説明

車両用芳香装置のシール部品及びこれを備えた車両用芳香装置

【課題】本発明では、ドアを開閉させて間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置100において、所望するときに所望する芳香成分を供給でき、所望しないときに意図しない芳香成分の揮散を防止できるように、耐久性を有し、シール箇所が少なくて済み、かつ、部品点数の少ないシール部品を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用芳香装置100で使用する本発明に係るシール部品50は、芳香剤保持容器5が有する収容空間2と本体内部空間24とを連通させる孔部53、経路開閉ドア62と圧接するドア側圧接部54及び容器開口部60と圧接する容器側圧接部55を一体とする構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤保持容器に収容した芳香剤の芳香成分を車両用空調装置の空気流に含有させて車室内に供給することができる車両用芳香装置に使用される弾性材料からなるシール部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用芳香装置は、車室内に快適な香りを漂わせる。そして、車室内の香り濃度を高めた場合、人間の香り感度は所定時間経過後に低下する傾向があるため、人間は香りを感じにくくなる。そこで、芳香成分の供給時間を間欠的に制御して、快適な香り空間を長時間保持させることのできる芳香装置が提案されている。しかし、上記の芳香装置は、香りの異なる数種の芳香成分を使用する場合でも、芳香成分の特質に応じた制御を行うことはなく、一律に制御するものである。従って、使用目的の異なる芳香成分を用いたときなどには、必ずしも長時間に渡って香り空間を保持することが望ましいとはいえない場合がある。例えば、使用者の選択した芳香成分がリラックス効果を有する芳香成分であれば、リラックス効果のある香り空間が長時間保持されることで集中力の低下を招く。このため、車両運転中にリラックス効果のある香りを供給し続けることは、車両の安全運転を確保する上で適切ではない。
【0003】
そこで、リラックス系芳香剤の供給による覚醒水準の低下を抑えて、集中力の低下を防止するため、意識の覚醒水準を上げるリフレッシュ効果を奏するリフレッシュ系芳香成分及び意識の覚醒水準を下げるリラックス効果を奏するリラックス系芳香成分をそれぞれ供給する供給手段と、使用者がリフレッシュ系芳香成分の供給を選択するリフレッシュ選択スイッチと、使用者がリラックス系芳香剤の供給を選択するリラックス選択スイッチと、リフレッシュ選択スイッチにてリフレッシュ系芳香剤の供給が選択されたときはリフレッシュ系芳香剤を供給し、リラックス選択スイッチにてリラックス系芳香剤の供給が選択されたときはリラックス系芳香剤を所定回数供給した後、リフレッシュ系芳香剤を所定回数供給する供給パターンを繰り返し行うように供給手段を制御する制御手段とを備えた芳香装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
また、車両用芳香装置の具体的な形状について、安価な芳香装置が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。上記の芳香装置は、一つのアクチュエータで、複数の芳香剤保持容器の開閉を行い、支持プレートにアクチュエータ、芳香剤保持容器、芳香成分の排出経路を開閉する調整部品が備えられ、支持プレートと芳香剤保持容器に挟まれる調整部品を所定位置に回動することで、経路の開閉を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3211410号公報
【特許文献2】特開2003−237364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の構成では、芳香剤保持容器の開閉のために、芳香剤保持容器の上流、下流それぞれの位置に電磁弁を配置する構成のため、複数の芳香成分を提供する場合には高価な構成となる。また、芳香装置の具体的形状の記載がないため、芳香装置の大きさが不明確である。また、特許文献2に記載の構成では、パッキンを環状シートと調整部品とで狭持し、摺動することで芳香剤保持容器の開閉を制御するため、パッキンの磨耗による製品寿命の短さ、パッキンが摺動する時の騒音、パッキンの磨耗による芳香成分の意図しない揮散等の課題がある。これらの課題を解決するために、芳香剤保持容器の開口部をドアによって開閉する構成を有し、間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置が考えられる。以上の構成であれば芳香装置の大きさをコンパクト化でき、かつ、特許文献2の課題であったパッキンの磨耗及び摺動時の騒音の問題を無くし、芳香装置の耐久性を高めることができる。しかし、開口部をドアによって開閉する構成では、本体内部空間の開口部及び芳香剤保持容器の開口部におけるシール箇所の増加及び部品点数の増加を招くことになる。
【0007】
そこで、本発明では、ドアを開閉させて間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置において、所望するときに所望する芳香成分を供給でき、所望しないときに意図しない芳香成分の揮散を防止できるように、耐久性を有し、シール箇所が少なくて済み、かつ、部品点数の少ないシール部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、芳香剤保持容器が有する収容空間と本体内部空間とを連通させる孔部、経路開閉ドアと圧接するドア側圧接部及び容器開口部と圧接する容器側圧接部を一体とする構成とした。具体的には、本発明の車両用芳香装置のシール部品は、芳香剤を収容する収容空間と容器開口部とを有する芳香剤保持容器、及び、空気流れ経路となる本体内部空間と本体開口部と該本体開口部を内側から開閉する経路開閉ドアとを有する本体部を備え、前記容器開口部及び前記本体開口部を介して前記収容空間と前記本体内部空間とが連通状態にて前記芳香剤保持容器が前記本体部に取り付けられ、空調装置の空気流に前記芳香剤の芳香成分を付臭する車両用芳香装置に使用され、前記芳香剤保持容器と前記本体部との取り付け併せ面に挟持される弾性材料からなるシール部品であって、前記収容空間と前記本体内部空間とを連通させる孔部と、該孔部の一端側の開口部を前記本体内部空間内に配置しかつ前記経路開閉ドアが閉のときにドア面で前記一端側の開口部が圧接されて閉じられるドア側圧接部と、前記孔部の他端側の開口部を前記芳香剤保持容器と前記本体部との間又は前記収容空間内に配置しかつ前記芳香剤保持容器と前記本体部に挟持、圧接されて前記容器開口部を密封する容器側圧接部とを有し、前記ドア側圧接部と前記容器側圧接部とが一体に成形されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、前記容器側圧接部が、前記本体開口部を密封することが好ましい。以上の構成によれば、シール部品は、経路開閉ドアの開閉と無関係に、本体内部空間からの漏れを確実に防ぐことができる。
【0010】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、前記ドア側圧接部のうち前記本体内部空間内に配置された部分の中央部が、前記本体開口部の径よりも大きな外径を有することが好ましい。以上の構成によれば、シール部品を本体開口部に組み込む際に、容易かつ確実に組み込むことができ、経路開閉ドアで、孔部の一端側の開口部が圧接されたときに該開口部が歪むことなく追随するので、経路開閉ドアとシール部品との間のシール性を高めることができる。
