説明

車両用ロールシェード装置

【課題】環境変化に伴ってシートの見栄えが悪化することを抑制することができる車両用ロールシェード装置を提供する。
【解決手段】シート21は、その繰出しに伴いルーフパネルを遮るように展開可能なシート本体31、及び車両幅方向におけるシート本体31の両縁部にそれぞれ結合されてガイドレールに移動可能に装着される一対の樹脂製の案内帯32を備える。シート21の移動方向における案内帯32の全長に亘って該案内帯32に埋設される金属製のワイヤ33を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の開口部に透光エリアを形成する透光部材を開放する方向へのシートの巻き取り及び透光部材を遮る方向へのシートの繰り出しをするための車両用ロールシェード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ロールシェード装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、車両ルーフに形成されたルーフ開口部の車両幅方向両側縁部において車両ルーフの車両前後方向に延設された一対のガイドレールと、両ガイドレールに案内される態様で巻取り・繰り出しされる遮光用のシートとを備える。すなわち、このシートは、その繰り出しに伴いルーフ開口部の略全体に亘って展開可能なシート本体を備えるとともに、該シート本体の車両幅方向両側縁部に結合されてガイドレールに移動可能に装着される一対の板状の案内帯を備える。車両用ロールシェード装置は、シートの繰り出し・巻取りにより、各ガイドレールで案内帯を案内しつつ、シート本体を展開・格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−6011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のシートは、例えばシート本体の展開時、両案内帯を介してガイドレールに保持される。この場合、例えば案内帯が樹脂材である場合には、該案内帯が環境変化に応じて形状変化することで、シート本体に発生するしわの原因になることがある。
【0005】
すなわち、図6の左側に示すように、当初の状態で常温の環境下にあるときには、シート90のシート本体91及び両案内帯92が共に形状変化の影響を受けることなく本来の状態で結合されている。この状態で、高温の環境下に移行すると、図6の中央に示すように、シート本体91に対し両案内帯92が熱膨張によりその延在方向に伸長する形状変化を引き起こす。これにより、両案内帯92の形状変化に追従してシート本体91が無理に引っ張られる。その後、再び、常温の環境下に移行すると(戻ると)、図6の右側に示すように、両案内帯92が熱収縮によりその延在方向に短縮する形状変化を引き起こす。これにより、両案内帯92が当初の形状に戻る。このとき、高温の環境下で引っ張られていたシート本体91に弛みが発生することで、該シート本体91にしわが発生する。従って、シート90の見栄えが悪化することになっていた。
【0006】
本発明の目的は、環境変化に伴ってシートの見栄えが悪化することを抑制することができる車両用ロールシェード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の開口部に透光エリアを形成する透光部材を開放するべく一方向に移動しつつ巻き取られ、該透光部材を遮るべく逆方向に移動しつつ繰り出される遮光用のシートと、前記シートの移動方向に直交する一の方向である幅方向における前記開口部の両縁部において前記移動方向に延設され、前記幅方向における前記シートの両縁部を前記移動方向に案内する一対のガイドレールとを備える車両用ロールシェード装置において、前記シートは、その繰出しに伴い前記透光部材を遮るように展開可能なシート本体、及び前記幅方向における前記シート本体の両縁部にそれぞれ結合されて前記ガイドレールに移動可能に装着される一対の樹脂製の案内帯を備え、前記移動方向における前記案内帯の全長に亘って該案内帯に埋設される金属製の線材を備えたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、樹脂製の前記案内帯には、前記移動方向におけるその全長に亘って金属製の前記線材が埋設されている。このため、前記案内帯が環境変化に応じて前記移動方向に形状変化しようとしても、線膨張係数の小さい前記線材によって当該形状変化が抑えられる。従って、例えば高温の環境下であっても、前記両案内帯の伸長する形状変化と、これに追従する前記シート本体の無理な引っ張りを抑制でき、該シート本体にしわが発生することを抑制できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ロールシェード装置において、前記案内帯は、前記移動方向及び前記幅方向で決定される平面に交差する方向である高さ方向で凸となる断面円弧状に成形されており、前記線材は、前記案内帯の断面において、周方向中央部及び両端部間の中間部に一対で配設されていることを要旨とする。
