車両室内用照明装置
【目的】運転者によって操作される複数個の操作部材を順次照射することで運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出するようにした車両室内用照明装置を提供する。
【解決手段】車両(12)の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個(6個)の光源(18)からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段(照射装置14)と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材(ステアリングホイール20、シフトレバー22)を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御するように構成する。
【解決手段】車両(12)の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個(6個)の光源(18)からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段(照射装置14)と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材(ステアリングホイール20、シフトレバー22)を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両室内用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、四輪車などの車両の室内のルーフには、車室内を照明するための照明装置(ルームランプ)が設置される。従来、その照明装置として様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1記載の照明装置にあっては、互いに隣接して設けられる複数個のLED光源からなる照射手段を備え、各LED光源によって車室内の異なる位置を選択的に照射すると共に、2種の光源色を採用することによって車室内を装飾的に照明することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−165383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の照明装置にあっては、車室内の異なる位置を選択的に照射するといっても、手動スイッチを操作することで各LED光源をオン・オフする、あるいは車両のドアの開閉に連動して各LED光源をオン・オフするように制御するのみであり、運転者によって操作される複数個の操作部材を順次照射することで運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出するように制御されるものではなかった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、運転者によって操作される複数個の操作部材を順次照射することで運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出するようにした車両室内用照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、車両の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0008】
また、請求項2に係る車両室内用照明装置にあっては、前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0009】
また、請求項3に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0010】
また、請求項4に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両のシフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0011】
また、請求項5に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0012】
また、請求項6に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0013】
また、請求項7に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段を備えると共に、前記検出された照度が所定照度以上であるとき、前記光源の輝度を増加させる如く構成した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る車両室内用照明装置にあっては、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、それら光源によって室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段を備え、その照射手段が、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、複数個の操作部材を順次照射するように、光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出することができる。
【0015】
尚、光源自体を可動させることなく、複数個の操作部材を順次照射することができるため、可動機構部を不要とでき、よって装置が大型化、重量化することもない。
【0016】
請求項2に係る車両室内用照明装置にあっては、照射手段が、複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、複数個の操作部材を順次照射するに際して経路を順次照射するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、例えば、複数個の操作部材の内のいずれかを照射し、次いで照射する操作部材とを結ぶ経路に沿ってその経路を順次照射した上で、次の操作部材を照射することにより、運転者を操作に導くような演出を行うことができる。また、動く光を演出できるため、運転者へのもてなし感や車両の親近感を一層効果的に演出することができる。
【0017】
請求項3に係る車両室内用照明装置にあっては、車両の走行速度を検出し、検出された走行速度が所定速度以上であるとき、照射手段による照射を中止するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0018】
請求項4に係る車両室内用照明装置にあっては、シフトレバーが車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、照射手段による照射を中止するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、前項と同様、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0019】
請求項5に係る車両室内用照明装置にあっては、車両のドアの開閉を検出し、検出されたドアの開閉に応じて照射手段による照射を開始または終了するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、照射手段による照射を運転者の乗車時または降車時の動作に応じて行うことができ、よって運転者へのもてなし感や車両の親近感をより一層効果的に演出することができる。
【0020】
請求項6に係る車両室内用照明装置にあっては、車両に搭載されるバッテリの電圧を検出し、検出された電圧が所定電圧以下であるとき、照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転者にバッテリの電圧状態について報知することができる。
【0021】
請求項7に係る車両室内用照明装置にあっては、車両の外部の光の照度を検出し、検出された照度が所定照度以上であるとき、光源の輝度を増加させる如く構成したので、運転者へのもてなし感や車両の親近感を確実に演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施例に係る車両室内用照明装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1の照射装置を座席側からみた場合の外観図である。
【図3】図2の照射装置による車室内の照射の様子(ルーフ側から見た場合)を示す説明図である。
【図4】図1の制御装置によって実行される、乗車時の制御動作を示すフロー・チャートの前半部を示す図である。
【図5】図4のフロー・チャートの後半部を示す図である。
【図6】図4の点灯モード1についての説明図である。
【図7】図5の点灯モード2についての説明図である。
【図8】図1の制御装置によって実行される、降車時の制御動作を示すフロー・チャートの前半部を示す図である。
【図9】図8のフロー・チャートの後半部を示す図である。
【図10】図8の点灯モード3についての説明図である。
【図11】図9の点灯モード4についての説明図である。
【図12】図2の照射装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に即してこの発明に係る車両室内用照明装置を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0024】
図1は、この発明の実施例に係る車両室内用照明装置を全体的に示す概略図である。
