説明

車内キャリア

【課題】サーフボードキャリアがサンバイザーに対して位置ずれしたり、サンバイザーから外れにくいようにする。
【解決手段】サーフボードキャリア100では、取付バンド102により形成した第一環をサンバイザーVに巻き付け、取付バンド102の末端部を引いて当該サンバイザーVを締め付けるようにし、末端部を面テープで固定する。このとき、パッドの防滑面がサンバイザーVに当接するので、サーフボードキャリア100とサンバイザーVとの間の滑りが防止され、サーフボードキャリア100が、サンバイザーVから位置ずれしたり若しくは外れるのを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーフボード等を簡単に自動車の車内に収容するための車内キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサーフボードキャリアとしては、特許文献1に記載のようなものが知られている。図10は、従来のサーフボードキャリアの一例を示す説明図である。このサーフボードキャリア200は、自動車のサンバイザーVに巻き付けるようにして取り付けられる。また、別形態のサーフボードキャリア300が自動車の室内の天井のドア付近の左右に設けたアシストグリップHの間に取り付けられる。そして、サーフボードSの一端をサーフボードキャリア300により保持し、他端をサーフボードキャリア200により保持することで、当該サーフボードSを車両の前後方向に橋渡しして取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−168030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のサーフボードキャリア200は、デザイン性に富んだ曲線形状や摩擦係数の低い表面を有するサンバイザーに取り付ける場合、サーフボードキャリア200が滑って、その取り付け位置がずれたり或いは外れやすくなったりする問題点がある。そこで、この発明の目的は、サーフボードキャリアがサンバイザーに対して位置ずれしたり、サンバイザーから外れにくいようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、この発明の車内キャリアは、長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、前記第一環内側に設けられ前記サンバイザーとの防滑面を有する第1パッドとを備えたことを特徴とする。
【0006】
この発明では、前記取付バンドをサンバイザーに巻き付けたとき、第1パッドの防滑面がサンバイザーに当接するので、取付バンドとサンバイザーとが摩擦力で滑り難くなる。この結果、車内キャリアの位置がずれたり、外れたりすることがない。なお、防滑面は、ゴムやシリコン等の樹脂により構成されても良いし、パッドの生地にゴムを多数点状に設けた構成でも良い。
【0007】
また、この発明の車内キャリアは、長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、前記第二環内側に設けられ前記固定対象物との防滑面を有する第2パッドとを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明では、前記固定バンドをサーフボードに巻き付けたとき、第2パッドの防滑面が固定対象物に当接するので、固定バンドと固定対象物とが摩擦力で滑り難くなる。この結果、サーフボードの脱落が防止される。なお、防滑面は、ゴムやシリコン等の樹脂により構成されても良いし、パッドの生地にゴムを多数点状に設けた構成でも良い。
【0009】
また、この発明の車内キャリアは、長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、前記第一環内側に設けられ前記サンバイザーとの防滑面を有する第1パッドと、前記第二環内側に設けられ前記固定対象物との防滑面を有する第2パッドとを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明の車内キャリアは、上記発明において、更に、前記第1パッドと第2パッドとが表裏に一体形成されたパッドであることを特徴とする。
【0011】
また、この発明の車内キャリアは、上記発明において、前記固定バンドの一端が前記取付バンドに対して固定され、他端は、前記取付バンドに沿って移動可能なカン又はバックルで固定されることを特徴とする。
【0012】
固定バンドによりサーフボード等を締め付ける過程で当該固定バンドを引っ張ると前記カン又はバックルが取付バンドに沿って移動する。これにより、サーフボード等の周囲にしっかり固定バンドが巻き付くので、しっかりと固定できる。
【0013】
また、この発明の車内キャリアは、上記発明において、前記取付バンドは、その一端が角カンの一方の短辺部分に固定され、且つ、前記第一環を形成し、再びその他端が前記角カンの他方の短辺部分で固定されると共に、
前記角カンの長辺部分はサンバイザーの端縁を迂回する折曲部を有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、角カンの長辺部分の折曲部にサンバイザーの端部を入れて上下から短辺部分で挟み込むようにすることで、サンバイザーに対して角カンを固定できる。これにより、取付バンドがサンバイザーにしっかり巻きついてずれることがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるサーフボードキャリアの使用状態を示す図である。
【図2】図1に示したサーフボードキャリアの斜視図である。
【図3】図1に示したサーフボードキャリアに取り付けるパッドの上面図である。
【図4】図1に示したサーフボードキャリアに取り付けるパッドの下面図である。
【図5】図1に示したサーフボードキャリアに取り付けるパッドの正面図である。
【図6】図1に示したサーフボードキャリアに取り付けるパッドの側面図である。
