車両用灯具及びそれ用の光源ユニット
【課題】直射投影型の車両用灯具においてカットオフラインが鮮明に表れるようにするとともに、対向車に対してグレアが発生しないようにする。
【解決手段】車両用灯具1は、左右方向に間隔をおいて配列された発光素子チップ52R,52C、52Lと、発光素子チップ52R,52C、52Lの前方に配置され、発光素子チップ52R,52C、52Lから発した光を前方に投影する投影レンズ4と、を備える。発光素子チップ52R,52C、52Lは、正面視で正方形に形成されている。発光素子チップ52R,52C、52Lは同一サイズである。発光素子チップ52R,52C、52Lの上辺が水平である。発光素子チップ52R,52Lが、発光素子チップ52Cよりも上にずれて配置されている
【解決手段】車両用灯具1は、左右方向に間隔をおいて配列された発光素子チップ52R,52C、52Lと、発光素子チップ52R,52C、52Lの前方に配置され、発光素子チップ52R,52C、52Lから発した光を前方に投影する投影レンズ4と、を備える。発光素子チップ52R,52C、52Lは、正面視で正方形に形成されている。発光素子チップ52R,52C、52Lは同一サイズである。発光素子チップ52R,52C、52Lの上辺が水平である。発光素子チップ52R,52Lが、発光素子チップ52Cよりも上にずれて配置されている
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具及びそれ用の光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
直射投影型の車両用灯具は発光ダイオード及び投影レンズを備えており、発光ダイオードから発した光が投影レンズによって前方に投影される(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。すれ違いビームやフォグランプビームは明部の上端にカットオフラインを有する配光である。カットオフラインを有する配光を直射投影型の車両用灯具によって形成するには、発光ダイオードの一辺を水平にして、その辺を投影レンズによって水平カットオフラインとして投影する方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。発光ダイオードと投影レンズの間にシェードを配置し、そのシェードの上縁を投影レンズによってカットオフラインとして投影する方法もある(例えば、特許文献3参照)。発光ダイオードと投影レンズからなるユニットを複数個並べて、何れかの発光ダイオードの一辺を水平にし、他の発光ダイオードの一辺を水平方向に対して傾斜させることで、斜めカットオフライン及び水平カットオフラインを形成する方法もある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−108570号公報
【特許文献2】特開2009−104933号公報
【特許文献3】特開2009−134964号公報
【特許文献4】特許第4002207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1,2に記載の技術では、発光ダイオードの水平な一辺のうち投影レンズの光軸に近い部分は投影レンズによって鮮明に投影されるが、投影レンズの光軸から離れた部分はぼけて投影されてしまう。そのため、カットオフラインが不明瞭になる。更に、光軸を通る水平面よりも上に向かう光もあるから、対向車に対するグレアの要因となってしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、直射投影型の車両用灯具においてカットオフラインが鮮明に表れるようにするとともに、対向車に対してグレアが発生しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る車両用灯具用の光源ユニットは、左右方向に間隔をおいて配列された3つ以上の発光素子チップを備え、前記3つ以上の発光素子チップが正面視で正方形に形成され、前記3つ以上の発光素子チップが同一サイズであり、前記3つ以上の発光素子チップの一対の対辺が水平であり、前記3つ以上の発光素子チップのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されている。
【0006】
好ましくは、前記光源ユニットが、前記3つ以上の発光素子チップが個別に埋め込まれ、左右方向に隣接して配列され、光を透過させる3つ以上の封止材を更に備え、前記3つ以上の封止材が正面視で正方形に形成され、前記3つ以上の封止材が同一サイズであり、前記3つ以上の封止材の一対の対辺が水平であり、前記3つ以上の封止材と前記3つ以上の発光素子チップとがそれぞれ同心であり、前記3つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されている。
【0007】
好ましくは、前記光源ユニットが、前記3つ以上の発光素子チップが埋め込まれ、光を透過させる封止材を更に備え、前記封止材が正面視で長方形に形成され、その長辺が水平である。
【0008】
本発明に係る車両用灯具が、前記光源ユニットと、前記3つ以上の発光素子チップの前方に配置され、前記発光素子チップから発した光を前方に投影する投影レンズと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップがそれよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れる。
更に、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップによって形成される配光パターンのうち、灯具光軸を通る水平線よりも上に形成される明部が狭くて暗くなる。そのため、対向車の運転手を眩惑させない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用灯具の鉛直断面図である。
【図2】同実施形態における車両用灯具の水平断面図である。
【図3】同実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図4】図3に図示のIV−IVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図5】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図6】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットのの正面図である。
【図7】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図8】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図9】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図10】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図11】左右の発光素子パッケージの下辺と中央の発光素子パッケージの下辺とのずれ量と、光軸を通る水平線より上の光束との関係を示したグラフである。
【図12】左右の発光素子パッケージの下辺と中央の発光素子パッケージの下辺とのずれ量と、カットオフG値との関係を示したグラフである。
【図13】第2実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図14】図13に図示のXIV−XIVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図15】第3実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図16】図15に図示のXVI−XVIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図17】第4実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図18】図17に図示のXVIII−XVIIIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図19】第5実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図20】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図21】第6実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図22】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態に係る車両用灯具及びその光源ユニットについて図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、車両用灯具が装備された車両の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、車両の後ろから前に向かって見て(いわゆる運転手の視点で見て)、「左」、「右」を定める。
【0012】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明を適用した実施形態に係る車両用灯具1の鉛直断面図である。図2は、車両用灯具1の水平断面図である。何れの断面も、車両用灯具1の光軸を含む面である。
【0013】
この車両用灯具1は、すれ違い用ヘッドランプ、フロントフォグランプ又はコーナーリングランプとして用いられる灯具である。この車両用灯具1は、ハウジング2、アウターレンズ3、投影レンズ4及び光源ユニット5等を備える。
【0014】
ハウジング2は、前側において開口するようカップ状に設けられている。ハウジング2にはアウターレンズ3が取り付けられ、ハウジング2の前側開口がアウターレンズ3によって塞がれている。ハウジング2及びアウターレンズ3によって囲われた灯室23がハウジング2及びアウターレンズ3の内側に形成されている。灯室23内には、投影レンズ4、発光素子パッケージ5R,5C,5L及びレンズホルダ43が収容されている。
【0015】
ハウジング2の奥側の壁21の前面には、光源取付台22が設けられている。光源取付台22の前面には、光源ユニット5が設けられている。光源ユニット5は発光素子パッケージ5R,5C,5Lを有し、これら発光素子パッケージ5R,5C,5Lは回路基板59に搭載され、この回路基板59は光源取付台22の前面に取り付けられ、発光素子パッケージ5R,5C,5Lは前に向いている。
【0016】
ハウジング2の奥側の壁21の後面には、複数の放熱フィン27が凸設されている。これら放熱フィン27によって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した熱が放熱される。
【0017】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lの前側にはレンズホルダ43が配設されている。このレンズホルダ43には開口44が形成され、投影レンズ4が開口44を塞ぐようにしてレンズホルダ43に取り付けられている。レンズホルダ43がハウジング2の内側に取り付けられている。
【0018】
投影レンズ4は前後に延びる光軸Axを有し、投影レンズ4の光軸Axと車両用灯具1の光軸が略一致する。投影レンズ4は、光軸Axを通る鉛直面に関して左右対称な凸レンズであって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した直接光を前方に投影するものである。投影レンズ4は、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した直接光が入射される後ろ側の入射面41と、入射面41に入射した入射光を前方に出射させる前側の出射面42と、を有する。後ろ側の入射面41の上の部分が左右に湾曲したシリンドリカル状の凹面とされ、入射面41の下の部分が球面又は非球面状の凹面とされている。前側の出射面42は、球面状又は非球面状の凸面である。なお、投影レンズ4が左右非対称な凸レンズであってもよい。
【0019】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lについて図3及び図4を参照して具体的に説明する。図3は、発光素子パッケージ5R,5C,5Lの正面図である。図4は、図3に図示のIV−IVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0020】
図3及び図4に示すように、発光素子パッケージ5R,5C,5Lは何れも同じものである。発光素子パッケージ5R,5C,5Lは、正面視で略正方形型に形成されている。
【0021】
発光素子パッケージ5Rは基板51R、発光素子チップ52R及び封止材53Rを有する。
基板51Rは、正方形平板状に設けられている。基板51R上に発光素子チップ52Rが実装されている。封止材53Rが基板51R上に堆積され、発光素子チップ52Rが封止材53Rに埋め込まれている。
【0022】
封止材53Rは正面視で正方形型に形成されている。正面視で封止材53Rの上辺が発光素子パッケージ5Rの上辺となり、封止材53Rの下辺が発光素子パッケージ5Rの下辺となり、封止材53Rの左辺が発光素子パッケージ5Rの左辺となり、封止材53Rの右辺が発光素子パッケージ5Rの右辺となる。
