説明

身体鍛錬装置

【課題】装置の部品点数を少なくすることのできる身体鍛錬装置を提供する。
【解決手段】身体鍛錬装置1は、使用者が把持するための本体ケース10と、本体ケース10内に設けられたモータ20とを含む。モータ20は、電力が供給されることにより磁場を生成する電機子21と、この電機子21と対向するとともに電機子21が発生する磁場の作用により回転する回転体26とを含む。電機子21は本体ケース10内に設けられている。身体鍛錬装置1は、回転体26の回転に伴う遠心力により、使用者の身体を鍛錬する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が把持するためのケースと、遠心力により使用者の身体に負荷を与えるための可動部と、この可動部を駆動させる駆動部とを含む身体鍛錬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記身体鍛錬装置として、例えば特許文献1のジャイロ総合エクササイズ装置が知られている。
この装置は、使用者が把持するための棒状の一対の把持部と、これら把持部の間に設けられる中央ジャイロ球体とを含む。中央ジャイロ球体内には、モータと、このモータの出力軸のギヤに噛み合う内歯を有するとともに、出力軸の回転によって回転するロータ(可動部)とが設けられている。この装置を使用して身体鍛錬するときには、把持部をロータの回転軸に対して傾ける。これにより、使用者にジャイロモーメントが作用する。そしてこのジャイロモーメントに対して使用者が抗することにより使用者の身体が鍛錬される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−237897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記装置は、ロータの出力軸にモータとは別体のロータを取り付ける構成であるため、同装置を構成する部品点数が多い。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置の部品点数を少なくすることのできる身体鍛錬装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の身体鍛錬装置は、使用者が把持するためのケースと、遠心力により使用者の身体に負荷を与えるための可動部と、この可動部を駆動する駆動部とを含み、前記駆動部は、電力が供給されることにより磁場を生成する電機子と、この電機子と対向するとともに前記電機子が発生する磁場の作用により回転する回転体とを含むモータであり、前記電機子は、前記ケース内に設けられ、前記回転体は、前記可動部を兼ねることを特徴とする。
【0006】
この身体鍛錬装置において、前記回転体の重心は、前記モータの回転軸と同心であることが好ましい。
この身体鍛錬装置において、前記回転体の重心は、前記モータの回転軸と異なるところに位置することが好ましい。
【0007】
この身体鍛錬装置において、前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御することが好ましい。
この身体鍛錬装置において、使用者の動作態様を検知するための動作センサを含み、この動作センサの出力信号に基づいて前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御することが好ましい。
【0008】
この身体鍛錬装置において、同装置の状態を示すための状態センサを含み、この状態センサの出力信号に基づいて前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御することが好ましい。
【0009】
この身体鍛錬装置において、使用者の鍛錬に関する動作の情報を表示する表示部を含むことが好ましい。
この身体鍛錬装置において、当該身体鍛錬装置は、前記モータを複数有し、前記複数のモータの回転軸は互いにねじれまたは交差の関係に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、装置の部品点数を少なくすることのできる身体鍛錬装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の身体鍛錬装置の第1実施形態について、(a)は同装置の構成を示す模式図、(b)は(a)のA−A線での断面構造を示す断面図。
【図2】同実施形態の身体鍛錬装置について、(a)は使用者が同装置を把持した状態を示す模式図、(b)は(a)から同装置を傾けた状態を示す模式図、(c)は(a)から同装置を傾けた状態を示す模式図。
【図3】同実施形態の身体鍛錬装置の制御構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態の身体鍛錬装置の制御回路のPWM指令値を示すグラフ。
【図5】同実施形態の身体鍛錬装置について、使用者が同装置を把持した状態にて上腕の回旋運動をしたときの関節可動域を示す模式図。
【図6】同実施形態の身体鍛錬装置について、「落下抑制処理」の手順を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の身体鍛錬装置について、「第1連動処理」の手順を示すフローチャート。
【図8】同実施形態の身体鍛錬装置について、「第2連動処理」の手順を示すフローチャート。