【図7】このサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付け、サーフボードを保持した状態を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るサーフボードキャリアの角カンを示す斜視図である。
【図9】図8のサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付けた状態を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係るサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付けた状態を示す説明図である。
【図11】図10のサーフボードキャリアの角カンを示す斜視図である。
【図12】従来のサーフボードキャリアを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるサーフボードキャリアの使用状態を示す斜視図である。図2は、サーフボードキャリアの斜視図である。このサーフボードキャリア100は、自動車のサンバイザーVに取り付ける構造である。取付バンド102は、その一端が角カン101の一辺に固定され、その末端部104は、角カン105を通り、再び前記角カン101を通って取付バンド102のバンド面に設けた面テープ107で固定される。この取付バンド102により第一環103が形成される。また、角カン105は取付バンド102に沿って自由に位置を変えられる。
【0017】
固定バンド112は、その一端が角カン101にて固定される。当該固定バンド112の他端は、前記角カン105を通され、この固定バンド112のバンド面に設けた面テープ108で固定される。これにより、取付バンド102と固定バンド112とにより第二環121が形成される。
【0018】
また、取付バンド102は、角カン101により独立に長さを変えられるので、第一環103の長さ調整が可能であり、サンバイザーVへの取り付けに便利である。同様に、固定バンド112も、角カン105で独立に長さを変えられるので、第二環121の長さを調整が可能である。
【0019】
また、第一環103と第二環121とで共通部分となる取付バンド102の部位には、パッド131が取り付けられている。図3にパッドの上面図、図4にパッドの下面図、図5にパッドの正面図、図6にパッドの側面図を示す。このパッド131は、ゴムやシリコン等の合成樹脂等の弾性部材からなる上側のパッド132と下側のパッド133とを互いに長手方向両縁に沿って貼り合わせて一体化したものであり、その間に取付バンド102を通す挿入孔134を形成したものである。
【0020】
下側のパッド133には、第一環103がサンバイザーVに巻き付いた際に、サンバイザーVに当接する防滑面133aが形成されている。防滑面133aには、半球状の突起133bが一面に渡って複数形成されており、サンバイザーVとの間で強い摩擦力が発生するようになっている。また、上側のパッド132には、第二環121がサーフボードSに巻き付いた際に、サーフボードSに当接する防滑面132aが形成されている。この防滑面132aもゴムやシリコン等の合成樹脂製であるため素材そのものの特性から高い防滑性をもった防滑面が得られるが、更に、前記同様の半球状の突起を多数形成するようにしてもよい。
【0021】
図7は、このサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付け、サーフボードを保持した状態を示す説明図である。このサーフボードキャリア100をサンバイザーVに取り付ける場合、サンバイザーVを引き下げて、取付バンド102により形成した第一環103をサンバイザーVに巻き付ける。そして、取付バンド102の末端部104を引いて当該サンバイザーVを締め付けるようにし、末端部104を面テープ107で固定する。このとき、パッド131の防滑面133aがサンバイザーVに当接して、サーフボードキャリア100とサンバイザーVとの間の滑りを防ぐため、サーフボードキャリア100が、サンバイザーVから位置ずれしたり若しくは外れるのを防ぐことができる。なお、パッド131は取付バンド102に沿って移動できるで、サーフボードキャリア100が滑り難くなるような位置にバッド130の位置を自在に調整できる。
【0022】
次に、固定バンド112により構成した第二環121にサーフボードSを差し込んでベルト112の末端部106を引っ張って締め付け、末端部106を面テープ108で固定する。このとき、パッド131の防滑面132aがサーフボードSに当接して、サーフボードキャリア100とサーフボードSとの間の滑りを防ぐため、サーフボードSが、サーフボードキャリア100からずれたり若しくは外れるのを防ぐことができる。なお、サーフボードSの後方は、従来のサーフボードキャリア300により保持する。
【0023】
また、固定バンド112は角カン105を通して折り返し、バンド面に固定されたものであるから、サーフボードSを固定する際、当該固定バンド112を引っ張ると角カン105も取付バンド102に沿って移動し、サーフボードSの周囲にぴったり巻きつくことになる。このため、サーフボードSをしっかりと固定できる。
【0024】
以上、この発明のサーフボードキャリア100によれば、パッド131によって、サーフボードキャリア100およびサーフボードSが位置ずれしたり、外れるのを防止できる。
【0025】
なお、図示しないが、パッド132とパッド133とを別体にしてもよい。この場合、パッド132とパッド133とを面テープによって取付バンド102の表裏にそれぞれ貼り付ける構造とする。特に、パッド132は、取付バンド102が形成する第一環103の内周面であれば、いずれの場所に取り付けてもよく、全周に渡って取り付けてもよい。
【0026】
また、パッド133もいずれの場所に取り付けてもよいが、サーフボードSの表面上でバンド112が滑りながらサーフボードSにバンド112を巻き付けると取付作業が容易なので、上記のように取付バンド102側に設けることが好ましい。また、パッド131は、取付バンド102の表面やバンド112の表面に接着剤等で貼り付けるようにしてもよい。
