説明

車両用空調装置

【課題】車両用空調装置において、車室内に空気を送出する開口部を車両における幅方向に分割し、前記開口部の開口面積を調整自在とする。
【解決手段】車両用空調装置10を構成するケーシング12の上部には、デフロスタ開口部74に臨むようにカバー部材78が装着される。このカバー部材78は、複数の仕切部82によって前記デフロスタ開口部74を4分割すると共に、該仕切部82の下方に延在した一対のリブ90を通路分割部材62a、62bの壁面に当接させて気密を保持している。また、リブ90に形成された軸支持溝92にデフロスタダンパ76の回転軸100を挿入することによって回動自在に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、冷却手段によって温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載される車両用空調装置は、送風機によって内外気を内部に空気通路を形成したケーシングへと取り込み、冷却手段であるエバポレータにより冷却された空気と、加熱手段であるヒータコアにより加熱された空気とを前記ケーシング内で所望の混合比率で混合した後、前記ケーシングに設けられた複数の開口部から送風ダクトを通じて車室内に設けられた吹出口から送風することによって前記車室内の温度及び湿度の調整を行っている。
【0003】
特に、特許文献1に開示されるような車両用空調装置では、曇りを取るためにフロントウインドウへ向けて送風するデフロスタ吹出口と、乗員の足元近傍へ向けて送風するヒート吹出口とから同時に送風を行うヒートデフモード時において、前記デフロスタ吹出口からの送風温度を前記ヒート吹出口からの送風温度よりも高くするために、ヒータコアにより加熱された空気を冷却された空気と混合せずに、直接デフロスタ吹出口へと送風可能な通路構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−188995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した車両用空調装置では、各吹出口に通じる送風ダクトと接続するためにケーシング上部に形成された開口部に通じる空気通路を車両幅方向外側及び内側にそれぞれ独立した通路として分割し、車両幅方向外側の空気通路をデフロスタ開口部へ通じるデフロスタ通路とし、一方、車両幅方向内側の空気通路はヒート開口部へ通じるヒート通路としている。そして、デフロスタ通路は、ヒータコアにより加熱された空気を直接導入可能に構成され、ヒート通路は、加熱された空気と冷却された空気との混合空気を導入可能に構成されている。
【0006】
ところで、このような車両用空調装置においてフロントウィンドウの曇りを急速に除去したい場合などでは、デフロスタ吹出口への送風量を増加させたい要望がある。この場合、例えば、前記ヒート通路に供給される空気の一部を補助的にデフロスタ吹出口に供給することで送風量を増加させることが考えられる。
【0007】
その際、デフロスタ開口部を、ヒート通路の上部まで車両幅方向へ拡大することが構成及び製造上において最も簡便な方法であるが、前記デフロスタ通路に導入される空気の温度と前記ヒート通路に導入される空気の温度とが異なるため、前記デフロスタ通路上部に設けられる開口部と、前記ヒート通路上部に設けられる開口部の開口面積を単純に同一に設定してしまうと、前記デフロスタ通路のみからデフロスタ吹出口に空気を供給する場合と比較して空気温度が大幅に低下してしまい、曇りの除去効率が却って悪化してしまう場合がある。
【0008】
また、デフロスタ通路内を流通する空気は、デフロスタ吹出口のみに供給されるため、前記デフロスタ通路上部に設けられたデフロスタ開口部は送風量を増やすため開口面積が大きいことが望まれるが、ヒート通路はヒート吹出口にも送風する必要があるため、前記デフロスタ吹出口と前記ヒート吹出口へ送風する割合を調整するために、前記デフロスタ通路上部と前記ヒート通路上部のそれぞれのデフロスタ開口部の開口面積を個別に調整する必要がある。その開口面積の比率は、車両用空調装置と前記吹出口とを繋ぐダクト形状によっても違いがあるため、例えば、上述した車両用空調装置を複数の車種に搭載する場合には、個々の車種によって前記開口面積を調整する必要があり、その調整作業が煩雑である。
【0009】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、簡素な構成で車室内に空気の送出される開口部を車両における幅方向に分割し、分割された前記開口部の開口面積を調整自在な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明は、車室内へ送風する空気の流通する通路を有したケーシングと、前記空気を冷却する冷却手段と、前記空気を加熱する加熱手段と、前記ケーシングに形成され前記車室内の吹出口と連通する車両幅方向に開口した開口部と、前記開口部近傍に設けられ、該開口部を開閉することによって前記空気の車室内への送風状態を切り換えるダンパ機構とを備えた車両用空調装置において、