【0011】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、前記孔部、前記ドア側圧接部及び前記容器側圧接部で形成される通過経路を複数有し、かつ、全体が一体に成形されていることが好ましい。以上の構成によれば、シール部品が複数の通過経路を有していても、シール部品として部品点数を1点で済ませることができ、シール部品を組み込む際、又は交換時に作業性を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、エラストマーで形成されていることが好ましい。以上の構成によれば、シール部品は、エラストマー由来の性質によって弾性、耐久性及び芳香成分に対するバリア性に優れる。
【0013】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、前記芳香剤保持容器と一体化されていることが好ましい。以上の構成によれば、芳香剤保持容器とシール部品とが一体化されることで、部品点数を減らしつつ、確実なシールを行うことができる。また、芳香剤保持容器と一緒にシール部品を組み込み、又は交換できるため、シール部品の欠品の危険性を無くすことができる。そして、芳香剤保持容器を本体部に組み込むと、必然的にシール部品による密封性が確保されるため、組立時の作業性及び堅牢性を高めることができる。また、エラストマーは熱によって溶着できるため、芳香剤保持容器へシール部品を一体化する工程において、生産性を高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、ブチルゴムで形成されていることが好ましい。以上の構成によれば、シール部品は、ブチルゴムの低いガス透過性によって、芳香成分に対するバリア性に優れる。
【0015】
また、本発明に係る車両用芳香装置のシール部品は、シリコーン系ゴムで形成されていることが好ましい。以上の構成によれば、シール部品は、シリコーン系ゴムの高い耐熱性によって、耐久性に優れる。
【0016】
また、本発明に係るいずれかのシール部品は、車両用芳香装置に備えられることが好ましい。以上の構成によれば、ドアの開閉によって間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置は、所望するときに所望する芳香成分を供給でき、所望しないときに意図しない芳香成分の揮散を防止することができる。
【0017】
なお、上記構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ドアを開閉させて間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置において、所望するときに所望する芳香成分を供給でき、所望しないときに意図しない芳香成分の揮散を防止できるように、耐久性を有し、シール箇所が少なくて済み、かつ、部品点数の少ないシール部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第一実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品及びそれを組み込んだ車両用芳香装置の斜視透視図である。
【図2】車両用芳香装置の芳香剤保持容器の概略図である。
【図3】図1における本体部及びそれに組み込まれる第一実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の概略図である。
【図4】第一実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の縦断面概略図である。
【図5】図1における本体部及びそれに組み込まれる第一実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の断面概略図であり、(a)は一方のドアが開かれ、他方のドアが閉じられている状態、(b)は全てのドアが閉じられている状態、(c)は一方のドアが閉じられ、他方のドアが開かれている状態である。
【図6】芳香剤保持容器に熱溶着された第二実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の縦断面概略図である。
【図7】図1における本体部及び芳香剤保持容器に熱溶着された第二実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の断面概略図であり、(a)は一方のドアが開かれ、他方のドアが閉じられている状態、(b)は全てのドアが閉じられている状態、(c)は一方のドアが閉じられ、他方のドアが開かれている状態である。
【図8】芳香剤保持容器に装着された第三実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品の縦断面概略図である。
【図9】図1においてS方向の反対側から見た入口経路開閉ドア及び出口経路開閉ドアの開閉状態とカムの回転状態との関係を説明するための概略図であり、(a)は一方のドアが開かれ、他方のドアが閉じられている状態、(b)は全てのドアが閉じられている状態、(c)は一方のドアが閉じられ、他方のドアが開かれている状態である。
【図10】車両用芳香装置の配置を説明するための、車両用空調装置との接続関係についての断面概略図である。
【図11】車両用芳香装置の配置の別の実施形態を説明するための、車両用空調装置との接続関係についての断面概略図である。
【図12】本実施形態に係るシール部品を組み込んだ車両用芳香装置の動作と空気流の流れを説明するための断面概略図であり、その正面図は、図1をS方向から見た透視図である。(a)は一方のドアが開かれ、他方のドアが閉じられ、芳香剤1aの芳香成分が供給されている状態、(b)は全てのドアが閉じられ、芳香成分が供給されていない状態、(c)は一方のドアが閉じられ、他方のドアが開かれ、芳香成分1bの芳香成分が供給されている状態である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
【0021】
図1〜図5、図9及び図12を参照して、第一実施形態に係るシール部品及びそれを組み込んだ車両用芳香装置について説明する。車両用芳香装置100は、芳香剤1を収容する収容空間2(2a,2b)と容器開口部60(3a,3b,4a,4b)とを有する芳香剤保持容器5、及び、空気流れ経路63(6,7)となる本体内部空間24(24a,24b)と本体開口部61と本体開口部61を内側から開閉する経路開閉ドア62(8a,8b,9a,9b)とを有する本体部10を備え、容器開口部60及び本体開口部61を介して収容空間2(2a,2b)と本体内部空間24(24a,24b)とが連通状態にて芳香剤保持容器5が本体部10に取り付けられ、空調装置の空気流に芳香剤1の芳香成分を付臭する。なお、本体開口部61は、図5に示している。シール部品50は弾性材料によってなり、車両用芳香装置100に使用され、芳香剤保持容器5と本体部10との取り付け併せ面に挟持される。シール部品50は、収容空間2(2a,2b)と本体内部空間24(24a,24b)とを連通させる孔部53と、孔部53の一端側の開口部56を本体内部空間24(24a,24b)内に配置しかつ経路開閉ドア62が閉のときにドア面で一端側の開口部56が圧接されて閉じられるドア側圧接部54と、孔部53の他端側の開口部57を芳香剤保持容器5と本体部10との間に配置しかつ芳香剤保持容器5と本体部10に挟持、圧接されて容器開口部60を密封する容器側圧接部55とを有し、ドア側圧接部54と容器側圧接部55とが一体に成形されている。
