説明

車両室内照明装置

【課題】部品点数を低減して省スペース化を図ることができるとともに、光が流れて見えるように照明でき演出効果を高めることができる車両室内照明装置を提供する。
【解決手段】車両室内照明装置1であって、導光体3と、導光体の一端側に配置される第1光源(第1発光ダイオード4)と、導光体の他端側に配置され且つ第1光源と異なる色を発する第2光源(第1発光ダイオード5)と、第1光源の発光量を増加させつつ第2光源の発光量を減少させるように第1光源及び第2光源を点灯制御する制御部6と、導光体の光を車室内側に照射するための第1照射部7と、を備え、第1照射部は、導光体の光が当たる第1壁12と、第1壁で反射された光が当たる第2壁13と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両室内照明装置に関し、さらに詳しくは、部品点数を低減して省スペース化を図ることができるとともに、光が流れて見えるように照明でき演出効果を高めることができる車両室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両室内照明装置として、複数の光源を所定方向に沿って並べて設け、これら複数の光源を一端側から他端側に向かって順に点灯させて光が流れて見えるように照明するものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−212038号公報
【特許文献2】特開2009−18747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の車両室内照明装置では、光が流れて見えるように照明するために多数の光源を設けているので、部品点数が増えて省スペース化を図れない。なお、上記特許文献1には、導光体の両端側に一対の第2光源(青色光源)を配置してなる技術が開示されているが、これら一対の第2光源は光が流れて見えるように照明するための光源ではない。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、部品点数を低減して省スペース化を図ることができるとともに、光が流れて見えるように照明でき演出効果を高めることができる車両室内照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両室内照明装置であって、導光体と、前記導光体の一端側に配置される第1光源と、前記導光体の他端側に配置され且つ前記第1光源と異なる色を発する第2光源と、前記第1光源の発光量を増加させつつ前記第2光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を点灯制御する制御部と、前記導光体の光を車室内側に照射するための第1照射部と、を備え、前記第1照射部は、前記導光体の光が当たる第1壁と、該第1壁で反射された光が当たる第2壁と、を有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記導光体は、内装材に形成された開口部の車室外側に配置され、前記導光体の車室内側には、該導光体の光を透過させる透光部材が該開口部を塞ぐように設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記導光体の光を車室内側に照射するための第2照射部を更に備え、該第2照射部により前記導光体の光が内装材の車室内側の表面に照射されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両室内照明装置によると、制御部により、第1光源の発光量を増加させつつ第2光源の発光量を減少させるように第1光源及び第2光源が点灯制御され、第1照射部により、導光体の光が第1壁及び第2壁で反射されて車室内側が照明される。このように、異なる色を発する第1光源及び第2光源の発光量を増減制御するとともに、第1壁及び第2壁の間で導光体の光を反射させることにより、光のムラを軽減して第1照射部で光が流れて見えるように照明でき演出効果を高めることができる。また、従来のように多数の光源を備えるものに比べて、部品点数を低減して省スペース化を図ることができる。
また、前記導光体が、内装材に形成された開口部の車室外側に配置され、前記導光体の車室内側には、該導光体の光を透過させる透光部材が該開口部を塞ぐように設けられている場合は、導光体を開口部の車室外側の奧方に配置して、乗車者に対して、導光体の光を直接見せることなく透光部材を透過して第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材により開口部から内装材の車室外側への塵等の異物の侵入を防止できる。
さらに、第2照射部を更に備え、該第2照射部により前記導光体の光が内装材の車室内側の表面に照射される場合は、第2照射部により内装材の車室内側の表面が間接照明されるため、照明の演出効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る車両室内照明装置を備えるドアトリムの背面図である。
【図2】実施例に係る発光ダイオードの配置を説明するための模式図である。
【図3】図1のIII−III線断面拡大図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】実施例に係る第1照射部の照射作用を説明するための説明図である。
【図6】実施例に係る制御部を説明するためのブロック図である。
【図7】上記制御部による点灯制御を説明するための作用説明図である。