前記ケーシングには、前記開口部の一部を覆うようにカバー部材が設けられ、前記カバー部材は、前記ケーシングに対して固定される固定部と、
前記開口部に臨み、該開口部と連通するカバー開口部と、
前記開口部に臨むと共に前記カバー開口部における車両前方向又は後方向の一部を遮蔽する遮蔽部と、
前記カバー開口部に設けられ、前記開口部を前記車両幅方向に分割する仕切部と、
を備え、
前記ダンパ機構は、前記車両幅方向に沿って延在し、前記カバー部材に対して回動自在に支持される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に延在する1枚の遮蔽板を有し前記カバー開口部を遮蔽する片持ちダンパと、前記回転軸において互いに離間するように径方向に延在した2枚の遮蔽板を有し、前記カバー部材に覆われていない前記開口部を遮蔽するバタフライダンパとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ケーシングの開口部の一部を覆うようにカバー部材を設け、前記カバー部材のカバー開口部を前記開口部と連通させ、且つ、遮蔽部によって前記カバー開口部における車両前方向又は後方向の一部を遮蔽すると共に、前記カバー開口部に設けられる仕切部によって前記開口部を前記車両幅方向に分割している。また、ダンパ機構の回転軸が、カバー部材に対して回動自在に支持されると共に、前記回転軸に対して径方向に延在した1枚の遮蔽板からなる片持ちダンパが、前記カバー開口部を遮蔽し、一方、前記回転軸において互いに離間するように径方向に延在した2枚の遮蔽板からなるバタフライダンパが、前記開口部を遮蔽可能に設けられている。
【0012】
従って、開口部の一部を覆う遮蔽部を有したカバー部材をケーシングに対して設けるという簡素な構成で、前記開口部において遮蔽部で覆われた部位と、該遮蔽部で覆われていない部位との間で開口面積を容易に変更することができる。その結果、カバー部材を通じて車室内に供給される空気の送風量と、前記カバー部材を介さずに開口部から直接車室内に供給される空気の送風量との比を自在に変化させることが可能となる。
【0013】
また、ダンパ機構は、カバー部材のカバー開口部を遮蔽する片持ちダンパと、該遮蔽部に覆われていない開口部を遮蔽するバタフライダンパとを備えているため、前記ダンパ機構の全閉状態において、開口面積の異なる2つの部位を有した前記開口部を確実に遮蔽することができる。
【0014】
また、仕切部は、開口部側に向かって延在したリブを備えると共に、ケーシングの内部には、前記開口部に臨むように設けられ、通路を車両前後方向に分割する通路分割部材が設けられ、前記リブと前記通路分割部材とが当接することによって前記通路を前記車両幅方向における中央側と両端側とに独立して分割するとよい。
【0015】
さらに、リブには、通路分割部材と共に回転軸を支持する支軸部の一部を構成させるとよい。
【0016】
さらにまた、開口部は、車室内におけるフロントウインドウ近傍に送風するデフロスタ開口部であり、車両幅方向における中央側又は両端側の通路のうち、一方側の通路には、加熱手段で加熱された温風と冷却手段で冷却された冷風とが混合した混合風を導入し、他方側の通路には、前記加熱手段にて加熱された温風を直接導入するとよい。
【0017】
またさらに、加熱手段を、ケーシングにおいてデフロスタ開口部の下方に配置し、混合風を、一方側の通路に対して車両前後方向から導入すると共に、他方側の通路には、温風が前記ケーシングにおける下方から導入され、片持ちダンパがカバー開口部を遮蔽した際に、バタフライダンパにおける遮蔽板の一方側を他方側に比べて上方に向かって傾斜した位置に配置するとよい。
【0018】
また、開口部は、車室内の吹出口に対してダクトを介してそれぞれ連通しており、分割された前記開口部のうち、前記カバー部材に覆われた開口部と、該カバー部材に覆われていない別の開口部とをそれぞれ独立した前記ダクトに接続するとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0020】
すなわち、ケーシングの開口部の一部を覆うようにカバー部材を設け、前記カバー部材のカバー開口部を前記開口部と連通させ、且つ、遮蔽部によって前記カバー開口部における車両前方向又は後方向の一部を遮蔽すると共に、前記カバー部材に支持されたダンパ機構において、回転軸に対して径方向に延在した遮蔽板を有し前記カバー開口部を遮蔽する片持ちダンパと、前記回転軸に対して互いに離間するように延在した2枚の遮蔽板からなり前記開口部を遮蔽可能なバタフライダンパを備えることにより、遮蔽部を有したカバー部材をケーシングに対して設けるという簡素な構成で、前記遮蔽部で覆われた部位と、該遮蔽部で覆われていない部位との間で開口部の開口面積を容易に変更することができる。その結果、カバー部材を通じて車室内に供給される空気の送風量と、前記カバー部材を介さずに開口部から直接車室内に供給される空気の送風量との比を自在に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の外観斜視図である。