【0022】
ここで、図3及び図5に示すように、容器開口部60は、空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4を有し、経路開閉ドア62は、入口経路開閉ドア8及び出口経路開閉ドア9を有し、空気流れ経路63は、入口経路6及び出口経路7を有し、本体内部空間24は、入口側空間24a及び出口側空間24bを有する。そして、本体部10は、芳香剤保持容器5が取り付けられ、空気流入用開口部3まで空気を流し入れる入口経路6、空気流出用開口部4から芳香成分を含む空気を流し出す出口経路7、空気流入用開口部3を開閉する入口経路開閉ドア8及び空気流出用開口部4を開閉する出口経路開閉ドア9を有し、固定された一個のアクチュエータ11と、アクチュエータ11に連結され、入口経路開閉ドア8の回転軸12及び出口経路開閉ドア9の回転軸12を回転駆動する一個のカム14(図1に示した。)とを備える。
【0023】
芳香剤1は、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ヌートカトン、メントールである。芳香剤1は少なくとも一種を使用するが、二つ以上の種類を用いることもできる。また、二つ以上の種類の芳香剤1を用いる場合は、リラックス系芳香剤と、リフレッシュ系芳香剤とを組み合わせることが好ましい。リラックス系芳香剤は、例えば、フォレスト(Forest)、レモン(Lemon)、ローズ(Rose)、ラベンダー(Lavender)、パイン(Pine)、イランイラン(Ylangylang)である。リフレッシュ系芳香剤は、例えば、ミント(Mint)、フローラル(Floral)、麝香(Musk)、メントール(Menthol)、ハッカオイル(Japanese mint)、ペパーミント(peppermint)、ユーカリ(eucalyptus)である。これらの芳香剤をジプロピレングリコール、メトキシメチルブタノール、流動パラフィンなどの溶媒で希釈して使用することも可能である。
【0024】
芳香剤1は、具体的形態として、固形の芳香剤、芳香剤を担持したセラミック体などが好ましい。これら芳香剤1は、芳香成分を透過させるフィルム、或いはメッシュで作製した袋に入れて使用することが好ましい。収容空間2内で芳香剤1が振り回されることによって生じる騒音を防止することができる。
【0025】
複数の種類の芳香剤1を収容するときは、まず、その種類を容易に見分けるため、さらに、芳香剤の種類とそれを収容すべき収容空間との組み合わせを容易に見分けるため、芳香剤の寸法又は重量、或いはそれら両方を異ならせることが好ましい。さらに、溶媒に芳香成分を溶解させて飽和蒸気圧を変更させてもよい。充満する芳香成分の量を調整することができる。
【0026】
芳香剤保持容器5は、図1に示すように、車両用芳香装置100に一つ備えられるが、二つ以上備えられてもよい。芳香剤保持容器5は、図2に示すように、内部に収容空間2a、収容空間2bを有する。収容空間2を2つ以上設ける場合は、収容空間2内を容器内仕切り板22で仕切ることによって、収容空間2a、収容空間2bに区分けする。或いは芳香剤保持容器5を複数設けることによって、収容空間2を二つ以上設けてもよい。収容空間2a内には芳香剤1aが収容され、収容空間2b内には芳香剤1aとは異なる芳香剤1bが収容される。図2には、異なる種類の芳香剤を収容した例を示したが、同じ種類の芳香剤でもよい。なお、芳香剤1aはリフレッシュ系芳香剤、芳香剤1bはリラックス系芳香剤とすることが好ましい。或いはその逆の組み合わせとしてもよい。
【0027】
芳香剤1aを収容する収容空間2a及び芳香剤1bを収容する収容空間2bは、芳香剤毎に収容空間2a及び収容空間2bの容積を異ならせ、収容空間2a又は収容空間2bに充満させた芳香成分を一回あたりの供給量とすることで、芳香剤1a、1bの芳香成分をそれぞれ適量ずつ供給できるようにすることが好ましい。
【0028】
また、芳香剤保持容器5は、芳香剤1の補充のため脱着可能な容器となっている。本体部10のケース10aへの取り付け方向について、逆組み付けを防ぐ必要があるため、位置決めピンなどによる逆組み付け防止構造を採用することが好ましい。そして、芳香剤保持容器5は、製造を容易にするために、車両用空調装置のケースと同様のポリプロピレン又はポリプロピレンを主体とした樹脂を材質とすることが好ましく、芳香成分の透過及び成形時のひけを防ぐために肉厚を1.8〜3.2mmとすることが好ましい。
【0029】
空気流入用開口部3a及び空気流出用開口部4aは、図2及び図5に示すように、収容空間2aに通じる。また、空気流入用開口部3b及び空気流出用開口部4bは、収容空間2bに通じる。空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4は、芳香剤保持容器5の容器天面23の同一面にあることが望ましく、シール部品50によって密封できる大きさとする。図12に示すように、空気流入用開口部3に通じている、シール部品50に設けられた他端側の開口部57は、空気流19を収容空間2内へ流入させ、空気流出用開口部4に通じている、シール部品50に設けられた他端側の開口部57は、芳香成分を含む空気流20を収容空間2内から流出させる。
【0030】
図3に示すように、入口経路6は、入口管15b、ケース10a、仕切り板17及び図5に示した本体底64によって形成され、出口経路7は、出口管16b、ケース10a、仕切り板17及び本体底64によって形成されている。また、本体部10のケース10aは、その天面に、入口管15bの先端に入口開口部15aを設けた入口15と、出口管16bの先端に出口開口部16aを設けた出口16とを備える。そして、図5に示すように、本体底64は、容器開口部60の数と等しい数の本体開口部61を有している。
【0031】
本体開口部61は、図5に示すように、芳香剤保持容器5の上方に位置し、本体底64に、芳香剤保持容器5の天面23に設けられた容器開口部60に対向している。
【0032】
入口側空間24a及び出口側空間24bは、図3に示すように、空気流出用開口部4を囲うように縦方向に設けられたケース10a内の仕切り板17によって、ケース10a内の空間を二つの空間に分けられて構成されている。仕切り板17に設けられた仕切り板開口部18aは空気流出用開口部4a近傍の孔である。仕切り板17に設けられた仕切り板開口部18bは、空気流出用開口部4b近傍の孔である。仕切り板開口部18aは、出口経路開閉ドア9aによって密閉できる大きさを有し、仕切り板開口部18bは、出口経路開閉ドア9bによって密閉できる大きさを有する。仕切り板開口部18aは、空気流入用開口部3aと通ずる一端側の開口部56及び空気流出用開口部4aと通ずる一端側の開口部56が閉じられた時に、入口側空間24aから出口側空間24bに空気流を通すことができ、仕切り板開口部18bは、空気流入用開口部3bと通ずる一端側の開口部56及び空気流出用開口部4bと通ずる一端側の開口部56が閉じられた時に、入口側空間24aから出口側空間24bに空気流を通すことができる。
【0033】
本体部10は、図1に示すように、ケース10aとカバー10bによって構成される。カバー10bは、カム14及びアクチュエータ11の軸27(図9に図示した。)を覆い、巻き込みを防止する。ケース10a及びカバー10bは、一体成形であっても別体で成形されたものであってもよい。