【0025】
図1において、符号10は車両室内用照明装置を示す。車両室内用照明装置10は、四輪車などの車両12の室内のルーフに設置される照射装置14と、照射装置14による照射を制御する制御装置16とからなる。照射装置14と制御装置16は、図示のように一体的に構成しても良いし、電気的接続を介して別個に構成しても良い。
【0026】
図2は、照射装置14を座席側からみた場合の外観図である。
【0027】
図示のように、照射装置14は互いに隣接して設けられる6個の光源18(以下、区別するときは、「第1の光源」、「第2の光源」、・・・「第6の光源」という)を備える。光源18には発光ダイオード(LED)が用いられ、制御装置16からの信号に基づいて光源18それぞれの点灯(オン)と消灯(オフ)が切り換えられる。
【0028】
各光源18は、具体的には、青色LED18aと赤色LED18bとからなる。後述するブルー・モードにおいては、青色LED18aの点灯と消灯が切り換えられると共に、レッド・モードにおいては、赤色LED18bの点灯と消灯が切り換えられる。
【0029】
各光源18には、集光レンズ18cとプリズムレンズ18dが備えられる。LED光は集光レンズ18cによって集光され、集光されたLED光はプリズムレンズ18dによって所定の方向に照射される。各光源のプリズムレンズ18dは、照射される方向が光源18毎に相違するように設定される。
【0030】
図3は、照射装置14による車室内の照射の様子(ルーフ側から見た場合)を示す説明図である。
【0031】
図示のように、第1の光源はステアリングホイール20の中心部を照射する。第2の光源は第1の光源が照射する範囲の一部を含むようにその隣の範囲を照射する。第3の光源は第2の光源が照射する範囲の一部を含むようにその隣の範囲を照射する。第4の光源、第5の光源も同様に隣接する範囲を照射する。第6の光源はシフトレバー22の中心部を照射する。
【0032】
このように、照射装置14は、第1の光源と第6の光源により、運転者によって操作される操作部材を選択的に照射されるように設定される。また、第2から第5の光源によって操作部材を結ぶ経路の各々の位置を選択的に照射されるように設定される。
【0033】
図1に戻って説明を続けると、車両12のドア開口部の近傍には、ドアの開閉を検出する開閉スイッチ24が設けられる。ドアの車室側には、ドアが閉じられた状態を保持するためのドアロック26が取り付けられる。
【0034】
シフトレバー22(図1で示さず)の近傍には、シフトレバー22がパーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNおよび各種ドライブレンジD1,D2,D3,D4の内のいずれのレンジにあるかを検出するシフトレンジ検出センサ28が設けられる。ステアリングホイール20(図1で示さず)の回転軸の近傍には、ステアリングホイール20の操作回転角を検出する回転角センサ30が設けられる。また、ステアリングホイール20の近傍には、車両の始動に必要な電気回路の接続をオン・オフするためのイグニッションスイッチ32が取り付けられる。
【0035】
車両12のフロントウインドウには、車両12の外部の温度を検出する温度センサ34と、車両12の外部の光の照度を検出する照度センサ36とが設けられる。エンジンルーム内にはバッテリ(図示せず)が設けられ、その電圧を検出する電圧センサ38が備えられる。車両12の車輪回転軸の近傍には、車両12の走行速度を検出するための車輪速センサ40が設けられる。
【0036】
上記したセンサ群による検出信号は、制御装置16に送られる。また、ドアロック26のロック状態とアンロック状態を示す信号やイグニッションスイッチ32のオン・オフを示す信号も制御装置16に送られる。
【0037】
制御装置16は、CPU、ROM、メモリおよび入出力回路などを備えるマイクロ・コンピュータからなると共に、運転者が乗車するときや降車するときに上記した信号に基づいて6個の光源18それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する。
【0038】
尚、制御装置16には、バッテリから動作電力が常時供給される。また、照射装置14の電力は制御装置16を介して供給される。
【0039】
図4と図5は、制御装置16によって実行される、乗車時の制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは100msecごとに実行される。
【0040】
まずS10において、ドアロック26がアンロック状態にあるか否か、あるいはドアが開の状態にあるか否か判断する。S10において否定される場合、運転者が乗車時の動作を行っていないと判断してプログラムを終了する一方、S10において肯定される場合、運転者が乗車時の動作を行っていると判断し、S12に進む。
【0041】
S12においては、照度センサ36によって検出された外光の照度が所定照度α以上であるか否か判断する。肯定される場合、S14に進んで各光源18の輝度を増加させるように設定を行う。具体的には、各光源18がオンされる際に各LEDに通電される通電量が増加されるように通電量の設定を行う。
【0042】
次いで、S16に進んで電圧センサ38によって検出されたバッテリ電圧が所定電圧β以下であるか否か判断する。肯定される場合、S18に進んで第1の光源の赤色LED18bを点滅させると共に、プログラムを終了する。
【0043】
S16において否定される場合にはS20に進み、温度センサ34によって検出された外気温が0℃以上であるか否か判断する。肯定される場合、S22に進んで各光源18の点灯をブルー・モードに設定する。一方、否定される場合には、S24に進んでレッド・モードに設定する。ブルー・モードに設定されると、各光源18は青色LED18aについてオン(点灯)・オフ(消灯)制御されると共に、赤色LED18bは常時オフとされる。レッド・モードに設定されると、各光源18は赤色LED18bについてオン・オフ制御されると共に、青色LED18aは常時オフとされる。
【0044】
このように、外気温が0℃未満の場合にレッド・モードとするのは、運転者に路面凍結の危険性を報知するためである。
【0045】
次いでS26に進み、第1の光源をオフからオンに切り換える。
【0046】
次いでS28に進み、イグニッションスイッチ32がオンされたか否か判断する。否定される場合、S30に進んで第1の光源がオンされてから1分経過したか否か判断し、否定される場合にはS28に戻る一方、肯定される場合にはS32に進んで第1の光源をオンからオフに切り換える。これはバッテリ上がりを防止するためである。
【0047】
S28において肯定される場合には、S34に進んで点灯モード1を実行する。
【0048】
図6は、点灯モード1についての説明図である。
【0049】
第1の光源はS26においてオンされることから、点灯モード1の時刻t1までは第1の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t4からt5にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0050】
次いで、時刻t5からt6にかけて第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t8からt9にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0051】
次いで、時刻t9からt10にかけて第6の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t10からt11にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t12からt13にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。尚、第6の光源は時刻t13以降もオンに保持される。
【0052】
このように、点灯モード1では第1の光源が点灯した状態から第2、第3、第4、第5、第6の光源の順にオンされると共に、第1の光源から第2、第3、第4、第5の光源の順にオフされる。即ち、図3を参照しつつ説明すると、各光源18はステアリングホイール20とシフトレバー22を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、ステアリングホイール20を照射した状態からシフトレバー22を照射した状態に移行するに際し、その経路を順次照射するように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0053】
別言すれば、運転者の乗車時には、ドア入口近傍から車両内部に向けて照射光が動くように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0054】
図4と図5のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS36に進んで第6の光源のみがオンしているか否か判断する。即ち、点灯モード1の実行が終了しているか否か判断する。
【0055】
S36において肯定される場合、S38に進んでシフトレバー22がR,D1,D2,D3,D4のいずれかのレンジ、別言すれば、車両12を走行させるためのレンジに操作されているか否か判断する。
【0056】
S38において否定される場合、S40に進んで車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以上であるか否か判断する。
