説明

車載用前照灯点灯装置

【課題】自動半田付けロボットを用いて入出力カプラが半田付けしやすい端子構成で、入出力カプラの実装スペースを低減させることができる車載用前照灯点灯装置を提供する。
【解決手段】バッテリー電源E1の接続に用いられ、4本の端子21が並設された入出力カプラ2と、出力カプラ35と、入出力カプラ2が実装され、出力カプラ35を介して前照灯にランプ電力を供給する点灯回路部33を構成する実装基板3とを備え、実装基板3は、端子21の一端が挿通するスルーホール34を有しており、端子21の一端はスルーホール34に挿通し、実装基板3の表面側において半田付けされ、スルーホール34は、実装基板3の外周縁に沿って、外側スルーホール34b,34dと、内側スルーホール34a,34cとを交互に繰り返す千鳥状となるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用前照灯点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の前照灯を点灯させる車載用前照灯点灯装置に具備される端子は、バッテリーの正極,負極が接続される2端子からなる入力端子と、負荷である前照灯(ランプ)に接続される出力端子とで構成されている。また、入力端子と出力端子とを別体に構成し、入力端子を具備する入力カプラと、出力端子を具備する出力カプラとを備えた車載用前照灯点灯装置も提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12(a)に、従来の車載用前照灯点灯装置100の分解斜視図を示す。車載用前照灯点灯装置100は、金属のケースボディ101内に、点灯回路部103が収納されることで構成されている。
【0004】
ケースボディ101は、一面が開口した矩形箱状に形成され、側壁に開口した孔101aを閉塞するように、入力カプラ102が設けられる。
【0005】
点灯回路部103は、前照灯の点灯回路を構成する回路部品103aと、出力カプラ103bと、回路部品103aおよび出力カプラ103bが実装される実装基板103cとで構成されている。また、図12(b)に示すように、入力カプラ102には一対の入力端子102aが設けられ、実装基板103cには各入力端子102aが挿通される一対のスルーホール103dが設けられている。そして、ケースボディ101内において、スルーホール103dに入力カプラ102の入力端子102aが各々挿通した状態で半田付けされることで、電気的に接続される。
【0006】
そして、点灯回路部103は、入力カプラ102を介してバッテリーから供給される直流電力を変換してランプ電力を生成し、出力カプラ103bを介して前照灯にランプ電力を供給する。
【0007】
また、車載用前照灯点灯装置100は、ケースボディ101の開口を覆う、カチオン塗装されたフランジ104が設けられており、フランジ104を用いて、前照灯の灯具本体に取り付けることができる。
【0008】
また、ケースボディ101とフランジ104との間に枠状の防水シール材105が設けられている。この防水シール材105は、弾性体で形成され、ケースボディ101とフランジ104との隙間を閉塞することによって、気密性・防水性を向上させることができる。
【0009】
このような車載用前照灯点灯装置100を組み立てる過程において、入力カプラ102の入力端子102aと、実装基板103cとを半田付けする際に自動半田付けロボットを用いる。
【0010】
図13(a)〜(g)を用いて、自動半田付けロボットの概略動作を説明する。
【0011】
この自動半田付けロボットは、一対の半田コテ201を用いて半田付けを行う。この半田コテ201は、互いの半田コテ201の先端部を接合した状態で約V字状になるように形成されており、半田コテ201の先端部同士が開閉自在に構成されている。
【0012】
まず、半田コテ201を加熱する(図13(a))。
【0013】
次に、半田コテ201の先端部を開き、半田コテ201を基板103cに近づける(図13(b))。そして、半田コテ201の上方から、半田コテ201に糸半田202aを近づける(図13(c))。
【0014】
再び、半田コテ201の先端部を閉じて、糸半田202aの先端を挟み込んで溶解し、溶解半田202bが半田コテ201の接合部上方に生成される(図13(d))。
【0015】
この状態で半田コテ201の先端部を開き、溶解半田202bが半田コテ201同士の当接面を伝って下降する(図13(e))。
【0016】
溶解半田202bが基板202に到着した状態で、半田コテ201の先端部を閉じて、溶解半田202bを基板202に付着させる(図13(f))。
【0017】
そして、半田コテ201を上昇させることで、基板202上の溶解半田202bが冷却し、冷却半田202cが生成され、基板202への半田付けが完了する(図13(g))。
【0018】
また、図14に示すように、車両300に搭載され、前照灯点灯装置301に異常が発生した際に、外部機器(図示なし)に異常報知信号S101を出力し、ユーザーに異常を報知する機能を有する前照灯点灯装置301がある。
【0019】
前照灯点灯装置301は、バッテリー電源302とイグニッション電源303(IGN電源)が電源として接続されており、ランプ電力を生成してすれ違い用前照灯304に供給することで、すれ違い用前照灯304を点灯させる。また、前照灯点灯装置301は、すれ違い用前照灯304の負荷異常を検知した際に、外部機器に異常報知信号S101を出力することで、ユーザーに異常を報知する。
【0020】
また、近年、車両に用いる前照灯は、図15に示すように、ハロゲンランプやHIDランプの代わりにLEDランプ402が用いられている。車載用前照灯点灯装置401は、灯具403の下面部に取り付けられている。
【0021】
