説明

車両監視システム、車両監視装置、車両、コンピュータプログラム及び車両監視方法

【課題】利用者の利便性を向上させるとともに、車両の利用可能性を高めることができる車両監視システム、車両監視装置、車両、コンピュータプログラム及び車両監視方法を提供する。
【解決手段】サーバ50は、自転車の利用状況に関連付けて当該自転車の処理部の処理条件を設定するための動作パラメータ情報579を記憶してある。サーバ50は、自転車が送信した要求情報に基づいて当該自転車の車両ステータスを判定する。サーバ50は、判定した車両ステータスに応じた動作パラメータを当該自転車へ送信する。自転車は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータを用いて処理部の処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両の利用状況を監視するための車両監視システム、該車両監視システムを構成する車両監視装置及び車両、該車両監視装置を実現するためのコンピュータプログラム並びに車両監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から自転車又は自動車などの車両を有料で貸し出す車両レンタルサービスが行われている。特に、自転車は、自宅と最寄り駅との間、会社などの職場と最寄り駅との間、あるいは観光地での観光スポットを移動する手段として、その手軽さ又は経済性などから多くの人が利用している。また、貸し出す車両を適正に管理するため、様々なレンタルシステムが提案されている。
【0003】
例えば、自転車などの移動体と自転車を管理するサーバとを備え、自転車は、GPS機能を設け、一定時間毎に自己の現在位置を検出し、検出した自己の現在位置をサーバへ送信することにより、貸し出されるすべての自転車の現在位置を常時正確に把握して集中管理することができる移動体レンタルシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−133510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の移動体レンタルシステムにあっては、貸出中の自転車の位置を正確に把握することができるものの、自転車の電力消費については考慮されていない。すなわち、GPS機能などのバッテリにより給電される処理部を備える自転車、あるいは電動アシスト自転車のようにアシスト用のモータなどを備える自転車は、電源としてのバッテリを搭載しており、バッテリの残存容量が所定値より少なくなった場合には、自転車の所定の機能を使用することができない。例えば、利用者に自転車を貸出しているときに、当該自転車のバッテリの残存容量が低下した場合には、利用者は通勤又は旅行の途中で自転車の電動アシストを使用できず利用者の利便性を著しく低下させてしまう。また、自転車のバッテリの残存容量が低下した場合には、バッテリの交換作業が必要とり、バッテリの交換作業中は貸し出しすることができないので、自転車の利用可能性も低下する。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を向上させるとともに、車両の利用可能性を高めることができる車両監視システム、該車両監視システムを構成する車両監視装置及び車両、該車両監視装置を実現するためのコンピュータプログラム並びに車両監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る車両監視システムは、バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両と、該車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置とを備える車両監視システムにおいて、前記車両は、前記車両監視装置との間で通信を行う通信部を備え、前記車両監視装置は、車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶する記憶手段と、前記通信部が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定する判定手段と、該判定手段で判定した利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信する送信手段とを備え、前記車両は、前記車両監視装置が送信した設定情報を前記通信部で受信するようにしてあり、該通信部で受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る車両監視システムは、第1発明において、前記判定手段は、車両の利用状況が貸出可、貸出中及び貸出否の少なくとも1つであるかを判定するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る車両監視システムは、第2発明において、前記処理部は、車両を利用する利用者が携帯するカードを読み取るカード読取部を備え、該カード読取部で読み取ったカード情報を前記通信部から前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記車両監視装置は、前記カード情報を受信する受信手段を備え、前記判定手段は、前記カード情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出中になったと判定するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る車両監視システムは、第3発明において、前記車両は、所定の場所に設置された記録媒体に記録された該場所を識別する場所識別情報を該記録媒体から読み取る読取手段を備え、前記通信部は、前記読取手段で読み取った場所識別情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記受信手段は、前記場所識別情報を受信するようにしてあり、前記判定手段は、前記場所識別情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出中から貸出可になったと判定するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る車両監視システムは、第4発明において、前記カード読取部は、保守作業を示す保守作業情報が記録されたカードから該保守作業情報を読み取るようにしてあり、前記通信部は、前記カード読取部で読み取った保守作業情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記受信手段は、前記保守作業情報を受信するようにしてあり、前記判定手段は、前記保守作業情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出否から貸出可になったと判定するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る車両監視システムは、第3発明乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記車両は、距離計を備え、前記通信部は、前記距離計で計測した移動距離に関する移動距離情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記受信手段は、前記移動距離情報を受信するようにしてあり、前記判定手段は、前記移動距離が所定の距離閾値以上である場合、前記車両の利用状況が貸出否であると判定するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る車両監視システムは、第3発明乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記処理部は、前記バッテリの残存容量を測定する残存容量測定部を備え、前記通信部は、前記残存容量測定部で測定した残存容量に関する残存容量情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記受信手段は、前記残存容量情報を受信するようにしてあり、前記判定手段は、前記残存容量が所定の容量閾値以下である場合、前記車両の利用状況が貸出否であると判定するように構成してあることを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る車両監視システムは、第7発明において、前記送信手段は、前記残存容量測定部での測定間隔を設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測定間隔を、貸出中である場合の測定間隔よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする。
【0015】
第9発明に係る車両監視システムは、第3発明乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記送信手段は、前記カード読取部での読取周期を設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出中又は貸出否である場合の読取周期を、貸出可である場合の読取周期よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする。
【0016】
第10発明に係る車両監視システムは、第2発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記処理部は、GPS機能を有する測位部を備え、前記送信手段は、前記測位部での測位間隔を設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測位間隔を、貸出中である場合の測位間隔よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする。
【0017】
第11発明に係る車両監視システムは、第10発明において、前記通信部は、前記測位部で複数回測位した位置情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記車両監視装置は、前記測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段を備え、前記送信手段は、前記位置判定手段で判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、前記測位部での測位サンプリング回数を所定回数以下に設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記設定情報に基づいて、前記測位部での測位サンプリング回数を所定回数以下にすべく制御するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
第12発明に係る車両監視システムは、第10発明において、前記通信部は、前記測位部で複数回測位した位置情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、前記車両監視装置は、前記測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段を備え、前記送信手段は、前記位置判定手段で判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、前記測位部での測位サンプリング周期を長くすべく設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記設定情報に基づいて、前記測位部での測位サンプリング周期を長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
第13発明に係る車両監視システムは、第2発明乃至第12発明のいずれか1つにおいて、前記処理部は、前記車両に設けられたモータを備え、前記送信手段は、前記車両が貸出可の状態で置かれる所定の場所に関連付けて該車両のモータの駆動力の大小を設定した設定情報を送信するようにしてあり、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出中になった場合、前記設定情報で設定された駆動力で前記モータを動作させるように構成してあることを特徴とする。
【0020】
第14発明に係る車両監視システムは、第13発明において、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後に前記バッテリから前記モータへの給電を遮断するように構成してあることを特徴とする。
【0021】
第15発明に係る車両監視システムは、第2発明乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記処理部は、前照灯を備え、前記制御手段は、前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後に前記バッテリから前記前照灯への給電を遮断するように構成してあることを特徴とする。
【0022】
第16発明に係る車両監視装置は、バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置において、車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶する記憶手段と、車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定する判定手段と、該判定手段で判定した利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
