説明

車両電子装置システムおよび車載用電子装置

【課題】 運転に集中して車載用電子装置の表示モードを変更することができる車両電子装置システムおよび車両に搭載する車載用電子装置を提供すること。
【解決手段】
車両電子装置システムは、カーナビゲーション装置と車両制御装置11とを備える。カーナビゲーション装置のナビ制御装置3は、ディスプレイ5の表示を通常表示モードと夜間表示モードに分けて表示する。車両制御装置11は、車両のライトスイッチ12がヘッドランプオンの位置でヘッドランプが点灯している場合と、オートライトの位置でヘッドランプが点灯している場合とを識別できる信号を出力する。カーナビゲーション装置のナビ制御装置3は、車両のライトスイッチ12がヘッドランプオンの位置でヘッドランプが点灯している場合は、ナビ画面を通常表示モードで表示し、オートライトの位置でヘッドランプが点灯している場合は夜間表示モードで表示するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両電子装置システムおよび車両に搭載する車載用電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のライトスイッチに連動して、表示素子を減光させる車載用電子機器が知られている(特許文献1参照)。この車載用電子機器では、昼間に車両のライトを点灯して走行する場合、車載用電子機器の所定の操作ボタンを所定時間以上押し続けるか、所定の複数の操作ボタンを同時に押すかによって減光動作を解除するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−257558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような減光動作の解除方法は、操作が煩雑であるという問題が生じる。例えば、車両がトンネルに入ったときなどには上記の煩雑な操作が必要になり、トンネルから出たときにも元の動作モードに戻す操作が必要になる。また、上記の操作は車載用電子機器の操作ボタンを使用して行うため、運転に集中できないという問題も生じる。
【0005】
本発明は、運転に集中して車載用電子装置の表示モードを変更することができる車両電子装置システムおよび車両に搭載する車載用電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、車両電子装置システムに適用され、車載用電子装置と、車両制御手段とを備え、前記車載用電子装置は、表示手段と、前記表示手段の表示を通常表示モードと前記通常表示モードより表示が暗い第2の表示モードとに分けて表示するように制御する表示制御手段とを有し、前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが第1の位置でヘッドランプが点灯していることを示す第1の信号と、車両のライトスイッチが第2の位置でヘッドランプが点灯していることを示す第2の信号とを出力し、前記表示制御手段は、前記第1の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記通常表示モードで表示するように制御し、前記第2の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記第2の表示モードで表示するように制御することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両電子装置システムにおいて、前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが第2の位置でヘッドランプが消灯していることを示す第3の信号と、車両のライトスイッチがオフである第3の位置であることを示す第4の信号とを出力し、前記表示制御手段は、前記第3の信号および前記第4の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記通常表示モードで表示するように制御することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両電子装置システムにおいて、前記車両制御手段は、前記第3の信号と前記第4の信号は共通の信号として出力することを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、前記車両のライトスイッチの第1の位置はヘッドランプを常時点灯するヘッドランプオンの位置であり、前記車両のライトスイッチの第2の位置は車外の明るさに応じてヘッドランプを点灯および消灯するオートライトの位置であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが車幅灯を点灯する第4の位置であることを示す第5の信号を出力し、前記車載用電子装置は、前記第5の信号が出力されているときに前記表示手段の表示を前記通常表示モードにするか前記第2の表示モードにするかを選択できる選択手段をさらに備えることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第2の表示モードでは、前記表示手段の表示の輝度を前記通常表示モードより下げるように制御することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、前記表示制御手段は、前記第2の表示モードでは、前記表示手段の表示の表示色を前記通常表示モードより暗い色にするように制御することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、前記車載用電子装置はナビゲーション装置であり、前記表示制御手段は、前記表示手段に道路地図を表示することを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の車両電子装置システムにおいて、前記第2の表示モードは、夜間の様子で道路地図を表示するモードであることを特徴とするものである。