車載用前照灯点灯装置401に設けられた入出力カプラ401aは、Lowビームスイッチ電源,イグニッション電源,電源グランドが接続して電源供給される3つの入力端子を備えている。また、車載用前照灯点灯装置401が生成する異常報知信号を灯具403の外部に出力する必要があるため、車載用前照灯点灯装置401の入出力カプラ401aは、外部機器に接続され、異常報知信号を出力する1つの出力端子を備えている。すなわち、入出力カプラ401aは、3つの入力端子と1つの出力端子からなる4つの端子401bを備えている。
【0022】
図15に示す前照灯は3つのLEDランプ402を備えている。LEDランプ402は、放熱板402a上にLEDユニット402bが設けられており、LEDユニット402bは出力カプラ401cを介して車載用前照灯点灯装置401に接続されている。また、LEDランプ402は、反射板402cとレンズ402dとからなる光学ユニット402eを備えており、LEDユニット402bが照射する光を光学ユニット402eを用いて、車両の前方に向かって照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2009−43671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
図13(a)〜(g)に示した自動半田付けロボットを用いて、実装基板103cに半田付けを行う場合、実装基板103cに半田コテ201を近接させる必要がある。そのため、実装基板103c上の半田付けする周囲に回路部品や入出力カプラの端子を設けることができないデッドスペースが必要であった。なお、図13に示した自動半田付けロボットでは、5mm程度のデッドスペースが必要となる。また、車載用前照灯点灯装置は、小型・軽量化が要求されており、入出力カプラの端子の実装スペースを狭くする必要があった。
【0025】
図12に示すように、2つの端子102aを備える入力カプラ102を実装基板103cに実装する場合、端子102a間のデッドスペースを確保することは容易である。しかし、端子の本数が増えた場合にデッドスペースを確保することが困難となり、端子の実装が困難となる。
【0026】
例えば、図15に示すように、入出力カプラ401aは4本の端子401bを備えているため、端子401b同士の端子間にデッドスペースを確保し、かつ端子401bの実装スペースを狭くすることが困難であった。図13に示した自動半田付けロボットを用いた場合、端子401bの端子間の距離を5mm以上にする必要があるため、端子401bの実装スペースが最低でも15mm必要となり、端子401bが占有する実装スペースが多くなってしまう。
【0027】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動半田付けロボットを用いて入出力カプラが半田付けしやすい端子構成で、入出力カプラの実装スペースを低減させることができる車載用前照灯点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の車載用前照灯点灯装置は、少なくとも外部電源の接続に用いられ、少なくとも4本以上の端子が並設された入出力カプラと、前照灯との接続に用いられる出力カプラと、前記入出力カプラが実装され、この入出力カプラを介して前記外部電源から供給される電力を変換してランプ電力を生成し、前記出力カプラを介して前記前照灯に前記ランプ電力を供給する点灯回路部を構成する実装基板とを備え、前記実装基板は、前記端子の一端が挿通するスルーホールを有しており、前記端子の一端は、前記実装基板の一面側から他面側に向かって前記スルーホールに挿通し、前記実装基板の他面側において半田付けされ、前記スルーホールは、前記実装基板の外周縁に沿って、前記実装基板の外周縁に近い外側スルーホールと、前記外側スルーホールに比べて前記実装基板の外周縁から遠い内側スルーホールとを交互に繰り返す千鳥状となるように形成されていることを特徴とする。
【0029】
この車載用前照灯点灯装置において、前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、前記第1の直流電源の低圧側が接続されるグランド端子とを含んでおり、前記第1の電源端子および前記グランド端子は、前記内側スルーホールに挿通し、前記実装基板は、金属製のケースに収納されており、前記実装基板のフレームグランドと前記ケースとを電気的に接続する金属材料を備えることが好ましい。
【0030】
この車載用前照灯点灯装置において、前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、1つ以上の前記第2の直流電源の各々の高圧側が接続される接続される第2の電源端子と、前記第1の電源端子および前記第2の電源端子の低圧側が接続されるグランド端子と、外部機器に信号を出力する信号出力端子とを含んでおり、前記第2の電源端子は、前記外側スルーホールに挿通し、前記信号出力端子は、前記端子の並設方向の一端に位置する外側スルーホールに挿通することが好ましい。
【0031】
この車載用前照灯点灯装置において、前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、1つ以上の前記第2の直流電源の各々の高圧側が接続される接続される第2の電源端子と、前記第1の直流電源の低圧側が接続されるグランド端子と、他の端子とを含んでおり、前記端子の並設方向において、前記第1の電源端子、前記第2の電源端子、前記グランド端子、他の端子の順に、各々の端子が挿通するスルーホールが形成され、前記第2の電源端子が挿通する前記スルーホール近傍に、前記グランド端子と電気的に接続されたグランドパターンが形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明では、自動半田付けロボットを用いて入出力カプラが半田付けしやすい端子構成で、入出力カプラの実装スペースを低減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態1の点灯装置の分解斜視図である。
【図2】同上の点灯回路部のブロック構成図である。
【図3】同上の点灯回路部のブロック構成図である。
【図4】(a)〜(c)同上の入出力カプラの外観図である。
【図5】同上の実装基板と入出力カプラの上面図である。
