説明

車両用ゲートウェイ電子制御装置及びその走行情報記録方法

【課題】通信方式の異なる各電子制御装置間のデータ通信を行い、通信を通して受信される車両の走行状態情報を記録することで、正確な車両の異常原因を把握できるとともに、事故発生時の事故原因を正確に把握できるようにする。
【解決手段】車両に設置された各センサー及び各電子制御装置から走行状態情報をインターフェース部を通して受信する受信部と、受信された走行状態情報を保存する第1メモリと、保存された走行状態情報に基づいて事故発生または電子制御装置の異常発生を判断する判断部と、第2メモリと、電子制御装置の異常発生であると判断された場合、第1メモリに保存された走行状態情報のうち該当の電子制御装置の異常情報を第2メモリに保存させ、事故発生であると判断された場合、事故発生時点を基準にして定められた事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を第1メモリに保存させる制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ゲートウェイ電子制御装置及びその走行情報記録方法に関するもので、特に、通信を通して受信される車両の走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常発生前後の異常情報または事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を記録することで、車両の異常原因の把握を通して同一の問題の再発を防止し、事故原因の把握を通して類似した事故の再発を防止できるようにした車両用ゲートウェイ電子制御装置及びその走行情報記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ゲートウェイは、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、MOST(Media Oriented Systems Transport)及びFlexRayなどのように通信方式の異なる各電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)間のデータ通信を可能にし、単純に通信データを記録する機能を行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このようなゲートウェイは、単純に通信データの記録機能を行うだけで、能動的に車両の走行状態情報を提供することはできない。その結果、車両内に設置された電子制御装置における異常の早期措置による事故の事前防止及び事故の原因把握が難しいという問題がある。
【0004】
また、車両の事故発生時に事故の原因を分析または究明できないので、迅速な措置が不可能であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−16614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、通信を通して受信される車両の走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常発生前後の異常情報または事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を記録することで、車両の異常原因の正確な把握を通して同一の問題の再発を防止し、事故原因の正確な把握を通して類似した事故の再発を防止できるようにした車両用ゲートウェイ電子制御装置及びその走行情報記録方法を提供することにある。これによって、事故発生時または電子制御装置の異常発生時における迅速な措置が可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の車両用ゲートウェイ電子制御装置は、車両に設置された各センサー及び各電子制御装置から走行状態情報をインターフェース部を通して受信する受信部と、前記受信された走行状態情報を保存する第1メモリと、前記保存された走行状態情報に基づいて事故発生または電子制御装置の異常発生を判断する判断部と、第2メモリと、前記判断部により、前記走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記第1メモリに保存された走行状態情報のうち該当の電子制御装置の異常情報を前記第2メモリに保存させ、前記走行状態情報に基づいて事故発生であると判断された場合、事故発生時点を基準にして定められた事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存させる制御部とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報は、電子制御装置の識別情報、電子制御装置の異常発生時間情報、電子制御装置の異常種類及び異常発生前後の電子制御装置の状態情報を含む。また、前記制御部は、前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報をテレマティックスに伝送する。また、前記制御部は、前記事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存し、事故発生後、一定の時間を超えると、車両状態情報の保存を中止させる。
【0009】
前記第1メモリに保存された各走行状態情報には時間スタンプが含まれ、前記時間スタンプは、タイマーによって計算された時間であるか、またはGPS受信部を通して受信された衛星時間によって補正された時間である。
【0010】