発光素子チップ52Rは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の発光ダイオードである。正面視で、封止材53Rの中心と発光素子チップ52Rの中心が揃っている。正面視で、発光素子チップ52Rの上辺、下辺、左辺及び右辺は封止材53Rの上辺、下辺、左辺及び右辺とそれぞれ平行である。なお、発光素子チップ52Rが、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子その他の半導体発光素子であってもよい。
【0023】
封止材53Rは発光素子チップ52Rから発した光を拡散させる。つまり、封止材53Rは透明な母材と、その母材に分散した微粒子又は細孔とからなり、発光素子チップ52Rから発した光は封止材53Rを透過する際に微粒子又は細孔によって拡散する。なお、封止材53Rの透明な母材に微粒子や細孔がなく、封止材53Rが発光素子チップ52Rの光を素通ししてもよい。
【0024】
発光素子パッケージ5Rの基板51Rが後ろを向いて回路基板59に接し、発光素子パッケージ5Rの発光素子チップ52R及び封止材53Rが前方に向くようにして、発光素子パッケージ5Rが回路基板59に搭載されている。
【0025】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子パッケージ5Lは発光素子パッケージ5Rと同様に基板51L、発光素子チップ52L及び封止材53Lを有し、発光素子パッケージ5Cも発光素子パッケージ5Rと同様に基板51C、発光素子チップ52C及び封止材53Cを有する。発光素子チップ52R,52C,52Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材53R,53C,53Lは同一のサイズ及び同一の形状である。発光素子パッケージ5C,5Lは発光素子パッケージ5Rと同様にして回路基板59に搭載されている。
【0026】
これら発光素子パッケージ5R,5C,5Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ5Rが発光素子パッケージ5Cの右に配置され、発光素子パッケージ5Lが発光素子パッケージ5Cの左に配置されている。発光素子パッケージ5Rの封止材53Rと発光素子パッケージ5Cの封止材53Cが隣接し、発光素子パッケージ5Cの封止材53Cと発光素子パッケージ5Lの封止材53Lが隣接している。なお、“隣接”とは“隣に”という意味であって、必ずしも直接接していることを意味しない。従って、封止材53Rと封止材53Cが接してもよいし、離れていてもよい。封止材53Cと封止材53Lが接してもよいし、離れていてもよい。例えば、封止材53R,53C,53Lが0.5mm程度の僅かな距離を置いて等間隔に配列されていれば、熱による発光素子チップ52R,52C,52Lの劣化を防ぐことができる。
また、正面視で封止材53R,53C,53Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0027】
発光素子チップ52R,52C,52Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ52R,52C,52Lの4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0028】
左右の発光素子パッケージ5R,5Lは中央の発光素子パッケージ5Cよりも上にずれており、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と中央の発光素子パッケージ5Cの下辺との間に段差がある。そのため、左右の発光素子チップ52R,52Lは、中央の発光素子チップ52Cよりも上にずれており、左右の封止材53R,53Lは、中央の封止材53Cよりも上にずれている。例えば、左右の発光素子チップ52R,52Lは、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が中央の発光素子チップ52Cの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ52Cよりも上にずれている。具体的な数値を挙げると、発光素子チップ52R,52C,52Lが正面視で1mm四方の正方形であり、封止材53R,53C,53Lが正面視で3.8mm四方の正方形である場合、発光素子チップ52R,52Lの下辺と発光素子チップ52Cの下辺とのずれ量x[mm]は0<x≦0.5であることが好ましく、x=0.3であることが更に好ましい。
【0029】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右の封止材53R,53Lの下辺が互いに揃っており、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が互いに揃っており、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺が互いに揃っている。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右の封止材53R,53Lの下辺が上下にずれ、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が上下にずれ、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺が上下にずれている。なお、投影レンズ4が左右非対称なレンズである場合、左右の発光素子チップ52R,52Lのうち一方の下辺が中央の発光素子チップ52Cの下辺と揃い、他方の下辺が中央の発光素子チップ52Cの下辺から上にずれてもよい(図5又は図6参照)。その場合、左右の封止材53R,53Lのうち一方の下辺が中央の封止材53Cの下辺と揃い、他方の下辺が中央の封止材53Cの下辺から上にずれている。
【0030】
投影レンズ4の光軸Axは、中央の発光素子パッケージ5Cの中心、つまり、中央の発光素子チップ52Cの中心又はその近傍で発光素子パッケージ5C及び発光素子チップ52Cに交差している。投影レンズ4の焦点は、中央の発光素子チップ52Cの中心又はその近傍に位置している。
【0031】
続いて、車両用灯具1の点灯時の光の進行について説明するとともに、車両用灯具1によって前方に形成される配光パターンについて説明する。
発光素子パッケージ5Cの発光素子チップ52Cが発光すると、発光素子チップ52Cから発した光が封止材53Cを拡散透過して、封止材53Cの表面から出射する。発光素子パッケージ5R,5Lの発光素子チップ52R,52Lが発光した場合も同様である。
【0032】
封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光が投影レンズ4の入射面41に入射し、入射面41に入射した光が出射面42によって屈折して出射面42から出射する。これにより、投影レンズ4が発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した光を前方に投影し、図7〜図10に示すような配光パターンPc,Pr,Pl,Pが前方に形成される。
【0033】
図7〜図10は、投影レンズ4に正対した仮想スクリーンに形成される配光パターンPc,Pr,Pl,Pを等照度線で示した図面である。図7に示す配光パターンPcは、中央の発光素子パッケージ5C及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図8に示す配光パターンPrは、後ろから前に向かって見て右に配置された発光素子パッケージ5R及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図9に示す配光パターンPlは、後ろから前に向かって見て左に配置された発光素子パッケージ5L及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図10に示す配光パターンPは、配光パターンPc,Pr,Plを合成したものである。図7〜図10において、車両用灯具1の光軸と仮想スクリーンの交点を原点(鉛直方向の位置及び水平方向の位置がともにゼロ°である。)とし、鉛直方向の位置及び水平方向の位置を車両用灯具1の光軸からの角度で表している。V線は、車両用灯具1の光軸に直交して仮想スクリーンに沿って鉛直方向に延びた線である。H線は、車両用灯具1の光軸に直交して仮想スクリーンに沿って水平方向に延びた線である。
【0034】
投影レンズ4は、鉛直面内において、封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光を前方に向けてほぼ平行光として投影する。投影レンズ4は、水平面内において、封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光を水平方向(左右方向)に拡散させるよう前方へ向けて出射させる。そのため、図7〜図10に示すように、配光パターンPc,Pr,Pl,Pは、左右方向に広がって、上下方向を絞ったものとなる。この配光パターンPc,Pr,Pl,Pは、上端部にカットオフライン(明暗境界線)Lc,Lr,Ll,Lを有する。
【0035】
投影レンズ4は、中央の発光素子パッケージ5Cの光源像を上下左右に反転して、仮想スクリーンに拡大投影する。発光素子パッケージ5Cの光源像とは、発光素子チップ52Cの発光によって封止材53Cの表面において光った像をいう。投影レンズ4の光軸Axが中央の発光素子パッケージ5Cの中心に交差しているため(図3参照)、図7に示すように、配光パターンPcの中で最も照度の高い点ScがV線上に表れる。発光素子パッケージ5Cの光源像が投影レンズ4によって上下左右に反転して投影されるため、発光素子パッケージ5Cの下辺が配光パターンPcのカットオフラインLcとして仮想スクリーンに投影されて、配光パターンPcのカットオフラインLcが発光素子パッケージ5Cの下辺から形成される。カットオフラインLcは、H線に沿って形成される。
【0036】
投影レンズ4は、左に配置された発光素子パッケージ5Lの光源像を上下左右に反転して、仮想スクリーンに拡大投影する。左の発光素子パッケージ5Lの中心が投影レンズ4の光軸Axから左にずれているため(図3参照)、図9に示すように、配光パターンPlの中で最も照度の高い点SlがV線の右側に表れる。発光素子パッケージ5Lの下辺が配光パターンPlのカットオフラインLlとして仮想スクリーンに投影されて、配光パターンPlのカットオフラインLlが発光素子パッケージ5Lの下辺から形成される。左の発光素子パッケージ5Lが中央の発光素子パッケージ5Cから上にずれているとともに、左の発光素子チップ52Lが中央の発光素子チップ52Cから上にずれているため、カットオフラインLlがカットオフラインLcの下に形成される。カットオフラインLlは、H線よりも僅かに下においてH線と略平行になるように形成される。
【0037】
図9に示すように、V線の左側では、カットオフラインLlがH線から上に盛り上がっているが、H線よりも上に形成される領域Blが狭くなっているとともに、その領域Blは明るくはない。これは、左の発光素子チップ52Lが中央の発光素子チップ52Cから上にずれているためである。
【0038】
配光パターンPc,Pr,Plが合成されて、図10に示すような配光パターンPが仮想スクリーンに形成される。配光パターンPが明るく、カットオフラインLよりも上の領域と下の領域の明暗差が大きいから、カットオフラインLが鮮明に表れる。特に、V線の右側においてH線よりも上に形成される領域Brが狭くて暗く(図8参照)、V線の左側においてH線よりも上に形成される領域Blが狭くて暗いから(図9参照)、中央の発光素子パッケージ5Cによって形成されたカットオフラインLcが領域Br,Blによって不鮮明になりにくい。そのため、カットオフラインLが鮮明に表れる。
また、V線の近傍では、カットオフラインLr,LlがH線よりも僅か下に形成されるから、カットオフラインLcの明瞭性がカットオフラインLr,Llによって高まる。そのため、カットオフラインLが鮮明に表れる。
また、H線よりも上に形成される領域Br,Blが狭くて暗いから、配光パターンPにおいてもV線の両側でH線よりも上に形成される明部が狭くて暗い。そのため、対向車に対するグレアの要因になりにくい。
【0039】
図11は、発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と発光素子パッケージ5Cの下辺とのずれ量x(図3参照)と、H線より上の光束との関係を示したグラフである。図11はシミュレーションによって求めた結果であり、発光素子チップ52R,52C,52Lを正面視で1mm四方の正方形とし、発光素子パッケージ5R,5C,5L及び封止材53R,53C,53Lを正面視で3.8mm四方の正方形とした。H線より上の光束については、右の発光素子パッケージ5Rによるものと、3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lによるものを求めた。図11から明らかなように、ずれ量xが大きくなるにつれて、H線より上の光束が低くなる。
【0040】
図12は、発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と発光素子パッケージ5Cの下辺とのずれ量x(図3参照)とカットオフG値との関係を示したグラフである。図12はシミュレーションによって求めた結果であり、発光素子チップ52R,52C,52Lを正面視で1mm四方の正方形とし、発光素子パッケージ5R,5C,5L及び封止材53R,53C,53Lを正面視で3.8mm四方の正方形とした。また、V線上の各点のG値を次式により求め、得られたG値の中の最大値がV線におけるカットオフG値である。同様に、V線から右に3°の鉛直線上の各点のG値を次式により求め、得られたG値の中の最大値がその鉛直線におけるカットオフG値である。次式において、aはH線から上下の角度であり、E(a)は角度aでの明るさである。カットオフG値をとる位置(角度a)がカットオフ位置である。カットオフG値とは、カットオフ位置よりも上の部分と下の部分の明暗差を表す指標であり、カットオフG値が大きければ、明暗差も大きい。