【図8】その他の形態の車両室内照明装置を説明するための縦断面図である。
【図9】色度を説明するための説明図(CIE色度図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.車両室内照明装置
本実施形態1.に係る車両室内照明装置は、車両室内照明装置であって、導光体(3)と、導光体の一端側に配置される第1光源(4)と、導光体の他端側に配置され且つ第1光源と異なる色を発する第2光源(5)と、第1光源の発光量を増加させつつ第2光源の発光量を減少させるように第1光源及び第2光源を点灯制御する制御部(6)と、導光体の光を車室内側に照射する第1照射部(7)と、を備え、第1照射部は、導光体の光が当たる第1壁(12)と、第1壁で反射された光が当たる第2壁(13)と、を有することを特徴とする(例えば、図4等参照)。
【0011】
上記導光体は、通常、長尺状に形成されている。また、上記第1照射部は、通常、導光体の長尺方向に沿って設けられている。また、上記第1壁及び第2壁は、例えば、互いに対向するように設けられていることができる。また、上記第1光源及び第2光源の発光量は、例えば、制御部によるパルス駆動でデューティー比を変えることにより変更可能とされる。さらに、上記第1光源及び第2光源は、例えば、CIE色度図(図9参照)においてそれぞれ分別できる範囲の異なる色度の組み合わせであればよい。例えば、一方の光源は、色度(x,y)が0.38≦x≦0.7,0.07≦y≦0.7(好ましくは0.38≦x≦0.6,0.38≦y≦0.6、特に0.38≦x≦0.45,0.38≦y≦0.45)の各式を満たす色を発し、他方の光源は、色度(x,y)が0.2≦x≦0.37,0.2≦y≦0.37)(好ましくは0.25≦x≦0.35,0.25≦y≦0.35、特に0.27≦x≦0.33,0.27≦y≦0.33)の各式を満たす色を発することができる。
【0012】
上述の形態では、例えば、上記第1照射部の照射幅(s1;即ち、第1壁と第2壁との対向間隔)と導光体の端面幅(d)との比(s1/d)は0.07〜1(好ましくは0.2〜0.7、特に0.3〜0.5であることができる(例えば、図4等参照)。これにより、第1壁及び第2壁の間で導光体の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記第1照射部の照射幅(s1)は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1〜6mm、特に1〜3mmであることができる。また、上記導光体の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3.5〜6.5mmであることができる。
【0013】
上述の形態では、例えば、上記第1照射部を縦断面で見たとき、第1照射部の照射幅(s1)の照射幅方向の中心と導光体の軸心とは、第1照射部の照射幅方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、乗車者に対して、導光体の光を直接見せることなく第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記第1照射部の照射幅(s1)の照射幅方向の中心と導光体の軸心との間隔は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1.5〜7.5mm、特に2.5〜5mmであることができる。
【0014】
上述の形態では、例えば、上記制御部は、第1光源の発光量を第1所定値から増加させつつ第2光源の発光量を第1所定値より大きな第2所定値から減少させるように第1光源及び第2光源を点灯制御することができる。これにより、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0015】
上述の形態では、例えば、上記制御部は、第1光源の発光量をジグモイド関数に基づいて増加させつつ第2光源の発光量をジグモイド関数に基づいて減少させるように第1光源及び第2光源を点灯制御することができる。これにより、より穏やかに光が流れて見えるように照明できる。
【0016】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記導光体は、内装材に形成された開口部(10)の車室外側に配置され、導光体の車室内側には、導光体の光を透過させる透光部材(9)が開口部を塞ぐように設けられている形態(例えば、図4等参照)を挙げることができる。
【0017】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、導光体の光を車室内側に照射する第2照射部(8)を更に備え、第2照射部により導光体の光が内装材の車室内側の表面に照射される形態(例えば、図3等参照)を挙げることができる。この第2照射部は、通常、導光体の長尺方向に沿って設けられている。
【0018】
上述の形態では、例えば、上記第2照射部の照射幅(s2)と導光体の端面幅(d)との比(s2/d)は0.3〜10(好ましくは0.5〜5、特に1〜2.5であることができる(例えば、図4等参照)。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記第2照射部の照射幅(s2)は、例えば、0.5〜25mm(好ましくは3.0〜15mm、特に6〜12mmであることができる。また、上記導光体の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3〜6mmであることができる。
【0019】
