説明

車両用コーナポール装置

【課題】 車両フロント部分の外観などを損なうことなく、設置することができる車両用コーナポール装置を提供する。
【解決手段】 車両のバンパーなどの内側に、バンパー側の開口窓側に進退するスライダ部210とこれを支持するホルダ部220とスライダ部210の駆動源230とからなるスライダ駆動ユニット200を設置する一方、スライダ部210のバンパー側に、伸縮自在のコーナポール310が収納されたポール駆動ユニット300を固定すると共に、車両側に上記両駆動ユニット200、300を駆動させるコントローラユニットを設け、これによるスライダ部210の進退により、ポール駆動ユニット300を、開口窓から突出させ、又は開口窓から退出させる車両用コーナポール装置100にあり、これにより、装置自体の出っ張りがなくなり、高速走行時の風きり音、外観、運転未熟者的なイメージの問題などがあまねく解消される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のフロント部分の外観を損なうことなく、設置することができる車両用コーナポール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用コーナポール装置は、運転者などに車両フロント側のコーナ部分の距離感を把握させるためのもので、既に種々の構造のものが提案されている。通常、この装置は、バンパー部分に組み込み、使用時にコーナポールをロボットアンテナ状に伸長させ、不使用時には、コーナポールを収縮させて、バンパー部分に収納させるものが一般的である(例えば引用文献1)。
【特許文献1】特開平09−202176号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のような構造の車両用コーナポール装置では、内蔵スペースを確保するため、バンパー自体が車両のフロント側に大きく突出した形状である必要がある。
【0004】
しかし、近年車両のデザイン嗜好が変わり、バンパーを特別に突出されることなく、ヘッドライトやフォグランプ、方向指示ランプなどと一体化した形のデザインが多くなったため、コーナポール装置用のスペースの確保が難しくなってきている。
【0005】
このため、この一体化されたヘッドライトやフォグランプ、バンパー、方向指示ランプなどの部分における比較的フラットな形状の外装板の外側に、コーナポール及びそのポール駆動ユニットが収納された筒状などの装置本体を、外装板とは別体として、取り付けることなども行われている。この場合、装置本体部分が突出部(出っ張り部分)となるため、高速走行時の風きり音の原因となったり、外観(デザイン)的にも好ましくないという問題があった。
【0006】
また、コーナポール装置自体の付設は、上記筒型などの装置本体では勿論のこと、バンパー内蔵型であっても、バンパー上面側にコーナポールの伸縮をガイドする円錐台形状や筒状のポールガイドなどの部材部品が設置されるため、第三者に認知され易く、ドライバー側からすると、運転未熟者的な、或いは運転初心者的なイメージを払拭できないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明者は、鋭意検討したところ、コーナポール及びそのポール駆動ユニット部分を、不使用時には、車両のバンパーなどの外装板の内側に完全に取り込み、収納、格納させる構造とした。このため、装置自体による出っ張り(突出部)がなくなり、高速走行時の風きり音の問題、デザイン的な外観上の問題、運転未熟者的なイメージの問題などがあまねく解消される。
【0008】
さらに、本発明者は、コーナポールが必要とされる運転状況に着目し、例えば、狭い住宅地の野路裏運転などを代表として、狭い農村や田舎の道路などの低速走行運転時を想定し、車速に感応して、自動的にコーナポールが伸縮できる機能を付設した。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、不使用時には、コーナポール及びそのポール駆動ユニット部分を、車両の内側に完全に収納、格納させるようにした車両用コーナポール装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、車両のバンパーなどの外装板の内側に、当該外装板側に開口させた開口窓側に進退するスライダ部と当該スライダ部を支持するホルダ部と前記スライダ部を進退させる駆動源とからなるスライダ駆動ユニットを設置する一方、前記スライダ部の外装板側に、伸縮自在のコーナポールが収納されたポール駆動ユニットを固定すると共に、前記車両側に前記スライダ駆動ユニット及びポール駆動ユニットを駆動させるコントローラユニットを設け、前記コントローラユニットによる前記スライダ部の進退により、前記コーナポールのポール駆動ユニットを、前記外装板側の開口窓から突出させ、又は前記外装板側の開口窓から退出させることを特徴とする車両用コーナポール装置にある。