【0041】
【数1】
【0042】
図12から明らかなように、ずれ量xが0.3mmの場合に、カットオフG値が最大になって、カットオフ位置よりも上の部分と下の部分の明暗差が大きい。
【0043】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第2実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第2実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0044】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は図3及び図4に示すように3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第2実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット105は図13及び図14に示すような1つの発光素子パッケージ105Aを備える。図13及び図14を参照して、発光素子パッケージ105Aについて具体的に説明する。図13は、発光素子パッケージ105Aの正面図であり、図14は、図13に図示のXIV−XIVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0045】
発光素子パッケージ105Aは基板151、発光素子チップ152R,152C,152L及び封止材153を有する。
基板151は、長方形平板状に設けられている。基板151上に発光素子チップ152R,152C,152Lが実装されている。封止材153が基板151上に堆積され、発光素子チップ152R,152C,152Lが封止材153に埋め込まれている。発光素子パッケージ105Aの基板151が後ろを向き、発光素子パッケージ105Aの発光素子チップ152R,152C,152L及び封止材153が前方に向くようにして、発光素子パッケージ105Aが回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。
【0046】
封止材153は正面視で長方形型に形成されている。正面視で封止材153の長辺が水平になっている。正面視で封止材153の上辺(長辺)が発光素子パッケージ105Aの上辺となり、封止材153の下辺が発光素子パッケージ105Aの下辺となり、封止材153の左辺が発光素子パッケージ105Aの左辺となり、封止材153の右辺が発光素子パッケージ105Aの右辺となる。封止材153は、発光素子チップ152R,152C,152Lから発した光を拡散させるものである。
【0047】
発光素子チップ152R,152C,152Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ152R,152C,152Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ152R,152C,152Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ152R,152C,152Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0048】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ152R,152C,152Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ52R,52C,52Lの位置と同じである(図3、図13参照)。そのため、左右の発光素子チップ152R,152Lは、中央の発光素子チップ152Cよりも上にずれている。例えば、左右の発光素子チップ152R,152Lは、左右の発光素子チップ152R,Lの下辺が中央の発光素子チップ152Cの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ152Cよりも上にずれている。
【0049】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右の発光素子チップ152R,152Lの下辺が互いに揃っている。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、発光素子チップ152R,152Lの下辺が上下にずれている。なお、投影レンズ4が左右非対称なレンズである場合、発光素子チップ152Rと発光素子チップ152Lの何れか一方の下辺が発光素子チップ152Cの下辺に揃っていて、他方の下辺が発光素子チップ152Cの下辺から上にずれていてもよい。
【0050】
投影レンズ4の光軸Axは、中央の発光素子チップ152Cの中心又はその近傍で発光素子パッケージ105A及び発光素子チップ152Cに交差している。投影レンズ4の焦点は、中央の発光素子チップ152Cの中心又はその近傍に位置している。
【0051】
発光素子チップ152R,152C,152Lが発光することで、発光素子チップ152R,152C,152Lから発した光が封止材153を拡散透過して、その光が投影レンズ4によって前方に投影される。そのため、車両用灯具の前方に形成される配光パターンが形成される。左右の発光素子チップ152R,152Lが中央の発光素子チップ152Cから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0052】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第3実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第3実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0053】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第3実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット205は図15及び図16に示すような4つの発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lを備える。図15及び図16を参照して、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lについて具体的に説明する。図15は、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lの正面図であり、図16は、図15に図示のXVI−XVIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0054】
発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは何れも同じものであり、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは何れも同じ形状、同じ構造及び同じサイズである。また、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは、第1実施形態における発光素子パッケージ5R,5C,5Lと同じものである。従って、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは、それぞれ、基板251R,251CR,251CL,251L、発光素子チップ252R,252CR,252CL,252L及び封止材253R,253CR,253CL,253Lを有する。発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材253R,253CR,253CL,253Lは同一のサイズ及び同一の形状である。
【0055】
発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。これら発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ205Rが発光素子パッケージ205CRの右に配置され、発光素子パッケージ205CRが発光素子パッケージ205CLの右に配置され、発光素子パッケージ205CLが発光素子パッケージ205Lの右に配置されている。また、正面視で封止材253R,253CR,253CL,253Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0056】
左右両端の発光素子パッケージ205R,205Lは中央の発光素子パッケージ205CR,205CLよりも上にずれている。左右両端の発光素子チップ252R,252Lは、中央の発光素子チップ252CR,252CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lは、左右の発光素子チップ252R,252Lの下辺が中央の発光素子チップ252CR,252CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ252CR,252CLよりも上にずれている。
【0057】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lの下辺が互いに揃っているとともに、中央の発光素子チップ252CR,252CLの下辺が互いに揃っている。一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lの下辺が上下にずれているとともに、中央の発光素子チップ252CR,252CLの下辺が互いに揃っているか、又は上下にずれている。
【0058】
投影レンズ4の光軸Axは、発光素子チップ252CRと発光素子チップ252CLとの間の中間点又はその近傍を通る。投影レンズ4の焦点は、発光素子チップ252CRと発光素子チップ252CLとの間の中間点又はその近傍に位置している。
【0059】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ252R,252Lが中央の発光素子チップ252CR,252CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0060】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第4実施形態に係る車両用灯具と第2実施形態に係る車両用灯具は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第2実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第4実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0061】
第2実施形態では、図13及び図14に示すように、光源ユニット105の発光素子パッケージ105Aが3つの発光素子チップ152R,152C,152Lを有するのに対し、第4実施形態では、図17及び図18に示すように、光源ユニット305の発光素子パッケージ305Aが4つの発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lを有する。図17及び図18を参照して、発光素子パッケージ305Aについて具体的に説明する。図17は、発光素子パッケージ305Aの正面図であり、図18は、図17に図示のXVIII−XVIIIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0062】
発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lが基板351上に実装され、発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lが封止材353に埋め込まれている。第4実施形態における発光素子パッケージ305Aの基板351と封止材353は、第2実施形態における発光素子パッケージ105の基板151と封止材153と同様に設けられている。正面視で封止材353の長辺が水平になっている。
【0063】
発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0064】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lの位置と同じである(図15、図17参照)。そのため、左右両端の発光素子チップ352R,352Lは、中央の発光素子チップ352CR,352CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lは、左右の発光素子チップ352R,352Lの下辺が中央の発光素子チップ352CR,352CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ352CR,352CLよりも上にずれている。
【0065】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lの下辺が互いに揃っているとともに、中央の発光素子チップ352CR,352CLの下辺が互いに揃っている。一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lの下辺が上下にずれているとともに、中央の発光素子チップ352CR,352CLの下辺が互いに揃っているか、又は上下にずれている。
