車両用空調装置のドアおよびこれを備える車両用空調装置
【課題】高強度・高剛性を確保しつつドアの軽量化を図るとともに、ドア自体に断熱効果を持たせる。
【解決手段】バス車両用空調装置の内外気切替ドアにおいて、ドア本体部20の構造を、所定間隔にて対向する2枚の板部31、32と、2枚の板部31、32の間で、2枚の板部31、32の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部31、32の間を複数の空間34に仕切る仕切り壁33とを有する構造とする。仕切り壁33の具体的な配置としては、ドア本体部20の回転軸に直交する横断面で、仕切り壁33が六角形の辺を形成してハニカム構造を構成するように配置する。
【解決手段】バス車両用空調装置の内外気切替ドアにおいて、ドア本体部20の構造を、所定間隔にて対向する2枚の板部31、32と、2枚の板部31、32の間で、2枚の板部31、32の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部31、32の間を複数の空間34に仕切る仕切り壁33とを有する構造とする。仕切り壁33の具体的な配置としては、ドア本体部20の回転軸に直交する横断面で、仕切り壁33が六角形の辺を形成してハニカム構造を構成するように配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置のドアおよびこれを備える車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置のドアの一例としては、バス車両用空調装置の内外気切替ドアがある(例えば、特許文献1参照)。また、従来では、この内外気切替ドアとして、鉄、アルミニウム等の金属製のドアが使用されている。
【特許文献1】特開2007−30723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内外気切替ドアとして金属製のドアが使用されるのは、車両に搭載されるドアは路面から振動を受けやすいので強度が必要であり、また、バス車両用空調装置に用いられるドアは長尺なため、ドアがたわみやすく、これを防止するために剛性が必要だからである。
【0004】
しかし、金属製のドアは、高強度・高剛性ではあるが、樹脂製のものよりも重量が増加してしまうという問題がある。また、重量が増加すると、かえって振動面での振れを増長してしまうという問題がある。
【0005】
また、ドアが金属製の場合、内外気切替ドアは内気と外気とに触れるため、両者の温度差により、ドア表面が結露する場合があるので、断熱材をドア表面に取り付ける必要があった。このため、ドアが金属製の場合、部品点数が多くなってしまうという問題がある。
【0006】
なお、上記問題は、バス車両用空調装置に限らず、バス以外の車両に搭載される車両用空調装置のドアにおいても言えることである。ただし、上記問題のうち重量増加の問題は、特に、バス車両用空調装置に用いられるドアのように長尺なドアにおいて言えることであり、断熱材が必要となる問題は、特に、内外気切替ドアのように温度差のある空気に触れるドアにおいて言えることである。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、高強度・高剛性を確保しつつドアの軽量化を図ることを第1の目的とする。また、高強度・高剛性を確保しつつドアの軽量化を図るとともに、ドア自体に断熱効果を持たせることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調ケース(7)に設けられた開口部(15、17)を開閉する樹脂製のドア本体部(20)を備え、ドア本体部(20)は、所定間隔にて対向する2枚の板部(31、32)と、2枚の板部(31、32)の間に位置し、2枚の板部(31、32)を支えて2枚の板部(31、32)の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部(31、32)の間を複数の空間(34)に仕切る仕切り壁(33、41、42、43、44、45)とを有していることを特徴としている。
【0009】
これによれば、ドア本体部を樹脂製とし、仕切り壁によって2枚の板部の強度・剛性を高めつつ、ドア本体部の内部に複数の空間を形成する構造を採用しているので、高強度・高剛性を確保しつつドア本体部の軽量化を実現できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、ドア本体部(20)の長手方向に直交する横断面において、複数の空間(34)が多角形形状で仕切られるように、仕切り壁(33、41、42、43、44、45)が配置されていることを特徴としている。仕切り壁の配置としては、例えば、このような配置が採用可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明では、ドア本体部(20)の横断面において、仕切り壁(33)は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されていることを特徴としている。強度・剛性を高めるという観点では、請求項3に記載の発明のように、複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように仕切り壁を配置することが好ましい。
【0012】
なお、請求項1〜3に記載の発明では、ドア本体部の内部に複数の空間が形成されているので断熱性を有している。
【0013】
請求項4に記載の発明では、仕切り壁(33、41、42、43)は、2枚の板部(31、32)の並び方向に空間(34)を並べて形成していることを特徴としている。これによれば、2枚の板部の並び方向に複数の空気層を形成しているので、空気層が2枚の板部の並び方向で1層の場合よりも断熱性能を高めることができる。
【0014】
請求項1〜4に記載の発明は、例えば、請求項5に記載のように、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに適用可能である。バス車両用空調装置の内外気切替ドアは、上述の通り、一方向に長い形状であるため、高強度・高剛性が特に要求され、さらに、温度差の異なる内気と外気とに触れるため、ドア表面が結露しないようにすることが特に要求される。したがって、請求項1〜4に記載の発明をバス車両用空調装置の内外気切替ドアに適用した場合に、請求項1〜4に記載の発明によって得られる効果が特に大きい。
