説明

車両運転支援方法

本発明は、走路(1)上における車両の制動試験の際、車両(11)の運転を支援する方法であって、走路は、走路中において全体として長さ方向に延びる複数本の隣り合うストリップ(Zl,・・・,Zn)に分割され、各ストリップの幅(Iz)は、車両のタイヤ(3,5,7,9)の幅以上であり、各ストリップは、ストリップ上における車両の各制動時に摩耗するようになっている支援方法に関する。この支援方法は、走路上の複数本のストリップの中から少なくとも1本のストリップを選択するステップと、車両の理論的軌道(21)を求めるステップとを有し、その結果、理論的軌道を辿った場合、選択されたストリップ上で車両にブレーキが掛かることができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走路上における車両の運転を支援する方法に関する。
【0002】
本発明の方法は、特に乗用車、モータバイク又は重量物運搬車両に取り付けられたタイヤの性能特性の評価に利用される。
【背景技術】
【0003】
数年後には、タイヤの性能特性を標識付けすることが義務付けられることになっている。この結果、顧客は、異なる製造業者により製造されたタイヤの品質を比較することが容易になる。
【0004】
3種類の性能特性が表示される場合がある。これら性能特性は、濡れた路面上におけるグリップ、転がり抵抗(これは、車両の燃料消費量を条件付ける)及び転動時における騒音放出レベルに関する。転がり抵抗及び濡れた路面上におけるグリップに関し、AからGまでの点数を表示することが計画されており、Aは、タイヤの高い性能レベルに対応し、Gは、タイヤの低い性能レベルに対応している。また、放出される騒音に関し、騒音が例えば70デシベル以下の場合、スピーカ及び1又は2以上の波面でタイヤを表す記号によってタイヤの性能について言及することが計画されている。
【0005】
各タイヤは、タイヤの形式に属し、同一形式のタイヤは、同一の性能レベルを有する。タイヤの各タイプは、タイヤのサイドウォール上に存在する特定の関連マークを有する(例えば、DOT(運輸省)のマーク)。同一形式のタイヤは、同一のマークを有する。
【0006】
一形式のタイヤの性能レベルを決定するため、試験用走路上で試験を実施することが可能である。
【0007】
試験、例えば制動試験の手順は、次の通りであり、即ち、乗用車に同一形式の4本のタイヤを取り付け、運転手は、この車両を或る特定の速度で走路上を走行させ、運転手がブレーキを掛け(制動を行い)、そして2つの速度しきい値相互間、例えば80km/h〜20km/hにおいて車両の走行した距離を測定する。この測定した距離を基準距離と比較する。この基準距離は、4本の基準(コントロール)タイヤ、例えば4本のSRTT(standard reference test tyre:標準基準試験用タイヤ)タイヤを備えた車両の制動距離に一致している。かくして、比較結果に基づいて、試験したタイヤのグリップ性能を求めることが可能である。次に、A〜Gの点数をそのグリップ性能に基づいてタイヤに割り当てる。
【0008】
一般に、制動距離を測定する手段は、走路の定められた部分上に存在する。この走路部分は、走路の幅の中に配列された複数本の隣り合うストリップに分割可能である。各ストリップは、50メートル台の長さ及び30cm台の幅を有する場合がある。注目されるように、ストリップは、必ずしも、走路上に物理的に画定されているわけではない。事実、隣り合うストリップへの走路のこの分割は、全く理論的であり、例えばソフトウェア手段形式の処理手段によって実施可能である。
【0009】
試験中、各タイヤは、ストリップ上でブレーキが掛かる。一般に、制動は、直線的であり、左フロントタイヤ及び左リヤタイヤは、同一ストリップ上でブレーキが掛かる。同様に、右フロントタイヤ及び右リヤタイヤは、同一ストリップ上でブレーキが掛かる。
【0010】
制動によって、タイヤは、走路のストリップのコーティングを摩耗させる。これにより、最終的に、これらストリップ上におけるタイヤのグリップが変化する場合がある。
【0011】
この場合、ストリップ上におけるタイヤのグリップは、接線方向力(即ち、ストリップに平行に且つ車両の変位軸線に対してタイヤによって及ぼされる力)とタイヤに加えられる荷重(即ち、ストリップに対して垂直に垂直軸線に及ぼされる力)の比に対応している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
多数回の試験を走路上で実施することがある。このため、車両が常に同一の所定の軌道上を走行する場合、摩耗するのは、常に走路の同一ストリップである。最終的に、同一形式のタイヤに関し、制動試験が何回も実施された摩耗ストリップと摩耗度の少ないストリップとではグリップに大きな差が生じる場合がある。このため、制動領域(摩耗したストリップに対する制動又は摩耗度の小さいストリップに対する制動)に関し、制動距離の評価に差が生じる場合がある。
【0013】