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記スライダ部の外装板側の端面部に、前記外装板の開口窓に蓋される蓋カバを設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用コーナポール装置にある。
【0012】
請求項3記載の本発明は、前記蓋カバが、前記コーナポールのポール駆動ユニットの退出時、外装板の開口窓に面一に蓋されることを特徴とする請求項2記載の車両用コーナポール装置にある。
【0013】
請求項4記載の本発明は、前記スライダ部が長手方向にラックを備えてなり、当該ラックと前記駆動源により回転されるギヤを噛み合わせて、前記駆動源の正逆回転駆動により前記スライダ部を進退させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両用コーナポール装置にある。
【0014】
請求項5記載の本発明は、前記コントロールユニットに、前記両駆動ユニットを駆動させてコーナポールを伸長させる手動スイッチを接続させたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両用コーナポール装置にある。
【0015】
請求項6記載の本発明は、前記コントローラユニットに、車速が設定速度である否かを判定する車速判定部と、車速が設定速度以下のとき、前記両駆動ユニットを駆動させて自動的にコーナポールを伸長させるオート駆動部を内蔵させる一方、当該コントロールユニットに、前記オート駆動部用のオートスイッチを接続させたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の車両用コーナポール装置にある。
【0016】
請求項7記載の本発明は、前記手動スイッチを前記オートスイッチに優先させることを特徴とする請求項5又は6記載の車両用コーナポール装置にある。
【0017】
請求項8記載の本発明は、前記コントローラユニットに、IGN信号のオン・オフをを判定するIGN判定部を内蔵させて、この判定結果により、前記スライダ駆動ユニットの駆動及び前記コーナポールのポール駆動ユニットの駆動を制御することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の車両用コーナポール装置にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る車両用コーナポール装置によると、コーナポールの不使用時には、コーナポール及びそのポール駆動ユニット部分が、完全に車両の内側に収納、格納される構造であるため、装置自体による出っ張り(突出部)がなくなり、高速走行時の風きり音の問題、外観上の問題、運転未熟者的なイメージの問題などがあまねく解消される。
【0019】
また、スライダ部の外装板側の端面部(取り付け時における前面側)に、丁度バンパなどの外装板の開口窓(出し入れの窓部分)に蓋される蓋カバを設けておけば、コーナポールの不使用時、開口窓部分を良好に塞ぐことができる。さらに、蓋カバが開口窓に面一(ほぼフラット)に蓋されるようにすれば、この開口窓が回りの外装板側と外見上は一体化されるため、外観的に第三者から、コーナポール装置自体の付設が判別し難くなる。
【0020】
また、スライダ部にラック(リニヤギヤ)があって、これに駆動源(電導モータ)により回転されるギヤ(歯車)を噛み合わせる構成とすれば、低コストで、確実かつ安全にスライダ部を進退させることができる。
【0021】
また、コントロールユニットに、スライダ及びポールの両駆動ユニットを駆動させる手動スイッチを設ければ、当然ドライバーなどの都合で、コーナポール装置のオン・オフを適宜行うことができる。さらに、コントローラユニットに、車速判定部、オート駆動部、オートスイッチを設ければ、走行条件によって、わざわざ手動操作することなく、自動的にコーナポールを伸縮させることができる。つまり、コーナポールのオートコントロールモードが選択でき、楽な運転が可能となる。ここで、手動スイッチを、オートスイッチに優先させれば、手動スイッチにより、その時々のコーナポールの伸縮状態を瞬時に選択することができる。