【図9】同実施形態の身体鍛錬装置について、「第3連動処理」の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の身体鍛錬装置の第2実施形態について、各モードのPWM指令値を示すグラフ。
【図11】本発明の身体鍛錬装置の第3実施形態について、モータの断面構造を示す断面図。
【図12】本発明の身体鍛錬装置のその他の実施形態について、(a)は同装置の構成を示す模式図、(b)は使用者が同装置を把持した状態を示す模式図。
【図13】本発明の身体鍛錬装置のその他の実施形態について、同装置の構成を示す模式図。
【図14】本発明の身体鍛錬装置のその他の実施形態について、使用者が同装置を装着した状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、身体鍛錬装置1には、使用者が把持する円筒形状の筐体であるとともにケースを構成する本体ケース10が設けられている。本体ケース10の内部には、駆動部を構成するモータ20と、モータ20を制御するための制御回路30と、電池を含む駆動電源40と、身体鍛錬装置1の状態や使用者の動作を検知するためのセンサ51〜54とが収容されている。
【0013】
本体ケース10の上端面には、表示部60が設けられている。この表示部60には、使用者が身体鍛錬装置1を用いて身体鍛錬を行った場合、使用者の身体鍛錬するための動作に関する情報(例えば、消費カロリー、運動時間等)が表示される。また表示部60には、身体鍛錬装置1の動作状態に関する情報が表示される。表示部60は、情報を数値、グラフおよびメータとして表示する。
【0014】
図1(b)に示すように、モータ20は、駆動電源40(図1(a)参照)の電力が供給されることにより磁場を生成する電機子21と、電機子21と対向する円環形状の磁石22と、磁石22を外側から保持する有蓋円筒形状のホルダ23とを含む。ホルダ23には、回転軸体となるシャフト24が固定されている。このシャフト24は、転がり軸受25により回転可能に支持されている。これにより、磁石22およびホルダ23はシャフト24と回転軸J1を中心に一体に回転する。以下では、磁石22およびホルダ23により構成される回転体を「回転体26」とする。この回転体26は、遠心力により使用者の身体に負荷を与えるための可動部を兼ねている。
【0015】
電機子21は、薄板の磁性鋼板がシャフト24に沿った方向に複数積層されることにより形成される電機子コア71と、電機子コア71のティース71Aに巻回される導電線72とを含む。ティース71Aに導電線72が巻回されることにより、コイル73が形成されている。この電機子21は、本体ケース10内に設けられている。
【0016】
制御回路30には、導電線72の両端部と、駆動電源40とが電気的に接続されている。これにより、制御回路30を介して駆動電源40の電力が導電線72に供給される。これにより、モータ20が駆動する。
【0017】
図2を参照して、身体鍛錬装置1の使用方法について説明する。
使用者が本体ケース10を把持した状態において、図示しない電源スイッチをオン操作する。これにより、モータ20(図1参照)が駆動する。この状態において、図2(b)に示すように、前方X1(使用者から離れる方向)に身体鍛錬装置1を傾けた場合、モータ20の回転軸が傾くため、矢印方向Y1に向けてジャイロモーメントJMが発生する。
【0018】
一方、図2(c)に示すように、後方X2(使用者に向かう方向)に身体鍛錬装置1を傾けた場合、モータ20の回転軸が傾くため、矢印方向Y2に向けてジャイロモーメントJMが発生する。
【0019】
ジャイロモーメントJMは、回転体26(図1(b)参照)の慣性力Qおよび回転角速度ωと、身体鍛錬装置1を傾けるときの角速度Ωとに基づいて以下の式にて算出される。

JM=Qω×Ω

これにより、ジャイロモーメントJMは、回転体26の回転角速度ωおよび身体鍛錬装置1を傾けるときの角速度Ωが大きくなるにつれて大きくなる。
【0020】
一方、上記角速度Ωは、使用者の筋肉に刺激を与えるための周波数としても作用する。そのため、角速度Ωが過度に大きい場合、すなわち筋肉に与える刺激の周期が過度に短い場合、ジャイロモーメントJMに対して筋肉が反応することが困難となる。そのため、ジャイロモーメントJMを調整するときには、回転体26の回転角速度ω、すなわちモータ20の回転速度を調整する。
【0021】
図3を参照して、制御回路30の構成および制御について説明する。
制御回路30は、センサ51〜54からの信号が入力される判断部31と、判断部31の信号が入力される制御部32とを含む。
【0022】
判断部31は、センサ51〜54からの信号に基づいてモータ20の回転速度や角加速度を制御する制御信号を出力する。
制御部32は、判断部31の制御信号に基づいて、モータ20に供給する電流量をPWM(pulse-width modulation)にて制御する。具体的には、矩形パルス状のPWM指令値をモータ20に出力する(図4参照)。そして電流量を増大させる要求に対してパルス幅Tが大きくなるように変更する。
【0023】
センサ51〜54は、以下のように区別される。すなわち使用者の動作態様を検知するための動作センサとして、加速度センサ51および力センサ52とがある。また身体鍛錬装置1の状態を示すための状態センサとして、ジャイロセンサ53およびポテンショメータ54とがある。