【0057】
S40において否定される場合、S42に進んで回転角センサ30によって検出されたステアリングホイール20の操作回転角が90°以上であるか否か判断する。
【0058】
S38からS42において肯定される場合、S44に進んで第6の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、運転者が運転操作を開始したものと推定し、運転操作への集中を妨げることがないようにするためである。
【0059】
S42において否定される場合、S46に進んで第6の光源がオンされてから30分経過したか否か判断する。S42において否定される場合にはS38に戻る一方、肯定される場合にはS44に進んで第6の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、長時間の点灯による電力消費の無駄を防止するためである。
【0060】
一方、S36において否定される場合には、S48に進んでS38と同様にシフトレバー22がR,D1,D2,D3,D4のいずれかのレンジ、別言すれば、車両12を走行させるためのレンジに操作されているか否か判断する。
【0061】
S48において否定される場合、S50に進んでS40と同様に車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以上であるか否か判断する。
【0062】
S50において否定される場合、S52に進んでS42と同様に回転角センサ30によって検出されたステアリングホイール20の操作回転角が90°以上であるか否か判断する。S52において否定される場合、S36に戻る。
【0063】
一方、S48からS52において肯定される場合には、運転者が運転操作を開始したものと推定し、S54に進んで点灯モード2を実行する。
【0064】
図7は、点灯モード2についての説明図である。
【0065】
第1の光源はS26においてオンされることから、点灯モード2の時刻t1までは第1の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t2からt3にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第4の光源がオフからオンに切り換えられる。
【0066】
次いで、時刻t4からt5にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t5からt6にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第6の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられる。これにより、照射装置14による照射が中止される。
【0067】
このように、点灯モード2においては、各光源18が順次オンされると共に、順次オフされる。
【0068】
尚、点灯モード2が実行されるのは、点灯モード1の実行が終了していない場合であるから、点灯モード1において未だオン・オフされていない光源18のみについてオン・オフの切り換えが行われるように制御される。また、図6と図7を対比すると分かるように、点灯モード2の各光源18のオン・オフの切り換え間隔が点灯モード1のそれより短くなるようにオン・オフ制御される。これにより、例えば運転者がイグニッションスイッチ32をオンした直後にシフトレバー22を操作した場合、運転者の操作に追従するような光の演出を行うことができる。
【0069】
図8と図9は、制御装置16によって実行される、降車時の制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムも100msecごとに実行される。
【0070】
まずS100において、車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以下であるか否か判断する。肯定される場合、S102に進んでシフトレバー22がPレンジに操作されているか否か判断する。S100やS102において否定される場合には、運転者が降車時の動作を行う可能性がないと判断してプログラムを終了する一方、肯定される場合、運転者が降車時の動作を行う可能性があると判断し、S104に進む。
【0071】
S104においては、照度センサ36によって検出された外光の照度が所定照度α以上であるか否か判断する。肯定される場合、S106に進んで各光源18の輝度を増加させるように設定を行う。具体的には、各光源18がオンされる際に各LEDに通電される通電量が増加されるように通電量の設定を行う。
【0072】
次いで、S108に進んで温度センサ34によって検出された外気温が0℃以上であるか否か判断する。肯定される場合、S110に進んで各光源18の点灯をブルー・モードに設定する。一方、否定される場合には、S112に進んでレッド・モードに設定する。ブルー・モードに設定されると、各光源18は青色LED18aについてオン・オフ制御されると共に、赤色LED18bは常時オフとされる。レッド・モードに設定されると、各光源18は赤色LED18bについてオン・オフ制御されると共に、青色LED18aは常時オフとされる。
【0073】
このように、外気温が0℃未満の場合にレッド・モードとするのは、運転者に路面凍結の危険性を報知するためである。
【0074】
次いでS114に進み、第6の光源をオフからオンに切り換える。
【0075】
次いでS116に進み、イグニッションスイッチ32がオフされたか否か判断する。否定される場合、S118に進んで第6の光源がオンされてから30分経過したか否か判断し、否定される場合にはS116に戻る一方、肯定される場合にはS120に進んで第6の光源をオンからオフに切り換える。これは長時間の点灯による電力消費の無駄を防止するためである。
【0076】
S116において肯定される場合には、S122に進んで点灯モード3を実行する。
【0077】
図10は、点灯モード3についての説明図である。
【0078】
第6の光源はS114においてオンされることから、点灯モード3の時刻t1までは第6の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t4からt5にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0079】
次いで、時刻t5からt6にかけて第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t8からt9にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0080】
次いで、時刻t9からt10にかけて第1の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t10からt11にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t12からt13にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。尚、第1の光源は時刻t13以降もオンに保持される。
【0081】
このように、点灯モード3では第6の光源が点灯した状態から第5、第4、第3、第2、第1の光源の順にオンされると共に、第6の光源から第5、第4、第3、第2の光源の順にオフされる。即ち、図3を参照しつつ説明すると、シフトレバー22を照射した状態からステアリングホイール20を照射した状態に移行するに際し、シフトレバー22とステアリングホイール20を結ぶ経路を順次照射するように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0082】
別言すれば、運転者の降車時には、車両内部からドア入口近傍に向けて照射光が動くように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0083】
図8と図9のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS126に進んで第1の光源のみがオンしているか否か判断する。即ち、点灯モード3の実行が終了しているか否か判断する。
【0084】
S126において肯定される場合、S128に進んでドアが開の状態であるか否か判断する。
【0085】
S128において否定される場合、S130に進んでドアロック26がアンロック状態にあるか否か判断する。
【0086】
S128およびS130において肯定される場合、S132に進んで第1の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、運転者が降車動作を実際に開始したものと推定し、不要な照射を行わないようにするためである。
【0087】
S130において否定される場合、S134に進んで第1の光源がオンされてから30分経過したか否か判断する。S134において否定される場合にはS128に戻る一方、肯定される場合にはS132に進んで第1の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、バッテリ上がりを防止するためである。
【0088】
一方、S126において否定される場合には、S136に進んでS128と同様にドアが開の状態であるか否か判断する。
【0089】
S136において否定される場合、S138に進んでS130と同様にドアロック26がアンロック状態にあるか否か判断する。S138において否定される場合、S126に戻る。
【0090】
