説明

車両の照明装置

【課題】乗員乗車時にシートベルト未着用時には、ルームランプの点灯を延長させて、乗員がシートベルトを装着する間、車室内全体を照明し、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルトの装着作業性を高め得ることができる、車両の照明装置を提供する。
【解決手段】ドア開閉センサによりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉センサによりドアの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用センサによりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを消灯させ、シートベルト着用センサによりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを設定時間点灯させた後に消灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するルームランプの点灯時間を、シートベルトの未着用時に着用時よりも延長させるようにした、車両の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両には、車室上部にルームランプが設けられ、このルームランプが点灯して車室内全体を照明する。ルームランプの点灯/消灯については、手動操作で行うこともできるが、車両のドアの開閉に連動して実行させることができる。この場合、ルームランプを制御する制御装置を備え、この制御装置が、ドアの開閉を検出するドア開閉センサから検出信号を受けて、ドアが開いた場合にルームランプを点灯させ、ドアが閉じた場合にルームランプを消灯させる。
【0003】
一方、自動車等の車両には、車室内の複数のシートに夫々乗員を拘束するシートベルトが付設されている。現在、日本国においては、前席の乗員に対してシートベルトの着用が義務付けられているが、後席の乗員に対してもシートベルトの着用は安全性の面で至極望ましい。尚、シートベルトを含むシートベルト装置は、シートベルトがシートの一側方に取付けられ、シートベルトに装着されたロックプレートと、シートの他側方に取付けられロックプレートが係脱されるバックルとを備え、所謂3点支持式のシートベルト装置は、更に、シートベルトを引出し可能に巻取る巻取り装置を備えている。
【0004】
ところで、乗員が車両に乗車してシートベルトを装着する場合、退避位置のロックプレートを掴んでバックルの方へ引寄せてバックルに係合させ、シートベルトが乗員の胴体に密着して装着状態になるが、このシートベルトの装着について、夜間等に行う場合に、特に不慣れな人にとっては、ルームランプを点灯させ車室内全体を照明して、シートベルト、ロックプレート、バックル等がはっきりと見えるようにした方が行い易くなる。
【0005】
ここで、特許文献1には、シートベルト装置のバックルをスポット照明する照明灯をセンターコンソールと、照明灯を制御する制御装置とを設け、制御装置が、ドア開閉センサとシートベルト着用センサから検出信号を受けて、ドアが開いた場合に照明灯を点灯させ、シートベルトが装着された場合、或いは、シートベルトが装着されない場合でも、ドアが閉じた場合に数秒後に照明灯を消灯させる、車両の照明装置が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−237827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シートベルトの装着について、夜間等に行う場合に、特に不慣れな人にとっては、ルームランプが消灯している状態では、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えにないので、シートベルトをスムーズに正しく装着できない虞がある。そこで、手動操作でルームランプを点灯させることができるが、シートベルトの装着後には、手動操作でルームランプを消灯させる必要もあるので、この手動操作によるルームランプの点灯/消灯をシートベルトの装着の度に行うとなると、非常に煩雑である。
【0008】
また、ルームランプの点灯/消灯を、車両のドアの開閉に連動して実行させる場合、ドアが開くとルームランプが点灯するので、ドアを開けたままの状態でシートベルトを装着すると、上記課題は解決できるが、通常、乗員は車両に乗車してドアを閉じた状態でシートベルトの装着を行い、これは、開いたドアが他車両等の邪魔になる、シートベルトの装着後に開いたドアを閉めにくい、等の理由からであり、ドアを開けたままの状態でシートベルトを装着すると、こうした問題が表面化する。
【0009】
そこで、ルームランプの点灯/消灯を、車両のドアの開閉に連動して実行させる場合、ドアが閉じて設定時間後にルームランプを消灯させる技術も周知であるが、その設定時間は短時間(例えば、1秒間)であるので、上記課題を解決することは難しい。ここで、前記設定時間を予め長時間に設定しておくことが想到できても、ドアを開閉した場合、シートベルトの装着に必要がないときでも、ルームランプが長時間点灯してしまうので、バッテリの電力消費量が大きくなる等の問題点が生じる。
【0010】
他方、特許文献1に記載の車両の照明装置では、照明灯がバックルをスポット照明するものであるため、夜間等にこの照明灯を点灯させても、シートベルト、ロックプレート、バックル等は全体的にはっきりと見えないので、シートベルトを装着しにくいという問題を確実に解消することは難しいし、また、照明灯点灯によるシートベルト未着用の警告については、そのシートベルト未着用の乗員に対してしか確実に行うことができないし、また、この照明灯を別途設けて車室に別途取付ける必要があるので、更に、複数のシートに対して複数の照明灯が必要になるので、構造的、コスト的に非常に不利なものになる。
【0011】