第17発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両の貸出を行うべく利用状況を監視させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定するステップと、判定した利用状況に基づいて前記車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を決定するステップとを実行させることを特徴とする。
【0024】
第18発明に係る車両は、バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両において、車両の利用状況に関連する情報を外部の車両監視装置へ送信する送信部と、前記車両監視装置から前記処理部の処理条件を設定するための設定情報を受信する受信部と、該受信部で受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
第19発明に係る車両監視方法は、バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両と、該車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置とを備える車両監視システムによる車両監視方法において、前記車両監視装置は、車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶しておき、車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定するステップと、判定された利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信するステップとを含み、前記車両は、前記車両監視装置が送信した設定情報を受信するステップと、受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御するステップとを含むことを特徴とする。
【0026】
第1発明、第16発明、第17発明、第18発明及び第19発明にあっては、車両監視装置は、車両の利用状況に関連付けて当該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶してある。車両の利用状況は、例えば、貸出可、貸出中、貸出否などである。また、処理条件は、処理部での電力消費に関連する条件であり、例えば、処理部の処理頻度などを特定する。車両監視装置は、車両が送信した情報に基づいて当該車両の利用状況を判定する。車両監視装置は、判定した利用状況に応じた設定情報を当該車両へ送信する。車両は、車両監視装置が送信した設定情報を受信し、受信した設定情報を用いて処理部の処理を制御する。車両の利用状況に応じた設定情報が車両監視装置から車両へ送信され、車両は受信した設定情報に応じて処理部の処理を制御するので、車両での電力消費を車両の利用状況に合わせて制御することができ、無駄な電力消費を抑制してバッテリの残存容量の低下を抑え、利用者の利便性を向上させるとともに、車両の利用可能性も高めることができる。また、車両監視装置ですべての車両の電力消費を集中管理することができる。
【0027】
第2発明にあっては、車両監視装置は、車両の利用状況が貸出可、貸出中及び貸出否の少なくとも1つであるかを判定する。これにより、車両の処理部の処理条件を車両の利用状況が、貸出可、貸出中又は貸出否であるかに応じて設定することができる。すなわち、車両の利用状況が貸出可、貸出中又は貸出否であるかに応じて、処理頻度を少なくすることが出来る場合、あるいは処理頻度を変更することができる場合には、処理部の処理条件を利用状況に応じて変更することができ、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0028】
第3発明にあっては、処理部は、車両を利用する利用者が携帯するカードを読み取るカード読取部を備え、車両は、カード読取部で読み取ったカード情報を車両監視装置へ送信する。カード読取部は、例えば、ICカード、メモリカード、磁気カードなどを読み取ることができる。車両監視装置は、カード情報を受信した場合、車両の利用状況が貸出中になったと判定する。例えば、利用状況が貸出可の車両にカードを近づけ、カードに記録した情報を読み取って車両監視装置へ送信することにより、当該車両の利用状況は、貸出可の状態から貸出中の状態に遷移し、利用者は当該車両を利用することができる。そして、車両監視装置は、車両の利用状況が貸出中であると判定したので、設定情報も貸出中に関連付けられたものを当該車両へ送信する。これにより、利用者は、カードを車両に近づけるだけで車両を利用することができ、車両は利用状況が貸出中である状態に適した処理条件により電力消費を抑制することができる。
【0029】
第4発明にあっては、車両は、所定の場所(例えば、駐輪場、駐車場など)に設置された記録媒体(例えば、ICタグ、RFIDタグなど)から、当該記録媒体に記録された当該場所を識別する場所識別情報を読み取る。車両は、読み取った場所識別情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、場所識別情報を受信した場合、当該車両の利用状況が貸出中から貸出可になったと判定する。例えば、利用状況が貸出中の車両を、駐輪場又は駐車場に設置された記録媒体に近づけ、記録媒体に記録した場所識別情報を読み取って車両監視装置へ送信することにより、当該車両の利用状況は、貸出中の状態から貸出可(返却)の状態に遷移し、利用者は当該車両を返却することができる。そして、車両監視装置は、車両の利用状況が貸出可であると判定したので、設定情報も貸出可に関連付けられたものを当該車両へ送信する。これにより、利用者は、車両を記録媒体に近づけるだけで車両を返却することができ、車両は利用状況が貸出可である状態に適した処理条件により電力消費を抑制することができる。
【0030】
第5発明にあっては、カード読取部は、保守作業を示す保守作業情報が記録されたカードから当該保守作業情報を読み取る。車両は、読み取った保守作業情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、保守作業情報を受信した場合、当該車両の利用状況が貸出否から貸出可になったと判定する。例えば、車両の不具合又は定期検査等により保守作業が実施され、保守作業が完了した場合、作業者は、保守作業情報が記録されたカードを車両に近づけ、カードに記録した保守作業情報を読み取って車両監視装置へ送信することにより、当該車両の利用状況は、貸出否の状態から貸出可の状態に遷移し、利用者は当該車両を利用することができる。そして、車両監視装置は、車両の利用状況が貸出可であると判定したので、設定情報も貸出可に関連付けられたものを当該車両へ送信する。これにより、保守作業が完了した車両に所定のカード(保守作業用のカード)を近づけるだけで車両を利用することができ、車両は利用状況が貸出可である状態に適した処理条件により電力消費を抑制することができる。
【0031】
第6発明にあっては、車両は、計測した移動距離に関する移動距離情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、移動距離情報を受信し、当該車両の移動距離が所定の距離閾値以上である場合、当該車両の利用状況が貸出否であると判定する。すなわち、車両監視装置は、車両の移動距離が所定の距離閾値以上になった場合、車両の利用状況が貸出否であると判定したので、設定情報も貸出否に関連付けられたものを当該車両へ送信する。これにより、保守作業が必要な車両を貸出否とすることができるとともに、車両は利用状況が貸出否である状態に適した処理条件により電力消費を抑制することができる。
【0032】
第7発明にあっては、処理部は、バッテリの残存容量を測定する残存容量測定部を備え、車両は、測定した残存容量に関する残存容量情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、残存容量情報を受信し、受信した残存容量が所定の容量閾値以下である場合、当該車両の利用状況が貸出否であると判定する。すなわち、車両監視装置は、車両のバッテリの残存容量が所定の容量閾値以下になった場合、車両の利用状況が貸出否であると判定したので、設定情報も貸出否に関連付けられたものを当該車両へ送信する。これにより、バッテリ交換が必要な車両を貸出否とすることができるとともに、車両は利用状況が貸出否である状態に適した処理条件により電力消費を抑制することができる。
【0033】
第8発明にあっては、車両監視装置は、残存容量測定部での測定間隔を設定した設定情報を送信する。当該設定情報は、車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測定間隔を、貸出中である場合の測定間隔よりも長くしたものである。車両は、車両監視装置が送信した設定情報を受信し、受信した設定情報に基づいて、車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合のバッテリの残存容量の測定間隔が、貸出中である場合の測定間隔よりも長くなるように制御する。車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合、車両は使用されていないので、バッテリの電力消費も少なく頻繁に残存容量を測定する必要がない。そこで、この場合には、測定間隔を長くして残存容量測定部での電力消費を抑えることができる。
【0034】
第9発明にあっては、車両監視装置は、カード読取部での読取周期を設定した設定情報を送信する。当該設定情報は、車両の利用状況が貸出中又は貸出否である場合の読取周期を、貸出可である場合の読取周期よりも長くしたものである。車両は、車両監視装置が送信した設定情報を受信し、受信した設定情報に基づいて、車両の利用状況が貸出中又は貸出否である場合のカード読取部での読取周期が、貸出可である場合の読取周期よりも長くなるように制御する。車両の利用状況が貸出中又は貸出否である場合、車両は利用者によるカードの読取操作が行われる頻度は低いので、カード読取部の読取周期を長くしてカード読取部での電力消費を抑えることができる。
【0035】
第10発明にあっては、処理部は、GPS機能を有する測位部を備え、車両監視装置は、測位部での測位間隔(測位周期)を設定した設定情報を送信する。当該設定情報は、車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測位間隔を、貸出中である場合の測位間隔よりも長くしたものである。車両は、車両監視装置が送信した設定情報を受信し、受信した設定情報に基づいて、車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測位部での測位間隔が、貸出中である場合の測位間隔よりも長くなるように制御する。車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合、車両が移動する可能性は低いので、測位部の測位間隔を長くして測位部での電力消費を抑えることができる。
【0036】
第11発明にあっては、車両は、測位部で複数回測位した位置情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定し、判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、測位部での測位サンプリング回数を所定回数(例えば、1回など)に設定した設定情報を送信する。車両は、受信した設定情報に基づいて、測位部での測位サンプリング回数を所定回数以下にすべく制御する。これにより、複数回測位した位置が誤差範囲内にあるような測位精度が高い場合には、測位部でのサンプリング回数を少なくすることにより、測位部での電力消費を抑制することができる。
【0037】
第12発明にあっては、車両は、測位部で複数回測位した位置情報を車両監視装置へ送信する。車両監視装置は、測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定し、判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、測位部での測位サンプリング周期を長く設定した設定情報を送信する。車両は、受信した設定情報に基づいて、測位部での測位サンプリング周期を長くすべく制御する。これにより、複数回測位した位置が誤差範囲内にあるような測位精度が高い場合には、測位部でのサンプリング周期を長くすることにより、測位部での電力消費を抑制することができる。
【0038】
第13発明にあっては、処理部は、車両に設けられたモータを備え、車両監視装置は、車両が貸出可の状態で置かれる所定の場所(例えば、駐輪場又は駐車場など)に関連付けて当該車両のモータの駆動力の大小を設定した設定情報を送信する。駆動力の大小を設定した設定情報とは、例えば、所定の場所の周辺が平坦な地域であれば、駆動力を抑えたエコモードとし、所定の場所の周辺が起伏の多い地域であれば、駆動力を増やしたパワーモードとすることができる。車両は、利用状況が貸出中になった場合、受信した設定情報で設定された駆動力でモータを動作させる。これにより、車両が置かれている場所の周辺の地形に応じた駆動力で走行をアシストすることができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0039】
第14発明にあっては、車両は、利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後にバッテリからモータへの給電を遮断する。貸出可又は貸出否になった場合には、利用者が車両を使用することがないので、モータへの給電を停止することにより、バッテリの無駄な電力消費を抑えることができる。