【0034】
また、本体部10は、図3及び図5に示すように、空気流入用開口部3bと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉する入口経路開閉ドア8b、空気流出用開口部4bと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉する出口経路開閉ドア9b、空気流入用開口部3aと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉する入口経路開閉ドア8a及び空気流出用開口部4aと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉する出口経路開閉ドア9aを有する。また、図1に示すように、ケース10aは、入口経路開閉ドア8a及び出口経路開閉ドア9aを開閉させる回転軸12a及び入口経路開閉ドア8b及び出口経路開閉ドア9bを開閉させる回転軸12bをさらに有する。
【0035】
図3に示すように、出口経路開閉ドア9aは、空気流出用開口部4aと通ずる一端側の開口部56を開放している間は仕切り板開口部18aを密閉し、空気流出用開口部4aと通ずる一端側の開口部56を密閉している間は仕切り板開口部18aを開放する。出口経路開閉ドア9bは、空気流出用開口部4bと通ずる一端側の開口部56を開放している間は仕切り板開口部18bを密閉し、空気流出用開口部4bと通ずる一端側の開口部56を密閉している間は仕切り板開口部18bを開放する。
【0036】
入口経路開閉ドア8aは、図5に示すように、空気流入用開口部3aと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉できれば、開閉形式、形状を問わない。入口経路開閉ドア8bは、空気流入用開口部3bと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉できれば、開閉形式、形状を問わない。出口経路開閉ドア9aは、空気流出用開口部4aと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉でき、仕切り板開口部18aを開放/密閉できれば、開閉形式、形状を問わない。出口経路開閉ドア9bは、空気流出用開口部4bと通ずる一端側の開口部56を開放/密閉でき、仕切り板開口部18bを開放/密閉できれば、開閉形式、形状を問わない。なお、回転軸12a及び回転軸12bは、仕切り板17及びケース10aを貫通した状態で回動する。
【0037】
次に、第一実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品50は、弾性材料によって成形されてなり、図5に示すように、芳香剤保持容器5と本体部10との取り付け併せ面に挟持されている。また、シール部品50は、孔部53、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55を有し、ドア側圧接部54側の孔部53の一端側の開口部56、及び容器側圧接部55側の孔部53の他端側の開口部57の間を空気流が通過できるように、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55が一体に成形されている。以上の構成によれば、シール箇所が少なくて済み、かつ、部品点数の少ないシール部品50を提供することができる。具体的には、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55を別体とした場合、i)シール箇所は経路開閉ドア62とドア側圧接部54とのシール箇所、ii)ドア側圧接部54と本体底64内側とのシール箇所、iii)容器側圧接部55と本体底64外側とのシール箇所及びiv)容器側圧接部55と芳香剤保持容器5の容器天面23とのシール箇所の4箇所となるが、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55を一体とした場合、i)シール箇所は経路開閉ドア62とドア側圧接部54とのシール箇所及びiv)容器側圧接部55と芳香剤保持容器5の容器天面23とのシール箇所、の2箇所となる。
【0038】
孔部53は、図5に示すように、シール部品50によって容器開口部60を密封された収容空間2と本体内部空間24とを連通させる孔である。孔部53は、一端側の開口部56を経路開閉ドア62に圧接させてシール性を確保するため、1本の貫通孔であることが好ましい。また、孔部53の長さは、経路開閉ドア62の閉の位置と容器開口部60との間の長さより長いことが好ましい。
【0039】
ドア側圧接部54は、図5に示すように、シール部品50の一端側に設けられている。一端側は、本体内部空間24内に配置される。そして、孔部53の一端側の開口部56が、経路開閉ドア62が閉のときに、経路開閉ドア62のドア面で圧接されて閉じられる。さらに、ドア側圧接部54のうち、本体内部空間24内に配置された部分の中央部58が、本体開口部61の径よりも大きな外径を有することが好ましい。以上の構成によれば、本体開口部61の径よりも大きな外径の中央部58を有するドア側圧接部54が、ドア側圧接部54の中央部58より径の小さい本体開口部61に嵌め込まれる。よって、容易かつ確実にシール部品50を組み込むことができる。すなわち、一端側の開口部56の外径を本体開口部61の径よりも小さくした場合、嵌め込むときには一端側の開口部56を容易に本体開口部61に挿入することができ、また、ドア側圧接部54の中央部58の外径は、本体開口部61の径よりも大きいので、一旦ドア側圧接部54を嵌め込めば、シール部品50が不用意に抜け落ちることはない。また、孔部53の一端側の開口部56が経路開閉ドア62によって圧接されたときに、ドア側圧接部54の中央部58が圧縮される歪み箇所となり、ドア側圧接部54の一端側の開口部56が歪むことなく追随するので、経路開閉ドア62とシール部品50との間のシール性を高めることができる。
【0040】
容器側圧接部55は、シール部品50の他端側に設けられている。図5に示すように、他端側は、芳香剤保持容器5と本体部10との間に配置されている。これによって容器側圧接部55が、芳香剤保持容器5と本体部10とに挟持、圧接されて他端側の開口部57が、容器開口部60を密封する。ドア側圧接部54と異なり、芳香剤保持容器5が本体部10に取り付けられているときは、常時圧接されている。これによって、収容空間2と、シール部品50の孔部53とは、圧接箇所において、密封される。ここで、容器側圧接部55のうち、本体内部空間24内に配置された部分の中央部71が、本体開口部61の径よりも大きな外径を有することが好ましい。そして、孔部53の他端側の開口部57が容器開口部60に圧接されたときに、容器側圧接部55の中央部71が圧縮される歪み箇所となり、他端側の開口部57が歪むことなく追随するので、シール部品50と芳香剤保持容器5の容器開口部60との間のシール性を高めることができる。また、他端側の開口部57の内径は、容器開口部60(3a,3b,4a,4b)の径と同一としている。ただし、密封をする上では、他端側の開口部57の内径を容器開口部60の径よりも大きくしてもよい(不図示)。また、他端側の開口部57を収容空間2内に配置してもよく、この場合、例えば、他端側の開口部57の内径を容器開口部60の径よりも小さくしてもよい(不図示)。なお、この場合においては、容器開口部60と他端側のシール部品50の側壁との密封を確保するための圧接部分(不図示)を設ける必要がある。