一方、S136やS138において肯定される場合には、運転者が降車動作を実際に開始したものと推定し、S140に進んで点灯モード4を実行する。
【0091】
図11は、点灯モード4についての説明図である。
【0092】
第6の光源はS114においてオンされることから、点灯モード4の時刻t1までは第6の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t2からt3にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第3の光源がオフからオンに切り換えられる。
【0093】
次いで、時刻t4からt5にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t5からt6にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第1の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられる。これにより、照射装置14による照射が中止される。
【0094】
このように、点灯モード4においては、各光源18が順次オンされると共に、順次オフされる。
【0095】
尚、点灯モード4が実行されるのは、点灯モード3の実行が終了していない場合であるから、点灯モード3において未だオン・オフされていない光源18のみについてオン・オフの切り換えが行われるように制御される。また、図10と図11を対比すると分かるように、点灯モード4の各光源18のオン・オフの切り換え間隔が点灯モード3のそれより短くなるようにオン・オフ制御される。これにより、例えば運転者がイグニッションスイッチ32をオフした直後にドアを開けた場合、運転者の操作に追従するような光の演出を行うことができる。
【0096】
図8と図9のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS142に進んで電圧センサ38によって検出されたバッテリ電圧が所定電圧β以下であるか否か判断する。肯定される場合、S144に進んで第1の光源の赤色LED18bを点滅させると共に、プログラムを終了する。否定される場合には、S144をスキップしてプログラムを終了する。
【0097】
上記した如く、この実施例にあっては、車両(12)の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個(6個)の光源(18)からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段(照射装置14)と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段(制御装置16)とを備える車両室内用照明装置(10)において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材(ステアリングホイール20、シフトレバー22)を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S34、S54、S122、S140)如く構成した。
【0098】
それにより、運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出することができる。
【0099】
尚、光源自体を可動させることなく、複数個の操作部材を順次照射することができるため、可動機構部を不要とでき、よって装置が大型化、重量化することもない。
【0100】
また、前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路も順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S34、S54、S122、S140)如く構成した。
【0101】
それにより、例えば、複数個の操作部材の内のいずれかを照射し、次いで照射する操作部材とを結ぶ経路に沿ってその経路を順次照射した上で、次の操作部材を照射することにより、運転者を操作に導くような演出を行うことができる。また、動く光を演出できるため、運転者へのもてなし感や車両の親近感を一層効果的に演出することができる。
【0102】
また、前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段(車輪速センサ40)を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度(4km/h)以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S40、S44、S50、S54)如く構成した。
【0103】
それにより、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0104】
また、前記制御手段は、前記車両のシフトレバー(22)の操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段(シフトレンジ検出センサ28)を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置(R、D1、D2、D3、D4レンジ)に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S38、S44、S48、S54)如く構成した。
【0105】
それにより、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0106】
また、前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段(開閉スイッチ24)を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S10、S26、S128、S132、S136、S140)如く構成した。
【0107】
それにより、照射手段による照射を運転者の乗車時または降車時の動作に応じて行うことができ、よって運転者へのもてなし感や車両の親近感をより一層効果的に演出することができる。
【0108】
また、前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段(電圧センサ38)を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧(β)以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S16、S18、S142、S144)如く構成した。
【0109】
それにより、運転者にバッテリの電圧状態について報知することができる。
【0110】
また、前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段(照度センサ36)を備えると共に、前記検出された照度が所定照度(α)以上であるとき、前記光源の輝度を増加させる(S12、S14、S104、S106)如く構成した。
【0111】
それにより、運転者へのもてなし感や車両の親近感を確実に演出することができる。
【0112】
尚、上記において運転者によって操作される操作部材としてステアリングホイール20とシフトレバー22を挙げて説明したが、ルームミラーやサイドミラー、あるいはアクセルペダルやブレーキペダルを加えるようにしても良い。
【0113】
また、照射装置14については、図2のように6個の光源18を2段3列で配置するように構成したが、図12(a)のように6個の光源18を全て1段に並べるように配置しても良いし、図12(b)のようにさらにそれを湾曲するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0114】
10 車両室内用照明装置、12 車両、14 照射装置、16 制御装置、18 光源、20 ステアリングホイール、22 シフトレバー、24 開閉スイッチ、26 ドアロック、28 シフトレンジ検出センサ、30 回転角センサ、32 イグニッションスイッチ、34 温度センサ、36 照度センサ、38 電圧センサ、40 車輪速センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は車両室内用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、四輪車などの車両の室内のルーフには、車室内を照明するための照明装置(ルームランプ)が設置される。従来、その照明装置として様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1記載の照明装置にあっては、互いに隣接して設けられる複数個のLED光源からなる照射手段を備え、各LED光源によって車室内の異なる位置を選択的に照射すると共に、2種の光源色を採用することによって車室内を装飾的に照明することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−165383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の照明装置にあっては、車室内の異なる位置を選択的に照射するといっても、手動スイッチを操作することで各LED光源をオン・オフする、あるいは車両のドアの開閉に連動して各LED光源をオン・オフするように制御するのみであり、運転者によって操作される複数個の操作部材を順次照射することで運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出するように制御されるものではなかった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、運転者によって操作される複数個の操作部材を順次照射することで運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出するようにした車両室内用照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、車両の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0008】
