説明

車両位置表示装置

【課題】本発明は、使用者に車両位置を認識する上での利便性を向上させることを目的とする。
【解決手段】そして、この目的を達成するために本発明は、車両6と、この車両6に設けられた無線受信機8と、この無線受信機8に位置表示開始信号9と位置表示停止信号11とを送信する携帯無線送信機7とを備え、車両6にはこの車両6の位置を表示する位置表示手段14(14A、14B)と、この位置表示手段14に無線受信機8が受信した信号を伝達する制御部13とを設け、無線受信機8が位置表示開始信号9を受信した場合には、制御部13が位置表示手段14を用いて車両6の位置表示を開始し、無線受信機8が位置表示停止信号11を受信した場合には、制御部13が位置表示手段14を用いた車両6の位置表示を停止する車両位置表示装置としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の位置を表示する車両位置表示手段を備えた車両位置表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が有する何らかの情報を表示するものとしては、図5に示すものがあった。即ち、図5に示すごとく、車両1のドア2を携帯無線送信機3からの無線信号4により施錠、解錠するキーレスエントリーシステムにおいて、この施錠、解錠時にランプ5Aやブザー5Bなどの表示手段5を用いて、使用者にドア2が施錠された、あるいは解錠されたことを示していた。
【0003】
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平8−289372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の表示装置では、使用者が車両1の位置を認識する上での利便性の悪さが問題となっていた。
【0005】
即ち、上記従来の表示装置を使用者が車両位置表示装置として利用しようとした場合、当該表示装置は、使用者に車両1が施錠された、あるいは解錠されたことを示すことを目的として構成されているため、使用者が車両1の位置を確認したか否かに関わらず、所定時間経過後にランプ5Aを点滅させること、あるいはブザー5Bを鳴らすことを停止してしまう。そのため、使用者が車両1を発見できない、あるいは使用者が車両1を発見するためには何度も携帯無線送信機3から無線信号を送信する必要があり、その結果として使用者が車両1の位置を認識する上での利便性が悪くなってしまっていた。
【0006】
そこで本発明は、使用者に車両位置を認識する上での利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために本発明は、車両と、この車両に設けられた無線受信機と、この無線受信機に位置表示開始信号と位置表示停止信号とを送信する携帯無線送信機とを備え、前記車両にはこの車両の位置を表示する位置表示手段と、この位置表示手段に前記無線受信機が受信した信号を伝達する制御部とを設け、前記無線受信機が前記位置表示開始信号を受信した場合には、前記制御部が前記位置表示手段を用いて前記車両の位置表示を開始し、前記無線受信機が前記位置表示停止信号を受信した場合には、前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を停止する車両位置表示装置としたものである。
【発明の効果】
【0008】
この構成により、無線受信機が位置表示停止信号を受信するまでの間、位置表示手段を用いた車両の位置表示を継続させることができるため、使用者が車両の位置を認識するまでの間、当該位置表示を継続させることができ、使用者が容易に車両を発見することができる、あるいは車両を発見するために何度も携帯無線送信機から無線信号を送信する必要がなく、その結果として、使用者が車両位置を認識する上での利便性を向上させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における車両位置表示手段について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1に示すごとく、車両6には携帯無線送信機7からの信号を受信する無線受信機8を設け、携帯無線送信機7にはボタン10、12を設けており、ボタン10が押された場合には携帯無線送信機7から無線受信機8に位置表示開始信号9が送信され、ボタン12が押された場合には携帯無線送信機7から無線受信機8に位置表示停止信号11が送信される。
【0011】
まず、使用者が携帯無線送信機7のボタン10を押すと、携帯無線送信機7からは位置表示開始信号9が送信され、この位置表示開始信号9が車両6に設けた無線受信機8により受信される。無線受信機8が位置表示開始信号9を受信すると、その情報が制御部13に伝達される。
【0012】
そうすると、制御部13が位置表示手段14であるランプ14A、及びブザー14Bを用いて車両6の位置表示を開始する。具体的には、ランプ14Aを点滅させる、あるいはブザー14Bを鳴らすなどの方法により車両6の位置表示を開始する。
【0013】
その後、使用者がこの位置表示により車両6の位置を認識し、携帯無線送信機7のボタン12を押すと、携帯無線送信機7からは位置表示停止信号11が送信され、この位置表示停止信号11が車両6に設けた無線受信機8により受信される。無線受信機8が位置表示停止信号11を受信すると、その情報が制御部13に伝達される。
【0014】
そうすると、制御部13が位置表示手段14であるランプ14A、及びブザー14Bを用いた車両6の位置表示を停止する。
【0015】