一方、前記制御部は、前記電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記時間スタンプに基づいて、異常発生時点を基準にして前後の電子制御装置の状態情報を前記第2メモリに保存させる。
【0011】
さらに、前記第1メモリは、各インターフェース部に割り当てられる少なくとも一つの保存空間を有し、前記保存空間には、時間の順に前記受信された走行状態情報が保存される。
【0012】
また、本発明の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法は、車両内に設置された各センサー及び各電子制御装置から走行状態情報を受信して第1メモリに保存するステップと、前記保存された走行状態情報に基づいて事故発生または電子制御装置の異常発生を判断するステップと、前記電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記第1メモリに保存された車両状態情報のうち電子制御装置の異常情報を第2メモリに保存するステップと、事故発生であると判断された場合、事故発生時点を基準にして事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
ここで、前記事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存するステップは、時間をカウントするステップと、カウントされた時間が予め設定された時間を超えたかどうかを判断するステップと、予め設定された時間を超えていないと判断された場合、事故後の車両状態情報を受信して前記第1メモリに保存するステップと、予め設定された時間を超えたと判断された場合、前記第1メモリへの車両状態情報の保存を中止するステップとを含む。
【0014】
また、本発明の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法は、 前記電子制御装置の異常情報を前記第2メモリに保存するステップ以後に、前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報をテレマティックスに伝送するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、通信方式の異なる各電子制御装置間の通信だけでなく、車両内の各電子制御装置の異常発生原因の把握を可能にすることで、車両整備の容易性と車両事故の事前防止、さらに、車両内に設置された電子制御装置の信頼性向上に寄与できるという効果がある。
【0016】
また、本発明によると、車両内に設置された各電子制御装置から第1乃至第4インターフェース部を経て受信される走行状態情報を第1メモリに保存し、事故発生前の走行状態情報と、事故発生以後に第1乃至第4インターフェース部から受信された車両状態情報を通して、より正確な事故原因の把握を可能にすることで、同一事故の再発を防止できるという効果がある。
【0017】
また、本発明によると、電子制御装置の異常情報をテレマティックスに伝送することで、使用者が迅速に電子制御装置の異常に対する措置をとれるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示したMCUを説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法を説明するための動作フローチャートである。
【図4】本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置の第1メモリの構造を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置の第2メモリの構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置を説明するためのブロック図で、図2は、図1に示したMCUを説明するためのブロック図である。
【0021】
図1を参照すると、本発明に係る車両用ゲートウェイ電子制御装置は、通信方式の異なる各電子制御装置間のデータ通信のための第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16と、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16を通して受信された走行状態情報を保存する第1メモリ18と、電子制御装置の異常情報を保存する第2メモリ19と、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16を通して受信された走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常有無または事故発生有無を判断し、その判断結果によって異常情報または走行状態情報を第1メモリ18または第2メモリ19に保存させるMCU(Micro Controller Unit)20とを含む。
【0022】
また、本発明に係る車両用ゲートウェイ電子制御装置は、バッテリー11から印加される電源を供給する電源供給部12を含み、さらに、GPS衛星から衛星時間を受信するGPS受信部17を含むことができる。
【0023】
本実施形態において、第1インターフェース部13はCAN(Controller Area Network)で、第2インターフェース部14はLIN(Local Interconnect Network)で、第3インターフェース部15はMOST(Media Oriented Systems Transport)で、第4インターフェース部16はFlexRayであるが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