【0041】
また、別の例として、図8の第三実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品52を示す。シール部品52は、容器側圧接部55の先端を延長した芳香剤支持部68を有し、支持部挿入孔67に芳香剤支持部68が挿入されてシール部品52が芳香剤保持容器5に装着される。そして、芳香剤支持部68の先端部69は、芳香剤1を押して固定する。芳香剤支持部68は、芳香剤1を安定して押さえるために、2個以上設けることが好ましい。以上の構成によれば、芳香剤保持容器5を本体部10に組み込むと、必然的にシール部品52による密封性が確保されるため、組立時の作業性及び堅牢性を高めることができる。また、容器側圧接部55を延長した芳香剤支持体68によって芳香剤1を確実に固定することができ、芳香剤1の振動による破損、或いは芳香剤1が移動することで発生する騒音を無くすことができる。
【0042】
また、容器側圧接部55が、図5に示すように、本体開口部61を密封することが好ましい。以上の構成によれば、容器側圧接部55が、本体開口部61とシール部品50の側壁との隙間を塞ぐことで、経路開閉ドア62の開閉と無関係に、本体内部空間24から本体部10と芳香剤保持容器5との間の空間70への空気流の漏れを確実に防ぐことができる。また、本体開口部61の内縁61aとシール部品50の側壁との間に隙間が生じる場合がある。このような隙間からの漏れを防止するために、容器側圧接部55は、板状部59を有していることが好ましい。また、シール部品50の外径を本体開口部61の径よりも大きくして、シール部品50の側壁を本体開口部61の内縁61aに圧接させてもよい。
【0043】
また、図4及び図5に示すように、孔部53、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55で形成される通過経路72、すなわち孔部53による通過経路72を複数(図5では2経路を図示した。)有し、かつ、全体が一体に成形されていることが好ましい。経路の数は出入口を総計して、1種類の芳香剤に対して2経路必要である。例えば、2種類の芳香剤に対して、4経路必要となる。芳香剤1の種類がそれ以上である場合も同様である。ここで、全体が一体に成形されている形態例としては、図4及び図5に示すように、板状部59を介して、孔部53、ドア側圧接部54及び容器側圧接部55によって形成される通過経路72が並列状態にて一体とされている形態がある(図1に斜視図を図示した)。以上の構成によれば、芳香剤保持容器5が複数の収容空間2を有している場合、又は空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4を有している場合でも、複数の通過経路72を有するシール部品50は、部品点数を1点で済ませることができ、シール部品50を組み込む際、又は交換時に作業性を高めることができる。
【0044】
シール部品50に用いられる弾性材料は、例えば、エラストマー、ブチルゴム、シリコーン系ゴムである。エラストマーは、大きく分けて熱硬化性エラストマー(Thermosetting Elastomers:TSE)と熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers:TPE)とに分類される。本実施形態では、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すれば弾性体に戻る性質を持ち、射出成形によって迅速に成型、加工を行うことができる。また、熱可塑性エラストマーは、スチレン系、オレフィン系、PVC系、ウレタン・ポリエステル・ナイロン系、アミド系に細分化され、本実施形態では、加工が容易なオレフィン系エラストマーを用いることが好ましい。さらに、オレフィン系エラストマーを塗装可能とした動的架橋オレフィン系エラストマーを用いることもできる。エラストマーを用いることで、耐久性及び芳香成分に対するバリア性に優れたシール部品を得ることができる。
【0045】
ブチルゴム(butyl rubber)は、イソブテン(isobutene)とイソプレン(isoprene)の重合物(isobutene isoprene rubber:IIR)であり、低いガス透過性を持つ。また、ブチルゴムに限らず、ハロゲン化(halogenated)ブチルゴムを用いてもよい。ハロゲン化ブチルゴムには、塩素化ブチルゴム(chlorine IIR:CIIR)と臭素化ブチルゴム(bromine IIR:BIIR)とがあり、共にブチルゴムの特性を維持するとともに、架橋性、耐熱性及び接着性を改善している。ブチルゴムを用いることで、芳香成分に対する優れたバリア性を持つシール部品を得ることができる。
【0046】
シリコーン(silicone)系ゴムは、ケイ素と酸素とを骨格とする人工高分子化合物であり、高い耐熱性を持つ。シリコーンゴムは加硫形態によって熱加硫型シリコーンゴムと室温硬化型シリコーンゴムとに分けられ、本実施形態では、面接着に適した熱加硫型シリコーンゴムが好ましい。シリコーン系ゴムの例としては、ビニルメチル(vinyl methyl)シリコーンゴム、或いは耐油、耐溶剤性に優れるフッ素化(Fluorinated)シリコーンゴムが例示できる。シリコーン系ゴムを用いることで、耐久性に優れたシール部品を得ることができる。
【0047】
シール部品の弾性材料として、熱可塑性エラストマーを用いる場合には熱溶着が可能であるため、図6に示すように、シール部品51は、芳香剤保持容器5と一体化されていることが好ましい。このような形態は、成形した芳香剤保持容器5を型に入れ、その型の中でエラストマーを熱溶着させながら成形することで一体化する。容器側圧接部55が熱溶着しているシール部品51は、芳香剤保持容器5と一体となるため、容器側圧接部55と芳香剤保持容器5の容器天面23とのシール箇所は不要となり、シール箇所はドア側圧接部54と経路開閉ドア62とのシール箇所のみとなる。よって、部品点数を減らしつつ、確実なシールを行うことができる。また、芳香剤保持容器5と一緒にシール部品51を組み込み、又は交換できるため、シール部品51の欠品の危険性を無くすことができる。そして、芳香剤保持容器5を本体部10に組み込むと、必然的にシール部品51による密封性が確保されるため、組立時の作業性及び堅牢性を高めることができる。シール部品51は、容器開口部60を囲むように、突出部65を備えてもよい。突出部65は、芳香剤保持容器5を本体部10へ組み込むと、芳香剤保持容器5と本体底64との間で圧接されて変形することで隙間を無くし、より高度な密封性を確保する。また、突出部65は、複数の通過経路72について、それぞれの通過経路72を区分けする位置に備えられてもよい。そして、図7(a)又は(b)に示すように、ドア側圧接部54の一端側の開口部56は、経路開閉ドア62によって圧接されて変形し、圧接された開口部66を発生させる。圧接された開口部66によって、一端側の開口部56と経路開閉ドア62との間の密閉性が保たれる。
【0048】
また、本発明に係るいずれかのシール部品は、車両用芳香装置100に備えられる。ドアの開閉によって間欠的に芳香成分を供給する車両用芳香装置100は、容易に生産され、確実に組み込まれ、優れたシール性によって所望するときに所望する芳香成分を供給でき、所望しないときに意図しない芳香成分の揮散を防止することができる。
【0049】