【0024】
加速度センサ51は、身体鍛錬装置1の本体ケース10(図1参照)の加速度に応じた信号を制御回路30に出力する。力センサ52は、本体ケース10の歪みに応じた信号を制御回路30に出力する。ジャイロセンサ53は、身体鍛錬装置1の角度および角速度に応じた信号を制御回路30に出力する。ポテンショメータ54は、モータ20の回転速度に応じた信号を制御回路30に出力する。
【0025】
制御回路30は、上記センサの信号に基づいて次のパラメータを算出する。
加速度センサ51が検知した加速度を積分することにより、使用者の動作速度および動作変位をそれぞれ算出する。
【0026】
力センサ52が検知した歪み量に基づいて使用者が本体ケース10に加えた力(以下、「把持力FH」)を算出する。
加速度センサ51が検知した加速度に基づいて、使用者が把持した状態において身体鍛錬装置1が移動した軌道、すなわち使用者の動作軌道を算出する。また上記加速度に基づいて所定時刻における身体鍛錬装置1の速度、すなわち使用者の動作速度を算出する。また上記加速度に基づいて所定時刻における身体鍛錬装置1の加速度、すなわち使用者の動作加速度を算出する。ここで、使用者の動作速度とは、使用者が身体鍛錬装置1を把持した状態において腕を動作させたときの腕の速度である。また使用者の動作加速度とは、使用者が身体鍛錬装置1を把持した状態において腕を動作させたときの腕の加速度である。
【0027】
ポテンショメータ54は、モータ20の回転速度の変化、すなわち角加速度を検知する。この検知した角加速度に基づいて慣性力Qを算出する。
ジャイロセンサ53の出力およびポテンショメータ54の出力に基づいて、ジャイロモーメントJMを算出する。
【0028】
これら算出した力に基づいて、制御回路30は次の(A)および(B)の制御を行う。
(A)使用者が身体鍛錬装置1を把持した状態から同装置1が動くことにより同装置1が使用者の手から落下してしまうことを抑制するための制御を行う(以下、「落下抑制制御」)。
【0029】
(B)使用者の動作に対して、身体鍛錬装置1の負荷により使用者の関節可動域の限界点で過大な負荷が加わることを抑制するための制御を行う(以下、「動作連動制御」)。例えば、使用者が身体鍛錬装置1を把持した状態において上腕を回旋する運動を行うとする。この場合、以下の3つの制御を行う。
【0030】
(B1)使用者の関節可動域の中央域から限界域に向かうにつれてモータ20の回転速度を小さくし、関節可動域の限界域から中央域に向かうにつれてモータ20の回転速度を大きくする(以下、「第1連動制御」)。
【0031】
(B2)使用者の上腕の回旋の軌道を学習した後、使用者の上腕の回旋運動の軌道が学習した軌道から大きく外れる場合にモータ20の回転速度を小さくする(以下、「第2連動制御」)。
【0032】
(B3)使用者の上腕の回旋運動の動作速度および動作加速度の少なくとも一方が過大となるときにモータ20の回転速度を小さくする(以下、「第3連動制御」)。
落下抑制制御の詳細について説明する。
【0033】
身体鍛錬装置1が動作する力が使用者が同装置1を保持する力よりも大きくなるとき、身体鍛錬装置1の動作に伴い使用者の手から同装置1が落下してしまう可能性がある。そこで、落下抑制制御は、身体鍛錬装置1が動作する力を使用者が同装置1を保持する力以下となるようにモータ20の回転速度および角加速度を制御する。具体的には、把持力FHがジャイロモーメントJMに対して適切な把持力よりも小さいときには、モータ20の回転速度を小さくするとともに、把持力FHが慣性力Qに対して適切な把持力よりも小さいときには、モータ20の角加速度を小さくする。この制御により、身体鍛錬装置1の動作に伴い使用者の手から同装置1が落下してしまう可能性を低くすることができる。
【0034】
ここで、把持力FHとジャイロモーメントJMおよび慣性力Qとの関係、すなわちジャイロモーメントJMおよび慣性力Qに対して適切な把持力は、実験等により予め設定される。具体的には、ジャイロモーメントJMと、このモーメントJMに対して適切な把持力との関係を示すマップ(以下、「第1マップ」)を予め用意する。そして慣性力Qと、この慣性力Qに対して適切な把持力との関係を示すマップ(以下、「第2マップ」)を予め用意する。
【0035】
そのときどきの把持力FHと、第1マップから算出されたそのときどきのジャイロモーメントJMに対して適切な把持力(以下、「第1基準把持力FH1」)との比較を行う。またそのときどきの把持力FHと、第2マップから算出されたそのときどきの慣性力Qに対して適切な把持力(以下、「第2基準把持力FH2」)との比較を行う。これらの比較に基づいて、モータ20の速度および加速度を制御する。
【0036】
図5を参照して、第1連動制御の詳細について説明する。図5は、使用者の上腕の回旋運動のうちの動作の一部(腕振り)について模式的に示している。
図5に示すように、関節可動域の限界位置RLは、上腕を所定方向にそれ以上動かすことのできない領域である。また中央位置RCは、上腕を所定方向に十分に動かすことのできる領域である。限界位置RLでは、上腕が動かないため、上腕の動作加速度の変化量が関節可動域の中で最小となる。また中央位置RCでは、上腕が十分に動くため動作加速度の変化量が関節可動域の中で最大となる。また動作加速度の変化量は、所定時間当たりの加速度センサ51の出力値の変化量(以下、「加速度変化量VA」)に基づいて算出することができる。