【図2】図1の車両用空調装置におけるケーシングの全体断面図である。
【図3】図1に示すカバー部材とデフロスタダンパとの分解斜視図である。
【図4】図3のカバー部材を下方から見た外観斜視図である。
【図5】図1のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図2におけるデフロスタダンパ及びデフロスタ開口部近傍を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。なお、車両用空調装置10は、図1及び図2に示される右側(矢印A方向)が車両の前方側となり、左側(矢印B方向)が該車両の後方側となるように搭載されるため、以下、矢印A方向を前方とし、矢印B方向を後方として説明する。
【0024】
この車両用空調装置10は、図1及び図2に示されるように、空気の各通路を構成するケーシング12と、前記ケーシング12の側部に連結ダクト14を介して連結され、車両における前席に送風するための第1送風機16と、前記ケーシング12の内部に配設され、前記空気を冷却するエバポレータ(冷却手段)18と、該空気を加熱するヒータコア(加熱手段)20と、前記ケーシング12の下部に連結され、前記車両の中間席、後席に送風するための第2送風機22と、前記各通路内を流通する空気の流れを切り換えるダンパ機構24とを含む。
【0025】
ケーシング12は、略対称形状の第1及び第2分割ケーシング26、28と、該第1分割ケーシング26と第2分割ケーシング28との間に設けられたセンタープレート30とから構成され、該第1分割ケーシング26の下側部には、連結ダクト14の連結される第1フロント通路32が形成され、第1送風機16から空気が供給される。
【0026】
エバポレータ18は、第1分割ケーシング26と第2分割ケーシング28とに跨るように設けられ、第1フロント通路32の下流側に配置される。このエバポレータ18は、第1フロント通路32に臨み、該第1フロント通路32から供給される空気を冷却する第1冷却部34と、第2送風機22から供給される空気を冷却する第2冷却部36とを有する。なお、第1冷却部34と第2冷却部36とは仕切手段によって分離されている。
【0027】
一方、エバポレータ18の下流側には、第1冷却部34を通過した空気の供給される第2フロント通路38が形成され、該第2フロント通路38の上方には第3フロント通路40と第4フロント通路42とが分岐するように形成される。また、第2フロント通路38には、第3フロント通路40及び第4フロント通路42の分岐部に臨むようにエアミックスダンパ44が回動自在に設けられる。そして、エアミックスダンパ44を回動させることによってエバポレータ18を通過した冷風の第3フロント通路40及び第4フロント通路42への送風状態及び送風量を調整する。
【0028】
第3フロント通路40は、ケーシング12における前方側(矢印A方向)、第4フロント通路42が後方側(矢印B方向)となるように配置され、該第4フロント通路42の下流側にはヒータコア20が配設される。
【0029】
この第3フロント通路40の上流側には、第2フロント通路38に臨む下方にクールベントダンパ46が設けられ、前記第2フロント通路38と第3フロント通路40との連通状態を切り換えている。
【0030】
また、第3フロント通路40は、上方に向かって延在し、その下流側となる上部にはベント開口部48が開口し、前記ベント開口部48を開閉可能なベントダンパ50が回動自在に設けられる。ベントダンパ50は、第3フロント通路40を流通する空気がベント開口部48、又は、後述する第6フロント外通路64へ送風される際の送風状態を切り換え、且つ、その送風量を調整可能に設けられる。
【0031】
ヒータコア20は、エバポレータ18と同様に、第1分割ケーシング26と第2分割ケーシング28との間に跨るように配置され、第4フロント通路42に臨み、該第4フロント通路42から供給される空気を加熱する第1加熱部52と、第2送風機22から供給される空気を加熱する第2加熱部54とを有する。なお、第1加熱部52と第2加熱部54とは仕切手段によって分離されている。
【0032】
第1加熱部52の下流側には、第5フロント通路56が形成され、該第5フロント通路56が前方(矢印A方向)に向かって延在し、第3フロント通路40と合流する部位に温度コントロールダンパ58が設けられると共に、前記第1加熱部52の上方にはサブデフロスタダンパ60が設けられる。温度コントロールダンパ58は、その回動作用下に第5フロント通路56と第3フロント通路40との連通状態を切り換える。
【0033】
サブデフロスタダンパ60は、第5フロント通路56と、その上方に設けられた一対の通路分割部材62a、62bの外側となる第6フロント外通路64との連通状態を切り換える目的で設けられ、該サブデフロスタダンパ60を回動させて前記第5フロント通路56と第6フロント外通路64とを連通させること、すなわち、該第5フロント通路56から該第6フロント外通路64までの流路を短縮することにより、ヒータコア20で加熱された温風を、第3フロント通路40を流通させることなく直接的に前記第6フロント外通路64へと供給する。
