。動きの程度とビームの直径との間の単調な関係が好都合である。上記のようにビーム焦点を広げることは、中でも、ビームに対して垂直な方向において身体が動く場合に好都合である。
【0009】
さらに本発明は、生成される線量分布に及ぼす身体の動きの影響を小さくするために、代替的に又は付加的に、ビーム方向に対して平行(z方向)に身体が動く場合にも、身体の動く程度に応じて粒子ビームのブラッグピークを広げるという着想に基づく。z方向において動かないか、又はわずかしか動かない、照射される身体の領域は、輪郭が鮮明である粒子エネルギー及び対応する鮮明なブラッグピークを使用して照射される。z方向において動く領域は、そのエネルギー分布がさらなる幅を有し、且つそのブラッグピークが同様に相応に広げられた粒子で照射される。ここでも、動きの程度と、エネルギー鮮明度の欠如及びブラッグピークの欠如の幅との間の単調な関係が好都合である。
【0010】
ビーム焦点若しくはビーム径の大きさ及び/又はブラッグピークの幅が、その標的体積に対して全体として、動き若しくは運動の程度に依存するがロケーションに依存する値に設定されるか、又は代替的には、ビーム径及びブラッグピークの幅が、標的体積内で変更されると共に、ロケーションに依存する値を取ることのいずれかが可能である。後者の場合、標的体積内でわずかしか動かない領域が、大きく動く領域よりも小さなビーム径及び/又は細いブラッグピークを使用して照射される。
【0011】
身体の領域の動き又は運動の程度は、たとえば、時間分解断層撮影法(たとえば、時間分解コンピュータ断層撮影−4DCT−、又は時間分解核スピン断層撮影)によって、照射計画への準備段階において突き止めることができる。代替的には、短い時間間隔で得られていないが、標的体積内の動きに関連する統計的情報を提供する複数の断層撮影画像を使用することが可能である。代替的に又は付加的に、標的体積内の動きは、適切なセンサによって測定される。そのために、たとえば、胸部の呼吸の動きがセンサによって測定される。
【0012】
照射中に標的体積において身体の動きが測定されるとき、ビーム焦点及び/又はブラッグピークに関する上述の動きに応じた調整は、ゲーティングと組み合わせることができる。その場合、照射は、照射される身体が規定された動き状態にあるか、又は動き状態の所定の間隔にあるときに限って実行される。
【0013】
本発明を、添付の図面を参照しながら一例として以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】粒子治療システムの概略図である。
【図2】等エネルギー層内の線量分布の概略図である。
【図3】等エネルギー層内の線量分布の概略図である。
【図4】等エネルギー層内の1つの線に沿った線量分布の概略図である。
【図5】等エネルギー層内の1つの線に沿った線量分布の概略図である。
【図6】等エネルギー層内の1つの線に沿った線量分布の概略図である。
【図7】等エネルギー層内の1つの線に沿った線量分布の概略図である。
【図8】粒子ビームに対して平行な線に沿った線量分布の概略図である。
【図9】粒子ビームに対して平行な線に沿った線量分布の概略図である。
【図10】照射される身体の領域の動きの概略図である。
【図11】粒子治療システムの制御パラメータを求める装置の概略図である。
【図12】粒子治療システムの制御パラメータを求める方法の概略的な流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、粒子治療システム10の構造の概観の概略図である。粒子治療システム10では、身体、特に腫瘍を患っている組織が粒子ビームで照射される。使用される粒子は、主として、たとえば、陽子、パイ中間子、ヘリウムイオン、炭素イオン又は他のイオンタイプのようなイオンである。
【0016】
通常、そのような粒子は粒子源11において生成される。図1に示されるように、異なる2つのイオンタイプを生成する2つの粒子源11が設けられる場合には、短い時間間隔内で、それらの2つのイオンタイプを切り替えることが可能である。このために、たとえば、一方においてイオン源11と、他方において前段加速器13との間に配置される切替磁石12が使用される。
【0017】
粒子治療システムにおいて選択的に使用することができる2つの異なるイオンタイプに関して挙げることができる例は、ヘリウムイオン(He又はHe)及び炭素イオンである。これらのイオンは、そのビームの生物学的効果が異なり、異なるタイプの腫瘍に適している。He及び12Cはいずれも、完全にイオン化された状態において、質量数Aと電荷Qとの間のA/Q比が同じである。したがって、それらのイオンは、大きく改変することなく、同じ加速システムにおいて加速することができる。
【0018】