本発明の目的は、乗員乗車時にシートベルト未着用時には、ルームランプの点灯を延長させて、乗員がシートベルトを装着する間、車室内全体を照明し、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルトの装着作業性を高め得ることができ、シートベルト未着用の警告については、車室内全体を照明するルームランプの点灯延長によって、乗員全員(運転者)に対して確実に行い、シートベルト着用時には、ルームランプの点灯を延長させずに、バッテリの電力消費量が大きくなる等の問題点を抑制し、構造的にもコスト的にも非常に有利になる、車両の照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の車両の照明装置は、車両の車室上部に設けられ車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するルームランプを備えた車両の照明装置において、前記車両への乗員の乗車有無を検出する乗車検出手段と、前記車室内のシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するシートベルト着用検出手段と、前記乗車検出手段により乗車が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、前記ルームランプの点灯時間を延長させるようにルームランプを制御する照明制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この車両の照明装置では、ルームランプが、車両の車室上部に設けられ、車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するものであり、このルームランプとして、一般的な車両に既存のルームランプを適用できる。乗車検出手段により、車両への乗員の乗車有無が検出され、シートベルト着用検出手段により、車室内のシートに付設されたシートベルトの着用有無が検出される。照明制御手段により、ルームランプが乗車検出手段とシートベルト着用検出手段による検出に基づいて制御され、乗車検出手段により乗車が検出された場合に、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、ルームランプの点灯時間が延長される。尚、乗車検出手段とシートベルト着用検出手段のセンサ類(ドア開閉センサ又は乗員着座センサ、シートベルト着用センサ)についても、一般的な車両に既存のものを適用できる。
【0014】
ここで、請求項1の従属請求項として次の発明を採用することができる。
前記乗車検出手段は、車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を有し、このドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された後に閉作動が検出されることで乗車を検出する(請求項2)。
【0015】
前記照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを消灯させ、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを設定時間点灯させた後に消灯させる(請求項3)。
【0016】
前記照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間点灯させた後に消灯させ、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間よりも長い第2設定時間点灯させた後に消灯させる(請求項4)。
【0017】
前記シートベルト着用検出手段は、車室内のリヤシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するものである(請求項5)。前記乗車検出手段は、乗員がシートに着座したことを検出する乗員着座検出手段を有し、この乗員着座検出手段によりシートへの乗員の着座が検出されることで乗車を検出する(請求項6)。前記シートベルト及びシートベルト着用検出手段及び乗員着座検出手段が複数のシートに夫々設けられ、前記照明制御手段は、乗員着座検出手段で検出された乗員が着座しているシートに対応するシートベルトの未着用がシートベルト着用検出手段により検出された場合にだけ、ルームランプの点灯時間を延長させる(請求項7)。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の車両の照明装置によれば、車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するルームランプを車室上部に設け、乗車検出手段が車両への乗員の乗車有無を検出し、シートベルト着用検出手段が車室内のシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出し、照明制御手段が、乗車検出手段により乗車が検出された場合に、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、ルームランプの点灯時間を延長させるようにルームランプを制御するので、乗員乗車時にシートベルト未着用時には、ルームランプの点灯を延長させて、乗員がシートベルトを装着する間、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルトをスムーズに正しく装着できるようになり、つまり、シートベルトの装着作業性を高め得ることができる。
【0019】