車両用芳香装置100のカム14は、図9に示すように、円板状の形状を有する。軌道溝21を設けることができれば形状は問わない。カム14は、芯ぶれの防止のために、アクチュエータ11の軸27を貫通連結した構成とし、アクチュエータ11の軸27は、アクチュエータ11及びケース10aによる両端支持とすることが好ましい。
【0050】
アーム25aは、図9に示すように、一端に入口経路開閉ドア8a及び出口経路開閉ドア9aの回転軸12aを、回転可能に垂直に連結し、他端にピン26aを回転軸12aと反対方向に垂直に突出させた状態で設けている。また、アーム25bは、一端に入口経路開閉ドア8b及び出口経路開閉ドア9bの回転軸12bを、回転可能に垂直に連結し、他端にピン26bを回転軸12bと反対方向に垂直に突出させた状態で設けている。
【0051】
ピン26a及びピン26bは、図9に示すように、軌道溝21に垂直に挿入される。軌道溝21は、軌道溝21に沿ってピン26a及びピン26bが移動できれば、軌道溝21の深さは問わない。アーム25aは、ピン26aを軌道溝21に沿って連動させ、この動きに伴い、回転軸12aを回転させて、入口経路開閉ドア8a及び出口経路開閉ドア9aを開閉させる。アーム25bは、ピン26bを軌道溝21に沿って連動させ、この動きに伴い、回転軸12bを回転させて、入口経路開閉ドア8b及び出口経路開閉ドア9bを開閉させる。アーム25aは、ピン26aと回転軸12aを連結できれば、形状は問わない。アーム25bは、ピン26bと回転軸12bを連結できれば、形状は問わない。
【0052】
アクチュエータ11は、図9に示すように、アクチュエータ11の軸27を左回転端まで回転させて、カム14を、図9(a)に示す位置に回転させ、入口経路開閉ドア8aを開き、出口経路開閉ドア9aを開く。同時に、入口経路開閉ドア8bを閉じ、出口経路開閉ドア9bを閉じる。
【0053】
次に、アクチュエータ11は、アクチュエータ11の軸27を図9(a)に対して右側に回転させて、カム14を、図9(b)に示す位置に回転させて、入口経路開閉ドア8を閉じ、出口経路開閉ドア9を閉じる。
【0054】
次に、アクチュエータ11は、アクチュエータ11の軸27を図9(b)に対して右側に回転させて(この位置が右回転端である。)、カム14を、図9(c)に示す位置に回転させ、入口経路開閉ドア8bを開き、出口経路開閉ドア9bを開く。同時に、入口経路開閉ドア8aを閉じ、出口経路開閉ドア9aを閉じる。以降、(a)→(b)→(c)→(b)→(a)…の順に繰り返し往復動作させることによって、入口経路開閉ドア8及び出口経路開閉ドア9は繰り返し開閉動作することができる。或いは必要に応じて、(a)と(b)を繰り返し動作させることによって、入口経路開閉ドア8a及びドア9aを繰り返し開閉動作すること、又は(b)と(c)を繰り返し動作させることによって、入口経路開閉ドア8b及びドア9bを繰り返し開閉動作することもできる。
【0055】
次に、図10の概略断面図を用いて、本実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品を用いた車両用芳香装置100の設置例を説明する。図10に示すように、車両用空調装置内に設けられたブロア32は、空気流33を押し出す。空気流33の圧力は、車両用空調装置内に設置されたフィルタ35及びエバポレータ36に押し込まれることによって高まる。入口配管28の端部31aは、フィルタ35及びエバポレータ36の上流の圧力が高まった空気流33中に設置される。入口配管28の端部31aへ流入した空気流33の一部の空気流19は、入口配管28を通り、車両用芳香装置100の入口15を介して入口経路6へ流し込まれる。車両用芳香装置100内において、空気流19の全部又は一部は芳香成分を含有し、芳香成分を含む空気流20となる。芳香成分を含む空気流20は、出口経路7から出口16を介して出口配管29を通り、フィルタ35及びエバポレータ36下流の低い圧力の吹出し空気流34中に設置された出口配管29の端部31bから流出する。入口配管28の端部31aをフィルタ35及びエバポレータ36の上流、出口配管29の端部31bをフィルタ35及びエバポレータ36の下流に設置することで、フィルタ35及びエバポレータ36を挟んだ空気の圧力差を用いて芳香成分を含む空気流20を流すことができる。なお、圧力差が発生する場所であれば、入口配管28の端部31a及び出口配管29の端部31bを設置する場所は問わない。そして、フット吹出しに続く通路の通気抵抗を制御するフットドア40、ベント吹出しに続く通路の通気抵抗を制御するベントドア41、デフ吹出しに続く通路の通気抵抗を制御するデフドア42をそれぞれ切り換えることによって、ベント、デフ、フットの各吹出し口から、車室内に空気流が送られる。また、図10に示していないが、さらにサイドベント、リアベント、リアフットが設けられる場合もあり、これらの吹出し口からも芳香成分を含む空気流20を車室内に供給することもできる。
【0056】
次に、図11の概略断面図を用いて、本実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品を用いた車両用芳香装置100の設置例の別の形態を説明する。図11に示すように、車両用空調装置のケースの外壁には孔82が開口されている。入口15は、孔82へ挿入され、空気流19を流入させる。このため、車両用芳香装置100のケース10aは、車両用空調装置の外壁の孔82を覆うことになる。また、出口16は、出口配管29を介して、図11(a)に示す車室内81或いは図11(b)に示す吹出口80手前箇所へ、直接、芳香成分を含む空気流20を供給する。以上の構成によれば、図10に示した入口配管28は図11に示した形態においては不要となり、部品点数を削減できる。また、温度調整済の空気流19を、エアミックスチャンバ或いはサイドベントから入口15へ流入させることができる。なお、図11においては、孔82はフィルタ35及びエバポレータ36の下流のエアミックスチャンバに設置している。また、図10に示した形態においても、図11に示した形態と同様の形態を構成することは可能である。次に、空気流の流れを説明する。まず、車両用空調装置内に設けられたブロア32は、空気流33を押し出す。空気流33の圧力は、車両用空調装置内に設置されたフィルタ35及びエバポレータ36に押し込まれることによって高まる。フィルタ35及びエバポレータ36の下流の空気流34の一部の空気流19が、入口15を介して車両用芳香装置100の入口経路6へ流し込まれる。車両用芳香装置100内において、空気流19の全部又は一部は芳香成分を含有し、芳香成分を含む空気流20となる。芳香成分を含む空気流20は、出口経路7から出口16を介して、圧力が低くなる図11(a)に示す車室内81或いは図11(b)に示す吹出口80手前箇所へ芳香成分を含む空気流20を供給する。なお、圧力差が発生する場所であれば、入口15を設置する場所は問わない。
【0057】