したがって、タイヤの性能特性の評価に対する走路の摩耗の影響を制限するために車両の運転を支援する方法を提案することが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、走路上における車両の制動試験の際、車両の運転を支援する方法に関し、走路は、走路中において全体として長さ方向に延びる複数本の隣り合うストリップに分割され、各ストリップの幅は、車両のタイヤの幅以上であり、各ストリップは、ストリップ上における車両の各制動時に摩耗する。この支援方法は、走路の複数本のストリップの中から少なくとも1本のストリップを選択するステップと、車両の理論的軌道を求めるステップとを有し、その結果、理論的軌道を辿ることによって、選択されたストリップ上で車両にブレーキが掛かることができるようになっている。
【0015】
最初の制動試験に関し、理論的な最初の軌道を決定することが可能である。走路の1本又は2本以上の第1のストリップは、車両の制動によって摩耗を生じる。
【0016】
2回目の制動試験に関し、第1の理論的軌道とは異なる第2の理論的軌道を決定することが可能である。この場合、走路の1本又は2本以上の第2のストリップは、車両の制動によって摩耗を生じる。
【0017】
かくして、走路の摩耗が制御される。すると、タイヤの性能特性が向上する。
【0018】
第1の試験カテゴリに関し、車両は、モータサイクルであり、選択されたストリップは、軌道の複数本のストリップのうちで摩耗度が最も小さいストリップである。
【0019】
第2の試験カテゴリに関し、車両は、乗用車であり、選択ステップに先立って、対をなすストリップを定めて同じ対のストリップに属する2本のストリップを車両の同一アクスルの2本のタイヤ相互間の距離に一致する距離だけ互いに間隔をおいて配置する。ストリップの各対に関し、対に属するストリップの摩耗度の平均に一致するストリップ対の摩耗度をストリップの各対に関して求め、選択ステップにおいて、複数の対をなすストリップのうちで摩耗度が最も小さいストリップの対を選択する。
【0020】
好ましくは、支援方法は、車両の運転手の辿るべき理論的軌道を指示するステップを有する。
【0021】
好ましくは、支援方法は、実際に車両の辿る軌道を理論的軌道と比較して制動試験の妥当性を実証するステップを有する。
【0022】
試験の妥当性又は非妥当性の判定が自動化される。先行技術においては、この妥当性は、運転手の主観によって判定されており、それにより、解釈の誤差が生じる。かくして、妥当性検査結果が運転手によって無効であると見なされる場合があり、これとは逆に、非妥当性検査結果が運転手によって有効であると見なされる場合がある。本発明は、制動試験の妥当性判定を堅実なものにし、それによりタイヤの性能特性の評価が向上する。
【0023】
本発明のもう1つの要旨は、走路上における制動試験の際、自動車の運転を支援する装置に関する。
【0024】
本発明のもう1つの要旨は、走路上における制動試験の際、自動車の運転を支援するコンピュータプログラムに関する。
【0025】
本発明は又、車両に対する制動試験が実施される走路の状態の管理のための車両の運転を支援する方法の使用に関する。
【0026】
本発明の他の特徴及び他の利点は、非限定的な例として添付の図面を参照して行われる以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】制動試験が実施される走路の部分略図である。
【図2】図1の走路上における車両の運転を支援する方法のステップのフローチャートである。
【図3】図2の支援方法を実施するための車両の運転を支援する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明において、実質的に同一又は類似の要素は、同一の参照符号で示される。
【0029】
図1は、制動試験が車両11に対して実施される走路1の一例の部分略図である。車両11は、乗用車であっても良く、重量物運搬車両であっても良く、モータサイクルであっても良く、或いは分析用車両、即ち、試験機器を有するトレーラを備えた乗用車又は重量物運搬車両であっても良い。
【0030】
この場合、車両11のタイヤ3,5,7,9は、同一形式のタイヤに属する。同一形式のタイヤは、同一の性能特性を有する。タイヤの各形式は、タイヤのサイドウォール上に存在する特定の関連マークを有する(例えば、DOT(運輸省)のマーク)。かくして、同一形式のタイヤは、同一のマークを有する。
【0031】
変形実施形態では、車両のフロントに位置するタイヤが第1の形式のタイヤに属し、車両のリヤに位置するタイヤが第1の形式のタイヤとは異なる第2の形式のタイヤに属するということが可能である。
【0032】
別の変形実施形態では、車両は、4つの互いに異なる形式のタイヤに属するタイヤを有しても良い。
【0033】
走路1は、車両1がスピードを上げることができる加速部分13を有する。走路1は、車両にブレーキが掛かる試験部分15を更に有する。最終的に、走路1は、車両11が新たな制動試験を実施するために加速部分13及び試験部分15上に戻ることができるようにする戻し部分17を有する。