【0015】
請求項6に記載の発明では、空気通路を内部に形成する空調ケース(7)と、空調ケース(7)の内部に設置され、空気通路を流れる空気と熱交換する熱交換器(10)と、空調ケース(7)に設置される請求項1ないし5のいずれか1つに記載のドア(9)とを備えることを特徴としている。これによれば、上記した発明と同様の効果を奏する。
【0016】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
本実施形態は、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに本発明を適用したものである。
【0018】
図1に、本発明の第1実施形態におけるバス車両用空調装置とこれを搭載するバス車両6の斜視図を示す。
【0019】
本実施形態の空調装置は、主に、クーリングユニット1およびコンデンシングユニット2で構成される冷房ユニット3と、コンプレッサ4と、クーリングユニット1で冷却された空気を各座席の上部に供給するためのクーラーダクト5とを備えている。冷房ユニット3はバス車両6の屋根上に搭載され、コンプレッサ4はバス車両6の後部に配設され、クーラーダクト5は車室内の天井に配設されている。
【0020】
コンデンシングユニット2内には、図示しないが、外気と熱交換を行う高温側の熱交換器としてのコンデンサやコンデンサ冷却ファン等が収容されている。
【0021】
図2に、図1中のクーリングユニット1の外観斜視図を示し、図3、4に、図2中のIII−III線断面図、IV−IV線断面図を示す。
【0022】
クーリングユニット1は、空気通路を内部に形成する空調ケース7を備えている。この空調ケース7の内部には、外気フィルタ8、内外気切替ドア9、エバポレータ10、送風機11が配置されている。
【0023】
空調ケース7は、上から見たときの平面形状が横長の長方形であり、ケース本体12とケース上蓋13とを有している。ケース本体12には、空気流れの上流側に外気導入口14および車室内に連通する内気導入用開口部としての内気導入口15が設けられており、空気流れの下流側に冷気送出口16が設けられている。一方、ケース上蓋13には、外気導入口14を介して車室外に連通する外気導入用開口部17が設けられている。
【0024】
外気用フィルタ8は、空調ケース7の内部に導入される外気中の塵埃を除去するものである。エバポレータ10は、空気と熱交換して空気を冷却する冷房用熱交換器であり、コンプレッサ5、コンデンサ等と冷媒配管で接続されることによって、冷凍サイクルを構成するものである。送風機11は、空調ケース7の内部に空気流れを形成するものである。
【0025】
内外気切替ドア9は、回転軸9aを回転中心として回転することによって、内気導入口15と外気導入用開口部17とを選択して開閉するものである。
【0026】
具体的には、内外気切替ドア9が図3の位置に停止したときが内気導入状態であり、内外気切替ドア9が図4の位置に停止したときが外気導入状態である。
【0027】
図3の内気導入状態では、内外気切替ドア9は内気導入口15を開放し、外気導入用開口部17を閉塞している。これにより、空調ケース7の下方に位置する内気導入口15より吸い込まれた内気は、図中の矢印のように、エバポレータ10で熱交換された後、送風機11によって冷気送出口16より車両室内に吹き出される。
【0028】
一方、図4の外気導入状態では、内外気切替ドア9は内気導入口15を閉塞し、外気導入用開口部17を開放している。これにより、空調ケース7の図中左側面の外気導入口14より吸い込まれた外気は、外気フィルタ8を通過した後、外気導入用開口部17を通り、エバポレータ10で熱交換され、送風機11によって冷気送出口16より車室内に吹き出される。
【0029】
図5に図3、4中の内外気切替ドア9の平面図を示す。図5に示すように、内外気切替ドア9は、いわゆるバタフライドアであり、具体的には、ドア本体部20と、ドア本体部20の軸方向端部を保持する保持部21と、保持部21の一部である軸部22とを備え、ドア本体部20の短い方の幅の中央に軸部22が位置している。
【0030】
ドア本体部20が内気導入口15と外気導入用開口部17とを選択して開閉する部分であり、軸部22が内外気切替ドア9の回転軸9aを構成する部分である。また、ドア本体部20および保持部21は、別体の樹脂製部品であり、ドア本体部20に対して保持部21が嵌め込み、接着、ビス止め等によって固定される。
【0031】
ドア本体部20および保持部21を構成する樹脂材料としては、例えば、耐熱性、耐衝撃性等に優れるポリカーボネート等が採用可能である。なお、軸部22は、保持部21と一体であり、保持部21と同一の樹脂材料で連続して形成される。
【0032】
ドア本体部20は、一方向に長く、この一方向に直交する他方向に短い形状であり、具体的には、平面形状が回転軸方向に長い長方形である。例えば、短い方の幅L1は10〜20cmであり、長い方の幅L2は100〜150cmである。このように、ドア本体部20は長尺で大きい形状であるため、たわみ防止のために高強度・高剛性である構造がドア本体部20に要求される。
【0033】
そこで、本実施形態では、ドア本体部20の構造として、図6に示す断面構造を採用している。ドア本体部20は、この断面構造がドア本体部20の長手方向、すなわち、回転軸方向に続いている。図6に図5中の内外気切替ドアのVI−VI線断面図を示す。
【0034】
図6に示すように、ドア本体部20は、所定間隔にて対向する2枚の板部31、32と、2枚の板部31、32の間に位置する仕切り壁33とを有する構造である。この仕切り壁33は、2枚の板部31、32を支えることで、2枚の板部31、32の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部31、32の間を複数の空間34に仕切ることで、ドア本体部20の内部に複数の空気層を形成している。
【0035】
