身体測定装置
【課題】簡単な構成により低コストで導入することが可能であって、腹囲や胸囲などの身体測定を行うことが可能な身体測定装置の提供。
【解決手段】被測定者を乗せて回転する測定台２と、この測定台２上の被測定者の身体表面までの距離を測定する距離計３と、被測定者の身体表面の測定位置を決定するために測定台上の被測定者を撮像するカメラ４と、カメラ４により撮像した画像に基づいて距離計３により測定される位置を被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、距離計３の高さを調節する高さ調節手段と、測定台２を回転させながら距離計３により測定台２上の被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出する手段とを有する。
【解決手段】被測定者を乗せて回転する測定台２と、この測定台２上の被測定者の身体表面までの距離を測定する距離計３と、被測定者の身体表面の測定位置を決定するために測定台上の被測定者を撮像するカメラ４と、カメラ４により撮像した画像に基づいて距離計３により測定される位置を被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、距離計３の高さを調節する高さ調節手段と、測定台２を回転させながら距離計３により測定台２上の被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出する手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、腹囲や胸囲などの身体測定を行うための身体測定装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、健診者に接触することなく非接触方式で腹囲や胸囲などの身体測定を行う装置が開発されている。例えば、特許文献１には、所定位置から被測定者の身体表面までの距離を水平方向から所定範囲に亘って検出し、これに対応した信号を出力する６台の体形検出機構が設けられた体形検出部と、各体形検機構のうち３台ずつを１組として垂直方向に駆動する駆動機構とを備え、各体形検出機構から出力される体形情報を処理して体形データを形成する体形自動測定装置が開示されている。
【０００３】
また、特許文献２には、光学的手段により照射されたレーザスリット光を回転しながら被測定者の体表面上に死角になる部分に光が当たるようにレーザ光反射手段で間接的に照射し、照射されたレーザ光を撮影手段により画像として取り込み、得られた情報から体表面、体容積等を測定する体格測定装置が開示されている。
【０００４】
【特許文献１】特開昭６２−２３１６２３号公報
【特許文献２】特開平７−３１３４９２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前述のような測定装置では、装置が非常に大掛かりであり、装置構成も複雑であるため、装置のコストが高く、個々の病院や保健所などの施設に導入することは困難であり、普及には至っていない。
【０００６】
そこで、本発明においては、簡単な構成により低コストで導入することが可能であって、腹囲や胸囲などの身体測定を行うことが可能な身体測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の身体測定装置は、被測定者を乗せて回転する測定台と、この測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定する距離測定手段と、被測定者の身体表面の測定位置を決定するために測定台上の被測定者を撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮像した画像に基づいて距離測定手段により測定される位置を被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、測定台上の被測定者または距離測定手段の高さを調節する高さ調節手段と、測定台を回転させながら距離測定手段により測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出する手段とを有するものである。
【０００８】
本発明によれば、測定台上に乗った被測定者を撮像手段により撮像し、この撮像した画像に基づいて被測定者の身体表面の測定位置を高さ調節手段により合わせてから、測定台を回転させて距離測定手段により測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定すると、身体表面の測定位置の周長が算出される。
【０００９】
また、本発明の身体測定装置は、距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有するものであることが望ましい。これにより、撮像手段により撮像した画像に基づいて被測定者の身体表面の測定位置を合わせる際に、身体表面の測定位置が撮像した画像とともに表示手段に表示されるので、この表示手段の表示を見ながら測定位置を確認することができる。
