説明

車両用前照灯

【課題】破損を防止する。
【解決手段】車両用前照灯1は、光源30と、光源30の前方を覆う透光カバー5と、透光カバー5に固定された帯状のモール7とを備える。透光カバー5は、車両の前部側端の角部に位置する角部領域50と、角部領域50から車両中央側に向かって延在する前方領域51と、角部領域50から車両後側に向かって延在する側方領域52とを有する。モール7は、屈曲して形成され角部領域50に固定された屈曲部71と、屈曲部71から車両中央側に向かって延在する前方装飾部72と、屈曲部71から車両後側に向かって延在する側方装飾部73とを有する。前方装飾部72は、左右方向において前方領域51に対し摺動可能な状態で当該前方領域51に係合される。側方装飾部73は、前後方向において側方領域52に対し摺動可能な状態で当該側方領域52に係合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用ヘッドライトなどの車両用前照灯として、透光カバーを介してヘッドランプや車幅灯(ポジションランプ)の光を車両前方へ照射するものが知られている。このような車両用前照灯においては、ヘッドランプや車幅灯からの光が車両前方の所定の範囲に亘って照射されるように、ECE(Economic Commission for Europe)規格などの法規が規定されている。
【0003】
ところで、近年の車両用前照灯においては、デザイン性の向上を図るべく、めっき処理された帯状の装飾部材、いわゆるモールを透光カバーに設ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。このモールは、透光カバーの表面形状に合わせて屈曲して形成されており、複数の箇所で当該透光カバーに固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−14423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、透光カバーと、めっき処理されたモールとでは膨張係数が異なるため、モールを透光カバーに複数の箇所で固定してしまうと、夏場等の高温条件下で両者の変形量に差異が生じ、破損を引き起こしてしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、破損を防止することのできる車両用前照灯の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
少なくとも1つの光源と、前記光源の前方を覆う透光カバーと、前記透光カバーに固定された帯状の装飾部材とを備え、車両の前部左右端に設けられて前記光源からの光を車両前方へ照射する車両用前照灯において、
前記透光カバーは、
屈曲して形成され車両の前部側端の角部に位置する角部領域と、
前記角部領域から車両前面の中央側に向かって延在する前方領域と、
前記角部領域から車両後側に向かって延在する側方領域とを有しており、
前記装飾部材は、
屈曲して形成され前記角部領域に固定された屈曲部と、
前記屈曲部から車両前面の中央側に向かって延在する前方装飾部と、
前記屈曲部から車両後側に向かって延在する側方装飾部とを有しており、
前記前方装飾部は、
当該前方装飾部の延在方向において前記前方領域に対し摺動可能な状態で、当該前方領域に係合されており、
前記側方装飾部は、
当該側方装飾部の延在方向において前記側方領域に対し摺動可能な状態で、当該側方領域に係合されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用前照灯において、
前記前方領域及び前記前方装飾部の一方の部材には、
他方の部材に向かって突出する突起部が固設され、
前記他方の部材には、
前記突起部を内部に挿通させるとともに、前記前方装飾部の延在方向において前記突起部よりも長尺な長穴が設けられ、
前記前方装飾部は、
前記突起部が前記長穴に挿通されることで、前記前方領域に係合されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用前照灯において、
前記前方装飾部は、
前記前方領域に対して2箇所以上で係合されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用前照灯において、
前記装飾部材は、
前記透光カバーの外面に固定されており、
前記側方領域には、
車両後側に向かって窪むよう穴部が設けられており、