上述の形態では、例えば、上記第2照射部を縦断面で見たとき、第2照射部の照射幅(s2)の照射幅方向の中心と導光体の軸心とは、第2照射部の照射幅方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記第2照射部の照射幅(s2)の照射幅方向の中心と導光体の軸心との間隔は、例えば、0.5〜20mm(好ましくは1.5〜10mm、特に3〜7mmであることができる。
【実施例】
【0020】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「車両室内照明装置」として、図1に示すように、車両のドアトリム2(本発明に係る「内装材」として例示する。)に装着される車両室内照明装置1を例示する。
【0021】
(1)車両室内照明装置の構成
本実施例に係る車両室内照明装置1は、図1〜図3に示すように、ドアトリム2の車室外側に配置される長尺状でPMMA製の導光体3と、この導光体3の一端側に配置されアンバー色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.5,0.4)}を有する第1発光ダイオード4(本発明に係る「第1光源」として例示する。)と、この導光体3の他端側に配置され白色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.33,0.33)}を有する第2発光ダイオード5(本発明に係る「第2光源」として例示する。)と、これら第1及び第2発光ダイオード4、5を点灯制御する制御部6(図6参照)と、導光体3の光を車室内側R1に照射するための第1照射部7及び第2照射部8と、を基本的に備えている。なお、本実施例では、上記導光体3として、光の減衰率の高いものであり、その直径d(図4参照)が約6mmのものを採用することとする。
【0022】
上記ドアトリム2は、黒色系樹脂製の上側ドア部材(ドアアッパートリム)2aと、この上側ドア部材2aの下方側に配置される黒色系樹脂製の装飾部材(オーナメント)2bと、この装飾部材2bの下方側に配置されるベース部材(アームレスト)2cと、を備えている。この上側ドア部材2aには、図3に示すように、上側ドア部材2aの下端縁と装飾部材2cの上端縁との間に形成された開口部10を塞ぐように透光部材9が取り付けられている。
【0023】
上記透光部材9は、導光体3からの光を透過させる透光性を有している。この透光部材9は、縦断面略U字状の本体9aと、この本体9aの一端側から立ち上がり上側ドア部材2aに取り付けられる取付片9bと、を有している。この本体9aの車室内側R1の表面には、銀色系の塗料からなる反射層9cが設けられている。また、この本体9aの車室外側R2には、導光体3の外周を挟持する一対の挟持部9d,9dが設けられている。したがって、これら一対の挟持部9d,9dで保持された導光体3は、開口部10の車室外側R2に配置され、この導光体3の車室内側R1には透光部材9が配置される。
【0024】
上記第1照射部7は、導光体3の光が流れて見えるように照明するための部位である。この第1照射部7は、図4に示すように、透光部材9に設けられ導光体3の光を透過させる透光部11と、この透光部11を透過した光が当たる第1壁12と、この第1壁12で反射された光が当たる第2壁13と、を有している。これら第1及び第2壁12、13は、互いに対向するように導光体3の長尺方向に沿って延びて設けられる。この第1壁12は、上側ドア部材2aの開口部10を形成する壁により構成されている。また、第2壁13は、透光部材9の反射層9cのうちの第1壁12に対向する部分により構成されている。
【0025】
ここで、上記第1照射部7の照射幅s1、即ち第1壁12及び第2壁13の対向間隔は約2mmとされている。したがって、上記第1照射部7の照射幅s1と導光体3の直径dとの比(s1/d)は約0.3とされている。また、上記第1照射部7を縦断面で見たときに、第1照射部7の照射幅s1の照射幅方向の中心と導光体3の軸心とは、第1照射部7の照射幅方向に位置をずらして配置されている。
【0026】
上記第2照射部8は、導光体3の光をベース部材2cの車室内側R1の表面に照射して間接照明をするための部位である。この第2照射部8は、図4に示すように、透光部材9に設けられ導光体3の光を透過させる透光部15を有している。また、この第2照射部8は、装飾部材2bの開口部10を形成する壁と、透光部材9の反射層9cのうちの透光部15に接する部分とで囲まれて形成されている。この第2照射部8の照射幅s2は、約6mmとされている。したがって、第2照射部8の照射幅s2と導光体3の直径dとの比(s2/d)は約1とされている。また、上記第2照射部8を縦断面で見たときに、第2照射部8の照射幅s2の照射幅方向の中心と導光体3の軸心とは、第2照射部8の照射幅方向に位置をずらして配置されている。
【0027】
上記制御部6は、図6に示すように、イグニションスイッチ17、車幅灯(「スモールライト」とも呼ばれる。)の点灯スイッチ18、第1発光ダイオード4、及び第2発光ダイオード5に電気的に接続されている。そして、この制御部6は、イグニッションスイッチ17がON操作されてエンジンが始動されたときに、図7に示すように、第1発光ダイオード4の発光量をジグモイド関数に基づいて第1所定値a1から増加させつつ第2発光ダイオード5の発光量をジグモイド関数に基づいて第1所定値a1より大きな第2所定値a2から減少させるように第1及び第2発光ダイオード4、5を所定時間t1まで点灯させる。また、この制御部6は、エンジン始動とともに車幅灯の点灯スイッチ18がON操作されたときに、第1及び第2発光ダイオード4、5の所定時間t1の点灯の後に、第1発光ダイオード4を所定の発光量で点灯を維持させるとともに、第2発光ダイオード5を消灯させる。一方、車幅灯の点灯スイッチ18がON操作されないときには、第1及び第2発光ダイオード4、5を所定時間t1の点灯後に消灯させる。
