説明

車室内熱交換器

【課題】車室内送風路に配設されてコンデンサとして作動する熱交換器の熱効率を向上する。
【解決手段】
コンデンサとして機能する車室内熱交換器1であって、複数の冷媒流通チューブ11を積層した1対のチューブ群13A,13Bを、相互に対向させて送風方向に並べて配設し、冷媒流通チューブ11の軸方向一端側に、冷媒入口管14aを有すると共に一方のチューブ群13Aの各冷媒流通チューブ11を連通して接続した入口側ヘッダタンク14Aと、冷媒出口管14bを有すると共に他方のチューブ群13Bの各冷媒流通チューブ11を連通して接続した出口側ヘッダタンク14Bと、を別体に、かつ、相互に間隔をあけて配設し、冷媒流通チューブ11の軸方向他端側には、一対のチューブ群13A,13Bの各冷媒流通チューブ11を連通して接続した1個の中間ヘッダタンク15を配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヒートポンプ装置における車室内熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン搭載車両のヒートポンプ装置(空調装置)において、特許文献1では、気液混合状態の冷媒をエバポレータの入口側から送風方向と交差する一方向に流通させた後、反転させて逆方向に流通させ、入口側と同一側にある出口側からガス状冷媒として流出させるカウンターフロー式として、車室内に送風される冷房空気の温度分布ムラを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3214318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、電気自動車あるいは小型エンジン搭載のハイブリッド車においては、エンジンの排熱を利用したヒータコアによる暖房が困難であるため、ヒートポンプサイクルの車室内熱交換器をコンデンサとして作動させて暖房を行うことが考えられている。
このように車室内熱交換器をコンデンサとして使用する場合も、上記エバポレータで採用されているカウンターフロー式の冷媒流路を採用することは、暖房空気の温度分布ムラを抑制する上で効果的である。
【0005】
しかし、コンデンサとして作動する熱交換器では、高温高圧のガス状冷媒を流入する冷媒入口側と、凝縮して低温な液冷媒を流出する冷媒出口側との温度差が30℃程度(エバポレータでは10℃程度)にも増大する。
このため、かかる高温な冷媒入口側と低温な冷媒出口側との間での熱交換により、熱交換器の効率、ひいてはヒートポンプサイクルの熱効率が低下することが懸念される。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、コンデンサとして作動される車室内熱交換器からの暖房空気の温度分布を均一化しつつ、熱交換器入口側と出口側との熱交換を抑制して良好な熱効率を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1〜第3の発明を有し、
車室内の送風路に配設され、少なくともコンデンサとして機能する車両用ヒートポンプ装置の熱交換器であって、第1〜第3の発明に共通な以下の構成を備える。
複数の冷媒流通チューブを積層した1対のチューブ群を、相互に対向させて前記送風路の送風方向に並べて配設する。
【0008】
前記冷媒流通チューブの軸方向一端側に、冷媒入口を有すると共に一方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した入口側ヘッダタンクと、冷媒出口を有すると共に他方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した出口側ヘッダタンクと、が配設される。
前記冷媒流通チューブの軸方向他端側に、前記一対のチューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した1個の中間ヘッダタンクが配設される。
【0009】
そして、第1の発明では、入口側ヘッダタンクと、出口側ヘッダタンクと、を別体に、かつ、相互に間隔をあけて配設した。
また、第2の発明では、入出側ヘッダタンクの、入口側ヘッダタンクと、出口側ヘッダタンクと、を、断熱層を介して一体に形成した。
また、第3の発明では、入出側ヘッダタンクの、入口側ヘッダタンクと、出口側ヘッダタンクと、を一体に形成し、かつ、前記冷媒入口と前記冷媒出口とを、前記各タンクの冷媒流通チューブ積層方向の相反する側の各端部に形成した。
【発明の効果】
【0010】
第1〜第3の発明に共通の構成において、