【図6】(a)〜(d)同上の実装基板のスルーホールの位置構成を示す概略図である。
【図7】サージの一例を示す波形図である。
【図8】(a)〜(d)サージの一例を示す波形図である。
【図9】実施形態2の実装基板3の概略図である。
【図10】実施形態3のスルーホール近傍の配線を示す図である。
【図11】実施形態4のスルーホール近傍の配線を示す図である。
【図12】(a)従来の点灯装置の分解斜視図である。(b)従来の入力カプラの斜視図である。
【図13】(a)〜(g)自動半田付けロボットの半田付け動作を示す概略図である。
【図14】従来の点灯装置のブロック構成図である。
【図15】前照灯の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
(実施形態1)
本実施形態の車載用前照灯点灯装置1(以下、点灯装置1と略称する。)の概略構成図を図1に示す。点灯装置1は、ケースボディ11と入出力カプラ2と実装基板3とフランジ12と防水シール材13とで構成されており、前照灯の灯具に設けられる。
【0036】
本実施形態の点灯装置1は車両に搭載されたバッテリーから電源供給される。本実施形態では、バッテリーからバッテリーフューズを介して点灯装置1に電源供給される経路と、バッテリーからイグニッションフューズとイグニッションキーに連動したスイッチとを介して点灯装置1に電源供給される経路との2経路がある。本発明では便宜上、バッテリーフューズを介して供給される電源をバッテリー電源E1(第1の電源)、イグニッションフューズおよびスイッチとを介して供給される電源をイグニッション電源E2(第2の電源)と称す。なお、バッテリーフューズの容量は、イグニッションフューズの容量よりも大きく、この構成は本発明の電源容量に相当し、バッテリー電源E1はイグニッション電源E2よりも電源容量が大きい。
【0037】
イグニッション電源E2は、イグニッションキーが操作され、エンジンが始動するとスイッチがオンし、バッテリーから点灯装置1に電源供給される。
【0038】
ケースボディ11は、一面が開口し、カチオン塗装され、アルミダイカストのような金属製の矩形箱状に形成されており、点灯回路部33を構成する実装基板3を内部に備えている。そして、ケースボディ11の開口を、カチオン塗装されたフランジ12で覆うことによって、実装基板3を収納している。また、フランジ12には、実装基板3に実装された出力カプラ35が挿通する開口部121が形成されており、点灯装置1を灯具に設けた際に、灯具内で出力カプラ35と光源4(図2参照)とを接続することができる。また、ケースボディ11とフランジ12との間には、枠状の防水シール材13が設けられている。この防水シール材13は、弾性体で形成され、ケースボディ11とフランジ12との隙間を閉塞することによって、気密性・防水性を向上させることができる。
【0039】
また、点灯装置1を灯具に設けた際に、灯具の外部で実装基板3とバッテリー電源E1,イグニッション電源E2,外部機器とを接続するために、ケースボディ11の側壁に入出力カプラ2が挿通する略矩形状の開口部111が設けられている。この開口部12は、入出力カプラ2の一端側が挿通し、2つのネジ112で入出力カプラ2をケースボディ11に固定することで閉塞される。
【0040】
入出力カプラ2は図4(a)〜(c)に示すように、4本の端子21が並設されている。なお、4本の端子21を個別に識別する場合は、端子21a,21b,21c,21dと称す。本実施形態では、各端子21a〜21dは、以下のように接続されている。端子21aは、バッテリー電源E1の正極(高圧側)に接続されている。端子21bは、イグニッション電源E2の正極(高圧側)に接続されている。端子21cは、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極(低圧側)に接続されている。そして、端子21a〜21cを介して点灯回路部33に電源供給している。また、端子21dは、外部機器に接続されており、点灯回路部33や負荷に異常が発生した場合、点灯回路部33から外部機器に異常報知信号S1が出力される。本実施形態では、端子21aが第1の電源端子に相当し、端子21bが第2の電源端子に相当し、端子21cがグランド端子に相当し、端子21dが信号出力端子に相当する。
【0041】
図2に点灯回路部33のブロック構成図を示す。
【0042】
点灯回路部33は、制御回路331と制御電源回路332と入力フィルタ部333とDC/DCコンバータ334と出力フィルタ部335とで構成されている。
【0043】
DC/DCコンバータ334は、電力変換部334aと電圧検出部334bと電流検出部335bとを備えている。そして、電力変換部334aは、図示しないトランスやスイッチング素子,ダイオード等で構成されており、入力フィルタ部333を介してバッテリー電源E1から供給されるバッテリー電圧V1を変換してランプ電圧V2を生成する。そして、電力変換部334aがランプ電圧V2を、出力フィルタ部335を介して光源4(前照灯)に供給することで、光源4が点灯する。
【0044】
本実施形態の光源4は、LEDユニットで構成されており、複数のLED素子41が直列接続することで構成されている。
【0045】
制御回路331は、DC/DCコンバータ334の動作を制御している。制御回路331は、ランプ電圧V2を検出する電圧検出部334bと、電力変換部334aの出力電流を検出する電流検出部334cとの検出結果を用いて、電力変換部334aのフィードバック制御を行っている。
【0046】
また、制御電源回路332は、イグニッション電源E2からバッテリー電圧V1が供給されると制御電圧V3を生成し、この制御電圧V3を制御回路331に供給することで、制御回路331が動作する。
【0047】
また、制御回路331は、点灯回路部33や負荷である光源4に異常が発生すると、端子21dを介して外部機器に異常報知信号S1を出力する。
【0048】
また、図3に示すように、LEDユニットの代わりにHIDランプ43を点灯させる点灯回路部33Aで構成されていてもよい。