【0037】
これに基づいて、第1連動制御では、上腕の回旋運動中において加速度変化量VAが大きくなるにつれてモータ20の回転速度を大きくする。このため、中央位置RCではモータ20の回転速度が関節可動域の中で最大となるとともに、限界位置RLではモータ20の回転速度が関節可動域の中で最小となる。これにより、使用者の回旋運動中において、上腕に適切な負荷を作用させることができるため、効果的な身体鍛錬を行うことができる。
【0038】
第2連動制御の詳細について説明する。
使用者毎に上腕の長さおよび関節可動域が異なるため、使用者の上腕の回旋運動の軌道は、使用者毎に異なる。そのため、使用者がはじめて身体鍛錬装置1を使用するときには、使用者の回旋運動の軌跡を同装置1に学習させる必要がある。そこで、第2連動制御では、使用者の回旋運動の軌跡を学習する。具体的には、使用者が身体鍛錬装置1を把持した状態にて回旋運動するときの始点を設定する。そして始点から上腕を1回回転させたときの回転量を加速度センサ51の出力値に基づいて算出する。身体鍛錬装置1は、その算出値を使用者の回旋運動の正常な軌道として学習する。以下では、この学習した回旋運動の軌道を「目標軌道MT」とする。
【0039】
第2連動制御では、使用者がモータ20を駆動させた状態の身体鍛錬装置1を把持して回旋運動を行うときの軌道(以下、「実軌道RT」)が目標軌道MTから大きく外れる場合には、モータ20の回転速度を小さくする。これにより、ジャイロモーメントJMおよび慣性力Qを小さくする。その結果、実軌道RTと目標軌道MTとのずれを抑制することができる。
【0040】
第3連動制御の詳細について説明する。
使用者が上腕の回旋運動中において上腕の動作速度および動作加速度が過大となるときには、使用者が適切な上腕の回旋運動を行っていないおそれがある。そこで、第3連動制御では、上腕の回旋運動中において加速度センサ51の出力に基づいて算出された上腕の動作速度および動作加速度が予め設定された上腕の動作速度の閾値および動作加速度の閾値以上のときには、モータ20の回転速度を小さくする。
【0041】
図6を参照して、制御回路30(図3参照)が実行する落下抑制制御の具体的な手順を示す落下抑制処理について説明する。本処理は、所定時間周期毎に繰り返し実行される。
ステップS10において、使用者が身体鍛錬装置1を使用するか否かを判定する。すなわち、使用者が身体鍛錬装置1を把持すること、および電源スイッチをオン操作することの両方を満たしたとき、使用者が身体鍛錬装置1を使用すると判定する。
【0042】
使用者が身体鍛錬装置1を把持したか否かは力センサ52(図3参照)により判定される。すなわち力センサ52が所定値以上の歪み量を検知したとき、使用者が身体鍛錬装置1を把持していると判定する。
【0043】
使用者が身体鍛錬装置1を使用しているとき、ステップS11において把持力FH、ジャイロモーメントJMおよび慣性力Qをそれぞれ算出する。一方、使用者が身体鍛錬装置1を使用していないとき、一旦処理を終了する。
【0044】
そして、ステップS12において把持力FHが第1基準把持力FH1より小さいか否かを判定する。
ここで、把持力FHが第1基準把持力FH1よりも小さいとき、ジャイロモーメントJMによって使用者の手から身体鍛錬装置1が落下してしまう可能性が高いと判断する。そしてステップS13において第1基準把持力が把持力FH以下となるようにモータ20の回転速度を小さくする。
【0045】
一方、把持力FHが第1基準把持力FH1以上のとき、ジャイロモーメントJMによって使用者の手から身体鍛錬装置1が落下してしまう可能性が低いと判断する。そしてステップS14において把持力FHが第2基準把持力FH2よりも小さいか否かを判定する。
【0046】
ここで、把持力FHが第2基準把持力FH2よりも小さいとき、慣性力Qによって使用者の手から身体鍛錬装置1が落下してしまう可能性が高いと判断する。そしてステップS15において第2基準把持力FH2が把持力FH以下になるようにモータ20の角加速度を小さくする。一方、把持力FHが第2基準把持力FH2以上のとき、慣性力Qによって使用者の手から身体鍛錬装置1が落下してしまう可能性が低いと判断し、一旦処理を終了する。
【0047】
図7を参照して、制御回路30(図3参照)が実行する第1連動制御の具体的な手順を示す第1連動処理について説明する。本処理は、所定時間周期毎に繰り返し実行される。
ステップS20において、使用者が身体鍛錬装置1を使用するか否かを判定する。この判定方法は、落下抑制処理のステップS10と同様である。
【0048】
使用者が身体鍛錬装置1を使用しているとき、ステップS21において加速度変化量VAを算出する。すなわち、使用者の上腕の回旋運動の加速度の傾きを算出する。
そして、ステップS22において算出された加速度変化量VAに基づいてモータ20の回転速度を制御する。この場合、加速度変化量VAとモータ20の回転速度との関係のマップを予め用意するとともに、このマップに基づいてモータ20の回転速度を算出する。このマップは、加速度変化量VAが大きくなるにつれてモータ20の回転速度が小さくなる傾向を示す。
【0049】
図8を参照して、制御回路30(図3参照)が実行する第2連動制御の具体的な手順を示す第2連動処理について説明する。本処理は、所定時間周期毎に繰り返し実行される。