【0034】
通路分割部材62a、62bは、断面L字状に形成され、後述するデフロスタ開口部74に臨み、センタープレート30を挟んで第1及び第2分割ケーシング26、28側にそれぞれ設けられる。この通路分割部材62a、62bは、センタープレート30と略平行且つ所定間隔離間した分割壁66a、66bと、該分割壁66a、66bの下部から前記センタープレート30側に向かって延在する遮断壁68a、68bとをそれぞれ有する。そして、分割壁66a、66b、遮断壁68a、68b及びセンタープレート30に囲まれた空間が、第6フロント内通路70となり、その前方側(矢印A方向)が第3フロント通路40の下流に、後方側(矢印B方向)がヒート開口部72に連通すると共にデフロスタ開口部74の中央部に設けられた第1開口部86(後述する)と連通する。
【0035】
一方、分割壁66a、66bと第1及び第2分割ケーシング26、28の内壁との間には、それぞれ第6フロント外通路64が形成され、前記デフロスタ開口部74の両端に設けられる第2開口部88(後述する)と連通している。また、遮断壁68a、68bは、第5フロント通路56と第6フロント内通路70との連通を遮断している。
【0036】
すなわち、ケーシング12の内部において、通路分割部材62a、62bの第6フロント内通路70を通じて第3フロント通路40とヒート開口部72とが略水平方向に接続され、第6フロント外通路64を通じて第5フロント通路56とデフロスタ開口部74とが略鉛直方向に接続される。
【0037】
換言すれば、ケーシング12の幅方向中央に設けられた2本の第6フロント内通路70と、前記幅方向両端に設けられた2本の第6フロント外通路64とが、ケーシング12の内部において互いに交差するように形成されている。なお、この場合でも、第6フロント内通路70及び第6フロント外通路64は、分割壁66a、66bによって互いに分離され連通することはない。
【0038】
第1及び第2分割ケーシング26、28の上面には、第6フロント内通路70、第6フロント外通路64の上方となる位置に、車両の前後方向(矢印A、B方向)と直交する幅方向(矢印C方向)に沿って長尺なデフロスタ開口部74が開口している。このデフロスタ開口部74は、断面略長方形状に開口し、該デフロスタ開口部74に臨むようにデフロスタダンパ76が回動自在に設けられると共に、該デフロスタ開口部74の一部を覆うようにケーシング12の上方からカバー部材78が装着される。
【0039】
カバー部材78は、例えば、樹脂製材料を成形することによって形成され、デフロスタ開口部74の一部を閉塞する遮蔽部80と、該遮蔽部80の一側面に接合されデフロスタ開口部74を分割する複数の仕切部82と、四隅に設けられケーシング12に対して固定される固定部84とからなる。
【0040】
遮蔽部80は、略中央に設けられ、カバー部材78がケーシング12に装着された際、デフロスタ開口部74の幅方向中央、且つ、前記車両の後方側(矢印B方向)の一部を覆うように所定幅で形成される。
【0041】
仕切部82は、遮蔽部80の略中央、両端部にそれぞれ接合された3本からなり、前記遮蔽部80から離間する方向(矢印A方向)に向かってそれぞれ延在している。そして、カバー部材78がデフロスタ開口部74に臨むように装着された際、該デフロスタ開口部74の開口部が仕切部82によって幅方向(矢印C方向)に4分割される。すなわち、4分割されたデフロスタ開口部74のうち、幅方向中央となる2つの第1開口部86が、第6フロント内通路70と連通すると共に遮蔽部80によって覆われている。換言すれば、この第1開口部86は、カバー部材78における仕切部82、後述するフレーム94及び遮蔽部80によって囲まれたカバー開口部89からなる。
【0042】
一方、第1開口部86に対して幅方向外側となるそれぞれ2つの第2開口部88は、第6フロント外通路64とそれぞれ連通し、その開口面積は、遮蔽部80によって開口面積の減少した第1開口部86より大きく設定される。なお、4分割された第1開口部86及び第2開口部88は、車両の幅方向(矢印C方向)に沿った長さは略同等に設定される。
【0043】
デフロスタ開口部74は、その第1開口部86がケーシング12の上部に接続されたデフロスタダクト(図示せず)を介して車両のフロントウインドウの左右近傍に連通し、一方、第2開口部88が前記ケーシング12の上方に接続された2本のデフロスタダクト(図示せず)を介して前記フロントウインドウの中央近傍に開口した吹出口と連通している。
【0044】
また、カバー部材78の両側部に設けられた一組の仕切部82には、下方に向かって所定高さで延在したリブ90がそれぞれ形成され、図5に示されるように、前記リブ90の外壁面が、通路分割部材62a、62bにおける分割壁66a、66bの内壁面に対してそれぞれ当接する。詳細には、リブ90の外壁面は、分割壁66a、66bの内壁面に対して摺接して面接触しているため、前記分割壁66a、66bの内側となる第6フロント内通路70を流通する空気、前記分割壁66a、66bの外側となる第6フロント外通路64を流通する空気が、前記分割壁66a、66bと前記リブ90との間を通じて互いに漏出することが防止される。