【0066】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ352R,352Lが中央の発光素子チップ352CR,352CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0067】
〔第5の実施の形態〕
本発明の第5の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第5実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第5実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0068】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は図3及び図4に示すように3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第5実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット405は図19に示すような5つの発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lを備える。図19を参照して、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lについて具体的に説明する。図19は、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lの正面図である。
【0069】
発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは何れも同じものであり、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは何れも同じ形状、同じ構造及び同じサイズである。また、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、第1実施形態における発光素子パッケージ5R,5C,5Lと同様の構造である。また、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、発光素子パッケージ5R,5C,5Lと相似形であって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lよりもサイズが小さい。従って、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、それぞれ、基板(図示略)、発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452L及び封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lを有する。発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lは同一のサイズ及び同一の形状である。
【0070】
発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ405Rが発光素子パッケージ405CRの右に配置され、発光素子パッケージ405CRが発光素子パッケージ405Cの右に配置され、発光素子パッケージ405Cが発光素子パッケージ405CLの右に配置され、発光素子パッケージ405CLが発光素子パッケージ405Lの右に配置されている。また、正面視で封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0071】
左右両端の発光素子パッケージ405R,405Lは発光素子パッケージ405CR,405C,405CLよりも上にずれている。左右両端の発光素子チップ452R,452Lは発光素子チップ452CR,452C,452CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lは、発光素子チップ452R,452Lの下辺が発光素子チップ452CR,452C,452CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ452CR,452C,452CLよりも上にずれている。
【0072】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lの下辺が互いに揃っているとともに、発光素子チップ452CR,452C,452CLの下辺が互いに揃っている。なお、投影レンズ4が左右対称なレンズである場合、図20に示すように、発光素子チップ452R,452Lの下辺が互いに揃っていて、発光素子チップ452CR,452CLが発光素子チップ452Cよりも上にずれ、発光素子チップ452CR,452CLが発光素子チップ452R,452Lよりも下にずれていてもよい。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lの下辺が上下にずれているとともに、発光素子チップ452CR,452CLの下辺が上下にずれている。
【0073】
投影レンズ4の光軸Axは、発光素子チップ452Cの中心点又はその近傍を通る。投影レンズ4の焦点は、発光素子チップ452Cの中心点又はその近傍に位置している。
【0074】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ452R,452Lが発光素子チップ452CR,452C,452CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0075】
〔第6の実施の形態〕
本発明の第6の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第6実施形態に係る車両用灯具と第2実施形態に係る車両用灯具は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第2実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第6実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0076】
第2実施形態では、図13及び図14に示すように、光源ユニット105の発光素子パッケージ105Aが3つの発光素子チップ152R,152C,152Lを有するのに対し、第6実施形態では、図21に示すように、光源ユニット505の発光素子パッケージ505Aが5つの発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lを有する。図21を参照して、発光素子パッケージ505Aについて具体的に説明する。図21は、発光素子パッケージ505Aの正面図である。
【0077】
発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lが基板(図示略)上に実装され、発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lが封止材553に埋め込まれている。第6実施形態における発光素子パッケージ505Aの基板と封止材553は、第2実施形態における発光素子パッケージ105の基板151と封止材153と同様に設けられている。正面視で封止材553の長辺が水平になっている。
【0078】
発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0079】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lの位置と同じである(図19、図21参照)。そのため、左右両端の発光素子チップ552R,552Lは発光素子チップ552CR,552C,552CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lは、発光素子チップ552R,552Lの下辺が発光素子チップ552CR,552C,552CLの上辺と下辺の間に位置するように発光素子チップ552CR,552C,552CLよりも上にずれている。
【0080】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lの下辺が互いに揃っているとともに、発光素子チップ552CR,552C,552CLの下辺が互いに揃っている。なお、投影レンズ4が左右対称なレンズである場合、図22に示すように、発光素子チップ552R,552Lの下辺が互いに揃っていて、発光素子チップ552CR,552CLが発光素子チップ552Cよりも上にずれ、発光素子チップ552CR,552CLが発光素子チップ552R,552Lよりも下にずれていてもよい。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lの下辺が上下にずれているとともに、発光素子チップ552CR,552CLの下辺が上下にずれている。
【0081】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ552R,552Lが発光素子チップ552CR,552C,552CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0082】
〔変形例〕
以上の実施形態では、発光素子チップの数が3〜5の場合について説明したが、発光素子チップの数が6以上であってもよい。発光素子チップの数が6以上の場合でも、第1、第3、第5の実施の形態と同様に、これら発光素子チップが個別に封止材に埋め込まれていてもよいし、第2、第4、第6の実施の形態と同様に、これら発光素子チップが1つの封止材に埋め込まれていてもよい。そして、発光素子チップの数が6以上の場合でも、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されている。6つ以上の発光素子チップが個別に封止材に埋め込まれている場合には、6つ以上の発光素子パッケージのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子パッケージが、それよりも中央寄りに配置された発光素子パッケージよりも上にずれて配置され、6つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されている。
【0083】
発光素子チップの数が3以上の何れであっても、発光素子チップの数が奇数である場合、投影レンズの光軸は最も中央の発光素子パッケージの中心又はその近傍を通り、発光素子の数が偶数である場合、投影レンズの光軸は中央の2つの発光素子パッケージの間の中間点又はその近傍を通る。
【符号の説明】
【0084】
1 … 車両用灯具
4 … 投影レンズ
5,105,205,305,405,505 光源ユニット
5R,5C,5L,105A,205R,205CR,205CL,205L,305A,405R,405CR,405C,405CL,405L,505A … 発光素子パッケージ
52R,52C,52L,152R,152C,152L,252R,252CR,252CL,252L,352R,352CR,352CL,352L,452R,452CR,452C,452CL,452L,552R,552CR,552C,552CL,552L … 発光素子チップ
53R,53C,53L,153,253R,253CR,253CL,253L,353,453R,453CR,453C,453CL,453L,553 … 封止材
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具及びそれ用の光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
直射投影型の車両用灯具は発光ダイオード及び投影レンズを備えており、発光ダイオードから発した光が投影レンズによって前方に投影される(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。すれ違いビームやフォグランプビームは明部の上端にカットオフラインを有する配光である。カットオフラインを有する配光を直射投影型の車両用灯具によって形成するには、発光ダイオードの一辺を水平にして、その辺を投影レンズによって水平カットオフラインとして投影する方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。発光ダイオードと投影レンズの間にシェードを配置し、そのシェードの上縁を投影レンズによってカットオフラインとして投影する方法もある(例えば、特許文献3参照)。発光ダイオードと投影レンズからなるユニットを複数個並べて、何れかの発光ダイオードの一辺を水平にし、他の発光ダイオードの一辺を水平方向に対して傾斜させることで、斜めカットオフライン及び水平カットオフラインを形成する方法もある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−108570号公報
【特許文献2】特開2009−104933号公報
【特許文献3】特開2009−134964号公報