第1メモリ18は、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16を通して車両内に設置された各センサー及び各電子制御装置(ECU:Eletronic Control Unit)、例えば、制動装置、懸架装置、姿勢制御装置、タイヤ圧力制御装置及び操向装置などの各電子制御装置から受信された走行状態情報を保存する。このような第1メモリ18は、保存容量の大きいメモリを有することが好ましく、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から受信された走行状態情報を暗号化した後、予め設定された圧縮方式によって圧縮して保存することがより好ましい。
【0025】
第2メモリ19は、電子制御装置の異常情報を保存するもので、アクセス速度の速いメモリを有することが好ましい。例えば、FRAMが本実施形態の第2メモリ19として使用される。また、第2メモリ19に保存される電子制御装置の異常情報も、暗号化及び圧縮して保存することができる。電子制御装置の異常情報は、電子制御装置の識別情報、電子制御装置の異常発生時間、電子制御装置の異常種類(例えば、断線、過電圧と過電流、センサー異常、低電圧と低電流)、及び電子制御装置の異常発生前後の状態情報を含む。これによって、どの電子制御装置で、いつどのような異常が発生したかを確認することができ、使用者の迅速な対処が可能になる。
【0026】
本実施形態では、電子制御装置の異常情報に異常種類が含まれていると説明しているが、これに限定されることはなく、制御部23は、診断機能または通信信号分析を通して異常種類を判別し、これを異常時間情報と一緒に第2メモリ19に保存させることもできる。
【0027】
以下、図2を参照して、MCU20について説明する。
【0028】
MCU20は、受信部21、判断部22、制御部23及び伝送部24を含んで構成される。
【0029】
受信部21は、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から走行状態情報を受信する。制御部23は、受信部21によって受信された走行状態情報を第1メモリ18に保存させる。第1メモリ18に保存された走行状態情報には、時間スタンプが挿入されて保存される。ここで、時間は、車両用ゲートウェイ電子制御装置の内蔵タイマー(図示せず)によって計算された時間であるか、GPS受信部17から受信された衛星時間を参照して内蔵タイマーによって計算された時間を補正した時間である。
【0030】
判断部22は、第1メモリ18に保存された走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常発生の有無または事故発生の有無を判断する。このとき、走行状態情報は、車速、加速度、温度、圧力、操作状態、車高、空気圧、エンジン情報、ステアリング情報、電子制御装置の異常情報、電子制御装置の検出情報、正面または側面エアーバック動作情報、超音波及びRFを用いた車間距離情報などを含む。このような走行状態情報に基づいてエアーバック動作、非常ボタン入力、急制動、急加速、タイヤパンクなどがある場合、事故発生であると判断され、走行状態情報に電子制御装置の異常情報が含まれている場合、該当の電子制御装置の異常発生であると判断されるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
制御部23は、判断部22により、電子制御装置の異常発生であると判断された場合、第1メモリ18に保存された走行状態情報のうち電子制御装置の異常と密接な関係がある情報、例えば、該当の電子制御装置の異常情報及び異常発生前後の電子制御装置の状態情報を読み出し、これを第2メモリ19に保存させる。本実施形態では、第2メモリ19に電子制御装置の異常情報及び状態情報を保存すると説明しているが、電子制御装置の異常発生前後の走行状態情報を保存することもできる。図5は、第2メモリの構造を示した図で、第2メモリ19に保存される情報は、FIFO(First Input First Output)方式で保存及び削除される。
【0032】
また、制御部23は、判断部22により、事故発生であると判断された場合、第1メモリ18に、事故発生時点を基準にして予め設定された時間の間、例えば、事故発生以前の数秒から事故発生以後の数秒の間の状態情報を保存させる。より詳細に説明すると、制御部23は、事故発生時点を基準にして事故発生前後の状態情報を第1メモリ18に保存させ、事故発生時に、既に第1メモリ18に保存されている事故発生時点以前の走行状態情報に付け加えて、事故発生時点以後の所定の時間まで第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から受信された車両状態情報を保存させる。このとき、制御部23は、カウントされた時間が一定時間を超えると、第1メモリ18への車両状態情報の保存を中止させる。このように第1メモリ18に保存された事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報は、事故処理時における正確な事故原因と経緯などの資料として使用される。
【0033】
図4を参照すると、第1メモリ18の構造において、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16のそれぞれには少なくとも一つの保存空間が割り当てられる。このような保存空間は、時間の順に第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から受信された走行状態情報をFIFO方式で保存及び削除する。例えば、第1メモリ18には、4個の保存空間18a〜18dが割り当てられ、第1保存空間18aは、CANを通して受信された走行状態情報をFIFO方式で保存し、第2保存空間18bは、MOSTを通して受信された走行状態情報をFIFO方式で保存し、第3保存空間18cは、LINを通して受信された走行状態情報をFIFO方式で保存し、第4保存空間18dは、FlexRayを通して受信された走行状態情報をFIFO方式で保存する。そして、第1乃至第4保存空間18a〜18dは、走行状態情報を保存するための空の空間がない場合、最も先に保存された走行状態情報を削除する。