【００１０】
また、本発明の身体測定装置は、測定台上に被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有するものであることが望ましい。これにより、回転する測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定する際に、測定台の回転により被測定者の身体が動くのを防止してより正確な測定を行うことが可能となる。
【００１１】
ここで、固定手段は、測定台上で膨らんで被測定者の身体を挟持するエアバッグであることが望ましい。これにより、被測定者がどのような位置や向きで測定台上に乗っていた場合であっても、エアバッグの膨らみにより被測定者の身体を挟持し、安定して固定することが可能となる。
【００１２】
また、本発明の身体測定装置は、撮像手段により撮像した画像を解析して距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有するものであることが望ましい。これにより、測定台上に被測定者が乗ると、自動的に身体表面の測定位置が検出され、高さ調節手段により高さが自動調節される。
【発明の効果】
【００１３】
（１）本発明によれば、測定台上に乗った被測定者の身体表面の測定位置を高さ調節手段により合わせてから、測定台を回転させて被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出するので、測定に際しては測定台を回転させるだけで良く、簡単な構成により低コストで導入可能な身体測定装置が得られる。
【００１４】
（２）距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有することにより、撮像した画像とともに表示される身体表面の測定位置を見ながら測定位置を調節することが可能となり、人の目を借りてより簡単かつ正確な測定位置を調節することが可能となる。
【００１５】
（３）測定台上に被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有するものであることにより、測定時に測定台が回転することにより被測定者の身体が動くのを防止して、より正確な測定を行うことが可能となる。
【００１６】
（４）固定手段が、測定台上で膨らんで被測定者の身体を挟持するエアバッグであることにより、被測定者がどのような位置や向きで測定台上に乗っていた場合であっても、エアバッグの膨らみにより被測定者の身体を挟持し、安定して固定することが可能となり、より正確な測定を行うことが可能となる。
【００１７】
（５）撮像手段により撮像した画像を解析して距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有するものであることにより、測定台上に被測定者が乗ると、自動的に身体表面の測定位置が検出され、高さ調節手段により高さが自動調節されるので、より簡単な身体測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
図１は本発明の実施の形態における身体測定装置の平面図、図２は図１の正面図、図３は図１の測定台の斜視図、図４は図１の身体測定装置のブロック図である。なお、詳細は後述するが、図１はエアバッグが膨らんだ状態、図２および図３はエアバッグが萎んだ状態をそれぞれ表している。
【００１９】
図１〜図３において、本実施形態における身体測定装置１は、被測定者Ｐの腹囲を測定する腹囲測定装置であって、被測定者Ｐを乗せて鉛直方向軸周りに回転する円板状の測定台２と、測定台２の回転中心軸に対して直角、すなわち水平方向に向けて設置された距離測定手段としての距離計３と、距離計３とほぼ平行方向に向けて設定された撮像手段としてのカメラ４と、カメラ４により撮像した画像を表示する表示手段としてのモニタ５とを有する。
【００２０】
測定台２は、測定台２の下面の中心に設けられたモータ６により回転駆動される。また、測定台２の下面周縁部には複数の車輪７が設けられている。車輪７の回転中心軸は、全てモータ６の回転中心軸に対して直交する方向に設定されており、測定台２がモータ６により回転駆動される際に、測定台２を回転可能に支持するようになっている。距離計３は、例えばレーザ光線や超音波などを利用して距離を測定するものを使用することができる。
【００２１】
また、測定台２の上には、被測定者Ｐの身体を固定するためのフレーム８およびエアバッグ９が設けられている。フレーム８およびエアバッグ９は、被測定者Ｐが測定台２に乗り降りすることができるように分割されている。被測定者Ｐは、このフレーム８およびエアバッグ９が分割された箇所に形成された乗降口１０から測定台２に乗り降りすることが可能である。
【００２２】
