説明

車両のドアトリム構造

【課題】アームレスト周辺の意匠を損なうことなく、後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐ車体のドアトリム構造を提供する。
【解決手段】バネ18の弾性によって車体後方に付勢されている可動部14は、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受け、バネ18の弾性に逆らって車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる。これによって、可動部14のストローク(図中黒矢印)内に収まる大きさであれば指fなどが挟まってもバネ18の弾性以上の荷重が掛かることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のドアトリム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、乗降性の向上等の観点から、車体側部の略中央部に立設されているボディー付けのセンターピラーを取り払ってサイドドア側にその機能を持たせることで、ドア開放時に車体側部に大開口部が形成されるようにした所謂センターピラーレス車が存在する。
【0003】
つまりフロントドア とリアドアとの間のセンターピラーを省略し、これらフロントドア及びリアドアを一例として観音開きに開閉するタイプの車体構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような観音開きのドアではドア開口の間口を大きくとることができるため、乗降がしやすくなるばかりでなく、大きな荷物を車両に積み込むことが容易となる。
【0004】
例として図1のようにフロントピラーとリアピラーとの間に画成されるドア開口部に、フロントピラーに揺動可能に支持されたフロントドアと、リアピラーに揺動可能に支持されたリアドアとが開閉可能に支持されている。
【0005】
しかしながら、この種の観音開きのドアではフロントドアとリアドアとの間のシール性を高めるために、一方のドアの端縁部が室内側に、他方のドアの端縁部が室外側に位置するように双方のドアの端縁部を互いに重ね合わせた構造が採用されている。従って、端縁部の重なり合いにより予め定められた順序でドアの開閉を行わなければならない。例として挙げた図1の構造では先にリアドアを閉鎖、のちにフロントドアを閉鎖する。
【0006】
このとき、後部座席に着席中の乗員が既に閉鎖されたリアドアのアームレストに手を置いた状態でフロントドアを閉鎖すると図2のように指が荷重を受ける虞がある。ドアを回動軸のまわりに回転可能に支持するかわりにレール上をスライドさせるスライドドアについては、車体と接する部分に緩衝部材を設けることで、手や腕が挟まれた際に衝撃を緩和する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしスライドドアを閉める際に手指などを挟まないよう確認しやすいのに対して、観音開きドアでは特に車外からフロントドアを閉める場合は後部座席の乗員の手がアームレスト上にあるかどうかは確認しにくい。
【0007】
あるいは上記の事態を防ぐため、前後ドアのアームレスト間に隙間を設け、リアドアのアームレストに乗せた手がフロントドアのアームレスト後端と干渉しないような構成の車体も存在する。
【0008】
しかし前後アームレストの間を大きく取ることで必然的にアームレストの前後長は小さくなり、使いにくくなってしまう。加えて、車内からの見栄えも劣り、デザインの自由度が制限されてしまうといった欠点がある。
【特許文献1】特開2001−63367号公報
【特許文献2】特開平10−264652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、アームレスト周辺の意匠を損なうことなく、後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐ車体のドアトリム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の車体のドアトリム構造は、前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、からなるドア構造において、前記リアドア内側に設けられたリアアームレスト前端に略対向する、前記フロントドアの内側にドアトリムの一部として設けられたフロントアームレスト後端部材が、所定値を越える荷重を受けると車体前方に引込むことを特徴とする。
【0011】
これにより、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【0012】
請求項2に記載の車体のドアトリム構造は、前記フロントアームレスト後端部材が前記フロントドアの前記ドアトリムに弾性部材で支持されたことを特徴とする。
【0013】
これにより、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などが前後アームレストの間にあっても、アームレスト後端部材を支持するバネなどの弾性部材が衝撃を緩和・吸収するので後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【0014】
請求項3に記載の車体のドアトリム構造は、前記フロントアームレスト後端部材が前記フロントドアの前記ドアトリムに所定値を越える荷重を受けると破断する部材で支持されたことを特徴とする。
【0015】
これにより、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などが前後アームレストの間にあっても、アームレスト後端部材を支持する部材が破断する際に衝撃を緩和・吸収するので後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【0016】
請求項4に記載の車体のドアトリム構造は、前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、を車体側部に備えた車両に適用される車両のドアトリム構造において、前記リアドアの内側にドアトリムの一部として設けられたリアアームレスト前端に上方へ突出する凸部が設けられたことを特徴とする。
【0017】