【0034】
伝送部24は、第2メモリ19に保存された電子制御装置の異常情報を無線端末機、ナビゲーション端末機などのようなテレマティックス(図示せず)に伝送する。これによって、使用者は、迅速に電子制御装置の故障措置をとることができる。
【0035】
以下、このような構成を有する車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法に対して、図3を参照して説明する。
【0036】
図3は、本発明の実施形態の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法を説明するための動作フローチャートである。
【0037】
図3を参照すると、車両用ゲートウェイ電子制御装置の受信部21は、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から走行状態情報を受信する(S101)。
【0038】
次に、制御部23は、第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から受信された走行状態情報を第1メモリ18に保存する(S103)。このとき、第1メモリ18に保存された走行状態情報には時間スタンプが含まれており、その時間は、内蔵タイマーによって計算された時間であるか、GPS受信部17によって受信された衛星時間を用いて決定された時間である。
【0039】
次に、判断部22は、第1メモリ18に保存された走行状態情報に基づいて事故発生の有無を判断する(S105)。
【0040】
前記S105のステップで事故発生であると判断されない場合、判断部22は、電子制御装置の異常発生の有無を判断する(S107)。
【0041】
前記S107のステップで電子制御装置の異常発生であると判断されない場合、制御部23はプロセスを終了する。本実施形態では、事故発生や電子制御装置の異常発生でない場合、プロセスを終了すると説明しているが、必ずこれに限定されることはなく、車両が走行中である場合、車両の走行状態情報を受信する上述したS101のステップにプロセスを移動することができる。
【0042】
前記S107のステップで電子制御装置の異常発生であると判断された場合、制御部23は、第1メモリ18に保存された走行状態情報のうち該当の電子制御装置の異常情報を読み出し、これを第2メモリ19に保存させる(S109)。
【0043】
次に、伝送部24は、第2メモリ19に保存された電子制御装置の異常情報をテレマティックス(図示せず)に伝送させる(S111)。このとき、テレマティックスに伝送される情報は、電子制御装置の異常を知らせる情報及び電子制御装置の識別情報を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。また、伝送部24は、第2メモリ19にイベントが発生すると、テレマティックスに該当の電子制御装置の異常情報を伝送することが好ましい。
【0044】
前記S105のステップで事故発生であると判断された場合、制御部23は、時間をカウントする(S106)。このとき、時間は、内蔵タイマーによってカウントされる。
【0045】
次に、制御部23は、カウントされた時間が一定の時間を超えるかどうかを判断する(S108)。
【0046】
前記S108のステップにおいて、カウントされた時間が一定の時間を超えたと判断された場合、制御部23はプロセスを終了する。本実施形態では、カウントされた時間が一定の時間を超える場合にプロセスを終了すると説明しているが、必ずこれに限定されることはなく、車両が走行中である場合、車両の走行状態情報を受信する上述したS101のステップにプロセスを移動することができる。
【0047】
前記S108のステップにおいて、カウントされた時間が一定の時間を超えていないと判断された場合、受信部21は、事故後の車両状態情報を第1乃至第4インターフェース部13,14,15,16から受信する(S110)。ここで、事故後の車両状態情報は、事故前の走行状態情報と情報の種類は同一であるが、その情報の値が異なるもので、例えば、事故前の走行状態情報として走行車速(120km/h)が受信される反面、事故後の車両状態情報として車速(0km/h)が受信される。
【0048】
次に、制御部23は、受信された事故後の車両状態情報を追加的に第1メモリ18に保存する(S112)。以後、上述したS108のステップにプロセスを移動する。このとき、第1メモリ18は、事故発生前の走行状態情報を既に保存しているので、事故発生以後の車両状態情報を追加的に保存し、第1メモリ18の保存空間が不足する場合、最も先に保存された走行状態情報の削除を通して空の空間を確保し、該当の車両状態情報を保存させる。
【0049】
このようにすることで、電子制御装置の異常情報または事故発生時の走行状態情報及び車両状態情報を保存することができ、正確な電子制御装置の異常原因または事故原因を把握することができる。これによって、同一の事故の再発を防止することができる。
【0050】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものでなく、添付した特許請求の範囲で定義された本発明の趣旨の範囲内で多様な変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