【0045】
このリブ90には、図3及び図4に示されるように、遮蔽部80側(矢印B方向)となる端部に、後述するデフロスタダンパ76を回動自在に支持する軸支持溝92が設けられる。軸支持溝92は、下方に向かって開口した断面半円状に形成され、下方からデフロスタダンパ76の回転軸100が挿入されることによりカバー部材78に対して回動自在に支持する。
【0046】
固定部84は、仕切部82の端部に接合されたフレーム94を介して設けられる一対の第1固定爪96と、遮蔽部80を挟んで前記仕切部82とは反対側に設けられた一対の第2固定爪98とからなる。第1及び第2固定爪96、98は、下方に向かって突出し、第1及び第2分割ケーシング26、28の上面に設けられた孔部にそれぞれ係合される。
【0047】
これにより、カバー部材78は、遮蔽部80及び仕切部82がデフロスタ開口部74に臨み、リブ90が前記デフロスタ開口部74の内部に挿入され、通路分割部材62a、62bの分割壁66a、66bに当接した状態(図5参照)でケーシング12に対して固定される。
【0048】
デフロスタダンパ76は、一直線状に形成された回転軸100と、前記回転軸100の軸線と直交方向に延在した4枚の第1送風ガイド102と、該回転軸100の両端部に設けられ、該回転軸100を挟んで前記第1送風ガイド102とは略反対方向に延在した一対の第2送風ガイド104とを有する。第1及び第2送風ガイド102、104は、回転軸100の軸線方向に沿って所定幅となる略矩形状に形成され、前記回転軸100から離間する方向に沿った長さは、第2送風ガイド104が前記第1送風ガイド102に対して短く形成される(図3及び図6参照)。
【0049】
また、第1送風ガイド102は、回転軸100の軸線方向に沿って互いに等間隔離間して配置され、一方、第2送風ガイド104は、回転軸100の両端部に設けられた2枚の第1送風ガイド102と軸線方向に沿って同一となる位置に設けられる。さらに、第2送風ガイド104は、図6に示されるように、回転軸100の軸線方向から見た状態で該回転軸100を中心として第1送風ガイド102から所定角度だけ傾斜して形成される。
【0050】
そして、デフロスタダンパ76は、最も外側に設けられた第1及び第2送風ガイド102、104と隣接した第1送風ガイド102との間の回転軸100がカバー部材78の軸支持溝92にそれぞれ挿入され、通路分割部材62a、62bの分割壁66a、66bとの間で回転自在に支持される。
【0051】
このデフロスタダンパ76が、カバー部材78を介してケーシング12に装着された際、回転軸100の両端に設けられた第1及び第2送風ガイド102、104が第2開口部88に配置され、該第2送風ガイド104が遮蔽部80の側方となるように配置されると共に、前記回転軸100の中央に設けられた2枚の第1送風ガイド102が、それぞれ第1開口部86となるように配置される。この際、図6に示されるように、第1送風ガイド102が全閉状態において、第2送風ガイド104が第2開口部88内において上方に向かって所定角度だけ傾斜した状態となる。なお、第2送風ガイド104の配置される角度は、第1送風ガイド102が略水平なデフロスタ開口部74の全開状態において、前記デフロスタ開口部74に対して第2送風ガイド104が略鉛直となる角度に設定されている。
【0052】
すなわち、デフロスタダンパ76は、その回転軸100に沿った略中央部においては半径外方向に突出した複数の第1送風ガイド102のみを有した片持ちダンパとして機能し、一方、前記回転軸100の両端部において、該回転軸100を中心として互いに離間する方向に突出した第1及び第2送風ガイド102、104を有するバタフライダンパとして機能する。
【0053】
このデフロスタダンパ76は、第3フロント通路40から第6フロント内通路70へと供給される空気が、デフロスタ開口部74、ヒート開口部72へ送風される際の送風状態を切り換え、且つ、その送風量を調整可能に設けられると共に、第5フロント通路56から第6フロント外通路64へと供給される空気が、デフロスタ開口部74へ送風される際の送風状態を切り換え、且つ、その送風量を調整可能に設けられる。なお、ヒート開口部72は、車室内の前席(運転席、助手席)に乗車している乗員の足元近傍に送風するための吹出口(図示せず)へと連通している。
【0054】
そして、この車両用空調装置10では、ベント開口部48及びデフロスタ開口部74が、ケーシング12の上方に開口し、且つ、前記ベント開口部48が前方側(矢印A方向)に、デフロスタ開口部74が、該ベント開口部48に対して後方(矢印B方向)となるケーシング12の略中央に配置される。
【0055】