エアバッグ９は、空気を内部に導入することにより膨んで被測定者Ｐの身体を挟持することにより、被測定者Ｐの身体が動かないようにフレーム８の内側に固定する固定手段である。フレーム８には、エアバッグ９がフレーム８の内側、すなわち測定台２の中心に向かってのみ膨らむように規制壁８ａが設けられている。なお、フレーム８およびエアバッグ９は、距離計３による測定およびカメラ４による撮像を阻害しない高さに設定されている。
【００２３】
また、本実施形態における身体測定装置１は、図４に示すように各部を制御したり、演算処理を行ったりするための中央処理装置１１を備えている。中央処理装置１１は、被測定者Ｐの身体表面の測定位置を決定するためにカメラ４により測定台２上の被測定者Ｐを撮像し、このカメラ４により撮像した画像に基づいて高さ調節手段１２により距離計３の高さを調節する。高さ調節手段１２は、距離計３による測定位置を被測定者Ｐの身体表面の測定位置に合わせるために、距離計３およびカメラ４の高さを調節するものである。
【００２４】
本実施形態においては、高さ調節は、カメラ４により撮像した画像から被測定者Ｐの測定位置としての臍の位置を計測し、距離計３の測定位置が被測定者Ｐの臍の位置と一致するように距離計３およびカメラ４の高さを自動的に調節する。なお、中央処理装置１１は、距離計３により測定される身体表面の測定位置をカメラ４により撮像した画像とともにモニタ５に表示することで、被測定者Ｐ自身により距離計３およびカメラ４の高さや、被測定者Ｐ自身の測定位置の高さを調節させることも可能である。
【００２５】
次に、上記構成の身体測定装置１による腹囲測定について説明する。
被測定者Ｐが乗降口１０から測定台２上に乗ると、中央処理装置１１は、カメラ４により測定台２上に被測定者Ｐが乗ったことを認識すると、エアバッグ９を作動させて膨らませ、測定台２上に被測定者Ｐを身体が動かないように固定する。そして、中央処理装置１１は、カメラ４により撮像した画像を解析して被測定者Ｐの臍の位置を検出し、高さ調節手段１２により距離計３の高さを自動調節する。
【００２６】
次に、中央処理装置１１は、モータ６を作動させて測定台２を１回転させる。このとき、中央処理装置１１は、距離計３により回転中の測定台２上の被測定者Ｐの身体表面までの距離を１周分測定する。そして、中央処理装置１１は、被測定者Ｐの身体表面の測定位置の周長、すなわち臍周りの腹囲を算出する。中央処理装置１１は、この測定結果をモニタ５に表示する。なお、中央処理装置１１は、この測定結果を通信ネットワーク（図示せず。）を通じて別のコンピュータなどの装置へ伝送して記録する構成とすることも可能である。
【００２７】
そして、測定が完了すると、中央処理装置１１はエアバッグ９を作動させて萎ませるので、被測定者Ｐは測定台２から降りることができる。なお、中央処理装置１１は、エアバッグ９が膨らんだり、萎んだりするときや、測定台２が回転したりするときに、モニタ５に表示したり、警告音を発したりしてアナウンスする構成とすることも可能である。
【００２８】
次に、本発明の身体測定装置の別の実施形態について説明する。図５は本発明の身体測定装置の別の実施形態を示す平面図、図６は図５の正面図である。
【００２９】
図５および図６に示す身体測定装置２０は、前述の身体測定装置１のフレーム８およびエアバッグ９に代えて、測定台２の中心に高さ調節可能な椅子２１を備えた構成である。この構成では、測定台２上の椅子２１の高さを調節することで、カメラ４により撮像した画像に基づいて距離計３による測定位置を合わせることが可能である。なお、椅子２１の高さの調整は、前述の距離計３およびカメラ４と同様に自動または手動とすることができる。また、椅子２１に代えて、距離計３およびカメラ４の高さを調節可能な構成とすることもできる。
【００３０】
以上のように、身体測定装置１，２０によれば、測定台２上に乗った被測定者Ｐの身体表面の測定位置を高さ調節手段１２により合わせてから、測定台２を回転させて被測定者Ｐの身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長である腹囲を算出するので、測定に際しては測定台２を回転させるだけで良く、簡単な構成により低コストで導入可能な装置が得られる。
【００３１】
また、この身体測定装置１，２０は、距離計３により測定される身体表面の測定位置を、カメラ４により撮像した画像とともに表示するモニタ５を有するので、撮像した画像とともに表示される身体表面の測定位置を見ながら測定位置を調節することも可能であり、人の目を借りてより簡単かつ正確な測定位置の調節を行うことも可能である。
【００３２】
また、身体測定装置１では、測定台２上に被測定者Ｐを身体が動かないように固定するエアバッグ９を有するので、測定時に測定台２が回転することにより被測定者Ｐの身体が動くのを防止して、より正確な測定を行うことが可能である。特に、この身体測定装置１では、エアバッグ９が測定台２上で膨らんで被測定者Ｐの身体を挟持するので、被測定者Ｐがどのような位置や向きで測定台２上に乗っていた場合であっても、エアバッグ９の膨らみにより被測定者Ｐの身体を挟持し、安定して固定することが可能であり、より正確な測定を行うことが可能である。なお、エアバッグ９に代えてベルトによりフレーム８に固定する構成や、身体測定装置２０の場合にはシートベルトにより椅子２１に固定する構成とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