請求項10の発明は、車載用電子装置に適用され、請求項1から9のいずれかに記載の車両電子装置システムの車載用電子装置とするものである。
請求項11の発明は、車載用電子装置の表示制御方法に適用され、ヘッドランプが点灯している状態で、車両のライトスイッチに連動して、車載用電子装置の表示手段の表示を通常表示モードと前記通常表示モードより表示が暗い第2の表示モードとに分けて表示するように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成しているので、運転に集中しながら、車両のライトスイッチにより車載用電子装置の表示モードを変更することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の一実施の形態である車両電子装置システムのブロック図である。車載用電子装置としてカーナビゲーション装置が示されている。カーナビゲーション装置は、車両の走行に関する情報を提示する機能、具体的には、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能などを兼ね備えている。いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0009】
図1において、左側にカーナビゲーション装置の構成、右側に車両側の構成が示されている。まず、カーナビゲーション装置の構成について説明する。
【0010】
符号1は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の進行方位を検出するジャイロ1a、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ1b、車速を検出する車速センサ1c等から成る。符号2は道路地図データを格納する地図記憶装置であり、道路地図データが格納された記録媒体であるCD−ROM6およびその読み出し装置から成る。記録媒体はCD−ROMに限定されず、DVDやその他の記録媒体であってもよい。また、地図記憶装置2は道路地図データが格納されたハードディスク装置であってもよい。
【0011】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などからなる。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0012】
符号3はナビゲーション装置全体を制御するナビ制御装置であり、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から成る。ナビ制御装置3は、制御プログラムを格納するROM(不図示)および作業エリアのRAM(不図示)を有し、ROMに格納された制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。
【0013】
符号4は車両の目的地等を入力する各種スイッチを有する入力装置である。カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックを含む。なお、入力装置4をリモコン方式としてもよい。また、画面内にタッチパネルスイッチを設けてもよい。さらに、表示モニタ8の表示画面周辺に配置されるスイッチであってもよい。これらのスイッチは、ユーザにより操作されるので、入力装置4は操作装置である。
【0014】
符号5は地図や各種情報を表示するディスプレイであり、液晶表示装置(LCD)などで構成される。ナビ制御装置3は、生成した画像データを画像メモリ(ビデオRAM、不図示)に格納し、ディスプレイ5に表示する。ディスプレイ5に表示される表示データは、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データなどからなる。ナビ制御装置3は、ディスプレイ5の表示制御装置として機能する。
【0015】
このように構成されるカーナビゲーション装置は、現在地検出装置1により取得した自車位置情報および地図記憶装置2に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。例えば、自車位置近辺の道路地図および自車位置をディスプレイ5に表示し、経路探索によって得られた経路に沿ってドライバーを誘導する。
【0016】
次に、車両側の構成を説明する。符号11は、車両全体の制御を行う車両制御装置である。車両制御装置11には、ライトスイッチ12、センサ13、ランプ14が、不図示のCAN(Controller Area Network)を経由して接続されている。
【0017】
図2は、車両のライトスイッチ12の外観を示す図である。ライトスイッチ12は、ステアリングホイール付近に設けられ、オフの位置21、オートライトの位置22、車幅灯オンの位置23、ヘッドランプオンの位置24にセットすることができる。図1のセンサ13は、車外の明るさを検知するセンサである。ランプ14は、ヘッドランプ、車幅灯(クリアランスランプ)、尾灯(テールランプ)などである。
【0018】
ライトスイッチ12がオフの位置21にセットされているときは、ヘッドランプ、車幅灯、尾灯は消灯される。ライトスイッチ12がオートライトの位置22にセットされているときは、センサ13で検出された車外の明るさに応じて、ヘッドランプ、車幅灯、尾灯が自動的に点灯されたり消灯されたりする。すなわち、車外の明るさが所定の明るさ以上であれば、ヘッドランプ、車幅灯、尾灯が消灯され、車外の明るさが所定の明るさより暗くなった場合は、ヘッドランプ、車幅灯、尾灯が自動的に点灯される。
【0019】
ライトスイッチ12が車幅灯オンの位置23にセットされているときは、ヘッドランプは消灯され、車幅灯、尾灯が点灯される。ライトスイッチ12がヘッドランプオンの位置24にセットされているときは、ヘッドランプ、車幅灯、尾灯が常時点灯される。