【特許文献4】特許第4002207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1,2に記載の技術では、発光ダイオードの水平な一辺のうち投影レンズの光軸に近い部分は投影レンズによって鮮明に投影されるが、投影レンズの光軸から離れた部分はぼけて投影されてしまう。そのため、カットオフラインが不明瞭になる。更に、光軸を通る水平面よりも上に向かう光もあるから、対向車に対するグレアの要因となってしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、直射投影型の車両用灯具においてカットオフラインが鮮明に表れるようにするとともに、対向車に対してグレアが発生しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る車両用灯具用の光源ユニットは、左右方向に間隔をおいて配列された3つ以上の発光素子チップを備え、前記3つ以上の発光素子チップが正面視で正方形に形成され、前記3つ以上の発光素子チップが同一サイズであり、前記3つ以上の発光素子チップの一対の対辺が水平であり、前記3つ以上の発光素子チップのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されている。
【0006】
好ましくは、前記光源ユニットが、前記3つ以上の発光素子チップが個別に埋め込まれ、左右方向に隣接して配列され、光を透過させる3つ以上の封止材を更に備え、前記3つ以上の封止材が正面視で正方形に形成され、前記3つ以上の封止材が同一サイズであり、前記3つ以上の封止材の一対の対辺が水平であり、前記3つ以上の封止材と前記3つ以上の発光素子チップとがそれぞれ同心であり、前記3つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されている。
【0007】
好ましくは、前記光源ユニットが、前記3つ以上の発光素子チップが埋め込まれ、光を透過させる封止材を更に備え、前記封止材が正面視で長方形に形成され、その長辺が水平である。
【0008】
本発明に係る車両用灯具が、前記光源ユニットと、前記3つ以上の発光素子チップの前方に配置され、前記発光素子チップから発した光を前方に投影する投影レンズと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップがそれよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れる。
更に、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップによって形成される配光パターンのうち、灯具光軸を通る水平線よりも上に形成される明部が狭くて暗くなる。そのため、対向車の運転手を眩惑させない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用灯具の鉛直断面図である。
【図2】同実施形態における車両用灯具の水平断面図である。
【図3】同実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図4】図3に図示のIV−IVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図5】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図6】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットのの正面図である。
【図7】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図8】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図9】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図10】同実施形態における車両用灯具によって形成される配光パターンを示した図である。
【図11】左右の発光素子パッケージの下辺と中央の発光素子パッケージの下辺とのずれ量と、光軸を通る水平線より上の光束との関係を示したグラフである。
【図12】左右の発光素子パッケージの下辺と中央の発光素子パッケージの下辺とのずれ量と、カットオフG値との関係を示したグラフである。
【図13】第2実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図14】図13に図示のXIV−XIVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図15】第3実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図16】図15に図示のXVI−XVIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図17】第4実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図18】図17に図示のXVIII−XVIIIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図19】第5実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図20】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図21】第6実施形態における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【図22】同実施形態の変形例における車両用灯具に備わる光源ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態に係る車両用灯具及びその光源ユニットについて図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
また、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、車両用灯具が装備された車両の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、車両の後ろから前に向かって見て(いわゆる運転手の視点で見て)、「左」、「右」を定める。
【0012】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明を適用した実施形態に係る車両用灯具1の鉛直断面図である。図2は、車両用灯具1の水平断面図である。何れの断面も、車両用灯具1の光軸を含む面である。
【0013】
この車両用灯具1は、すれ違い用ヘッドランプ、フロントフォグランプ又はコーナーリングランプとして用いられる灯具である。この車両用灯具1は、ハウジング2、アウターレンズ3、投影レンズ4及び光源ユニット5等を備える。
【0014】
ハウジング2は、前側において開口するようカップ状に設けられている。ハウジング2にはアウターレンズ3が取り付けられ、ハウジング2の前側開口がアウターレンズ3によって塞がれている。ハウジング2及びアウターレンズ3によって囲われた灯室23がハウジング2及びアウターレンズ3の内側に形成されている。灯室23内には、投影レンズ4、発光素子パッケージ5R,5C,5L及びレンズホルダ43が収容されている。
【0015】
ハウジング2の奥側の壁21の前面には、光源取付台22が設けられている。光源取付台22の前面には、光源ユニット5が設けられている。光源ユニット5は発光素子パッケージ5R,5C,5Lを有し、これら発光素子パッケージ5R,5C,5Lは回路基板59に搭載され、この回路基板59は光源取付台22の前面に取り付けられ、発光素子パッケージ5R,5C,5Lは前に向いている。
【0016】
ハウジング2の奥側の壁21の後面には、複数の放熱フィン27が凸設されている。これら放熱フィン27によって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した熱が放熱される。
【0017】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lの前側にはレンズホルダ43が配設されている。このレンズホルダ43には開口44が形成され、投影レンズ4が開口44を塞ぐようにしてレンズホルダ43に取り付けられている。レンズホルダ43がハウジング2の内側に取り付けられている。
【0018】
投影レンズ4は前後に延びる光軸Axを有し、投影レンズ4の光軸Axと車両用灯具1の光軸が略一致する。投影レンズ4は、光軸Axを通る鉛直面に関して左右対称な凸レンズであって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した直接光を前方に投影するものである。投影レンズ4は、発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した直接光が入射される後ろ側の入射面41と、入射面41に入射した入射光を前方に出射させる前側の出射面42と、を有する。後ろ側の入射面41の上の部分が左右に湾曲したシリンドリカル状の凹面とされ、入射面41の下の部分が球面又は非球面状の凹面とされている。前側の出射面42は、球面状又は非球面状の凸面である。なお、投影レンズ4が左右非対称な凸レンズであってもよい。
【0019】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lについて図3及び図4を参照して具体的に説明する。図3は、発光素子パッケージ5R,5C,5Lの正面図である。図4は、図3に図示のIV−IVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0020】
図3及び図4に示すように、発光素子パッケージ5R,5C,5Lは何れも同じものである。発光素子パッケージ5R,5C,5Lは、正面視で略正方形型に形成されている。
【0021】
発光素子パッケージ5Rは基板51R、発光素子チップ52R及び封止材53Rを有する。
基板51Rは、正方形平板状に設けられている。基板51R上に発光素子チップ52Rが実装されている。封止材53Rが基板51R上に堆積され、発光素子チップ52Rが封止材53Rに埋め込まれている。
【0022】
封止材53Rは正面視で正方形型に形成されている。正面視で封止材53Rの上辺が発光素子パッケージ5Rの上辺となり、封止材53Rの下辺が発光素子パッケージ5Rの下辺となり、封止材53Rの左辺が発光素子パッケージ5Rの左辺となり、封止材53Rの右辺が発光素子パッケージ5Rの右辺となる。
発光素子チップ52Rは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の発光ダイオードである。正面視で、封止材53Rの中心と発光素子チップ52Rの中心が揃っている。正面視で、発光素子チップ52Rの上辺、下辺、左辺及び右辺は封止材53Rの上辺、下辺、左辺及び右辺とそれぞれ平行である。なお、発光素子チップ52Rが、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子その他の半導体発光素子であってもよい。
【0023】
封止材53Rは発光素子チップ52Rから発した光を拡散させる。つまり、封止材53Rは透明な母材と、その母材に分散した微粒子又は細孔とからなり、発光素子チップ52Rから発した光は封止材53Rを透過する際に微粒子又は細孔によって拡散する。なお、封止材53Rの透明な母材に微粒子や細孔がなく、封止材53Rが発光素子チップ52Rの光を素通ししてもよい。
【0024】
発光素子パッケージ5Rの基板51Rが後ろを向いて回路基板59に接し、発光素子パッケージ5Rの発光素子チップ52R及び封止材53Rが前方に向くようにして、発光素子パッケージ5Rが回路基板59に搭載されている。
【0025】
発光素子パッケージ5R,5C,5Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子パッケージ5Lは発光素子パッケージ5Rと同様に基板51L、発光素子チップ52L及び封止材53Lを有し、発光素子パッケージ5Cも発光素子パッケージ5Rと同様に基板51C、発光素子チップ52C及び封止材53Cを有する。発光素子チップ52R,52C,52Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材53R,53C,53Lは同一のサイズ及び同一の形状である。発光素子パッケージ5C,5Lは発光素子パッケージ5Rと同様にして回路基板59に搭載されている。
【0026】
これら発光素子パッケージ5R,5C,5Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ5Rが発光素子パッケージ5Cの右に配置され、発光素子パッケージ5Lが発光素子パッケージ5Cの左に配置されている。発光素子パッケージ5Rの封止材53Rと発光素子パッケージ5Cの封止材53Cが隣接し、発光素子パッケージ5Cの封止材53Cと発光素子パッケージ5Lの封止材53Lが隣接している。なお、“隣接”とは“隣に”という意味であって、必ずしも直接接していることを意味しない。従って、封止材53Rと封止材53Cが接してもよいし、離れていてもよい。封止材53Cと封止材53Lが接してもよいし、離れていてもよい。例えば、封止材53R,53C,53Lが0.5mm程度の僅かな距離を置いて等間隔に配列されていれば、熱による発光素子チップ52R,52C,52Lの劣化を防ぐことができる。
また、正面視で封止材53R,53C,53Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0027】
発光素子チップ52R,52C,52Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ52R,52C,52Lの4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0028】