【0027】
また、上記角カン105に代えて、取付バンド102に沿って自在に移動できるバックルを用いても良い。この場合、固定バンド112の端部はバックルにより固定されることになるので、面テープは必須ではない。
【0028】
また、上記実施の形態ではサーフボードキャリア100をサンバイザーVの長手方向に装着する状態で説明したが、短手方向に装着しても良い。また、サーフボードS以外のものも装着できる。
【0029】
また、図2では、固定バンド112は取付バンド102と連続したバンドで構成し、角カン101で縫い合わせて固定されているが、これらを別体とし角カン101に独立して固定することで、両者を間接的に取り付けても良い。
【0030】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2に係るサーフボードキャリアの角カンを示す斜視図である。図9は、図8のサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付けた状態を示す説明図である。このサーフボードキャリア200は、実施の形態1と略同じ構成であるが、角カン105の形状が異なる。その他の構成は実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。この角カン105は、長辺部分の径が短辺部分より1.2倍から2倍程度大きくなっている。このため、サーフボードキャリアをサンバイザーに取り付けた状態で、図9に示すように、長辺部分がサンバイザーの端縁上下に嵌り(バンド102,112を介在することになる)、角カン105が固定される。
【0031】
これにより、第一環103がサンバイザーVに対してバンド方向にずれなくなるので、第二環121によるサーフボードの固定力も向上する。なお、長辺部分をウレタン等の弾性力が高い材料で被覆するようにしても良い(図示省略)。このようにすれば、サンバイザーVへの噛み込みが更に良くなるので、サーフボードキャリアの固定力がより増すことになる。かかる構成によれば、角カン105の径を大きくする等の簡単な構成でサンバイザーへの固定力を向上できる。
【0032】
(実施の形態3)
図10は、この発明の実施の形態3に係るサーフボードキャリアをサンバイザーに取り付けた状態を示す説明図である。図11は、図10のサーフボードキャリアの角カンを示す斜視図である。このサーフボードキャリアは、実施の形態1と略同じ構成であるが、角カン301の形状が異なる。この角カン301は、長辺部分がL字形状、C字形状もしくは「く」の字形状に折れ曲がった折曲部302となっている。短辺部分303は、実施の形態1の角カン105と同じである。この角カン301は、サンバイザーVに取り付けるにあたり、折曲部302にサンバイザーVの端部が入り込み、角カン301の短辺部分303がサンバイザーVの端部上下から挟むような形になり(バンド102,112を介在することになる)、角カン301が固定される。
【0033】
これにより、第一環103がサンバイザーVに対してバンド方向にずれなくなるので、第二環121によるサーフボードの固定力も向上する。
【符号の説明】
【0034】
100 サーフボードキャリア
102 取付バンド
112 固定バンド
131、132、133 パッド
132a、133a 防滑面






【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、
前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、
前記第一環内側に設けられ前記サンバイザーとの防滑面を有する第1パッドと、
を備えたことを特徴とする車内キャリア。
【請求項2】
長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、
前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、
前記第二環内側に設けられ前記固定対象物との防滑面を有する第2パッドと、
を備えたことを特徴とする車内キャリア。
【請求項3】
長さ調整可能な第一環を構成すると共にサンバイザーに巻きつけて固定する取付バンドと、
前記取付バンドに接続され且つ長さ調整可能な第二環を構成すると共にサーフボードその他の固定対象物に巻き付けて固定する固定バンドと、
前記第一環内側に設けられ前記サンバイザーとの防滑面を有する第1パッドと、
前記第二環内側に設けられ前記固定対象物との防滑面を有する第2パッドと、
を備えたことを特徴とする車内キャリア。
【請求項4】
更に、前記第1パッドと第2パッドとが表裏に一体形成されたパッドであることを特徴とする請求項3に記載の車内キャリア。
【請求項5】
前記固定バンドの一端が前記取付バンドに対して固定され、他端は、前記取付バンドに沿って移動可能なカン又はバックルで固定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車内キャリア。
【請求項6】
前記取付バンドは、その一端が角カンの一方の短辺部分に固定され、且つ、前記第一環を形成し、再びその他端が前記角カンの他方の短辺部分で固定されると共に、
前記角カンの長辺部分はサンバイザーの端縁を迂回する折曲部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の車内キャリア。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−23097(P2013−23097A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160482(P2011−160482)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(508376627)
【Fターム(参考)】