【0049】
点灯回路部33Aは、制御回路331Aと制御電源回路332Aと入力フィルタ部333AとDC/DCコンバータ334Aと出力フィルタ部335AとDC/ACコンバータ336Aとで構成されている。
【0050】
始動時にDC/DCコンバータ334Aは、入力フィルタ部333Aを介して供給されるバッテリー電圧V1を変換して、略400Vの直流電圧V4を生成する。そして、DC/DCコンバータ334Aは、抵抗R1〜R3,出力カプラ35,出力ハーネス部350を介して光源4Aに内蔵されたイグナイタ部42に出力する。
【0051】
イグナイタ部42は、直流電圧V4から略30kVの高電圧パルスを生成して、HIDランプ43に印加することで、HIDランプ43が始動する。
【0052】
そして、HIDランプ43の点灯が開始すると、DC/DCコンバータ334Aは、バッテリー電圧V1を変換して、直流電圧V5を生成して、DC/ACコンバータ336Aに供給する。DC/ACコンバータ336Aは、直流電圧V5から数十Hz〜数百Hzの低周波電圧V6を生成し、出力フィルタ部335A,出力カプラ35,出力ハーネス部350を介してHIDランプ43に供給することで、HIDランプ43の点灯が維持される。
【0053】
また、制御回路331Aは、DC/DCコンバータ334AおよびDC/ACコンバータ336Aの動作を制御している。また、制御電源回路332Aは、イグニッション電源E2からバッテリー電圧V1が供給されることで制御電圧V3を生成し、この制御電圧V3を制御回路331Aに供給することで、制御回路331Aが動作する。
【0054】
そして、実装基板3の表面には、図2に示す点灯回路部33または図3に示す点灯回路部33Aを構成する回路素子が実装されている。また、実装基板3には、ケースボディ11に入出力カプラ2が取り付けられた状態で、入出力カプラ2の4本の端子21の一端が各々挿通する4つのスルーホール34が形成されている。なお、4つのスルーホール34を個別に識別する場合は、スルーホール34a,34b,34c,34dと称す。
【0055】
図4(a)〜(c)に示すように、入出力カプラ2は、略楕円状の筒部22と、この筒部22に挿通する4本の端子21と、筒部22の周部に形成された鍔部23とで構成されている。
【0056】
4本の端子21は、筒部22の長径方向(図4(a)におけるY方向)に、端子21a,21b,21c,21dの順に並設されている。
【0057】
筒部22の一端側は、ケースボディ11の開口部111に挿通し、鍔部23の一面がケースボディ11に当接することで位置決めされる。
【0058】
鍔部23には、長径方向の両端にネジ112が挿通する一対の挿通穴231が形成されている。そして、ネジ112を鍔部23の他面側から挿通穴231に挿通し、ケースボディ11に形成されたネジ穴113に螺合させることで、入出力カプラ2がケースボディ11に固定される。
【0059】
入出力カプラ2は、筒部22の他端側が図示しない入出力コネクタに嵌合することで、端子21a〜21dがバッテリー電源E1,イグニッション電源E2,外部機器に接続される。筒部22には、長径方向の両端に一対のガイド221が突設されており、入出力コネクタに嵌合する際に、ガイド221が入出力コネクタに形成されたガイド溝に嵌合することで互いの位置決めがされる。また、筒部22には、係止爪23が形成されており、この係止爪23が入出力コネクタに形成された係止穴に係止することで、入出力カプラ2と入出力コネクタとが互いに係止される。
【0060】
端子21は、筒部22の一端から他端まで挿通する第1の軸部211と、第2〜第4の軸部212〜214とで構成されている。第2〜第4の軸部212〜214は略U字状に形成されており、第2の軸部212と第4の軸部214とは略平行に形成され、第3の軸部213は、第2の軸部212と第4の軸部214との互いの端部を連結している。第2の軸部212は、第1の軸部211の一端から略直角方向に形成され、第3の軸部213は、第2の軸部212の一端から略直角方向に形成され、第4の軸部214は、第3の軸部213の一端から略直角方向に形成されている。そして、第4の軸部214の先端が、実装基板3の裏面側(一面側)からスルーホール34に挿通し、実装基板3の表面側(他面側)において、自動半田付けロボットを用いて半田付けされる(図13参照)。それによって、端子21が実装基板3に実装されて電気的に接続される。なお、以下、第4の軸部214の先端を、端子21の先端と称す。
【0061】
例えば、この自動半田付けロボットが半田付けする場合、半田付けする箇所の周囲において、半田コテ201の開閉方向に5mmのデッドスペースが必要であるとする。そして、端子21を実装する際に、半田コテ201がY方向に開閉する場合、従来のようにスルーホール34a〜34dの位置を1列に形成すると、各スルーホール34間の距離を5mm以上にする必要がある。すなわち、入出力カプラ2の端子21の実装長(スルーホール34aからスルーホール34dまでの距離)は、最低でも15mm以上必要となり、占有面積が大きくなる。そこで、本実施形態では、端子21およびスルーホール34を以下のように形成している。
【0062】
本実施形態の4本の端子21は、Y方向に向かって、端子21a,21b,21c,21dの順に並設されており、端子21a,21cの第3の軸部213は、端子21b,21dの第3の軸部213よりも長く形成されている。したがって、端子21の先端の位置は、Y方向に沿って千鳥状となるように形成されている。
【0063】
また、本実施形態のスルーホール34a〜34dは、実装基板3の外周縁に沿って、実装基板3の外周縁に近い外側スルーホールと、外側スルーホールよりも実装基板3の外周縁から遠い内側スルーホールとを交互に繰り返す千鳥状となるように形成されている。図5,図6(a)に示すように、スルーホール34a,34cは内側スルーホールを構成し、スルーホール34b,34dは外側スルーホールを構成している。
【0064】