左右の発光素子パッケージ5R,5Lは中央の発光素子パッケージ5Cよりも上にずれており、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と中央の発光素子パッケージ5Cの下辺との間に段差がある。そのため、左右の発光素子チップ52R,52Lは、中央の発光素子チップ52Cよりも上にずれており、左右の封止材53R,53Lは、中央の封止材53Cよりも上にずれている。例えば、左右の発光素子チップ52R,52Lは、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が中央の発光素子チップ52Cの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ52Cよりも上にずれている。具体的な数値を挙げると、発光素子チップ52R,52C,52Lが正面視で1mm四方の正方形であり、封止材53R,53C,53Lが正面視で3.8mm四方の正方形である場合、発光素子チップ52R,52Lの下辺と発光素子チップ52Cの下辺とのずれ量x[mm]は0<x≦0.5であることが好ましく、x=0.3であることが更に好ましい。
【0029】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右の封止材53R,53Lの下辺が互いに揃っており、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が互いに揃っており、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺が互いに揃っている。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右の封止材53R,53Lの下辺が上下にずれ、左右の発光素子チップ52R,52Lの下辺が上下にずれ、左右の発光素子パッケージ5R,5Lの下辺が上下にずれている。なお、投影レンズ4が左右非対称なレンズである場合、左右の発光素子チップ52R,52Lのうち一方の下辺が中央の発光素子チップ52Cの下辺と揃い、他方の下辺が中央の発光素子チップ52Cの下辺から上にずれてもよい(図5又は図6参照)。その場合、左右の封止材53R,53Lのうち一方の下辺が中央の封止材53Cの下辺と揃い、他方の下辺が中央の封止材53Cの下辺から上にずれている。
【0030】
投影レンズ4の光軸Axは、中央の発光素子パッケージ5Cの中心、つまり、中央の発光素子チップ52Cの中心又はその近傍で発光素子パッケージ5C及び発光素子チップ52Cに交差している。投影レンズ4の焦点は、中央の発光素子チップ52Cの中心又はその近傍に位置している。
【0031】
続いて、車両用灯具1の点灯時の光の進行について説明するとともに、車両用灯具1によって前方に形成される配光パターンについて説明する。
発光素子パッケージ5Cの発光素子チップ52Cが発光すると、発光素子チップ52Cから発した光が封止材53Cを拡散透過して、封止材53Cの表面から出射する。発光素子パッケージ5R,5Lの発光素子チップ52R,52Lが発光した場合も同様である。
【0032】
封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光が投影レンズ4の入射面41に入射し、入射面41に入射した光が出射面42によって屈折して出射面42から出射する。これにより、投影レンズ4が発光素子パッケージ5R,5C,5Lから発した光を前方に投影し、図7〜図10に示すような配光パターンPc,Pr,Pl,Pが前方に形成される。
【0033】
図7〜図10は、投影レンズ4に正対した仮想スクリーンに形成される配光パターンPc,Pr,Pl,Pを等照度線で示した図面である。図7に示す配光パターンPcは、中央の発光素子パッケージ5C及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図8に示す配光パターンPrは、後ろから前に向かって見て右に配置された発光素子パッケージ5R及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図9に示す配光パターンPlは、後ろから前に向かって見て左に配置された発光素子パッケージ5L及び投影レンズ4によって前方の仮想スクリーンに形成されたものである。図10に示す配光パターンPは、配光パターンPc,Pr,Plを合成したものである。図7〜図10において、車両用灯具1の光軸と仮想スクリーンの交点を原点(鉛直方向の位置及び水平方向の位置がともにゼロ°である。)とし、鉛直方向の位置及び水平方向の位置を車両用灯具1の光軸からの角度で表している。V線は、車両用灯具1の光軸に直交して仮想スクリーンに沿って鉛直方向に延びた線である。H線は、車両用灯具1の光軸に直交して仮想スクリーンに沿って水平方向に延びた線である。
【0034】
投影レンズ4は、鉛直面内において、封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光を前方に向けてほぼ平行光として投影する。投影レンズ4は、水平面内において、封止材53R,53C,53Lの表面から出射した光を水平方向(左右方向)に拡散させるよう前方へ向けて出射させる。そのため、図7〜図10に示すように、配光パターンPc,Pr,Pl,Pは、左右方向に広がって、上下方向を絞ったものとなる。この配光パターンPc,Pr,Pl,Pは、上端部にカットオフライン(明暗境界線)Lc,Lr,Ll,Lを有する。
【0035】
投影レンズ4は、中央の発光素子パッケージ5Cの光源像を上下左右に反転して、仮想スクリーンに拡大投影する。発光素子パッケージ5Cの光源像とは、発光素子チップ52Cの発光によって封止材53Cの表面において光った像をいう。投影レンズ4の光軸Axが中央の発光素子パッケージ5Cの中心に交差しているため(図3参照)、図7に示すように、配光パターンPcの中で最も照度の高い点ScがV線上に表れる。発光素子パッケージ5Cの光源像が投影レンズ4によって上下左右に反転して投影されるため、発光素子パッケージ5Cの下辺が配光パターンPcのカットオフラインLcとして仮想スクリーンに投影されて、配光パターンPcのカットオフラインLcが発光素子パッケージ5Cの下辺から形成される。カットオフラインLcは、H線に沿って形成される。
【0036】
投影レンズ4は、左に配置された発光素子パッケージ5Lの光源像を上下左右に反転して、仮想スクリーンに拡大投影する。左の発光素子パッケージ5Lの中心が投影レンズ4の光軸Axから左にずれているため(図3参照)、図9に示すように、配光パターンPlの中で最も照度の高い点SlがV線の右側に表れる。発光素子パッケージ5Lの下辺が配光パターンPlのカットオフラインLlとして仮想スクリーンに投影されて、配光パターンPlのカットオフラインLlが発光素子パッケージ5Lの下辺から形成される。左の発光素子パッケージ5Lが中央の発光素子パッケージ5Cから上にずれているとともに、左の発光素子チップ52Lが中央の発光素子チップ52Cから上にずれているため、カットオフラインLlがカットオフラインLcの下に形成される。カットオフラインLlは、H線よりも僅かに下においてH線と略平行になるように形成される。
【0037】
図9に示すように、V線の左側では、カットオフラインLlがH線から上に盛り上がっているが、H線よりも上に形成される領域Blが狭くなっているとともに、その領域Blは明るくはない。これは、左の発光素子チップ52Lが中央の発光素子チップ52Cから上にずれているためである。
【0038】
配光パターンPc,Pr,Plが合成されて、図10に示すような配光パターンPが仮想スクリーンに形成される。配光パターンPが明るく、カットオフラインLよりも上の領域と下の領域の明暗差が大きいから、カットオフラインLが鮮明に表れる。特に、V線の右側においてH線よりも上に形成される領域Brが狭くて暗く(図8参照)、V線の左側においてH線よりも上に形成される領域Blが狭くて暗いから(図9参照)、中央の発光素子パッケージ5Cによって形成されたカットオフラインLcが領域Br,Blによって不鮮明になりにくい。そのため、カットオフラインLが鮮明に表れる。
また、V線の近傍では、カットオフラインLr,LlがH線よりも僅か下に形成されるから、カットオフラインLcの明瞭性がカットオフラインLr,Llによって高まる。そのため、カットオフラインLが鮮明に表れる。
また、H線よりも上に形成される領域Br,Blが狭くて暗いから、配光パターンPにおいてもV線の両側でH線よりも上に形成される明部が狭くて暗い。そのため、対向車に対するグレアの要因になりにくい。
【0039】
図11は、発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と発光素子パッケージ5Cの下辺とのずれ量x(図3参照)と、H線より上の光束との関係を示したグラフである。図11はシミュレーションによって求めた結果であり、発光素子チップ52R,52C,52Lを正面視で1mm四方の正方形とし、発光素子パッケージ5R,5C,5L及び封止材53R,53C,53Lを正面視で3.8mm四方の正方形とした。H線より上の光束については、右の発光素子パッケージ5Rによるものと、3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lによるものを求めた。図11から明らかなように、ずれ量xが大きくなるにつれて、H線より上の光束が低くなる。
【0040】
図12は、発光素子パッケージ5R,5Lの下辺と発光素子パッケージ5Cの下辺とのずれ量x(図3参照)とカットオフG値との関係を示したグラフである。図12はシミュレーションによって求めた結果であり、発光素子チップ52R,52C,52Lを正面視で1mm四方の正方形とし、発光素子パッケージ5R,5C,5L及び封止材53R,53C,53Lを正面視で3.8mm四方の正方形とした。また、V線上の各点のG値を次式により求め、得られたG値の中の最大値がV線におけるカットオフG値である。同様に、V線から右に3°の鉛直線上の各点のG値を次式により求め、得られたG値の中の最大値がその鉛直線におけるカットオフG値である。次式において、aはH線から上下の角度であり、E(a)は角度aでの明るさである。カットオフG値をとる位置(角度a)がカットオフ位置である。カットオフG値とは、カットオフ位置よりも上の部分と下の部分の明暗差を表す指標であり、カットオフG値が大きければ、明暗差も大きい。
【0041】
【数1】
【0042】
図12から明らかなように、ずれ量xが0.3mmの場合に、カットオフG値が最大になって、カットオフ位置よりも上の部分と下の部分の明暗差が大きい。
【0043】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第2実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第2実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0044】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は図3及び図4に示すように3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第2実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット105は図13及び図14に示すような1つの発光素子パッケージ105Aを備える。図13及び図14を参照して、発光素子パッケージ105Aについて具体的に説明する。図13は、発光素子パッケージ105Aの正面図であり、図14は、図13に図示のXIV−XIVに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0045】
発光素子パッケージ105Aは基板151、発光素子チップ152R,152C,152L及び封止材153を有する。
基板151は、長方形平板状に設けられている。基板151上に発光素子チップ152R,152C,152Lが実装されている。封止材153が基板151上に堆積され、発光素子チップ152R,152C,152Lが封止材153に埋め込まれている。発光素子パッケージ105Aの基板151が後ろを向き、発光素子パッケージ105Aの発光素子チップ152R,152C,152L及び封止材153が前方に向くようにして、発光素子パッケージ105Aが回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。
【0046】
封止材153は正面視で長方形型に形成されている。正面視で封止材153の長辺が水平になっている。正面視で封止材153の上辺(長辺)が発光素子パッケージ105Aの上辺となり、封止材153の下辺が発光素子パッケージ105Aの下辺となり、封止材153の左辺が発光素子パッケージ105Aの左辺となり、封止材153の右辺が発光素子パッケージ105Aの右辺となる。封止材153は、発光素子チップ152R,152C,152Lから発した光を拡散させるものである。
【0047】