前記側方装飾部の裏面における車両後側の端部には、
前記穴部に挿入される突起部が設けられており、
前記側方装飾部は、
前記突起部が前記穴部に挿入されることで、前記側方領域に係合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、装飾部材の屈曲部は透光カバーの角部領域に固定され、装飾部材の前方装飾部は当該前方装飾部の延在方向において透光カバーの前方領域に対し摺動可能な状態で、当該前方領域に係合されており、装飾部材の側方装飾部は当該側方装飾部の延在方向において透光カバーの側方領域に対し摺動可能な状態で、当該側方領域に係合されているので、夏場等の高温条件下で透光カバーと装飾部材との間に変形量の差異が生じる場合であっても、前方装飾部及び前方領域、或いは、側方装飾部及び側方領域が互いに摺動することにより、この変形量の差異が吸収されることとなる。従って、装飾部材を透光カバーに複数の箇所で固定する場合であっても、破損を防止することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前方装飾部は前方領域に対して2箇所以上で係合されているので、前方領域に対する前方装飾部のがたつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における車両用前照灯を示す図であり、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図2】実施形態における車両用前照灯を示す分解斜視図である。
【図3】(a)はモールを裏面側から見た斜視図であり、(b)は係合穴部とクリップとの係合状態を示す図である。
【図4】図1(b)におけるI−I線,II−II線,III−III線,IV−IV線での断面を示す複合断面図である。
【図5】モールと透光カバーとの係合状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
<車両用前照灯の構成>
まず、本発明に係る車両用前照灯の構成について説明する。
図1(a),(b)は、本実施形態における車両用前照灯1の正面図,斜視図である。
【0016】
この図に示すように、車両用前照灯1は、図示しない車両の前部左右端に1つずつ設けられ、車両前方へ光を照射するものである。なお、これら2つの車両用前照灯は左右対称であるので、本実施形態では、車両に正対して右側(車両進行方向に向かって左側)に配置されたものを例に挙げて説明する。
【0017】
この車両用前照灯1は、車両の前方及び側方に開口したランプボディ2を有しており、ランプボディ2には、2つの光源群3,4が上下に並んだ状態で配設されている。
【0018】
これら光源群3,4のうち、下側に位置する光源群3は、車両中央側から車両側端側へ向かって光源30,31を有している。光源30,31は、主に路面等の照射を担うものであり、本実施の形態においては、光源30はすれ違いビーム用、光源31は走行ビーム用となっている。これら光源30及び光源31には、その光を前方へ反射させるための反射鏡30A及び反射鏡31Aが設けられている。また、光源30,光源31の下方には、装飾部品35が略水平に配置されている。
【0019】
一方、上側に位置する光源群4は、対向車等に自車の車幅を知らせるための車幅灯40を有している。この車幅灯40には、所定の灯色が得られるように彩色されたインナーレンズ40Aが前方に設けられている。
【0020】
以上の光源群3,4は、ランプボディ2の開口部に合わせて配設された透光カバー5によって前方及び側方を覆われている。
透光カバー5は、光源群3,4からの光を車両前方に透過させるものである。なお、本実施の形態においては、透光カバー5はポリカーボネート樹脂製であり、この樹脂の線膨張係数は7×10−5(1/℃)程度となっている。
【0021】
この透光カバー5は、図1(b)に示すように、屈曲して形成され車両の前部側端の角部(図中では右手前端の角部)に位置する角部領域50と、角部領域50から車両前面の中央側(フロントグリル側)に向かって延在する前方領域51と、角部領域50から車両後側に向かって延在する側方領域52とを有している。
【0022】
これら角部領域50、前方領域51及び側方領域52は、図2に示すように、光源群3,4の間で略水平に延在する溝部6によって、上下に仕切られている。
【0023】
この溝部6は、車両後側に向かって窪むように形成されており、略鉛直な底面60を有している。