これにより、凸部が干渉するため後部座席乗員の指先などが前後アームレストの間に届きにくい構造とすることができ、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【0018】
請求項5に記載の車体のドアトリム構造は、前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、を車体側部に備えた車両に適用される車両のドアトリム構造において、前記リアドアの内側にドアトリムの一部として設けられたリアアームレスト前端近傍の上面に凹部が設けられたことを特徴とする。
【0019】
これにより、後部座席乗員の指先などが自然に凹部へ導かれるので前後アームレストの間に届きにくい構造とすることができ、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【0020】
請求項6に記載の車体のドアトリム構造は、前記凹部はカップホルダーあるいはボトルキーパーであることを特徴とする。
【0021】
これにより、カップあるいはボトルなどが凸部となるため後部座席乗員の指先などが前後アームレストの間に届きにくい構造とすることができ、フロントドアを閉めた際に後部座席乗員の指先などに荷重のかかる事態を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<ドアトリム構造の概要>
本発明に係るドアトリム構造について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、車体の前方を矢印Fで、後方を矢印Rで、内側を矢印Iで、外側を矢印Oで、それぞれ示している。
【0023】
図1には本発明に係る車体の構造が示されている。
【0024】
図1(A)〜(C)に示すように、自動車の車体1は側面にフロントドア10、リアドア12を備え、車室8の側面を開閉可能とすることで前部座席30、後部座席32への乗員の乗降を可能としている。
【0025】
本実施形態のように車室8の前後長が比較的小さい車体においては、特に後部座席32への乗降性を考慮すると車室8の前後方向中央部付近に、所謂センターピラー(Bピラー)を設けることなく、車体側面を一つの大きな開口部とすることで乗降性を確保する構造が採用されている場合がある。
【0026】
車室8にセンターピラーが存在しない構造では、リアドア12を開閉可能に支持する軸は車体後方に設けることでより開口面積を大きくとり、乗降性を向上させることができるので、図1に示すような所謂観音開き構造のドア構造となることがある。
【0027】
このようなドア構造ではセンターピラーが存在せずとも車体の強度・剛性が不足しないように、あるいは雨水や走行風、騒音などの侵入を防ぐシール性を確保するために図1(B)のようにフロントドア10とリアドア12の突き当て面同士を互いに重なり合う構造とし、フロントドア10とリアドア12の噛み合わせ部分で強度/シール性を保つ構造が屡々採用されている。
【0028】
本実施形態では運転者が乗降するため必ず開閉する必要のあるフロントドア10を単独でリアドア12の干渉を受けずに開閉できるように、リアドア12を閉めた上からその外側にフロントドア10を閉める構造となっている。
【0029】
このとき、前部座席30に加えて後部座席32にも乗員Pを乗せる場合は当然、リアドア12を先に閉める必要があるので、先に後部座席32に乗員Pを乗せた後で前部座席30に運転者/助手が乗り込み、フロントドア10を閉める。
【0030】
この際、後部座席32の乗員Pがリアアームレスト13に手を乗せていた場合はフロントアームレスト11の後端とリアアームレスト13の先端の間に指が入り、荷重が掛かる虞がある。
【0031】
<アームレスト>
図2〜3には従来のドア構造が示されている。
【0032】
図2(A)に示すように、後部座席32に乗員Pが乗っていた場合、リアアームレスト13に手を乗せることが考えられるが、このとき図2(B)(図2(A)A−A'断面)のようにフロントドア10を閉める際、特に前部座席30に乗車中の運転者あるいは助手席の乗員が室内からフロントドア10を閉める際は後部座席32の様子が見えにくいため、リアアームレスト13に乗員Pが手を乗せていることを見落とす可能性がある。また、車外からフロントドア10を閉める場合では更に後部座席32の様子が視認しにくい。
【0033】
前述のように前後ドアの構造上、リアドア12を閉めた後でなければフロントドア10を閉めることができないことに加え、前後ドアが略隙間無く噛み合わさることになる。
【0034】
そのため、図2(C)のようにフロントドア10を閉めると(図中黒矢印方向)リアアームレスト13に乗せた乗員Pの手の先端(指f)がフロントアームレスト11の後端との間に挟まることが考えられていた。
【0035】
このような事態を防ぐために、図3に示すようにリアアームレスト13の先端位置を車体後方に下げ、あるいはフロントアームレスト11の後端を車体前方に引込めてフロントアームレスト11の後端とリアアームレスト13の先端との間に隙間dを形成することで、この隙間dに乗員Pの指fが入り込み、荷重が掛かる事態を回避することができる。
【0036】
現在、安全性を優先させ上記の構造が採用されているが、しかし上記の構造では車内の意匠を考えた際に車体前後方向に連続して存在する前後アームレストが前後ドアの境目で大きく切り取られた形となり、さらにセンターピラーが存在しないためセンターピラーの内部トリムでアームレストの切れ目を隠すこともできないので、見栄え上問題がある。加えて、当然デザイン上の制約にもなるのでデザインの自由度が失われる結果となる。
【0037】
<本発明のドアトリム構造>
図4には本発明の第1実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0038】
図4(A)に示すように、リアアームレスト13の先端と対向する位置にあるフロントアームレスト11の後端に可動部14を設け、フロントドアトリム31にネジ17で固定したサブフレーム16上にバネ18で車体前後方向(図中白矢印方向)に移動可能としている。
【0039】
すなわち、バネ18の弾性によって車体後方に付勢されている可動部14は、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受け、バネ18の弾性に抗して車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる。