冷媒入口から入口側ヘッダタンク内に導入した冷媒が、入口側のチューブ群の冷媒流通チューブを通って中間ヘッダタンク内に至り、該中間ヘッダタンクから出口側のチューブ群の冷媒流通チューブを通って出口側ヘッダタンク内に至り、前記冷媒出口から流出するカウンターフロー式の冷媒流路が形成される。
【0011】
かかる冷媒流路形態により、熱交換器の送風路断面全領域において入口側チューブ群の温度と出口側チューブ群の温度とを平均した温度が、均一化されるので、熱交換器を通過後の暖房空気の温度分布が均一化される。
そして、第1の発明では、入口側ヘッダタンクと、出口側ヘッダタンクとが別体で形成され、かつ、相互に間隔をあけて配設されるため、入口側ヘッダタンク周辺の高温な冷媒と、出口側ヘッダタンク周辺の低温な冷媒との熱交換が抑制されて熱効率を良好に維持できる。
【0012】
また、第2の発明では、断熱層の介在によって入口側ヘッダタンク周辺の高温な冷媒と、出口側ヘッダタンク周辺の低温な冷媒との熱交換が抑制されて熱効率を良好に維持でき、かつ、両タンクを一体に形成することにより強度が向上すると共に、熱交換器の組立性が向上する。
また、第3の発明では、最も高温となる冷媒入口と最も低温となる冷媒出口とが両タンク間の最も離れた位置に形成されるため、これら温度差が大きい領域間での熱交換を抑制されて熱効率を良好に維持でき、かつ、両タンクを一体に形成することにより強度が向上すると共に、熱交換器の組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る車室内熱交換器を備えた車両用空調装置における冷媒回路の概要を示す図。
【図2】第1の実施形態にかかる車室内熱交換器の斜視図。
【図3】第1実施形態にかかる車室内熱交換器の要部横断面図。
【図4】第2の実施形態にかかる車室内熱交換器の斜視図。
【図5】第2実施形態にかかる車室内熱交換器の要部横断面図。
【図6】第3の実施形態にかかる車室内熱交換器の斜視図。
【図7】第3実施形態にかかる車室内熱交換器の要部横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る車室内熱交換器を備えた車両用ヒートポンプ装置(空調装置)における冷媒回路の概要を示す。
該空調装置は、車室内の送風路51に配設された車室内熱交換器1、車室外に配設された車室外熱交換器2、4方切換弁3、コンプレッサ4、並列接続された膨張弁5A,5B及び逆止弁6A,6Bを、冷媒配管7を介して循環接続して構成される。
【0015】
車室内送風路51にはファン52が配設され、車室内空気をファン51によって送風し、車室内熱交換器1を経由して循環させて冷房または暖房を行うようになっている。
暖房時には、4方弁3が図示実線状態に切換えられ、コンプレッサ4で加圧された冷媒は、4方弁3を介して車室内熱交換器1に流入し、車室内空気と熱交換(放熱)して凝縮液化される。この熱交換によって、車室内空気は加熱される。加熱された車室内空気は、ファン51によって車室内に送風され、車室内を暖房する。
【0016】
そして、液冷媒は、逆止弁6Aを通って膨張弁5Bに至り、減圧され霧状となって車室外熱交換器2に流入し、外気と熱交換(吸熱)して気化(ガス化)された後、コンプレッサ4の吸入口に戻されて再度加圧されるサイクルが繰り返される。
また、冷房時には、コンプレッサ4の駆動により加圧された冷媒は、図示点線状態にある4方弁3を介して車室外熱交換器2に流入し、外気と熱交換(放熱)してガス冷媒が凝縮液化される。この液冷媒は、逆止弁6Bを通って膨張弁5Aに至り、減圧され霧状となって車室内熱交換器1に流入する。
【0017】
霧状の冷媒は車室内空気と熱交換(吸熱)して蒸発してガス状となり、車室内空気を冷却する。冷却された車室内空気は、ファン51によって車室内に送風され、車室内を冷房する。ガス状の冷媒は、コンプレッサ4の吸入口に戻されて再度加圧されるサイクルが繰り返される。
上記のように、暖房時にコンデンサとして作動する車室内熱交換器1が、以下のように構成されている。なお、熱交換器1は、暖房時にコンデンサとして作動するときと、冷房時にエバポレータとして作動するときとで、冷媒流通方向が逆となるが、以下ではコンデンサとして作動するときの冷媒流通方向で説明する。
【0018】
図2〜図4は、車室内熱交換器1の第1の実施形態を示す。
扁平な通路断面を有する複数の冷媒流通チューブ11を、上下方向にコルゲートフィン12を介して積層した1対のチューブ群13A,13Bが形成され、これら1対のチューブ群13A,13Bを相互に対向させて、送風路1の送風方向に間隔を開けて2列配設されている。各冷媒流通チューブ11とコルゲートフィン12とは、ろう付け等により固定されている。
【0019】
前記2列のチューブ群13A,13Bのチューブ軸方向両側に、冷媒流通チューブ11の積層方向に延びるヘッダタンクが、それぞれ配設されている。