イオン源(複数可)11によって、又はそれらのうちの1つによって生成され、適用できる場合には、切替磁石12を使用して選択されるイオンは、前段加速器13において、第1のエネルギーレベルまで加速される。前段加速器13は、たとえば、線形加速器である(「LINear ACcelerator」にちなんで、LINAC)。その後その粒子は、加速器15、たとえば、シンクロトロン又はサイクロトロン内に供給される。加速器15において、それらの粒子は、照射の目的のために、必要に応じて高いエネルギーまで加速される。粒子が加速器15から出た後に、高エネルギービーム輸送システム17が、粒子ビームを1つ又は複数の照射室19まで誘導する。照射室19では、加速された粒子が、照射される身体に向けられる。特定の構成によれば、これは一定の方向から実行されるか(いわゆる、「一定ビーム」室」において)、又は他方では、軸22を中心にして動くことができる回転式ガントリ21によって、様々な方向から実行される。
【0019】
図1に示される、粒子治療システム10の基本構造は、数多くの粒子治療システムの代表的なものであるが、それとは異なることもできる。本明細書において以下で説明する例示的な実施形態は、図1によって示される粒子治療システムと共に使用することができ、さらには他の粒子治療システムと共に使用することもできる。
【0020】
図2及び図3は、等エネルギー層内の線量分布の概略図である。等エネルギー層は、特定のエネルギーの粒子ビームのブラッグピークが位置する層である。検討中の等エネルギー層の前方のビーム方向において、身体が均一である、特に均一の密度及び均一の同位体組成を有するとき、等エネルギー層は平坦である。身体の密度又は組成が、検討中の等エネルギー層の前方のビーム方向において空間的に変化するとき、等エネルギー層は通常、平坦な形から逸脱する。
【0021】
照射される身体の上に、3次元ラスタが置かれる。等エネルギー層には、たとえば、ピクセル又は標的点30の正方形グリッドが配置され、図2には、一例としてそれらのうちの9個の点が示される。等エネルギー層では、標的点の直ぐ近くにおいて所定の線量を生成するために、所定の期間にわたって、且つ/又は所定の強度若しくは所定の粒子流出力を使用して、各標的点に粒子ビームが向けられる。個々の標的点の照射から生じる等エネルギー層内の線量分布は、粒子ビームの粒子流分布又は横方向プロファイルに近似的に対応する。良好な近似として、ビームプロファイルは多くの場合に、ガウス関数又はベルによって近似することができる。
【0022】
個々の標的点の照射に起因する線量分布が、図2において線32によって示される。これらの線は、同一の線量のロケーション、たとえば、線量が最大線量の50%であるロケーションを表す。これらのロケーションは、理想的な場合には、1つの円上に配置される。中央のピクセル(そのピクセルは塗り潰された丸として示される)の照射から生じる線量の空間分布は、各場合において1つの実線によって示される。他のピクセル(小さな白抜きの丸として示される)の照射から生じる線量分布は、破線によって示される。
【0023】
図2は、小さな焦点又は小さなビーム径を有する粒子ビームの場合の線量分布を示す。個々の標的点に起因する線量分布は、相対的に小さな範囲で重なる。等エネルギー層内の各点において生成される線量は、実質的にごくわずかな標的点30から生じる。小さな焦点又はビーム径は、線量が標的体積のエッジにおいて比較的急勾配で降下するという結果を有するが、他方で動いている身体の領域の場合には適していない。
【0024】
図3は、大きな焦点又は大きなビーム径を有する粒子ビームの場合の線量分布を示す。個々の標的点に起因する線量分布は、相対的に大きな範囲で重なる。等エネルギー層内の各点において生成される線量は、各場合において、数多くの標的点30の照射から生じる。大きな焦点又はビーム径は、図4〜図7を参照しながら以下で示されるように、動いている身体又は身体の動いている領域の場合に適している。
【0025】
図4〜図7は、等エネルギー層内の1つの線に沿った線量分布の概略図である。各場合の図は、横座標が等エネルギー層内の線に沿った座標xに関連付けられ、縦座標が線量Dに関連付けられるグラフを示している。その線は、粒子ビームの多数の標的点がその線上に位置するように、等エネルギー層内に位置する。
【0026】
図4〜図7に示される全ての例において、標的点は、照射システムに対して動かない座標系において均一なラスタ内に配置される。したがって、動かない座標系では、最も近い隣接する標的点の全ての対が互いから同じ間隔を有する。その線及び座標xは、照射される身体に対して動かない。身体又は身体の複数の領域が、その線に対して平行な方向において、照射システムの座標系に対して動くとき、標的点の座標xは変化する。
【0027】
各場合において、図4〜図7は、個々の標的点の照射から生じる線量分布42と、照射全体(全線量)から生じる線量分布50とを示す。したがって、線量分布50は、各場合において、線量分布42の総和である。
【0028】