【0040】
これによって、可動部14のストローク(図中黒矢印)内に収まる大きさであれば指fなどが存在してもバネ18の弾性以上の荷重が掛かることはないので、指fなどに荷重が掛かることはない。
【0041】
さらに、バネ18は弾性体なので上記の可動部14がフロントアームレスト11内に押し込まれるような状況が発生した後も、フロントドアトリム31を分解/修理することなく元の状態に復帰させることができる。このため分解/修理の必要がなく、使用者のコスト負担を抑えることができる。
【0042】
<本発明のドアトリム構造2>
図5には本発明の第2実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0043】
図5に示すように、リアアームレスト13の先端と対向する位置にあるフロントアームレスト11の後端に可動部14を設け、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受けた場合、可動部14が車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる点は第1実施形態と同様である。
【0044】
本実施形態においては、可動部14はフロントドアトリム31に固定されたサブフレーム16上にプレート20を介して固定されている。
【0045】
プレート20は例えば樹脂などで所定の強度に形成され、所定の値以上の荷重によって破断し、可動部14がフロントアームレスト11内に押し込まれるような構造となっている。
【0046】
すなわち、プレート20によって固定されている可動部14は、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受け、プレート20が破断することで車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる。
【0047】
これによって、可動部14のストローク(図中黒矢印)内に収まる大きさであれば指fなどが存在してもプレート20の破断強度以上の荷重が掛かることはないので、プレート20の強度設定を上回るような荷重を避け、指fなどに荷重がかかることはない。
【0048】
さらに、プレート20の破断は不可逆変形なので上記の可動部14がフロントアームレスト11内に押し込まれるような状況が発生した後、可動部14はフロントアームレスト11に収まった状態で存在し、指fなどを押圧し続けることはない。これにより指fなどにかかる荷重を更に少なくすることができる。
【0049】
<本発明のドアトリム構造3>
図6には本発明の第3実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0050】
図6に示すように、リアアームレスト13の先端と対向する位置にあるフロントアームレスト11の後端に可動部14を設け、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受けた場合、可動部14が車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる点は第1および第2実施形態と同様である。
【0051】
本実施形態においては、可動部14はフロントドアトリム31にネジ23で固定された支持部材22上にプレート20を介して固定されている。
【0052】
支持部材22は例えば硬質ウレタンなどで所定の強度に形成され、意図的に設けられた低強度部22Aが所定の値以上の荷重によって破断し、可動部14がフロントアームレスト11内に押し込まれるような構造となっている。
【0053】
すなわち、支持部材22によって固定されている可動部14は、リアアームレスト13の先端に指fなどが存在することにより所定の数値以上の荷重を受け、最も強度の低い低強度部22Aにおいて支持部材22が破断することで車体前方に(フロントアームレスト11内に)押し込まれる。
【0054】
これによって、可動部14とリアアームレスト13の先端の間に指fなどが存在しても低強度部22Aの破断強度以上の荷重が掛かることはないので、低強度部22Aの強度設定を上回るような重大な荷重を避け、指fなどに荷重がかかる事態を回避することができる。
【0055】
さらに、支持部材22の破断は不可逆変形なので上記の可動部14がフロントアームレスト11内に押し込まれるような状況が発生した後、可動部14はフロントアームレスト11に収まった状態で存在し、指fなどを押圧し続けることはない。これにより指fなどにかかる荷重を更に少なくすることができる。また、硬質ウレタンなどで形成された支持部材22は構造材として用いることができるので、フロントドアトリム31の内部構造を形成する部材として使用可能であり、部品点数を削減することができる。
【0056】
<本発明のドアトリム構造4>
図7には本発明の第4実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0057】
図7に示すように、本実施形態ではリアアームレスト13の先端上面に凸部13Aを設け、乗員Pが手を乗せた場合でも手の先(指f)がフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい形状となっている。
【0058】
これにより後部座席32に乗車中の乗員Pがリアアームレスト13に手をかけている状態で前部座席30あるいは車外からフロントドア10を閉めても、乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構造とすることができる。
【0059】
<本発明のドアトリム構造5>
図8には本発明の第5実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0060】
図8に示すように、本実施形態ではリアアームレスト13の先端上面に凹部34を設け、乗員Pが手を乗せた場合でも手の先(指f)がフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構成となっている。すなわち、乗員Pがリアアームレスト13に手をかけても凹部34に指fの先端が自然に凹部34に導かれるので、乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構造とすることができる。
【0061】