ステップS30において、使用者が身体鍛錬装置1を使用するか否かを判定する。この判定方法は、落下抑制処理のステップS10と同様である。
【0050】
使用者が身体鍛錬装置1を使用しているとき、ステップS31において使用者個人が学習した軌道(目標軌道MT)があるか否かを判定する。目標軌道MTがないとき、ステップS32において使用者に目標軌道MTを取得する旨を報知する。具体的には、表示部60(図1参照)に「動作軌道のサンプルデータを取ってください」等のメッセージを表示する。
【0051】
一方、目標軌道MTがあるとき、ステップS33において実軌道RTが目標軌道MTからずれているか否かを判定する。具体的には、学習した目標軌道MTに対応する回転量と、実軌道RTに対応する実回転量との差が所定値以上か否かを判定する。この所定値は、実験等により予め設定されている。
【0052】
実軌道RTが目標軌道MTからずれているとき、すなわち目標軌道MTに対応する回転量が実軌道RTに対応する実回転量との差が所定値以上のとき、使用者の回旋運動が適切ではない可能性があると判断する。そしてステップS34においてモータ20の回転速度を小さくする。
【0053】
一方、実軌道RTが目標軌道MTからずれていないとき、すなわち目標軌道MTに対応する回転量が実軌道RTに対応する実回転量との差が所定値よりも小さいとき、使用者の回旋運動が適切であると判断し、一旦処理を終了する。
【0054】
図9を参照して、制御回路30(図3参照)が実行する第3連動制御の具体的な手順を示す第3連動処理について説明する。本処理は、所定時間周期毎に繰り返し実行される。
ステップS40において、使用者が身体鍛錬装置1を使用するか否かを判定する。この判定方法は、落下抑制処理のステップS10と同様である。
【0055】
使用者が身体鍛錬装置1を使用しているとき、ステップS41において上腕の動作速度および動作加速度を算出する。そしてステップS42において上腕の動作速度が閾値以上であることおよび動作加速度が閾値以上であることの少なくとも一方を満たすか否かを判定する。ここで、上腕の動作速度の閾値および動作加速度の閾値のそれぞれは、実験等により予め設定されている。
【0056】
上腕の動作速度が閾値以上または動作加速度が閾値以上であるとき、使用者の回旋運動が適切でない可能性が高いと判断する。そしてモータ20の回転速度を小さくする。一方、上腕の動作速度が閾値よりも小さい、かつ動作加速度が閾値よりも小さいとき、使用者の回旋運動が適切でない可能性は低いと判断する。そして一旦処理を終了する。
【0057】
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、使用者は、モータ20の回転中に回転体26の回転軸J1を傾けることにより、前腕にジャイロモーメントJMが作用する。すなわち、回転体26がジャイロモーメントJMを発生させるための可動部を兼ねる構成である。したがって、従来のモータ(駆動部)とロータ(可動部)とが別体として構成される場合と比較して、身体鍛錬装置1の部品点数を削減することができる。
【0058】
(2)本実施形態では、各センサ51〜54の信号に基づいてジャイロモーメントJMを制御する。したがって、使用者の動作および身体鍛錬装置1の状態に応じて前腕に作用する負荷の大きさを制御することができる。
【0059】
(3)本実施形態では、落下抑制制御においてそのときどきの把持力FHが第1基準把持力FH1および第2基準把持力FH2よりも小さくなるように制御している。したがって、使用者が身体鍛錬装置1を用いて鍛錬しているときに、使用者の手から同装置1が落下してしまうことを抑制することができる。
【0060】
(4)本実施形態では、動作連動制御により、使用者が身体鍛錬装置1を用いて鍛錬するときに、併せて上腕の回旋運動を行う場合に使用者の腕に過大な負荷が作用することを抑制している。したがって、使用者は、上腕の回旋運動を安定して行うことができる。
【0061】
(第2実施形態)
図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通する構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、第1の実施形態の構成から各種センサ51〜54(図1参照)を省略するとともに同センサ51〜54に基づく落下抑制制御および動作連動制御を省略する。そして図示しない制御スイッチにより設定されたモードに基づいて、モータ20(図1参照)の回転速度を制御する。具体的には、制御スイッチを操作することにより、制御部32(図3参照)は制御スイッチのモードに応じて電機子21(図1参照)に供給する電流量をPWM(pulse-width modulation)により制御する。
【0063】
制御スイッチには、強モード、通常モードおよび弱モードの3モードが設けられている。制御部32は、設定されたモードに基づいて電機子21に供給する電流量を変更する。すなわち強モードに設定されたとき、制御部32は電機子21に供給する電流量を3モードの中で最大、すなわちパルス幅Tを3モードの中で最大にする。弱モードに設定されたとき、制御部32は電機子21に供給する電流量を3モードの中で最小、すなわちパルス幅Tを3モードの中で最小にする。通常モードに設定されたとき、制御部32は電機子21に供給する電流量を弱モードの電流量と強モードの電流量との間の所定値、すなわちパルス幅Tを弱モードのパルス幅Tと強モードのパルス幅Tとの間の所定幅に設定する。このように電流量を変更することにより、強モードでは、モータ20の回転速度が3モードの中で最大となる。弱モードでは、モータ20の回転速度が3モードの中で最小となる。通常モードでは、モータ20の回転速度が弱モードのモータ20の回転速度と強モードのモータ20の回転速度との間の所定値となる。