本発明の身体測定装置は、腹囲や胸囲などの身体測定を自動的に行うための装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の実施の形態における身体測定装置の平面図である。
【図２】図１の正面図である。
【図３】図１の測定台の斜視図である。
【図４】図１の身体測定装置のブロック図である。
【図５】本発明の身体測定装置の別の実施形態を示す平面図である。
【図６】図５の正面図である。
【符号の説明】
【００３５】
１，２０ 身体測定装置
２ 測定台
３ 距離計
４ カメラ
５ モニタ
６ モータ
７ 車輪
８ フレーム
８ａ 規制壁
９ エアバッグ
１０ 乗降口
１１ 中央処理装置
１２ 高さ調節手段
２１ 椅子
【技術分野】
【０００１】
本発明は、腹囲や胸囲などの身体測定を行うための身体測定装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、健診者に接触することなく非接触方式で腹囲や胸囲などの身体測定を行う装置が開発されている。例えば、特許文献１には、所定位置から被測定者の身体表面までの距離を水平方向から所定範囲に亘って検出し、これに対応した信号を出力する６台の体形検出機構が設けられた体形検出部と、各体形検機構のうち３台ずつを１組として垂直方向に駆動する駆動機構とを備え、各体形検出機構から出力される体形情報を処理して体形データを形成する体形自動測定装置が開示されている。
【０００３】
また、特許文献２には、光学的手段により照射されたレーザスリット光を回転しながら被測定者の体表面上に死角になる部分に光が当たるようにレーザ光反射手段で間接的に照射し、照射されたレーザ光を撮影手段により画像として取り込み、得られた情報から体表面、体容積等を測定する体格測定装置が開示されている。
【０００４】
【特許文献１】特開昭６２−２３１６２３号公報
【特許文献２】特開平７−３１３４９２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前述のような測定装置では、装置が非常に大掛かりであり、装置構成も複雑であるため、装置のコストが高く、個々の病院や保健所などの施設に導入することは困難であり、普及には至っていない。
【０００６】
そこで、本発明においては、簡単な構成により低コストで導入することが可能であって、腹囲や胸囲などの身体測定を行うことが可能な身体測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の身体測定装置は、被測定者を乗せて回転する測定台と、この測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定する距離測定手段と、被測定者の身体表面の測定位置を決定するために測定台上の被測定者を撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮像した画像に基づいて距離測定手段により測定される位置を被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、測定台上の被測定者または距離測定手段の高さを調節する高さ調節手段と、測定台を回転させながら距離測定手段により測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出する手段とを有するものである。
【０００８】
本発明によれば、測定台上に乗った被測定者を撮像手段により撮像し、この撮像した画像に基づいて被測定者の身体表面の測定位置を高さ調節手段により合わせてから、測定台を回転させて距離測定手段により測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定すると、身体表面の測定位置の周長が算出される。
【０００９】
また、本発明の身体測定装置は、距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有するものであることが望ましい。これにより、撮像手段により撮像した画像に基づいて被測定者の身体表面の測定位置を合わせる際に、身体表面の測定位置が撮像した画像とともに表示手段に表示されるので、この表示手段の表示を見ながら測定位置を確認することができる。
【００１０】
また、本発明の身体測定装置は、測定台上に被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有するものであることが望ましい。これにより、回転する測定台上の被測定者の身体表面までの距離を測定する際に、測定台の回転により被測定者の身体が動くのを防止してより正確な測定を行うことが可能となる。
【００１１】