前記チューブの軸方向一方の側(図示左側)に配設されるヘッダタンクは、入口側ヘッダタンク14Aと出口側ヘッダタンク14Bとで別体に形成され、かつ、相互に間隔をあけて配設されている。入口側ヘッダタンク14A及び出口側ヘッダタンク14Bは、例えば、円形パイプ部材の上下端面を蓋部材で閉塞し、かつ、後述するように、各冷媒流通チューブ11の端部を挿入するための複数の孔を開口した形状を有する。
【0020】
入口側ヘッダタンク14Aには、送風方向下流側のチューブ群13Aの各冷媒流通チューブ11の一端部が対応する孔に挿入されてタンク内部と連通され、ろう付け等によって固定されている。
入口側ヘッダタンク14Aの上部には、外部の上流側冷媒配管7と接続される冷媒入口管14aがタンク内部と連通してろう付けにより連結されている。
【0021】
出口側ヘッダタンク14Bには、送風方向上流側のチューブ群13Bの各冷媒流通チューブ11の一端部が対応する孔に挿入されてタンク内部と連通され、ろう付け等によって固定されている。
出口側ヘッダタンク14Bの下端部には、外部の下流側冷媒配管7と接続される冷媒出口管14bがタンク内部と連通してろう付けにより連結されている。
【0022】
冷媒入口管14a及び冷媒出口管14bは、それぞれ先端部が車室内送風路50の通路壁を気密に貫通し、車室外にて外部の上流側冷媒配管7及び下流側冷媒配管7と接続されるように形成されている。
また、チューブの軸方向他方の側(図示右側)に配設される中間ヘッダタンク15は、1個のタンクで形成され、両チューブ群13A,13Bの全ての冷媒流通チューブ11の端部を、対応して形成された孔内に挿入し、連通させてろう付け等により固定している。
【0023】
このように構成された車室内熱交換器1において、暖房時にコンデンサとして作動するときの冷媒の流れを、図3を参照して説明する。
上流側の冷媒配管7から冷媒入口管14aを介して入口側ヘッダタンク14A内に流入した高圧・高温のガス状冷媒は、該入口側ヘッダタンク14A内を拡散しつつチューブ群13Aの各冷媒流通チューブ11を通って反対側の中間ヘッダタンク15内に至る。
【0024】
中間ヘッダタンク15内で合流した冷媒は、逆方向にターンし、送風方向上流側のチューブ群13Bの各冷媒流通チューブ11を通って出口タンク14B内に至り、冷媒出口管14bから下流側の冷媒配管7へ流出する。
冷媒は、上記のように2つのチューブ群13A,13Bの各冷媒流通チューブ11を通る間に、これら各チューブ11の外表面に接触しつつ流通する送風空気と熱交換して放熱されると共に、同じく外表面に接触する送風空気によって冷却されるコルゲートフィン12と熱交換して放熱されることにより、効率よく冷却されて凝縮液化される。
【0025】
そして、かかるカウンターフロー式の冷媒流路により、送風方向下流側のチューブ群13Aにおいて高温なガス状冷媒が高密度で流通する冷媒入口に近い領域と、送風方向上流側のチューブ群13Bにおいて凝縮された低温な液冷媒が流通する冷媒出口に近い領域とが、送風方向に重なり合う。
一方、反対側の中間ヘッダタンク15に近づくほど送風方向下流側及び上流側の各チューブ群13A,13Bを流通する冷媒温度(又は気液割合)の差が縮小する。
【0026】
即ち、送風路断面の全領域において、送風方向下流側チューブ群13Aの冷媒温度(気液割合)と上流側チューブ群13Bの冷媒温度(気液割合)との平均値(平均温度又は平均気液割合)が均一化される。これにより、車室内熱交換器1を通過して熱交換しつつ車室内へ送風される暖房空気の温度が均一化され、快適な暖房を行うことができる。
【0027】
ところで、コンデンサとして作動する車室内熱交換器1では、既述したように冷媒入口周辺と、冷媒出口周辺との温度差が特に大きい。
例えば、エンジン冷却水を用いたヒータコアによる車室内暖房の場合、空気との熱交換による出入口温度差は10℃程度(顕熱変化)であり、また、車室内熱交換器1を冷房時にエバポレータ(エバポレータ)として使用する場合も、出入口温度差は10℃程度(潜熱変化)である。
【0028】
これに対し、車室内熱交換器1をコンデンサとして作動させる場合、冷媒は、入口側では高温な完全ガス状態で流入し、出口側では放熱されて凝縮した低温な液状態で流出し、出入口温度差は30℃程度(潜熱変化)にもなってしまう。
このように温度差が大きい入口側と出口側とで熱交換が行われると、出口側の液化した低温な冷媒が入口側の高温なガス状冷媒によって再加熱され、熱交換効率が低下してしまう。
【0029】
そこで、本第1の実施形態では、入出側ヘッダタンクを、入口側ヘッダタンク14Aと出口側ヘッダタンク14Bとで別体に形成し、間隔を開けて配設した。