【0010】
前記線材を、前記案内帯の断面において周方向中央部に配設する場合、例えば高温の環境下では、前記案内帯の断面における周方向中央部の形状変化が抑えられるのに対し、前記案内帯の断面における周方向両端部がそれぞれ伸長するように形状変化する。このとき、前記案内帯の前記移動方向における両端部が前記凸となる高さ方向の反対方向に変位するように前記案内帯が反ることが確認されている。一方、前記線材を、前記案内帯の断面において周方向端部に配設する場合、例えば高温の環境下では、前記案内帯の断面における周方向両端部の形状変化がそれぞれ抑えられるのに対し、前記案内帯の断面における周方向中央部が伸長するように形状変化する。このとき、前記案内帯の前記移動方向における両端部が前記凸となる高さ方向に変位するように前記案内帯が反ることが確認されている。同構成によれば、前記線材は、前記案内帯の断面において、周方向中央部及び両端部間の中間部に一対で配設されていることで、前記案内帯の前記移動方向における両端部が前記した高さ方向又はその反対方向に極端に変位するような前記案内帯の反りを回避できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用ロールシェード装置において、前記一対の線材は、前記案内帯の断面における周方向に対称配置されていることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、環境変化に伴う前記案内帯の前記移動方向における形状変化を、前記案内帯の断面における周方向でバランスよく抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の車両用ロールシェード装置において、前記案内帯は、その断面における周方向両端の部位で前記ガイドレールに摺接しており、前記周方向両端の部位は、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位よりも摺動抵抗の小さい材料で成形されていることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記案内帯は、前記周方向両端の部位と、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位とが、互いに異なる樹脂材にて2色成形されてなる。そして、前記案内帯は、その断面における周方向両端の部位で前記ガイドレールに摺接しており、当該周方向両端の部位は、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位よりも相対的に摺動抵抗の小さい材料で成形されていることで、前記案内帯(シート)を前記ガイドレールに沿って円滑に移動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、環境変化に伴ってシートの見栄えが悪化することを抑制することができる車両用ロールシェード装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態が適用される車両ルーフを示す斜視図。
【図2】同実施形態を示す斜視図。
【図3】同実施形態を示す横断面図。
【図4】繰出し状態でのシートを示す平面図、横断面図及びその拡大図
【図5】ワイヤの配置と案内帯の反り量との関係を示すグラフ。
【図6】従来形態のシートのしわの発生態様を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜図5を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、自動車などの車両ルーフ10には、開口部としての略四角形のルーフ開口部10aが形成されるとともに、該ルーフ開口部10aに透光エリアを形成する透光部材としてのガラス製のルーフパネル11が設置されている。
【0017】
車両ルーフ10には、図2に示すように、ルーフ開口部10aの車両幅方向両側縁部において、例えばアルミニウム合金の押出材からなる一対のガイドレール12が車両前後方向に延設されるとともに、各ガイドレール12の後側において、例えば金属板からなるブラケット13が立設されている。そして、両ブラケット13には、ロールシェード装置20が支持されている。すなわち、ロールシェード装置20は、車両幅方向に延在する略円筒状の巻取り軸26を備えており、該巻取り軸26の車両幅方向両端部において該当のブラケット13に軸支されている。