【0034】
試験部分15は、定められたコーティング、即ち、定められたマクロテキスチャ及び定められたミクロテキスチャを備えたコーティングを有する。例えば、滑らかなマクロテキスチャ及び滑らかなミクロテキスチャを備えた研磨コンクリート形式のコーティング又は滑らかなマクロテキスチャ及び粗いミクロテキスチャを備えたサンドマット形式のコーティング或いは粗いマクロテキスチャ及び多少粗いミクロテキスチャを備えたBBTM(極めて薄い歴青コンクリート)コーティングを用いることが可能である。用いられるコーティングの形式に応じて、或る特定の制動条件、例えば濡れた路面上における制動条件を再び作ることが可能である。
【0035】
図1は、単一の試験部分15を示している。明らかなこととして、走路1は、多くの試験部分を有するのが良く、これら試験部分の各々は、異なるコーティングを有することができる。数種類の形式のコーティングに対するタイヤ3,5,7,9の性能特性を試験することが可能である。
【0036】
試験部分15は、複数本の隣り合うストリップZ1,Z2,・・・,Zi,・・・,Zj,・・・,Znを有し、この場合、1≦i<j≦nであり、nは、任意の整数である。ストリップという用語は、全体として長方形の形をした転動領域を意味しているものと理解されるべきである。
【0037】
隣り合うストリップは、全体として、走路中で長さ方向に延び、各ストリップの幅は、車両のタイヤの幅以上である。一例を挙げると、各ストリップの長さLzは、50メートル台であり、各ストリップの幅lzは、約30cmである。明らかなこととして、ストリップの幅を試験されるタイヤの幅に最も良く適合させることが可能である。
【0038】
制動試験の際、車両は、軌道19を辿り、走路の或る特定のストリップ上を走行する。図1に示された例では、車両は、第1のストリップZi及び第2のストリップZj上を走行する。
【0039】
車両1は、これが試験部分15内にある場合、ブレーキが掛かる(制動が行われる)ようになっている。一般に、車両1の制動は、直線的であり、左フロントタイヤ3及び左リヤタイヤ5は、同一ストリップ、この場合第1のストリップZi上でブレーキが掛かる。同様に、右フロントタイヤ7及び右リヤタイヤ9は、同一の第2のストリップ、この場合、第2のストリップZj上でブレーキが掛かる。
【0040】
制動中、タイヤ3,5,7,9は、摩擦によりストリップZi、Zjを摩耗させる。例えば、試験部分15のコーティングがストリップの表面上を通過する石を含む場合、車両1の制動の結果として、これら石の研磨が生じる。すると、ストリップZi,Zjは、滑らかになり、これにより新たな制動試験において車両1のタイヤとストリップZi,Zjとの間のグリップが減少する。
【0041】
この場合、ストリップ上におけるタイヤのグリップは、接線方向力(即ち、ストリップに平行に且つ車両の変位軸線に対してタイヤによって及ぼされる力)とタイヤに加えられる荷重(即ち、ストリップに対して垂直に垂直軸線に及ぼされる力)の比に対応している。
【0042】
図2は、乗用車の運転を支援する方法のステップのフローチャートである。
【0043】
支援方法は、走路の各ストリップZ1,Z2,・・・,Zi,・・・,Zj,・・・,Znについて摩耗度を求め又は決定するステップS0を有する。この決定ステップS0は、同一ストリップの互いに異なる箇所におけるグリップ値を測定するサブステップS0′及び適切に測定されたグリップ値を統計学的に処理するサブステップS0″を含む。
【0044】
グリップ値を測定するサブステップS0′は、この場合、グリップ測定機器、例えば、「グリップテスター(Griptester)」型の機器を用いて実施され、サブステップS0″では、同一ストリップの互いに異なる箇所のグリップ値の平均値を算出する。この適切に計算された平均値は、ストリップの摩耗度に対応している。かくして、グリップ値の平均値が大きければ大きいほど、ストリップの摩耗度がそれだけ一層小さい。これとは逆に、グリップ値の平均値が小さければ小さいほど、ストリップの摩耗度はそれだけ一層大きい。
【0045】
摩耗度を求めるこのステップS0を時間に関して定期的に実施されるのが良い。変形実施形態では、各ストリップZ1,Z2,・・・,Zi,・・・,Zj,・・・,Znの摩耗度が既知である場合、決定ステップS0は、不要である。
【0046】
支援方法は、対をなすストリップを定めて同じ対のストリップに属する2本のストリップを車両の同一アクスルの2本のタイヤ相互間の距離に一致する距離だけ互いに間隔を置いて配置するステップS1を更に有する。
【0047】
支援方法は、上述の対に属するストリップの摩耗度の平均に対応した各対のストリップに関する摩耗度を求めるステップS2を更に有する。
【0048】
次に、支援方法は、複数の対をなすストリップのうちで摩耗度の最も小さいストリップの対を選択するステップS3を有する。図1の例では、選択されたストリップの対は、ストリップZi及びストリップZjを含む。
