説明

車両運搬車

【課題】周囲に対して作業中であることを促しながらも、周囲への環境負荷を低減することができる車両運搬車を提供する。
【解決手段】アクチュエータ31によって移動する荷台6が車体1に積載された車両運搬車Aにおいて、電力を蓄えるバッテリ(作業用バッテリ21)を備え、バッテリに蓄えられた電力によってアクチュエータ31が動作して荷台6が移動するとともに、荷台6が移動中であることを報知する報知手段(警報出力部10)が、荷台6の前端側に設けられた鳥居12に、荷台6の周囲に報知するように配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を積載可能な荷台が車体に対して移動可能に設けられた車両運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、油圧駆動により、荷台を後方に移動させた後、後部入口が地面に接地するまで全体を傾斜させ、後部入口より荷台の鳥居に接する直前の位置まで車両を進入させ、最後に、車輪止めにより固定して車両の搭載を行う車両運搬車の荷台の構造において、荷台の鳥居から所定距離の位置まで車両前端部が近づくと、該車両を感知する車両感知手段と、該車両感知手段による感知に基づき警告を発する警告手段と、を含むものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−266968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような車両運搬車においては、作業用の各アクチュエータを作動するための駆動源がPTO(パワー・テイク・オフ)によってエンジンに接続されている。そのため、作業中にはエンジンを駆動する必要があり、例えば深夜に作業を行う場合などに、エンジンによる騒音などの周囲への環境負荷が問題となっていた。
特に、警報出力部から出力される警報音によって周囲に作業中であることを報知する場合には、エンジンの駆動音よりも大きな警報音を出力しなければならない。しかも、こうした車両運搬車においては、一般的に警報出力部が車体に固定されている。そのため、荷台が張り出したときにもっとも注意を促さなければならない荷台の後端部まで確実に警報音が聞こえるようにするためには、どうしても大音量で警報音を出力しなければならない。
このように、安全を確保するための配慮によって、かえって周囲への環境負荷が大きくなってしまうといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、周囲に対して作業中であることを促しながらも、周囲への環境負荷を低減することができる車両運搬車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、アクチュエータによって移動する荷台が車体に積載された車両運搬車において、電力を蓄えるバッテリを備え、前記バッテリに蓄えられた電力によって前記アクチュエータが動作して荷台が移動するとともに、前記荷台が移動中であることを報知する報知手段が、前記荷台の前端側に設けられた鳥居に、荷台の周囲に報知するように配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記車両運搬車は、エンジンを備え、前記報知手段は、前記エンジンの駆動音より小さい音量による警報音によって報知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッテリに蓄えられた電力でアクチュエータを作動するので、エンジンを停止して作業を行うことが可能となり、特にエンジンの駆動によってもたらされる作業中の騒音が低減されて周囲への環境負荷を低減することができる。さらに、鳥居に報知手段が設けられることによって、荷台の前方側、後方側のどちら側に作業者がいる場合でも作業者にしっかりと報知音が届くようになっている。また、エンジンの駆動音より小さい音量による警報音によって報知することができるため、例えばエンジンが停止している場合に、周囲への環境負荷をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る車両運搬車を示す図であり、(a)は左側方から見た図、(b)は上方から見た図、(c)は後方から見た図である。
【図2】荷台の格納状態を示す図である。
【図3】荷台の移動過程を示す図である。
【図4】荷台の最大張り出し状態を示す図である。