【0028】
(2)車両室内照明装置の作用
次に、上記構成の車両室内照明装置1の作用について説明する。エンジン始動時に、第1発光ダイオード4の発光量が増加されつつ第2発光ダイオード5の発光量が減少されるように第1及び第2発光ダイオードが所定時間t1の間点灯される。これにより、図5に示すように、第1照射部7では、導光体3の光が透光部11を透過して第1壁12に当たり、この第1壁12で反射された光が第2壁13に当たって車室内側R1が照明される。この第1照射部7の照明では、乗務員は、第1壁12及び第2壁13で反射された光が導光体3の長尺方向に沿って所定方向に向かって流れて見える。また、第2照射部8では、図3に示すように、導光体3の光が透光部15を透過してベース部材2cの表面に当たって車室内側R1が間接照明される。
【0029】
また、エンジンの始動とともに車幅灯が点灯されたときには、第1及び第2発光ダイオード4、5の所定時間t1の点灯の後に、第1発光ダイオード4が所定の発光量で点灯され続ける。これにより、夜間等において第2照射部7による車室内側R1の間接照明が維持される。
【0030】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の車両室内照明装置1によると、制御部6により、第1発光ダイオード4の発光量を増加させつつ第2発光ダイオード5の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード4、5が点灯制御され、第1照射部7により、導光体3の光が第1壁12及び第2壁13で反射されて車室内側R1が照明される。このように、異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード4、5の発光量を増減制御するとともに、第1壁12及び第2壁13の間で導光体3の光を反射させることにより、光のムラを軽減して第1照射部7で光が流れて見えるように照明でき演出効果を高めることができる。また、従来のように多数の光源を備えるものに比べて、部品点数を低減して省スペース化を図ることができる。
【0031】
また、本実施例では、導光体3を、ドアトリム2に形成された開口部10の車室外側R2に配置し、導光体3の車室内側R1に、導光体3の光を透過させる透光部材9を開口部10を塞ぐように設けたので、導光体3を開口部10の車室外側R2の奧方に配置して、乗車者に対して、導光体3の光を直接見せることなく透光部材9を透過して第1壁12及び第2壁13で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材9により開口部10からドアトリム2の車室外側R2への塵等の異物の侵入を防止できる。
【0032】
さらに、本実施例では、第2照射部8を更に備え、この第2照射部8により導光体3の光がドアトリム2の車室内側R1の表面に照射されるようにしたので、第2照射部8によりドアトリム2の車室内側R1の表面が間接照明される。そのため、照明の演出効果(例えば、高級感等)を更に高めることができる。
【0033】
また、本実施例では、上記第1照射部7の照射幅s1を約2mmとし、第1照射部7の照射幅s1と導光体3の直径dとの比(s1/d)を約0.3としたので、第1壁12及び第2壁13の間で導光体3の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0034】
また、本実施例では、上記第1照射部7を縦断面で見たとき、第1照射部7の照射幅s1の照射幅方向の中心と導光体3の軸心とを、第1照射部7の照射幅方向に位置をずらして配置したので、導光体3を開口部10の車室外側R2の奧方に配置して、乗車者に対して、導光体3の光を直接見せることなく第1壁12及び第2壁13で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0035】
また、本実施例では、上記第2照射部8の照射幅s2を約6mmとし、第2照射部8の照射幅s2と導光体3の直径dとの比(s2/d)を約1としたので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0036】
また、本実施例では、上記第2照射部8を縦断面で見たとき、第2照射部8の照射幅s2の照射幅方向の中心と導光体3の軸心とを、第2照射部8の照射幅方向に位置をずらして配置したので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0037】
また、本実施例では、制御部6により、第1発光ダイオード4の発光量を第1所定値a1から増加させつつ第2発光ダイオード5の発光量を第1所定値a1より大きな第2所定値a2から減少させるように第1及び第2発光ダイオード4、5を点灯制御するようにしたので、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0038】
さらに、本実施例では、制御部6により、ジグモイド関数に基づいて第1及び第2発光ダイオード4、5の発光量を増減制御するようにいたので、より穏やかに光が流れて見えるように照明できる。