このように、端子21a〜21dの先端の位置および、スルーホール34a〜34dは、千鳥状に形成されており、各端子21a〜21dの先端が各スルーホール34a〜34dに挿通する。
【0065】
スルーホール34を千鳥状に配置することによって、Y方向に隣接する内側スルーホール34a,34c間および、外側スルーホール34b,34d間のY方向の距離L2を、端子21間の距離L1の倍とすることができる。したがって、自動半田付けロボットを用いて半田付けする際に必要なY方向のデッドスペースが5mmの場合、距離L2を5mmとすればよい。すなわち、端子21間の距離L1(=1/L2)を2.5mmとすることができるので、端子21のY方向の実装長を7.5mmとすることができる。したがって、従来のようにスルーホール34を1列に配置した場合に比べて、端子21のY方向の実装長を半分とすることができ、入出力カプラ2の実装スペースを小さくすることができる。したがって、実装基板3を小さくすることができ、点灯装置1を小型化することができる。
【0066】
また、スルーホール34を千鳥状に形成することによって、半田ブリッジの発生を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では図6(a)に示すように、スルーホール34a,34cが内側スルーホールを構成し、スルーホール34b,34dが外側スルーホールを構成しているが、上記に限定されない。例えば、図6(b)に示すように、4つのスルーホール34A〜34DがY方向に千鳥状に配置され、スルーホール34B,34Dが内側スルーホールを構成し、スルーホール34A,34Cが外側スルーホールを構成するこでも上記同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、入出力カプラ2の端子21およびスルーホール34の数は4つに限定するものではなく点灯回路部33の構成に応じて5つ以上で構成されていてもよい。例えば、図6(c)に示すように、6つのスルーホール34a〜34fがY方向に千鳥状に形成され、スルーホール34a,34c,34eが内側スルーホールを構成し、スルーホール34b,34d,34fが外側スルーホールを構成していてもよい。また、図6(d)に示すように、6つのスルーホール34A〜34FがY方向に千鳥状に形成され、スルーホール34B,34D,34Fが内側スルーホールを構成し、スルーホール34A,34C,34Eが外側スルーホールを構成していてもよい。
【0069】
なお、図6(b)〜(d)に示したスルーホール34に入出力カプラ2の端子21を接続する場合、各々のスルーホール34の位置構成に対応した端子構成を備える入出力カプラ2を用いる必要がある。すなわち、内側スルーホール34に挿通する端子21の第3の軸部213の長さを、外側スルーホール34に挿通する端子21の第3の軸部213よりも長く形成された入出力カプラ2を用いる。
【0070】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置1の実装基板3のスルーホール34の位置構成は、図6(a)のように配置されており、実装基板3には図2に示した点灯回路部33が実装されている。本実施形態では、内側スルーホール34a,34cに挿通する端子21a,21cには、バッテリー電源E1の正極・負極が接続されることに特徴を有する。なお、実施形態1と同様の構成には、同一符号を付して説明は省略する。
【0071】
本実施形態の点灯装置1は、自動車等の車両に用いられる。車両に搭載される機器は、様々なサージやノイズが発生するため、サージやノイズの影響を受け難くする必要がある。
【0072】
サージとして車両に発生する正の高電圧パルスは、高周波パルス(イグニッションノイズ)とジャイアントパルス(正極性サージ)を加算したものであり、ジャイアントパルスはオルタネータの負荷が急減した場合に発生する。
【0073】
例えば、図7に示すように、JASO規格(日本自動車技術会規格)のA−1サージでは、入力電源端子にピーク電圧Vp(=70V)が印加されることとなる。また、図8(a)〜(d)に示すように、電源を誘導負荷から切り離すことによって生じる過渡電圧やスイッチングプロセスから発生する過渡電圧などのパルスも印加される。
【0074】
また、ノイズではハーネスに誘起するコモンモード妨害ノイズなどがあり、ノイズに対する強度の試験としてBCI(=Bulk Current Injection)試験がある。このBCI試験では、入力電源からコモンモードノイズを印加して機器が誤動作しないことを確認するものである。この試験においても各製造メーカーによって様々なスペックがある。例えば、印加するノイズの周波数は1〜2000MHzと幅広く、ノイズ電流は200mAというものもある。また、電磁界を照射する試験等もあり、200V/mといった強い磁界に対して、誤動作しないことを確認する試験もある。
【0075】
このようなサージやノイズに対する強度は、入出力カプラ2の端子配列による影響があり、端子配列が不適切である場合、信号出力端子にノイズが印加され誤動作するおそれがある。また、バッテリー電源E1に接続される端子は、輻射,伝導ノイズの影響も大きいため、その他の端子への影響を考慮する必要がある。
【0076】
そこで、本実施形態の入出力カプラ2の端子構成を説明する。
【0077】
本実施形態では、端子21aにバッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極、端子21bにイグニッション電源E2の正極、端子21cにバッテリー電源E1の正極、端子21dに外部機器が接続されている。したがって、本実施形態では、端子21aがグランド端子に相当し、端子21bが第2の電源端子に相当し、端子21cが第1の電源端子に相当し、端子21dが信号出力端子に相当する。
【0078】