この底面60における角部領域50内の部分と、前方領域51内の部分とには、それぞれ四角柱状のクリップ61,62が車両前方に突出するように立設されている。
【0024】
これらクリップ61,62は、後述のモール7と係合するものである。このうち、クリップ61は、図3(b)に示すように、モール7と係合するための爪65,65を上下左右の側周面のうち、左右の面に有している。また、クリップ62は本発明における突起部であり、爪65,65を上下の面に有している。なお、本実施の形態におけるクリップ61,62は、溝部6に対してねじ留めで固定されている。
【0025】
また、図2に示すように、溝部6における車両後側の端部には、車両後側に向かって窪むように係合穴部66が設けられており、溝部6における車両中央側の端部には、車両の前後方向に貫通したねじ穴67が設けられている。
【0026】
このうち、係合穴部66は、車両左右方向に幅の狭い偏平な形状となっており、図4に示すように、後述のモール7における係合突起部73Aを挿通させている。
【0027】
また、ねじ穴67は、図2に示すように、後述のモール7におけるねじNを内部に挿通させるものであり、車両左右方向において当該ねじNの径よりも長尺な長穴となっている。
【0028】
以上の溝部6は、非透光性の帯状のモール7によって覆われている。
モール7は、本発明における装飾部材であり、溝部6に嵌め込まれた状態で、透光カバー5の外面に固定されている。
このモール7は、図2,図3(a)に示すように、長手方向に垂直な断面において略L字状に形成されており、略鉛直に配設されたモール本体部7Aと、モール本体部7Aの上縁に沿って略水平に配設された上面部7Bとを有している。また、このモール7は、平面視略L字状に形成されており、屈曲部71と、前方装飾部72と、側方装飾部73とを有している。
【0029】
このうち、モール本体部7Aの裏面(溝部6側の面)7Cには、図3(a)に示すように、フェルトFが設けられており、モール7と透光カバー5との間に生じる衝撃が緩和されるようになっている。
【0030】
また、屈曲部71は、前方装飾部72及び側方装飾部73の間で屈曲して形成されており、図2に示すように、透光カバー5の角部領域50に沿って配設されている。図3(a)に示すように、屈曲部71におけるモール本体部7Aの裏面7C側には環状部材710が配設されており、この環状部材710は、車両前方へ向かって窪んだ係合穴部710Aを、クリップ61の対向位置に有している。なお、図4に示すように、本実施の形態における環状部材710は、車両後側の端面がモール本体部7Aの裏面7Cから離間した状態となるよう、当該裏面7Cから立設されている。
【0031】
係合穴部710Aは、図3(b)に示すように、クリップ61と同サイズの四角形状に形成されており、図4に示すように、内部にクリップ61を挿通させて、当該クリップ61と嵌合している。これにより、モール7は屈曲部71の位置で透光カバー5に位置決め固定される。また、クリップ61の左右側面に設けられた爪65,65が係合穴部710Aの左右内縁と係合する結果、車両左右方向におけるモール7の移動が確実に防止される。
【0032】
また、図2に示すように、前方装飾部72は、屈曲部71から車両前面の中央側に向かって延在しており、本実施の形態においては、フロントグリル(図示せず)まで延在して当該フロントグリルと直線状をなしている。図3(a)に示すように、この前方装飾部72におけるモール本体部7Aの裏面7C側には環状部材720が配設されており、この環状部材720は、車両前方へ向かって窪んだ係合穴部720Aを、クリップ62の対向位置に有している。なお、図4に示すように、本実施の形態における環状部材720は、車両後側の端面がモール本体部7Aの裏面7Cから離間した状態となるよう、モール本体部7Aの裏面7Cまたは上面部7Bの裏面7Dから立設されている。
【0033】
係合穴部720Aは、図3(b)に示すように、車両左右方向(前方装飾部72の延在方向)においてクリップ62の幅よりも長尺で、かつ、上下方向にクリップ62と同サイズの四角形状の長穴に形成されており、図4に示すように、内部にクリップ62を挿通させている。これにより、クリップ62が係合穴部720Aに対して車両左右方向に摺動可能な状態で当該係合穴部720Aに係合され、その結果、モール7の前方装飾部72は、透光カバー5の前方領域51に対して左右方向(前方装飾部72の延在方向)に摺動可能な状態で、当該前方領域51に係合される。また、クリップ62の上下側面に設けられた爪65,65が係合穴部720Aの上下内縁と係合する結果、上下方向におけるモール7の移動が確実に防止される。