【図5】鳥居における警報出力部の取り付け部分の拡大図であり、(a)は上方から見た図、(b)は後方から見た図、(c)は(a)におけるc−c断面図である。
【図6】作業系の構成を示す図である。
【図7】作業中であることを報知する制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜図7を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は車両運搬車を左側方から見た側面図、図1(b)は車両運搬車を上方から見た俯瞰図、図1(c)は車両運搬車を後方から見た図である。
図1に示すように、本実施形態の車両運搬車Aは、車体1に前輪2および後輪3が支持されており、車両の前方側には運転席を有するキャビン4が設けられている。このキャビン4の車両後方側では、車両の前後方向に延設する左右一対の傾斜フレーム5,5が車体1に支持されており、この傾斜フレーム5,5に対して荷台6がスライド自在に懸架されている。
【0011】
この荷台6は、図2〜図4に示すように、車両の前後方向に移動可能に設けられており、後述する直動油圧シリンダ31(図6参照)によってスライドするようになっている。図2に示す格納状態では、直動油圧シリンダ31が最収縮状態となっており、このとき、傾斜フレーム5および荷台6は車体1に対して平行となっている。この状態から直動油圧シリンダ31が伸長すると、荷台6が傾斜フレーム5に対して後方にスライドするとともに、このスライドする過程において傾斜フレーム5を図3に示すように傾斜させる。この状態からさらに直動油圧シリンダ31が伸長すると、荷台6は、路面に対する傾斜角度を徐々に小さくしながら車両の後方に移動して図4に示す張り出し状態となる。
【0012】
なお、図1(b)に示すように、荷台6の前端近傍には、自走不能となった車両を荷台6に積載したり、あるいは荷台6から積み降ろししたりするためのウインチ装置7が架装されている。
また、図1(a)および図1(c)に示すように、荷台6の後端には、車両を自走によって積載または積み降ろしする際に、路面と荷台6との段差を解消する道板8が設けられている。この道板8は、通常、図示のように荷台6に対して略90度屈曲した格納状態に維持されているが、車両を積載したり積み降ろししたりする際には、先端が路面に接触する張り出し状態へと動作するようになっている。
【0013】
そして、道板8の略中央には、当該道板8が格納状態にあるときに車両後方から視認可能なように、複数の表示灯9が設けられている。この表示灯9は、荷台6の移動中に点灯させることにより、車両の後方を主とする周囲に対して、作業中であることを報知して注意を促すものである。なお、表示灯9は、車両の後方に対して視覚的に注意を促すことができればよいので、例えば、LEDなどの照明装置によって、文字を点灯表示させるようにしても構わない。また、荷台6の前端には、夜間作業時などに周囲を照らすための作業灯11が設けられている。
【0014】
また、この車両運搬車Aにおいては、スピーカ10aによって構成される報知手段としての警報出力部10から警報音を出力することによって、周囲に作業中であることを報知して注意を促すように構成されている。この警報出力部10は、荷台6の前端側に設けられた鳥居12に、荷台6の周囲に警報音を報知するように配置されており、荷台6と一体となって移動するものである。
【0015】
鳥居12は、荷台6の前端側の左右両端から上方に向かって突設される縦支柱13L,13Rと、これら縦支柱13L,13Rの上端同士を繋ぐように荷台6の幅方向に設けられる横支柱14と、を備えて構成されている。ここで、実施例における警報出力部10は、鳥居12を構成している横支柱14に固定されるものである。図5に警報出力部10が取り付けられた鳥居12を示す。図5は、鳥居12における横支柱14の左側部分を示す図であり、(a)、(b)及び(c)は、それぞれ平面図、背面図及び断面図となっている。横支柱14は、前後方向に対して左右方向(車体幅方向)に延びる上面部14aと、この上面部14aの前端縁及び後端縁から下方に向かって連続して延設される前側面部14b及び後側面部14cと、これら前側面部14b及び後側面部14cのそれぞれの下端縁から内側に向かって連続して延設される前底面部14d及び後底面部14eとによって、底面側に開口14f(前底面部と後底面部との間隙)を備える中空構造となっている。
【0016】