【0040】
第15発明にあっては、処理部は、前照灯を備える。車両は、利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後にバッテリから前照灯への給電を遮断する。貸出可又は貸出否になった場合には、利用者が車両を使用することがないので、前照灯への給電を停止することにより、バッテリの無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、車両での電力消費を車両の利用状況に合わせて制御することができ、無駄な電力消費を抑制してバッテリの残存容量の低下を抑え、利用者の利便性を向上させるとともに、車両の利用可能性も高めることができる。また、車両監視装置ですべての車両の電力消費を集中管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施の形態の車両監視システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】本実施の形態の電動アシスト自転車の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態のサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態のサーバが行う処理の一例を示す説明図である。
【図5】カード情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図6】車両情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図7】駐輪場情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図8】本実施の形態の電動アシスト自転車がサーバへ送信する要求情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態のサーバが電動アシスト自転車へ送信する応答情報のデータ構造の一例を示す説明図である。
【図10】動作パラメータの一例を示す説明図である。
【図11】本実施の形態の電動アシスト自転車での貸出時の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のサーバでの貸出時の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態の電動アシスト自転車での返却時の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態のサーバでの返却時の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本実施の形態の電動アシスト自転車での移送開始時の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態のサーバでの移送開始時の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態の電動アシスト自転車での移送終了時の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本実施の形態のサーバでの移送終了時の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】本実施の形態の電動アシスト自転車でのバッテリ残量管理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本実施の形態のサーバでのバッテリ残量管理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本実施の形態の電動アシスト自転車でのGPS測位管理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】本実施の形態のサーバでのGPS測位管理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の車両監視システムの構成の一例を示す模式図である。車両監視システムは、バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両としての電動アシスト自転車10、電動アシスト自転車の利用状況を監視するための車両監視装置としてのサーバ50などを備える。なお、本実施の形態では、車両の一例として電動アシスト自転車(以下、自転車とも称する)について説明するが、車両は電動アシスト自転車に限定されるものではなく、バッテリ等の電源を備え、移動手段として供するものであれば、自動車、バス、トラック、バイクなどの自動二輪車など他の乗り物であってもよい。
【0044】
サーバ50には、インターネット網2、インターネット回線3を通じて利用窓口1を接続してある。自転車10には、後述するようにGPS機能を備えたGPS受信部を備えており、GPS衛星5からの電波を受信して自身の位置を測位することができる。また、自転車には、後述するように通信部を備えており、例えば、携帯電話網4を介して、サーバ50に接続されている。
【0045】
また、電動アシスト自転車10を駐輪することができる所定の場所としての駐輪場200、200、…が任意の場所に設けられている。駐輪場200には、記録媒体としてのICタグ201を設置してある。ICタグ201は、駐輪場の場所を識別する場所識別情報としてのタグIDを記録している。なお、ICタグ201は、駐輪場200の床面に埋め込むこともでき、あるいは、適当な支柱にICタグ201を紐などで繋いでおくこともできる。ICタグ201は、自転車10を返却する場合、駐輪場200内に設けられた自転車用のスペース(例えば、白線などで仕切られた区画)に自転車10を置いたときに自転車10で読み取ることができる範囲内であれば、任意の場所に設けることができる。
【0046】
また、ICタグ201は、パッシブタグ(受動タグ)、アクティブタグ(能動タグ)、双方を組み合わせたセミアクティブタグ(起動型能動タグ)などのいずれでもよい。また、ICタグ201をRFID(Radio Frequency Identification)タグなどとすることにより、駐輪場を低コストにすることができる。また、記録媒体は、非接触型に限定されるものではなく、接触型の記録媒体でもよい。
【0047】
以下、自転車10を利用する際の処理について概説する。利用者は、利用窓口で利用者登録を行うことにより、携帯可能なカード100を入手することができる。カード100には、利用者の個人情報の他、自転車10を利用することができる有効期限が記録されている。
【0048】
利用者は、登録済のカード100を携帯して、符号Aで示す所望の駐輪場200へ行き、駐輪場200に置かれている任意の自転車10にカード100を近づける。なお、駐輪場200に置かれている自転車10の利用状況は原則として「貸出可」である。自転車10は、カード100からカード情報を読み取り、読み取ったカード情報、自転車10を識別する車両IDなどの情報を含む要求情報をサーバ50へ送信する。
【0049】
サーバ50は、要求情報を受信し、カード情報が有効期限内であるか、及び車両IDが貸出可の自転車であるか等を判定する。自転車10の利用状況が貸出可であると判定した場合には、サーバ50は、自転車10の車両の利用状況判定結果(以下、車両ステータスとも称する)、自転車10について判定した利用状況に応じた設定情報である動作パラメータ、自転車10に備えられた電子錠の開錠を指示するフラグなどの情報を含む応答情報を自転車10へ送信する。
【0050】
自転車10は、応答情報を受信し、車両ステータス(この場合、貸出中)に対応した動作パラメータを記憶するとともに、電子錠は開錠され、利用者は自転車10を利用することができる。
【0051】
利用者は、符号Bで示す任意の場所で休憩又は用事を済ませるため、自転車10の電子錠を手動で施錠する。休憩後又は用事を済ませた後で、利用者がカード100を自転車10に近づけると、自転車10は、GPS受信部で測位した自身の位置をサーバ50へ送信する。サーバ50は、貸出時と同様に電子錠の開錠を指示するフラグを自転車10へ送信するとともに、利用者が休憩した場所又は用事を済ませた場所の情報を取得することができる。
【0052】
利用者は、自転車10を符号Cで示す所望の駐輪場200で返却する場合、自転車を所定の駐輪スペース内に置き、電子錠を施錠することにより、自転車は、駐輪スペース内又はその近傍に設置されたICタグ201から駐輪場200を識別する場所識別情報としてのタグIDを読み取る。自転車10は、タグIDを含む要求情報をサーバ50へ送信する。サーバ50は、タグIDを受信すると、自転車10の利用状況を貸出中から貸出可に変更するとともに、車両ステータスが貸出可に応じた動作パラメータを含む応答情報を自転車10へ送信する。
【0053】
自転車10は、応答情報を受信し、車両ステータス(この場合、貸出可)に対応した動作パラメータを記憶するとともに、自転車10は、貸出可能となる。利用者は、カード100を携帯し、有効期限内であれば、他の駐輪場で再度自転車10を借りることができる。
【0054】
図2は本実施の形態の電動アシスト自転車10の構成の一例を示すブロック図である。自転車10は、制御部11、カード読取部12、ICタグ読取部13、GPS受信部14、通信部15、バッテリ16、容量測定部17、記憶部18、電子錠19、表示部20、ブザー21、距離計測部22、電動アシスト用モータ23、ビームライト24などを備える。
【0055】
バッテリ16により給電されて所要の処理を行う処理部としては、例えば、カード読取部12、測位部としてのGPS受信部14、残存容量測定部としての容量測定部17、電動アシスト用モータ23、前照灯としてのビームライト24、通信部15などである。
【0056】
制御部11は、設定情報としての動作パラメータを用いて上述の処理部の処理を制御する制御手段としての機能を有する。また、制御部11は、図2に示す自転車10の各部の機能を制御する。
【0057】
カード読取部12は、利用者が携帯するカード100、後述するように自転車10の移送又は保守などを行う作業者が携帯するカード100などから、カード100に記録したカードIDなどの情報を読み取る。カード100は、例えば、ICカード、メモリカード、磁気カードなどである。
【0058】
ICタグ読取部13は、駐輪場200に設置されたICタグ201に記録された情報を読み取る。
【0059】
GPS受信部14は、GPS衛星5からの電波を受信して、自転車10の位置を取得する。また、GPS受信部14は、取得した位置を記録することにより、自転車10の移動距離を求めることができ、また、取得した位置と時刻とを関連付けることにより、自転車10の移動履歴を求めることができる。
【0060】
通信部15は、車両側送信手段及び車両側受信手段としての機能を有し、携帯電話網4、インターネット網2を介してサーバ50との間の通信を行う。
【0061】
バッテリ16は、例えば、ニッケル水素電池、あるいはリチウムイオン電池などの充電可能な蓄電池であり、自転車10の各部へ給電する電源の役割を有する。
【0062】
容量測定部17は、制御部11の制御のもと、バッテリ16の残存容量を測定する。すなわち、容量測定部17は、自転車の利用状況に基づいて設定された動作パラメータに応じた測定間隔でバッテリ16の残存容量を測定する。制御部11は、容量測定部17で測定したバッテリ16の残存容量が所定の閾値より少ない場合、サーバ50に対して警告を送信する。
【0063】
記憶部18は、自転車の利用状況である車両ステータス、車両ステータスに対応した動作パラメータ、カード読取部12で読み取ったカードIDなどの情報を記憶する。サーバ50で自転車10の利用状況(車両ステータス)が判定された場合、サーバ50は、判定結果に応じた動作パラメータを自転車10へ送信する。自転車10は、サーバ50から動作パラメータが送信された都度、記憶部18に記憶する動作パラメータを更新する。
【0064】
電子錠19は、施錠時には自転車10の車輪が回転するのを規制し、開錠時には車輪の回転を規制しない。電子錠19は、サーバ50から開錠のフラグを取得した場合、開錠することができる。また、電子錠19は手動で施錠することができる。
【0065】
表示部20は、自転車10の状態を表示するためのインジケータを備える。表示部20は、自転車10が貸出中であること、移送中であること、サーバ50からの応答情報にエラーが含まれていることなどを示す。
【0066】
ブザー21は、制御部11の制御のもと、自転車10の盗難を検知した場合に発呼する。
【0067】
距離計測部22は、走行メータなどを備え、自転車10の移動距離を計測する。なお、GPS受信部14で移動距離を求める場合には、距離計測部22を具備しなくてもよいが、GPS受信部14でGPS衛星からの電波を受信することができず、位置を測位することができない場合を考慮して、距離計測部22を具備することが望ましい。
【0068】
電動アシスト用モータ23は、自転車10の車輪の回転を補助する。電動アシスト用モータ23は、モータの駆動力が大きいパワーモード、駆動力が比較的小さいエコモードの2通りの初期(起動時)アシストモードで車輪を駆動する。アシストモードは、動作パラメータにより設定され、手動操作で変更することができる。
【0069】
ビームライト24は、手動操作で点灯又は消灯することができる。
【0070】
図3は本実施の形態のサーバ50の構成の一例を示すブロック図である。サーバ50は、CPU51、通信部52、入力部53、RAM54、ROM55、表示部56、記憶部57などを備える。
【0071】
