説明

車両用ヒータ制御装置

【課題】安価な構成で、かつ簡単な制御により、ヒータに供給される電力を可変制御することができる車両用ヒータ制御装置を得る。
【解決手段】車両のエンジン10に吸入される空気の吸入空気温度を検出する吸気温センサ14と、車両の走行状態を検出する車速センサ36と、を備え、吸入空気温度と走行状態とを用いて、エンジン10の駆動を制御するエンジン制御システムを有する車両に搭載され、ヒータ制御部は、吸入空気温度と走行状態とに基づいて、車両の被加熱部に設けられたウォーマ35に供給される電力を可変制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば車両のシート等に設けられたウォーマ(ヒータ)を制御する車両用ヒータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動二輪車や自動車等の車両には、各部を保温するためのウォーマが設けられている。例えば、自動二輪車ではグリップ・ハンドル部にウォーマが設けられ、自動車ではアクセル部やシート部にウォーマが設けられる。車両用ヒータ制御装置は、これらのウォーマに供給される電力を制御することにより、各部を保温し、運転者や同乗者に対して快適な搭乗環境を提供している。
【0003】
従来の車両用ヒータ制御装置は、車両の被加熱部に設けられたヒータと、ヒータにバッテリから供給される電力を制御する制御手段と、車両の走行速度を検出する車速検出手段と、被加熱部の温度を監視する温度監視手段とを備え、制御手段は、車速検出手段からの車速信号および温度監視手段からの温度信号に応じて、ヒータに供給される電力を可変し、被加熱部の温度を一定に保つように制御している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、ヒータ制御において、現在主流となっている温度設定方法として、温度上昇用および温度下降用の2つの温度設定スイッチを用いるものがある。また、1つの温度設定スイッチを用いて、ロータリー式に温度設定を行うものもある。なお、ロータリー式の温度設定とは、設定温度が「低温→中温→高温→低温→中温→高温→低温・・・」のように、上限の設定値まで到達した後、下限の設定値に戻るものである。
【0005】
すなわち、従来の車両用ヒータ制御装置では、搭乗者が温度設定スイッチを操作して所望の温度を設定し、制御手段は、車速信号から車両の走行状態または停止状態を判定し、温度信号から被加熱部の温度を得て、被加熱部が設定された温度を保つように、ヒータに供給される電力を可変している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−255078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に示された車両用ヒータ制御装置では、専用の温度設定スイッチや、被加熱部の温度を監視するサーミスタ等の温度監視手段を設ける必要があることから、コストが高くなるという問題がある。また、制御手段が、温度監視手段からの温度信号に応じて、フィードバック制御により、ヒータに供給される電力を可変しているので、制御が複雑になるという問題もある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価な構成で、かつ簡単な制御により、ヒータに供給される電力を可変制御することができる車両用ヒータ制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車両用ヒータ制御装置は、車両周辺の外気温または車両のエンジンに吸入される空気の吸入空気温度を検出する温度検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、を備え、外気温または吸入空気温度と走行状態とを用いて、エンジンの駆動を制御するエンジン制御システムを有する車両に搭載される車両用ヒータ制御装置であって、車両の被加熱部に設けられたヒータと、外気温または吸入空気温度と走行状態とに基づいて、ヒータに供給される電力を可変制御するヒータ制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る車両用ヒータ制御装置によれば、車両周辺の外気温または車両のエンジンに吸入される空気の吸入空気温度を検出する温度検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、を備え、外気温または吸入空気温度と走行状態とを用いて、エンジンの駆動を制御するエンジン制御システムを有する車両に搭載され、ヒータ制御部は、外気温または吸入空気温度と走行状態とに基づいて、車両の被加熱部に設けられたヒータに供給される電力を可変制御する。