シートベルト未着用の警告については、車室内全体を照明するルームランプの点灯延長によって、乗員全員(運転者)に対して確実に行うことができ、また、シートベルト着用時には、ルームランプの点灯を不要に延長させずに、バッテリの電力消費量が大きくなる等の問題点を抑制できる。更に、全シートに対応の共通の1つのルームランプを利用し、このルームランプとして、一般的な車両に既存のルームランプを適用でき、乗車検出手段とシートベルト着用検出手段のセンサ類(ドア開閉センサ又は乗員着座センサ、シートベルト着用センサ)についても、一般な車両に既存のものを適用できるので、即ち、ルームランプ等を別途設けて車室に別途取付ける必要がないので、構造的にもコスト的にも非常に有利になる。
【0020】
請求項2の車両の照明装置によれば、乗車検出手段は、車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を有し、このドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された後に閉作動が検出されることで乗車を検出するので、乗車検出手段のセンサ類としてドア開閉検出手段を有効に利用して、車両に乗員が乗車したことを検出できる。
【0021】
請求項3の車両の照明装置によれば、照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを消灯させ、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを設定時間点灯させた後に消灯させるので、ドアの開閉後、シートベルトの装着に必要な場合にだけ、ルームランプを設定時間点灯させて点灯時間を確実に延長させることができる。
【0022】
請求項4の車両の照明装置によれば、照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間点灯させた後に消灯させ、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間よりも長い第2設定時間点灯させた後に消灯させるので、ドアの開閉後、シートベルトの装着に必要でない場合でも、ルームランプを第1設定時間点灯させて、乗員がシートベルトの装着以外の用事等を行うのに便利になり、そして、シートベルトの装着に必要な場合にだけ、ルームランプを第1設定時間よりも長い第2設定時間点灯させて点灯時間を確実に延長させることができる。
【0023】
請求項5の車両の照明装置によれば、シートベルト着用検出手段は、車室内のリヤシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するものであるので、乗員乗車時にリヤシートのシートベルト未着用時には、ルームランプの点灯を延長させ、リヤシートに着座した乗員がシートベルトを装着する間、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルトの装着作業性を高め得ることができ、リヤシートのシートベルト未着用の警告については、車室内全体を照明するルームランプの点灯延長によって、特に運転者が確実に認識でき、依って、リヤシートのシートベルト未着用の乗員に更に口頭でシートベルトの着用を促すこともできる。
【0024】
請求項6の車両の照明装置によれば、乗車検出手段は、乗員がシートに着座したことを検出する乗員着座検出手段を有し、この乗員着座検出手段によりシートへの乗員の着座が検出されることで乗車を検出するので、車両に乗員が乗車したことを確実に検出できる。
【0025】
請求項7の車両の照明装置によれば、シートベルト及びシートベルト着用検出手段及び乗員着座検出手段が複数のシートに夫々設けられ、照明制御手段は、乗員着座検出手段で検出された乗員が着座しているシートに対応するシートベルトの未着用がシートベルト着用検出手段により検出された場合にだけ、ルームランプの点灯時間を延長させるので、ドアの開閉後、乗員未着座のシートのシートベルト未着用については無視して、乗員着座のシートのシートベルトが未着用のときだけ、ルームランプの点灯時間を延長させ、乗員がシートベルトを装着する間、シートベルト、ロックプレート、バックル等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルトの装着作業性を高める得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の車両の照明装置は、車両の車室上部に設けられ車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するルームランプ、車両への乗員の乗車有無を検出する乗車検出手段、車室内のシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するシートベルト着用検出手段、乗車検出手段により乗車が検出された場合に、シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、ルームランプの点灯時間を延長させるようにルームランプを制御する照明制御手段、を備えたものである。
【実施例1】
【0027】
図1に示すように、自動車1は、左右1対の前サイドドア2F及び後サイドドア2Rを備え、自動車1の車室3内に、ダッシュボード4、表示装置5、ステアリングホイール6、左右1対の前シート7F及び後シート7R、左右1対の前シートベルト装置8F及び後シートベルト装置8Rが装備されている。
【0028】
表示装置5は、ダッシュボード4のうち運転席となる前シート7Fの前方に位置する部分に取付けられ、図2に示すように、この表示装置5には、表示ボード5aに、タコメータ5b、スピードメータ5c、小型液晶ディスプレイ5d、変速機状態表示器5e、水温計5f、燃料計5g等の他に、シートベルト未着用表示器9が取付けられている。
【0029】
シートベルト未着用表示器9は、シートベルト装置8F,8Rのシートベルト8aの未着用を表示するものであり、例えば、図示のように、シート7F,7Rに対応する位置関係で配置された4つの表示灯9aを有し、未着用のシートベルト8aに対応するシート位置の表示灯9aが点灯するようになっている。
【0030】