CPU51は、ROM55に記録したプログラム、不図示のDVD読取装置などの記録媒体読取装置で読み込んだプログラム、あるいはインターネット網2からダウンロードしたプログラムをRAM54にロードして実行することにより、車両監視装置としての機能を実現することができる。
【0072】
図4は本実施の形態のサーバ50が行う処理の一例を示す説明図である。ユーザ管理処理は、自転車10の利用者の情報の登録、検索、更新などの処理、利用者が使用するICカード100の発行処理、複数の利用者がグループを構成している場合、利用者のグループを登録する処理などを含む。
【0073】
カード情報管理処理は、ICカード100の有効期限の設定処理、自転車10の修理・点検作業、バッテリ交換作業、移送作業などの保守作業実績を登録する作業用のICカード100の情報管理処理、駐輪場200に設置されたICタグ201の情報管理処理などを含む。
【0074】
駐輪場管理処理は、駐輪場を識別する駐輪場ID、駐輪場の位置情報などを管理する処理を含む。
【0075】
認証管理処理は、利用者のICカード100に記録されたカードID、ICカード100を読み込んだ自転車10の車両IDなどに基づく利用者の認証処理を含む。また、認証管理処理は、作業用のICカード100の認証処理、自転車10の修理・点検作業、バッテリ交換作業、移送作業などの保守作業実績の登録処理を含む。
【0076】
車両利用状況判定処理は、自転車10から送信された要求情報に基づいて、当該自転車10の利用状況(例えば、貸出可、貸出中、貸出否、移送中などの車両ステータス)を判定する処理を含む。
【0077】
貸出管理処理は、自転車10の貸出、返却を管理する処理、電子錠19の開錠処理などを含む。また、貸出管理処理は、自転車10の貸出の予約管理の処理を含む。
【0078】
車両管理処理は、利用状況に関わらず、すべての自転車10の状態を集中管理する処理であり、自転車10の現在位置、走行距離、バッテリ残量、移動履歴などの管理をする処理を含む。また、車両管理処理は、自転車の保守作業(定期検査、修理、部品交換、空気入れなど)の実績を管理する処理、今後の保守作業の予定を管理する処理、自転車10の保守作業を指示する処理、自転車10の修理依頼を受け付ける処理、各駐輪場での自転車10の保有台数及び車両ステータスを管理する処理を含む。
【0079】
需給管理処理は、自転車10の移送実績に基づく各駐輪場での貸出(供給)可能台数の管理処理、各駐輪場での過去の貸出台数及び返却台数の実績(例えば、時間帯、日、周、月、あるいは曜日毎)の管理処理、各駐輪場での需要予測処理、駐輪場毎の供給計画(必要台数の確保、余剰台数の他の駐輪場への移送指示)などの処理を含む。
【0080】
動作パラメータ管理処理は、集中管理するすべての自転車10の利用状況に応じた動作パラメータを設定する処理、設定した動作パラメータを当該自転車10へ導入するための処理を含む。
【0081】
課金管理処理は、利用者のクレジットカードの登録処理、自転車10の返却時の課金処理(例えば、クレジットカード決済の電文の送信処理)を含む。また、課金管理処理は、利用者が所定の駐輪場200(例えば、需要に対して供給が少ない駐輪場)に自転車10を返却した場合の料金の割引処理を含む。利用者の返却で自転車10の移送処理を代用させるためである。
【0082】
例えば、貸出時間、貸出場所、返却場所、貸出台数などの情報に基づいて、貸出需要の多い駐輪場200、需要の少ない駐輪場200を予め設定しておき、利用者が任意の駐輪場200で自転車10を借りたときに、過去の需要に基づいて、需要の多い1又は複数の駐輪場200の場所を表示部20に表示させるとともに、当該駐輪場200に自転車10を返却した場合には、料金の何割(例えば、5%、10%など)かの割引料金が適用されることを表示させる。これにより、利用者に需要の高い駐輪場200への自転車10の返却を促すことができ、利用者による自転車の最適配置を実現することができる。
【0083】
通信部52は、送信手段及び受信手段としての機能を有し、携帯電話網4、インターネット網2を介して各自転車10との間の通信を行う。
【0084】
入力部53は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッドなどであり、サーバ50の管理者がデータの入力操作を行うことができる。
【0085】
表示部56は、例えば、液晶ディスプレイなどであり、サーバ50で行う各種処理の処理結果、データ入力のための入力画面などを表示する。
【0086】
記憶部57には、ハードディスク、半導体メモリなどで構成され、カード情報571、カード通信履歴情報572、車両情報573、車両移動履歴情報574、駐輪場情報575、保守情報576、位置情報577、バッテリ残量情報578、動作パラメータ情報579などの各種情報を記憶している。
【0087】
図5はカード情報571のデータ構造の一例を示す説明図である。カード情報は、利用者が携帯するICカード100、作業者が携帯する作業用のICカード100に記録されているデータ構造を示す。カード情報は、ICカード100毎に付与された固有情報であるカードID、カード種別(利用者用、作業者用)などのデータを含む。作業者用のカード種別には、さらに修理・点検用、バッテリ交換用、自転車10の移送用などに細分化されている。
【0088】
利用者が携帯するICカード100の場合、カード情報には、さらに、カード有効期限、ユーザ名、グループ番号、当該利用者に貸出中の自転車10の車両ID、利用履歴(利用開始日時、利用終了日時)などのデータを含む。
【0089】
例えば、利用者に自転車10を貸し出す場合、利用者が携帯するICカード100のカードIDに関連付けて(紐づけて)貸出中の自転車10の車両IDがカード情報571に記録される。また、利用者が自転車10を返却した場合、カード情報571に記録された車両IDは消去され、当該カードIDの利用者に貸出中の自転車10がないことが記録される。
【0090】
グループ番号は、複数の利用者がグループを形成している場合(例えば、家族連れの旅行者など)、それぞれ利用者が同一グループに属していることが分かるように同一のグループ番号を割り当てる。
【0091】
カード通信履歴情報572は、ICカード100、ICタグ201との通信履歴を記録する。例えば、カード通信履歴情報572には、どのカードIDのICカード100とサーバ50が何時通信したかの記録が含まれる。
【0092】
図6は車両情報573のデータ構造の一例を示す説明図である。車両情報は、自転車10の固有の情報である車両ID、当該車両IDの自転車の利用状況である車両ステータス(例えば、貸出可、貸出中、貸出否、移送中など)、貸出中の利用者のカードIDなどのデータを含む。
【0093】
車両情報573の車両ステータスは、自転車10の貸出、返却、移送、点検・修理などの各処理に応じて更新される。
【0094】
車両移動履歴情報574は、車両の移動実績のデータを含む。例えば、車両移動履歴情報574は、車両ID毎に、駐輪場200に移送又は返却された日時、駐輪場200から移送又は貸し出された日時などを記録する。
【0095】
図7は駐輪場情報575のデータ構造の一例を示す説明図である。駐輪場情報は、駐輪場200を識別する駐輪場ID、駐輪場200に設置されたICタグ201に記録された場所識別情報としてのタグID、駐輪場200に存在する貸出可の自転車10の車両ID、当該駐輪場200から貸し出した自転車10の車両ID、駐輪場200周辺の地形などを考慮して初期設定されたアシストモードなどのデータを含む。
【0096】
初期アシストモードは、例えば、パワーモード及びエコモードの各モードがあり、自転車10の電動アシスト用モータ23の駆動力の大小を定めるものである。パワーモードは駆動力が大きく、エコモードは駆動力を小さくして電動アシスト用モータ23の電力消費を抑えることができる。駐輪場200の周辺の地形が、例えば、起伏が激しい場合には、アシストモードをパワーモードに設定し、駐輪場200の周辺の地形が、例えば、平坦である場合には、アシストモードをエコモードに設定することができる。
【0097】
保守情報576は、自転車10の保守実績のデータを含み、例えば、点検・修理の日時、バッテリ交換の日時、移送の日時などのデータを含む。
【0098】
位置情報577は、自転車10で測位した自身の位置情報をサーバ50へ送信した場合、当該位置情報を記録したものであり、車両ID毎の測位位置情報である。
【0099】
バッテリ残量情報578は、自転車10で測定したバッテリ16の残存容量をサーバ50へ送信した場合、当該残存容量を記録したものであり、車両ID毎のバッテリ残存容量の情報である。
【0100】
図8は本実施の形態の電動アシスト自転車10がサーバ50へ送信する要求情報のデータ構造の一例を示す説明図である。要求情報は、自転車10を識別する車両ID、自転車10で読み取ったICカードのカードID、自転車10で読み取ったICタグ201のタグID、GPS受信部14で測位した測位データ、容量測定部17で測定したバッテリ残存容量データなどを含む。なお、要求種別に応じて自転車10から送信される要求情報は異なり、図8に示す一部のデータだけが送信される場合もある。
【0101】
図9は本実施の形態のサーバ50が電動アシスト自転車10へ送信する応答情報のデータ構造の一例を示す説明図である。応答情報は、自転車10からの要求情報に対して正常又は異常であることを示すリターンコード、要求情報に含まれていたカードID、車両利用状況の判定結果(車両ステータス)、判定した車両ステータスに応じた動作パラメータなどのデータを含む。
【0102】
リターンコードは、自転車10からの要求情報に問題がなく正常であることを示すリターンコード、要求情報に問題があり異常であるためエラー表示を指示するためのリターンコード、ブザー21を発呼させるためのリターンコード、自転車10の貸出中に電子錠の開錠を指示するリターンコードなどを含む。
【0103】
次に、動作パラメータ情報579について説明する。図10は動作パラメータの一例を示す説明図である。動作パラメータは、自転車10の利用状況に関連付けて当該自転車10の処理部の処理条件を設定するための設定情報である。すなわち、動作パラメータは、自転車10の利用状況(車両ステータス:貸出可、貸出中、移送中、貸出否など)に対応させて、アシスト電源オフ時間、ビームライト電源オフ時間、カード読取周期、GPS測位周期、GPS測位サンプリング周期、GPS測位サンプリング回数、GPS測位データ送信まとめ回数、バッテリ残存容量測定周期、バッテリデータ送信まとめ回数、初期アシストモードなどのパラメータを設定したものである。
【0104】
サーバ50は、自転車10の車両ステータス(利用状況)に関連付けて当該自転車10の処理部(例えば、カード読取部12、GPS受信部14、容量測定部17、電動アシスト用モータ23、ビームライト24、通信部15など)の処理条件(動作条件)を設定するための動作パラメータを記憶してある。自転車10の利用状況は、例えば、貸出可、貸出中、貸出否、移送中などである。また、処理条件は、処理部での電力消費に関連する条件であり、例えば、処理部の処理頻度(動作周期など)などを特定する。
【0105】
サーバ50は、自転車10が送信した要求情報に基づいて当該自転車10の車両ステータスを判定する。サーバ50は、判定した車両ステータスに応じた動作パラメータを当該自転車10へ送信する。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータを用いて処理部の処理を制御する。
【0106】
自転車10の車両ステータスに応じた動作パラメータがサーバ50から自転車10へ送信され、自転車10は受信した動作パラメータに応じて処理部の処理を制御するので、自転車10での電力消費を自転車10の車両ステータスに合わせて制御することができ、無駄な電力消費を抑制してバッテリ16の残存容量の低下を抑え、利用者の利便性を向上させるとともに、自転車10の利用可能性も高めることができる。また、サーバ50ですべての自転車10の電力消費を集中管理することができる。
【0107】
サーバ50は、自転車の車両ステータス(利用状況)が貸出可、貸出中及び貸出否の少なくとも1つであるかを判定する。これにより、自転車10の処理部の処理条件を車両ステータスが貸出可、貸出中又は貸出否であるかに応じて設定することができる。すなわち、自転車10の車両ステータスが貸出可、貸出中又は貸出否であるかに応じて、処理部の処理頻度又は動作頻度を少なくすることが出来る場合、あるいは処理頻度又は動作頻度を変更することができる場合には、処理部の処理条件を利用状況に応じて変更することができ、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0108】
自転車10は、車両ステータスが貸出可、移送中、貸出否になった時点から所定のアシスト電源オフ時間(例えば、5秒)経過後にバッテリ16から電動アシストモータ23への給電を遮断する。貸出可、移送中又は貸出否になった場合には、利用者が自転車10を使用することがないので、電動アシストモータ23への給電を停止することにより、バッテリ16の無駄な電力消費を抑えることができる。
【0109】
自転車10は、車両ステータスが貸出可、移送中、貸出否になった時点から所定のビームライト電源オフ時間(例えば、5秒)経過後にバッテリ16からビームライト24への給電を遮断する。貸出可、移送中又は貸出否になった場合には、利用者が自転車10を使用することがないので、ビームライト24への給電を停止することにより、バッテリ16の無駄な電力消費を抑えることができる。
【0110】