そのため、安価な構成で、かつ簡単な制御により、ヒータに供給される電力を可変制御することができる車両用ヒータ制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置を含むエンジン制御システム全体を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置における加減速時補正値マップを示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置における始動時出力値マップを示す説明図である。
【図4】(a)〜(c)は、この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置における基本電力量マップおよび負荷駆動電力量マップを示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明に係る車両用ヒータ制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
【0013】
なお、以下の実施の形態では、車両用ヒータ制御装置が搭載される車両として、例えばウォーマが設けられたグリップ・ハンドル部を有する自動二輪車、スクータ、スノーモービル、全地形対応車(ATV:All Terrain Vehicle)等の、グリップ・ハンドル部(座席)が外気にさらされている車両を例に挙げて説明する。ここで、車両は、ウォーマが設けられたアクセル部やシート部を有する自動車等であってもよい。
【0014】
また、これらの車両において、車両用ヒータ制御装置は、エンジンの燃料噴射量や点火時期等を制御する電子制御ユニット(ECU)が取得する情報に基づいて、ヒータに供給される電力を可変制御する。このとき、ヒータに供給される電力を可変制御するヒータ制御部は、単体であってもよいし、以下の実施の形態に示すように、電子制御ユニット(エンジン制御システム)に一体化されていてもよい。ヒータ制御部を電子制御ユニットに一体化した場合には、構成を簡素にすることができる。
【0015】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用ヒータ制御装置を含むエンジン制御システム全体を示す構成図である。図1において、エンジン10の吸気ポート11には、吸気管12が接続されている。吸気管12の上流側には、外気を吸入するためのエアボックス13が接続されている。エアボックス13には、吸入空気温度を検出する吸気温センサ14(温度検出部)が取り付けられている。
【0016】
吸気管12の途中には、スロットルバルブ15と、スロットルバルブ15のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ16(スロットル開度検出部)とが設けられている。また、吸気管12において、スロットルバルブ15を挟むように、バイパスエア機構部17が設けられている。バイパスエア機構部17には、ISCステッパモータ18が設けられている。
【0017】
また、吸気管12において、スロットルバルブ15の下流側には、スロットルバルブ15下流側の吸気圧(吸気管内圧力)を検出する吸気圧センサ19(吸気検出部)が取り付けられている。吸気ポート11の近傍には、燃料噴射弁20(インジェクタ)が取り付けられている。燃料噴射弁20は、図示しない燃料供給系から供給される燃料を吸気ポート11に噴射する。
【0018】
また、エンジン10には、図示しないクランク軸に連結されて往復運動するピストン21が設けられ、ピストン21の上方には、燃焼室22が形成される。燃焼室22は、吸気弁23および排気弁24を介して、それぞれ吸気管12および排気管25と連通している。また、エンジン10のシリンダヘッドには、点火プラグ26が取り付けられている。点火プラグ26は、点火タイミング毎に点火コイル27の二次側に発生する高電圧が印加されて点火する。
【0019】
また、エンジン10のクランク軸には、エンジン10の回転速度を検出するための回転数センサ28が取り付けられている。回転数センサ28は、所定クランク角度毎に、回転パルス信号を出力する。さらに、エンジン10には、エンジン冷却水の水温を検出する水温センサ29が取り付けられている。
【0020】