次に、図5、図6、図8、図10及び図12を用いて、本実施形態に係るシール部品及びそれを組み込んだ車両用芳香装置100の動作について説明する。図12(a)及び図5(a)に示すように、入口経路開閉ドア8aは、孔部53の一端側の開口部56から離れることで、空気流入用開口部3aを開く。出口経路開閉ドア9aは、孔部53の一端側の開口部56から離れることで、空気流出用開口部4aを開き、仕切り板開口部18aを閉じる。入口経路開閉ドア8bは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じることで、空気流入用開口部3bを閉じる。出口経路開閉ドア9bは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じることで、空気流出用開口部4bを閉じ、仕切り板開口部18bを開く。入口15から入口経路6に流し込まれた空気流19の一部は、一端側の開口部56から通過経路72を介して他端側の開口部57へと流れ、他端側の開口部57に通ずる空気流入用開口部3aから収容空間2a内に流れ込み、芳香剤1aの芳香成分を含有して芳香成分を含む空気流29aとなる。芳香成分を含む空気流29aは、収容空間2a内から他端側の開口部57に通ずる空気流出用開口部4aを通り、他端側の開口部57から通過経路72を介して一端側の開口部56へと流れ、出口経路7に流れ込む。一方、空気流入用開口部3bから収容空間2b内に流れ込まなかった他の空気流30aは、入口経路6から仕切り板開口部18bを通じ、出口経路7に流れ込み、芳香成分を含む空気流29aと混合され、空気流20aとなって出口16を通じて、図10で示すように、出口配管29の端部31bから流出し、車室内に供給される。そして、所定時間経過後、図12(b)に示す状態へ移行する。ここで、図6に示される芳香剤保持容器5に熱溶着された第二実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品51、又は図8に示される芳香剤保持容器5に装着された第三実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品52を用いた場合であっても、同様の動作となる。
【0058】
図12(b)及び図5(b)に示すように、出口経路開閉ドア9aは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じ、仕切り板開口部18aを開き、出口経路開閉ドア9bは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じ、仕切り板開口部18bを開く。入口15から入口経路6に流し込まれた空気流19は、仕切り板開口部18a及び仕切り板開口部18bを通じ、出口経路7から出口16を通じて、図10で示すように、出口配管29の端部31bから流出し、芳香成分が含まれない空気流20bのみを車室内に供給する。ここで、図6に示される芳香剤保持容器5に熱溶着された第二実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品51を用いた場合、又は図8に示される芳香剤保持容器5に装着された第三実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品52を用いた場合であっても、同様の動作となる。
【0059】
この時、本体部10は、空気流入用開口部3ごとに入口経路開閉ドア8及び空気流出用開口部4ごとに出口経路開閉ドア9を有し、入口経路6及び出口経路7は、全ての空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を圧接して閉じたときに直結した経路となるように構成されている。全ての空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を圧接して閉じたときに、入口経路6及び出口経路7が直結した経路となることで、いずれかの空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を離れて開けた時に供給していた芳香成分を、芳香成分が含まれない空気流20bによって排気することができる。このように、空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を圧接して密閉することによって芳香成分の供給を停止し、芳香成分の浪費を防ぐことができる。
【0060】
また、カム14は、一の収容空間2の空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56に対応する入口経路開閉ドア8と出口経路開閉ドア9とを開から閉とし、かつ、他の収容空間2の空気流入用開口部3と空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56に対応する入口経路開閉ドア8と出口経路開閉ドア9とを閉から開と切り換えるときに、全ての入口経路開閉ドア8と出口経路開閉ドア9とを閉とするモードを経由させる。複数の芳香成分を切り換える際に、全ての入口経路開閉ドア8及び出口経路開閉ドア9を閉とするモードを経由することによって、芳香成分が含まれない空気流20bが出口経路7内及び出口配管29内に残った芳香成分を排出するため、複数の芳香成分が混ざることがなくなる。
【0061】
次に、図12(b)及び図5(b)の状態から、所定時間経過後、図12(c)及び図5(c)に示す状態へ移行する。図12(c)及び図5(c)に示すように、入口経路開閉ドア8bは、孔部53の一端側の開口部56から離れることで、空気流入用開口部3bを開く。出口経路開閉ドア9bは、孔部53の一端側の開口部56から離れることで、空気流出用開口部4bを開き、仕切り板開口部18bを閉じる。入口経路開閉ドア8aは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じ、空気流入用開口部3aを閉じる。出口経路開閉ドア9aは、孔部53の一端側の開口部56を圧接して閉じ、空気流出用開口部4aを閉じ、仕切り板開口部18aを開く。入口15から入口経路6に流し込まれた空気流19の一部は、一端側の開口部56から通過経路72を介して他端側の開口部57へと流れ、他端側の開口部57に通ずる空気流入用開口部3bから収容空間2b内に流れ込み、芳香剤1bの芳香成分を含有して芳香成分を含む空気流29cとなる。芳香成分を含む空気流29cは、収容空間2b内から他端側の開口部57に通ずる空気流出用開口部4bを通り、他端側の開口部57から通過経路72を介して一端側の開口部56へと流れ、出口経路7に流れ込む。一方、空気流入用開口部3bから収容空間2b内に流れ込まなかった他の空気流30cは、入口経路6から仕切り板開口部18aを通じ、出口経路7に流れ込み、芳香成分を含む空気流29cと混合され、空気流20cとなって出口16を通じて、図10で示すように、出口配管29の端部31bから流出し、車室内に供給される。そして、所定時間経過後、図12(b)に示す状態へ移行する。ここで、図6に示される芳香剤保持容器5に熱溶着された第二実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品51を用いた場合、又は図8に示される芳香剤保持容器5に装着された第三実施形態に係る車両用芳香装置用シール部品52を用いた場合であっても、同様の動作となる。
【0062】
以降、図12(a)→図12(b)→図12(c)→図12(b)→図12(a)…の順に繰り返し往復動作させることによって、車室内に、空気流20a、空気流20b、空気流20c、空気流20b、空気流20a…の順に繰り返し供給される。或いは必要に応じて、図12(a)と図12(b)を繰り返し動作させることによって、車室内に、空気流20aと空気流20bは交互に供給され、又は図12(b)と図12(c)を繰り返し動作させることによって、車室内に、空気流20bと空気流20cは交互に供給される。なお、図10に示される芳香成分を含む空気流20は、空気流20a、空気流20b、空気流20cを含む。
【0063】