図4は、照射システムに対して動かない身体の場合の線量分布42、50を示す。個々の標的点の照射から生じる線量分布42は、身体が動いていないため、照射システムの座標系内の標的点と同程度に均一に配置される。したがって、全ての標的点の照射から生じる線量分布50は、平坦な水平域51を有し、線量Dは座標xから概ね独立している。平坦な水平域51のエッジにおける相対的に急勾配の傾斜域52は、身体内の標的体積のエッジに位置する。
【0029】
図5は、動く身体の場合の線量分布42、50を示す。個々の標的点の一連の照射中に、その線に対して平行な方向に身体が動くと、結果として生成される線量分布42が、座標xに関して、もはや身体内で均一に分布しないという結果がもたらされる。厳密に調べた場合にのみ図5において見ることができる小さな不均一性であっても、照射全体から生じる線量分布50が、もはや平坦な水平域51を有しないという結果をもたらす。その代わりに、線量Dにおいて顕著な空間変動53を見ることができる。線量D内のこの空間変動53は、標的体積内での治療上最適な線量に対する不一致を表しており、治療の成功を脅かす。
【0030】
図6は、図5に示されるのと同じ状況、特に身体の動きが同じである場合の線量分布42、50を示す。しかしながら、図5とは対照的に、図5よりも大きなビーム径又はビーム焦点が選択された。したがって、個々の標的点の照射から又は粒子ビームを個々の標的点に向けることから生じる線量分布42は、より平坦であり且つより広い。照射全体から生じる線量分布50は、図5を参照しながら上記で示された、より小さなビーム径の場合よりも著しく低い空間変動53を有する。
【0031】
図7は、同じ状況の場合、特に照射中に身体が図5及び図6の例示の基礎を成す身体の動きと同じように動く場合の線量分布42、50を示す。しかしながら、ビーム径又はビーム焦点が、図6の例示に比べてさらに拡大される。標的点の個々の照射から生じる線量分布42は、それに応じて、さらに平坦になり且つさらに広くなる。標的点の一連の照射中の身体が動くにもかかわらず、照射全体から生じる線量分布50は、概ね平坦な水平域51を有する。
【0032】
したがって、粒子ビームの直径を拡大する結果として、一連の照射中の身体の動きが、照射全体から生じる線量分布50に及ぼす影響は、完全に、又は少なくとも許容できるレベルまで抑圧することができる。
【0033】
図5、図6、図7を比較すると、粒子ビーム径を大きくしていくと、照射全体から生じる線量分布50の傾斜域52の急勾配がなだらかになるという結果がもたらされることがわかる。身体の動きの程度と、設定されるビーム径との間の最適な関係を使用するとき、標的体積内で許容できる空間変動を有する、線量Dの十分な均一性と同時に、可能な限り急勾配である、標的体積のエッジにおける線量Dの傾斜域とを得ることが可能である。このために、たとえば、標的点の領域内の身体の動きと、その標的点に粒子ビームを向けるときに選択されるビーム径との間の単調な、特に厳密に単調な関係が選択される。
【0034】
図8及び図9は、粒子ビームに対して平行な線に沿った線量分布の概略図である。各場合において、横座標はその線に沿った座標zに関連付けられる。各場合において、縦座標は線量Dに関連付けられる。各場合において、3つの等エネルギー面の照射から生じる、すなわち3つの公称粒子エネルギーを使用する線量分布62が示される。
【0035】
図8は、輪郭が鮮明である3つの粒子エネルギーの場合の線量分布62を示しており、結果として、単一エネルギー粒子ビームに関して既知である、多かれ少なかれ顕著な(粒子質量による)ブラッグピークが生じる。1つの等エネルギー層に沿って身体が動く場合に図5を参照しながら上記で示されたのと同じように、粒子ビームに対して平行な方向に身体が動く結果として、全ての等エネルギー面の照射から生じる線量分布が不均一になる。また、任意の方向における動きに起因して密度が変化する結果として、それらがビームの入口チャネル、すなわち、ビーム方向において標的体積の前方に存在する領域内に位置するときに変化が生じる可能性がある。
【0036】
図9は、より広いエネルギー分布を有する粒子ビームによって生成されるような線量分布62を示す。ブラッグピークはより顕著でない。線量分布62は、より広く且つより平坦である。ビーム径を拡大する場合に図6及び図7を参照しながら上記で示されたのと同じように、図9に示される線量分布は、ビーム方向においてより広く、その結果として、等エネルギー層の一連の照射中に身体又は身体の一部が粒子ビームの方向に動くことによって、照射全体から生じる線量分布に及ぼされる影響が抑圧される。さらに、ブラッグピークがより広いので、入口チャネル、又はビーム方向において標的体積の前方に位置する領域内の動き又は密度変化が、所望の線量分布に及ぼす影響もより小さくなる。
【0037】
概ね単一エネルギーの形で粒子加速器によって当初に生成される粒子ビームのエネルギー分布を広げることは、たとえば、リップルフィルタを使用して実現可能である。