ここで、固定手段は、測定台上で膨らんで被測定者の身体を挟持するエアバッグであることが望ましい。これにより、被測定者がどのような位置や向きで測定台上に乗っていた場合であっても、エアバッグの膨らみにより被測定者の身体を挟持し、安定して固定することが可能となる。
【００１２】
また、本発明の身体測定装置は、撮像手段により撮像した画像を解析して距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有するものであることが望ましい。これにより、測定台上に被測定者が乗ると、自動的に身体表面の測定位置が検出され、高さ調節手段により高さが自動調節される。
【発明の効果】
【００１３】
（１）本発明によれば、測定台上に乗った被測定者の身体表面の測定位置を高さ調節手段により合わせてから、測定台を回転させて被測定者の身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長を算出するので、測定に際しては測定台を回転させるだけで良く、簡単な構成により低コストで導入可能な身体測定装置が得られる。
【００１４】
（２）距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有することにより、撮像した画像とともに表示される身体表面の測定位置を見ながら測定位置を調節することが可能となり、人の目を借りてより簡単かつ正確な測定位置を調節することが可能となる。
【００１５】
（３）測定台上に被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有するものであることにより、測定時に測定台が回転することにより被測定者の身体が動くのを防止して、より正確な測定を行うことが可能となる。
【００１６】
（４）固定手段が、測定台上で膨らんで被測定者の身体を挟持するエアバッグであることにより、被測定者がどのような位置や向きで測定台上に乗っていた場合であっても、エアバッグの膨らみにより被測定者の身体を挟持し、安定して固定することが可能となり、より正確な測定を行うことが可能となる。
【００１７】
（５）撮像手段により撮像した画像を解析して距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有するものであることにより、測定台上に被測定者が乗ると、自動的に身体表面の測定位置が検出され、高さ調節手段により高さが自動調節されるので、より簡単な身体測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
図１は本発明の実施の形態における身体測定装置の平面図、図２は図１の正面図、図３は図１の測定台の斜視図、図４は図１の身体測定装置のブロック図である。なお、詳細は後述するが、図１はエアバッグが膨らんだ状態、図２および図３はエアバッグが萎んだ状態をそれぞれ表している。
【００１９】
図１〜図３において、本実施形態における身体測定装置１は、被測定者Ｐの腹囲を測定する腹囲測定装置であって、被測定者Ｐを乗せて鉛直方向軸周りに回転する円板状の測定台２と、測定台２の回転中心軸に対して直角、すなわち水平方向に向けて設置された距離測定手段としての距離計３と、距離計３とほぼ平行方向に向けて設定された撮像手段としてのカメラ４と、カメラ４により撮像した画像を表示する表示手段としてのモニタ５とを有する。
【００２０】
測定台２は、測定台２の下面の中心に設けられたモータ６により回転駆動される。また、測定台２の下面周縁部には複数の車輪７が設けられている。車輪７の回転中心軸は、全てモータ６の回転中心軸に対して直交する方向に設定されており、測定台２がモータ６により回転駆動される際に、測定台２を回転可能に支持するようになっている。距離計３は、例えばレーザ光線や超音波などを利用して距離を測定するものを使用することができる。
【００２１】
また、測定台２の上には、被測定者Ｐの身体を固定するためのフレーム８およびエアバッグ９が設けられている。フレーム８およびエアバッグ９は、被測定者Ｐが測定台２に乗り降りすることができるように分割されている。被測定者Ｐは、このフレーム８およびエアバッグ９が分割された箇所に形成された乗降口１０から測定台２に乗り降りすることが可能である。
【００２２】
エアバッグ９は、空気を内部に導入することにより膨んで被測定者Ｐの身体を挟持することにより、被測定者Ｐの身体が動かないようにフレーム８の内側に固定する固定手段である。フレーム８には、エアバッグ９がフレーム８の内側、すなわち測定台２の中心に向かってのみ膨らむように規制壁８ａが設けられている。なお、フレーム８およびエアバッグ９は、距離計３による測定およびカメラ４による撮像を阻害しない高さに設定されている。
【００２３】