【0020】
なお、本実施の形態では、ヘッドランプと車幅灯は別々に設けられており、ヘッドランプが点灯されるとは、ハイビームあるいはロービームで点灯されることを意味している。ただし、パッシングなどで一時的にヘッドランプが点灯される場合は、本実施の形態におけるヘッドランプの点灯には含めないものとする。
【0021】
車両制御装置11は、ライトスイッチ12のセットされた位置およびヘッドランプの点灯状態に応じた信号を生成し、ナビ制御装置3に出力する。ナビ制御装置3は、受信した信号に応じてナビゲーション装置の表示モードを通常表示モードと夜間表示モードに設定して、各種のナビゲーション制御を行う。本発明は、このような点に特徴を有する。
【0022】
車両制御装置11からナビ制御装置3へ出力する信号は、信号1および信号2より構成される。信号1は、ONでヘッドランプ点灯、OFFでヘッドランプ消灯を示す信号である。信号2は、OFFでライトスイッチ12がオートライトの位置あるいはライトスイッチ12がオフの位置であることを示し、ONでライトスイッチ12がヘッドランプオンの位置あるいは車幅灯オンの位置であることを示す信号である。図3は、信号1および信号2と、ライトスイッチ12と、ヘッドランプと、後述するナビゲーションの表示モードとの関係を示す図である。
【0023】
信号1は、ヘッドランプの駆動信号あるいは駆動されたヘッドランプの端部の信号をそのまま使用すればよい。信号2は、ライトスイッチ12のオートライトの状態とライトスイッチ12がオフの状態をOR回路で受け反転して出力させればよい。あるいは、信号2は、ライトスイッチ12の車幅灯オンの状態とライトスイッチ12のヘッドランプオンの状態をOR回路で受けそのまま出力させればよい。
【0024】
次に、ナビゲーション装置側の処理を説明する。図4は、ナビゲーション装置のナビ制御装置3の処理のフローチャートを示す図である。現在地を表示しながら道路地図を表示する処理を示している。
【0025】
ステップS1では、ナビ制御装置3が受信した信号1、信号2が、ON、OFFかを判断する。信号1、信号2がON、OFFかとは、図3にも示すように、ライトスイッチ12がオートライトの位置でヘッドランプがオンしているかどうかということである。信号1、信号2がON、OFFであると判断されるとステップS5に進み、信号1、信号2がON、OFFでないと判断されるとステップS2に進む。
【0026】
ステップS2では、受信した信号1、信号2がOFF、ONかを判断する。信号1、信号2がOFF、ONかとは、図3にも示すように、ライトスイッチ12が車幅灯オンの位置かどうかということである。信号1、信号2がOFF、ONであると判断されるとステップS3に進み、信号1、信号2がOFF、ONでないと判断されるとステップS4に進む。
【0027】
ステップS4では、ナビゲーション装置の表示モードを通常表示モードに設定し、ステップS5では、夜間表示モードに設定する。ステップS3では、予め選択された表示モードに設定する。本実施の形態では、車幅灯オンの場合は、通常表示モードにするか夜間表示モードにするかが、ユーザが選択できるようになっている。ユーザは、メニュー画面を使用して、車幅灯オンの場合に通常表示モードにするか夜間表示モードにするかを予め選択しておく。
【0028】
ステップS6では、現在地検出装置1を使用して車両の現在地を検出する。ステップS7では、車両の現在地周辺の道路地図データを地図記憶装置2から取得して、車両の現在地表示とともに車両の現在地周辺の道路地図をディスプレイ5に表示する。このとき、ステップS3〜S5で設定された表示モードで表示する。また、推奨経路が探索されている場合には、探索された推奨経路に従って経路誘導なども行う。その後、ステップS1に戻り処理を繰り返す。
【0029】
次に、ナビゲーション装置の表示モードについて説明する。通常表示モードは、昼間など明るいときに道路地図などを表示させる表示モードである。夜間表示モード(ナイトモードと言ってもよい)とは、夜間やトンネルや地下駐車場等の暗いところで道路地図などを表示させるモードである。
【0030】
夜間など暗いときに通常の表示モードで道路地図などを表示させると、画面が明るすぎて見にくくなる。従って、道路地図などの表示色を、通常表示モードより暗い色で表示するようにする。すなわち、道路地図を夜間の様子あるいは雰囲気で表示させる。また、建物などを表示する場合は、建物を暗い色で表示し、窓には明かりがついているように夜間の雰囲気を出して表示する。
【0031】
本実施の形態では、地図記憶装置2の道路地図データに基づき、道路地図を平面地図あるいは鳥瞰図で表示する。平面地図は、同一の地図上では縮尺率が変化しない地図である。一方、鳥瞰図は、上空の視点から所定の方向を見下ろした地図表示であり、例えば現在地周辺を拡大して表示するとともに先を縮小して広範囲を表示する地図表示である。すなわち、同一の鳥瞰図内では縮尺率が徐々に変化する地図表示である。なお、鳥瞰図の生成方法は公知な内容であるので、その説明は省略する。
【0032】
道路地図を鳥瞰図で表示する場合には、画面上部に空を表示するようにして臨場感を出すようにする。このとき、通常表示モードでは、空を明るい青色で表示する。一方、夜間表示モードでは、黒や紺色など暗い夜の空を示す色で表示する。なお、暗い表示色とは、輝度も低くなっている。
【0033】
本実施の形態の車両電子装置システムは、以上説明したように構成するので、次のようなすぐれた効果を奏する。
(1)本実施の形態の車両電子装置システムでは、車両のライトスイッチ12に連動して、ナビゲーション装置の表示モードを変更することができる。これにより、ナビゲーション装置のユーザであるドライバーは、ナビゲーション装置の入力装置4を操作しなくても、車両の運転と同じ感覚の操作で、ナビゲーションの表示モードを変更することができる。すなわち、運転に集中しながらナビゲーション装置の表示モードを自由に変更することができる。