2枚の板部31、32は、平板形状の部分であり、互いに平行に配置されている。
【0036】
仕切り壁33は、2枚の板部31、32の両方に連なっており、仕切り壁33は、2枚の板部31、32を支持して、両者の間隔を保持している。なお、図6中の2枚の板部31、32および仕切り壁33の厚さは同じであるが、異なっていても良い。
【0037】
また、仕切り壁33は、図6に示すように、ドア本体部20の長手方向、すなわち、回転軸方向に直交する横断面において、複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されている。具体的には、仕切り壁33は、六角形の辺33a、33b、33cを形成するように配置されており、すなわち、2枚の板部31、32に対して傾いている辺33a、33bと、2枚の板部31、32に平行な辺33cとを形成するように配置されている。これにより、仕切り壁33は、2枚の板部31、32を含めて、六角形に仕切られた空間34を形成している。この空間34は、図6の紙面垂直方向、すなわち、回転軸に平行な方向に延びている。
【0038】
本実施形態では、仕切り壁33は、2枚の板部31、32の並び方向、すなわち、ドア本体部20の厚さ方向である2枚の板部31、32に垂直な方向で、2つの六角形が並ぶように配置されている。これによって、2枚の板部31、32の並び方向に、2つもしくは3つの空気層34が形成されている。
【0039】
また、本実施形態では、仕切り壁33は、2枚の板部31、32に平行であって、六角形の内部で六角形の頂点同士をつなぐ辺33dを形成する部分を有している。この辺33dは、ハニカム構造を構成する仕切り壁33における2枚の板部31、32に垂直な方向での変形を抑制するためのものである。
【0040】
図6中の仕切り壁33によって構成されたハニカム構造部は、2枚の板部31、32の並び方向における強度・剛性が、2枚の板部31、32よりも高いので、2枚の板部31、32の強度・剛性を向上させている。
【0041】
本実施形態のドア本体部9は、2枚の板部31、32および仕切り壁33が一体成形、すなわち、同一の樹脂材料で連続して成形されたものである。なお、2枚の板部31、32と仕切り壁33とを別体として樹脂成形した後、これらを接合することによってドア本体部9を形成しても良い。
【0042】
以上の通り、本実施形態では、ドア本体部20を樹脂製とし、仕切り壁33によって2枚の板部31、32の強度・剛性を高めつつ、ドア本体部20の内部に複数の空間34を形成する構造を採用しているので、高強度・高剛性を確保しつつドア本体部20の軽量化を実現するとともに、ドア本体部20の内部の複数の空間34によって、ドア本体部20自体に断熱効果を持たせることができる。
【0043】
よって、本実施形態によれば、ドア本体部20自体が断熱効果を有しているので、ドア本体部が金属製の場合に必要であった断熱材を不要にでき、ドア本体部の部品点数を減らすことができる。
【0044】
(第2実施形態)
第1実施形態では、2つの板部31、32の間の仕切り壁33をハニカム構造を形成するように配置していたが、2つの板部31、32を支えるとともに、複数の空間に仕切っていれば、六角形以外の多角形形状を形成するように配置しても良い。
【0045】
図7に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図7は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図7中の仕切り壁41が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0046】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁41は四角形の辺41a、41bを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、四角形に仕切られた2つの空気層34が形成されている。
【0047】
(第3実施形態)
図8に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図8は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図8中の仕切り壁42が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0048】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁42は八角形の辺42aと四角形の辺42bとを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、八角形および四角形に仕切られた2つもしくは3つの空気層34が形成されている。
【0049】
(第4実施形態)
図9に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図9は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図9中の仕切り壁43が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0050】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁43は三角形の辺43a、43bを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、三角形に仕切られた2つの空気層34が形成されている。
【0051】
(第5実施形態)
図10に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図10は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図10中の仕切り壁44が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0052】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁44は四角形の辺を形成するように配置されている。ただし、第2実施形態とは異なり、仕切り壁44は2枚の板部31、32に対して垂直に立っており、空気層34は、2枚の板部31、32の並び方向で1つのみである。