また、この凹部34をカップホルダーあるいはボトルキーパーとしてもよい。カップホルダーやボトルキーパーには通常、飲料用ボトルやカップなどを収納するため、収納したボトルやカップがリアアームレスト13の先端に突出部分として存在し、乗員Pがリアアームレスト13に手をかけても乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13指fの先端が自然に凹部34に導かれるので、乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構造とすることができる。
【0062】
更に凹部34をカップホルダーやボトルキーパーとして使用しない場合でも上記のように指fの先端が自然に凹部34に導かれるので、乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構造とすることができる。
【0063】
<本発明のドアトリム構造6>
図9には本発明の第6実施形態に係るドアトリム構造が示されている。
【0064】
図9に示すように、本実施形態ではリアアームレスト13の先端をフロントドア10/リアドア12の合わせ面よりも前方に設け、リアアームレスト13の先端がリアドア12の先端よりも前方に位置するような構造としている。
【0065】
これにより乗員Pがリアアームレスト13に手を乗せた場合でも手の先(指f)がフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構成となっている。すなわち、乗員Pがリアアームレスト13に手をかけてもリアアームレスト13の先端が前方に位置するため乗員Pから遠く、乗員Pの指先fがフロントアームレスト11とリアアームレスト13の間に届きにくい構造とすることができる。
【0066】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0067】
例えば上記実施形態では4人乗りピックアップを例に挙げたが、4ドアセダンや5ドアハッチバック、あるいはワゴンなどの形態でもよい。即ちフロントドア10とリアドア12が観音開きとなる構造であれば車体の形式は限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に掛かる車両を示す側面図および平面図である。
【図2】本発明に掛かる車両のドア構造を示す側面図、平面図および斜視図である。
【図3】従来のドアトリム構造を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に掛かるドアトリム構造を示す平面図および斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に掛かるドアトリム構造を示す平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に掛かるドアトリム構造を示す平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に掛かるドアトリム構造を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態に掛かるドアトリム構造を示す斜視図である。
【図9】本発明の第6実施形態に掛かるドアトリム構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1 車両
8 車室
10 フロントドア
11 フロントアームレスト
12 リアドア
13 リアアームレスト
14 可動部(フロントアームレスト後端部材)
16 サブフレーム
17 ネジ
18 バネ(弾性部材)
20 プレート(部材)
22 支持部材
22A 低強度部
23 ネジ
30 前部座席
31 フロントドアトリム
32 後部座席
33 リアドアトリム
34 凹部
P 乗員
f 指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、
後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、を車体側部に備えた車両に適用される車両のドアトリム構造において、
前記リアドアの内側にドアトリムの一部として設けられたリアアームレスト前端に略対向する、前記フロントドアの内側にドアトリムの一部として設けられたフロントアームレスト後端部材が、所定値を超える荷重を受けると車体前方に引っ込むことを特徴とする車両のドアトリム構造。
【請求項2】
前記フロントアームレスト後端部材が前記フロントドアの前記ドアトリムに弾性部材で支持されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のドアトリム構造。
【請求項3】
前記フロントアームレスト後端部材が前記フロントドアの前記ドアトリムに所定値を超える荷重を受けると破断する部材で支持されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のドアトリム構造。
【請求項4】
前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、
後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、を車体側部に備えた車両に適用される車両のドアトリム構造において、
前記リアドアの内側にドアトリムの一部として設けられたリアアームレスト前端に上方へ突出する凸部が設けられたことを特徴とする車両のドアトリム構造。
【請求項5】
前方に設けられた回動軸に開閉可能に支持されたフロントドアと、
後方に設けられた回動軸に開閉可能に支持され前記フロントドアの後端部内側に前端部が重なり合うことで観音開きのドア構造を形成するリアドアと、を車体側部に備えた車両に適用される車両のドアトリム構造において、
前記リアドアの内側にドアトリムの一部として設けられたリアアームレスト前端近傍の上面に凹部が設けられたことを特徴とする車両のドアトリム構造。
【請求項6】
前記凹部はカップホルダーあるいはボトルキーパーであることを特徴とする請求項5に記載の車両のドアトリム構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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