説明

車両用クリップ

【課題】 第1車両部材に第2車両部材を取り付ける作業がスムーズにできる車両用クリップの提供である。
【解決手段】 第1及び第2のクリップ部1,2を回動可能に連結する連結部7の周辺部に、一対の傾動抑止片15を設け、一対の傾動抑止片15により、上クリップ部1のスタビライザ6を支持する。これにより、第1クリップ部1が第2クリップ部2の軸線2aに対して傾動することが抑止され、その軸線1aは第2クリップ部2の軸線2aの延長線上に配置される。この結果、クリップ101の第2クリップ部2がボディパネル4に取り付けられたとき、第1クリップ部1の向きが常に一定となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1車両部材に第2車両部材を取り付けるときに、それらの間に介装される車両用クリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15に示されるように、車両(例えば、自動車)の第1車両部材(例えば、ピラーガーニッシュのガーニッシュパネル51)に、第2車両部材(例えば、ボディパネル52)を取り付けるとき、それらの間に車両用クリップ100’(以下、単に「クリップ」と記載する。)が介装される場合がある。即ち、予め、ガーニッシュパネル51に装着されたクリップ100’に、ボディパネル52を取り付ける場合である。この種のクリップ100’として、各種の出願がなされている(特許文献1を参照)。
【0003】
従来のクリップ100’は、ガーニッシュパネル51に装着される下クリップ部53とボディパネル52の係止孔52aを嵌合させる上クリップ部54と、を備えている。下クリップ部53と上クリップ部54とは、上クリップ部54に固着された連結部55によって連結されていて、その中心55aを支点として相対的に回動自在である。
【0004】
このため、クリップ100’の下クリップ部53がガーニッシュパネル51に装着されたとき、上クリップ部54が下クリップ部54の軸線に対して斜めに配置される場合がある。この状態でボディパネル52を接近させ、上クリップ部54にボディパネル52の係止孔52aを嵌合させようとしても、上クリップ部54の先端部がボディパネル52の係止孔52aに掛からなくなり、ボディパネル52をスムーズに嵌合させることが困難になったり、クリップ100’を損傷させたりするおそれがある。特に、ボディパネル52が円弧状の軌跡で接近する場合には、上記した不具合が発生しやすい。
【特許文献1】特開2008−57751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑み、クリップを介して第1車両部材に第2車両部材を取り付ける作業がスムーズにできるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記した課題を解決するための本発明は、
第1車両部材に第2車両部材を取り付けるときに、それらの間に介装される車両用クリップであって、
前記第1車両部材が取り付けられる第1クリップ部と、
前記第2車両部材が取り付けられる第2クリップ部と、
前記第1及び第2のクリップ部の一方を他方に対して傾動自在に連結する連結部と、
前記第1又は第2のクリップ部の少なくとも一方に設けられ、それらの軸線を同一直線上に配置させるとともに、一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを抑止する傾動抑止部と、を備え、
前記第1又は第2のクリップ部が対応する車両部材に取り付けられたとき、前記傾動抑止部によりそれらの傾きが抑止され、それらの軸線が同一直線上に配置されることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る車両用クリップは、上記したように構成されていて、一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを防止する傾動抑止部を有している。そして、第1又は第2のクリップ部が対応する車両部材に取り付けられたとき、前記傾動抑止部によりそれらの傾きが抑止され、それらの軸線が同一直線上に配置される。これにより、クリップが、一方の車両部材に取り付けられたとき、第1又は第2のクリップ部の向きが一定となるため、他方の車両部材を第1又は第2のクリップ部に取り付ける作業が容易になる。また、クリップ部と車両部材との密着性が良好となり、両者の間に隙間が生じにくくなって、防水性が向上するとともに解体も容易になる。
【0008】
前記傾動抑止部は、前記第1及び第2のクリップ部を傾動不能に固着し、破断することによって一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを許容するようにしてもよい。
【0009】
これにより、一方の車両部材に取り付けられたクリップの第1及び第2のクリップ部の軸線を、確実に同一直線上に配置させることができる。