また、請求項2に係る車両室内用照明装置にあっては、前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0009】
また、請求項3に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0010】
また、請求項4に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両のシフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0011】
また、請求項5に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0012】
また、請求項6に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成した。
【0013】
また、請求項7に係る車両室内用照明装置にあっては、前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段を備えると共に、前記検出された照度が所定照度以上であるとき、前記光源の輝度を増加させる如く構成した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る車両室内用照明装置にあっては、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、それら光源によって室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段を備え、その照射手段が、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、複数個の操作部材を順次照射するように、光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出することができる。
【0015】
尚、光源自体を可動させることなく、複数個の操作部材を順次照射することができるため、可動機構部を不要とでき、よって装置が大型化、重量化することもない。
【0016】
請求項2に係る車両室内用照明装置にあっては、照射手段が、複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、複数個の操作部材を順次照射するに際して経路を順次照射するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、例えば、複数個の操作部材の内のいずれかを照射し、次いで照射する操作部材とを結ぶ経路に沿ってその経路を順次照射した上で、次の操作部材を照射することにより、運転者を操作に導くような演出を行うことができる。また、動く光を演出できるため、運転者へのもてなし感や車両の親近感を一層効果的に演出することができる。
【0017】
請求項3に係る車両室内用照明装置にあっては、車両の走行速度を検出し、検出された走行速度が所定速度以上であるとき、照射手段による照射を中止するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0018】
請求項4に係る車両室内用照明装置にあっては、シフトレバーが車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、照射手段による照射を中止するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、前項と同様、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0019】
請求項5に係る車両室内用照明装置にあっては、車両のドアの開閉を検出し、検出されたドアの開閉に応じて照射手段による照射を開始または終了するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、照射手段による照射を運転者の乗車時または降車時の動作に応じて行うことができ、よって運転者へのもてなし感や車両の親近感をより一層効果的に演出することができる。
【0020】
請求項6に係る車両室内用照明装置にあっては、車両に搭載されるバッテリの電圧を検出し、検出された電圧が所定電圧以下であるとき、照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する如く構成したので、運転者にバッテリの電圧状態について報知することができる。
【0021】
請求項7に係る車両室内用照明装置にあっては、車両の外部の光の照度を検出し、検出された照度が所定照度以上であるとき、光源の輝度を増加させる如く構成したので、運転者へのもてなし感や車両の親近感を確実に演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施例に係る車両室内用照明装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1の照射装置を座席側からみた場合の外観図である。
【図3】図2の照射装置による車室内の照射の様子(ルーフ側から見た場合)を示す説明図である。
【図4】図1の制御装置によって実行される、乗車時の制御動作を示すフロー・チャートの前半部を示す図である。
【図5】図4のフロー・チャートの後半部を示す図である。
【図6】図4の点灯モード1についての説明図である。
【図7】図5の点灯モード2についての説明図である。
【図8】図1の制御装置によって実行される、降車時の制御動作を示すフロー・チャートの前半部を示す図である。
【図9】図8のフロー・チャートの後半部を示す図である。
【図10】図8の点灯モード3についての説明図である。
【図11】図9の点灯モード4についての説明図である。
【図12】図2の照射装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に即してこの発明に係る車両室内用照明装置を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0024】
図1は、この発明の実施例に係る車両室内用照明装置を全体的に示す概略図である。
【0025】
図1において、符号10は車両室内用照明装置を示す。車両室内用照明装置10は、四輪車などの車両12の室内のルーフに設置される照射装置14と、照射装置14による照射を制御する制御装置16とからなる。照射装置14と制御装置16は、図示のように一体的に構成しても良いし、電気的接続を介して別個に構成しても良い。
【0026】
図2は、照射装置14を座席側からみた場合の外観図である。
【0027】
図示のように、照射装置14は互いに隣接して設けられる6個の光源18(以下、区別するときは、「第1の光源」、「第2の光源」、・・・「第6の光源」という)を備える。光源18には発光ダイオード(LED)が用いられ、制御装置16からの信号に基づいて光源18それぞれの点灯(オン)と消灯(オフ)が切り換えられる。
【0028】
各光源18は、具体的には、青色LED18aと赤色LED18bとからなる。後述するブルー・モードにおいては、青色LED18aの点灯と消灯が切り換えられると共に、レッド・モードにおいては、赤色LED18bの点灯と消灯が切り換えられる。
【0029】
各光源18には、集光レンズ18cとプリズムレンズ18dが備えられる。LED光は集光レンズ18cによって集光され、集光されたLED光はプリズムレンズ18dによって所定の方向に照射される。各光源のプリズムレンズ18dは、照射される方向が光源18毎に相違するように設定される。
【0030】
図3は、照射装置14による車室内の照射の様子(ルーフ側から見た場合)を示す説明図である。
【0031】
図示のように、第1の光源はステアリングホイール20の中心部を照射する。第2の光源は第1の光源が照射する範囲の一部を含むようにその隣の範囲を照射する。第3の光源は第2の光源が照射する範囲の一部を含むようにその隣の範囲を照射する。第4の光源、第5の光源も同様に隣接する範囲を照射する。第6の光源はシフトレバー22の中心部を照射する。
【0032】
このように、照射装置14は、第1の光源と第6の光源により、運転者によって操作される操作部材を選択的に照射されるように設定される。また、第2から第5の光源によって操作部材を結ぶ経路の各々の位置を選択的に照射されるように設定される。
【0033】
図1に戻って説明を続けると、車両12のドア開口部の近傍には、ドアの開閉を検出する開閉スイッチ24が設けられる。ドアの車室側には、ドアが閉じられた状態を保持するためのドアロック26が取り付けられる。
【0034】
シフトレバー22(図1で示さず)の近傍には、シフトレバー22がパーキングレンジP、リバースレンジR、ニュートラルレンジNおよび各種ドライブレンジD1,D2,D3,D4の内のいずれのレンジにあるかを検出するシフトレンジ検出センサ28が設けられる。ステアリングホイール20(図1で示さず)の回転軸の近傍には、ステアリングホイール20の操作回転角を検出する回転角センサ30が設けられる。また、ステアリングホイール20の近傍には、車両の始動に必要な電気回路の接続をオン・オフするためのイグニッションスイッチ32が取り付けられる。