発光素子チップ152R,152C,152Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ152R,152C,152Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ152R,152C,152Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ152R,152C,152Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0048】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ152R,152C,152Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ52R,52C,52Lの位置と同じである(図3、図13参照)。そのため、左右の発光素子チップ152R,152Lは、中央の発光素子チップ152Cよりも上にずれている。例えば、左右の発光素子チップ152R,152Lは、左右の発光素子チップ152R,Lの下辺が中央の発光素子チップ152Cの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ152Cよりも上にずれている。
【0049】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右の発光素子チップ152R,152Lの下辺が互いに揃っている。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、発光素子チップ152R,152Lの下辺が上下にずれている。なお、投影レンズ4が左右非対称なレンズである場合、発光素子チップ152Rと発光素子チップ152Lの何れか一方の下辺が発光素子チップ152Cの下辺に揃っていて、他方の下辺が発光素子チップ152Cの下辺から上にずれていてもよい。
【0050】
投影レンズ4の光軸Axは、中央の発光素子チップ152Cの中心又はその近傍で発光素子パッケージ105A及び発光素子チップ152Cに交差している。投影レンズ4の焦点は、中央の発光素子チップ152Cの中心又はその近傍に位置している。
【0051】
発光素子チップ152R,152C,152Lが発光することで、発光素子チップ152R,152C,152Lから発した光が封止材153を拡散透過して、その光が投影レンズ4によって前方に投影される。そのため、車両用灯具の前方に形成される配光パターンが形成される。左右の発光素子チップ152R,152Lが中央の発光素子チップ152Cから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0052】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第3実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第3実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0053】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第3実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット205は図15及び図16に示すような4つの発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lを備える。図15及び図16を参照して、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lについて具体的に説明する。図15は、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lの正面図であり、図16は、図15に図示のXVI−XVIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0054】
発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは何れも同じものであり、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは何れも同じ形状、同じ構造及び同じサイズである。また、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは、第1実施形態における発光素子パッケージ5R,5C,5Lと同じものである。従って、発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは、それぞれ、基板251R,251CR,251CL,251L、発光素子チップ252R,252CR,252CL,252L及び封止材253R,253CR,253CL,253Lを有する。発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材253R,253CR,253CL,253Lは同一のサイズ及び同一の形状である。
【0055】
発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。これら発光素子パッケージ205R,205CR,205CL,205Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ205Rが発光素子パッケージ205CRの右に配置され、発光素子パッケージ205CRが発光素子パッケージ205CLの右に配置され、発光素子パッケージ205CLが発光素子パッケージ205Lの右に配置されている。また、正面視で封止材253R,253CR,253CL,253Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0056】
左右両端の発光素子パッケージ205R,205Lは中央の発光素子パッケージ205CR,205CLよりも上にずれている。左右両端の発光素子チップ252R,252Lは、中央の発光素子チップ252CR,252CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lは、左右の発光素子チップ252R,252Lの下辺が中央の発光素子チップ252CR,252CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ252CR,252CLよりも上にずれている。
【0057】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lの下辺が互いに揃っているとともに、中央の発光素子チップ252CR,252CLの下辺が互いに揃っている。一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ252R,252Lの下辺が上下にずれているとともに、中央の発光素子チップ252CR,252CLの下辺が互いに揃っているか、又は上下にずれている。
【0058】
投影レンズ4の光軸Axは、発光素子チップ252CRと発光素子チップ252CLとの間の中間点又はその近傍を通る。投影レンズ4の焦点は、発光素子チップ252CRと発光素子チップ252CLとの間の中間点又はその近傍に位置している。
【0059】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ252R,252Lが中央の発光素子チップ252CR,252CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0060】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第4実施形態に係る車両用灯具と第2実施形態に係る車両用灯具は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第2実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第4実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0061】
第2実施形態では、図13及び図14に示すように、光源ユニット105の発光素子パッケージ105Aが3つの発光素子チップ152R,152C,152Lを有するのに対し、第4実施形態では、図17及び図18に示すように、光源ユニット305の発光素子パッケージ305Aが4つの発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lを有する。図17及び図18を参照して、発光素子パッケージ305Aについて具体的に説明する。図17は、発光素子パッケージ305Aの正面図であり、図18は、図17に図示のXVIII−XVIIIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。
【0062】
発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lが基板351上に実装され、発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lが封止材353に埋め込まれている。第4実施形態における発光素子パッケージ305Aの基板351と封止材353は、第2実施形態における発光素子パッケージ105の基板151と封止材153と同様に設けられている。正面視で封止材353の長辺が水平になっている。
【0063】
発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0064】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ352R,352CR,352CL,352Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ252R,252CR,252CL,252Lの位置と同じである(図15、図17参照)。そのため、左右両端の発光素子チップ352R,352Lは、中央の発光素子チップ352CR,352CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lは、左右の発光素子チップ352R,352Lの下辺が中央の発光素子チップ352CR,352CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ352CR,352CLよりも上にずれている。
【0065】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lの下辺が互いに揃っているとともに、中央の発光素子チップ352CR,352CLの下辺が互いに揃っている。一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ352R,352Lの下辺が上下にずれているとともに、中央の発光素子チップ352CR,352CLの下辺が互いに揃っているか、又は上下にずれている。
【0066】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ352R,352Lが中央の発光素子チップ352CR,352CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0067】
〔第5の実施の形態〕
本発明の第5の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第5実施形態に係る車両用灯具と第1実施形態に係る車両用灯具1は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第1実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第5実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0068】
第1実施形態に係る車両用灯具1の光源ユニット5は図3及び図4に示すように3つの発光素子パッケージ5R,5C,5Lを備えるのに対し、第5実施形態に係る車両用灯具の光源ユニット405は図19に示すような5つの発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lを備える。図19を参照して、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lについて具体的に説明する。図19は、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lの正面図である。
【0069】
発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは何れも同じものであり、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは何れも同じ形状、同じ構造及び同じサイズである。また、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、第1実施形態における発光素子パッケージ5R,5C,5Lと同様の構造である。また、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、発光素子パッケージ5R,5C,5Lと相似形であって、発光素子パッケージ5R,5C,5Lよりもサイズが小さい。従って、発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは、それぞれ、基板(図示略)、発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452L及び封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lを有する。発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lは同一のサイズ及び同一の形状である。
【0070】