【0010】
更に、第1及び第2のクリップ部は、分離可能に形成されていても、一体に形成されていてもよい。なお、二色成形により、第1及び第2のクリップ部を連結させたまま、一度に成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例について説明する。図1は第1実施例のクリップ101の斜視図、図2は一部を破断したクリップ101の正面図、図3は上クリップ部1と下クリップ部2を分離した状態の斜視図である。
【実施例1】
【0012】
図1ないし図3に示されるように、本発明の第1実施例のクリップ101は樹脂材(例えば、ポリアセタール)より成る上側の上クリップ部1(第2クリップ部)と、上クリップ部1とは異なる樹脂材(例えば、ポリプロピレン)より成る下側の下クリップ部2(第1クリップ部)とを備えている。下クリップ部2は、例えばピラーガーニッシュのガーニッシュパネル3(第1車両部材)に取り付けられていて、上クリップ部1には、例えばボディパネル4(第2車両部材)が取り付けられる。上下のクリップ部1,2は分離可能である。
【0013】
最初に、上クリップ部1について説明する。図1及び図2に示されるように、上クリップ部1は軸方向の中央部が太く、両端に接近するに従って連続的に細くなる紡錘形状の本体部5と、本体部5の下端部に設けられ、皿状で本体部5の最大外径D1よりも大径のスタビライザ6と、スタビライザ6の下端面から本体部5の軸線5a(上クリップ部1の軸線1aと等しい)と同一にして下方に突出された連結部7とを備えている。本体部5の最大外径D1は、ボディパネル4の係止孔4aの内径d1よりも少し大きい。また、本体部5には、変形を容易にするために、複数の空洞部8が設けられている。このため、本体部5がボディパネル4の係止孔4aに挿通されたとき、本体部5は軸線5aに向かって半径方向(軸直角方向)に押圧され、弾性変形する。ボディパネル4がスタビライザ6に当接したとき、ボディパネル4の係止孔4aは本体部5における最も大径の部分(最大外径D1の部分)を通過しているため、弾性復元する。これにより、上クリップ部1にボディパネル4が係止される。
【0014】
図2及び図3に示されるように、連結部7の下端部には、ほぼ球状で、連結部7の外径よりも大きな外径を有する球体部9が設けられている。
【0015】
次に、下クリップ部2について説明する。図2及び図3に示されるように、下クリップ部2は、2枚の円板(上円板部11と下円板部12)が、それらの外径よりも小径の支柱部13により、所定間隔(ガーニッシュパネル3の厚みよりも大きな間隔)をおいて連結された形態である。ガーニッシュパネル3には略U字状の切欠部3aが設けられていて、下クリップ部2は、ガーニッシュパネル3の切欠部3aに支柱部13を嵌合させて取り付けられる。当然のことながら、ガーニッシュパネル3の切欠部3aの切欠幅D2は、支柱部13の外径d2よりも少し大きい。
【0016】
支柱部13の軸線13a(下クリップ部2の軸線2aと等しい)の部分には、上円板部11の上面に開口する係合穴14が設けられている。この係合穴14は略球状で、その内径は、上クリップ部1の連結部7の球体部9の外径よりも僅かに大きい。また、上円板部11に形成された開口14aの内径は、球体部9の外径よりも少し小さい。上下のクリップ部1,2が連結されるとき、上クリップ部1の連結部7の球体部9が、下クリップ部2の係合穴14に挿入される。このとき、球体部9は、係合穴14の開口14aを拡開(弾性変形)させながら挿入される。球体部9が係合穴14に配置されると、係合穴14の開口14aは弾性復元する。これにより、球体部9が係合穴14から抜け出ることが防止される。また、この状態で、上クリップ部1は、球体部9の軸心P(係合穴14の軸心と等しい)を中心として、下クリップ部2に対して相対的に回動自在である。
【0017】
下クリップ部2の上円板部11の上面には、一対の傾動抑止片15(傾動抑止部)が取り付けられている。一対の傾動抑止片15は、係合穴14の開口14aの周縁部近傍から外方斜め上方に向かって突設された薄板であり、対向して取り付けられている。各傾動抑止片15は可撓性を有していて、基端部(上円板部11との接合部)を支点として弾性変形可能である。図2に示されるように、上下のクリップ部1,2が連結されたとき、一対の傾動抑止片15の先端部が上クリップ部1のスタビライザ6の底面部に当接する。これにより、上下のクリップ部1,2は、それらの軸線1a,2aを一直線上に配置させた状態で保持される。例えば、上クリップ部1が下クリップ部2に対して、球体部9及び係合穴14の軸心Pを中心に回動しようとすると、スタビライザ6の底面部が回動しようとする側の傾動抑止片15を押圧する。すると、上クリップ部1が傾動抑止片15の抑止力(弾性復元力)によって押し戻され、上クリップ部1が下クリップ部2の軸線2aに対して傾くことが抑止される。もし、上クリップ部1に、一対の傾動抑止片15の抑止力(弾性復元力)を超える力が作用すると、上クリップ部1は一対の傾動抑止片15の抑止力に抗して回動する。