【0022】
また、コントロールユニットに、IGN信号のオン・オフをを判定するIGN判定部を設ければ、ドライバーの乗降時において(キー操作によるIGN信号のオン・オフにより)、わざわざ手動操作することなく、自動的にコーナポールを伸縮させることができる。つまり、コーナポールのオートコントロールモードのバリエイションが増え、良好な使い勝手が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明に係る車両用コーナポール装置の一例になる機械的構造部分の展開状態を示し、図2は本装置の組み付け後におけるスライダ部の後退状態(収納、格納状態)を示し、図3は本装置の組み付け後におけるスライダ部の前進状態(突出状態)を示したものである。また、図4は本装置を車両のバンパーなどの外装板の内側に設置した状態の一例を示し、図5は本装置の制御系の一例を示し、図6はスイッチ構造の一例を示し、図7は本装置における動作のフローチャートの一例を示したものである。
【0024】
これらの図において、100は本発明の車両用コーナポール装置、200は車両10のバンパーなどの外装板11(ヘッドライトやフォグランプ、バンパー、方向指示ランプなどの部分が一体化された形のもの)の内側(例えば車両ボディー側)に設置されるスライダ駆動ユニット、300は伸縮自在のコーナポール310が収納(内蔵)されたポール駆動ユニット、400は後述する外装板11側に開口させた開口窓12側に蓋される蓋カバ、500はスライダ及びポールの両駆動ユニット200、300を駆動させるコントローラユニットである。
【0025】
スライダ駆動ユニット200は、バンパーなどの外装板11側に開口させた開口窓12側に進退するスライダ部210とスライダ部210を支持するホルダ部220とスライダ部210を進退させる駆動源230とからなる。
【0026】
スライダ部210は、例えば、横長の矩形フレーム211を有し、フレームの上下の内側には、ラック(リニヤギヤ)212、212が備えてなる。この背面には、固着枠213などを介して、ポール駆動ユニット300が固着される。ホルダ部220は、例えばL字型の立設脚(スタンド部材)221を有し、その上方寄りでスライダ部210の矩形フレーム211側には、上下2個の挟持アーム222、222を備えてなる。これらの挟持アーム222、222は、例えば、上記固着枠213の上下面に摺動可能に当接して、スライダ部210を摺動自在に保持する。このスライダ部210の保持により、当然これに固着されたポール駆動ユニット300も一体的に保持される。このとき、挟持アーム222、222の内側とこれと内接される固着枠213の上下面には、好ましくは互いに嵌合される機構、例えば、ガイド凸部223やガイド溝214を設けるとよい。これにより、スムーズなスライダ部210の進退が得られる。
【0027】
駆動源230は、本例の場合、電導モータで、これは、例えば、上記ホルダ部220の上下2個の挟持アーム222、222間に設置される一方、その回転軸231に取り付けられたギヤ(歯車)232は、矩形フレーム211の内側のラック212、212と噛み合わされる。
【0028】
これにより、駆動源230の正逆回転駆動により、ホルダ部220に保持されたスライダ部210を、ポール駆動ユニット300と一緒に適宜進退させることができる。このとき、スライダ部210の前進時の最長位置や後退時の復帰位置(収納、格納位置)にあっては、例えば、スライダ部210やポール駆動ユニット300の一部に設けた突起部(引っ掛かり部材)と、これの近傍に設置したリミットスイッチ(図示省略)などにより検出すればよい。この構成により、低コストで、確実かつ安全なスライダ部210の進退走行が確保される。
【0029】
ポール駆動ユニット300は、例えば、横長の台形状ボックス320内に、図示しないが、一般的なコーナポール310の伸縮駆動系(例えば、上記引用文献1の場合と同様の伸縮駆動系)が内蔵させてある。コーナポール310はロボットアンテナ状に伸縮されるもので、その先端には、図1に示すように、特に夜間などの視認性の向上のため、発光ラップ330が付設(併設)してある。
【0030】
これらの各部品は、図2や図3に示すような形で組み付けられる。図2の場合は、本装置のスライダ部210の後退状態(収納、格納状態)である。図3の場合は、本装置のスライダ部210の前進状態(突出状態)である。