サーバ50は、カード読取部12での読取周期を設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。図10に示すように、自転車10の車両ステータス(利用状況)が貸出中、移送中又は貸出否である場合の読取周期(例えば、1000秒)を、貸出可である場合の読取周期(例えば、500秒)よりも長くしている。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータに基づいて、自転車10の車両ステータスが貸出中、移送中又は貸出否である場合のカード読取部12での読取周期(1000秒)が、貸出可である場合の読取周期(500秒)よりも長くなるように制御する。自転車10の車両ステータスが貸出中、移送中又は貸出否である場合、自転車10は利用者によるカードの読取操作が行われる頻度は低いので、カード読取部12の読取周期を長くしてカード読取部12での電力消費を抑えることができる。
【0111】
また、サーバ50は、GPS受信部14での測位周期(測位間隔)を設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。図10に示すように、自転車10の車両ステータス(利用状況)が貸出可、貸出否又は移送中である場合の測位周期(例えば、1800秒、1200秒など)を、貸出中である場合の測位周期(例えば、60秒)よりも長くしている。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータに基づいて、自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合のGPS受信部14での測位周期(1200秒、1800秒)が、貸出中である場合の測位周期(60秒)よりも長くなるように制御する。自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合、自転車10が移動する可能性は低いので、GPS受信部14の測位周期を長くしてGPS受信部14での電力消費を抑えることができる。
【0112】
自転車10は、GPS受信部14で複数回測位した位置情報をサーバ50へ送信する。サーバ50は、当該位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて自転車10の位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する。誤差範囲は、例えば、GPS衛星5から受信する電波の受信状況が良好な場合の測位誤差とすることができ、例えば、駐輪場の座標から半径10m以内、波形50m以内などに設定することができる。
【0113】
判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、サーバ50は、GPS受信部14での測位サンプリング回数を所定回数(例えば、1回など)に設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。測位サンプリング回数とは、1回の測位周期において、何回サンプリングを実施するかを定めた値である。図10の例では、GPS測位サンプリング回数は1回であるが、これに限定されるものではない。
【0114】
自転車10は、受信した動作パラメータに基づいて、GPS受信部14での測位サンプリング回数を所定回数以下にすべく制御する。これにより、複数回測位した位置が誤差範囲内にあるような測位精度が高い場合、あるいは自転車10の位置が変化しない場合には、GPS受信部14でのサンプリング回数を少なくすることにより、GPS受信部14での電力消費を抑制することができる。
【0115】
なお、判定した位置が所定の誤差範囲外にある場合には、サーバ50は、GPS受信部14での測位サンプリング回数を所定回数よりも多い回数(例えば、3回、5回など)に設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。
【0116】
また、自転車10は、GPS受信部14で複数回測位した位置情報をサーバ50へ送信し、サーバ50は、当該位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて自転車10の位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する。判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、サーバ50は、GPS受信部14での測位サンプリング周期を長く(例えば、2秒、3秒など)設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。測位サンプリング周期とは、1回の測位周期において、複数回サンプリングを実施する場合のサンプリング間隔である。図10の例では、GPS測位サンプリング回数が1回であるためGPS測位サンプリング周期は0となっているが、これに限定されるものではない。
【0117】
自転車10は、受信した動作パラメータに基づいて、GPS受信部14での測位サンプリング周期を長くすべく制御する。これにより、複数回測位した位置が誤差範囲内にあるような測位精度が高い場合、あるいは自転車10の位置が変化しない場合には、GPS受信部14でのサンプリング周期を長くすることにより、GPS受信部14での電力消費を抑制することができる。
【0118】
なお、判定した位置が所定の誤差範囲外にある場合には、サーバ50は、GPS受信部14での測位サンプリング周期を短く(例えば、0.2秒、0.5秒、1秒など)に設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。
【0119】
また、サーバ50は、GPS受信部14で測位した測位データの送信まとめ回数を設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。送信まとめ回数は、何回分の測位周期の測位データをまとめて1回で送信するかを定めた値である。図10に示すように、自転車10の車両ステータス(利用状況)が貸出可、貸出否又は移送中である場合の送信まとめ回数(例えば、1回)を、貸出中である場合の送信まとめ回数(例えば、5回)よりも少なくしている。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータに基づいて、自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合のGPS受信部14での測位データの送信まとめ回数(1回)が、貸出中である場合の測位データの送信まとめ回数(5回)よりも少なくなるように制御する。自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合、GPS測位周期が長くなるので、GPS受信部14の測位データの送信まとめ回数を少なくし、自転車10の車両ステータスが貸出中である場合、GPS測位周期が短くなるので、GPS受信部14の測位データの送信まとめ回数を増やすことにより、自転車10の車両ステータスに応じてタイムリーに測位データをサーバ50へ提供することができる。また、自転車10の車両ステータスが貸出中である場合、バッテリ16の負荷が増加するので、送信まとめ回数を多くすることにより、通信部15での電力消費を抑えることができる。
【0120】
サーバ50は、容量測定部17での測定周期(測定間隔)を設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。図10に示すように、自転車10の車両ステータス(利用状況)が貸出可、貸出否又は移送中である場合の測定周期(例えば、1800秒、1200秒など)を、貸出中である場合の測定周期(例えば、300秒)よりも長くしている。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータに基づいて、自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合の容量測定部17での測定周期(1200秒、1800秒)が、貸出中である場合の測定周期(300秒)よりも長くなるように制御する。自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合、利用者が自転車10を使用していないので、バッテリ16の電力消費も少なく頻繁に残存容量を測定する必要がない。そこで、この場合には、容量測定部17の測定周期を長くして容量測定部17での電力消費を抑えることができる。
【0121】
また、サーバ50は、容量測定部17で測定したバッテリデータ(残存容量)の送信まとめ回数を設定した動作パラメータを自転車10へ送信する。送信まとめ回数は、何回分の測定データをまとめて1回で送信するかを定めた値である。図10に示すように、自転車10の車両ステータス(利用状況)が貸出可、貸出否又は移送中である場合の送信まとめ回数(例えば、1回)を、貸出中である場合の送信まとめ回数(例えば、3回)よりも少なくしている。自転車10は、サーバ50が送信した動作パラメータを受信し、受信した動作パラメータに基づいて、自転車10の車両ステータスが貸出可、移送中又は貸出否である場合の容量測定部17での測定データの送信まとめ回数(1回)が、貸出中である場合の測定データの送信まとめ回数(3回)よりも少なくなるように制御する。自転車10の車両ステータスが貸出中である場合、バッテリ16の負荷が増加するので、送信まとめ回数を多くすることにより、通信部15での電力消費を抑えることができる。
【0122】
サーバ50は、駐輪場200の周辺の地形に応じて、駐輪場200毎に関連付けた初期アシストモードを含む動作パラメータを当該駐輪場200で車両ステータスが貸出可から貸出中に変更された自転車10へ送信する。自転車10は、車両ステータスが貸出中になった場合、受信した動作パラメータの初期アシストモードで電動アシスト用モータ23を動作させる。これにより、平坦な場所では、エコモードで自転車10を走行させ、起伏の多い場所では、パワーモードで自転車10を走行させることができるので、自転車10が置かれている駐輪場200の周辺の地形に応じた駆動力で走行をアシストすることができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0123】
なお、図10に示す動作パラメータの数値は、一例であって、これらに限定されるものではない。
【0124】
次に、自転車10の貸出、返却、移送開始、移送終了、バッテリ残量測定、GPS測位の各処理について説明する。
【0125】
図11は本実施の形態の電動アシスト自転車10での貸出時の処理手順を示すフローチャートであり、図12は本実施の形態のサーバ50での貸出時の処理手順を示すフローチャートである。図11は、利用者が予め利用窓口1で所要の手続き(ユーザ登録など)を済ませ、ICカード100を取得した後に、所望の駐輪場200で自転車10を借りる際の自転車10の処理を示す。
【0126】
図11に示すように、自転車10は、ICカード100のカード読取の有無を判定し(S101)、カードの読取がない場合(S101でNO)、ステップS101の処理を続ける。カードの読取があった場合(S101でYES)、自転車10は、サーバ50との通信の通信圏内にあるか否かを判定する(S102)。通信圏内であるか否かは、携帯電話網4の電波を受信できるか否かで判定することができる。
【0127】
通信圏内である場合(S102でYES)、自転車10は、サーバ50へ要求情報を送信する(S103)。この場合、要求情報には、車両ID、カードID、測位データ、バッテリ残存容量データが含まれる。自転車10は、サーバ50から応答情報を受信したか否かを判定し(S104)、応答情報を受信していない場合(S104でNO)、ステップS104の処理を続け、サーバ50からの応答情報を待つ。
【0128】
サーバ50から応答情報を受信した場合(S104でYES)、自転車10は、リターンコードが正常であるか否かを判定し(S105)、正常である場合(S105でYES)、応答情報に含まれる動作パラメータを記憶部18に記憶することにより、動作パラメータを設定(更新)し(S106)、車両ステータスを貸出可から貸出中に変更する(S107)。なお、応答情報に含まれるカードID、車両ステータスも記憶部18に記憶される。
【0129】
自転車10は、リターンコードが正常であるので、電子錠19を開錠し(S108)、処理を終了する。これにより、利用者は自転車10を使用することが可能となる。
【0130】
駐輪場200は、通常、携帯電話網4の通信圏内にあるので、自転車10を借りる際には、ステップS102で通信圏内であると判定される。しかし、利用者が一旦自転車10を借りた後(自転車10の車両ステータスは貸出中となる)、利用者が任意の場所へ移動した場合には、携帯電話網4の通信圏内にあるとは限らす通信圏外である場合もあり得る。
【0131】
そこで、通信圏内でない場合(S102でNO)、自転車10は、車両ステータスが貸出中であるか否かを判定し(S109)、車両ステータスが貸出中である場合(S109でYES)、読み取ったカードIDと記憶してあるカードID(ステップS104で受信した応答情報に含まれるカードID)が一致するか否かを判定し(S110)、一致する場合(S110でYES)、ステップS108の処理を行って電子錠19を開錠する。
【0132】
これにより、利用者は、自転車10を借りた後、所要の場所で自転車10の電子錠19を手動で施錠し、自転車10から離れることができる。そして、自転車10を置いた場所に戻ってきたときに、仮に携帯電話網4の通信圏外であったとしても、利用者の認証と自転車10の電子錠19の開錠を確実に行うことができる。
【0133】