【0018】
第1実施例のクリップ101の作用について説明する。図4に示されるように、最初にクリップ101の下クリップ部2が、ガーニッシュパネル3の切欠部3aに装着される。上クリップ部1のスタビライザ6の底面部が、一対の傾動抑止片15の先端部に当接されているため、上クリップ部1の軸線1aは、下クリップ部2の軸線2aと同一の直線上に(換言すれば、軸線1a,2aが一直線状態となって)配置される。
【0019】
続いて、クリップ101の上クリップ部1に、上方からボディパネル4が取り付けられる。この状態のボディパネル4を、図4において二点鎖線で示す。一対の傾動抑止片15により、上下のクリップ部1,2の軸線1a,2aが同一直線上に配置される(換言すれば、第2クリップ部2の向きが一定である。)ため、ボディパネル4の係止孔4aを上クリップ部1の先端部に案内することが容易である。ボディパネル4の係止孔4aを上クリップ部1の先端部に嵌合させ、そのまま押し込む。ボディパネル4の係止孔4aが、上クリップ部1の本体部5を軸線1aに向かう方向(軸直角方向)に押圧し、本体部5を弾性変形させながら嵌合される。この状態のボディパネル4を、図4において実線で示す。
【0020】
そして、図2に示されるように、ボディパネル4がスタビライザ6の上面に当接して配置される。ボディパネル4の係止孔4aは、上クリップ部1の本体部5における最大外径D1の部分を通過しているため、上クリップ部1がボディパネル4の係止孔4aに係止され、両者が分離することが防止される。
【0021】
次に、ボディパネル4が、上下のクリップ部1,2の軸線1a,2aに対して斜めに取り付けられようとする場合について説明する。図5に示されるように、ボディパネル4が、矢印16で示される円弧状の軌跡を描きながら取り付けられる。ボディパネル4の係止孔4aが上クリップ部1の本体部5の外周面に当接すると、上クリップ部1は、ボディパネル4に押されて連結部7の球体部9の軸心Pを中心に、矢印17で示される方向に回動して傾く。上クリップ部1は傾動しながら、ボディパネル4の前後方向の動き(矢印18で示す方向)に追従する。これにより、ボディパネル4を第1クリップ部1にスムーズに押し込むことができる。このとき、一対の傾動抑止片15のうち、上クリップ部1の回動方向(矢印17)の側の傾動抑止片15は、上クリップ部1が傾くのに伴い、スタビライザ6に押圧されて弾性変形する。これにより、上クリップ部1には、常にその軸線1aを下クリップ部2の軸線2aの延長線上(同一直線上)に配置させる方向(矢印17の逆方向)に力(弾性復元力)が作用する。
【0022】
更にボディパネル4を押し込む。図6に示されるように、ボディパネル4がスタビライザ6に当接する。上クリップ部1は、その軸線1aを下クリップ部2の軸線2aに対して傾かせた状態に配置される。上クリップ部1とボディパネル4とはなじんだ状態となるため、クリップ101及びボディパネル4に不必要な力は作用せず、それらを解体するときも小さな力で済む。また、スタビライザ6の上面とボディパネル4の底面とが密着するため、それらの接合面に隙間が生じることもなく、防水性が良好となる。
【0023】
上記したように、本実施例のクリップ101では、一対の傾動抑止片15により、上クリップ部1の軸線1aが、常に下クリップ部2の軸線2aの延長線上に配置されるようになっている。このため、クリップ101は、上下のクリップ部1,2の軸線1a,2aを同一直線上に配置させて、ガーニッシュパネル3に取り付けられる。この結果、ガーニッシュパネル3に装着されたクリップ101における上クリップ部1の向きが一定になり、ボディパネル4を斜めの方向から嵌合させる場合であっても、その係止孔4aをスムーズに上クリップ部1の本体部5に案内させることができる。これにより、ボディパネル4の取付け作業が容易になり、小さな力で取り付けることができるとともに、クリップ101を損傷するおそれが小さくなる。
【実施例2】
【0024】
次に、図7の(a),(b)を参照しながら、第2実施例のクリップ102について説明する。第1実施例のクリップ101の場合、一対の傾動抑止片15が下クリップ部2の上円板部11に設けられている。しかし、第2実施例のクリップ102のように、一対の傾動抑止片15を周方向に連続させて皿形状とし、かつこの皿形状の傾動抑止片19を、上クリップ部1のスタビライザ6の底面部に設けてもよい。
【実施例3】
【0025】
次に、図8の(a),(b)を参照しながら、第3実施例のクリップ103について説明する。第1実施例のクリップ101の場合、上クリップ部1が一対の傾動抑止片15の弾性復元力に抗して傾いたとき、一対の傾動抑止片15が弾性変形する形態である。しかし、第2実施例のクリップ102のように、一対の傾動抑止片21(傾動抑止部)を弾性変形させるのではなく、上クリップ部1において一対の傾動抑止片21と当接する部分(この場合、スタビライザ6の底面部)を弾性変形させてもよい。