内側スルーホール34a,34cには、イグニッション電源E2よりも電源容量が大きく、大きなノイズを発生させるDC/DCコンバータ334に接続するバッテリー電源E1が接続される端子21a,21cが接続される。したがって、図9に示すように、端子21a,21c(スルーホール34a,34c)とDC/DCコンバータ334との配線長を短くすることができ、輻射ノイズや注入ノイズの影響を低減させることができる。なお、図9にはDC/DCコンバータ334の主構成部品であるスイッチング素子Q1,トランスT1,コンデンサC1,ダイオードD1を示す。また、図9には、入力フィルタ部333の主構成部品である平滑コンデンサC2、イグニッション電源E2の入力フィルタの主構成部品である平滑コンデンサC3を示す。
【0079】
さらに、端子21a,21cは内側スルーホール34a,34cに接続されるので、入力フィルタ部333を構成するセラミックコンデンサを端子21a,21cの近傍に配置しやすく、ノイズカット効果が向上する。
【0080】
また、内側スルーホール34a,34cに挿通する端子21a,21cにバッテリー電源E1が接続されていれば、上記効果を得ることができる。したがって、端子21aにバッテリー電源E1の正極が接続し、端子21cにバッテリー電源E1およびイグニッション電源E2が接続されていてもよい。
【0081】
また、図6(b)に示すように4つのスルーホール34A〜34Dが配置されている場合、バッテリー電源E1に接続される端子を、内側スルーホール34B,34Dに接続することで、上記効果を得ることができる。
【0082】
また、図6(c)に示すように、6つのスルーホール34a〜34fが配置されている場合、バッテリー電源E1に接続される端子を、内側スルーホール34a,34c,34eのいずれかに接続することで、上記効果を得ることができる。同様に、図6(d)に示すように、6つのスルーホール34A〜34Fで形成されている場合、バッテリー電源E1に接続される端子を、内側スルーホール34B,34D,34Fのいずれかに接続することで、上記効果を得ることができる。
【0083】
また、図5に示すように、実装基板3には入出力カプラ2の端子21の近傍に挿通穴36が形成されており、挿通穴36の周縁にフレームGND37が形成されている。そして、金属材料で形成されたネジ(図示なし)を挿通穴36を介して、金属で形成されたケースボディ11に固定する。それによって、ネジの頭部とフレームGND37とが接触して、実装基板3のフレームGND37とケースボディ11とがネジを介して電気的に接続され、さらにノイズを低減させることができる。なお、フレームGND37とケースボディ11とを電気的に接続する方法は上記に限定されず、金属材料で形成されたバネなどを用いてもよい。
【0084】
(実施形態3)
本実施形態の点灯装置1の実装基板3のスルーホール34の位置構成は、図6(a)のように配置されている。本実施形態では、外側スルーホール34bに挿通する端子21bにはイグニッション電源E2の正極が接続され、外側スルーホール34dに挿通する端子21dには外部機器が接続されることに特徴を有する。なお、実施形態1と同様の構成には、同一符号を付して説明は省略する。
【0085】
本実施形態では、端子21aにバッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極、端子21bにイグニッション電源E2の正極、端子21cにバッテリー電源E1の正極、端子21dに外部機器が接続されている。したがって、本実施形態では、端子21aがグランド端子に相当し、端子21bが第2の電源端子に相当し、端子21cが第1の電源端子に相当し、端子21dが信号出力端子に相当する。
【0086】
本実施形態では、スルーホール34a〜34dのY方向の一端側に配置された外側スルーホール4dに挿通する端子21dに、外部機器が接続されている。また、内側スルーホール34a,34c間に配置された外側スルーホール34bに挿通する端子21bに、イグニッション電源E2の正極が接続されている。
【0087】
なお、本実施形態でも実施形態2と同様に、バッテリー電源E1が内側スルーホール34a,34cに接続されているので、実施形態2の効果を得ることができる。
【0088】
さらに、本実施形態では、イグニッション電源E2の正極が接続される端子21bおよび外部機器に接続される端子21dが、外側スルーホール34b,34dに接続される。また、バッテリー電源E1が接続される端子21a,21cが内側スルーホール34a,34cに接続される。すなわち、大きなノイズが発生する端子21a,21cを内側スルーホール34a,34cに接続することで、外側スルーホール34b,34dに接続される端子21b,21dは、図7,8に示したようなノイズやサージの影響を受けにくくすることができる。
【0089】
また、ノイズ等の影響を受けやすい異常報知信号S1を出力する端子21dを、Y方向の一端側に形成された外側スルーホール34dに接続することによって、他の端子21a〜21cによるノイズ等の影響をさらに抑制することができる。
【0090】
また、図12に示すように、内側スルーホール34cが実装基板3上で接続される電源パターン38を、外側スルーホール34d近傍から遠ざけることによって、外部機器が接続される端子21dが、さらにノイズ等の影響を受けにくくすることができる。
【0091】
なお、外部機器に接続される端子は、Y方向の他端側に配置された外側スルーホールに接続されていてもよい。例えば、図6(b)に示すように4つのスルーホール34A〜34Dが形成されている場合、内側スルーホール34B,34Dに、バッテリー電源E1の正極・負極が接続される端子(第1の電源端子・グランド端子)を接続する。そして、Y方向の他端側に配置された外側スルーホール34Aに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、内側スルーホール34B,34D間に配置された外側スルーホール34Cに、イグニッション電源E2の正極に接続される端子(第2の電源端子)を接続する。
【0092】