【0053】
なお、ドア本体部20の内部において、2枚の板部31、32の並び方向に、仕切り壁によって仕切られた空気層34が複数並んでいる方が、1層の場合よりも断熱効果が高い。したがって、より高い断熱効果を得るという観点では、本実施形態よりも上述の第1〜第4実施形態の方が好ましい。
【0054】
(第6実施形態)
図11(a)に、本実施形態における内外気切替ドア9の平面図を示し、図11(b)に内外気切替ドア9の側面図を示す。また、図12に、図11(b)中のドア本体部20のXII−XII線断面図を示す。図12は、2つの板部31、32に平行な断面図である。また、図13に、ドア本体部20の分解斜視図を示す。
【0055】
本実施形態では、多角形の辺を形成するように配置される仕切り壁の向きが、上述の実施形態と異なっている。
【0056】
すなわち、図13に示すように、ドア本体部20は、上述の実施形態と同様に2つの板部31、32と、この間の仕切り壁45とを有して構成される。しかし、図11(a)、図12に示すように、ドア本体部20の内気導入口15、外気導入用開口部17を開閉する面の方向に対して平行な断面において、仕切り壁45は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されている。
【0057】
本実施形態では、仕切り壁45の全ての面方向が、2つの板部31、32に対して直交しているので、第1実施形態と比較して、ドア本体部20の強度・剛性は優れている。しかしながら、仕切り壁45に仕切られた空気層34は、第5実施形態と同様に、2枚の板部31、32の並び方向で1層のみであるので、本実施形態よりも、上述の第1〜第4実施形態の方が断熱効果が高い。
【0058】
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、内外気切替ドア9として、ドア本体部20と、ドア本体部20の回転軸9aとなる軸部22とを有し、ドア本体部20の短い方の幅の中央に軸部22が位置するバタフライドアを採用していたが、ドア本体部20の短い方の幅の一端に軸部22が位置するドアを採用しても良い。また、内外気切替ドア9として、ドア本体部が回転軸を基準に回転する構成でなく、ドア本体部がその面方向にスライドする構成のドアを採用しても良い。また、ドア本体部20は、平板形状に限らず、断面が円弧形状であっても良い。
【0059】
(2)上述の実施形態では、クーリングユニット1がバス車両の屋根に搭載されていたが、天井や床等に搭載されていても良い。
【0060】
(3)上述の実施形態では、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに本発明を適用していたが、バス車両用空調装置の他のドアや、バス車両以外の車両用空調装置のドアに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態におけるバス車両用空調装置とこれを搭載するバス車両の斜視図である。
【図2】図1中のクーリングユニットの外観斜視図である。
【図3】図2中のクーリングユニットのIII−III線断面図である。
【図4】図2中のクーリングユニットのIV−IV線断面図である。
【図5】図3、4中の内外気切替ドアの平面図である。
【図6】図5中のドア本体部のVI−VI線断面図である。
【図7】第2実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図8】第3実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図9】第4実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図10】第5実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図11】(a)、(b)は、それぞれ、第6実施形態における内外気切替ドアの平面図、側面図である。
【図12】図11(b)中のドア本体部のXII−XII線断面図である。
【図13】図11(a)中のドア本体部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
7 空調ケース
9 内外気切替ドア
20 ドア本体部
22 軸部
31、32 板部
33 仕切り壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置のドアおよびこれを備える車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置のドアの一例としては、バス車両用空調装置の内外気切替ドアがある(例えば、特許文献1参照)。また、従来では、この内外気切替ドアとして、鉄、アルミニウム等の金属製のドアが使用されている。
【特許文献1】特開2007−30723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
内外気切替ドアとして金属製のドアが使用されるのは、車両に搭載されるドアは路面から振動を受けやすいので強度が必要であり、また、バス車両用空調装置に用いられるドアは長尺なため、ドアがたわみやすく、これを防止するために剛性が必要だからである。
【0004】
しかし、金属製のドアは、高強度・高剛性ではあるが、樹脂製のものよりも重量が増加してしまうという問題がある。また、重量が増加すると、かえって振動面での振れを増長してしまうという問題がある。
【0005】
また、ドアが金属製の場合、内外気切替ドアは内気と外気とに触れるため、両者の温度差により、ドア表面が結露する場合があるので、断熱材をドア表面に取り付ける必要があった。このため、ドアが金属製の場合、部品点数が多くなってしまうという問題がある。
【0006】