第1送風機16は、図1に示されるように、図示しない第1送風ファンの収容される第1送風機ケース108と、該第1送風機ケース108の上部に接続され外気を導入するためのダクト110を有した第2送風機ケース112とを含み、前記第1送風機ケース108が連結ダクト14を介してケーシング12の内部と連通している。
【0056】
そして、第1送風機16から供給された空気が、連結ダクト14を通じてケーシング12内へと導入され、図2に示されたダンパ機構24を構成するエアミックスダンパ44、ベントダンパ50、デフロスタダンパ76、温度コントロールダンパ58及びサブデフロスタダンパ60の回動作用下に第1〜第5フロント通路32、38、40、42、56、第6フロント外通路64、第6フロント内通路70を通じて車両における前席及び中間席に送風可能なデフロスタ開口部74、ベント開口部48、ヒート開口部72へと選択的に供給される。
【0057】
一方、ケーシング12の下部には、図1及び図2に示されるように、エバポレータ18の上流側となる位置に第2送風機22が連結される。なお、リア通路は、分離壁116を介して第1フロント通路32と分離されている。
【0058】
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、ここでは、車両におけるフロントウィンドウの曇りを除去するために該フロントウィンドウ近傍のみに送風を行うデフロスタモードが選択された場合の動作について説明する。
【0059】
先ず、車両用空調装置10が始動されると、第1送風機16の第1送風ファンが図示しない回転駆動源に対する通電作用下に回転し、ダクト110等を通じて取り込まれた空気(外気又は内気)が連結ダクト14を通じてケーシング12の第1フロント通路32に供給されると同時に、第2送風機22の第2送風ファン118が図示しない回転駆動源に対する通電作用下に回転することによって取り込まれた空気(内気)がリア通路(図示せず)へと供給される。
【0060】
このケーシング12内に供給された空気は、それぞれエバポレータ18の第1及び第2冷却部34、36をそれぞれ通過して冷却され、冷風としてエアミックスダンパ44の設けられた第2フロント通路38及びリア通路(図示せず)側へとそれぞれ流通する。
【0061】
そして、エアミックスダンパ44及びクールベントダンパ46が、第2フロント通路38と第3フロント通路40とを連通を遮断し、ベントダンパ50が回動してベント開口部48を閉塞する。これにより、第2フロント通路38から第4フロント通路42を経てヒータコア20を通過した温風の空気が、第3フロント通路40から第6フロント外通路64へ供給される。そして、図6に示されるように、デフロスタダンパ76がデフロスタ開口部74から離間する方向へと回動し(二点鎖線形状)、デフロスタ開口部74を開口し、且つ、第6フロント外通路64とヒート開口部72との連通を遮断した状態とすることにより、第6フロント外通路64の空気が第2開口部88からデフロスタダクトへとそれぞれ供給され、車両におけるフロントウィンドウやドアウィンドウ近傍に送風される。この場合、サブデフロスタダンパ60を同時に回動させることにより、第5フロント通路56と第6フロント外通路64とを連通させ、第3フロント通路40を経由して第6フロント外通路64へと供給された空気に加え、ヒータコア20を通過した空気を該第6フロント外通路64に直接供給するようにしてもよい。
【0062】
詳細には、空気は、下方に向かって傾斜したデフロスタダンパ76の第1送風ガイド102に沿って上方へと導かれ、第2開口部88からデフロスタダクト(図示せず)に供給されると共に、サブデフロスタダンパ60の回動作用下に第5フロント通路56から供給された空気が、第2送風ガイド104に沿って上方へと導かれ、同様に前記第2開口部88から前記デフロスタダクトへと供給される。
【0063】
また、空気は、第3フロント通路40から第6フロント内通路70に供給されているため、該第6フロント内通路70に連通した第1開口部86を通じてデフロスタダクト(図示せず)に供給される。この際、第1開口部86の開口面積は、カバー部材78の遮蔽部80によって第2開口部88の開口面積より小さくなっているため、第1開口部86からデフロスタダクトへと供給される空気の送風量は、第2開口部88を通じてデフロスタダクトへと供給される空気の送風量に対して少なくなる。そして、第2開口部88からデフロスタダクトを通じて供給される空気が、車両におけるフロントウィンドウやドアウィンドウ近傍にそれぞれ送風される。
【0064】
次に、車室内において乗員の足元近傍及びフロントウィンドウの曇りを除去するために該フロントウィンドウ近傍に送風を行うヒートデフモードが選択された場合には、上述したデフロスタモードと同様に、ベントダンパ50によってベント開口部48が閉塞され、デフロスタダンパ76がデフロスタ開口部74から離間するように所定角度だけ回動することにより、第6フロント外通路64が前記デフロスタ開口部74の第2開口部88と連通し、且つ、第6フロント内通路70が前記デフロスタ開口部74の第1開口部86及びヒート開口部72とそれぞれ連通する。
【0065】