これにより、入口側ヘッダタンク14A内の高温なガス状冷媒と、出口側ヘッダタンク14B内の冷却された低温な液冷媒との間での熱交換を効果的に抑制でき、熱効率の低下を十分に抑制できる。
また、冷媒入口管14a及び冷媒出口管14bを、車室外で冷媒配管7と接続する構成としたため、該接続の緩み、外れ等の事態を生じた場合でも、冷媒が車室内に漏出して乗員に影響を及ぼすことを回避できる。
【0030】
また、冷媒出口管14bを出口タンク14Bの下端部に配設したため、液冷媒及び冷媒中に含有させたオイルが、スムーズに冷媒出口管14bから流出し、出口タンク14Bの下部に滞留することを防止でき、良好な熱効率を維持できる。
図4及び図5は、第2の実施形態を示し、冷媒の入出側ヘッダタンク21を一体化したものである。
【0031】
第1の実施形態同様、円形パイプ部材(押し出しによる成形でも可能)で形成された入口側ヘッダタンク部材21Aと出口側ヘッダタンク部材21Bを、これらの円形断面相互に外接する1対のプレート21C、21Dで連結し、上下端の外形断面全体を蓋部材で閉塞した形状として一体化する。その他の構成は、第1の実施形態と同様であり、冷媒入口管21a及び冷媒出口管21bは、一体化された入出側ヘッダタンク21の対応する位置に接続される。
【0032】
このように一体化すると、入口側ヘッダタンク部材21A及び出口側ヘッダタンク部材21Bの隣接する壁部と、1対のプレート21C、21Dと、上下端の蓋部材とで囲まれる空間が空気断熱層22として介在する。したがって、一体化したタンクにおいても、この空気断熱層22の介在によって、入口側ヘッダタンク部材21A内の高温なガス状冷媒と出口側ヘッダタンク部材21B内の低温な液冷媒との間での熱交換を極力抑制することができ、熱効率を良好に維持できる。
【0033】
また、入口側ヘッダタンクと出口側ヘッダタンクを、入出側ヘッダタンク21として一体化することによりタンクの強度が向上すると共に、両チューブ群13A、13Bがチューブ軸方向の両側でそれぞれ一体化されたタンクに連結支持されることにより、熱交換器1全体の強度が向上する。
また、タンクを一体化したことにより、両チューブ群13A,13Bの冷媒流通チューブ11を入口側ヘッダタンク部材21A及び出口側ヘッダタンク部材21Bに同時に組み付けることが可能となって熱交換器の製造効率が向上する。
【0034】
図6及び図7は、第3の実施形態を示し、冷媒の入出口側ヘッダタンクを一体化した別の形態でを示す。
入出口側ヘッダタンク31は、中間ヘッダタンク15と同様の外形を有する箱型に一体化して形成され、タンク内部空間が仕切壁32により、入口側のチューブ群13Aが連通して接続される入口側ヘッダタンク31Aと、出口側のチューブ群13Bが連通して接続される出口側ヘッダタンク31Bとに画成されている。
【0035】
ここで、入口側ヘッダタンク31Aの上端部に冷媒入口管31aが連結されると共に、出口側ヘッダタンク31Bの下端部に冷媒出口管31bが連結される。
ここで、冷媒入口管31a周辺の領域は、高温なガス状冷媒が流入される直後の部分であるから最も高温となり、一方、冷媒出口管31b周辺の領域は、チューブ群13Bの各冷媒流通チューブ11から冷却された液冷媒が流出して合流することにより最も低温となる。
【0036】
そして、冷媒入口管31aと冷媒出口管31bを、入出側ヘッダタンク31の最も離れた対角位置に配置したことにより、上記のように熱交換器の中で最も高温となる領域と最も低温となる領域とを、可能な限り遠ざけることができる。したがって、これら高温領域と低温領域間での熱交換が抑制され、良好な熱効率を維持できる。
また、入出側ヘッダタンク31として一体化することによりタンクの強度が向上すること、両チューブ群13A、13Bがチューブ軸方向の両側でそれぞれ一体化されたタンクに連結支持されることにより熱交換器1全体の強度が向上すること、及び、両チューブ群13A,13Bの冷媒流通チューブ11をそれぞれ一体化されたタンクに同時に組み付けることが可能となって熱交換器の製造効率が向上することは、第2の実施形態と同様である。
【0037】
さらに、例えば、入出口側ヘッダタンク31Aと中間ヘッダタンク31Bとを、同様の外形を有した部材を用いて汎用化し、別体の仕切り板を連結して仕切壁32を形成することにより、コスト低減を図れる。
【0038】
以上示した実施形態では、車室内熱交換器1をコンデンサとエバポレータとに作動を切換えられる構成としたが、コンデンサとエバポレータとを車室内送風路に別個に備え、冷暖房に応じて切換える構成としたシステムのコンデンサに本発明にかかる構成を適用することもできる。