このような構成により、無線受信機8が位置表示停止信号11を受信するまでの間、位置表示手段14を用いた車両6の位置表示を継続させることができるため、使用者が車両6の位置を認識するまでの間、当該位置表示を継続させることができ、使用者が容易に車両6を発見することができる、あるいは車両6を発見するために何度も携帯無線送信機7から無線信号を送信する必要がなく、その結果として、使用者が車両6の位置を認識する上での利便性を向上させることができるのである。
【0016】
なお、制御部13が位置表示手段14を用いた車両6の位置表示を開始した後、ドア22が開放された場合には、無線受信機8が位置表示停止信号11を受信せずとも、制御部13が位置表示手段14を用いた車両6の位置表示を停止する構成とすることが望ましい。
【0017】
即ち、使用者がドア22を開放したということは、使用者が車両6の位置を認識したことを意味するので、使用者がわざわざ位置表示停止信号11を送信するまでも無く車両6の位置表示を停止する構成とすることにより、利便性の向上と位置表示をすることによる消費電力の低減を図ることができることが望ましい。
【0018】
なお上述のような構成は、使用者が携帯無線送信機を操作することにより車両のドアの施錠、解錠を行うキーレスエントリーシステムと組み合わせて構成することも可能である。
【0019】
以下、図2を用い、車両が既に施錠状態にある場合において、更に使用者から携帯無線送信機7Aを用いて施錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を開始し、その後、携帯無線送信機7Aを用いて解錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を停止する構成を例に挙げて説明する。
【0020】
図2において、車両6には携帯無線送信機7Aからの信号を受信する無線受信機8を設け、携帯無線送信機7Aにはボタン10A、12Aを設けており、ボタン10Aが押された場合には携帯無線送信機7Aから無線受信機8に施錠信号9Aが送信され、ボタン12Aが押された場合には携帯無線送信機7Aから無線受信機8に解錠信号11Aが送信される。
【0021】
車両6が既に施錠状態にある場合において、使用者が携帯無線送信機7Aの施錠ボタン10Aを押すと、携帯無線送信機7からは施錠信号9Aが送信され、この施錠信号9Aが車両6に設けた無線受信機8により受信される。無線受信機8が施錠信号9Aを受信すると、その情報が制御部13に伝達される。
【0022】
そうすると、制御部13は、図3に示すごとく、ステップ101において無線受信機8が受信した信号が解錠信号11Aであるか否かを判断する。ここでは無線受信機8が受信した信号は施錠信号9Aであるため、ステップ102へと進む。次に、ステップ102において、無線受信機8が受信した信号が施錠信号9Aであるか否かを判断する。ここで無線受信機8が受信した信号は施錠信号9Aであるから、ステップ103へと進む。その後、ステップ103において、この時点において既に車両6が施錠状態であるか否かが判断される。ここで、車両6は施錠状態にあるため、ステップ104へと進む。次に、ステップ104において、図2に示した制御部13が施錠信号9Aは位置表示開始信号であると判断し、位置表示手段14であるランプ14A、及びブザー14Bを用いて車両6の位置表示を開始する。具体的には、ランプ14Aを点滅させる、あるいはブザー14Bを鳴らすなどの方法により車両6の位置表示を開始する。
【0023】
その後、使用者がこの位置表示により車両6の位置を認識し、携帯無線送信機7Aの解錠ボタン12Aを押すと、携帯無線送信機7Aからは位置表示停止信号11Aが送信され、この位置表示停止信号11Aが車両6に設けた無線受信機8により受信される。無線受信機8が位置表示停止信号11Aを受信すると、その情報が制御部13に伝達される。
【0024】
そうすると、図3に示すごとく、ステップ105において、図2に示す制御部8が解錠信号11Aは位置表示停止信号であると判断し、位置表示手段14であるランプ14A、及びブザー14Bを用いた車両6の位置表示を停止するとともに、図3に示すごとく、ステップ106において、ドア22を解錠する。
【0025】
このような構成により、車両が既に施錠状態にある場合において、更に使用者から携帯無線送信機7Aを用いて施錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を開始し、その後、携帯無線送信機7Aを用いて解錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を停止する構成を実現することができる。
【0026】
なお、図3に示すステップ103において、車両6が施錠状態で無い場合には、ステップ107において施錠信号9Aは施錠命令であると判断し、ドアの施錠を行う。
【0027】
なお、本実施の形態においては、車両が既に施錠状態にある場合において、更に使用者から携帯無線送信機7Aを用いて施錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を開始し、その後、携帯無線送信機7Aを用いて解錠操作が行われた場合には、車両6の位置表示を停止する構成を例に挙げて説明したが、その他、施錠、解錠用ボタンと位置表示開始専用ボタン、位置表示停止専用ボタンとを個別的に設けるような構成や、ボタン10A、12Aの長押しをそれぞれ位置表示開始命令、位置表示停止命令に対応付ける構成等としても構わない。
【0028】
また、図2に示す車両6には制御部13に時刻情報を伝達する時刻認識手段を設け、制御部13が伝達された時刻情報に応じて位置表示手段14による車両6の位置表示方法を切り替える構成とすることが望ましい。具体的には、時刻情報により現在が夜であると判断した場合には、位置表示手段14として用いるのはランプ14Aの点滅のみとし、ブザー14Bが鳴らされないような構成とすることにより、夜間の騒音の発生を抑制することができ望ましい。
【0029】