【0049】
ステップS4では、車両の理論的軌道21を求めてこの理論的軌道を辿ることにより車両は、ストリップZi,Zj上を走行するようにする。
【0050】
ステップS5では、辿られるべき理論的軌道を運転手に提示する。
【0051】
ステップS6では、車両は、ストリップZi,Zj上でブレーキが掛かり、ステップS7において、車両の実際に辿った軌道19を理論的軌道21と比較して制動試験が妥当であるかないかを判定する。
【0052】
支援方法は、ストリップZi,Zjの摩耗度を更新してこれらストリップに対する制動の影響を考慮に入れるステップS8を更に有するのが良い。
【0053】
注目されるように、ステップS2〜S8を各制動試験において繰り返し実施することが可能である。
【0054】
明らかなこととして、多くの連続して行われる制動試験について同一の理論的軌道21を保持することが可能である。これら条件では、ステップS5〜S8だけが繰り返し実施される。
【0055】
次に、図3を参照して、車両の運転を支援する装置22についての説明を行う。
【0056】
支援装置は、
対をなすストリップを定めるモジュール23と、
ストリップの各対に関する摩耗度を求めるモジュール24と、
一対のストリップZi,Zjを選択するモジュール25と、
理論的軌道21を定めるモジュール27と、
理論的軌道21を指示するモジュール29と、
理論的軌道21を車両の実際に辿った軌道19と比較するモジュール33と、
制御ユニット37とを有する。
【0057】
モジュール23は、対をなすストリップを定めて同じ対のストリップに属する2本のストリップを車両の同一アクスルの2本のタイヤ相互間の距離に一致する距離だけ互いに間隔を置いて配置することができる。この決定は、モジュール23に記憶されている車両に関するデータに基づいて行われる。
【0058】
モジュール24は、ストリップの各対に関する摩耗度を求めるよう設計されている。この場合、この摩耗度は、ストリップ対に属する2本のストリップの摩耗度の平均に一致している。
【0059】
モジュール25は、複数の対をなすストリップのうちで摩耗度の最も小さいストリップの対を選択するよう設計されている。
【0060】
モジュール27は、選択されたストリップの対に属するストリップZi,Zjに基づいて理論的軌道21を求めるよう設計されている。かくして、理論的軌道21は、モジュール27に記憶されている走路の種々のストリップのマッピングデータに基づいて定められる。
【0061】
モジュール29は、運転手の辿るべき理論的軌道を指示するよう設計されている。この指示モジュール29は、例えば、各瞬間に車両の位置を与えることができるGPS(全地球測位システム)を有する。このGPS位置を理論的軌道21と比較することにより、車両がこの理論的軌道から逸脱しているか否かを判定することが可能である。GPSは、例えば、RTK(リアルタイムキネマチック(real time kinematic))技術に準拠している。指示モジュール29は、運転手が各瞬間に辿るべき理論的軌道を視覚的に又は聴覚的に指示する表示スクリーン及び/又はスピーカを更に有するのが良い。
【0062】
モジュール33は、制動がいったん行われると、車両が実際に辿る軌道を理論的軌道と比較することができる。
【0063】
制御ユニット37は、ストリップの対を定めるモジュール23、ストリップの各対に関する摩耗度を求めるモジュール24、一対のストリップを選択するモジュール25、理論的軌道を求めるモジュール27、理論的軌道を指示するモジュール29、軌道を互いに比較するモジュール33に結合されている。
【0064】
制御ユニット37の機能は、これら互いに異なるモジュール23,24,25,27,29,33の動作を制御することにある。
【0065】
本明細書において説明する例では、モジュール23,24,25,27,29,33は、ソフトウェア手段である。従って、本発明は又、プログラムが制御ユニット37中に存在するプロセッサによって実行されると、支援装置22によって実施される運転の支援方法を実施する命令を含むコンピュータプログラムに関する。このプログラムは、情報媒体に記憶され又はこれによって送られるのが良い。これは、ハードウェア記憶媒体、例えばCD‐ROM、磁気ディスク若しくはハードディスク又は送信可能な媒体、例えば電気信号、光学信号又は無線信号であるのが良い。
【0066】
注目されるように、車両は、選択されたストリップ上での車両を制動する制動手段を更に有する。
【0067】
これら制動手段は、車両の運転手によって直接作動されるのが良い。変形実施形態では、これら制動手段は、制御ユニット37によって自動的に作動されても良い。
【0068】