図1に示すように、シートベルト装置8F,8Rは、夫々、所謂3点支持式のシートベルト装置であり、シートベルト8a、巻取り装置8b、ロックプレート8c、バックル8dを備え、巻取り装置8bが対応するシート7F,7Rの車幅方向外方に取付けられ、シートベルト8aが巻取り装置8bに引出し可能に巻取られて取付けられ、ロックプレート8cがシートベルト8aに装着され、バックル8dが対応するシート7F,7Rの車幅方向内方に取付けられ、ロックプレート8cがバックル8dに係脱される。
【0031】
ここで、シートベルト8aの未着用時、乗員がシートベルト8aを触らない状態では、シートベルト8aの一部分がシート7F,7Rの車幅方向外方に鉛直姿勢で配置され、その一部分に装着されたロックプレート8cが退避位置となり、乗員が自動車1に乗車してシートベルト8aを装着する場合には、シート7F,7Rに着座した状態で、退避位置のロックプレート8cを掴んでバックル8dの方へ引寄せてバックル8aに係合させ、シートベルト8aが乗員の胴体に密着して装着状態になる。
【0032】
図1、図3に示すように、自動車1には、制御装置10、ルームランプ11、イグニションスイッチ12、照度センサ13、左右1対のドア開閉検出手段に相当する前ドア開閉センサ14F及び後ドア開閉センサ14R、左右1対の乗員着座検出手段に相当する前乗員着座センサ15F及び後乗員着座センサ15R、左右1対のシートベルト着用検出手段に相当する前シートベルト着用センサ16F及び後シートベルト着用センサ16Rが装備され、制御装置10に、シートベルト未着用表示器9、ルームランプ11、及び前記のスイッチ・センサ類12〜16が電気的に接続されている。
【0033】
ルームランプ11は、一般的な自動車に既存のものであり、車室3の前後方向略中央の上部に設けられ、自動車1に乗員が乗車する際に点灯することで車室3内全体を照明することができる。イグニションスイッチ12は、運転席近傍に配置されたキーシンリダに所定のキーを差し込んで回動操作することでオンされる。照度センサ13は、車室3内の照度を検出するものである。
【0034】
ドア開閉センサ14F,14Rは、夫々、対応するサイドドア2F,2Rの開閉を検出するものであり、乗員着座センサ15F,15Rは、夫々、対応するシート7F,7Rに乗員が着座したことを検出するものであり、シートベルト着用センサ16F,16Rは、夫々、対応するシート7F,7Rに付設されたシートベルト8aの着用有無を検出するものである。尚、乗員着座センサ15F,15Rはシート7F,7Rのシートクッションに装着され、シートベルト着用センサ16F,16Rはバックル8dに装着されている。
【0035】
さて、図1〜図3に示すように、実施例1の車両の照明装置20は、シートクッション未着用表示器9、制御装置10、ルームランプ11、ドア開閉センサ14F,14R、シートベルト着用センサ16F,16R等で構成されている。ここで、実施例1においては、照度センサ13、乗員着座センサ15F,15Rを省略可能である。
【0036】
制御装置10は、照明制御手段に相当し、ドア開閉センサ14F,14R、シートベルト着用センサ16F,16Rから受ける検出信号に基づいてルームランプ11を制御し、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの着用が検出された場合にはルームランプ11を直ちに消灯させ、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出された場合にはルームランプ11を設定時間(例えば、10〜15秒)点灯させた後に消灯させる。
【0037】
制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された後に閉作動が検出されることで、自動車1への乗員の乗車を検出し、このドア開閉センサ14F,14Rと制御装置10の前記検出判定を行うステップ(後述のS1、S3)が、自動車1への乗員の乗車有無を検出する乗車検出手段に相当し、即ち、乗車が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、ルームランプ11の点灯時間を延長させるようにルームランプ11を制御する。尚、制御装置10のROM等の記憶部に、前記照明制御を実行する為の制御プログラムが格納されている。
【0038】
制御装置10が実行する具体的な照明制御は図4のフローチャートに示す通りであり、先ず、ドア開閉センサ14F,14Rからの信号が読込まれて、サイドドア2F,2Rが開か否か判定され(S1)、S1;Yes の場合、ルームランプ11が点灯され(S2)、次に、サイドドア2F,2Rが閉か否か判定され(S3)、S3;Noの場合、S2リターンし、ルームランプ11の点灯が継続して行われ、S3;Yes の場合、S4へ移行する。ここで、S1では、少なくとも1つのサイドドア2F,2Rが開の場合にYes となり、S2では、全てのサイドドア2F,2Rが閉の場合にYes となる。
【0039】
次に、S3;Yes の場合、シートベルト着用センサ16F,16Rからの信号が読込まれて、シートベルト8aが着用か否か判定され(S4)、S4;Yes の場合、S11へ移行し、ルームランプ11が直ちに消灯され(S11)、リターンし、S4;Noの場合、S5へ移行する。ここで、S4では、全てのシートベルト8aが着用の場合にYes となり、少なくとも1つのシートベルト8aが未着用の場合にNoとなる。
【0040】
但し、S4では、前シート7Fに付設のシートベルト8aの着用有無は無視して、後シート7Rに付設のシートベルト8aが着用の場合にYes となるようにしてもよく、この場合、前シートベルト着用センサ16Fを照明装置20の構成要件から外すことができ、或いは、S4では、後シート7Rに付設のシートベルト8aの着用有無は無視して、前シート7Fに付設のシートベルト8aが着用の場合にYes となるようにしてもよく、この場合、後シートベルト着用センサ16Rを照明装置20の構成要件から外すことができる。
