説明

車載機器用アンテナ

【課題】 部品点数を減らし、コストを抑えた車載機器用のアンテナを提供する。
【解決手段】 車両のインストルメントパネルに組み付けられる車載機器に設けられる逆F型のアンテナであって、金属製の操作パネル20と一体的に形成され、操作パネル20をグランド部として使用する放射素子11と、放射素子11に対し無線信号を供給するための給電線12とを備えた構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナの構造に関し、特に、車載用オーディオ等に適用されるアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は従来のシャーシ全体を示す図、図6は従来の操作パネルを図示しており、車載オーディオ用のアンテナの取り付け構造を示す図である。車載オーディオ用アンテナは、アンテナASSY32を操作パネル30の外装シャーシにビス止めする構造となっている。アンテナASSY32は、専用の板金(アンテナエレメント)に同軸線が半田付けされた形状を有している。
【0003】
このように、従来のアンテナは、専用の板金を実装させる必要があり、マウントにも別途ビスが必要である。従って、アンテナと、マウント金具と、ビスの3点が必須であり、部品点数の増加、コストアップが避けられない。
【0004】
携帯電話等においては、例えば、特許文献1,2に示すように、筐体内部の基板や補強金具等をアンテナとして用いる例が知られている。携帯電話においては、ワイドバンドアンテナが必要なため、その性能を実現すべく、筐体内部に専用のアンテナエレメントを有している。従って、筐体は、専用のアンテナエレメントの電波を遮らないように、非金属を用いている。
【0005】
しかし、車載オーディオ等の車載機器においては、外周が板金(シャーシ)で囲まれている。従って、基板や補強金具等をアンテナとして用いると、電波の放射効率が下がってしまうため、車載機器に同様の技術を適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−128940
【特許文献2】WO2010/035317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記背景に鑑み、部品点数を減らし、コストを抑えた車載機器用のアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車載機器用アンテナは、車両のインストルメントパネルに組み付けられる車載機器に設けられる逆F型のアンテナであって、金属製の操作パネルと一体的に形成され、前記操作パネルをグランド部として使用する放射素子と、前記放射素子に対し無線信号を供給するための給電線とを備えた構成を有する。
【0009】
本発明は、車内用無線通信にはワイドバンドは必要ないことに着目し、GND(金属筐体)を利用して放射できる性質を有するナローバンドの逆F型アンテナを、操作パネルの一部を利用して構成する特徴を有する。本発明の構成により、アンテナASSY32が不要となり、部品点数を減らしてコストを抑えることができる。
【0010】
本発明の車載機器用アンテナにおいて、前記放射素子は、前記操作パネルのパネル面の端部からパネル面前方に折り曲げられた部分に形成された構成を有する。
【0011】
本発明の車載機器用アンテナにおいて、前記給電線は、前記操作パネルと一体的に形成された凸部を折り曲げて、前記放射素子に固定してもよいし、半田によって前記放射素子に固定してもよい。この構成により、簡易かつ確実に給電線を固定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アンテナASSYが不要となり、部品点数を減らしてコストを抑えることができるというすぐれた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態の車載機器用アンテナを備えた操作パネルを表面から見た図
【図2】放射素子の拡大図
【図3】車載機器用アンテナの製造段階の構成を示す図
【図4】給電ケーブルの取付部を上側から見た図
【図5】従来のシャーシを示す全体図
【図6】従来の操作パネルのシャーシと車載オーディオ用のアンテナの取り付け構造を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態の車載機器用アンテナ10について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態の車載機器用アンテナ10を備えた操作パネルを表面から見た図である。金属製の操作パネル20を構成するシャーシの一部がアンテナ形状に打ち抜かれ、放射素子11が構成されている。
【0015】
図2は、放射素子11の拡大図である。図2に一点鎖線で示すように、放射素子11には給電ケーブル(給電線)12が接続されている。
【0016】
図3は、車載機器用アンテナ10の製造段階での構成を示す図である。製造段階においては、放射素子11は、2つの凸部13を有する。この凸部13は、給電ケーブル12を取り付ける取付部の役割を有する。凸部13を下側に折り曲げ、給電ケーブル12をかしめることによって給電ケーブル12をアンテナに取り付ける。
【0017】
図4は、給電ケーブル12の取付部を上側から見た図である。図4に示すように、2つの凸部13を折り返して給電ケーブル12を取り付ける際に、それぞれの凸部13を給電ケーブル12のHOT14とGND15に取り付ける。これにより、逆F型アンテナを構成する。
【0018】
本実施の形態の車載機器用アンテナ10は、操作パネル20の一部を放射素子11とし、給電ケーブル12を接続することにより逆F型アンテナを構成するので、アンテナASSYが不要となり、部品点数を減らしてコストを抑えることができる。
【0019】
以上、本発明の車載機器用アンテナについて実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。上記した実施の形態では、2つの凸部13を折り曲げ、給電ケーブル12をかしめて固定する例について説明したが、給電ケーブル12は半田によって固定することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、部品点数を減らしてコストを抑えることができるというすぐれた効果を有し、車載機器用アンテナ等として有用である。
【符号の説明】
【0021】
10 車載機器用アンテナ
11 放射素子
12 給電ケーブル
13 凸部
14 HOT
15 GND
20 操作パネル
30 操作パネル
32 アンテナASSY

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルに組み付けられる車載機器に設けられる逆F型のアンテナであって、
金属製の操作パネルと一体的に形成され、前記操作パネルをグランド部として使用する放射素子と、
前記放射素子に対し無線信号を供給するための給電線と、
を備えた車載機器用アンテナ。
【請求項2】
前記放射素子は、前記操作パネルのパネル面の端部からパネル面前方に折り曲げられた部分に形成されている請求項1に記載の車載機器用アンテナ。
【請求項3】
前記給電線は、前記操作パネルと一体的に形成された凸部を折り曲げて、前記放射素子に固定されている請求項1または2に記載の車載機器用アンテナ。
【請求項4】
前記給電線は、半田によって前記放射素子に固定されている請求項1または2に記載の車載機器用アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−191435(P2012−191435A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53179(P2011−53179)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】