【実施例4】
【0026】
次に、図9の(a),(b)を参照しながら、第4実施例のクリップ104について説明する。この実施例のクリップ104では、連結部7の球体部9に円錐形状の突起部22が突出されている。そして、下クリップ部2の中心部分(軸線2aの部分)には、貫通孔23が設けられていて、その内周面から弾性変形可能な一対の傾動抑止片24(傾動抑止部)が対向して突出されている。一対の傾動抑止片24の先端部は、突起部22に近接配置されている。これにより、上クリップ部1が傾くことが抑止されている。そして、上クリップ部1が傾いたときに、対応する傾動抑止片24を弾性変形させる。
【実施例5】
【0027】
次に、図10の(a),(b)を参照しながら、第5実施例のクリップ105について説明する。この実施例のクリップ105は、下クリップ部2の係合穴14の下端部に半球状の突起部25(傾動抑止部)が設けられているとともに、上クリップ部1の連結部7の球体部9には、突起部25を包み込む凹部26が設けられている。これにより、上クリップ部1が傾くことが抑止されている。そして、上クリップ部1が傾いたときに、球体部9が突起部25を乗り越える。
【実施例6】
【0028】
次に、図11の(a),(b)を参照しながら、第6実施例のクリップ106について説明する。この実施例のクリップ106は、下クリップ部2の係合穴14の下端部に円錐状の空間部27が延設されているとともに、上クリップ部1の連結部7の球体部9には、空間部27に入り込むアンカー部28(傾動抑止部)が設けられている。これにより、上クリップ部1が傾くことが抑止されている。球体部9とアンカー部28との接合部は他の部分と比べてはるかに細くなっていて、切断予定部28aが形成されている。上クリップ部1が一定角度以上に傾くと、切断予定部28aが切断される。アンカー部28は、下クリップ部2の空間部27に埋め込まれる形で二色成形される。また、空間部27及びアンカー部28の形状は、円錐以外の形状(例えば、球状)であってもよい。
【実施例7】
【0029】
次に、図12の(a),(b)を参照しながら、第7実施例のクリップ107について説明する。この実施例のクリップ107では、上クリップ部1と下クリップ部2とが一対の傾動抑止片29(傾動抑止部)によって一体に連結されている。各傾動抑止片29における高さ方向のほぼ中央部は、他の部分と比べてはるかに細くなっていて、切断予定部29aが形成されている。上クリップ部1が一定角度以上に傾くと、一方の傾動抑止片29の切断予定部29aが切断されるとともに、他方の傾動抑止片29の切断予定部29aが押圧されてひしゃげるように変形する。
【実施例8】
【0030】
次に、図13の(a),(b)を参照しながら、第8実施例のクリップ108について説明する。この実施例のクリップ108では、上クリップ部1と下クリップ部2との間の部分に薄肉のゴム板31を介装し、例えば下クリップ部2の上円板部11に固着する。これにより、連結部7の球体部9を下クリップ部2の上円板部11に固着し、上クリップ部1が傾くことを抑止する。そして、ゴム板31には切目31aが設けられていて、上クリップ部1が一定角度以上に傾くと、ゴム板31の切目31aが破断する。
【実施例9】
【0031】
上記した第1ないし第8実施例のクリップ101〜108は、いずれも上下のクリップ部1,2を分離可能にして設けられている。これらは、異なる樹脂材料を、例えば二色成形することによって製造可能である。そして、図14の(a),(b)に示される第9実施例のクリップ109のように、連結部7を薄肉の支柱部32とし、上下のクリップ部1,2を一体に形成してもよい。この実施例のクリップ109の場合、1種類の樹脂材より成形される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施例のクリップ101の斜視図である。
【図2】一部を破断したクリップ101の正面図である。
【図3】上クリップ部1と下クリップ部2を分離した状態の斜視図である。
【図4】クリップ101の作用説明図である。
【図5】ボディパネル4の係止孔4aが斜めに嵌合されようとする場合のクリップ101の作用説明図である。
【図6】ボディパネル4が斜めに取り付けられた状態を示す作用説明図である。
【図7】第2実施例のクリップ102の要部を示す図である。
【図8】第3実施例のクリップ103の要部を示す図である。
【図9】第4実施例のクリップ104の要部を示す図である。
【図10】第5実施例のクリップ105の要部を示す図である。
【図11】第6実施例のクリップ106の要部を示す図である。
【図12】第7実施例のクリップ107の要部を示す図である。
【図13】第8実施例のクリップ108の要部を示す図である。