【0018】
巻取り軸26の外周部には、遮光用のシート21の一方の端末が固定されている。このシート21の他方の端末は、車両幅方向に延在するガーニッシュ22に固着されている。このガーニッシュ22の車両幅方向両端部には、両ガイドレール12に前後方向に移動自在に装着される一対のシュー23が車両幅方向にそれぞれ突設されている。
【0019】
ロールシェード装置20は、ガーニッシュ22とともに両シュー23がガイドレール12に沿って前方に移動することで、シート21を繰り出しつつ、ルーフパネル11を遮る。あるいは、ロールシェード装置20は、シート21を巻き取ることで、ガーニッシュ22とともに両シュー23をガイドレール12に沿って後方に移動させつつ、ルーフパネル11を開放する。なお、巻取り軸26には、シート21を巻き取る側に常時付勢するための付勢手段(例えば捩りばねなど、図示略)が内蔵されている。
【0020】
次に、シート21の繰出し・巻取り時のガイドレール12によるシート21の移動案内態様について説明する。図3に示すように、ガイドレール12は、その断面において車両幅方向内側に開口する略コの字状の第1ガイド部16を有しており、該第1ガイド部16において前記シュー23の前後方向の移動を案内する。また、ガイドレール12は、第1ガイド部16の車両幅方向内側に隣接して、その断面において車両幅方向内側に開口する略コの字状の第2ガイド部17を有する。この第2ガイド部17は、その底壁の車両幅方向内側端から上向きに屈曲されたフランジ状の規制片17aを有するとともに、同じく底壁から上向きに突設された半蒲鉾形の成形案内突条17bを有する。この成形案内突条17bは、第2ガイド部17の底壁の車両幅方向中央部を頂点とする当該方向外側寄りに配置されている。
【0021】
一方、シート21は、図4に併せ示すように、その繰出しに伴いルーフパネル11を遮るように展開可能な布製のシート本体31を備えるとともに、車両幅方向におけるシート本体31の両縁部にそれぞれ結合される一対の案内帯32を備える。図4に拡大して示したように、各案内帯32は、樹脂製の板材(例えばt0.8[mm])からなり、上向き(シート21の移動方向及び車両幅方向で決定される平面に交差する方向である高さ方向)で凸となる断面円弧状に成形されてシート21の移動方向に延在している。各案内帯32は、頂点となる車両幅方向中央部において、シート本体31の縁部に結合されている。本実施形態では、案内帯32の頂点とシート本体31の縁部とが、例えば糸により縫合されており、図4ではこれらの結合部を縫合部SEとして描画している。また、各案内帯32には、その断面において、周方向中央部及び両端部間の中間部に互いに対称になるように対をなして金属製の線材としてのワイヤ33が埋設されている。各ワイヤ33は、前記移動方向における案内帯32の全長に亘って延在しており、相対的に線膨張係数が小さいことで、環境変化に応じた案内帯32の前記移動方向における形状変化(伸縮)を抑える。これらワイヤ33は、φ0.25[mm]の黄銅線からなり、巻取り軸26へのシート21の巻取りに影響しない強度となっている。
【0022】
そして、図3に示すように、シート21の案内帯32は、その車両幅方向内側端が第2ガイド部17の規制片17aに係止され、その下面が成形案内突条17bに対向されて、第2ガイド部17に移動可能に装着されている。これにより、シート本体31の張力で引っ張られる案内帯32が第2ガイド部17から車両幅方向内側に外れることが規制片17aによって抑制され、あるいは巻取り軸26に巻き取られていた案内帯32の断面円弧状への形状復帰が成形案内突条17bとの干渉によって促進される。
【0023】
なお、案内帯32は、その断面における周方向両端の部位でガイドレール12に摺接している。図4に拡大して示したように、案内帯32は、その断面における周方向両端の部位と、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位とで、互いに異なる樹脂(例えばTPO:オレフィン系エラストマー)の材料M1,M2で押出成形されている。すなわち、ガイドレール12に摺接する周方向両端の部位の材料M1として、材料M2よりも摺動抵抗の小さい材料が採用されている。
【0024】
ここで、本実施形態では、案内帯32の各ワイヤ33の配置設定に最適化が図られている。この最適化に当たっては、200[mm]の長さに切り出した案内帯32の押出成形材Wを80[°C]で3分間湯せんし、18[°C]の冷水で処理してから押出成形材Wの反り量及び方向を測定している。
【0025】