ステップS109で車両ステータスが貸出中でない場合(S109でNO)、ステップS110でカードIDが一致しない場合(S110でNO)、あるいはステップS105でリターンコードが正常でない場合(S105でNO)、自転車10は、エラー表示を行い(S111)、処理を終了する。これらの場合には、電子錠19が開錠されないので、自転車10を使用することはできない。
【0134】
図12に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10から要求情報を受信したか否かを判定し(S501)、要求情報を受信していない場合(S501でNO)、ステップS501の処理を続ける。
【0135】
要求情報を受信した場合(S501でYES)、サーバ50は、要求種別を判定する(S502)。要求種別は、要求情報に含まれるカードID、タグIDにより判定することができ、例えば、要求情報にカードIDが含まれ、タグIDが含まれていない場合には、カードIDに応じて、利用者による自転車10の貸出、作業者による点検・修理の開始、自転車10の移送開始などであり、タグIDも含まれる場合には、利用者による自転車10の返却、作業者による点検・修理の終了、自転車10の移送終了などである。なお、図12の例では、要求種別は、自転車10の貸出である。
【0136】
サーバ50は、自転車10が貸出可であるか否かを判定する(S503)。貸出可であるか否かの判定は、例えば、カードIDが、他の自転車10に対して貸し出されたものでないか、ICカード100の有効期限を過ぎていないかなどを判定することにより行われる。
【0137】
貸出可である場合(S503でYES)、カード情報、車両情報を更新する(S504)。カード情報を更新するとは、例えば、カード情報の「貸出中の車両ID」の欄に要求情報を送信した自転車10の車両IDを記録してカードIDと車両IDとを関連付ける(紐付ける)こと、カード情報の「利用履歴」に利用開始日時を記録することなどである。また、車両情報を更新するとは、車両情報の「車両ステータス」を貸出可から貸出中に変更すること、「貸出中の利用者のカードID」の欄に利用者のICカード100のカードIDを記録することである。
【0138】
サーバ50は、自転車10の位置情報、バッテリ残量情報を記憶し(S505)、リターンコードを「正常」にセットし、応答情報に含める車両ステータスを貸出中に変更し(S506)、車両ステータスが貸出中に対応する動作パラメータを含む応答情報を自転車10へ送信し(S507)、処理を終了する。
【0139】
自転車10が貸出可でない場合(S503でNO)、サーバ50は、リターンコードを「異常」にセットし(S508)、処理を終了する。
【0140】
上述のように、サーバ50は、自転車10から要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれるカードIDの有効期限内であるか、及び他の自転車で貸出済みでないか等の条件を満たす場合、自転車の車両ステータスが貸出中になったと判定する。例えば、車両ステータスが貸出可である自転車10にICカード100を近づけ、ICカード100に記録した情報を読み取ってサーバ50へ送信することにより、当該自転車10の車両ステータスは、貸出可の状態から貸出中の状態に遷移し、利用者は当該自転車10を利用することができる。
【0141】
そして、サーバ50は、自転車10の車両ステータスが貸出中であると判定したので、車両ステータスが貸出中に対応する動作パラメータを当該自転車10へ送信する。これにより、利用者は、ICカード100を自転車10に近づけるだけで自転車10を借りることができるので、自転車10を借りる際の手続きを行うための管理人等が不要であり、駐輪場200を無人化することができ、駐輪場200の運用経費を低く抑えることができる。また、駐輪場設備の簡素化を図ることができる。また、駐輪場の設営が容易であり、設営場所の変更も容易であるので、設営に柔軟性があり、乗り捨て型自転車レンタルサービスに必要な駐輪場の増設を低コストで実現することができる。
【0142】
また、自転車10は、車両ステータス(貸出中)に適した動作パラメータを用いることにより、バッテリ16の電力消費を抑制することができる。
【0143】
図13は本実施の形態の電動アシスト自転車10での返却時の処理手順を示すフローチャートであり、図14は本実施の形態のサーバ50での返却時の処理手順を示すフローチャートである。利用者は、自転車10を返却する場合、駐輪場200内に設けられた自転車用のスペース(例えば、白線などで仕切られた区画)に自転車10を置いて電子錠19を施錠するだけで自転車10の返却を完了することができる。
【0144】
図13に示すように、自転車10は、電子錠19の施錠操作の有無を判定し(S121)、施錠操作がない場合(S121でNO)、ステップS121の処理を続ける。施錠操作があった場合(S121でYES)、自転車10は、ICタグ201を読み取る(S122)。すなわち、自転車10は、利用者による電子錠19の施錠操作をトリガとして、ICタグ201の読取処理を行う。
【0145】
なお、自転車10の使用中に利用者が自転車10を置いて離れる際に、電子錠19が施錠された場合には、ICタグ201が存在しないので、この場合には、ICタグ201の読み取り処理を中止すればよい。
【0146】
自転車10は、サーバ50へ要求情報を送信する(S123)。この場合、要求情報には、車両ID、カードID、タグID、測位データ、バッテリ残存容量データが含まれる。
【0147】
自転車10は、サーバ50から応答情報を受信したか否かを判定し(S124)、応答情報を受信していない場合(S124でNO)、ステップS124の処理を続け、サーバ50からの応答情報を待つ。
【0148】
サーバ50から応答情報を受信した場合(S124でYES)、自転車10は、応答情報に含まれる動作パラメータを記憶部18に記憶することにより、動作パラメータを設定(更新)し(S125)、車両ステータスを貸出中から貸出可に変更し(S126)、処理を終了する。なお、応答情報に含まれる車両ステータスも記憶部18に記憶される。
【0149】
図14に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10から要求情報を受信したか否かを判定し(S521)、要求情報を受信していない場合(S521でNO)、ステップS521の処理を続ける。
【0150】
要求情報を受信した場合(S521でYES)、サーバ50は、要求種別を判定する(S522)。要求種別は、要求情報に含まれるカードID、タグIDにより判定することができ、例えば、要求情報にカードIDが含まれ、タグIDが含まれていない場合には、カードIDに応じて、利用者による自転車10の貸出、作業者による点検・修理の開始、自転車10の移送開始などであり、タグIDも含まれる場合には、利用者による自転車10の返却、作業者による点検・修理の終了、自転車10の移送終了などである。なお、図14の例では、要求種別は、自転車10の返却である。
【0151】
サーバ50は、要求情報に含まれるタグIDにより、駐輪場場所情報を取得する(S523)。駐輪場場所情報は、例えば、タグIDに関連付けられた駐輪場200の名称、所在地などである。すなわち、駐輪場200に設置されたICタグ201には、駐輪場を識別するタグIDが含まれるので、サーバ50は、自転車10がいずれの駐輪場200に返却されたかを判定することができる。
【0152】
サーバ50は、リターンコードを「正常」にセットし、車両ステータスを貸出中から貸出可に変更し(S524)、車両ステータスが貸出可に対応する動作パラメータを含む応答情報を自転車10へ送信し(S525)、処理を終了する。
【0153】
上述のように、自転車10は、駐輪場200に設置されたICタグ201から、駐輪場200を識別するタグIDを読み取る。自転車10は、読み取ったタグIDをサーバ50へ送信する。サーバ50は、タグIDを受信した場合、自転車10の車両ステータスが貸出中から貸出可になったと判定する。例えば、車両ステータスが貸出中の自転車10を、駐輪場又は駐車場に設置されたICタグ201に近づけ、ICタグ201に記録したタグIDを読み取って、サーバ50へ送信することにより、当該自転車10の車両ステータスは、貸出中の状態から貸出可(返却)の状態に遷移し、利用者は当該自転車10を返却することができる。そして、サーバ50は、自転車10の車両ステータスが貸出可であると判定したので、貸出可に関連付けられた動作パラメータを当該自転車10へ送信する。
【0154】
これにより、利用者は、自転車10をICタグ201に近づけるだけで自転車10を返却することができ、駐輪場200にはICタグ201以外の設備を必要としないので、駐輪場設備の簡素化を図ることができる。また、駐輪場の設営が容易であり、設営場所の変更も容易であるので、設営に柔軟性があり、乗り捨て型自転車レンタルサービスに必要な駐輪場の増設を低コストで実現することができる。
【0155】
また、自転車10は、車両ステータスが貸出可である状態に適した動作パラメータを用いることにより、バッテリ16の電力消費を抑制することができる。
【0156】
図15は本実施の形態の電動アシスト自転車10での移送開始時の処理手順を示すフローチャートであり、図16は本実施の形態のサーバ50での移送開始時の処理手順を示すフローチャートである。自転車10の移送は、例えば、自転車10の修理・点検、バッテリ16の交換等のため任意の駐輪場200と所定のメンテナンス作業場との間、自転車10の需給バランスを整えるため複数の駐輪場200間で行われる。
【0157】
自転車10の移送を開始する場合、作業者は、作業用のICカード100を移送対象の自転車10に近づけるだけで、移送開始の処理を完了することができる。
【0158】
図15に示すように、自転車10は、作業用のICカード100のカード読取の有無を判定し(S131)、カードの読取がない場合(S131でNO)、ステップS131の処理を続ける。カードの読取があった場合(S131でYES)、自転車10は、車両ステータスが移送中であるか否かを判定する(S132)。
【0159】
車両ステータスが移送中である場合(S132でYES)、自転車10は、ICタグを読み取る(S133)。車両ステータスが移送中でない場合(S132でNO)、自転車10は、ステップS133の処理を行わずに後述のステップS134の処理を行う。なお、ステップS132の処理を行う理由は、移送開始であるか移送終了であるかを判別するためである。図15の例の処理は移送開始時のものであるので、ステップS133の処理は実施しない。
【0160】
自転車10は、サーバ50へ要求情報を送信する(S134)。この場合、要求情報には、車両ID、カードID、測位データ、バッテリ残存容量データが含まれる。自転車10は、サーバ50から応答情報を受信したか否かを判定し(S135)、応答情報を受信していない場合(S135でNO)、ステップS135の処理を続け、サーバ50からの応答情報を待つ。
【0161】
サーバ50から応答情報を受信した場合(S135でYES)、自転車10は、応答情報に含まれる動作パラメータを記憶部18に記憶することにより、動作パラメータを設定(更新)し(S136)、車両ステータスを移送中に変更する(S137)。なお、応答情報に含まれるカードID、車両ステータスも記憶部18に記憶される。
【0162】
自転車10は、移送中であることを通知すべく表示灯を点灯し(S138)、処理を終了する。なお、表示灯は点滅させることもできる。また、表示灯は、電力消費を抑えるため、LEDなどの低電力消費のものが望ましい。
【0163】
図16に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10から要求情報を受信したか否かを判定し(S531)、要求情報を受信していない場合(S531でNO)、ステップS531の処理を続ける。
【0164】
要求情報を受信した場合(S531でYES)、サーバ50は、要求種別を判定する(S532)。要求種別は、要求情報に含まれるカードID、タグIDにより判定することができ、例えば、要求情報にカードIDが含まれ、タグIDが含まれていない場合には、カードIDに応じて、利用者による自転車10の貸出、作業者による点検・修理の開始、自転車10の移送開始などであり、タグIDも含まれる場合には、利用者による自転車10の返却、作業者による点検・修理の終了、自転車10の移送終了などである。なお、図16の例では、要求種別は、自転車10の移送開始である。
【0165】
サーバ50は、車両情報を更新する(S533)。車両情報の更新は、車両情報の「車両ステータス」を移送中に変更することである。
【0166】
サーバ50は、自転車10の移動履歴(移送開始)を登録し(S534)、リターンコードを「正常」にセットし、応答情報に含める車両ステータスを移送中に変更し(S535)、車両ステータスが移送中に対応する動作パラメータを含む応答情報を自転車10へ送信し(S536)、処理を終了する。
【0167】
図17は本実施の形態の電動アシスト自転車10での移送終了時の処理手順を示すフローチャートであり、図18は本実施の形態のサーバ50での移送終了時の処理手順を示すフローチャートである。
【0168】
自転車10の移送を終了する場合、作業者は、駐輪場200内に設けられた自転車用のスペース(例えば、白線などで仕切られた区画)に移送した自転車10を置くとともに、作業用のICカード100を当該自転車10に近づけるだけで、移送終了の処理を行うことができる。
【0169】
図17に示すように、自転車10は、ICカード100のカード読取の有無を判定し(S151)、カードの読取がない場合(S151でNO)、ステップS151の処理を続ける。カードの読取があった場合(S151でYES)、自転車10は、車両ステータスが移送中であるか否かを判定する(S152)。
【0170】