【0039】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、ドアトリム2に装着される車両室内照明装置1を例示したが、これに限定されず、例えば、天井基材、インストルメントパネル、シート、サンルーフ、サンバイザ、スカッフプレート等の内装材に装着される車両室内照明装置としてもよい。
【0040】
上記天井基材に装着される車両室内照明装置としては、例えば、図8に示すように、天井基材21に設けられた凹部21aを覆うように覆い部材22を設け、この覆い部材22と天井基材21との間の開口部10’を塞ぐように透光部材9’を設け、この透光部材9’の車室外側R2に導光体3’を設け、第1照射部7’の第1壁12’及び第2壁13’の間で導光体3’の光を反射させるとともに、第2照射部8’から天井基材21を間接照射するように構成した形態を挙げることができる。
【0041】
また、上記実施例では、第1及び第2壁12、13を互いに対向して設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1及び第2壁の位置をずらして互いに対向しないように設けてもよい。
【0042】
また、上記実施例では、光源として発光ダイオード4、5を例示したが、これに限定されず、例えば、光源として、白熱電球等のバルブ、蛍光灯、エレクトロルミネセンスライト等を採用してもよい。
【0043】
また、上記実施例では、エンジン始動を契機として車両室内照明装置1を作動させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、車幅灯の点灯、ドアの開閉等を契機として車両室内照明装置を作動させるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施例では、第1発光ダイオード4の発光量を第1所定値a1から増加させつつ第2発光ダイオード5の発光量を第1所定値a1より大きな第2所定値a2から減少させるように点灯制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1発光ダイオード4の発光量を第1所定値から増加させつつ第2発光ダイオード5の発光量を第1所定値より小さな第2所定値から減少させるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施例では、発光ダイオード4、5の発光量をジグモイド関数に基づいて増加又は減少させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、発光ダイオードの発光量を他の関数に基づいて増加又は減少させるようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施例では、第1照射部7により光が導光体3の長尺方向に沿って所定方向に流れて見える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1照射部により光が導光体の長尺方向に沿って往復動して流れて見えるようにしてもよい。
【0047】
さらに、上記実施例では、丸棒状の導光体3を例示したが、これに限定されず、例えば、角棒状の導光体を採用してもよい。さらに、上記実施例では、湾曲状に延びる導光体3を例示したが、これに限定されず、例えば、直線状又は屈曲状に延びる導光体3としてもよい。
【0048】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0049】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両室内を照明する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0051】
1;車両室内照明装置、2;ドアトリム、3,3’;導光体、4;第1発光ダイオード、5;第2発光ダイオード、6;制御部、7,7’;第1照射部、8,8’;第2照射部、9,9’;透光部材、12,12’;第1壁、13,13’;第2壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両室内照明装置であって、
導光体と、
前記導光体の一端側に配置される第1光源と、
前記導光体の他端側に配置され且つ前記第1光源と異なる色を発する第2光源と、
前記第1光源の発光量を増加させつつ前記第2光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を点灯制御する制御部と、
前記導光体の光を車室内側に照射するための第1照射部と、を備え、
前記第1照射部は、前記導光体の光が当たる第1壁と、該第1壁で反射された光が当たる第2壁と、を有することを特徴とする車両室内照明装置。
【請求項2】
前記導光体は、内装材に形成された開口部の車室外側に配置され、前記導光体の車室内側には、該導光体の光を透過させる透光部材が該開口部を塞ぐように設けられている請求項1記載の車両室内照明装置。
【請求項3】
前記導光体の光を車室内側に照射するための第2照射部を更に備え、該第2照射部により前記導光体の光が内装材の車室内側の表面に照射される請求項1又は2に記載の車両室内照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−251580(P2011−251580A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125108(P2010−125108)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】