【図14】第9実施例のクリップ109の要部を示す図である。
【図15】従来のクリップ100’の正面図である。
【符号の説明】
【0033】
101〜109 クリップ(車両用クリップ)
1 上クリップ部
1a,2a 軸線
2 下クリップ部
3 ガーニッシュパネル(第1車両部材)
4 ボディパネル(第2車両部材)
6 スタビライザ(当接する部分)
7 連結部
9 球体部
14 係合穴(球状凹部)
15,19,21,24,29 傾動抑止片(傾動抑止部)
25 突起部(傾動抑止部)
28 アンカー部(傾動抑止部)
28a,29a 切断予定部
31 ゴム板(傾動抑止部)
31a 切目(切断予定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両部材に第2車両部材を取り付けるときに、それらの間に介装される車両用クリップであって、
前記第1車両部材が取り付けられる第1クリップ部と、
前記第2車両部材が取り付けられる第2クリップ部と、
前記第1及び第2のクリップ部の一方を他方に対して傾動自在に連結する連結部と、
前記第1又は第2のクリップ部の少なくとも一方に設けられ、それらの軸線を同一直線上に配置させるとともに、一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを抑止する傾動抑止部と、を備え、
前記第1又は第2のクリップ部が対応する車両部材に取り付けられたとき、前記傾動抑止部によりそれらの傾きが抑止され、それらの軸線が同一直線上に配置されることを特徴とする車両用クリップ。
【請求項2】
前記傾動抑止部は、前記一方のクリップ部から他方のクリップ部に向かって突出して設けられ、少なくとも2箇所以上で前記他方のクリップ部に当接することによって前記第1及び第2のクリップ部の軸線を同一直線上に配置することを特徴とする請求項1に記載の車両用クリップ。
【請求項3】
前記傾動抑止部は、前記一方のクリップ部から他方のクリップ部に向かってそれらの軸線方向と交差するように斜めに突出された一対の傾動抑止片であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用クリップ。
【請求項4】
前記傾動抑止部は弾性部材より成ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用クリップ。
【請求項5】
前記第1又は第2のクリップ部において、前記傾動抑止部が当接される部分は弾性部材より成ることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の車両用クリップ。
【請求項6】
前記傾動抑止部は、前記第1及び第2のクリップ部を傾動不能に固着し、破断することによって一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを許容することを特徴とする請求項1に記載の車両用クリップ。
【請求項7】
前記傾動抑止部は、前記第1又は第2のクリップ部の一方と前記連結部とを傾動不能に固着し、破断することによって一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾くことを許容することを特徴とする請求項1に記載の車両用クリップ。
【請求項8】
前記傾動抑止部には、一方のクリップ部が他方のクリップ部の軸線に対して所定角度以上に傾いたときに切断される切断予定部が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用クリップ。
【請求項9】
前記連結部は、前記第1又は第2のクリップ部のいずれか一方のクリップ部と固着されていて、他方のクリップ部とは係合手段によって傾動自在に連結されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の車両用クリップ。
【請求項10】
前記係合手段は、前記連結部の先端部に設けられた球体部が、前記他方のクリップ部に設けられた球状凹部に遊嵌されて成ることを特徴とする請求項9に記載の車両用クリップ。
【請求項11】
前記第1及び第2のクリップ部と前記連結部とが一体に設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の車両用クリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−281558(P2009−281558A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136481(P2008−136481)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000208293)大和化成工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】