車両ステータスが移送中である場合(S152でYES)、自転車10は、ICタグを読み取る(S153)。車両ステータスが移送中でない場合(S152でNO)、自転車10は、ステップS153の処理を行わずに後述のステップS154の処理を行う。なお、ステップS152の処理を行う理由は、移送開始であるか移送終了であるかを判別するためである。図17の例の処理は移送中のものであるので、ステップS153の処理が実施される。
【0171】
自転車10は、サーバ50へ要求情報を送信する(S154)。この場合、要求情報には、車両ID、カードID、タグID、測位データ、バッテリ残存容量データが含まれる。自転車10は、サーバ50から応答情報を受信したか否かを判定し(S155)、応答情報を受信していない場合(S155でNO)、ステップS155の処理を続け、サーバ50からの応答情報を待つ。
【0172】
サーバ50から応答情報を受信した場合(S155でYES)、自転車10は、応答情報に含まれる動作パラメータを記憶部18に記憶することにより、動作パラメータを設定(更新)し(S156)、車両ステータスを移送中から貸出可に変更する(S157)。なお、応答情報に含まれる車両ステータスも記憶部18に記憶される。
【0173】
自転車10は、移送終了であることを通知すべく表示灯を消灯し(S158)、処理を終了する。
【0174】
図18に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10から要求情報を受信したか否かを判定し(S551)、要求情報を受信していない場合(S551でNO)、ステップS551の処理を続ける。
【0175】
要求情報を受信した場合(S551でYES)、サーバ50は、要求種別を判定する(S552)。要求種別は、要求情報に含まれるカードID、タグIDにより判定することができ、例えば、要求情報にカードIDが含まれ、タグIDが含まれていない場合には、カードIDに応じて、利用者による自転車10の貸出、作業者による点検・修理の開始、自転車10の移送開始などであり、タグIDも含まれる場合には、利用者による自転車10の返却、作業者による点検・修理の終了、自転車10の移送終了などである。なお、図18の例では、要求種別は、自転車10の移送終了である。
【0176】
サーバ50は、タグIDに基づいて、移動先の駐輪場情報を取得し(S553)、車両情報を更新する(S554)。車両情報の更新は、車両情報の「車両ステータス」を移送中から貸出可に変更することである。
【0177】
サーバ50は、自転車10の移動履歴(移送終了)を登録し(S555)、リターンコードを「正常」にセットし、応答情報に含める車両ステータスを移送中から貸出可に変更し(S556)、車両ステータスが貸出可に対応する動作パラメータを含む応答情報を自転車10へ送信し(S557)、処理を終了する。
【0178】
上述のように、サーバ50は、自転車10から要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれるカードIDが移送用である場合、自転車の車両ステータスが移送中になったと判定する。すなわち、作業者は、作業用のICカード100を自転車10に近づけるだけで、サーバ50は、自転車10の車両ステータスを判定することができ、多数の駐輪場200それぞれに多くの自転車10を用意する場合でも、各自転車10の保守状態を集中管理することができる。
【0179】
また、サーバ50は、自転車10から要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれるカードIDが移送用であり、タグIDも含まれる場合、自転車の車両ステータスが移送終了になったと判定する。例えば、車両ステータスが移送中である自転車10に作業用のICカード100を近づけ、ICカード100に記録した情報を読み取るとともに、移送先の駐輪場200に設置したICタグ201のタグIDも読み取ってサーバ50へ送信することにより、当該自転車10の車両ステータスは、移送中の状態から貸出可の状態に遷移し、利用者は当該自転車10を利用することができる。
【0180】
そして、サーバ50は、自転車10の車両ステータスが移送中又は貸出可に対応する動作パラメータを当該自転車10へ送信する。これにより、自転車10は、車両ステータスが移送中又は貸出可である状態に適した動作パラメータを用いることにより、バッテリ16の電力消費を抑制することができる。
【0181】
また、自転車10は、修理・点検作業を示す保守作業情報(カードID)が記録された作業用のICカード100からカードIDを読み取る。自転車10は、読み取ったカードIDをサーバ50へ送信する。サーバ50は、カードIDを受信した場合、当該自転車10の車両ステータスが貸出否から貸出可になったと判定する。例えば、自転車10の不具合又は定期検査等により保守作業が実施され、保守作業が完了した場合、作業者は、保守作業情報が記録された作業用のICカード100を自転車に近づけ、ICカード100に記録した保守作業情報(カードID)を読み取ってサーバ50へ送信することにより、当該自転車10の車両ステータスは、貸出否の状態から貸出可の状態に遷移し、利用者は当該自転車10を利用することができる。
【0182】
そして、サーバ50は、自転車10の車両ステータスが貸出可であると判定したので、車両ステータスが貸出可に関連付けられた動作パラメータを当該自転車10へ送信する。これにより、保守作業が完了した自転車10に作業用のICカードを近づけるだけで自転車10を利用することができ、自転車10は車両ステータスが貸出可である状態に適した動作パラメータを用いることにより電力消費を抑制することができる。
【0183】
図19は本実施の形態の電動アシスト自転車10でのバッテリ残量管理の処理手順を示すフローチャートであり、図20は本実施の形態のサーバ50でのバッテリ残量管理の処理手順を示すフローチャートである。
【0184】
図19に示すように、自転車10は、タイマーをセットし(S171)、所定時間経過したか否かを判定する(S172)。所定時間は、バッテリ残存容量測定周期である。所定時間経過していない場合(S172でNO)、自転車10は、ステップS172の処理を続ける。
【0185】
所定時間経過した場合(S172でYES)、自転車10は、バッテリ残存容量を測定し(S173)、所定回数のバッテリ残存容量データがあるか否かを判定する(S174)。所定回数は、バッテリデータ送信まとめ回数である。
【0186】
所定回数のバッテリ残存容量データがない場合(S174でNO)、自転車10は、ステップS171以降の処理を続ける。所定回数のバッテリ残存容量データがある場合(S174でYES)、自転車10は、バッテリ残存容量データをサーバ50へ送信し(S175)、処理を終了する。
【0187】
なお、上述の所定時間、所定回数は、図10に示すように、自転車10の車両ステータスに応じて異なる値であり、バッテリ残存容量データは、自転車10の貸出時、返却時、移送時等の要求情報に含まれるものとは別に自転車10がサーバ50へ送信するものである。
【0188】
図20に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10からバッテリ残存容量データを受信したか否かを判定し(S571)、バッテリ残存容量データを受信していない場合(S571でNO)、ステップS571の処理を続ける。
【0189】
バッテリ残存容量データを受信した場合(S571でYES)、サーバ50は、バッテリ残存容量が閾値より小さいか否かを判定し(S572)、バッテリ残存容量が閾値より小さい場合(S572でYES)、車両情報、バッテリ残量情報を更新し(S573)、車両ステータスを貸出否に変更し(S574)、処理を終了する。
【0190】
なお、この場合、サーバ50は、自転車10側では車両ステータスが貸出否ではなく、例えば、貸出可となっている。当該自転車10が貸出することができるか否かは、当該自転車10で利用者のICカード100を読み取ったときにサーバ50で判定し、自転車10で貸出否の表示を行うことで判定することができる。
【0191】
バッテリ残存容量が閾値より小さくない場合(S572でNO)、車両ステータスを貸出可に維持し(S575)、処理を終了する。
【0192】
図20の処理において、サーバ50が、判定した車両ステータスに応じた動作パラメータを自転車10へ送信することもできる。この場合、サーバ50は、自転車10からバッテリ残存容量データを受信し、バッテリ残存容量が所定の閾値(容量閾値)以下である場合、当該自転車10の車両ステータスが貸出否であると判定する。すなわち、サーバ50は、自転車10のバッテリ16の残存容量が所定の閾値以下になった場合、自転車10の車両ステータスが貸出否であると判定したので、車両ステータスが貸出否に関連付けられた動作パラメータを当該自転車10へ送信するので、バッテリ交換が必要な自転車10を貸出否とすることができるとともに、自転車10は車両ステータスが貸出否である状態に適した動作パラメータを用いることができ、電力消費を抑制することができる。
【0193】
自転車10のバッテリ16の交換は、予め充電ステーションなどの設備でバッテリを充電しておき、駐輪場200毎にバッテリ残量低下で貸出否となった自転車の台数を把握し、充電済のバッテリを搭載したトラックで各駐輪場200を巡回してバッテリ交換し、残量低下のバッテリを回収すればよい。
【0194】
図21は本実施の形態の電動アシスト自転車10でのGPS測位管理の処理手順を示すフローチャートであり、図22は本実施の形態のサーバ50でのGPS測位管理の処理手順を示すフローチャートである。
【0195】
図21に示すように、自転車10は、タイマーをセットし(S181)、所定時間経過したか否かを判定する(S182)。所定時間は、GPS測位周期である。所定時間経過していない場合(S182でNO)、自転車10は、ステップS182の処理を続ける。
【0196】
所定時間経過した場合(S182でYES)、自転車10は、GPS測位を行い(S183)、所定回数の測位データがあるか否かを判定する(S184)。所定回数は、GPS測位データ送信まとめ回数である。
【0197】
所定回数の測位データがない場合(S184でNO)、自転車10は、ステップS181以降の処理を続ける。所定回数の測位データがある場合(S184でYES)、自転車10は、測位データをサーバ50へ送信する(S185)。
【0198】
自転車10は、サーバ50から応答情報を受信したか否かを判定し(S186)、応答情報を受信していない場合(S186でNO)、ステップS186の処理を続ける。応答情報を受信した場合(S186でYES)、自転車10は、GPS測位パラメータ(動作パラメータ)を設定し(S187)、処理を終了する。
【0199】
図22に示すように、サーバ50は、電動アシスト自転車(自転車)10からGPS測位データを受信したか否かを判定し(S581)、GPS測位データを受信していない場合(S581でNO)、ステップS581の処理を続ける。
【0200】
GPS測位データを受信した場合(S581でYES)、サーバ50は、測位した位置が所定の誤差範囲(例えば、駐輪場200の座標を基準として半径10m以内、半径50m以内の領域)内であるか否かを判定する(S582)。所定の誤差範囲内である場合(S582でYES)、自転車10は、応答情報に含まれるGPS測位の周期を長くし(S583)、応答情報を電動アシスト自転車(自転車)10へ送信し(S585)、処理を終了する。この場合、GPS測位の周期は、例えば、1800秒程度とすることができ、同時にGPS測位サンプリング回数を1回程度と少なくすることができる。
【0201】
所定の誤差範囲内でない場合(S582でNO)、自転車10は、応答情報に含まれるGPS測位の周期を維持または短くし(S584)、処理を終了する。この場合、GPS測位の周期は、1800秒より短くし、例えば、300秒、60秒などとすることができ、同時にGPS測位サンプリング回数を1回より多く、例えば、3回、5回程度と多くすることができる。また、GPS測位サンプリング周期も0.5秒、1秒などにすることができる。なお、ステップS584でGPS測位周期を短くせずに、GPS測位サンプリング回数を多くすることもできる。
【0202】
また、測位した位置が所定の誤差範囲内にない場合、取得した位置情報の平均を算出し、駐輪場の座標から所定の誤差範囲内に収まるデータ個数を判定し、当該個数をGPS測位サンプリング回数としてもよい。
【0203】
このように、自転車10でのGPS測位データに基づいて、GPS測位の動作パラメータ(GPS測位周期、GPS測位サンプリング回数、GPS測位サンプリング周期)を変更するので、駐輪場毎に最適な測位パラメータを自動的に設定することができる。
【0204】
また、予め駐輪場毎にGPS測位サンプリング回数を駐輪場情報に記録しておき、駐輪場毎に貸出可の自転車10の中から任意の1台又は数台を選択し、選択した自転車10に対してGPS測位の指示を行う。そして、当該自転車10で測位した位置情報に基づいて、当該駐輪場10に存在する自転車10(選択された自転車10以外の自転車10も含む)へ測位パラメータを送信するようにしてもよい。これにより、すべての自転車10でGPS測位を行う必要がないので、選択された自転車10以外の自転車10の電力消費を低減することができ、全体として電力消費を抑制することができる。
【0205】
また、駐輪場200で車両ステータスが貸出可の状態の自転車10から取得した位置情報が、駐輪場200の座標から所定距離(例えば、500m、1kmなど)離れている場合には、自転車10の盗難が発生したものと判定し、サーバ50から当該自転車10へブザーを発呼する指令を送信してもよい。これにより、盗難された自転車10は、ブザー21を発呼するので、盗難されていることを周囲へ報知することができ、防犯対策に資することができる。
【0206】