【0038】
照射される身体の動きが、標的体積内で、等エネルギー面に対して平行であり且つ粒子ビームに対して平行である成分を有するとき、又は、たとえば、標的体積の動きに加えて、若しくはビームに対して垂直な方向における標的体積内で、入口チャネル内の密度が時間依存性でもあるとき、図6及び図7を参照しながら上記で示された粒子ビームの拡大を、図9を参照しながら上記で示された粒子ビームのエネルギー分布の広がりと組み合わせることができる。
【0039】
個々の標的点の照射から生じる線量分布の重なりの拡大は、粒子ビームを広げること、又は粒子ビームのエネルギー分布を広げることによって得ることができるだけではない。代替的に又は付加的に、各等エネルギー層内で、標的点のさらに細かいラスタ、及び/又はさらに詰まった一連の等エネルギー層が選択される。
【0040】
図2、図3、図8及び図9を参照しながら上記で示された、粒子ビームに対して垂直な方向(図2及び図3)、及び粒子ビームに対して平行な方向(図8及び図9)における線量分布の重なりにおける変動、並びに等エネルギー層の間隔における上記の変動は、粒子エネルギーの関数として、又は等エネルギー層数の関数として系統的に成し遂げることもできる。結果として照射を柔軟に変更することが可能であり、また特定の状況下では照射を迅速化することも可能である。
【0041】
標的点が遠くに配置されるほど、又は標的点に関連付けられる粒子エネルギーが低くなるほど、より高い粒子エネルギーを使用して標的点を照射することによって、その標的点において生成される線量がより大きくなる。より深い位置にある標的点を照射することから生じるこの線量成分は、位置に対する依存度が相対的に低い。その線量成分が大きくなるほど、検討中の標的点の照射によって生成される線量の位置依存性が、実際に蓄積される線量が所定の線量に対応する正確さに及ぼす影響が小さくなる。
【0042】
したがって、近くの層、又は深い位置にない層に照射するとき(たとえば、図8及び図9において、各場合において左側に配置されるブラッグピークによって示される)、個々の線量分布の重なりの程度は、遠くの層、又はより深い位置にある層に照射するとき(たとえば、図8及び図9において、各場合において右側に配置されるブラッグピークによって示される)よりも小さくすることができる。近くの等エネルギー層の場合ほど等エネルギー層間隔が広くなる結果として、等エネルギー層の数を、そして結果として、標的点全体の数も少なくすることができる。等エネルギー層の数又は標的点の数を少なくする結果として照射手順全体が迅速化され、それは患者及び粒子治療システムの動作の経済的な実行可能性にとって好都合である。
【0043】
上記の説明において明示した目的は主に、均一な線量分布、又は標的体積内のロケーションに依存しない線量を生成することであった。しかしながら、図2〜図9を参照しながら上記で説明された方策は、動きがあっても予め指定された不均一な線量分布を得ること、又は標的体積若しくはビーム方向においてその前方に位置する領域の時間依存性の不均一性を得ることにも同じく適している。
【0044】
図10は、図3、図6、図7及び図9によって上記で説明された方策とゲーティングとの組み合わせの概略図である。図10は、身体の様々な動き状態を示しており、文字a〜fによって特定される。各場合において、基準として観測窓65が示されており、それは照射システムの座標系内で静止している。さらに、ゲーティング窓の第1のエッジ66及び第2のエッジ67が示される。動き状態a〜fの順序において、観測される領域68、たとえば、腫瘍又は何らかの他の臨床治療の標的体積が上からゲーティング窓に入る。観測される領域68は、動き状態a及びbでは、ゲーティング窓の完全に外側に位置し、動き状態c及びdでは、ゲーティング窓の部分的に外側に位置する。動き状態e及びfでは、観測される領域は、ゲーティング窓の完全に内側に位置する。観測される領域68がゲーティング窓の完全に内側に位置する動き状態eからfにおいてのみ、照射が行なわれる。これによって、照射の瞬間に、ゲーティング窓によって、又はゲーティング窓の寸法と観測される領域68との間の差によって規定される程度だけ、標的体積内の身体の領域が所望の位置に対して動かされるようになる。照射中の身体の残りの動きが、照射全体から生じる線量分布に及ぼす影響を抑圧するために、上記のように、個々の標的点の線量分布間の重なりの程度を大きくする。
【0045】
図2〜図10による上記の例示は、3次元ラスタ又はその2次元断面に関連する。このラスタは、図2〜図9における例示とは対照的に、3つの空間的方向において異なる周期を有する、すなわち非立法体とすることができ、且つ/又は異なる空間方向において若しくは全体として異なる数の格子点を有することができ、且つ/又は平行な平面内に異なる数のラスタ点を有することができる。さらに、六角形又は任意の他の所望のラスタも実現可能である。
【0046】