【0064】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)に加え、以下の効果を奏することができる。
(5)本実施形態では、使用者が制御スイッチを操作することにより、モータ20の回転速度を変更する。したがって、使用者は、制御スイッチを操作することにより、前腕に作用する負荷(遠心力FW)の大きさを変更することができる。
【0065】
(6)本実施形態では、身体鍛錬装置1から各センサ51〜54をそれぞれ省略している。したがって、センサ51〜54を有する身体鍛錬装置1と比較して、同装置1の構成および制御回路30の構成の簡略化を図ることができる。
【0066】
(第3実施形態)
図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態と共通する構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0067】
第1実施形態では、回転体26の重心と回転体26の回転軸J1とが一致しているため、この回転軸J1を回転させるように身体鍛錬装置1を傾けることにより、使用者にジャイロモーメントJMを作用させている。これに対して本実施形態では、回転体26の重心Gが回転体26の回転軸J1(回転中心)とは異なるところに位置している。そして回転体26の回転に伴い発生する振動を使用者に作用させる。
【0068】
回転体26のホルダ23に固定された磁石22は、平面視において円弧形状にて形成されている。これにより、回転体26の重心Gは、回転体26の回転軸J1よりも磁石22側に偏ったところに位置する。そしてモータ20を回転させた場合、回転体26の偏心に伴い身体鍛錬装置1(図1参照)が振動する。これにより、使用者の腕には振動が作用する。
【0069】
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)に加え、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態では、回転体26の重心Gが回転体26の回転軸J1と異なるところに位置する。したがって、モータ20の回転に伴い身体鍛錬装置1が振動するため、使用者の腕には振動が作用する。この振動により、使用者の腕を鍛錬することができる。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明の身体鍛錬装置の具体的な構成は、上記実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0071】
・第1実施形態では、落下抑制制御において、把持力FHを第1基準把持力FH1および第2基準把持力FH2との両方と比較したが、把持力FHを第1基準把持力FH1および第2基準把持力FH2の一方のみと比較してもよい。この場合、把持力FHが第1基準把持力FH1よりも小さいことに基づいてモータ20の回転速度を小さくするように制御する。または把持力FHが第2基準把持力FH2よりも小さいことのみに基づいてモータ20の回転速度を小さくするように制御する。
【0072】
・第1実施形態では、第2連動制御において、学習する目標軌道MTとして回旋運動の回転量を学習し、目標軌道MTに対応する回転量と実軌道RTに対応する実回転量との差が所定値以上のときに回旋運動が異常と判断した。しかしながら、上記軌道を学習方法および判定方法はこれに限定されることはない。その一例として、以下の(A)〜(C)のものが挙げられる。
【0073】
(A)加速度センサ51の信号に基づいて上腕を1回転させたときの動作速度を算出する。この場合、身体鍛錬装置1は、上腕を1回転させたときの動作速度の変化を示すグラフを学習する。そして実軌道RTに対応する動作速度と、目標軌道MTに対応する動作速度とを比較する。そのときどきの実軌道RTに対応する動作速度が目標軌道MTに対応する動作速度に対して所定値以上乖離するとき、モータ20の回転速度を小さくする。
【0074】
(B)加速度センサ51の信号に基づいて上腕を1回転させたときの動作加速度を算出する。この場合、身体鍛錬装置1は、上腕を1回転させたときの動作加速度の変化を示すグラフを学習する。そして実軌道RTに対応する動作加速度と、目標軌道MTに対応する動作加速度とを比較する。そのときどきの実軌道RTに対応する動作加速度が目標軌道MTに対応する動作加速度に対して所定値以上乖離するとき、モータ20の回転速度を小さくする。
【0075】
(C)ジャイロセンサ53の信号に基づいて上腕を1回転させたときの身体鍛錬装置1の傾き量を算出する。この場合、身体鍛錬装置1は、上腕を1回転させたときの同装置1の傾き量の変化を示すグラフを学習する。そして使用者が実軌道RTの同装置1の傾き量と、目標軌道MTに対応する同装置1の傾き量とを比較する。そのときどきの実軌道RTに対応する傾き量が目標軌道MTに対応する傾き量に対して所定値以上乖離するとき、モータ20の回転速度を小さくする。