これにより、第3フロント通路40で混合された空気の一部が、第6フロント内通路70を通じてデフロスタ開口部74の第1開口部86、デフロスタダクト(図示せず)を通じて車両におけるフロントウィンドウやドアウィンドウ近傍にそれぞれ送風され、残りの空気が、前記第6フロント内通路70からヒート開口部72、ヒート吹出口(図示せず)を経て車室内における前席における乗員の足元近傍に送風される。すなわち、ヒート吹出口(図示せず)を経て車室内における前席における乗員の足元近傍に送風される空気の一部を、第1開口部86を介して車両のフロントウィンドウの左右近傍への送風に利用することができる。
【0066】
この際、デフロスタ開口部74の第1開口部86は、カバー部材78の遮蔽部80によって第2開口部88の開口面積より小さくなるように設定しているため、第6フロント内通路70からヒート吹出口側へと供給される空気が、第1開口部86から必要以上にフロントウィンドウへと供給されてしまうことが抑制される。換言すれば、第1開口部86の開口面積(遮蔽部80の大きさ)は、本来、ヒート吹出口を経て車室内における乗員の足元近傍に送風される空気が減少し、前記乗員に不快感を与えることがない十分な送風量が得られるように設定される。
【0067】
なお、ヒートデフモードにおいて、車室内の中間席及び後席に送風する場合については、その詳細な説明を省略する。
【0068】
以上のように、本実施の形態では、ケーシング12の上部に、デフロスタ開口部74の開口面積を変更可能な遮蔽部80を有したカバー部材78を設けるという簡素な構成で、前記デフロスタ開口部74における第1開口部86と第2開口部88から車室内へと供給される空気の送風量を自在に調整することができる。
【0069】
また、カバー部材78は、ケーシング12の内部側に向かって延在し、第6フロント外通路64と第6フロント内通路70とを分割している通路分割部材62a、62bに当接可能な一対のリブ90を備えている。そのため、カバー部材78をケーシング12に対して組み付けるという簡便な作業で、通路分割部材62a、62bの分割壁66a、66bに前記リブ90を当接させ面接触させることができ、前記分割壁66a、66bとリブ90によって前記第6フロント外通路64及び第6フロント内通路70の気密を保持できる。その結果、第6フロント外通路64及び第6フロント内通路70を流通する空気が、相互に漏出してしまうことを防止できる。
【0070】
さらに、リブ90には、デフロスタダンパ76の回転軸100を支持可能な軸支持溝92を備えているため、通路分割部材62a、62bの分割壁66a、66bとの間で前記回転軸100を回転自在に支持することが可能となる。その結果、カバー部材78に半円状の軸支持溝92を形成するという簡素な構成で、デフロスタダンパ76を確実且つ安定的に回動自在に支持することが可能となる。
【0071】
さらにまた、デフロスタダンパ76には、第2開口部88に臨むように一対の第2送風ガイド104を備え、該第2送風ガイド104は、回転軸100を中心として第1送風ガイド102に対して上方へと所定角度傾斜して形成されている。そのため、デフロスタダンパ76の第1送風ガイド102をデフロスタ開口部74から離間させる方向に回動させた際、第2送風ガイド104が略鉛直方向となるため、第2開口部88を通じてケーシング12の外部に導出される空気の流路抵抗となることがなく、該空気を円滑に前記第2開口部88に接続されたデフロスタダクトへと供給することができる。
【0072】
またさらに、デフロスタ開口部74を遮蔽する際、開口面積の大きい第2開口部88を第1及び第2送風ガイド102、104を有したデフロスタダンパ76の両端部側で確実に閉塞すると共に、一方、前記第2開口部88と比較して開口面積の小さな第1開口部86を前記第1送風ガイド102のみを有した片持ち状の前記デフロスタダンパ76の中央部で確実に閉塞することができる。
【0073】
また、面積が異なる遮蔽部80を有した別のカバー部材に交換することにより、デフロスタ開口部74における第1開口部86の開口面積を簡便且つ自在に変更することができるため、第6フロント内通路70からデフロスタダクト(図示せず)へと供給する空気の送風量を自在に調整することが可能となる。
【0074】
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0075】
また、上述した本発明の実施の形態においては、カバー部材78を、ケーシング12において車両幅方向に独立した通路の上部に設けたデフロスタ開口部74に臨むように配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、車両幅方向中央及び左右両端側の乗員の顔近傍に送風するために、それぞれ独立したベントダクトに接続するベント開口部48に前記カバー部材78を設けることにより、前記ベントダクトの形状に合わせて前記ベント開口部48の開口面積を調節自在にしてもよい。
【0076】