電子制御ユニット30は、CPU31、ROM32、RAM33等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。電子制御ユニット30には、バッテリ34から電源が供給されている。また、電子制御ユニット30には、上記の吸気温センサ14、スロットル開度センサ16、吸気圧センサ19、回転数センサ28および水温センサ29から、各検出信号が入力される。
【0021】
CPU31は、これらの各検出信号に基づいて、吸入空気温度、スロットル開度、吸気圧、エンジン回転速度および冷却水温等のエンジン状態を検知する。また、CPU31は、ROM32にあらかじめ記憶された制御プログラム等を実行することにより、燃料噴射弁20による燃料噴射量制御、点火プラグ26による点火時期制御、ISCステッパモータ18の駆動制御等の、エンジン制御に付随した補機類の制御を適宜実行する。
【0022】
また、図1において、車両のグリップ・ハンドル部(被加熱部)には、ウォーマ35(ヒータ)が設けられている。また、車両の車輪には、車両の走行状態を検出する車速センサ36(走行状態検出部)が取り付けられている。さらに、車両には、エンジン10の始動時状態を検出するスタータスイッチ37(始動時検出部)が設けられている。また、車両用ヒータ制御装置のヒータ制御部は、CPU31の機能として組み込まれている。
【0023】
以下、ヒータ制御部の機能について説明する。
ヒータ制御部は、吸気温センサ14の検出信号から検知される吸入空気温度、および車速センサ36の検出信号から検知される車両の走行状態に基づいて、ウォーマ35に供給される電力を算出し、ウォーマ35にヒータ駆動指令として出力する。このとき算出される電力を基本電力量とする。
【0024】
ここで、ヒータ制御部は、吸入空気温度および車両の走行状態に応じてウォーマ35に供給される電力を算出できるよう、例えば3次元マップ(後述する図4参照)を用いる。なお、ヒータ制御部は、吸入空気温度の代わりに、外気温を用いて基本電力量を算出してもよい。これにより、従来の温度設定スイッチを用いることなく、吸入空気温度および車両の走行状態に基づいて基本電力量を算出し、ウォーマ35にヒータ駆動指令を出力することができる。
【0025】
また、ヒータ制御部は、スロットル開度センサ16の検出信号から検知されるスロットル開度、および吸気圧センサ19の検出信号から検知される吸気圧に基づいて、車両の加減速度を算出し、この加減速度に応じて基本電力量の補正値を算出する。この基本電力量の補正値を、加減速時補正値と称する。ヒータ制御部は、加減速時補正値を用いてヒータ駆動指令を補正し、ウォーマ35に出力する。
【0026】
ここで、ヒータ制御部は、スロットル開度変化量および吸気圧変化量に応じてウォーマ35に供給される電力を補正できるよう、例えば図2に示すようなマップを用いる。このとき、図2に示された加減速時補正値は、エンジン動作中の負荷駆動電力量(後述する)または基本電力量に加算または積算されることにより、適切なヒータ駆動指令となるよう設定される。なお、ヒータ制御部は、吸気圧の代わりに、吸入空気量を用いて加減速時補正値を算出してもよい。
【0027】
これにより、車両の加減速時においては、搭乗者の温度を感知する感覚が変化するものの、従来の温度設定スイッチを用いることなく、スロットル開度および吸気圧に基づいて基本電力量を補正し、ウォーマ35にヒータ駆動指令を出力することができる。
【0028】
また、ヒータ制御部は、スタータスイッチ37の検出信号からエンジン10の始動時状態が検知された場合に、温度とバッテリ34の状態に応じて、車両の始動時に消費される電力を考慮し、バッテリ電圧をモニタリングすることで基本電力量の補正値を算出して、ウォーマ35に補正したヒータ駆動指令を出力する。この基本電力量の補正値を、始動時出力値と称する。
【0029】
ここで、ヒータ制御部は、エンジン10の始動時状態に応じてウォーマ35に供給される電力を補正できるよう、温度とバッテリ電圧とを軸とした例えば図3に示すようなマップを用いる。また、ヒータ制御部は、エンジン10が始動動作実行中であるか否かにより、始動時出力値を、ヒータ駆動指令として出力するか否かを決定する。なお、エンジン10の始動判定期間としては、エンジン10の始動時状態が検知されてから一定時間までとする。
【0030】
これにより、搭乗者がエンジン10を始動操作している期間においては、車両の消費電力が増加するので、バッテリ電圧低下の影響を考慮して、エンジン10の始動を優先させるべく、基本電力量を低減補正した始動時出力値を算出し、ウォーマ35にヒータ駆動指令を出力することができる。
【0031】
また、ヒータ制御部は、車両の負荷駆動状況に応じて、高負荷時には、基本電力量を低減補正して、ウォーマ35に補正したヒータ駆動指令を出力する。この低減された基本電力量を、負荷駆動電力量と称する。具体的には、ヒータ制御部は、車両の消費電力が増加しているか否かに基づいて、車両が高負荷状態にあることを検知する。