また、コルゲートフィンの代わりに、各冷媒流通チューブを貫通させる平板状フィンを上下方向に多数列配設した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…車室内熱交換器、2…車室外熱交換器、7…冷媒配管、11…冷媒流通チューブ、13A,13B…チューブ群、14A…入口側ヘッダタンク、14B…出口側ヘッダタンク、14a…冷媒入口管、14b…冷媒出口管、15…中間ヘッダタンク、21A…入口側ヘッダタンク部材、21B…出口側ヘッダタンク部材、21C,21D…プレート、21a…冷媒入口管、21b…冷媒出口管、31…入出口側ヘッダタンク、31A…入出口側ヘッダタンク、31a…冷媒入口管、31b…冷媒出口管、32…仕切壁、51…送風路、52…ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内の送風路に配設され、少なくともコンデンサとして機能する車両用ヒートポンプ装置の熱交換器であって、
複数の冷媒流通チューブを積層した1対のチューブ群を、相互に対向させて前記送風路の送風方向に並べて配設し、
前記冷媒流通チューブの軸方向一端側に、
冷媒入口を有すると共に一方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した入口側ヘッダタンクと、
冷媒出口を有すると共に他方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した出口側ヘッダタンクと、
を別体に、かつ、相互に間隔をあけて配設し、
前記冷媒流通チューブの軸方向他端側に、前記一対のチューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した1個の中間ヘッダタンクを配設したこと
を特徴とする車室内熱交換器。
【請求項2】
車室内の送風路に配設され、少なくともコンデンサとして機能する車両用ヒートポンプ装置の熱交換器であって、
複数の冷媒流通チューブを積層した1対のチューブ群を、相互に対向させて前記送風路の送風方向に並べて配設し、
前記冷媒流通チューブの軸方向一端側に、
冷媒入口を有すると共に一方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した入口側ヘッダタンクと、
冷媒出口を有すると共に他方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した出口側ヘッダタンクと、
を、断熱層を介して一体に配設し、
前記冷媒流通チューブの軸方向他端側に、前記一対のチューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した1個の中間ヘッダタンクを配設したこと
を特徴とする車室内熱交換器。
【請求項3】
車室内の送風路に配設され、少なくともコンデンサとして機能する車両用ヒートポンプ装置の熱交換器であって、
複数の冷媒流通チューブを積層した1対のチューブ群を、相互に対向させて前記送風路の送風方向に並べて配設し、
前記冷媒流通チューブの軸方向一端側に、
冷媒入口を有すると共に一方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した入口側ヘッダタンクと、
冷媒出口を有すると共に他方の前記チューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した出口側ヘッダタンクと、
を、一体に配設し、
かつ、前記冷媒入口と前記冷媒出口とを、前記各タンクの前記冷媒流通チューブ積層方向の相反する側の各端部に形成し、
前記冷媒流通チューブの軸方向他端側に、前記一対のチューブ群の各冷媒流通チューブを連通して接続した1個の中間ヘッダタンクを配設したこと
を特徴とする車室内熱交換器。
【請求項4】
前記複数の冷媒流通チューブは上下方向に配設され、前記冷媒出口は、前記出口側ヘッダタンクの下端部に配設された請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車室内熱交換器。
【請求項5】
前記冷媒入口及び前記冷媒出口は、外部の冷媒配管と車室外で接続される請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の車室内熱交換器。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230655(P2011−230655A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102876(P2010−102876)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】