【0031】
このように組み付けられた本発明の車両用コーナポール装置100は、例えば、図4に示すように、車両10のバンパーなどの外装板11の内側に設置される。外装板11には、丁度スライダ部210の前面側、及びポール駆動ユニット300、即ち台形状ボックス320の前面側に対応する部分に、開口窓12を開口させてある。コーナポール310の使用時には、この開口窓12から、上記スライダ部210、及びポール駆動ユニット300を突出させて、コーナポール310を伸長させる。
【0032】
コーナポール310の不使用時には、この開口窓12を塞ぐ必要があるため、本発明では、図1及び図4に示すように、台形状ボックス320のバンパーなどの外装板11側の側面(スライダ部210の側面も可能)には、丁度開口窓12に蓋される蓋カバ400が取り付けてある。特に、蓋カバ400を開口窓12に面一(フラット)に蓋されるようにすれば、コーナポール310の不使用時における、高速走行時の風きり音の解消、外観上の不体裁の解消の他、外見的に第三者から、コーナポール装置100自体の付設が判別し難く構造となり、運転未熟者的なイメージの解消が得られる。なお、スライダ部210の前面側、及びポール駆動ユニット300、即ち台形状ボックス320の前面側の形状を、一体化するなどして、丁度開口窓12に蓋される形状として、これらの前面側の部材により、蓋カバの代用とすることも可能である。
【0033】
コーナポール装置100は、通常後付け装置であるため、蓋カバ400は、予め使用車種に対応したものを用意しておくものとする。このとき、車種による蓋カバ形状が異なっても、蓋カバ400の内側と、被取付け側である台形状ボックス320やスライダ部210の側面との間に共通する係合機構を設けて、高い汎用性を持たせることもできる。
【0034】
このように構成される、本装置の制御系は、例えば、図5の如くである。この制御系のコントロールユニット500には、スライダ及びポールの両駆動ユニット200、300を駆動させて、コーナポール310を伸長させる、オン・オフ型の手動スイッチ511が接続してある。勿論、この手動スイッチ511をオフとすれば、本装置が駆動することはない。なお、発光ラップ330の点灯制御は、ポール駆動ユニット300のランプユニット部331により行われる。
【0035】
コントローラユニット500には、車両機器側からの車速信号を受けて、車速が設定速度(例えば車速30Km)である否かを判定する車速判定部520と、車速が設定速度以下のとき、上記両駆動ユニット200、300を駆動させて、自動的にコーナポール310を伸長させるオート駆動部530とを内蔵させてある。これらの動作は、コントローラユニット500に接続されたオートスイッチ512によりセットされる。また、ドライバーのキー操作により発せられる車両側からのIGN(イグニッション)信号があるか否かを判定するIGN判定部540も内蔵させてある。
【0036】
また、上記手動スイッチ511とオートスイッチ512は、別々のスイッチでもよいが、車両の操作パネル面のスペース的な制約から、例えば、図6(a)〜(c)に示すような、複合型のスイッチ構造とすることが好ましい。この複合型のスイッチ513の場合、図中上下方向(左右方向も可)に縦長の矩形状の共通した押圧部514を備えてなる。
この押圧部514において、上側の頂部(隆起部)514a側にはオートスイッチ512が内蔵させてあり、下側の頂部(隆起部)514bには手動スイッチ511がそれぞれ内蔵させてある。
【0037】
そして、下側の頂部514bは、プッシュプッシュ型(自動復帰型)のスイッチで、1回押すとオンとなり、自動復帰し、次に押すとオフとなり、自動復帰する。従って、通常手動スイッチ511のオン・オフ時には、図6(a)に示すように、中立位置を取る。
一方、上側の頂部514aは、自己保持型のスイッチで、1回押すとオンとなり、図6(c)に示すように、その状態が保持される。つまり、オートスイッチ512のオン状態が保持され。この解除には、下側の頂部514bを押せばよい。ここで、下側の頂部514bの押圧、即ち手動スイッチ511が、上側の頂部514aの押圧、即ちオートスイッチ512に対して、優先動作するようになっている。
【0038】
本装置の制御系の流れ(フロー)は、例えば、図7に示す如くである。