【0032】
ここで、ヒータ制御部は、車両が高負荷状態にないと判定した場合には、吸入空気温度および車速(車両の走行状態)に基づいて、例えば図2(a)に示すようなマップから、温度レベルを決定する。続いて、ヒータ制御部は、温度レベルおよびエンジン回転速度に基づいて、図2(b)に示すようなマップから、基本電力量を算出する。
【0033】
また、ヒータ制御部は、車両が高負荷状態にあると判定した場合には、吸入空気温度および車速に基づいて、例えば図2(a)に示すようなマップから、温度レベルを決定する。続いて、ヒータ制御部は、温度レベルおよびエンジン回転速度に基づいて、図2(c)に示すようなマップから、負荷駆動電力量を算出する。
【0034】
これにより、車両が高負荷状態にある場合には、基本電力量を低減補正した負荷駆動電力量を算出し、ウォーマ35にヒータ駆動指令を出力することにより、バッテリ34の保護および車両フィーリングの安定化を実現することができる。
なお、ヒータ制御部は、エンジン10が停止している場合には、バッテリ34の電圧低下を懸念し、電力量を0としてヒータ駆動指令を出力する。
【0035】
以下、図5のフローチャートを参照しながら、ヒータ制御部の動作について説明する。なお、この動作は、所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ヒータ制御部は、エンジン回転速度、スロットル開度、吸気圧(吸入空気量)およびバッテリ電圧を取得する(ステップS1〜S4)。
【0036】
続いて、ヒータ制御部は、ステップS1〜S4で得られた値から、エンジン10が停止しているか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5において、エンジン10が停止している(すなわち、Yes)と判定された場合には、ヒータ制御部は、電力量を0とするヒータ駆動指令を出力し(ステップS6)、ステップS19に移行する。
【0037】
一方、ステップS5において、エンジン10が停止していない(すなわち、No)と判定された場合には、ヒータ制御部は、エンジン10が始動時状態であるか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、エンジン10が始動時状態である(すなわち、Yes)と判定された場合には、ヒータ制御部は、ヒータ駆動指令として始動時出力値を出力し(ステップS8)、ステップS19に移行する。
【0038】
一方、ステップS7において、エンジン10が始動時状態でない(すなわち、No)と判定された場合には、ヒータ制御部は、吸入空気温度(外気温)および車速(車両の走行状態)を取得する(ステップS9〜S10)。
【0039】
次に、ヒータ制御部は、スロットル開度および吸気圧に基づいて、車両の加減速度を算出する(ステップS11)。
続いて、ヒータ制御部は、算出された車両の加減速度に応じて、加減速時補正値(A)を算出する(ステップS12)。
【0040】
次に、ヒータ制御部は、車両の消費電力が増加しているか否かを判定するために、温度設定の高低、温度出力の停止または駆動、および各種指令値を取得する(ステップS13)。
続いて、ヒータ制御部は、車両が高負荷状態にあるか否かを判定する(ステップS14)。
【0041】
ステップS14において、車両が高負荷状態にある(すなわち、Yes)と判定された場合には、ヒータ制御部は、吸入空気温度、車速およびエンジン回転速度に基づいて、負荷駆動電力量(B)を算出し(ステップS15)、ヒータ駆動指令として負荷駆動電力量(B)と加減速時補正値(A)とを加算した値を出力し(ステップS16)、ステップS19に移行する。
【0042】
一方、ステップS14において、車両が高負荷状態にない(すなわち、No)と判定された場合には、ヒータ制御部は、吸入空気温度、車速およびエンジン回転速度に基づいて、基本電力量(C)を算出し(ステップS17)、ヒータ駆動指令として負荷駆動電力量(B)と加減速時補正値(A)とを加算した値を出力し(ステップS18)、ステップS19に移行する。
【0043】
次に、ヒータ制御部は、ステップS6、8、16および18から出力されたヒータ駆動指令に対して、上下限制限値でクリップし、算出結果と実駆動範囲との整合をとって(ステップS19)、図5の処理を終了する。
【0044】
これにより、搭乗者が運転操作している期間においては、温度を感知する感覚が変化するものの、常時ウォーマ35に対するヒータ駆動指令を自動で補正することができる。
【0045】