また、図2に示す車両6には、車両6外の照度情報を検知するとともに当該照度情報を制御部13に伝達する照度検知手段を設け、制御部13が伝達された照度情報に応じて位置表示手段14による車両6の位置表示方法を切り替える構成とすることも望ましい。具体的には、照度が高い場合には、位置表示手段14として用いるのはブザー14Bのみとし、照度が高い場合において認識効果の低いランプ14Aを用いない構成とすることにより、ランプ14Aを使用することに伴う消費電力の低減を実現することができる。また、照度が低い場合には、照度が高い場合において認識効果の高いランプ14Aのみを位置表示手段14として用い、ブザー14Bを用いない構成とすることにより、ブザー14Bを使用することに伴う消費電力の低減を実現することができ望ましい。
【0030】
さらに、図3に示すステップ103において、車両6のドア22(図2参照)が施錠状態であるか否かを判断するのみならず、施錠状態が所定時間、例えば5分以上前から持続されているか否かを判断する構成とすることが望ましい。即ち、使用者が単にドア22が施錠状態にあるのか否かを再確認したいような場合において、施錠状態に施錠信号を送信することが考えられるが、そのような場合においても、所定時間より前から施錠状態が持続されていない場合には、上述の「再確認」であると判断し、位置表示を開始しない構成とすることができ望ましい。
【0031】
なお、ステップ103の後に、図4に示すごとく現在が位置表示中か否かを判断するステップ108を設け、位置表示中である場合には、施錠信号9Aは位置表示停止命令であると判断してステップ109において位置表示を停止し、位置表示中でない場合には、施錠信号9Aが位置表示開始命令であると判断してステップ110において位置表示を開始する構成としても構わない。
【0032】
なお、図2に示す制御部13が位置表示手段14を用いて車両6の位置表示を開始してから所定時間を経過した場合には、制御部13が位置表示手段14を用いた車両の位置表示を停止する構成とすることにより、使用者が操作ミス等により位置表示開始命令をした後、そのまま長時間が経過するような場合においても、所定時間経過後には位置表示が停止されるため、バッテリー上がりを抑制することができ望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の車両位置表示装置は、使用者が車両の位置を確認するまでの間、位置表示手段を用いた車両の位置表示を継続させることができ、使用者が容易に車両を発見することができる、あるいは車両を発見するために何度も携帯無線送信機から無線信号を送信する必要がなく、使用者が車両位置を認識する上で高い利便性を有しており有用である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1における車両位置表示装置の模式図
【図2】本発明の実施の形態1における車両位置表示装置のその他の実施例を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態1における車両位置表示装置の動作例を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における車両位置表示装置のその他の動作例を示すフローチャート
【図5】従来の車両位置表示装置の模式図
【符号の説明】
【0035】
6 車両
7 携帯無線送信機
8 無線受信機
9 位置表示開始信号
11 位置表示停止信号
13 制御部
14 位置表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と、
この車両に設けられた無線受信機と、
この無線受信機に位置表示開始信号と位置表示停止信号とを送信する
携帯無線送信機とを備え、
前記車両にはこの車両の位置を表示する位置表示手段と、
この位置表示手段に前記無線受信機が受信した信号を伝達する制御部とを設け、
前記無線受信機が前記位置表示開始信号を受信した場合には、
前記制御部が前記位置表示手段を用いて前記車両の位置表示を開始し、
前記無線受信機が前記位置表示停止信号を受信した場合には、
前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を停止する
車両位置表示装置。
【請求項2】
前記車両にはドアを設け、
前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を開始した後
前記ドアが開放された場合には、
前記無線受信機が前記位置表示停止信号を受信せずとも
前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を停止する
請求項1に記載の車両位置表示装置。
【請求項3】
前記車両にはドアを設け、
前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を開始した後
前記ドアが解錠された場合には、
前記無線受信機が前記位置表示停止信号を受信せずとも
前記制御部が前記位置表示手段を用いた前記車両の位置表示を停止する
請求項1に記載の車両位置表示装置。
【請求項4】
前記車両には前記制御部に時刻情報を伝達する時刻認識手段を設け、
前記制御部が前記時刻情報に応じて前記位置表示手段による前記車両の位置表示方法を切り替える
請求項1に記載の車両位置表示装置。
【請求項5】
前記車両には前記制御部に前記車両外の照度情報を伝達する照度検知手段を設け、
前記制御部が前記照度情報に応じて前記位置表示手段による前記車両の位置表示方法を切り替える
請求項1に記載の車両位置表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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