【0034】
また、図2に示すように、前方装飾部72における車両中央側の端部には、ねじ穴700を介してねじNが固定されている。
ねじNは、本発明における突起部であり、図2,図4に示すように、ねじ穴700に挿通されて前方装飾部72に固定されるとともに、透光カバー5のねじ穴67、つまり車両左右方向に長尺なねじ穴67に挿通されている。これにより、ねじNがねじ穴67に対して車両左右方向に摺動可能な状態でねじ穴67に係合され、その結果、モール7の前方装飾部72は、透光カバー5の前方領域51に対して左右方向(前方装飾部72の延在方向)に摺動可能な状態で、当該前方領域51に係合される。なお、本実施の形態におけるねじNは、軸部基端側にストレート部(ねじ山のない部分)を有する段付きねじであり、ストレート部の側周面でねじ穴67の内周面に当接している。
【0035】
また、側方装飾部73は、図2,図3(a)に示すように、屈曲部71から車両後側に向かって延在している。図3(a),図4に示すように、側方装飾部73の車両後側の端部におけるモール本体部7Aの裏面7Cには、車両後側に向かって突出した係合突起部73Aが設けられている。
【0036】
この係合突起部73Aは、図4に示すように、透光カバー5の係合穴部66に挿入されている。これにより、係合突起部73Aが係合穴部66に対して車両前後方向に摺動可能な状態で当該係合穴部66に係合され、その結果、モール7の側方装飾部73は、透光カバー5の側方領域52に対して車両前後方向(側方装飾部73の延在方向)に摺動可能な状態で、当該側方領域52に係合される。なお、図3(a)に示すように、本実施の形態においては、係合突起部73AはフェルトFによって表面を覆われており、当該係合突起部73Aと係合穴部66との間に生じる衝撃が緩和されるようになっている。但し、図4ではフェルトFの図示を省略している。
【0037】
以上のようなモール7は、ABS樹脂をクロム等でめっきすることにより形成されている。ここで、ABS樹脂としては、線膨張係数が9×10−5(1/℃)程度のものを用いることができ、めっき層としては、線膨張係数が1×10−5(1/℃)程度のものを用いることができる。
【0038】
<製造方法>
続いて、上記の車両用前照灯1の製造方法について説明する。
【0039】
まず、図2の矢印記号に示すように、車両前側から車両後側に向かう方向に沿って、透光カバー5の溝部6にモール7を嵌め込む。
このとき、図4に示すように、モール7の屈曲部71における裏面7Cの係合穴部710Aに対し、透光カバー5における溝部6のクリップ61が挿通される。これによりモール7は屈曲部71の位置で透光カバー5に位置決め固定される。
【0040】
また、このとき透光カバー5の溝部6における係合穴部66に対し、モール7における側方装飾部73の係合突起部73Aが挿入される。これにより、モール7の側方装飾部73が、透光カバー5の側方領域52に対して車両前後方向(側方装飾部73の延在方向)に摺動可能な状態で、当該側方領域52に係合される。
【0041】
また、このときモール7の前方装飾部72における裏面の係合穴部720Aに対し、透光カバー5における溝部6のクリップ62が挿通される。これにより、モール7の前方装飾部72が、透光カバー5の前方領域51に対して左右方向(前方装飾部72の延在方向)に摺動可能な状態で、当該前方領域51に係合される。
【0042】
次に、モール7の前方装飾部72におけるねじ穴700と、透光カバー5におけるねじ穴67とにねじNを挿通させてモール7と透光カバー5とを締結する。これにより、モール7の前方装飾部72が、透光カバー5に対して左右方向(前方装飾部72の延在方向)に摺動可能な状態で、当該透光カバー5に係合される。
【0043】
<作用・効果>
以上の車両用前照灯1によれば、モール7の屈曲部71は透光カバー5の角部領域50に固定され、前方装飾部72は当該前方装飾部72の延在方向において透光カバー5の前方領域51に対し摺動可能な状態で、当該前方領域51に係合されており、側方装飾部73は当該側方装飾部73の延在方向において透光カバー5の側方領域52に対し摺動可能な状態で、当該側方領域52に係合されているので、図5に示すように、夏場等の高温条件下で透光カバー5とモール7との間に変形量の差異が生じる場合であっても、前方装飾部72及び前方領域51、或いは、側方装飾部73及び側方領域52が互いに摺動することにより、この変形量の差異が吸収されることとなる。従って、モール7を透光カバー5に複数の箇所で固定する場合であっても、破損を防止することができる。