発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは回路基板59(図1及び図2参照)を介して光源取付台22(図1及び図2参照)に取り付けられている。発光素子パッケージ405R,405CR,405C,405CL,405Lは左右方向に隣接して配列されており、後ろから前に向かって見て、発光素子パッケージ405Rが発光素子パッケージ405CRの右に配置され、発光素子パッケージ405CRが発光素子パッケージ405Cの右に配置され、発光素子パッケージ405Cが発光素子パッケージ405CLの右に配置され、発光素子パッケージ405CLが発光素子パッケージ405Lの右に配置されている。また、正面視で封止材453R,453CR,453C,453CL,453Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0071】
左右両端の発光素子パッケージ405R,405Lは発光素子パッケージ405CR,405C,405CLよりも上にずれている。左右両端の発光素子チップ452R,452Lは発光素子チップ452CR,452C,452CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lは、発光素子チップ452R,452Lの下辺が発光素子チップ452CR,452C,452CLの上辺と下辺の間に位置するように中央の発光素子チップ452CR,452C,452CLよりも上にずれている。
【0072】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lの下辺が互いに揃っているとともに、発光素子チップ452CR,452C,452CLの下辺が互いに揃っている。なお、投影レンズ4が左右対称なレンズである場合、図20に示すように、発光素子チップ452R,452Lの下辺が互いに揃っていて、発光素子チップ452CR,452CLが発光素子チップ452Cよりも上にずれ、発光素子チップ452CR,452CLが発光素子チップ452R,452Lよりも下にずれていてもよい。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ452R,452Lの下辺が上下にずれているとともに、発光素子チップ452CR,452CLの下辺が上下にずれている。
【0073】
投影レンズ4の光軸Axは、発光素子チップ452Cの中心点又はその近傍を通る。投影レンズ4の焦点は、発光素子チップ452Cの中心点又はその近傍に位置している。
【0074】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ452R,452Lが発光素子チップ452CR,452C,452CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0075】
〔第6の実施の形態〕
本発明の第6の実施の形態に係る車両用灯具について説明する。
第6実施形態に係る車両用灯具と第2実施形態に係る車両用灯具は、ハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43を備える点で一致する。第2実施形態に係る車両用灯具1のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43と、第6実施形態に係る車両用灯具のハウジング2、放熱フィン27、アウターレンズ3、投影レンズ4及びレンズホルダ43とは同様に設けられている。
【0076】
第2実施形態では、図13及び図14に示すように、光源ユニット105の発光素子パッケージ105Aが3つの発光素子チップ152R,152C,152Lを有するのに対し、第6実施形態では、図21に示すように、光源ユニット505の発光素子パッケージ505Aが5つの発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lを有する。図21を参照して、発光素子パッケージ505Aについて具体的に説明する。図21は、発光素子パッケージ505Aの正面図である。
【0077】
発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lが基板(図示略)上に実装され、発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lが封止材553に埋め込まれている。第6実施形態における発光素子パッケージ505Aの基板と封止材553は、第2実施形態における発光素子パッケージ105の基板151と封止材153と同様に設けられている。正面視で封止材553の長辺が水平になっている。
【0078】
発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは、正面視で正方形型に形成されたチップ状の半導体発光素子(例えば、発光ダイオード、無機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子)である。発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは同一のサイズ、同一の形状及び同一の構造である。発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lは左右方向に等しい間隔をおいて配列されており、正面視で発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lのそれぞれ4辺のうち向かい合う上下の辺が水平となっている。
【0079】
投影レンズ4(図1及び図2参照)の光軸Axを基準とした発光素子チップ552R,552CR,552C,552CL,552Lの位置は、投影レンズ4の光軸Axを基準とした発光素子チップ452R,452CR,452C,452CL,452Lの位置と同じである(図19、図21参照)。そのため、左右両端の発光素子チップ552R,552Lは発光素子チップ552CR,552C,552CLよりも上にずれている。例えば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lは、発光素子チップ552R,552Lの下辺が発光素子チップ552CR,552C,552CLの上辺と下辺の間に位置するように発光素子チップ552CR,552C,552CLよりも上にずれている。
【0080】
投影レンズ4が左右対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lの下辺が互いに揃っているとともに、発光素子チップ552CR,552C,552CLの下辺が互いに揃っている。なお、投影レンズ4が左右対称なレンズである場合、図22に示すように、発光素子チップ552R,552Lの下辺が互いに揃っていて、発光素子チップ552CR,552CLが発光素子チップ552Cよりも上にずれ、発光素子チップ552CR,552CLが発光素子チップ552R,552Lよりも下にずれていてもよい。
一方、投影レンズ4が左右非対称なレンズであれば、左右両端の発光素子チップ552R,552Lの下辺が上下にずれているとともに、発光素子チップ552CR,552CLの下辺が上下にずれている。
【0081】
本実施形態においても、左右両端の発光素子チップ552R,552Lが発光素子チップ552CR,552C,552CLから上にずれているから、配光パターンの上端のカットオフラインが鮮明に表れるとともに、対向車の運転手を眩惑させない。
【0082】
〔変形例〕
以上の実施形態では、発光素子チップの数が3〜5の場合について説明したが、発光素子チップの数が6以上であってもよい。発光素子チップの数が6以上の場合でも、第1、第3、第5の実施の形態と同様に、これら発光素子チップが個別に封止材に埋め込まれていてもよいし、第2、第4、第6の実施の形態と同様に、これら発光素子チップが1つの封止材に埋め込まれていてもよい。そして、発光素子チップの数が6以上の場合でも、左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されている。6つ以上の発光素子チップが個別に封止材に埋め込まれている場合には、6つ以上の発光素子パッケージのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子パッケージが、それよりも中央寄りに配置された発光素子パッケージよりも上にずれて配置され、6つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されている。
【0083】
発光素子チップの数が3以上の何れであっても、発光素子チップの数が奇数である場合、投影レンズの光軸は最も中央の発光素子パッケージの中心又はその近傍を通り、発光素子の数が偶数である場合、投影レンズの光軸は中央の2つの発光素子パッケージの間の中間点又はその近傍を通る。
【符号の説明】
【0084】
1 … 車両用灯具
4 … 投影レンズ
5,105,205,305,405,505 光源ユニット
5R,5C,5L,105A,205R,205CR,205CL,205L,305A,405R,405CR,405C,405CL,405L,505A … 発光素子パッケージ
52R,52C,52L,152R,152C,152L,252R,252CR,252CL,252L,352R,352CR,352CL,352L,452R,452CR,452C,452CL,452L,552R,552CR,552C,552CL,552L … 発光素子チップ
53R,53C,53L,153,253R,253CR,253CL,253L,353,453R,453CR,453C,453CL,453L,553 … 封止材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に間隔をおいて配列された3つ以上の発光素子チップを備え、
前記3つ以上の発光素子チップが正面視で正方形に形成され、
前記3つ以上の発光素子チップが同一サイズであり、
前記3つ以上の発光素子チップの一対の対辺が水平であり、
前記3つ以上の発光素子チップのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されていることを特徴とする車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項2】
前記3つ以上の発光素子チップが個別に埋め込まれ、左右方向に隣接して配列され、光を透過させる3つ以上の封止材を更に備え、
前記3つ以上の封止材が正面視で正方形に形成され、
前記3つ以上の封止材が同一サイズであり、
前記3つ以上の封止材の一対の対辺が水平であり、
前記3つ以上の封止材と前記3つ以上の発光素子チップとがそれぞれ同心であり、
前記3つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項3】
前記3つ以上の発光素子チップが埋め込まれ、光を透過させる封止材を更に備え、
前記封止材が正面視で長方形に形成され、その長辺が水平であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の車両用灯具用の光源ユニットと、
前記3つ以上の発光素子チップの前方に配置され、前記発光素子チップから発した光を前方に投影する投影レンズと、を備えることを特徴とする車両用灯具。
【請求項1】
左右方向に間隔をおいて配列された3つ以上の発光素子チップを備え、
前記3つ以上の発光素子チップが正面視で正方形に形成され、
前記3つ以上の発光素子チップが同一サイズであり、
前記3つ以上の発光素子チップの一対の対辺が水平であり、
前記3つ以上の発光素子チップのうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された発光素子チップが、それよりも中央寄りに配置された発光素子チップよりも上にずれて配置されていることを特徴とする車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項2】
前記3つ以上の発光素子チップが個別に埋め込まれ、左右方向に隣接して配列され、光を透過させる3つ以上の封止材を更に備え、
前記3つ以上の封止材が正面視で正方形に形成され、
前記3つ以上の封止材が同一サイズであり、
前記3つ以上の封止材の一対の対辺が水平であり、
前記3つ以上の封止材と前記3つ以上の発光素子チップとがそれぞれ同心であり、
前記3つ以上の封止材のうち左端若しくは右端又はこれらの両方に配置された封止材が、それよりも中央寄りに配置された封止材よりも上にずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項3】
前記3つ以上の発光素子チップが埋め込まれ、光を透過させる封止材を更に備え、
前記封止材が正面視で長方形に形成され、その長辺が水平であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具用の光源ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の車両用灯具用の光源ユニットと、
前記3つ以上の発光素子チップの前方に配置され、前記発光素子チップから発した光を前方に投影する投影レンズと、を備えることを特徴とする車両用灯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−84452(P2013−84452A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223677(P2011−223677)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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