先ず、ステップS1で、IGN信号があるか否かを判断する。ドライバーが車両に乗り込み、キー操作してエンジンスタートすると、当然IGN信号がYESとなり、ステップS2に進む。ここで、IGN信号がNOの場合、つまり、後述するように、ドライバーがキー操作してエンジン停止させて降車するときには、IGN信号をオフとなるため、もしその時点で、蓋カバが開成、ポール伸長時であれば、ステップS3に進み、自動的にポール収縮・格納、蓋カバの閉成駆動が行われる。
【0039】
上記ステップS2では、手動スイッチがオンか否が判断する。YESであれば、ステップS4に進み、本装置のスライダ及びポールの両駆動ユニット200、300が駆動して、蓋カバ400が開き(前進し)、両駆動ユニット200、300がバンパーなどの外装板11の開口窓12から突出して、コーナポール310が伸長する。手動スイッチが優先スイッチであるため、このオンがあれば、直ちに、蓋カバが開成、ポール伸長の駆動が行われる。
【0040】
手動スイッチがオフのNOであれば、ステップS5に進み、オートスイッチがオンか否が判断する。NOであれば、ステップS3に進み、ポール収縮・格納、蓋カバの閉成駆動が行われる。YESであれば、ステップS6に進み、車速が30Km以下であるか否かを判断する。YESであれば、ステップS7に進み、本装置のスライダ及びポールの両駆動ユニット200、300が駆動して、蓋カバ400が開き(前進し)、両駆動ユニット200、300がバンパーなどの外装板11の開口窓12から突出して、コーナポール310が伸長する。NOであれば、ステップS8に進み、本装置は駆動することはない(不動作)。ここで、車速を30Km以下としたのは、例えば、コーナポール310の伸長が必要とされる、狭い住宅地の野路裏走行や、狭い農村や田舎の道路などでは、通常30Km以下の低速走行運転となるからである。
【0041】
この低速走行中にあっても、一定間隔で車速をモニタしてあるため、ステップS9に進み、車速が30Kmを超える高速走行か否かを判断する。NOであれば、ステップS10に進み、コーナポール310の伸長状態は維持される。YESであれば、ステップS11に進み、本装置のスライダ及びポールの両駆動ユニット200、300が駆動して、コーナポール310が収縮し、蓋カバ400が閉じて、両駆動ユニット200、300は収納、格納状態となる。
【0042】
この高速走行中にあっても、一定間隔で車速をモニタしてあるため、ステップS12に進み、車速が高速走行が維持されているか、言い換えれば、30Km以下になっていないか否かを判断する。NOであれば、ステップS11に戻り、コーナポール310、及び両駆動ユニット200、300の収縮、格納状態は維持される。YESであれば、ステップS13に進み、本装置のスライダ及びポールの両駆動ユニット200、300が駆動して、蓋カバ400が開き、ステップS7の場合と同様、コーナポール310が伸長する。
【0043】
一方、手動スイッチがオンであっても、手動スイッチがオフでオートスイッチがオンの状態にあっても、ドライバーがエンジン停止させて降車するなどすれば、上記したように、IGN信号がオフとなるため、もしその時点で、蓋カバが開成、ポール伸長時であれば、ステップS3に進み、自動的にポール収縮・格納、蓋カバの閉成駆動が行われる。
【0044】
なお、上記実施の形態では、スライダ駆動ユニット200の駆動源230として、電動モータを用いてスライダ部210を進退させたが、本発明は、これに限定されない。例えば、駆動源として、リニア駆動(直線駆動)するソレノイドの駆動手段を用いて、スライダ部210を直接進退させることもできる。また、コーナポール装置は、通常後付け装置であるが、本発明のコーナポール装置100の適用を予め想定して、車両10のバンパーなどの外装板11側の内側に、現場などでも、容易に開口窓12が作れるように、工場の生産段階で、凹み溝(切り込み溝)などを形成しておいて対応することもできる。この場合、開口窓12のための切り取り片は、綺麗に切り出されることを条件として、そのまま蓋カバ400として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る車両用コーナポール装置の一例になる機械的構造部分の展開状態を示した斜視図である。
【図2】本装置の組み付け後におけるスライダ部の後退状態(収納、格納状態)を示した斜視図である。
【図3】本装置の組み付け後におけるスライダ部の前進状態(突出状態)を示した斜視図である。
【図4】本装置を車両のバンパーなどの外装板の内側に設置した状態の一例を示した概略説明図である。