上述の方策は、1つの粒子ビームが連続工程又は不連続工程において複数の標的点に連続して向けられる任意の照射に使用することができる。たとえば、記載されている方策は、スポット走査法に使用することができ、ここで、粒子ビームは、所定の時間にわたって各標的点に留まり、且つ/又は所定の数の粒子を堆積し、偏向磁石が次の標的点に向けて設定される間オフに切り替えられる。その方法はさらに、ラスタ走査法にも使用することができ、ここで、粒子ビームは、所定の期間にわたって各標的点に留まり、且つ/又は所定の数の粒子を堆積するが、標的点間でオフに切り替えられないか、又は必ずしもオフに切り替えられるとは限らない。
【0047】
上記の方策はさらに、連続走査法にも適している。連続走査法では、標的点は連続した線を形成し、すなわちそれらの標的点は連続(又は準連続)集合を形成し、その数は可算無限である。連続走査法では、粒子ビームは、等エネルギー層内の少なくとも1つの線又は行内で連続して偏向され、個々のロケーションに或る時間留まることなく、標的点上を通過する。
【0048】
照射される身体の動きの程度に依存するビーム径の代わりに、連続走査法の場合には、走査速度を減速することもできる。同時にこの場合には、各ロケーションにおいて得られる線量を同じにするために、粒子速度、すなわち単位時間当たりの粒子ビーム内の粒子数が減らされる。
【0049】
図11は、身体内の所定の標的体積を粒子ビームで照射するシステムの制御パラメータを求める装置の概略図である。その装置は、動きパラメータを求めるデバイス82と、制御パラメータを求めるデバイス84とを備える。デバイス84は、デバイス82から動きパラメータを受信し、それに基づいて、制御パラメータを求める。動きパラメータを求めるデバイス82は、たとえば、時間分解断層撮影画像を生成するコンピュータ断層撮影デバイス71若しくは核スピン断層撮影デバイス、又は照射される身体の(2次元)蛍光透視法のためのX線デバイスに接続される。
【0050】
代替的に又は付加的に、デバイス82はPETカメラ(PET:ポジトロンエミッション断層撮影)に接続され、それは、照射中又は照射直後に、陽電子が対消滅するときに放出される光子対を検出するために、身体の照射部位に又は別の空間に設けられる。PETカメラ72は、デバイス82に、照射された身体77において生成される線量分布の画像を供給する。
【0051】
代替的に又は付加的に、デバイス82は、照射中に、照射されている身体77の動きを検出する超音波センサ73又は何らかの他のセンサに接続される。
【0052】
デバイス82は、断層撮影デバイス71から、照射される身体の複数の時間分解画像を受信する。代替的に又は付加的に、支持表面78上に置かれている身体77に粒子ビーム75を照射中に、デバイス82は、センサ73から測定信号を受信する。この測定信号は、身体77の瞬時の動き状態を指示する。代替的に又は付加的に、デバイス82は、PETカメラ72から、粒子ビーム75によって身体77において生成される線量分布の画像を受信する。デバイス82は、それらの入力データ項目から、少なくとも第1の標的点における身体の動きを定量的に特徴付ける1つ又は複数の動きパラメータを求める。入力データ項目が十分に包括的であり且つ正確である場合には、標的体積内の標的点毎に、又は複数の標的点グループのグループ毎に、動きパラメータを求めることができる。
【0053】
デバイス82によって求められる動きパラメータ(複数可)は、制御パラメータを求めるデバイス84の入力83に転送される。デバイス84は、1つ又は複数の動きパラメータに基づいて、1つ又は複数の制御パラメータを求める。これらの制御パラメータは、制御デバイス86に転送される。制御デバイス86は、たとえば、図1において上記で示された種類のシステムを制御する。制御デバイスの制御下で、そのシステムは、標的点の周囲の領域内の所定の線量分布を標的点毎に生成するために、身体77内の標的体積内の多数の標的点に連続して粒子ビーム75を向ける。デバイス84によって制御デバイス86に転送される制御パラメータ(複数可)は、標的点のそれぞれの線量分布と、それぞれに隣接する標的点の線量分布との重なりの程度を制御する。重なりの程度は上記のように、たとえば、図3、図6、図7及び図9を参照しながら上記で説明されたように、ロケーションとは無関係に又はロケーションに依存して、標的体積全体に対して変更される。
【0054】
図11による上記の例示とは対照的に、デバイス82及び84、又はデバイス82、84及び86はさらに、単一デバイス内又は単一のシステム内に、たとえば、照射計画システムに一体化することができる。
【0055】
デバイス84は、図12を参照しながら以下で示されるような方法を制御又は実行するように構成することができる。
【0056】