また、本実施形態における身体測定装置１は、図４に示すように各部を制御したり、演算処理を行ったりするための中央処理装置１１を備えている。中央処理装置１１は、被測定者Ｐの身体表面の測定位置を決定するためにカメラ４により測定台２上の被測定者Ｐを撮像し、このカメラ４により撮像した画像に基づいて高さ調節手段１２により距離計３の高さを調節する。高さ調節手段１２は、距離計３による測定位置を被測定者Ｐの身体表面の測定位置に合わせるために、距離計３およびカメラ４の高さを調節するものである。
【００２４】
本実施形態においては、高さ調節は、カメラ４により撮像した画像から被測定者Ｐの測定位置としての臍の位置を計測し、距離計３の測定位置が被測定者Ｐの臍の位置と一致するように距離計３およびカメラ４の高さを自動的に調節する。なお、中央処理装置１１は、距離計３により測定される身体表面の測定位置をカメラ４により撮像した画像とともにモニタ５に表示することで、被測定者Ｐ自身により距離計３およびカメラ４の高さや、被測定者Ｐ自身の測定位置の高さを調節させることも可能である。
【００２５】
次に、上記構成の身体測定装置１による腹囲測定について説明する。
被測定者Ｐが乗降口１０から測定台２上に乗ると、中央処理装置１１は、カメラ４により測定台２上に被測定者Ｐが乗ったことを認識すると、エアバッグ９を作動させて膨らませ、測定台２上に被測定者Ｐを身体が動かないように固定する。そして、中央処理装置１１は、カメラ４により撮像した画像を解析して被測定者Ｐの臍の位置を検出し、高さ調節手段１２により距離計３の高さを自動調節する。
【００２６】
次に、中央処理装置１１は、モータ６を作動させて測定台２を１回転させる。このとき、中央処理装置１１は、距離計３により回転中の測定台２上の被測定者Ｐの身体表面までの距離を１周分測定する。そして、中央処理装置１１は、被測定者Ｐの身体表面の測定位置の周長、すなわち臍周りの腹囲を算出する。中央処理装置１１は、この測定結果をモニタ５に表示する。なお、中央処理装置１１は、この測定結果を通信ネットワーク（図示せず。）を通じて別のコンピュータなどの装置へ伝送して記録する構成とすることも可能である。
【００２７】
そして、測定が完了すると、中央処理装置１１はエアバッグ９を作動させて萎ませるので、被測定者Ｐは測定台２から降りることができる。なお、中央処理装置１１は、エアバッグ９が膨らんだり、萎んだりするときや、測定台２が回転したりするときに、モニタ５に表示したり、警告音を発したりしてアナウンスする構成とすることも可能である。
【００２８】
次に、本発明の身体測定装置の別の実施形態について説明する。図５は本発明の身体測定装置の別の実施形態を示す平面図、図６は図５の正面図である。
【００２９】
図５および図６に示す身体測定装置２０は、前述の身体測定装置１のフレーム８およびエアバッグ９に代えて、測定台２の中心に高さ調節可能な椅子２１を備えた構成である。この構成では、測定台２上の椅子２１の高さを調節することで、カメラ４により撮像した画像に基づいて距離計３による測定位置を合わせることが可能である。なお、椅子２１の高さの調整は、前述の距離計３およびカメラ４と同様に自動または手動とすることができる。また、椅子２１に代えて、距離計３およびカメラ４の高さを調節可能な構成とすることもできる。
【００３０】
以上のように、身体測定装置１，２０によれば、測定台２上に乗った被測定者Ｐの身体表面の測定位置を高さ調節手段１２により合わせてから、測定台２を回転させて被測定者Ｐの身体表面までの距離を測定し、身体表面の測定位置の周長である腹囲を算出するので、測定に際しては測定台２を回転させるだけで良く、簡単な構成により低コストで導入可能な装置が得られる。
【００３１】
また、この身体測定装置１，２０は、距離計３により測定される身体表面の測定位置を、カメラ４により撮像した画像とともに表示するモニタ５を有するので、撮像した画像とともに表示される身体表面の測定位置を見ながら測定位置を調節することも可能であり、人の目を借りてより簡単かつ正確な測定位置の調節を行うことも可能である。
【００３２】
また、身体測定装置１では、測定台２上に被測定者Ｐを身体が動かないように固定するエアバッグ９を有するので、測定時に測定台２が回転することにより被測定者Ｐの身体が動くのを防止して、より正確な測定を行うことが可能である。特に、この身体測定装置１では、エアバッグ９が測定台２上で膨らんで被測定者Ｐの身体を挟持するので、被測定者Ｐがどのような位置や向きで測定台２上に乗っていた場合であっても、エアバッグ９の膨らみにより被測定者Ｐの身体を挟持し、安定して固定することが可能であり、より正確な測定を行うことが可能である。なお、エアバッグ９に代えてベルトによりフレーム８に固定する構成や、身体測定装置２０の場合にはシートベルトにより椅子２１に固定する構成とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
本発明の身体測定装置は、腹囲や胸囲などの身体測定を自動的に行うための装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明の実施の形態における身体測定装置の平面図である。
【図２】図１の正面図である。
【図３】図１の測定台の斜視図である。