本発明は又、制動試験が実施される走路の状態の管理のための上述の支援方法の使用に関する。この支援方法の一部分は、多数本の走路の動作状態を管理する中央センタで実施されるのが良い。かくして、理論的軌道を求めるステップは、かかる中央センタで実施可能である。この場合、理論的軌道の特性は、走路上に位置する車両に送られるのが良い。この送信は、例えば、電気信号、光学信号又は無線信号で実施可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走路上における車両の制動試験の際、前記車両の運転を支援する方法であって、前記走路は、前記走路中において全体として長さ方向に延びる複数本の隣り合うストリップ(Zl,・・・,Zn)に分割され、各ストリップの幅(lz)は、前記車両のタイヤの幅以上であり、各ストリップは、前記ストリップ上における前記車両の各制動時に摩耗し、
前記走路の前記複数本のストリップの中から少なくとも1本のストリップを選択するステップ(S3)と、
前記車両の理論的軌道(21)を求めるステップ(S4)とを有し、
その結果、前記理論的軌道を辿ることによって、前記選択されたストリップ上で前記車両にブレーキが掛かることができる、
ことを特徴とする支援方法。
【請求項2】
前記車両は、モータサイクルであり、前記選択されたストリップは、前記軌道の前記複数本のストリップのうちで摩耗度が最も小さいストリップである、
請求項1記載の支援方法。
【請求項3】
前記車両は、乗用車であり、前記選択ステップ(S3)に先立って、対をなすストリップを定めて同じ対のストリップに属する2本のストリップを前記車両の同一アクスルの2本のタイヤ相互間の距離に一致する距離だけ互いに間隔をおいて配置し、ストリップの各対に関し、前記対に属する前記ストリップの摩耗度の平均に一致する前記ストリップ対の摩耗度をストリップの各対に関して求め、前記選択ステップ(S3)において、前記複数の対をなすストリップのうちで摩耗度が最も小さいストリップの対を選択する、
請求項1記載の支援方法。
【請求項4】
前記方法は、前記車両の運転手の辿るべき前記理論的軌道(21)を指示するステップ(S5)を有する、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の支援方法。
【請求項5】
前記方法は、実際に前記車両の辿る軌道(19)を前記理論的軌道(21)と比較して前記制動試験の妥当性を実証するステップ(S7)を有する、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の支援方法。
【請求項6】
走路上における車両の制動試験の際、前記車両の運転を支援する装置であって、前記走路は、前記走路中において全体として長さ方向に延びる複数本の隣り合うストリップ(Zl,・・・,Zn)に分割され、各ストリップの幅(lz)は、前記車両のタイヤの幅以上であり、各ストリップは、前記ストリップ上における前記車両の各制動時に摩耗し、前記支援装置は、
前記走路の前記複数本のストリップの中から少なくとも1本のストリップを選択する手段(25)と、
前記車両の理論的軌道(21)を求め、そして前記理論的軌道を辿ることによって、前記選択されたストリップ上で前記車両にブレーキが掛かることができるようにする手段(27)とを有する、
ことを特徴とする支援装置。
【請求項7】
走路上における車両の制動試験の際、前記車両の運転を支援するコンピュータプログラムであって、前記走路は、前記走路中において全体として長さ方向に延びる複数本の隣り合うストリップ(Zl,・・・,Zn)に分割され、各ストリップの幅(lz)は、前記車両のタイヤの幅以上であり、各ストリップは、前記ストリップ上における前記車両の各制動時に摩耗し、前記コンピュータプログラムは、次のステップ、即ち、
前記走路の前記複数本のストリップの中から少なくとも1本のストリップを選択するステップ(S3)及び
前記車両の理論的軌道(21)を求めて前記理論的軌道を辿ることによって前記選択されたストリップ上で前記車両にブレーキが掛かることができるようにするステップ(S4)を実施するための命令を含む、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
車両に対する制動試験が実施される走路の状態の管理のための請求項1ないし5のいずれか1項に記載の支援方法の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−520667(P2013−520667A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554352(P2012−554352)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052823
【国際公開番号】WO2011/104348
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512068547)コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン (169)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)