【0041】
次に、S4;Noの場合、タイマtが計時開始され(S5)、ルームランプ11が点灯継続されるとともに(S6)、未着用警報(S7)が実行される。この未着用警報では、前記のように、シートベルト未着用表示器9に、シートベルト8aの未着用が表示され、例えば、シート7F,7Rに対応する位置関係で配置された4つの表示灯9aのうち、未着用のシートベルト8aに対応するシート位置の表示灯9aが点灯される。
【0042】
次に、タイマtが設定時間T(T=10〜15秒)以上か否か判定され(S8)、S8;Noの場合、シートベルト8aが着用か否か判定され(S9)、S9;Noの場合、S6へリターンし、ルームランプ11の点灯(S6)と未着用警報(S7)とが継続して行われる。ここで、S9では、S4と同様に、前シート7Fに付設のシートベルト8aの着用有無は無視して、後シート7Rに付設のシートベルト8aが着用の場合にYes となるようにしてもよいし、後シート7Rに付設のシートベルト8aの着用有無は無視して、前シート7Fに付設のシートベルト8aが着用の場合にYes となるようにしてもよい。
【0043】
次に、S8;Yes になり、タイマtが設定時間T以上になった場合には、或いは、S8;Noの場合に、タイマtが設定時間T以上になる迄に、シートベルト8aの装着を終えて、S9;Yes になった場合には、シートベルト8aの未着用警報が停止され(S10)、ルームランプ11が消灯され(S11)、リターンする。尚、S9を省略してもよい。この場合、S4;Noになった場合には、タイマtが設定時間T以上になる迄に、シートベルト8aの装着を終えても、ルームランプ11の点灯(S6)と未着用警報(S7)とが継続して行われる。
【0044】
実施例1の車両の照明装置20によれば次の効果を奏する。
自動車1に乗員が乗車する際に車室3内全体を照明するルームランプ11を車室3上部に設け、自動車1への乗員の乗車有無を検出し、シートベルト着用センサ16F,16Rが車室3内のシート7F,7Rに付設されたシートベルト8aの着用有無を検出し、制御装置10が、乗車が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、ルームランプ11の点灯時間を延長させるようにルームランプ11を制御する。
【0045】
つまり、乗員乗車時にシートベルト8a未着用時には、ルームランプ11の点灯を延長させて、乗員がシートベルト8aを装着する間、シートベルト8a、ロックプレート8c、バックル8d等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルト8aをスムーズに正しく装着できるようになり、つまり、シートベルト8aの装着作業性を高め得ることができる。シートベルト8a未着用の警告については、車室3内全体を照明するルームランプ11の点灯延長によって、乗員全員(運転者)に対して確実に行うことができ、また、シートベルト8a着用時には、ルームランプ11の点灯を不要に延長させずに、バッテリの電力消費量が大きくなる等の問題点を抑制できる。
【0046】
更に、全シート7F,7Rに対応の共通の1つのルームランプ11を利用し、このルームランプ11として、一般的な自動車に既存のルームランプを適用でき、ドア開閉センサ14F,14R、シートベルト着用センサ16F,16Rについても、一般な自動車に既存のものを適用できるので、即ち、ルームランプ11等を別途設けて車室3に別途取付ける必要がないので、構造的にもコスト的にも非常に有利になる。
【0047】
サイドドア2F,2Rの開閉を検出するドア開閉センサ14F,14Rを有し、このドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された後に閉作動が検出されることで乗車を検出するので、ドア開閉センサ14F,14Rを有効に利用して、自動車1に乗員が乗車したことを検出できる。
【0048】
制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの着用が検出された場合にはルームランプ11を直ちに消灯させ、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出された場合にはルームランプ11を設定時間T点灯させた後に消灯させるので、サイドドア2F,2Rの開閉後、シートベルト8aの装着に必要な場合にだけ、ルームランプ11を設定時間T点灯させて点灯時間を確実に延長させることができる。
【0049】
尚、前シート7Fに付設のシートベルト8aの着用有無は無視して、後シートベルト着用センサ16Rにより後シート7Rに付設されたシートベルト8aの着用有無を検出し、乗員乗車時に後シート7Rのシートベルト8aの未着用時に、ルームランプ11の点灯を延長させるようにすることで、後シート7Rに着座した乗員がシートベルト8aを装着する間、シートベルト8a、ロックプレート8c、バックル8d等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルト8aの装着作業性を高め得ることができ、後シート7Rのシートベルト8a未着用の警告については、車室3内全体を照明するルームランプ11の点灯延長によって、特に運転者が確実に認識でき、依って、後シート7Rのシートベルト8a未着用の乗員に更に口頭でシートベルト8aの着用を促すこともできる。
【0050】
次に、実施例1の車両の照明装置20を部分的に変更した実施例2〜6について説明する。尚、実施例1と基本的に同じものには同一符号を付して説明を省略する。
【実施例2】
【0051】