11 バッテリー、12 電源供給部、13,14,15,16 第1乃至第4インターフェース部、17 GPS受信部、18 第1メモリ、19 第2メモリ、20 MCU、21 受信部、22 判断部、23 制御部、24 伝送部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方式の異なる各電子制御装置間のデータ通信を行う車両用ゲートウェイ電子制御装置において、
車両に設置された各センサー及び各電子制御装置から走行状態情報をインターフェース部を通して受信する受信部と、
前記受信された走行状態情報を保存する第1メモリと、
前記保存された走行状態情報に基づいて事故発生または電子制御装置の異常発生を判断する判断部と、
第2メモリと、
前記判断部により、前記走行状態情報に基づいて電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記第1メモリに保存された走行状態情報のうち該当の電子制御装置の異常情報を前記第2メモリに保存させ、前記走行状態情報に基づいて事故発生であると判断された場合、事故発生時点を基準にして定められた事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存させる制御部と、を含むことを特徴とする車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項2】
前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報は、電子制御装置の識別情報、電子制御装置の異常発生時間情報、電子制御装置の異常種類及び異常発生前後の電子制御装置の状態情報を含み、
前記制御部は、前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報をテレマティックスに伝送することを特徴とする請求項1に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存し、事故発生後、一定の時間を超えると、車両状態情報の保存を中止させることを特徴とする請求項1に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項4】
前記第1メモリに保存された各走行状態情報には、時間スタンプが含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項5】
前記時間スタンプは、タイマーによって計算された時間であるか、またはGPS受信部を通して受信された衛星時間によって補正された時間であることを特徴とする請求項4に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記時間スタンプに基づいて、異常発生時点を基準にして前後の電子制御装置の状態情報を前記第2メモリに保存させることを特徴とする請求項4に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項7】
前記第1メモリは、各インターフェース部に割り当てられる少なくとも一つの保存空間を有し、前記保存空間には、時間の順に前記受信された走行状態情報が保存されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置。
【請求項8】
車両内に設置された各センサー及び各電子制御装置から走行状態情報を受信して第1メモリに保存するステップと、
前記保存された走行状態情報に基づいて事故発生または電子制御装置の異常発生を判断するステップと、
前記電子制御装置の異常発生であると判断された場合、前記第1メモリに保存された車両状態情報のうち電子制御装置の異常情報を第2メモリに保存するステップと、
事故発生であると判断された場合、事故発生時点を基準にして事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存するステップと、を含むことを特徴とする車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法。
【請求項9】
前記事故発生前の走行状態情報と事故発生後の車両状態情報を前記第1メモリに保存するステップは、
時間をカウントするステップと、
カウントされた時間が予め設定された時間を超えたかどうかを判断するステップと、
予め設定された時間を超えていないと判断された場合、事故後の車両状態情報を受信して前記第1メモリに保存するステップと、
予め設定された時間を超えたと判断された場合、前記第1メモリへの車両状態情報の保存を中止するステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法。
【請求項10】
前記電子制御装置の異常情報を前記第2メモリに保存するステップ以後に、
前記第2メモリに保存された電子制御装置の異常情報をテレマティックスに伝送するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の車両用ゲートウェイ電子制御装置の走行情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−1014(P2010−1014A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146584(P2009−146584)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(500045224)マンドー コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】