また、空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56が開き、芳香成分が供給されている状態で、車両用空調装置のブロア32が停止された場合、或いは、車両のイグニッションがオフとされた場合には、空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を閉じる制御を図示しない制御装置が行うことが好ましい。芳香成分を供給する必要が無い場合には空気流入用開口部3及び空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を閉じることで、芳香剤の浪費を防ぐことができる。
【0064】
また、芳香成分の非供給時に、出口経路開閉ドア9が空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を閉とすることに同期して、仕切り板開口部18を閉じるドア(図示せず)を設けてもよい。或いは、芳香成分の非供給時に、出口経路開閉ドア9が空気流出用開口部4と通ずる一端側の開口部56を閉とすることに同期して、ケース10aと入口管15bとの接合部15cにある開口部15dを閉じるドア及びケース10aと出口管16bとの接合部16cにある開口部16dを閉じるドア(図示せず)を設けてもよい。このように構成することによって、芳香成分の非供給時に、本体内部空間24を通過する空気流19を無くし、全ての空気流33について温度調整をすることができるので、車両用空調装置の温度調整を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
100:本実施形態に係るシール部品を組み込んだ車両用芳香装置
1:芳香剤
1a:芳香剤a
1b:芳香剤b
2:収容空間
2a:収容空間a
2b:収容空間b
3:空気流入用開口部
3a:空気流入用開口部a
3b:空気流入用開口部b
4:空気流出用開口部
4a:空気流出用開口部a
4b:空気流出用開口部b
5:芳香剤保持容器
6:入口経路
7:出口経路
8:入口経路開閉ドア
8a:入口経路開閉ドアa
8b:入口経路開閉ドアb
9:出口経路開閉ドア
9a:出口経路開閉ドアa
9b:出口経路開閉ドアb
10:本体部
10a:ケース
10b:カバー
11:アクチュエータ
12:回転軸
12a:回転軸a
12b:回転軸b
14:カム
15:入口
15a:入口開口部
15b:入口管
15c:ケース10aと入口管15bとの接合部
15d:ケース10aと入口管15bとの接合部15cにある開口部
16:出口
16a:出口開口部
16b:出口管
16c:ケース10aと出口管16bとの接合部
16d:ケース10aと出口管16bとの接合部16cにある開口部
17:仕切り板
18:仕切り板開口部
18a:仕切り板開口部a
18b:仕切り板開口部b
19:空気流
20:芳香成分を含む空気流
20a:空気流30aと芳香成分を含む空気流29aが混合された空気流
20b:芳香成分が含まれない空気流
20c:空気流30cと芳香成分を含む空気流29cが混合された空気流
21:軌道溝
22:容器内仕切り板
23:容器天面
24:本体内部空間
24a:入口側空間
24b:出口側空間
25:アーム
25a:アームa
25b:アームb
26:ピン
26a:ピンa
26b:ピンb
27:アクチュエータ軸
28:入口配管
29:出口配管
29a:芳香剤1aの芳香成分を含有して芳香成分を含む空気流
29c:芳香剤1bの芳香成分を含有して芳香成分を含む空気流
30a:空気流入用開口部3aから収容空間2a内に流れ込まなかった他の空気流
30c:空気流入用開口部3bから収容空間2b内に流れ込まなかった他の空気流
31:配管の端部
31a:入口配管の端部
31b:出口配管の端部
32:ブロア
33:空気流
34:吹出し空気流
35:フィルタ
36:エバポレータ
37:エアミックスドア
38:ヒーターコア
40:フットドア
41:ベントドア
42:デフドア
50、51、52:シール部品
53:孔部
54:ドア側圧接部
55:容器側圧接部
56:一端側の開口部
57:他端側の開口部
58:ドア側圧接部の中央部
59:板状部
60:容器開口部
61:本体開口部
61a:本体開口部の内縁
62:経路開閉ドア
63:空気流れ経路
64:本体底
65:突出部
66:圧接された開口部
67:支持部挿入孔
68:芳香剤支持部
69:先端部
70:本体内部底面と芳香剤保持容器の天面との間の空間
71:容器側圧接部の中央部
72:通過経路
80:吹出口
81:車室内
82:孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香剤を収容する収容空間と容器開口部とを有する芳香剤保持容器、及び、空気流れ経路となる本体内部空間と本体開口部と該本体開口部を内側から開閉する経路開閉ドアとを有する本体部を備え、前記容器開口部及び前記本体開口部を介して前記収容空間と前記本体内部空間とが連通状態にて前記芳香剤保持容器が前記本体部に取り付けられ、空調装置の空気流に前記芳香剤の芳香成分を付臭する車両用芳香装置に使用され、前記芳香剤保持容器と前記本体部との取り付け併せ面に挟持される弾性材料からなるシール部品であって、
前記収容空間と前記本体内部空間とを連通させる孔部と、該孔部の一端側の開口部を前記本体内部空間内に配置しかつ前記経路開閉ドアが閉のときにドア面で前記一端側の開口部が圧接されて閉じられるドア側圧接部と、前記孔部の他端側の開口部を前記芳香剤保持容器と前記本体部との間又は前記収容空間内に配置しかつ前記芳香剤保持容器と前記本体部に挟持、圧接されて前記容器開口部を密封する容器側圧接部とを有し、前記ドア側圧接部と前記容器側圧接部とが一体に成形されていることを特徴とする車両用芳香装置用シール部品。
【請求項2】
前記容器側圧接部が、前記本体開口部を密封することを特徴とする請求項1に記載の車両用芳香装置用シール部品。
【請求項3】
前記ドア側圧接部のうち前記本体内部空間内に配置された部分の中央部が、前記本体開口部の径よりも大きな外径を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用芳香装置用シール部品。
【請求項4】
前記孔部、前記ドア側圧接部及び前記容器側圧接部で形成される通過経路を複数有し、かつ、全体が一体に成形されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の車両用芳香装置用シール部品。
【請求項5】
エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のシール部品。
【請求項6】
前記芳香剤保持容器と一体化されていることを特徴とする請求項5に記載のシール部品。
【請求項7】
ブチルゴムで形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のシール部品。
【請求項8】
シリコーン系ゴムで形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のシール部品。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のシール部品を備えた車両用芳香装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−274763(P2010−274763A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128809(P2009−128809)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【Fターム(参考)】