図5に示すように、ワイヤ33を、案内帯32(押出成形材W)の断面において周方向中央部に配設する場合、案内帯32の前記移動方向における両端部が、下向き(断面円弧状の凸となる高さ方向の反対方向)に変位するように案内帯32が反ることが確認されている。このときの案内帯32の反りを下反りといい、該当の反り量(下反り量)を負数で表している。このような反りの発生は、例えば高温の環境下では、案内帯32の断面における周方向中央部の形状変化が抑えられるのに対し、案内帯32の断面における周方向両端部がそれぞれ伸長するように形状変化することに起因する。
【0026】
一方、ワイヤ33を、案内帯32(押出成形材W)の断面において周方向端部に配設する場合、案内帯32の前記移動方向における両端部が、上向き(断面円弧状の凸となる高さ方向)に変位するように案内帯32が反ることが確認されている。このときの案内帯32の反りを上反りといい、該当の反り量(上反り量)を正数で表している。このような反りの発生は、例えば高温の環境下では、案内帯32の断面における周方向両端部の形状変化がそれぞれ抑えられるのに対し、案内帯32の断面における周方向中央部が伸長するように形状変化することに起因する。
【0027】
以上の測定結果を考慮して、ワイヤ33は、案内帯32の反り量(下反り量又は上反り量)がゼロとなる位置に配置されている。具体的には、ワイヤ33は、案内帯32の断面において周方向中央部を原点とする4.05[mm]の位置に配置されている。
【0028】
次に、本実施形態の動作について説明する。
ロールシェード装置20は、ガーニッシュ22とともに両シュー23がガイドレール12に沿って前方に移動することで、付勢手段の付勢力に抗して巻取り軸26を一方向に回転させつつ、巻取り状態にあるシート21を繰り出す。このとき、シート21は、両案内帯32をガイドレール12の第2ガイド部17に沿って前方に摺動させつつ、ルーフパネル11を遮るようにシート本体31を展開する。一方、ロールシェード装置20は、付勢手段の付勢力で巻取り軸26を逆方向に回転させることで、ガーニッシュ22とともに両シュー23をガイドレール12に沿って後方に移動させつつ、繰出し状態(展開状態)にあるシート21を巻き取る。このとき、シート21は、両案内帯32をガイドレール12の第2ガイド部17に沿って後方に摺動させつつ、ルーフパネル11を開放するようにシート本体31を格納する。
【0029】
特に、シート21の繰出し状態(展開状態)において、案内帯32が環境変化に応じて前記移動方向に形状変化(伸縮)しようとしても、線膨張係数の小さいワイヤ33によって当該形状変化が抑えられる。従って、例えば高温の環境下であっても、両案内帯32の伸長する形状変化と、これに追従するシート本体31の無理な引っ張りが抑制される。
【0030】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、樹脂製の案内帯32には、前記移動方向におけるその全長に亘ってワイヤ33が埋設されている。このため、案内帯32が環境変化に応じて前記移動方向に形状変化(伸縮)しようとしても、線膨張係数の小さいワイヤ33によって当該形状変化が抑えられる。従って、例えば高温の環境下であっても、両案内帯32の伸長する形状変化と、これに追従するシート本体31の無理な引っ張りを抑制でき、該シート本体31にしわが発生することを抑制でき、見栄えを向上できる。
【0031】
(2)本実施形態では、ワイヤ33は、案内帯32の断面において、周方向中央部及び両端部間の中間部に一対で配設されていることで、案内帯32の前記移動方向における両端部が上向き又は下向き(高さ方向又はその反対方向)に極端に変位するような案内帯32の反り(上反り又は下反り)を回避できる。
【0032】
(3)本実施形態では、一対のワイヤ33は、案内帯32の断面における周方向に対称配置されていることで、環境変化に伴う案内帯32の前記移動方向における形状変化(伸縮)を、案内帯32の断面における周方向でバランスよく抑えることができる。
【0033】
(4)本実施形態では、案内帯32は、その断面における周方向両端の部位と、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位とが、互いに異なる樹脂材(材料M1,M2)にて2色成形されてなる。そして、案内帯32は、その断面における周方向両端の部位でガイドレール12(第2ガイド部17)に摺接しており、当該周方向両端の部位は、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位よりも相対的に摺動抵抗の小さい材料M1で成形されている。従って、案内帯32(シート21)をガイドレール12に沿って円滑に移動させることができる。
【0034】