警報出力部10は、横支柱14の左端側において上面部14aにボルト等の締結部材15によって固定されることにより、横支柱14の内側空間内に配置される。なお、警報出力部10には、後述する警報出力装置22からの信号が、鳥居12の内側に配置される配線16によって入力される。このように、警報出力部10は、鳥居12の内側空間内に配置されることにより、雨風にさらされ難くなり、故障等の原因を減少させることができる。また、図示例では、警報出力部10のスピーカ10aが下方を向いて開口14fに臨むように配置されるものであり、警報音が横支柱14の開口14fから周囲に向かって放出されるようになっている。なお、実施例では、アクチュエータ31の駆動源である電動モータMが、車体左側に設けられているものであり、警報出力部10と電動モータMとが同じ車体左側に設けられている。ここで、例えば、電動モータMが車体右側に、警報出力部10が車体左側に配置されている場合、車体左側では電動モータMよりも警報出力部10の位置が近くなるため警報音が聞き取りやすく、車体右側では警報出力部10よりも電動モータMの位置が近くなり、電動モータMの駆動音によって警報音が聞き取りにくくなる虞がある。しかしながら、実施例のように、電動モータM及び警報出力部10が車体の同じ側に配置されることにより、作業者が電動モータM配置側にいたとしても、警報音が聞き取りやすくなる。また、電動モータMの駆動音は、電動モータM配置側以外には聞こえ難いため、作業者が電動モータMの配置側以外にいたとしても警報音は聞き取りやすい。
【0017】
次に、図6を用いて、車両運搬車Aの作業系の構成について説明する。
車体1には、車両運搬車Aが走行するための駆動源であるエンジンEが設けられている。このエンジンEの出力軸には、本発明の発電手段となるオルタネータ20が接続されており、オルタネータ20によって発電した電力が、車両用バッテリ24に蓄えられるとともに、この車両用バッテリ24に接続されたバッテリチャージャ25によって作業用バッテリ21にも蓄えられるようになっている。
この作業用バッテリ21に蓄えられた電力は、作業系のアクチュエータの駆動源である電動モータM、作業灯11、警報出力部10から警報音を出力する警報出力装置22および表示灯9に供給される。
そして、上記した電動モータM、作業灯11、警報出力装置22および表示灯9を制御するのがコントローラCである。このコントローラCは、リモートコントローラRとの間で無線通信によって操作信号の送受信が可能となっており、リモートコントローラRから入力した操作信号に応じて、電動モータM、作業灯11、警報出力装置22および表示灯9を制御することとなる。
【0018】
このコントローラCによって駆動を制御される電動モータMには、油圧ポンプPが直結しており、電動モータMが駆動すると、油圧ポンプPからメイン通路30に作動油が吐出される。メイン通路30には、直動油圧シリンダ31への作動油の給排を制御するコントロールバルブCVa、道板用シリンダ32への作動油の給排を制御するコントロールバルブCVb、およびウインチ用モータ33への作動油の給排を制御するコントロールバルブCVcが接続されている。直動油圧シリンダ31は、上記したとおり荷台6を移動させるアクチュエータであり、道板用シリンダ32は、上記した道板8を格納状態または張り出し状態に作動するアクチュエータであり、ウインチ用モータ33は、ウインチ装置7のウインチドラムを回動するアクチュエータである。各コントロールバルブCVa〜CVcが中立位置にある場合には、油圧ポンプPから吐出された作動油がタンクTに還流される。一方、いずれかのコントロールバルブCVa〜CVcを中立位置から切り換えると、所望のアクチュエータに作動油が供給されて各アクチュエータが作動することとなる。
【0019】
上記各コントロールバルブCVa〜CVcには、それぞれ電磁ソレノイド35a〜35cが設けられており、上記したコントローラCが各電磁ソレノイド35a〜35cを通電することによって切り換え制御がなされることとなる。ただし、上記各コントロールバルブCVa〜CVcには、それぞれ操作レバー34a〜34cが直結しており、操作レバー34a〜34cを操作することによっても、各コントロールバルブCVa〜CVcが切り換え可能となっている。
なお、図中符号40は、エンジンの駆動状態を検出するエンジン駆動検出センサである。このエンジン駆動検出センサ40は従来周知の構成であり、エンジンが駆動中であるか停止中であるかを検出可能なものであればよい。