(2)例えば、昼間に安全のため車両のヘッドランプを点灯して走行していても、明るい通常表示モードで道路地図などのナビゲーション画面を表示させることができる。このような状態で、トンネルなどに入って暗くなった場合は、車両のライトスイッチ12をオートライトに変更することにより、ヘッドランプの点灯を継続させながらナビゲーション装置を暗い夜間表示モードに変更することができる。このように、ドライバーは、運転に集中しながら、ナビゲーション装置の入力装置4に視線を落とすこともなく、ナビゲーション装置の表示モードを変更することができる。これは、車両運転の安全面から見て極めて優れた効果である。
(3)図3にも示すように、オートライトでヘッドランプ消灯とライトスイッチ12のオフを同じ信号として出力するようにしたので、信号線2本で必要な状態を表すことができるようになった。これにより、コンパクトの回路設計が可能となった。
(4)ライトスイッチ12が車幅灯オンの場合は、通常表示モードにするか夜間表示モードにするかを予め選択して設定することができるようにした。これにより、ユーザの好みに合った表示モードの設定をすることができる。
(5)夜間表示モードでは、道路地図などのナビゲーション装置の表示画面を暗い色で表示するようにしたので、回りが暗いときにはまぶしくなく、ディスプレイ5が見やすい。また、ビルの窓の明かりや空の色を夜間の様子をかもしだすような表示を採用するので、臨場感あふれるナビゲーション画面が実現できる。
【0034】
なお、上記の実施の形態では、車載用電子装置としてカーナビゲーション装置の例で説明をしたが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。カーオーディオ装置やテレビ受像機であってもよい。また、操作パネルなどに表示素子を有するエアコン装置であってもよい。すなわち、本発明は、表示画面や表示素子などを有するすべての車載用電子装置に適用できる。テレビ受像機での夜間表示モードは、テレビ画面の輝度を通常表示モードより下げた表示モードにすればよい。カーオーディオ装置やエアコン装置での夜間表示モードは、操作パネル上の各種の表示素子の輝度を通常表示モードより下げた表示モードにすればよい。
【0035】
なお、上記の実施の形態のカーナビゲーション装置においても、夜間表示モードを、単に画面の輝度を下げるだけで実現するようにしてもよい。このようにすれば、簡単なプログラムで、夜間表示モードを実現することができる。また、カーナビゲーション装置以外の車載用電子装置においても、表示色を暗い色に変えることにより夜間表示モードを実現するようにしてもよい。すなわち、明るい表示モードと暗い表示モードが実現できるのであれば、表示色を変えようと輝度を変えようと、あるいはその他の方法であっても構わない。
【0036】
また、上記の実施の形態では、ライトスイッチ12が車幅灯オンの場合に採用する表示モードを予め選択できる例で説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。通常表示モードか夜間表示モードのどちらかに固定するようにしてもよい。
【0037】
また、上記の実施の形態では、車両制御装置11がナビ制御装置3へ出力する信号は、信号1と信号2の2本の信号線で実現する例で説明したが、必ずしもこの内容に限定する必要はない。2本以上であってもよい。2本以上にすれば、オートライトでヘッドランプ消灯とライトスイッチ12のオフを同じ信号として出力する必要はない。これにより、信号生成部の回路が簡単に構成することができる。また、ライトスイッチ12とヘッドライトの点灯のあらゆる組み合わせが把握できるので、きめの細かい設定が可能となる。
【0038】
また、信号線を1本にしてもよい。1本にする場合は、図3のような4つあるいは5つの状態を、異なる電圧レベルで送ったりする。異なる電圧レベルの信号を送信する場合は、車両制御装置11側ではD/A回路を備え、ナビ制御装置3側ではA/D回路を備えるようにする。また、車両制御装置11からPWM信号で送信するようにしてもよい。さらに、4つあるいはそれ以上の状態を表す複数のビット信号を、時系列でシリアルに送るようにしてもよい。すなわち、図3で示すような複数の状態を識別できる信号であれば、その出力形態はどのようなものであってもよい。
【0039】
また、上記の実施の形態では、カーナビゲーション装置の例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。携帯用のナビゲーション装置を車両に搭載する場合も本発明は適用できる。この場合、車両制御装置11からの出力を所定のI/Oポートなどに接続するようにする。
【0040】
また、上記の実施の形態では、カーナビゲーション装置の制御装置3が実行する制御プログラムはメモリに格納されている例で説明をしたが、この内容に限定する必要はない。制御プログラムやそのインストールプログラムをCD−ROMなどの記録媒体で提供してもよい。
【0041】
さらに、それらのプログラムをインターネットなどに代表される通信回線などの伝送媒体を介して提供することも可能である。すなわち、プログラムを、伝送媒体を搬送する搬送波上の信号に変換して送信することも可能である。カーナビゲーション装置は、通信回線との接続機能、例えば携帯電話との接続機能を有するようにすればよい。
【0042】
また、上述の制御プログラムをパソコンやPDA(携帯端末)上で実行させてナビゲーション装置を実現するようにしてもよい。
【0043】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