【0035】
車両12のフロントウインドウには、車両12の外部の温度を検出する温度センサ34と、車両12の外部の光の照度を検出する照度センサ36とが設けられる。エンジンルーム内にはバッテリ(図示せず)が設けられ、その電圧を検出する電圧センサ38が備えられる。車両12の車輪回転軸の近傍には、車両12の走行速度を検出するための車輪速センサ40が設けられる。
【0036】
上記したセンサ群による検出信号は、制御装置16に送られる。また、ドアロック26のロック状態とアンロック状態を示す信号やイグニッションスイッチ32のオン・オフを示す信号も制御装置16に送られる。
【0037】
制御装置16は、CPU、ROM、メモリおよび入出力回路などを備えるマイクロ・コンピュータからなると共に、運転者が乗車するときや降車するときに上記した信号に基づいて6個の光源18それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する。
【0038】
尚、制御装置16には、バッテリから動作電力が常時供給される。また、照射装置14の電力は制御装置16を介して供給される。
【0039】
図4と図5は、制御装置16によって実行される、乗車時の制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは100msecごとに実行される。
【0040】
まずS10において、ドアロック26がアンロック状態にあるか否か、あるいはドアが開の状態にあるか否か判断する。S10において否定される場合、運転者が乗車時の動作を行っていないと判断してプログラムを終了する一方、S10において肯定される場合、運転者が乗車時の動作を行っていると判断し、S12に進む。
【0041】
S12においては、照度センサ36によって検出された外光の照度が所定照度α以上であるか否か判断する。肯定される場合、S14に進んで各光源18の輝度を増加させるように設定を行う。具体的には、各光源18がオンされる際に各LEDに通電される通電量が増加されるように通電量の設定を行う。
【0042】
次いで、S16に進んで電圧センサ38によって検出されたバッテリ電圧が所定電圧β以下であるか否か判断する。肯定される場合、S18に進んで第1の光源の赤色LED18bを点滅させると共に、プログラムを終了する。
【0043】
S16において否定される場合にはS20に進み、温度センサ34によって検出された外気温が0℃以上であるか否か判断する。肯定される場合、S22に進んで各光源18の点灯をブルー・モードに設定する。一方、否定される場合には、S24に進んでレッド・モードに設定する。ブルー・モードに設定されると、各光源18は青色LED18aについてオン(点灯)・オフ(消灯)制御されると共に、赤色LED18bは常時オフとされる。レッド・モードに設定されると、各光源18は赤色LED18bについてオン・オフ制御されると共に、青色LED18aは常時オフとされる。
【0044】
このように、外気温が0℃未満の場合にレッド・モードとするのは、運転者に路面凍結の危険性を報知するためである。
【0045】
次いでS26に進み、第1の光源をオフからオンに切り換える。
【0046】
次いでS28に進み、イグニッションスイッチ32がオンされたか否か判断する。否定される場合、S30に進んで第1の光源がオンされてから1分経過したか否か判断し、否定される場合にはS28に戻る一方、肯定される場合にはS32に進んで第1の光源をオンからオフに切り換える。これはバッテリ上がりを防止するためである。
【0047】
S28において肯定される場合には、S34に進んで点灯モード1を実行する。
【0048】
図6は、点灯モード1についての説明図である。
【0049】
第1の光源はS26においてオンされることから、点灯モード1の時刻t1までは第1の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t4からt5にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0050】
次いで、時刻t5からt6にかけて第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t8からt9にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0051】
次いで、時刻t9からt10にかけて第6の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t10からt11にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t12からt13にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。尚、第6の光源は時刻t13以降もオンに保持される。
【0052】
このように、点灯モード1では第1の光源が点灯した状態から第2、第3、第4、第5、第6の光源の順にオンされると共に、第1の光源から第2、第3、第4、第5の光源の順にオフされる。即ち、図3を参照しつつ説明すると、各光源18はステアリングホイール20とシフトレバー22を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、ステアリングホイール20を照射した状態からシフトレバー22を照射した状態に移行するに際し、その経路を順次照射するように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0053】
別言すれば、運転者の乗車時には、ドア入口近傍から車両内部に向けて照射光が動くように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0054】
図4と図5のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS36に進んで第6の光源のみがオンしているか否か判断する。即ち、点灯モード1の実行が終了しているか否か判断する。
【0055】
S36において肯定される場合、S38に進んでシフトレバー22がR,D1,D2,D3,D4のいずれかのレンジ、別言すれば、車両12を走行させるためのレンジに操作されているか否か判断する。
【0056】
S38において否定される場合、S40に進んで車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以上であるか否か判断する。
【0057】
S40において否定される場合、S42に進んで回転角センサ30によって検出されたステアリングホイール20の操作回転角が90°以上であるか否か判断する。
【0058】
S38からS42において肯定される場合、S44に進んで第6の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、運転者が運転操作を開始したものと推定し、運転操作への集中を妨げることがないようにするためである。
【0059】
S42において否定される場合、S46に進んで第6の光源がオンされてから30分経過したか否か判断する。S42において否定される場合にはS38に戻る一方、肯定される場合にはS44に進んで第6の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、長時間の点灯による電力消費の無駄を防止するためである。
【0060】
一方、S36において否定される場合には、S48に進んでS38と同様にシフトレバー22がR,D1,D2,D3,D4のいずれかのレンジ、別言すれば、車両12を走行させるためのレンジに操作されているか否か判断する。
【0061】
S48において否定される場合、S50に進んでS40と同様に車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以上であるか否か判断する。
【0062】
S50において否定される場合、S52に進んでS42と同様に回転角センサ30によって検出されたステアリングホイール20の操作回転角が90°以上であるか否か判断する。S52において否定される場合、S36に戻る。
【0063】
一方、S48からS52において肯定される場合には、運転者が運転操作を開始したものと推定し、S54に進んで点灯モード2を実行する。
【0064】
図7は、点灯モード2についての説明図である。
【0065】
第1の光源はS26においてオンされることから、点灯モード2の時刻t1までは第1の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t2からt3にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第4の光源がオフからオンに切り換えられる。
【0066】
次いで、時刻t4からt5にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t5からt6にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第6の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられる。これにより、照射装置14による照射が中止される。
【0067】