実施例2の車両の照明装置20において、制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの着用が検出された場合にはルームランプ11を第1設定時間T1(例えば、T1=1〜5秒)点灯させた後に消灯させ、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出された場合にはルームランプ11を第1設定時間T1よりも長い第2設定時間T2(例えば、T2=10〜15秒)点灯させた後に消灯させる。
【0052】
この制御装置10が実行する具体的な照明制御は図5のフローチャートに示す通りであり、先ず、図4のS1〜S3と同様のS21〜S23が実行され、S23;Yes の場合、タイマtが計時開始され(S24)、ルームランプ11が点灯継続され(S25)、次に、図4のS4と同様に、シートベルト8aが着用か否か判定される(S26)。
【0053】
S26;Yes の場合、タイマtが第1設定時間T1(T1=1〜5秒)以上か否か判定され(S27)、S27;Noの場合、S25へリターンし、ルームランプ11の点灯(S25)が継続して行われ、S27;Yes の場合、S31へ移行し、ルームランプ11が消灯され(S31)、リターンする。
【0054】
一方、S26;Noの場合、図4のS7と同様に、未着用警報(S28)が実行され、次に、タイマtが第2設定時間T2(T2=10〜15秒)以上か否か判定され(S29)、S29;Noの場合、S25へリターンし、ルームランプ11の点灯(S25)と未着用警報(S28)とが継続して行われ、S29;Yes の場合、シートベルト8aの未着用警報が停止され(S30)、ルームランプ11が消灯され(S31)、リターンする。
【0055】
ここで、S26;Noの場合に、タイマtが第2設定時間T2以上になる迄に、シートベルト8aの装着を終えて、S26;Yes になった場合には、シートベルト8aの未着用警報が停止されるとともに、S27へ移行し、ここで、タイマtが既に第1設定時間T1以上になっている場合には、S31へ移行し、ルームランプ11が直ちに消灯され(S31)、リターンする。
【0056】
尚、S26の処理については、最初だけ有効とし、つまり、最初にS26;Noになった場合に、S29;Noとなって、S25へリターンした場合には、S25の次にS26を飛ばしてS28を実行させるようにしてもよい。この場合、最初にS26;Noになった場合には、タイマtが第2設定時間T2以上になる迄に、シートベルト8aの装着を終えても、ルームランプ11の点灯(S6)と未着用警報(S7)とが継続して行われる。
【0057】
実施例2の車両の照明装置20によれば、制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの着用が検出された場合にはルームランプ11を第1設定時間T1点灯させた後に消灯させ、シートベルト着用センサ16F,16Rによりシートベルト8aの未着用が検出された場合にはルームランプ11を第1設定時間T1よりも長い第2設定時間T2点灯させた後に消灯させるので、サイドドア2F,2Rの開閉後、シートベルト8aの装着に必要でない場合でも、ルームランプ11を第1設定時間T1点灯させて、乗員がシートベルト8aの装着以外の用事等を行うのに便利になり、そして、シートベルト8aの装着に必要な場合にだけ、ルームランプ11を第1設定時間T1よりも長い第2設定時間T2点灯させて点灯時間を確実に延長させることができる。他の効果は実施例1の効果と基本的に同様である。
【実施例3】
【0058】
実施例3の車両の照明装置20は、シートクッション未着用表示器9、制御装置10、ルームランプ11、ドア開閉センサ14F,14R、乗員着座センサ15F,15R、シートベルト着用センサ16F,16R等で構成されている。
【0059】
制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14R、乗員着座センサ15F,15R、シートベルト着用センサ16F,16Rから受ける検出信号に基づいてルームランプ11を制御し、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合には、ルームランプ11を直ちに消灯させ、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの未着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合には、ルームランプ11を設定時間T(例えば、T=10〜15秒)点灯させた後に消灯させる。
【0060】
制御装置10は、乗員着座センサ15F,15Rによりシート7F,7Rへの乗員の着座が検出されることで自動車1への乗員の乗車を検出し、この乗員着座センサ15F,15Rと制御装置10の前記検出判定を行うステップ(後述のS66)が、自動車1への乗員の乗車有無を検出する乗車検出手段に相当し、即ち、乗車が検出された場合に、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの未着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合にだけ、ルームランプ11の点灯時間を延長させるようにルームランプ11を制御する。
【0061】
この制御装置10が実行する具体的な照明制御は図6のフローチャートに示す通りであり、先ず、図4のS1〜S3と同様のS41〜S43が実行され、S43;Yes の場合、乗員着座センサ15F,15Rからの信号が読込まれて、乗員が着座か否か判定され(S44)、S44;Noの場合、S52へ移行し、ルームランプ11が直ちに消灯され(S52)、リターンし、S44;Yes の場合、S46へ移行する。ここで、S44では、少なくとも1つのシート7F,7Rに乗員が着座している場合にYes となる。
【0062】