図12は、身体内の所定の標的体積を粒子ビームで照射するシステムのための制御パラメータを求める方法の流れ図の概略図である。本方法は、標的点の周囲の領域内の所定の線量分布を標的点毎に生成するために、標的体積内の複数の標的点に連続して粒子ビームを向けるシステムのために構成される。その中の制御パラメータは、第1の標的点の線量分布と、隣接する標的点の線量分布との重なりの程度を制御する。
【0057】
第1のステップ91では、照射される身体の複数の時間分解画像、特に断層X線図を受信する。これらの画像は、照射の直前に、又は複数回の照射を含む照射プログラムの開始前に、又は数日若しくは数週間前に予め形成することができる。代替的に又は付加的に、第2のステップ92において、照射中に身体の動きを検出するセンサの測定信号を受信する。このセンサは、たとえば、図10において上記で示された超音波センサ78とすることができる。代替的に又は付加的に、第3のステップ93では、照射中に、照射されている身体の画像を受信する。たとえば、この画像は、図10を参照しながら上記で説明されたPETカメラを使用して生成される断層X線図である。代替的には、蛍光透視法又は連続2次元投影X線照射を使用することができる。
【0058】
第4のステップ94では、第1のステップ91、第2のステップ92及び第3のステップ93において受信した入力データ項目のうちの1つ又は複数から、1つ又は複数の動きパラメータを求める。これは、たとえば、図10において上記で示されたデバイス82において実行される。
【0059】
第5のステップ95では、動きパラメータ(複数可)に基づいて、1つ又は複数の制御パラメータを求める。これは、たとえば、図10において上記で示されたデバイス84において実行される。求められた制御パラメータ(複数可)は、照射システムにおいて、各場合において少なくとも1つの標的点における線量分布の拡張を制御するために、且つ/又は隣接する標的点間の間隔を制御するために与えられる。制御パラメータ(複数可)は、たとえば、各場合において標的点のうちの少なくとも1つにおける粒子ビームのブラッグピークの横方向プロファイル又は幅を制御するために特に与えられる。
【0060】
身体の照射中に得られた入力データ項目から、動きパラメータ(複数可)が得られるとき、所定の1組の動き状態からの動き状態においてのみ身体の照射を制御するために、制御パラメータを与えることができる。たとえば、所定の1組の動き状態は、それらの動き状態において、身体の動きから生じる、所望の値に対する局所的な全線量の不一致を、標的点における線量分布の重なりによって十分に抑圧できるように選択される。その場合に、動きパラメータ(複数可)は、たとえば、所定の1組の動き状態からの動き状態にある場合にのみ、身体の動きを特徴付ける。
【0061】
第6のステップ96では、制御パラメータ(複数可)を、照射システムに転送する。これは、たとえば、図10によって上記で示される例示的な実施形態において、制御パラメータを求めるデバイス84と、制御デバイス86との間で成し遂げられる。第7のステップ97では、たとえば、図1において上記で示された種類の計画標的体積を照射するシステムを、その制御パラメータ(複数可)を使用して制御する。
【0062】
上述のステップは、複数の別個の方法において、且つ様々な異なる時点において実行することができる。たとえば、第1のステップ91、第4のステップ94及び第5のステップ95は、照射の直前に、又は別個の方法において数日若しくは数週間前に予め実行される。代替的に又は付加的に、たとえば、第2のステップ92及び/又は第3のステップ93、そして第4のステップ94及び第5のステップ95も、別個の方法において、照射の直前又は照射中に実行される。いずれの例においても、第6のステップ96及び第7のステップ97は、他のステップの直後、又は他のステップから時間的に間隔を置いて実行される1つ若しくは2つの別個の方法の形をとることができる。
【0063】
記載されている例示的な実施形態は、粒子治療との関連で使用するのに適しているだけではない。さらに、それらの実施形態は、包括的には材料を照射するシステムにおいて、特に、加えられるビーム線量が空間的に変化すべきであるか、又は標的体積に制限されるべきであるときに、そして特に、材料がシステムの基準系に対して動くか、又はシステムの基準系に対して動かされるときに、使用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 粒子治療システム
11 粒子源
12 切替磁石
13 前段加速器
15 加速器
17 高エネルギービーム輸送システム
19 照射室
21 ガントリ
22 ガントリ21の軸
30 標的点
32 標的点30におけるビームの実際の拡張
42 1つの標的点におけるビームから生じる線量分布
50 照射全体から生じる線量分布
51 平坦な水平域
52 傾斜域
53 線量の空間変動
62 等エネルギー面からの線量分布
65 観測窓
66 ゲーティング窓の第1のエッジ
67 ゲーティング窓の第2のエッジ
68 観測される領域
71 断層撮影デバイス