なお、上記問題は、バス車両用空調装置に限らず、バス以外の車両に搭載される車両用空調装置のドアにおいても言えることである。ただし、上記問題のうち重量増加の問題は、特に、バス車両用空調装置に用いられるドアのように長尺なドアにおいて言えることであり、断熱材が必要となる問題は、特に、内外気切替ドアのように温度差のある空気に触れるドアにおいて言えることである。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、高強度・高剛性を確保しつつドアの軽量化を図ることを第1の目的とする。また、高強度・高剛性を確保しつつドアの軽量化を図るとともに、ドア自体に断熱効果を持たせることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調ケース(7)に設けられた開口部(15、17)を開閉する樹脂製のドア本体部(20)を備え、ドア本体部(20)は、所定間隔にて対向する2枚の板部(31、32)と、2枚の板部(31、32)の間に位置し、2枚の板部(31、32)を支えて2枚の板部(31、32)の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部(31、32)の間を複数の空間(34)に仕切る仕切り壁(33、41、42、43、44、45)とを有していることを特徴としている。
【0009】
これによれば、ドア本体部を樹脂製とし、仕切り壁によって2枚の板部の強度・剛性を高めつつ、ドア本体部の内部に複数の空間を形成する構造を採用しているので、高強度・高剛性を確保しつつドア本体部の軽量化を実現できる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、ドア本体部(20)の長手方向に直交する横断面において、複数の空間(34)が多角形形状で仕切られるように、仕切り壁(33、41、42、43、44、45)が配置されていることを特徴としている。仕切り壁の配置としては、例えば、このような配置が採用可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明では、ドア本体部(20)の横断面において、仕切り壁(33)は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されていることを特徴としている。強度・剛性を高めるという観点では、請求項3に記載の発明のように、複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように仕切り壁を配置することが好ましい。
【0012】
なお、請求項1〜3に記載の発明では、ドア本体部の内部に複数の空間が形成されているので断熱性を有している。
【0013】
請求項4に記載の発明では、仕切り壁(33、41、42、43)は、2枚の板部(31、32)の並び方向に空間(34)を並べて形成していることを特徴としている。これによれば、2枚の板部の並び方向に複数の空気層を形成しているので、空気層が2枚の板部の並び方向で1層の場合よりも断熱性能を高めることができる。
【0014】
請求項1〜4に記載の発明は、例えば、請求項5に記載のように、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに適用可能である。バス車両用空調装置の内外気切替ドアは、上述の通り、一方向に長い形状であるため、高強度・高剛性が特に要求され、さらに、温度差の異なる内気と外気とに触れるため、ドア表面が結露しないようにすることが特に要求される。したがって、請求項1〜4に記載の発明をバス車両用空調装置の内外気切替ドアに適用した場合に、請求項1〜4に記載の発明によって得られる効果が特に大きい。
【0015】
請求項6に記載の発明では、空気通路を内部に形成する空調ケース(7)と、空調ケース(7)の内部に設置され、空気通路を流れる空気と熱交換する熱交換器(10)と、空調ケース(7)に設置される請求項1ないし5のいずれか1つに記載のドア(9)とを備えることを特徴としている。これによれば、上記した発明と同様の効果を奏する。
【0016】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
本実施形態は、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに本発明を適用したものである。
【0018】
図1に、本発明の第1実施形態におけるバス車両用空調装置とこれを搭載するバス車両6の斜視図を示す。
【0019】
本実施形態の空調装置は、主に、クーリングユニット1およびコンデンシングユニット2で構成される冷房ユニット3と、コンプレッサ4と、クーリングユニット1で冷却された空気を各座席の上部に供給するためのクーラーダクト5とを備えている。冷房ユニット3はバス車両6の屋根上に搭載され、コンプレッサ4はバス車両6の後部に配設され、クーラーダクト5は車室内の天井に配設されている。
【0020】
コンデンシングユニット2内には、図示しないが、外気と熱交換を行う高温側の熱交換器としてのコンデンサやコンデンサ冷却ファン等が収容されている。
【0021】
図2に、図1中のクーリングユニット1の外観斜視図を示し、図3、4に、図2中のIII−III線断面図、IV−IV線断面図を示す。
【0022】
クーリングユニット1は、空気通路を内部に形成する空調ケース7を備えている。この空調ケース7の内部には、外気フィルタ8、内外気切替ドア9、エバポレータ10、送風機11が配置されている。
【0023】
空調ケース7は、上から見たときの平面形状が横長の長方形であり、ケース本体12とケース上蓋13とを有している。ケース本体12には、空気流れの上流側に外気導入口14および車室内に連通する内気導入用開口部としての内気導入口15が設けられており、空気流れの下流側に冷気送出口16が設けられている。一方、ケース上蓋13には、外気導入口14を介して車室外に連通する外気導入用開口部17が設けられている。
【0024】
外気用フィルタ8は、空調ケース7の内部に導入される外気中の塵埃を除去するものである。エバポレータ10は、空気と熱交換して空気を冷却する冷房用熱交換器であり、コンプレッサ5、コンデンサ等と冷媒配管で接続されることによって、冷凍サイクルを構成するものである。送風機11は、空調ケース7の内部に空気流れを形成するものである。
【0025】