【図４】図１の身体測定装置のブロック図である。
【図５】本発明の身体測定装置の別の実施形態を示す平面図である。
【図６】図５の正面図である。
【符号の説明】
【００３５】
１，２０ 身体測定装置
２ 測定台
３ 距離計
４ カメラ
５ モニタ
６ モータ
７ 車輪
８ フレーム
８ａ 規制壁
９ エアバッグ
１０ 乗降口
１１ 中央処理装置
１２ 高さ調節手段
２１ 椅子
【特許請求の範囲】
【請求項１】
被測定者を乗せて回転する測定台と、
この測定台上の前記被測定者の身体表面までの距離を測定する距離測定手段と、
前記被測定者の身体表面の測定位置を決定するために前記測定台上の前記被測定者を撮像する撮像手段と、
この撮像手段により撮像した画像に基づいて前記距離測定手段により測定される位置を前記被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、前記測定台上の被測定者または前記距離測定手段の高さを調節する高さ調節手段と、
前記測定台を回転させながら前記距離測定手段により前記測定台上の前記被測定者の身体表面までの距離を測定し、前記身体表面の測定位置の周長を算出する手段と
を有する身体測定装置。
【請求項２】
前記距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、前記撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有する請求項１記載の身体測定装置。
【請求項３】
前記測定台上に前記被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有する請求項１または２に記載の身体測定装置。
【請求項４】
前記固定手段は、前記測定台上で膨らんで前記被測定者の身体を挟持するエアバッグである請求項３記載の身体測定装置。
【請求項５】
前記撮像手段により撮像した画像を解析して前記距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、前記高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有する請求項１から４のいずれかに記載の身体測定装置。
【請求項１】
被測定者を乗せて回転する測定台と、
この測定台上の前記被測定者の身体表面までの距離を測定する距離測定手段と、
前記被測定者の身体表面の測定位置を決定するために前記測定台上の前記被測定者を撮像する撮像手段と、
この撮像手段により撮像した画像に基づいて前記距離測定手段により測定される位置を前記被測定者の身体表面の測定位置に合わせるために、前記測定台上の被測定者または前記距離測定手段の高さを調節する高さ調節手段と、
前記測定台を回転させながら前記距離測定手段により前記測定台上の前記被測定者の身体表面までの距離を測定し、前記身体表面の測定位置の周長を算出する手段と
を有する身体測定装置。
【請求項２】
前記距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を、前記撮像手段により撮像した画像とともに表示する表示手段を有する請求項１記載の身体測定装置。
【請求項３】
前記測定台上に前記被測定者を身体が動かないように固定する固定手段を有する請求項１または２に記載の身体測定装置。
【請求項４】
前記固定手段は、前記測定台上で膨らんで前記被測定者の身体を挟持するエアバッグである請求項３記載の身体測定装置。
【請求項５】
前記撮像手段により撮像した画像を解析して前記距離測定手段により測定される身体表面の測定位置を検出し、前記高さ調節手段により高さを自動調節する手段を有する請求項１から４のいずれかに記載の身体測定装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００９−２０１６７１（Ｐ２００９−２０１６７１Ａ）
【公開日】平成２１年９月１０日（２００９．９．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−４６５０８（Ｐ２００８−４６５０８）
【出願日】平成２０年２月２７日（２００８．２．２７）
【特許番号】特許第４３０８８７５号（Ｐ４３０８８７５）
【特許公報発行日】平成２１年８月５日（２００９．８．５）
【出願人】（５９６０７６１２６）株式会社マリネックス (7)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年９月１０日（２００９．９．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年２月２７日（２００８．２．２７）
【特許番号】特許第４３０８８７５号（Ｐ４３０８８７５）
【特許公報発行日】平成２１年８月５日（２００９．８．５）
【出願人】（５９６０７６１２６）株式会社マリネックス (7)
【Ｆターム（参考）】
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