【0044】
また、前方装飾部72は前方領域51に対して2箇所以上で係合されているので、前方領域51に対する前方装飾部72のがたつきを防止することができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
【0046】
例えば、上記実施形態では、クリップ61,62が透光カバー5に設けられ、係合穴部70A,71Aがモール7に設けられることとして説明したが、クリップ61,62がモール7に、係合穴部70A,71Aが透光カバー5に設けられることとしても良い。
【0047】
また、モール7における前方装飾部72の車両中央側端部と透光カバー5とはねじ穴700、67及びねじNを介して係合することとして説明したが、側方装飾部73と透光カバー5との係合(係合突起部73A及び係合穴部66を介した係合)と同様の態様で係合することとしても良い。同様に、側方装飾部73と透光カバー5とは係合突起部73A及び係合穴部66を介して係合することとして説明したが、モール7における前方装飾部72の車両中央側端部と透光カバー5との係合(ねじ穴700、67及びねじNを介した係合)と同様の態様で係合することとしても良い。
【0048】
また、前方装飾部72は2点で透光カバー5と係合することとして説明したが、1点で係合することとしても良いし、3点以上で係合することとしても良い。また、側方装飾部73は1点で透光カバー5と係合することとして説明したが、2点以上で係合することとしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 車両用前照灯
30,31,40 光源
5 透光カバー
7 モール(装飾部材)
50 角部領域
51 前方領域
52 側方領域
62 クリップ(突起部)
66 係合穴部(穴部)
67 ねじ穴(長穴)
71 屈曲部
72 前方装飾部
73 側方装飾部
73A 係合突起部(突起部)
720A 係合穴部(長穴)
N ねじ(突起部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源と、前記光源の前方を覆う透光カバーと、前記透光カバーに固定された帯状の装飾部材とを備え、車両の前部左右端に設けられて前記光源からの光を車両前方へ照射する車両用前照灯において、
前記透光カバーは、
屈曲して形成され車両の前部側端の角部に位置する角部領域と、
前記角部領域から車両前面の中央側に向かって延在する前方領域と、
前記角部領域から車両後側に向かって延在する側方領域とを有しており、
前記装飾部材は、
屈曲して形成され前記角部領域に固定された屈曲部と、
前記屈曲部から車両前面の中央側に向かって延在する前方装飾部と、
前記屈曲部から車両後側に向かって延在する側方装飾部とを有しており、
前記前方装飾部は、
当該前方装飾部の延在方向において前記前方領域に対し摺動可能な状態で、当該前方領域に係合されており、
前記側方装飾部は、
当該側方装飾部の延在方向において前記側方領域に対し摺動可能な状態で、当該側方領域に係合されていることを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記前方領域及び前記前方装飾部の一方の部材には、
他方の部材に向かって突出する突起部が固設され、
前記他方の部材には、
前記突起部を内部に挿通させるとともに、前記前方装飾部の延在方向において前記突起部よりも長尺な長穴が設けられ、
前記前方装飾部は、
前記突起部が前記長穴に挿通されることで、前記前方領域に係合されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記前方装飾部は、
前記前方領域に対して2箇所以上で係合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記装飾部材は、
前記透光カバーの外面に固定されており、
前記側方領域には、
車両後側に向かって窪むよう穴部が設けられており、
前記側方装飾部の裏面における車両後側の端部には、
前記穴部に挿入される突起部が設けられており、
前記側方装飾部は、
前記突起部が前記穴部に挿入されることで、前記側方領域に係合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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