(5)本実施形態では、案内帯32は、押出成形材からなることで、例えばシート本体31の前記移動方向における長さが変更されても、これに容易に対応することができる。
(6)案内帯32の上反り量又は下反り量が大きすぎると、縫合部SEにおけるシート本体31と案内帯32との縫合が難しくなる。しかしながら、本実施形態では、ワイヤ33を案内帯32の周方向に対称配置することで、案内帯32の押出成形後(高温の環境下の一例ともいえる)の上記上反り量又は下反り量を抑えることができる。これにより、シート本体31と案内帯32との縫合を容易にすることができる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、ワイヤ33は、案内帯32の断面において、周方向中央部や端部に設けてもよい。特に、周方向中央部にワイヤ33を設ける場合、シート本体31との縫合に邪魔になる可能性があることから、例えば接着剤にてシート本体31と接合してもよい。また、案内帯32に埋設するワイヤ33は、1本でもよいし3本以上であってもよい。
【0036】
・前記実施形態において、平ベルト状の案内帯32を採用してもよい。
・前記実施形態において、例えば巻取り軸26からのシート21の繰り出しは、電動で行うようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。
【0037】
・前記実施形態において、ロールシェード装置20は、ルーフ開口部10aの前縁部に支持されて後側にシート21を繰り出してもよい。あるいは、透光部材としてのフロントガラスG(図1参照)や、サイドガラス、リヤガラスなどに配設されるロールシェード装置20であってもよい。
【0038】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項4に記載の車両用ロールシェード装置において、
前記案内帯は、押出成形材からなることを特徴とする車両用ロールシェード装置。同構成によれば、前記案内帯は、押出成形材からなることで、例えば前記シート本体の前記移動方向における長さが変更されても、これに容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0039】
10…車両ルーフ、10a…ルーフ開口部(開口部)、11…ルーフパネル(透光部材)、12…ガイドレール、21…シート、31…シート本体、32…案内帯、33…ワイヤ(線材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の開口部に透光エリアを形成する透光部材を開放するべく一方向に移動しつつ巻き取られ、該透光部材を遮るべく逆方向に移動しつつ繰り出される遮光用のシートと、
前記シートの移動方向に直交する一の方向である幅方向における前記開口部の両縁部において前記移動方向に延設され、前記幅方向における前記シートの両縁部を前記移動方向に案内する一対のガイドレールとを備える車両用ロールシェード装置において、
前記シートは、その繰出しに伴い前記透光部材を遮るように展開可能なシート本体、及び前記幅方向における前記シート本体の両縁部にそれぞれ結合されて前記ガイドレールに移動可能に装着される一対の樹脂製の案内帯を備え、
前記移動方向における前記案内帯の全長に亘って該案内帯に埋設される金属製の線材を備えたことを特徴とする車両用ロールシェード装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ロールシェード装置において、
前記案内帯は、前記移動方向及び前記幅方向で決定される平面に交差する方向である高さ方向で凸となる断面円弧状に成形されており、
前記線材は、前記案内帯の断面において、周方向中央部及び両端部間の中間部に一対で配設されていることを特徴とする車両用ロールシェード装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ロールシェード装置において、
前記一対の線材は、前記案内帯の断面における周方向に対称配置されていることを特徴とする車両用ロールシェード装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の車両用ロールシェード装置において、
前記案内帯は、その断面における周方向両端の部位で前記ガイドレールに摺接しており、前記周方向両端の部位は、これら両部位に挟まれる周方向における残りの部位よりも摺動抵抗の小さい材料で成形されていることを特徴とする車両用ロールシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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