また、図6(c)に示すように、6つのスルーホール34a〜34fが形成されている場合、内側スルーホール34a,34c,34eのいずれかに、バッテリー電源E1の正極・負極が接続される端子(第1の電源端子・グランド端子)を接続する。そして、Y方向の一端側に配置された外側スルーホール34fに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、外側スルーホール34b,34dのいずれかに、イグニッション電源E2の正極に接続される端子(第2の電源端子)を接続する。それによって、上記同様の効果を得ることができる。
【0093】
同様に、図6(d)に示すように、6つのスルーホール34A〜34Fが形成されている場合、内側スルーホール34B,34D,34Fのいずれかに、バッテリー電源E1の正極・負極が接続される端子(第1の電源端子・グランド端子)を接続する。そして、Y方向の他端側に配置された外側スルーホール34Aに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、外側スルーホール34C,34Eのいずれかに、イグニッション電源E2の正極に接続される端子(第2の電源端子)を接続する。それによって、上記同様の効果を得ることができる。
【0094】
(実施形態4)
本実施形態の点灯装置1の実装基板3のスルーホール34の位置構成は、図6(a)のように配置されている。なお、実施形態1と同様の構成には、同一符号を付して説明は省略する。
【0095】
本実施形態では、端子21aにバッテリー電源E1の正極、端子21bにイグニッション電源E2の正極、端子21cにバッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極、端子21dに外部機器が接続されている。したがって、本実施形態では、端子21aが第1の電源端子に相当し、端子21bが第2の電源端子に相当し、端子21cがグランド端子に相当し、端子21dが他の端子(信号出力端子)に相当する。
【0096】
なお、本実施形態でも実施形態2と同様に、バッテリー電源E1が内側スルーホール34a,34cに接続されているので、実施形態2と同様の効果を得ることができる。また、実施形態3と同様に、外部機器がY方向の一端に配置された外側スルーホール34dに接続され、イグニッション電源E2の正極が外側スルーホール34bに接続されているので、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
【0097】
本実施形態の入出力カプラ2は、Y方向に、バッテリー電源E1の正極が接続される端子21a、イグニッション電源E2の正極が接続される端子21b、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極が接続される端子21cの順に設けられている。すなわち、バッテリー電源E1が接続される端子21a,21cとの間に設けられている端子21bにイグニッション電源E2の正極が接続されている。
【0098】
さらに、図11に示すように、スルーホール34bの近傍に、実装基板3上でスルーホール34cに接続されているGNDパターン39が形成されている。GNDパターン39は、スルーホール34bの一部を囲う円弧状のパターン(配線)を備えている。なお、実装基板3を積層基板で構成し、スルーホール34bの周囲全体にGNDパターン39を形成してもよい。
【0099】
このように、バッテリー電源E1の負極が接続されるスルーホール34cとイグニッション電源E2の正極が接続されるスルーホール34bとが隣接して配置され、GNDパターン38をスルーホール34bの近傍に形成する。それによって、スルーホール34bに接続する端子21bがノイズ等の影響を受けにくくすることができる。
【0100】
また、スルーホール34cのY方向の一端側には、端子21a〜21cを除く他の端子(本実施形態では端子21d)が挿通するスルーホール34dが配置されている。したがって、スルーホール34dを、バッテリー電源E1の正極が接続されるスルーホール34aから遠ざけると共に、バッテリー電源E1の負極が接続されるスルーホール34cに近接しているので、端子21dはノイズの影響を受けにくくすることができる。
【0101】
また、図5に示すように、スルーホール34cを実装基板3のフレームGND37に接続し、フレームGND37とケースボディ11と金属製のネジ等を用いて電気的に接続することで、GND電位が安定し、さらにノイズの影響を抑制することができる。
【0102】
また、バッテリー電源E1の正極,イグニッション電源E2の正極,バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極,外部機器の順に接続されるスルーホール34が形成されていればよい。例えば、図6(b)に示すように4つのスルーホール34A〜34Dが形成されている場合、以下のように構成する。内側スルーホール34Dに、バッテリー電源E1の正極が接続される端子(第1の電源端子)を接続する。外側スルーホール34Cに、イグニッション電源E2の正極が接続される端子(第2の電源端子)を接続する。内側スルーホール34Bに、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極に接続される端子(グランド端子)を接続する。外側スルーホール34Aに、外部機器が接続される端子(他の端子)を接続する。それによって、上記同様の効果を得ることができる。
【0103】
また、図6(c)に示すように、6つのスルーホール34a〜34fが形成されている場合、以下のように構成する。内側スルーホール34aに、バッテリー電源E1の正極が接続される端子(第1の電源端子)を接続する。外側スルーホール34bに、イグニッション電源E2の正極が接続される端子(第2の電源端子)を接続する。内側スルーホール34cに、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極に接続される端子(グランド端子)を接続する。外側スルーホール34fに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、外側スルーホール34d,内側スルーホール34eに、バッテリー電源E1よりも電源容量が小さい電源や信号線等が接続される他の端子が接続される。それによって、イグニッション電源E2の正極に接続される端子,外部機器に接続される端子,他の端子は、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