また、図中符号41は、直動油圧シリンダ31を制御するコントロールバルブCVaの位置を検出する位置検出センサである。この位置検出センサ41も、コントロールバルブCVaが中立位置にあるか否かを検出可能であれば、その構成は特にどのようなものであっても構わない。
【0020】
次に、図7を用いて、作業中であることを報知する際のコントローラCの制御(音量調整手段)について説明する。この処理は、リモートコントローラRからコントロールバルブCVaを切り換える切り換え操作信号が入力した場合、および、コントロールバルブCVaが中立位置からいずれかの位置に切り換わる信号がコントローラCに入力した場合に開始される。
【0021】
(ステップS11)
まず、コントローラCは、表示装置23を制御して表示灯9を点灯させる。
【0022】
(ステップS12)
次に、コントローラCは、エンジン駆動検出センサ40からの入力信号に基づき、エンジンEが駆動中であるかを判断する。その結果、エンジンEが駆動中であると判断した場合にはステップS14に処理を移し、エンジンEの駆動が停止中であると判断した場合にはステップS13に処理を移す。
【0023】
(ステップS13)
上記ステップS12において、エンジンEの駆動が停止中であると判断した場合には、コントローラCは、警報出力装置22を制御して、エンジンEの駆動によって発生する音(以下「エンジン音」という)より小さい音量であって、車体周囲の作業者に対して十分に注意喚起を行える程度の音量(第1の音量)の警報音を警報出力部10から出力させる。この場合、仮にエンジンEを駆動させながら第1の音量の警報音を出力させると、警報音よりエンジン音が勝ることになる。そのため、車体周囲の作業者は、警報音に全く気が付かないか、殆ど気が付かない程度であり、少なくとも十分な注意喚起を行えないものである。
【0024】
(ステップS14)
一方、上記ステップS12において、エンジンEが駆動中であると判断した場合には、コントローラCは、警報出力装置22を制御して、エンジンEの駆動が停止しているときよりも大きな音量であって、エンジンEが駆動していても車体周囲の作業者に対して十分に注意喚起を行える程度の音量(第2の音量)の警報音を警報出力部10から出力させる。この場合の第2音量は、エンジン音より大きな音量である必要はなく、車体周囲の作業者に対して十分に注意喚起を行える音量であれば構わない。もちろん、エンジン音より大きな音量であっても構わない。
【0025】
(ステップS15)
次に、コントローラCは、コントロールバルブCVaが中立位置に復帰したか否かを判断するとともに、コントロールバルブCVaが中立位置に復帰するまで、ステップS12〜ステップS15の処理を繰り返して実行する。なお、コントロールバルブCVaが中立位置に復帰したか否かは、位置検出センサ41から入力する検出信号、またはリモートコントローラRからの操作停止信号に基づいて判断すればよい。
【0026】
(ステップS16)
上記ステップS15において、コントロールバルブCVaが中立位置に復帰したと判断した場合には、コントローラCは、警報出力装置22を制御して、警報出力部10からの警報音の出力を停止させる。
【0027】
(ステップS17)
次に、コントローラCは、表示装置23を制御して表示灯9を消灯させる。
【0028】
上記のコントローラCの制御によれば、エンジンEの駆動を停止させて作業を行っている場合には周囲の騒音とならない程度の第1の音量で警報音が出力され、作業中にエンジンEが駆動したままとなっている場合には、第1の音量よりも大音量である第2の音量による警報音が出力されることとなる。したがって、エンジンEの駆動を停止させた静かな状況においては、そのような環境負荷が小さい状態を維持することができる。また、極めて短時間の作業を行う場合などに、エンジンEを駆動したまま作業を行う場合であっても、作業中であることを周囲に確実に知らしめることが可能となる。
【0029】
また、作業用バッテリ21には、車両運搬車Aの走行中に充電することが可能であるが、作業が長時間に及ぶような場合には、作業中にバッテリ切れを起こす可能性もある。このように、作業用バッテリ21がバッテリ切れを起こした場合に備えて、エンジンEにPTOを介してサブポンプを接続するとともに、このサブポンプをメイン通路30に接続しておけば、作業用バッテリ21がバッテリ切れを起こした場合にも作業を行うことが可能となる。このように、電動モータMのみならず、状況に応じてエンジンEによっても作業系のアクチュエータを作動することができるようにした場合には、エンジンEを駆動したまま作業が行われる可能性が高くなる。したがって、エンジンEによっても作業系のアクチュエータを作動できるようにした場合には、上記のように、エンジンEの駆動状況に応じて出力される音量が調整されるようにすることが望ましい。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0031】