以下、請求項の構成要素と上記実施の形態の構成要素との対応付けについて説明する。本発明の車載用電子装置はカーナビゲーション装置に対応し、車両制御手段は車両制御装置11に対応し、車載用電子装置の表示手段はディスプレイ5に対応し、車載用電子装置の表示制御手段はナビ制御装置3に対応する。また、請求項の通常表示モードはそのまま実施の形態の通常表示モードに対応し、第2の表示モードは夜間表示モードに対応する。なお、これらの対応付けの説明はあくまで一例であり、本発明はこの対応付けに限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態である車両電子装置システムのブロック図である。
【図2】車両のライトスイッチの外観を示す図である。
【図3】信号1および信号2と、ライトスイッチと、ヘッドランプと、ナビゲーションの表示モードとの関係を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置のナビ制御装置の処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 現在地検出装置
2 地図記憶装置
3 制御装置
4 スイッチ群
5 ディスプレイ
6 CD−ROM
11 車両制御装置
12 ライトスイッチ
13 センサ
14 ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両電子装置システムであって、
車載用電子装置と、
車両制御手段とを備え、
前記車載用電子装置は、表示手段と、前記表示手段の表示を通常表示モードと前記通常表示モードより表示が暗い第2の表示モードとに分けて表示するように制御する表示制御手段とを有し、
前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが第1の位置でヘッドランプが点灯していることを示す第1の信号と、車両のライトスイッチが第2の位置でヘッドランプが点灯していることを示す第2の信号とを出力し、
前記表示制御手段は、前記第1の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記通常表示モードで表示するように制御し、前記第2の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記第2の表示モードで表示するように制御することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両電子装置システムにおいて、
前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが第2の位置でヘッドランプが消灯していることを示す第3の信号と、車両のライトスイッチがオフである第3の位置であることを示す第4の信号とを出力し、
前記表示制御手段は、前記第3の信号および前記第4の信号が出力されているとき、前記表示手段の表示を前記通常表示モードで表示するように制御することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両電子装置システムにおいて、
前記車両制御手段は、前記第3の信号と前記第4の信号は共通の信号として出力することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、
前記車両のライトスイッチの第1の位置はヘッドランプを常時点灯するヘッドランプオンの位置であり、
前記車両のライトスイッチの第2の位置は車外の明るさに応じてヘッドランプを点灯および消灯するオートライトの位置であることを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、
前記車両制御手段は、車両のライトスイッチが車幅灯を点灯する第4の位置であることを示す第5の信号を出力し、
前記車載用電子装置は、前記第5の信号が出力されているときに前記表示手段の表示を前記通常表示モードにするか前記第2の表示モードにするかを選択できる選択手段をさらに備えることを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記第2の表示モードでは、前記表示手段の表示の輝度を前記通常表示モードより下げるように制御することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記第2の表示モードでは、前記表示手段の表示の表示色を前記通常表示モードより暗い色にするように制御することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の車両電子装置システムにおいて、
前記車載用電子装置はナビゲーション装置であり、
前記表示制御手段は、前記表示手段に道路地図を表示することを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項9】
請求項8に記載の車両電子装置システムにおいて、
前記第2の表示モードは、夜間の様子で道路地図を表示するモードであることを特徴とする車両電子装置システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の車両電子装置システムの車載用電子装置。
【請求項11】
車載用電子装置の表示制御方法であって、
ヘッドランプが点灯している状態で、車両のライトスイッチに連動して、車載用電子装置の表示手段の表示を通常表示モードと前記通常表示モードより表示が暗い第2の表示モードとに分けて表示するように制御することを特徴とする車載用電子装置の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−131008(P2006−131008A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320290(P2004−320290)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】