【0076】
上述の回転量の算出の方法(以下、「方法(D)」)と上記(A)〜(C)とを組み合わせて用いることもできる。詳細には、2つの条件として、(A)および(B)の組み合わせ、(A)および(C)の組み合わせ、(A)および(D)の組み合わせ、(B)および(C)の組み合わせ、(B)および(C)の組み合わせ、(C)および(D)の組み合わせが挙げられる。そして3つの条件として、(A)、(B)および(C)の組み合わせ、(A)、(B)および(D)の組み合わせ、(A)、(C)および(D)の組み合わせ、(B)、(C)および(D)の組み合わせが挙げられる。そして4つの条件として(A)〜(D)の組み合わせが挙げられる。
【0077】
・第1実施形態では、落下抑制制御および動作連動制御において、モータ20の回転速度を小さくすることにより、ジャイロモーメントJMおよび慣性力Qを制御したが、ジャイロモーメントJMおよび慣性力Qの制御態様はこれに限られない。例えば、モータ20の回転方向を反転することにより、ジャイロモーメントJMおよび慣性力Qの方向を変更する制御を行うこともできる。また、モータ20の回転速度を小さくすることおよびモータ20の回転方向を反転することを組み合わせることもできる。
【0078】
・第1実施形態では、落下抑制制御および動作連動制御において、モータ20の回転速度を小さくする制御を行ったが、これに代えて報知手段を用いることもできる。すなわち、報知手段により身体鍛錬装置1が使用者の手から落下する可能性があること、および上腕の回旋運動が適切でないことを使用者に知らせることもできる。具体的には、図3に示すように、制御回路30には、報知部33が設けられる。上述のセンサの信号に基づいて、使用者の手から身体鍛錬装置1が落下する可能性がある、または回旋運動が適切ではないと判断部31が判断したときには、制御部32を介して報知部33に制御信号を出力する。この信号に基づいて報知部33は、音、光、振動およびこれらの組み合わせにより、使用者に手から身体鍛錬装置1が落下する可能性がある旨または回転運動が適切ではない旨を報知する。
【0079】
・第2実施形態では、制御部32により強モード、通常モードおよび弱モードの3モードにより電機子21の電力供給を制御したが、電力供給の制御態様はこれに限られない。例えば、強モードおよび弱モードの2モードにより制御することもできる。また4モード以上により制御することもできる。
【0080】
・第2実施形態では、パルス幅Tを変更することにより強モード、通常モードおよび弱モードの3モードをそれぞれ設定したが、各モードの内容はパルス幅Tの変更のみに限られない。例えば、PWMの周波数を変更することもできる。具体的には、強モードの周波数が最も大きく、弱モードの周波数が最も小さくなるように設定する。そして通常モードの周波数は、弱モードの周波数と強モードの周波数との間の所定周波数に設定する。
【0081】
・第2実施形態では、モータ20の回転速度を変更する制御を行ったが、モータ20の回転方向を反転する制御を行うこともできる。この場合、カウンタを追加するとともに、所定時間をカウントするカウンタにより所定期間に達したことに基づいて、モータ20の回転方向を反転するように制御する。
【0082】
・第2実施形態では、制御回路30がPWM指令値をモータ20に出力することにより電機子21の電力供給を制御したが、制御回路30の電力供給の制御態様はこれに限られない。例えば、PWMに代えてPAM(pulse-amplitude modulation)により電機子21の電力供給を制御することもできる。
【0083】
・第2実施形態では、使用者が制御スイッチを使用することにより、モータ20の回転速度を変更したが、モータ20の回転速度の変更態様はこれに限られない。例えば、制御回路30にPWM指令値のパターンを予め用意し、このパターンに基づいてモータ20の回転速度を変更することもできる。また、PWM指令値のパターンをモータ20の角加速度を変更するように設定した場合、同パターンに基づいてモータ20の角加速度を変更することもできる。
【0084】
・第3実施形態では、磁石22が円弧形状に形成されることにより、回転体26の重心が回転体26の回転軸J1とは異なるところに位置したが、回転体26の重心Gと回転軸J1とが互いに異なるところに位置する構成はこれに限られない。例えば、ホルダ23の一部分に質量を付加もしくはホルダ23の質量を減少させることにより、回転体26の重心Gを回転軸J1とは異なるところに位置させることもできる。
【0085】
・上記各実施形態では、身体鍛錬装置1はモータ20が1つ設けられるのみであったが、モータの個数はこれに限られない。例えば、図12(a)に示すように、本体ケース10内に設けられるとともに、本体ケース10よりも上方に位置する可動部90を回転させる第1モータ80と、可動部90を構成する第2モータ81とを含む構成とすることもできる。具体的には、可動部90には、第1モータ80の出力軸80Aに固定されるとともに出力軸80Aと回転軸J2を中心に一体に回転するホルダ91が設けられている。このホルダ91には、第2モータ81が、同モータ81の出力軸81A(回転軸J2)が第1モータ80の出力軸80A(回転軸J1)に直交するように設けられている。この場合、12(b)に示すように、使用者は、本体ケース10を把持するとともに図示しない電源スイッチをオン操作することにより、第1モータ80および第2モータ81を回転させる。これにより、使用者の腕にジャイロモーメントJMが作用する。このような構成によれば、使用者が身体鍛錬装置1を傾ける動作をせずともジャイロモーメントJMを腕に作用させることができる。これにより、使用者が容易に腕を鍛錬することができる。