また、1つの駐輪場200で何人かの利用者がグループを構成している場合、各利用者は同じ行動をとると予想される。そこで、同じグループのうちの任意の1台の自転車10のGPS測位パラメータを、例えば、GPS測位周期を60秒とし、同じグループの他の自転車10のGPS測位パラメータを、例えば、GPS測位周期を600秒とすることにより、他の自転車10のGPS測位周期を長く、位置情報を精度良く取得しつつ、消費電力を抑えることができる。
【0207】
自転車10は、距離計測部22で計測した移動距離に関する移動距離情報をサーバ50へ送信する。サーバ50は、移動距離情報を受信し、当該自転車10の移動距離が所定の距離閾値以上である場合、当該自転車10の点検が必要であるとして、車両ステータスが貸出否であると判定する。そして、サーバ50は、車両ステータスが貸出否に対応する動作パラメータを当該自転車10へ送信する。これにより、保守作業が必要な自転車10を貸出否とすることができるとともに、当該自転車10は、車両ステータスが貸出否である状態に適した動作パラメータを用いて電力消費を抑制することができる。
【0208】
上述の実施の形態では、車両の一例として、電動アシスト自転車について説明したが、車両は電動アシスト自転車に限定されるものではなく、バッテリなどを搭載したものであれば、本実施の形態を適用することができる。
【符号の説明】
【0209】
10 電動アシスト自転車(車両)
11 制御部
12 カード読取部
13 ICタグ読取部
14 GPS受信部(測位部、距離計)
15 通信部
16 バッテリ
17 容量測定部(残存容量測定部)
18 記憶部
19 電子錠
20 表示部
21 ブザー
22 距離計測部(距離計)
23 電動アシスト用モータ(モータ)
24 ビームライト(前照灯)
50 サーバ(車両監視装置)
51 CPU(判定手段、位置判定手段)
52 通信部(送信手段、受信手段)
53 入力部
54 RAM
55 ROM
56 表示部
57 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両と、該車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置とを備える車両監視システムにおいて、
前記車両は、
前記車両監視装置との間で通信を行う通信部を備え、
前記車両監視装置は、
車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶する記憶手段と、
前記通信部が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定する判定手段と、
該判定手段で判定した利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信する送信手段と
を備え、
前記車両は、
前記車両監視装置が送信した設定情報を前記通信部で受信するようにしてあり、
該通信部で受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御する制御手段を備えることを特徴とする車両監視システム。
【請求項2】
前記判定手段は、
車両の利用状況が貸出可、貸出中及び貸出否の少なくとも1つであるかを判定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の車両監視システム。
【請求項3】
前記処理部は、
車両を利用する利用者が携帯するカードを読み取るカード読取部を備え、
該カード読取部で読み取ったカード情報を前記通信部から前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記車両監視装置は、
前記カード情報を受信する受信手段を備え、
前記判定手段は、
前記カード情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出中になったと判定するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の車両監視システム。
【請求項4】
前記車両は、
所定の場所に設置された記録媒体に記録された該場所を識別する場所識別情報を該記録媒体から読み取る読取手段を備え、
前記通信部は、
前記読取手段で読み取った場所識別情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記受信手段は、
前記場所識別情報を受信するようにしてあり、
前記判定手段は、
前記場所識別情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出中から貸出可になったと判定するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の車両監視システム。
【請求項5】
前記カード読取部は、
保守作業を示す保守作業情報が記録されたカードから該保守作業情報を読み取るようにしてあり、
前記通信部は、
前記カード読取部で読み取った保守作業情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記受信手段は、
前記保守作業情報を受信するようにしてあり、
前記判定手段は、
前記保守作業情報を受信した場合、前記車両の利用状況が貸出否から貸出可になったと判定するように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の車両監視システム。
【請求項6】
前記車両は、
距離計を備え、
前記通信部は、
前記距離計で計測した移動距離に関する移動距離情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記受信手段は、
前記移動距離情報を受信するようにしてあり、
前記判定手段は、
前記移動距離が所定の距離閾値以上である場合、前記車両の利用状況が貸出否であると判定するように構成してあることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項7】
前記処理部は、
前記バッテリの残存容量を測定する残存容量測定部を備え、
前記通信部は、
前記残存容量測定部で測定した残存容量に関する残存容量情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記受信手段は、
前記残存容量情報を受信するようにしてあり、
前記判定手段は、
前記残存容量が所定の容量閾値以下である場合、前記車両の利用状況が貸出否であると判定するように構成してあることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項8】
前記送信手段は、
前記残存容量測定部での測定間隔を設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測定間隔を、貸出中である場合の測定間隔よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする請求項7に記載の車両監視システム。
【請求項9】
前記送信手段は、
前記カード読取部での読取周期を設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出中又は貸出否である場合の読取周期を、貸出可である場合の読取周期よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする請求項3乃至請求項8のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項10】
前記処理部は、
GPS機能を有する測位部を備え、
前記送信手段は、
前記測位部での測位間隔を設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否である場合の測位間隔を、貸出中である場合の測位間隔よりも長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項11】
前記通信部は、
前記測位部で複数回測位した位置情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記車両監視装置は、
前記測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段を備え、
前記送信手段は、
前記位置判定手段で判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、前記測位部での測位サンプリング回数を所定回数以下に設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記設定情報に基づいて、前記測位部での測位サンプリング回数を所定回数以下にすべく制御するように構成してあることを特徴とする請求項10に記載の車両監視システム。
【請求項12】
前記通信部は、
前記測位部で複数回測位した位置情報を前記車両監視装置へ送信するようにしてあり、
前記車両監視装置は、
前記測位部で複数回測位した位置が所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する位置判定手段を備え、
前記送信手段は、
前記位置判定手段で判定した位置が所定の誤差範囲内にある場合、前記測位部での測位サンプリング周期を長くすべく設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記設定情報に基づいて、前記測位部での測位サンプリング周期を長くすべく制御するように構成してあることを特徴とする請求項10に記載の車両監視システム。
【請求項13】
前記処理部は、
前記車両に設けられたモータを備え、
前記送信手段は、
前記車両が貸出可の状態で置かれる所定の場所に関連付けて該車両のモータの駆動力の大小を設定した設定情報を送信するようにしてあり、
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出中になった場合、前記設定情報で設定された駆動力で前記モータを動作させるように構成してあることを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項14】
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後に前記バッテリから前記モータへの給電を遮断するように構成してあることを特徴とする請求項13に記載の車両監視システム。
【請求項15】
前記処理部は、
前照灯を備え、
前記制御手段は、
前記車両の利用状況が貸出可又は貸出否になった時点から所定時間経過後に前記バッテリから前記前照灯への給電を遮断するように構成してあることを特徴とする請求項2乃至請求項14のいずれか1項に記載の車両監視システム。
【請求項16】
バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置において、
車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶する記憶手段と、
車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定する判定手段と、
該判定手段で判定した利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする車両監視装置。
【請求項17】
コンピュータに、バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両の貸出を行うべく利用状況を監視させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定するステップと、
判定した利用状況に基づいて前記車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を決定するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両において、
車両の利用状況に関連する情報を外部の車両監視装置へ送信する送信部と、
前記車両監視装置から前記処理部の処理条件を設定するための設定情報を受信する受信部と、
該受信部で受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする車両。
【請求項19】
バッテリ及び該バッテリにより給電されて所要の処理を行う処理部を有する車両と、該車両の貸出を行うべく利用状況を監視するための車両監視装置とを備える車両監視システムによる車両監視方法において、
前記車両監視装置は、
車両の利用状況に関連付けて該車両の処理部の処理条件を設定するための設定情報を記憶しておき、
車両が送信した情報に基づいて該車両の利用状況を判定するステップと、
判定された利用状況に応じた設定情報を前記車両へ送信するステップと
を含み、
前記車両は、
前記車両監視装置が送信した設定情報を受信するステップと、
受信した設定情報を用いて前記処理部の処理を制御するステップと
を含むことを特徴とする車両監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−25589(P2013−25589A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160257(P2011−160257)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(596066013)三洋ITソリューションズ株式会社 (7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】