このように、点灯モード2においては、各光源18が順次オンされると共に、順次オフされる。
【0068】
尚、点灯モード2が実行されるのは、点灯モード1の実行が終了していない場合であるから、点灯モード1において未だオン・オフされていない光源18のみについてオン・オフの切り換えが行われるように制御される。また、図6と図7を対比すると分かるように、点灯モード2の各光源18のオン・オフの切り換え間隔が点灯モード1のそれより短くなるようにオン・オフ制御される。これにより、例えば運転者がイグニッションスイッチ32をオンした直後にシフトレバー22を操作した場合、運転者の操作に追従するような光の演出を行うことができる。
【0069】
図8と図9は、制御装置16によって実行される、降車時の制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムも100msecごとに実行される。
【0070】
まずS100において、車輪速センサ40によって検出された車両の走行速度が4km/h以下であるか否か判断する。肯定される場合、S102に進んでシフトレバー22がPレンジに操作されているか否か判断する。S100やS102において否定される場合には、運転者が降車時の動作を行う可能性がないと判断してプログラムを終了する一方、肯定される場合、運転者が降車時の動作を行う可能性があると判断し、S104に進む。
【0071】
S104においては、照度センサ36によって検出された外光の照度が所定照度α以上であるか否か判断する。肯定される場合、S106に進んで各光源18の輝度を増加させるように設定を行う。具体的には、各光源18がオンされる際に各LEDに通電される通電量が増加されるように通電量の設定を行う。
【0072】
次いで、S108に進んで温度センサ34によって検出された外気温が0℃以上であるか否か判断する。肯定される場合、S110に進んで各光源18の点灯をブルー・モードに設定する。一方、否定される場合には、S112に進んでレッド・モードに設定する。ブルー・モードに設定されると、各光源18は青色LED18aについてオン・オフ制御されると共に、赤色LED18bは常時オフとされる。レッド・モードに設定されると、各光源18は赤色LED18bについてオン・オフ制御されると共に、青色LED18aは常時オフとされる。
【0073】
このように、外気温が0℃未満の場合にレッド・モードとするのは、運転者に路面凍結の危険性を報知するためである。
【0074】
次いでS114に進み、第6の光源をオフからオンに切り換える。
【0075】
次いでS116に進み、イグニッションスイッチ32がオフされたか否か判断する。否定される場合、S118に進んで第6の光源がオンされてから30分経過したか否か判断し、否定される場合にはS116に戻る一方、肯定される場合にはS120に進んで第6の光源をオンからオフに切り換える。これは長時間の点灯による電力消費の無駄を防止するためである。
【0076】
S116において肯定される場合には、S122に進んで点灯モード3を実行する。
【0077】
図10は、点灯モード3についての説明図である。
【0078】
第6の光源はS114においてオンされることから、点灯モード3の時刻t1までは第6の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t4からt5にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0079】
次いで、時刻t5からt6にかけて第3の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t8からt9にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられる。
【0080】
次いで、時刻t9からt10にかけて第1の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t10からt11にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t12からt13にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。尚、第1の光源は時刻t13以降もオンに保持される。
【0081】
このように、点灯モード3では第6の光源が点灯した状態から第5、第4、第3、第2、第1の光源の順にオンされると共に、第6の光源から第5、第4、第3、第2の光源の順にオフされる。即ち、図3を参照しつつ説明すると、シフトレバー22を照射した状態からステアリングホイール20を照射した状態に移行するに際し、シフトレバー22とステアリングホイール20を結ぶ経路を順次照射するように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0082】
別言すれば、運転者の降車時には、車両内部からドア入口近傍に向けて照射光が動くように各光源18のオン・オフが切り換えられる。
【0083】
図8と図9のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS126に進んで第1の光源のみがオンしているか否か判断する。即ち、点灯モード3の実行が終了しているか否か判断する。
【0084】
S126において肯定される場合、S128に進んでドアが開の状態であるか否か判断する。
【0085】
S128において否定される場合、S130に進んでドアロック26がアンロック状態にあるか否か判断する。
【0086】
S128およびS130において肯定される場合、S132に進んで第1の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、運転者が降車動作を実際に開始したものと推定し、不要な照射を行わないようにするためである。
【0087】
S130において否定される場合、S134に進んで第1の光源がオンされてから30分経過したか否か判断する。S134において否定される場合にはS128に戻る一方、肯定される場合にはS132に進んで第1の光源をオンからオフに切り換え、照射装置14による照射を中止させる。これは、バッテリ上がりを防止するためである。
【0088】
一方、S126において否定される場合には、S136に進んでS128と同様にドアが開の状態であるか否か判断する。
【0089】
S136において否定される場合、S138に進んでS130と同様にドアロック26がアンロック状態にあるか否か判断する。S138において否定される場合、S126に戻る。
【0090】
一方、S136やS138において肯定される場合には、運転者が降車動作を実際に開始したものと推定し、S140に進んで点灯モード4を実行する。
【0091】
図11は、点灯モード4についての説明図である。
【0092】
第6の光源はS114においてオンされることから、点灯モード4の時刻t1までは第6の光源のみがオンの状態にある。次いで、時刻t1からt2にかけて第5の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t2からt3にかけて第6の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第4の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t3からt4にかけて第5の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第3の光源がオフからオンに切り換えられる。
【0093】
次いで、時刻t4からt5にかけて第4の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第2の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t5からt6にかけて第3の光源がオンからオフに切り換えられると共に、第1の光源がオフからオンに切り換えられる。次いで、時刻t6からt7にかけて第2の光源がオンからオフに切り換えられる。次いで、時刻t7からt8にかけて第1の光源がオンからオフに切り換えられる。これにより、照射装置14による照射が中止される。
【0094】
このように、点灯モード4においては、各光源18が順次オンされると共に、順次オフされる。
【0095】
尚、点灯モード4が実行されるのは、点灯モード3の実行が終了していない場合であるから、点灯モード3において未だオン・オフされていない光源18のみについてオン・オフの切り換えが行われるように制御される。また、図10と図11を対比すると分かるように、点灯モード4の各光源18のオン・オフの切り換え間隔が点灯モード3のそれより短くなるようにオン・オフ制御される。これにより、例えば運転者がイグニッションスイッチ32をオフした直後にドアを開けた場合、運転者の操作に追従するような光の演出を行うことができる。
【0096】
図8と図9のフロー・チャートの説明に戻ると、次いでS142に進んで電圧センサ38によって検出されたバッテリ電圧が所定電圧β以下であるか否か判断する。肯定される場合、S144に進んで第1の光源の赤色LED18bを点滅させると共に、プログラムを終了する。否定される場合には、S144をスキップしてプログラムを終了する。
【0097】