【0086】
・また図13に示すように、3個の身体鍛錬装置1を含めて1つの身体鍛錬装置1として構成することもできる。この場合、各装置1のモータ20の回転軸は、互いに交差またはねじれの関係となるように配置される。これにより、使用者の身体に負荷を与える方向が複数となる。したがって、使用者の身体鍛錬を効果的に行うことができる。またこの構成では、制御回路30および駆動電源40が装置全体としてそれぞれ3つ設けられているが、制御回路30および駆動電源40は、装置全体としてそれぞれ1つにすることもできる。
【0087】
・上記各実施形態では、電機子21の外側に磁石22が配置されるとともに、磁石22が回転する、いわゆるアウターロータ式のモータであったが、モータ20の構成はこれに限られない。例えば、電機子21と磁石22とがモータ20の回転軸方向において互いに対向する構成とすることもできる。
【0088】
・上記各実施形態では、モータ20の回転体26が磁石22およびホルダ23およびシャフト24により構成されたが、回転体26の構成はこれに限られない。例えば、磁石22に代えて磁性体の薄板を積層する複数の磁歯を有するロータコアを設けることもできる。すなわち、アウターロータ型のステッピングモータとすることもできる。
【0089】
・上記実施形態では、使用者は、身体鍛錬装置1を把持することにより身体鍛錬を行ったが、図14に示すように、使用者は、身体鍛錬装置1を腕に装着することにより、身体鍛錬を行うこともできる。この場合、身体鍛錬装置1には、同装置1を使用者の腕に装着するためのバンド100が設けられている。また、身体鍛錬装置1の装着態様は使用者の腕に限られず、使用者の脚に装着することもできる。
【符号の説明】
【0090】
1…身体鍛錬装置、10…本体ケース(ケース)、20…モータ(駆動部)、21…電機子、26…回転体(可動部)、51…加速度センサ(動作センサ)、52…力センサ(動作センサ)、53…ジャイロセンサ(状態センサ)、54…ポテンショメータ(状態センサ)、60…表示部、81…モータ(駆動部)、90…可動部、J1…回転軸、G…重心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が把持するためのケースと、遠心力により使用者の身体に負荷を与えるための可動部と、この可動部を駆動する駆動部とを含む身体鍛錬装置において、
前記駆動部は、電力が供給されることにより磁場を生成する電機子と、この電機子と対向するとともに前記電機子が発生する磁場の作用により回転する回転体とを含むモータであり、
前記電機子は、前記ケース内に設けられ、
前記回転体は、前記可動部を兼ねる
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項2】
請求項1に記載の身体鍛錬装置において、
前記回転体の重心は、前記モータの回転軸と同心である
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項3】
請求項1に記載の身体鍛錬装置において、
前記回転体の重心は、前記モータの回転軸と異なるところに位置する
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の身体鍛錬装置において、
前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御する
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項5】
請求項4に記載の身体鍛錬装置において、
使用者の動作態様を検知するための動作センサを含み、
この動作センサの出力信号に基づいて前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御する
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の身体鍛錬装置において、
当該身体鍛錬装置の状態を示すための状態センサを含み、
この状態センサの出力信号に基づいて前記モータの回転速度および回転方向および角加速度の少なくとも一つを可変制御する
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の身体鍛錬装置において、
使用者の鍛錬に関する動作の情報を表示する表示部を含む
ことを特徴とする身体鍛錬装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の身体鍛錬装置において、
当該身体鍛錬装置は、前記モータを複数有し、
前記複数のモータの回転軸は互いにねじれまたは交差の関係に位置する
ことを特徴とする身体鍛錬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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