次に、S44;Yes の場合、乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト着用センサ16F,16Rからの信号が読込まれて、そのシート7F,7Rのシートベルト8aが着用か否か判定され(S45)、S45;Yes の場合、S52へ移行し、S45;Noの場合、図4のS5〜S11と同様のS46〜S52が実行され、その後、リターンする。ここで、S45では、乗員が着座しているシート7F,7Rのシートベルト8aのうち、全てのシートベルト8aが着用の場合にYes となり、少なくとも1つのシートベルト8aが未着用の場合にNoとなる。
【0063】
実施例3の車両の照明装置20によれば、乗員がシート7F,7Rに着座したことを検出する乗員着座センサ15F,15Rを有し、この乗員着座センサ15F,15Rによりシート7F,7Rへの乗員の着座が検出されることで乗車を検出するので、自動車1に乗員が乗車したことを確実に検出できる。
【0064】
シートベルト8a及びシートベルト着用センサ16F,16R及び乗員着座センサ15F,15Rが複数のシート7F,7Rに夫々設けられ、制御装置10は、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの未着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合にだけ、ルームランプ11の点灯時間を延長させるので、サイドドア2F,2Rの開閉後、乗員未着座のシート7F,7Rのシートベルト8a未着用については無視して、乗員着座のシート7F,7Rのシートベルト8aが未着用のときだけ、ルームランプ11の点灯時間を延長させ、乗員がシートベルト8aを装着する間、シートベルト8a、ロックプレート8c、バックル8d等が全体的にはっきりと見えるようにして、シートベルト8の装着作業性を高める得ることができる。他の効果は実施例1の効果と基本的に同様である。
【実施例4】
【0065】
実施例4の車両の照明装置20において、制御装置10は、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの開作動が検出された場合にルームランプ11を点灯させた後、ドア開閉センサ14F,14Rによりサイドドア2F,2Rの閉作動が検出された場合に、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合には、ルームランプ11を第1設定時間T1(例えば、T1=1〜5秒)点灯させた後に消灯させ、乗員着座センサ15F,15Rで検出された乗員が着座しているシート7F,7Rに対応するシートベルト8aの未着用がシートベルト着用センサ16F,16Rにより検出された場合には、ルームランプ11を第1設定時間T1よりも長い第2に設定時間T2(例えば、T2=10〜15秒)点灯させた後に消灯させる。
【0066】
この制御装置10が実行する具体的な照明制御は図7のフローチャートに示す通りであり、先ず、図5のS21〜S25と同様のS61〜S65が実行され、次に、図6のS44と同様に、乗員が着座か否か判定され(S66)、S66;Noの場合、タイマtが第1設定時間T1(T1=1〜5秒)以上か否か判定され(S67)、S67;Noの場合、S65へリターンし、ルームランプ11の点灯(S65)が継続して行われ、S67;Yes の場合、S72へ移行し、ルームランプ11が消灯され(S72)、リターンする。
【0067】
一方、S66;Yes の場合、図6のS45と同様に、乗員が着座しているシート7F,7Rのシートベルト8aが着用か否か判定され(S68)、S68;Yes の場合、S67へ移行し、S68;Noの場合、図6のS48と同様に、未着用警報(S69)が実行され、次に、タイマtが第2設定時間T2(T2=10〜15秒)以上か否か判定され(S70)、S70;Noの場合、S65へリターンし、ルームランプ11の点灯(S65)と未着用警報(S69)とが継続して行われ、S70;Yes の場合、シートベルト8aの未着用警報が停止され(S71)、ルームランプ11が消灯され(S72)、リターンする。
【0068】
尚、実施例3,4においては、ドア開閉センサ14F,14Rを照明装置20の構成要件から外すことができ、この場合、実施例3では、図6のS41とS43を省略して、S42をS45の次に実行させるようにしてもよい。尚、乗員がシート7F,7Rに着座したことを検出する乗員着座検出手段として、乗員着座センサ15F,15Rの代わりに車内カメラを設け、その画像情報から乗員が着座か否か判定するようにしてもよい。
【0069】
尚、実施例1〜4の車両の照明装置20においては、シートクッション未着用表示器9を省略し、この場合、実施例1では、図4のS7とS10を省略し、実施例2では、図5のS28とS30を省略し、実施例3では、図6のS48とS51を省略し、実施例4では、図7のS69とS71を省略することができる。
【実施例5】
【0070】
実施例5の車両の照明装置20は、シートクッション未着用表示器9、制御装置10、ルームランプ11、照度センサ13、ドア開閉センサ14F,14R、乗員着座センサ15F,15R、シートベルト着用センサ16F,16R等で構成され、制御装置10は、自動車1への乗員の乗車が検出され、シートベルト8aの未着用が検出された場合に、照度センサ13で検出された照度iが設定照度I(車室3内が見えにくくなる照度)以下の場合にだけ、ルームランプ11の点灯時間を延長させる。
【0071】
この制御装置10が実行する具体的な照明制御は、実施例4の図7の照明制御にその一部変更して適用したものであるが、実施例1〜3の照明制御にその一部変更して適用することもできる。この照明制御では、図8のフローチャートに示すように、S69の後、照度センサ13で検出された照度iが読込まれ(S80)、次に、照度iが設定照度I以下か否か判定され(S81)、S81;Noの場合、S67へ移行し、S81;Yes の場合、S70へ移行する。
【実施例6】
【0072】