72 PETカメラ
73 超音波センサ
75 粒子ビーム
77 身体
78 支持表面
82 動きパラメータを求めるデバイス
83 デバイス84の入力
84 制御パラメータを求めるデバイス
86 照射システムのための制御デバイス
87 制御ライン
91 第1のステップ
92 第2のステップ
93 第3のステップ
94 第4のステップ
95 第5のステップ
96 第6のステップ
97 第7のステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体(77)内の所定の標的体積を粒子ビーム(75)で照射するシステム(10)の制御パラメータを求める方法であって、前記システム(10)は、前記標的体積内の複数の標的点(30)に連続して前記粒子ビーム(75)を向けて、標的点(30)毎に、該標的点(30)の周囲の領域において所定の線量分布(42)を生成するように構成され、前記制御パラメータは、第1の標的点(30)の前記線量分布(42)と隣接する標的点(30)の該線量分布(42)との重なりの程度を制御し、該方法は、
前記第1の標的点(30)において前記身体(77)の動きを定量的に特徴付ける動きパラメータを求めるステップ(94)と、
前記動きパラメータに基づいて、前記制御パラメータを求めるステップ(95)とを含む、方法。
【請求項2】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記線量分布(42)の拡張、及び/又は隣接する標的点(30)からの前記第1の標的点(30)の間隔を制御するために与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記粒子ビーム(75)の横方向プロファイルを制御するために与えられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記粒子ビーム(75)のブラッグピーク(62)の幅を制御するために与えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
照射前の異なる複数の時点において求められた前記身体(77)の複数の画像が、前記動きパラメータを求めるステップ(94)に入る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
照射中に前記身体(77)の画像が前記動きパラメータを求めるステップに入る、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記身体(77)の動きを検出するセンサ(73)の測定信号が、前記動きパラメータを求めるステップに入る、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記動きパラメータは、前記動きの大きさ又は速さを特徴付ける、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記動きパラメータは、前記身体(77)が所定の1組の動き状態からの1つの動き状態にある時間間隔においてのみ、前記身体の動きを特徴付ける、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の1組の動き状態は、前記身体(77)の動きから生じる所望の値に対する局所的な全線量(50)の不一致を、前記標的点(30)における前記線量分布(42)の所与の最大の重なりによって所与の範囲内に保持することができる動き状態を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記制御パラメータは、前記身体(77)が前記所定の1組の動き状態からの1つの動き状態にある時間間隔においてのみ行なわれる照射を制御するために与えられる、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御パラメータは、照射される標的点の深度に基づいて、又は粒子エネルギーに基づいてさらに変更される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記制御パラメータは、隣接する標的点(30)の前記線量分布の重なりの程度が、深くないロケーションにある標的点(30)の場合よりも深いロケーションにある標的点(30)の場合により大きくなるように、又は低い粒子エネルギーの場合よりも高い粒子エネルギーの場合により大きくなるように変更される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
身体(77)内の所定の標的体積を粒子ビーム(75)で照射するシステム(10)の制御パラメータを求めるための装置であって、前記システム(10)は、前記標的体積内の複数の標的点(30)に連続して前記粒子ビーム(75)を向けて、標的点(30)毎に、該標的点(30)の周囲の領域において所定の線量分布(42)を生成するように構成され、前記制御パラメータは、第1の標的点(30)の前記線量分布(42)と隣接する標的点(30)の該線量分布(42)との重なりの程度を制御し、該装置は、