内外気切替ドア9は、回転軸9aを回転中心として回転することによって、内気導入口15と外気導入用開口部17とを選択して開閉するものである。
【0026】
具体的には、内外気切替ドア9が図3の位置に停止したときが内気導入状態であり、内外気切替ドア9が図4の位置に停止したときが外気導入状態である。
【0027】
図3の内気導入状態では、内外気切替ドア9は内気導入口15を開放し、外気導入用開口部17を閉塞している。これにより、空調ケース7の下方に位置する内気導入口15より吸い込まれた内気は、図中の矢印のように、エバポレータ10で熱交換された後、送風機11によって冷気送出口16より車両室内に吹き出される。
【0028】
一方、図4の外気導入状態では、内外気切替ドア9は内気導入口15を閉塞し、外気導入用開口部17を開放している。これにより、空調ケース7の図中左側面の外気導入口14より吸い込まれた外気は、外気フィルタ8を通過した後、外気導入用開口部17を通り、エバポレータ10で熱交換され、送風機11によって冷気送出口16より車室内に吹き出される。
【0029】
図5に図3、4中の内外気切替ドア9の平面図を示す。図5に示すように、内外気切替ドア9は、いわゆるバタフライドアであり、具体的には、ドア本体部20と、ドア本体部20の軸方向端部を保持する保持部21と、保持部21の一部である軸部22とを備え、ドア本体部20の短い方の幅の中央に軸部22が位置している。
【0030】
ドア本体部20が内気導入口15と外気導入用開口部17とを選択して開閉する部分であり、軸部22が内外気切替ドア9の回転軸9aを構成する部分である。また、ドア本体部20および保持部21は、別体の樹脂製部品であり、ドア本体部20に対して保持部21が嵌め込み、接着、ビス止め等によって固定される。
【0031】
ドア本体部20および保持部21を構成する樹脂材料としては、例えば、耐熱性、耐衝撃性等に優れるポリカーボネート等が採用可能である。なお、軸部22は、保持部21と一体であり、保持部21と同一の樹脂材料で連続して形成される。
【0032】
ドア本体部20は、一方向に長く、この一方向に直交する他方向に短い形状であり、具体的には、平面形状が回転軸方向に長い長方形である。例えば、短い方の幅L1は10〜20cmであり、長い方の幅L2は100〜150cmである。このように、ドア本体部20は長尺で大きい形状であるため、たわみ防止のために高強度・高剛性である構造がドア本体部20に要求される。
【0033】
そこで、本実施形態では、ドア本体部20の構造として、図6に示す断面構造を採用している。ドア本体部20は、この断面構造がドア本体部20の長手方向、すなわち、回転軸方向に続いている。図6に図5中の内外気切替ドアのVI−VI線断面図を示す。
【0034】
図6に示すように、ドア本体部20は、所定間隔にて対向する2枚の板部31、32と、2枚の板部31、32の間に位置する仕切り壁33とを有する構造である。この仕切り壁33は、2枚の板部31、32を支えることで、2枚の板部31、32の強度および剛性を向上させるとともに、2枚の板部31、32の間を複数の空間34に仕切ることで、ドア本体部20の内部に複数の空気層を形成している。
【0035】
2枚の板部31、32は、平板形状の部分であり、互いに平行に配置されている。
【0036】
仕切り壁33は、2枚の板部31、32の両方に連なっており、仕切り壁33は、2枚の板部31、32を支持して、両者の間隔を保持している。なお、図6中の2枚の板部31、32および仕切り壁33の厚さは同じであるが、異なっていても良い。
【0037】
また、仕切り壁33は、図6に示すように、ドア本体部20の長手方向、すなわち、回転軸方向に直交する横断面において、複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されている。具体的には、仕切り壁33は、六角形の辺33a、33b、33cを形成するように配置されており、すなわち、2枚の板部31、32に対して傾いている辺33a、33bと、2枚の板部31、32に平行な辺33cとを形成するように配置されている。これにより、仕切り壁33は、2枚の板部31、32を含めて、六角形に仕切られた空間34を形成している。この空間34は、図6の紙面垂直方向、すなわち、回転軸に平行な方向に延びている。
【0038】
本実施形態では、仕切り壁33は、2枚の板部31、32の並び方向、すなわち、ドア本体部20の厚さ方向である2枚の板部31、32に垂直な方向で、2つの六角形が並ぶように配置されている。これによって、2枚の板部31、32の並び方向に、2つもしくは3つの空気層34が形成されている。
【0039】
また、本実施形態では、仕切り壁33は、2枚の板部31、32に平行であって、六角形の内部で六角形の頂点同士をつなぐ辺33dを形成する部分を有している。この辺33dは、ハニカム構造を構成する仕切り壁33における2枚の板部31、32に垂直な方向での変形を抑制するためのものである。
【0040】
図6中の仕切り壁33によって構成されたハニカム構造部は、2枚の板部31、32の並び方向における強度・剛性が、2枚の板部31、32よりも高いので、2枚の板部31、32の強度・剛性を向上させている。
【0041】
本実施形態のドア本体部9は、2枚の板部31、32および仕切り壁33が一体成形、すなわち、同一の樹脂材料で連続して成形されたものである。なお、2枚の板部31、32と仕切り壁33とを別体として樹脂成形した後、これらを接合することによってドア本体部9を形成しても良い。
【0042】
以上の通り、本実施形態では、ドア本体部20を樹脂製とし、仕切り壁33によって2枚の板部31、32の強度・剛性を高めつつ、ドア本体部20の内部に複数の空間34を形成する構造を採用しているので、高強度・高剛性を確保しつつドア本体部20の軽量化を実現するとともに、ドア本体部20の内部の複数の空間34によって、ドア本体部20自体に断熱効果を持たせることができる。
【0043】
よって、本実施形態によれば、ドア本体部20自体が断熱効果を有しているので、ドア本体部が金属製の場合に必要であった断熱材を不要にでき、ドア本体部の部品点数を減らすことができる。
【0044】
(第2実施形態)
