説明

車両の駆動方式を識別表示するための装置

【課題】 車両の駆動方式を識別表示するための装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、車両の駆動方式を識別表示するための装置に関する。車両は、少なくとも1つのエアバッグを含み、エアバッグの袋体が、車両の駆動方式に関する視覚的に認知できる情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動方式を識別表示するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事故の際に特別な危険性を有する車両、例えば代替駆動コンセプト(例えば天然ガス駆動装置、液化ガス駆動装置、ハイブリッド駆動装置、及び水素駆動装置)を備える車両は、外部からそのような車両とは認識できないことが多い。救助・救出隊、例えば消防隊は、駆動方式が分からないために不適当な処置を行って、自身及び事故当事者をともすれば危険な状態にさらすおそれがある。
【0003】
車体に取り付けられたロゴタイプ(Schriftzuege)が駆動方式を表していることがある。しかし、これらのロゴタイプは簡単に取り外すことができ、車両の発注の際に選択されないことがあり、又は事故の際に破損する可能性がある。
【0004】
代替駆動システムにより、従来式に駆動される自動車では生じない危険が救助隊に対し生じることを、Die Landesfeuerwehrfachschule Baden−Wuerttembergが非特許文献1の文書に記載している。多種の燃料があるため、代替駆動される自動車について全般的に有効な作戦指示(Taktikhinweise)を与えることは困難である。出動の流れを最適にするために、駆動システムを早期に認識することが必要である。識別表示義務がないため、出動した場所にある各車両が、代替駆動コンセプトを備えた車両である可能性が残っている。
【0005】
特許文献1から、事故を確認するための事故検出装置を有する自動車用の事故時支援システム、及び事故の確認に応答して避難措置及び緊急措置を指示するための支援装置が公知である。支援装置によって出力される指示は、事故の際にエアバッグの作動と共に車内に放り出される情報媒体に印刷されている。指示は、事故に遭った乗員に向けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004043924A1号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Die Landesfeuerwehrfachschule Baden−Wuerttemberg「Einsatzhinweise fuer Unfaelle mit alternativ angetriebenen Kraftfahrzeugen」(www.lfs−bw.de/servlet/PB/menu/1195974/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、簡単に除去することができない車両の駆動方式の識別表示を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、請求項1による装置によって解決される。
【発明の効果】
【0010】
多くの車両は、事故により作動される少なくとも1つのエアバッグを利用する。上側に(すなわち、外部から目に見える側面に)、例えば印刷、生地全体の色付け、袋体の縫い目の色付けによって、車両の駆動方式に関する情報が提供される。
【0011】
車両の駆動方式に関する情報の識別表示をエアバッグの袋体の上に設けることにより、意図しない除去を防ぐことができるようになるので、エアバッグの作動の際に駆動方式に関する情報を見ることができる。到着した救助隊は、例えば駆動方式のカラーコーディングを含むこの情報に基づき、救助隊の出動作戦を確実に計画することができる。救出のための重要な情報を含む正しい救助マニュアルの選択が、非常に容易になる。
【0012】
さらに、駆動方式に関する情報の他に、車両の追加の構成要素、例えばバッテリの数及び配置に関する情報も、袋体に提供することができる。
【0013】
エアバッグの袋体の上に存在する車両の駆動方式の識別表示は、エアバッグの作動後に初めて外部から見ることができる。車両のそれぞれの駆動方式の他に、救助隊のためのさらに追加の情報が袋体の上に存在することもある。例えば、救助隊が行う最初の段階の1つは、1つ又は複数のバッテリの端子を外すことにある。バッテリは、車両内の様々な場所に、例えばエンジンルーム、助手席の足下、リアシートベンチ、トランク、運転者シート、ホイールハウスに配置されていることがある。いくつかの車両モデルについて、救助隊は救助マニュアルを有する。
【0014】
したがって、1つの有利な実施形態では、袋体の上の追加の情報として、車両内のバッテリの数及びそれぞれの配置を含むことができる。
【0015】
別の有利な実施形態では、袋体の上の追加の情報として、ロールバーの数、種類、及び配置を含むことができる。
【0016】
事故の大きさによっては、ロールバー(車両に存在する限り)が作動されないことがある。車両乗員又は車両の救出の際、まだ作動されていないロールバーが、不適切な取扱いによって、例えば圧力をかけることによって作動される可能性がある。
【0017】
情報は、例えばエアバッグの生地の色合いであってよい。駆動方式に対応して、色が選択される。
【0018】
エアバッグの作動の際、エアバッグ材料の色に基づき、危険度の格付けを直接(及び遠くから)認識できる。
【0019】
車両の駆動方式の識別表示をエアバッグの上に設けることにより、責任の所在が不明確な状態でこの識別表示を除去することはできないことが保証される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動方式を識別表示するための装置であって、前記車両が、少なくとも1つのエアバッグを含み、前記エアバッグの袋体が、前記車両の前記駆動方式に関する視覚的に認知できる情報を含む装置。
【請求項2】
前記情報が、前記車両の危険度の格付けをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記情報が、前記車両内のバッテリの数及び配置をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記情報が、前記車両内のロールバーの数及び配置をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記情報が、カラーコーディングを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。