前記第1の標的点(30)における前記身体(77)の動きを特徴付ける動きパラメータを受信するための入力(83)と、
前記動きパラメータに基づいて、前記制御パラメータを求めるデバイス(84)とを有する、装置。
【請求項15】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記線量分布(42)の拡張、及び/又は隣接する標的点(30)からの前記第1の標的点(30)の間隔を制御するために与えられる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記粒子ビーム(75)の横方向プロファイルを制御するために与えられる、請求項14又は15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記制御パラメータは、前記第1の標的点(30)における前記粒子ビーム(75)のブラッグピーク(62)の幅を制御するために与えられる、請求項14〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
照射前の異なる複数の時点において求められた前記身体(77)の複数の画像を受信し、該画像に基づいて前記動きパラメータを求めるデバイス(82)をさらに有する、請求項14〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
照射中に前記身体(77)の画像を受信し、該画像に基づいて前記動きパラメータを求めるデバイス(82)をさらに有する、請求項14〜18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記身体(77)の動きを検出するセンサ(73)の測定信号を受信し、該測定信号に基づいて前記動きパラメータを求めるデバイス(82)をさらに有する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
方法請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
治療計画装置である、請求項14〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記制御パラメータを求めるデバイス(84)は、照射される標的点の前記深度に基づいて又は前記粒子エネルギーに基づいてさらに前記制御パラメータを変更するように構成される、請求項14〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記制御パラメータを求めるデバイス(84)は、隣接する標的点(30)の前記線量分布の重なりの程度が、深くないロケーションにある標的点(30)の場合よりも深いロケーションにある標的点(30)の場合により大きくなるように、又は低い粒子エネルギーの場合よりも高い粒子エネルギーの場合により大きくなるように、前記制御パラメータを変更するように構成される、請求項14〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
身体(77)内の所定の標的体積を粒子ビーム(75)で照射するシステム(10)であって、前記システムは、前記標的体積内の複数の標的点(30)に連続して前記粒子ビーム(75)を向けて、標的点(30)毎に、該標的点(30)の周囲の領域において所定の線量分布(42)を生成する、前記制御パラメータは、第1の標的点(30)の線量分布(42)と隣接する標的点(30)の線量分布(42)との重なりの程度を制御し、前記システム(10)は装置請求項14〜24のいずれか一項に記載の装置を備える、システム。

【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−521256(P2010−521256A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553934(P2009−553934)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/001279
【国際公開番号】WO2008/116535
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(504343177)ゲーエスイー ヘルムホルツツェントルム フュア シュヴェアイオーネンフォルシュング ゲーエムベーハー (8)
【住所又は居所原語表記】Planckstr. 1, D−64291 Darmstadt, Germany
【出願人】(598110068)シーメンス アーゲー (3)
【Fターム(参考)】