【図5】本装置の制御系の一例を示したブロック図である。
【図6】本装置に用いるスイッチの一例を示した概略説明図で、(a)は手動スイッチのオン・オフ時における中立位置の側面を示し、(b)はその平面を示し、(c)はオートスイッチのオン時における側面を示してある。
【図7】本装置における動作のフローの一例を示したフロートチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10・・・車両、11・・・バンパーなどの外装板、12・・・開口窓、100・・・車両用コーナポール装置、200・・・スライダ駆動ユニット、210・・・スライダ部、220・・・ホルダ部、230・・・駆動源、212・・・ラック、232・・・ギヤ、300・・・ポール駆動ユニット、310・・・伸縮自在のコーナポール、400・・・蓋カバ、500・・・・コントローラユニット、511・・・手動スイッチ、512・・・オートスイッチ、520・・・車速判定部、530・・・オート駆動部、540・・・IGN判定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバンパーなどの外装板の内側に、当該外装板側に開口させた開口窓側に進退するスライダ部と当該スライダ部を支持するホルダ部と前記スライダ部を進退させる駆動源とからなるスライダ駆動ユニットを設置する一方、前記スライダ部の外装板側に、伸縮自在のコーナポールが収納されたポール駆動ユニットを固定すると共に、前記車両側に前記スライダ駆動ユニット及びポール駆動ユニットを駆動させるコントローラユニットを設け、前記コントローラユニットによる前記スライダ部の進退により、前記コーナポールのポール駆動ユニットを、前記外装板側の開口窓から突出させ、又は前記外装板側の開口窓から退出させることを特徴とする車両用コーナポール装置。
【請求項2】
前記スライダ部の外装板側の端面部に、前記外装板の開口窓に蓋される蓋カバを設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用コーナポール装置。
【請求項3】
前記蓋カバが、前記コーナポールのポール駆動ユニットの退出時、外装板の開口窓に面一に蓋されることを特徴とする請求項2記載の車両用コーナポール装置。
【請求項4】
前記スライダ部が長手方向にラックを備えてなり、当該ラックと前記駆動源により回転されるギヤを噛み合わせて、前記駆動源の正逆回転駆動により前記スライダ部を進退させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の車両用コーナポール装置。
【請求項5】
前記コントロールユニットに、前記両駆動ユニットを駆動させてコーナポールを伸長させる手動スイッチを接続させたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両用コーナポール装置。
【請求項6】
前記コントローラユニットに、車速が設定速度である否かを判定する車速判定部と、車速が設定速度以下のとき、前記両駆動ユニットを駆動させて自動的にコーナポールを伸長させるオート駆動部を内蔵させる一方、当該コントロールユニットに、前記オート駆動部用のオートスイッチを接続させたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の車両用コーナポール装置。
【請求項7】
前記手動スイッチを前記オートスイッチに優先させることを特徴とする請求項5又は6記載の車両用コーナポール装置。
【請求項8】
前記コントローラユニットに、IGN信号のオン・オフをを判定するIGN判定部を内蔵させて、この判定結果により、前記スライダ駆動ユニットの駆動及び前記コーナポールのポール駆動ユニットの駆動を制御することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の車両用コーナポール装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−240556(P2006−240556A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61805(P2005−61805)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000226600)株式会社アルティア橋本 (48)
【Fターム(参考)】