実施例6の車両の照明装置20は、シートクッション未着用表示器9、制御装置10、ルームランプ11、イグニションスイッチ12、ドア開閉センサ14F,14R、乗員着座センサ15F,15R、シートベルト着用センサ16F,16R等で構成され、制御装置10は、自動車1への乗員の乗車が検出され、シートベルト8aの未着用が検出された場合に、イグニションスイッチ12がオンされた場合には、ルームランプ11の点灯時間を延長させない或いは延長を中断させる。
【0073】
この制御装置10が実行する具体的な照明制御は、実施例4の図7の照明制御にその一部変更して適用したものであるが、実施例1〜3の照明制御にその一部変更して適用することもできる。この照明制御では、図9のフローチャートに示すように、S64の後、イグニションスイッチ12がオンか否か判定され(S90)、S90;Noの場合には、S65へ移行して、ルームランプ11が点灯継続されるが、S90;Yes の場合には、S72へ移行し、ルームランプ72が直ちに消灯される。
【0074】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。例えば、設定時間T,T1,T2については適宜変更可能である。また、前記照明制御を特定の1つのシート(運転席)のみに対して実行するようにしてもよい。本発明については種々の自動車等の車両に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の照明装置を備えた自動車の透視状の平面図である。
【図2】本発明の照明装置のシートクッション未着用表示器を含む表示装置の図である。
【図3】本発明の照明装置の制御系のブロック図である。
【図4】実施例1の照明制御のフローチャートである。
【図5】実施例2の照明制御のフローチャートである。
【図6】実施例3の照明制御のフローチャートである。
【図7】実施例4の照明制御のフローチャートである。
【図8】実施例5の照明制御のフローチャートである。
【図9】実施例6の照明制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 自動車
2F,2R サイドドア
3 車室
7F 前シート
7R 後シート
8a シートベルト
10 制御装置
11 ルームランプ
14F,14R ドア開閉センサ
15F,15R 乗員着座センサ
16F,16R シートベルト着用センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室上部に設けられ車両に乗員が乗車する際に車室内全体を照明するルームランプを備えた車両の照明装置において、
前記車両への乗員の乗車有無を検出する乗車検出手段と、
前記車室内のシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するシートベルト着用検出手段と、
前記乗車検出手段により乗車が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出されたときに着用が検出されたときよりも、前記ルームランプの点灯時間を延長させるようにルームランプを制御する照明制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両の照明装置。
【請求項2】
前記乗車検出手段は、車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を有し、このドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された後に閉作動が検出されることで乗車を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の照明装置。
【請求項3】
前記照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを消灯させ、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを設定時間点灯させた後に消灯させることを特徴とする請求項3に記載の車両の照明装置。
【請求項4】
前記照明制御手段は、ドア開閉検出手段によりドアの開作動が検出された場合にルームランプを点灯させた後、ドア開閉検出手段によりドアの閉作動が検出された場合に、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間点灯させた後に消灯させ、前記シートベルト着用検出手段によりシートベルトの未着用が検出された場合にはルームランプを第1設定時間よりも長い第2設定時間点灯させた後に消灯させることを特徴とする請求項3に記載の車両の照明装置。
【請求項5】
前記シートベルト着用検出手段は、車室内のリヤシートに付設されたシートベルトの着用有無を検出するものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車両の照明装置。
【請求項6】
前記乗車検出手段は、乗員がシートに着座したことを検出する乗員着座検出手段を有し、この乗員着座検出手段によりシートへの乗員の着座が検出されることで乗車を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の照明装置。
【請求項7】
前記シートベルト及びシートベルト着用検出手段及び乗員着座検出手段が複数のシートに夫々設けられ、
前記照明制御手段は、乗員着座検出手段で検出された乗員が着座しているシートに対応するシートベルトの未着用がシートベルト着用検出手段により検出された場合にだけ、ルームランプの点灯時間を延長させることを特徴とする請求項7に記載の車両の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−230338(P2008−230338A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−70472(P2007−70472)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】