以上のように、実施の形態1によれば、車両周辺の外気温または車両のエンジンに吸入される空気の吸入空気温度を検出する温度検出部と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、を備え、外気温または吸入空気温度と走行状態とを用いて、エンジンの駆動を制御するエンジン制御システムを有する車両に搭載され、ヒータ制御部は、外気温または吸入空気温度と走行状態とに基づいて、車両の被加熱部に設けられたヒータに供給される電力を可変制御する。
そのため、安価な構成で、かつ簡単な制御により、ヒータに供給される電力を可変制御することができる車両用ヒータ制御装置を得ることができる。
【0046】
すなわち、ヒータが完成車に標準またはオプションで搭載されるものでは、電子制御ユニットに接続された既設のセンサ等を用いて、ヒータに対するヒータ駆動指令を出力することができるので、専用の温度設定スイッチを設ける必要がなく、コストを低減することができる。
【0047】
また、被加熱部におけるヒータ温度を監視するサーミスタ等の温度監視手段を不要としたオープンループ制御によって、ヒータに対するヒータ駆動指令を出力することができるので、制御を簡単にし、さらにコストを低減することができる。
さらに、ヒータに対するヒータ駆動指令を自動で補正することができるので、運転者の運転に支障を来すことを防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 エンジン、11 吸気ポート、12 吸気管、13 エアボックス、14 吸気温センサ(温度検出部)、15 スロットルバルブ、16 スロットル開度センサ(スロットル開度検出部)、17 バイパスエア機構部、18 ISCステッパモータ、19 吸気圧センサ(吸気検出部)、20 燃料噴射弁、21 ピストン、22 燃焼室、23 吸気弁、24 排気弁、25 排気管、26 点火プラグ、27 点火コイル、28 回転数センサ、29 水温センサ、30 電子制御ユニット、34 バッテリ、35 ウォーマ(ヒータ)、36 車速センサ(走行状態検出部)、37 スタータスイッチ(始動時検出部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺の外気温または前記車両のエンジンに吸入される空気の吸入空気温度を検出する温度検出部と、前記車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、を備え、前記外気温または前記吸入空気温度と前記走行状態とを用いて、前記エンジンの駆動を制御するエンジン制御システムを有する車両に搭載される車両用ヒータ制御装置であって、
前記車両の被加熱部に設けられたヒータと、
前記外気温または前記吸入空気温度と前記走行状態とに基づいて、前記ヒータに供給される電力を算出し、前記ヒータにヒータ駆動指令を出力するヒータ制御部と、
を備えたことを特徴とする車両用ヒータ制御装置。
【請求項2】
前記エンジン制御システムは、前記エンジンの吸気管に設けられたスロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットル開度検出部と、前記吸気管に吸入される吸入空気量または前記吸気管内の吸気圧を検出する吸気検出部と、をさらに備え、
前記ヒータ制御部は、前記スロットル開度と前記吸入空気量または前記吸気圧とに基づいて前記車両の加減速度を算出し、前記加減速度に応じて前記ヒータ駆動指令を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒータ制御装置。
【請求項3】
前記エンジン制御システムは、前記エンジンの始動時状態を検出する始動時検出部をさらに備え、
前記ヒータ制御部は、前記始動時状態に応じて前記ヒータ駆動指令を補正する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ヒータ制御装置。
【請求項4】
前記ヒータ制御部は、前記車両の負荷駆動状況に応じて前記ヒータ駆動指令を補正する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の車両用ヒータ制御装置。
【請求項5】
前記ヒータ制御部は、前記エンジン制御システムに一体化されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の車両用ヒータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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