第1実施形態では、2つの板部31、32の間の仕切り壁33をハニカム構造を形成するように配置していたが、2つの板部31、32を支えるとともに、複数の空間に仕切っていれば、六角形以外の多角形形状を形成するように配置しても良い。
【0045】
図7に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図7は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図7中の仕切り壁41が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0046】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁41は四角形の辺41a、41bを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、四角形に仕切られた2つの空気層34が形成されている。
【0047】
(第3実施形態)
図8に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図8は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図8中の仕切り壁42が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0048】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁42は八角形の辺42aと四角形の辺42bとを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、八角形および四角形に仕切られた2つもしくは3つの空気層34が形成されている。
【0049】
(第4実施形態)
図9に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図9は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図9中の仕切り壁43が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0050】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁43は三角形の辺43a、43bを形成するように配置されている。本実施形態においても、2枚の板部31、32の並び方向に、三角形に仕切られた2つの空気層34が形成されている。
【0051】
(第5実施形態)
図10に、本実施形態における内外気切替ドア9のドア本体部20の断面図を示す。図10は、回転軸方向に垂直な断面図であり、図10中の仕切り壁44が図6中の仕切り壁33に対応している。
【0052】
本実施形態では、ドア本体部20の回転軸方向に直交する断面において、仕切り壁44は四角形の辺を形成するように配置されている。ただし、第2実施形態とは異なり、仕切り壁44は2枚の板部31、32に対して垂直に立っており、空気層34は、2枚の板部31、32の並び方向で1つのみである。
【0053】
なお、ドア本体部20の内部において、2枚の板部31、32の並び方向に、仕切り壁によって仕切られた空気層34が複数並んでいる方が、1層の場合よりも断熱効果が高い。したがって、より高い断熱効果を得るという観点では、本実施形態よりも上述の第1〜第4実施形態の方が好ましい。
【0054】
(第6実施形態)
図11(a)に、本実施形態における内外気切替ドア9の平面図を示し、図11(b)に内外気切替ドア9の側面図を示す。また、図12に、図11(b)中のドア本体部20のXII−XII線断面図を示す。図12は、2つの板部31、32に平行な断面図である。また、図13に、ドア本体部20の分解斜視図を示す。
【0055】
本実施形態では、多角形の辺を形成するように配置される仕切り壁の向きが、上述の実施形態と異なっている。
【0056】
すなわち、図13に示すように、ドア本体部20は、上述の実施形態と同様に2つの板部31、32と、この間の仕切り壁45とを有して構成される。しかし、図11(a)、図12に示すように、ドア本体部20の内気導入口15、外気導入用開口部17を開閉する面の方向に対して平行な断面において、仕切り壁45は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されている。
【0057】
本実施形態では、仕切り壁45の全ての面方向が、2つの板部31、32に対して直交しているので、第1実施形態と比較して、ドア本体部20の強度・剛性は優れている。しかしながら、仕切り壁45に仕切られた空気層34は、第5実施形態と同様に、2枚の板部31、32の並び方向で1層のみであるので、本実施形態よりも、上述の第1〜第4実施形態の方が断熱効果が高い。
【0058】
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、内外気切替ドア9として、ドア本体部20と、ドア本体部20の回転軸9aとなる軸部22とを有し、ドア本体部20の短い方の幅の中央に軸部22が位置するバタフライドアを採用していたが、ドア本体部20の短い方の幅の一端に軸部22が位置するドアを採用しても良い。また、内外気切替ドア9として、ドア本体部が回転軸を基準に回転する構成でなく、ドア本体部がその面方向にスライドする構成のドアを採用しても良い。また、ドア本体部20は、平板形状に限らず、断面が円弧形状であっても良い。
【0059】
(2)上述の実施形態では、クーリングユニット1がバス車両の屋根に搭載されていたが、天井や床等に搭載されていても良い。
【0060】
(3)上述の実施形態では、バス車両用空調装置の内外気切替ドアに本発明を適用していたが、バス車両用空調装置の他のドアや、バス車両以外の車両用空調装置のドアに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態におけるバス車両用空調装置とこれを搭載するバス車両の斜視図である。
【図2】図1中のクーリングユニットの外観斜視図である。
【図3】図2中のクーリングユニットのIII−III線断面図である。
【図4】図2中のクーリングユニットのIV−IV線断面図である。