例えば、上記実施形態においては、コントロールバルブCVaの切り換えを検出して、荷台6が移動中であるか否かを判断することとしたが、荷台6が移動中であるか否かを判断する要素はこれに限らない。例えば、直動油圧シリンダ31の移動を検出したり、直動油圧シリンダ31とコントロールバルブCVaとの間の油圧を検出したりすることで、荷台6が移動中であるかを判断するようにしても構わない。
【0032】
また、上記実施形態においては、作業用バッテリ21の電力によって電動モータMを駆動し、この電動モータMによって油圧ポンプPを駆動して作業系のアクチュエータを作動することとしたが、作業系のアクチュエータを作動する構成はこれに限らない。例えば、荷台6を移動する作業系のアクチュエータとして電動シリンダを設け、作業用バッテリ21の電力によって電動シリンダを直接作動するようにしても構わない。いずれにしても、荷台6を作動するアクチュエータが、作業用バッテリ21の電力によって作動するものであればよい。
【0033】
また、上記実施形態においては、警報出力部10からの警報音の出力と表示灯9の点灯との双方によって作業中であることを報知する構成としたが、これらは必ずしも同時に行う必要はなく、いずれか一方によって報知することとしてもよい。また、例えば、警報出力装置22からの信号が配線17aによって鳥居の左右に設けられたウインカランプ17L,17Rにも入力されるようにし、警報出力部10からの警報音が出力されている期間中に、これに連動してウインカランプ17L,17Rが点滅するように構成しても構わない。
【0034】
また、警報出力部と電動モータとが車体の同じ側に設けられている例を示したが、これに限定されない。例えば、警報出力部が車体右側に、電動モータが車体左側にそれぞれ配置されていても、車体周囲において作業者に対して十分に注意喚起を行えるものであれば構わない。なお、警報出力部、電動モータが、左右方向に偏って設けられる構成を例示しているが、警報出力部及び電動モータのいずれもが横支柱の略中央に設けられるように構成しても構わない。
【0035】
また、エンジンの出力軸に発電手段(オルタネータ)が接続されており、この発電手段によって発電された電力が、バッテリに蓄えられる例を示したが、これに限定されない。車両運搬車は、アクチュエータが動作可能な電力を蓄えられるバッテリを備えていればよく、このバッテリは、例えば、家庭用電源等の外部電源によって充電されるものであっても構わない。
【0036】
また、車両運搬車が走行するための駆動源としてエンジンを備えている例を示したが、これに限定されない。例えば、車両運搬車は、走行用モータを備えるとともに、この走行用モータに電力を供給するための走行用バッテリを備える構成であっても構わない。なお、この場合には、走行用バッテリによって荷台移動用のアクチュエータに電力を供給する構成としても構わないし、アクチュエータに電力を供給するためのバッテリを走行用バッテリとは別に備える構成であても構わない。
【符号の説明】
【0037】
1 車体
6 荷台
10 警報出力部
12 鳥居
21 作業用バッテリ
22 警報出力装置
A 車両運搬車
E エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータによって移動する荷台が車体に積載された車両運搬車において、
電力を蓄えるバッテリを備え、
前記バッテリに蓄えられた電力によって前記アクチュエータが動作して荷台が移動するとともに、
前記荷台が移動中であることを報知する報知手段が、前記荷台の前端側に設けられた鳥居に、荷台の周囲に報知するように配置されていることを特徴とする車両運搬車。
【請求項2】
前記車両運搬車は、エンジンを備え、
前記報知手段は、前記エンジンの駆動音より小さい音量による警報音によって報知を行うことを特徴とする請求項1記載の車両運搬車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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