さらに、開口部は、車室内の吹出口に対してデフロスタダクトを介してそれぞれ連通しており、分割された前記開口部のうち、カバー部材78に覆われた第1開口部86と、該カバー部材78に覆われていない第2開口部88とをそれぞれ独立した前記デフロスタダクトに接続するとよい。
【符号の説明】
【0077】
10…車両用空調装置 12…ケーシング
14…連結ダクト 16…第1送風機
18…エバポレータ 20…ヒータコア
22…第2送風機 24…ダンパ機構
26…第1分割ケーシング 28…第2分割ケーシング
30…センタープレート 48…ベント開口部
50…ベントダンパ 60…サブデフロスタダンパ
62a、62b…通路分割部材 64…第6フロント外通路
66a、66b…分割壁 68a、68b…遮断壁
70…第6フロント内通路 72…ヒート開口部
74…デフロスタ開口部 76…デフロスタダンパ
78…カバー部材 80…遮蔽部
82…仕切部 84…固定部
86…第1開口部 88…第2開口部
90…リブ 92…軸支持溝
100…回転軸 102…第1送風ガイド
104…第2送風ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内へ送風する空気の流通する通路を有したケーシングと、前記空気を冷却する冷却手段と、前記空気を加熱する加熱手段と、前記ケーシングに形成され前記車室内の吹出口と連通する車両幅方向に開口した開口部と、前記開口部近傍に設けられ、該開口部を開閉することによって前記空気の車室内への送風状態を切り換えるダンパ機構とを備えた車両用空調装置において、
前記ケーシングには、前記開口部の一部を覆うようにカバー部材が設けられ、前記カバー部材は、前記ケーシングに対して固定される固定部と、
前記開口部に臨み、該開口部と連通するカバー開口部と、
前記開口部に臨むと共に前記カバー開口部における車両前方向又は後方向の一部を遮蔽する遮蔽部と、
前記カバー開口部に設けられ、前記開口部を前記車両幅方向に分割する仕切部と、
を備え、
前記ダンパ機構は、前記車両幅方向に沿って延在し、前記カバー部材に対して回動自在に支持される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に延在する1枚の遮蔽板を有し前記カバー開口部を遮蔽する片持ちダンパと、前記回転軸において互いに離間するように径方向に延在した2枚の遮蔽板を有し、前記カバー部材に覆われていない前記開口部を遮蔽するバタフライダンパとを有することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用空調装置において、
前記仕切部は、前記開口部側に向かって延在したリブを備えると共に、前記ケーシングの内部には、前記開口部に臨むように設けられ、前記通路を前記車両前後方向に分割する通路分割部材が設けられ、前記リブと前記通路分割部材とが当接することによって前記通路が前記車両幅方向における中央側と両端側とに独立して分割されることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項3】
請求項2記載の車両用空調装置において、
前記リブは、前記通路分割部材と共に前記回転軸を支持する支軸部の一部を構成することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の車両用空調装置において、
前記開口部は、車室内におけるフロントウインドウ近傍に送風するデフロスタ開口部であり、前記車両幅方向における中央側又は両端側の通路のうち、一方側の通路は、前記加熱手段で加熱された温風と前記冷却手段で冷却された冷風とが混合した混合風が導入され、他方側の通路には、前記加熱手段にて加熱された温風が直接導入されることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
請求項4記載の車両用空調装置において、
前記加熱手段は、前記ケーシングにおいて前記デフロスタ開口部の下方に配置され、前記混合風が、前記一方側の通路に対して前記車両前後方向から導入されると共に、前記他方側の通路には、前記温風が前記ケーシングにおける下方から導入され、前記片持ちダンパが前記カバー開口部を遮蔽した際に、前記バタフライダンパの前記遮蔽板における一方側が他方側に比べて上方に向かって傾斜した位置に配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記開口部は、前記車室内の吹出口に対してダクトを介してそれぞれ連通しており、分割された前記開口部のうち、前記カバー部材に覆われた開口部と、該カバー部材に覆われていない別の開口部とがそれぞれ独立した前記ダクトに接続されることを特徴とする車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−158216(P2012−158216A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17884(P2011−17884)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【Fターム(参考)】