【図5】図3、4中の内外気切替ドアの平面図である。
【図6】図5中のドア本体部のVI−VI線断面図である。
【図7】第2実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図8】第3実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図9】第4実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図10】第5実施形態における内外気切替ドアのドア本体部の断面図である。
【図11】(a)、(b)は、それぞれ、第6実施形態における内外気切替ドアの平面図、側面図である。
【図12】図11(b)中のドア本体部のXII−XII線断面図である。
【図13】図11(a)中のドア本体部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
7 空調ケース
9 内外気切替ドア
20 ドア本体部
22 軸部
31、32 板部
33 仕切り壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用空調装置の空調ケース(7)に設置されるドア(9)であって、
前記空調ケース(7)に設けられた開口部(15、17)を開閉する樹脂製のドア本体部(20)を備え、
前記ドア本体部(20)は、所定間隔にて対向する2枚の板部(31、32)と、
前記2枚の板部(31、32)の間に位置し、前記2枚の板部(31、32)を支えて前記2枚の板部(31、32)の強度および剛性を向上させるとともに、前記2枚の板部(31、32)の間を複数の空間(34)に仕切る仕切り壁(33、41、42、43、44、45)とを有していることを特徴とする車両用空調装置のドア。
【請求項2】
前記ドア本体部(20)は一方向に長い形状であり、
前記ドア本体部(20)の長手方向に直交する横断面において、前記複数の空間(34)が多角形形状で仕切られるように、前記仕切り壁(33、41、42、43、44、45)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置のドア。
【請求項3】
前記ドア本体部(20)の前記横断面において、前記仕切り壁(33)は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置のドア。
【請求項4】
前記仕切り壁(33、41、42、43)は、前記2枚の板部(31、32)の並び方向に前記空間(34)を並べて形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置のドア。
【請求項5】
前記ドアは、バス車両用空調装置の内外気切替ドア(9)であり、
前記ドア本体部(20)は、空調ケース(7)に設けられた内気導入用開口部(15)と外気導入用開口部(17)とを開閉するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置のドア。
【請求項6】
空気通路を内部に形成する前記空調ケース(7)と、
前記空調ケース(7)の内部に設置され、前記空気通路を流れる空気と熱交換する熱交換器(10)と、
前記空調ケース(7)に設置される請求項1ないし5のいずれか1つに記載のドア(9)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項1】
車両用空調装置の空調ケース(7)に設置されるドア(9)であって、
前記空調ケース(7)に設けられた開口部(15、17)を開閉する樹脂製のドア本体部(20)を備え、
前記ドア本体部(20)は、所定間隔にて対向する2枚の板部(31、32)と、
前記2枚の板部(31、32)の間に位置し、前記2枚の板部(31、32)を支えて前記2枚の板部(31、32)の強度および剛性を向上させるとともに、前記2枚の板部(31、32)の間を複数の空間(34)に仕切る仕切り壁(33、41、42、43、44、45)とを有していることを特徴とする車両用空調装置のドア。
【請求項2】
前記ドア本体部(20)は一方向に長い形状であり、
前記ドア本体部(20)の長手方向に直交する横断面において、前記複数の空間(34)が多角形形状で仕切られるように、前記仕切り壁(33、41、42、43、44、45)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置のドア。
【請求項3】
前記ドア本体部(20)の前記横断面において、前記仕切り壁(33)は複数の六角形を有するハニカム構造を構成するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置のドア。
【請求項4】
前記仕切り壁(33、41、42、43)は、前記2枚の板部(31、32)の並び方向に前記空間(34)を並べて形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置のドア。
【請求項5】
前記ドアは、バス車両用空調装置の内外気切替ドア(9)であり、
前記ドア本体部(20)は、空調ケース(7)に設けられた内気導入用開口部(15)と外気導入用開口部(17)とを開閉するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置のドア。
【請求項6】
空気通路を内部に形成する前記空調ケース(7)と、
前記空調ケース(7)の内部に設置され、前記空気通路を流れる空気と熱交換する熱交換器(10)と、
前記空調ケース(7)に設置される請求項1ないし5のいずれか1つに記載のドア(9)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−70081(P2010−70081A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240419(P2008−240419)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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