上記した如く、この実施例にあっては、車両(12)の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個(6個)の光源(18)からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段(照射装置14)と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段(制御装置16)とを備える車両室内用照明装置(10)において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材(ステアリングホイール20、シフトレバー22)を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S34、S54、S122、S140)如く構成した。
【0098】
それにより、運転者へのもてなし感や車両の親近感を演出することができる。
【0099】
尚、光源自体を可動させることなく、複数個の操作部材を順次照射することができるため、可動機構部を不要とでき、よって装置が大型化、重量化することもない。
【0100】
また、前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路も順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S34、S54、S122、S140)如く構成した。
【0101】
それにより、例えば、複数個の操作部材の内のいずれかを照射し、次いで照射する操作部材とを結ぶ経路に沿ってその経路を順次照射した上で、次の操作部材を照射することにより、運転者を操作に導くような演出を行うことができる。また、動く光を演出できるため、運転者へのもてなし感や車両の親近感を一層効果的に演出することができる。
【0102】
また、前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段(車輪速センサ40)を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度(4km/h)以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S40、S44、S50、S54)如く構成した。
【0103】
それにより、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0104】
また、前記制御手段は、前記車両のシフトレバー(22)の操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段(シフトレンジ検出センサ28)を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置(R、D1、D2、D3、D4レンジ)に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S38、S44、S48、S54)如く構成した。
【0105】
それにより、運転操作への集中を妨げることなく、安全性を確保することができる。
【0106】
また、前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段(開閉スイッチ24)を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S10、S26、S128、S132、S136、S140)如く構成した。
【0107】
それにより、照射手段による照射を運転者の乗車時または降車時の動作に応じて行うことができ、よって運転者へのもてなし感や車両の親近感をより一層効果的に演出することができる。
【0108】
また、前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段(電圧センサ38)を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧(β)以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御する(S16、S18、S142、S144)如く構成した。
【0109】
それにより、運転者にバッテリの電圧状態について報知することができる。
【0110】
また、前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段(照度センサ36)を備えると共に、前記検出された照度が所定照度(α)以上であるとき、前記光源の輝度を増加させる(S12、S14、S104、S106)如く構成した。
【0111】
それにより、運転者へのもてなし感や車両の親近感を確実に演出することができる。
【0112】
尚、上記において運転者によって操作される操作部材としてステアリングホイール20とシフトレバー22を挙げて説明したが、ルームミラーやサイドミラー、あるいはアクセルペダルやブレーキペダルを加えるようにしても良い。
【0113】
また、照射装置14については、図2のように6個の光源18を2段3列で配置するように構成したが、図12(a)のように6個の光源18を全て1段に並べるように配置しても良いし、図12(b)のようにさらにそれを湾曲するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0114】
10 車両室内用照明装置、12 車両、14 照射装置、16 制御装置、18 光源、20 ステアリングホイール、22 シフトレバー、24 開閉スイッチ、26 ドアロック、28 シフトレンジ検出センサ、30 回転角センサ、32 イグニッションスイッチ、34 温度センサ、36 照度センサ、38 電圧センサ、40 車輪速センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする車両室内用照明装置。
【請求項2】
前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1記載の車両室内用照明装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1または2記載の車両室内用照明装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両のシフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段を備えると共に、前記検出された照度が所定照度以上であるとき、前記光源の輝度を増加させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項1】
車両の室内に設置され、互いに隣接して設けられる複数個の光源からなると共に、前記光源によって前記室内の異なる位置を選択的に照射する照射手段と、前記光源それぞれの点灯と消灯の切り換えを制御する制御手段とを備える車両室内用照明装置において、前記照射手段は、運転者によって操作される複数個の操作部材を照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする車両室内用照明装置。
【請求項2】
前記照射手段は、前記複数個の操作部材を結ぶ経路に沿って照射するように設定されると共に、前記制御手段は、前記照射手段が前記複数個の操作部材を順次照射するに際して前記経路を順次照射するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1記載の車両室内用照明装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を備えると共に、前記検出された走行速度が所定速度以上であるとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1または2記載の車両室内用照明装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記車両のシフトレバーの操作位置を検出するシフトレバー操作位置検出手段を備えると共に、前記シフトレバーが前記車両を走行させるための操作位置に操作されたとき、前記照射手段による照射を中止するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記車両のドアの開閉を検出するドア開閉検出手段を備えると共に、前記検出されたドアの開閉に応じて前記照射手段による照射を開始または終了するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記車両に搭載されるバッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段を備えると共に、前記検出された電圧が所定電圧以下であるとき、前記照射手段による照射の態様を所定の態様に変更するように前記点灯と消灯の切り換えを制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両の外部の光の照度を検出する外光照度検出手段を備えると共に、前記検出された照度が所定照度以上であるとき、前記光源の輝度を増加させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両室内用照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−285061(P2010−285061A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140057(P2009−140057)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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