【0104】
または、図6(c)に示すように、6つのスルーホール34a〜34fが形成されている場合、以下のように構成してもよい。内側スルーホール34eに、バッテリー電源E1の正極が接続される端子(第1の電源端子)を接続する。外側スルーホール34dに、イグニッション電源E2の正極が接続される端子(第2の電源端子)を接続する。内側スルーホール34cに、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極に接続される端子(グランド端子)を接続する。外側スルーホール34fに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、内側スルーホール34a,外側スルーホール34bに、バッテリー電源E1よりも電源容量が小さい電源や信号線等が接続される他の端子が接続される。それによって、イグニッション電源E2の正極に接続される端子,他の端子は、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
【0105】
同様に、図6(d)に示すように、6つのスルーホール34A〜34Fが形成されている場合、以下のように構成する。内側スルーホール34Fに、バッテリー電源E1の正極が接続される端子(第1の電源端子)を接続する。外側スルーホール34Eに、イグニッション電源E2の正極が接続される端子(第2の電源端子)を接続する。内側スルーホール34Dに、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極に接続される端子(グランド端子)を接続する。外側スルーホール34Aに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、内側スルーホール34B,外側スルーホール34Cに、バッテリー電源E1よりも電源容量が小さい電源や信号線等が接続される他の端子が接続される。それによって、イグニッション電源E2の正極に接続される端子,外部機器に接続される端子,他の端子は、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
【0106】
または、図6(d)に示すように、6つのスルーホール34A〜34Fが形成されている場合、以下のように構成してもよい。内側スルーホール34Dに、バッテリー電源E1の正極が接続される端子(第1の電源端子)を接続する。外側スルーホール34Cに、イグニッション電源E2の正極が接続される端子(第2の電源端子)を接続する。内側スルーホール34Bに、バッテリー電源E1およびイグニッション電源E2の負極に接続される端子(グランド端子)を接続する。外側スルーホール34Aに、外部機器が接続される端子(信号出力端子)を接続する。また、外側スルーホール34E,内側スルーホール34Fに、バッテリー電源E1よりも電源容量が小さい電源や信号線等が接続される他の端子が接続される。それによって、イグニッション電源E2の正極に接続される端子,他の端子は、ノイズの影響を受けにくくすることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 点灯装置
2 入出力カプラ
3 実装基板
11 ケースボディ
12 フランジ
13 防水シール材
21a〜21d 端子
33 点灯回路部
34a〜34d スルーホール
35 出力カプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも外部電源の接続に用いられ、少なくとも4本以上の端子が並設された入出力カプラと、
前照灯との接続に用いられる出力カプラと、
前記入出力カプラが実装され、この入出力カプラを介して前記外部電源から供給される電力を変換してランプ電力を生成し、前記出力カプラを介して前記前照灯に前記ランプ電力を供給する点灯回路部を構成する実装基板とを備え、
前記実装基板は、前記端子の一端が挿通するスルーホールを有しており、
前記端子の一端は、前記実装基板の一面側から他面側に向かって前記スルーホールに挿通し、前記実装基板の他面側において半田付けされ、
前記スルーホールは、前記実装基板の外周縁に沿って、前記実装基板の外周縁に近い外側スルーホールと、前記外側スルーホールに比べて前記実装基板の外周縁から遠い内側スルーホールとを交互に繰り返す千鳥状となるように形成されていることを特徴とする車載用前照灯点灯装置。
【請求項2】
前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、
前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、前記第1の直流電源の低圧側が接続されるグランド端子とを含んでおり、
前記第1の電源端子および前記グランド端子は、前記内側スルーホールに挿通し、
前記実装基板は、金属製のケースに収納されており、
前記実装基板のフレームグランドと前記ケースとを電気的に接続する金属材料を備えることを特徴とする請求項1記載の車載用前照灯点灯装置。
【請求項3】
前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、
前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、1つ以上の前記第2の直流電源の各々の高圧側が接続される接続される第2の電源端子と、前記第1の電源端子および前記第2の電源端子の低圧側が接続されるグランド端子と、外部機器に信号を出力する信号出力端子とを含んでおり、
前記第2の電源端子は、前記外側スルーホールに挿通し、
前記信号出力端子は、前記端子の並設方向の一端に位置する外側スルーホールに挿通することを特徴とする請求項1または2記載の車載用前照灯点灯装置。
【請求項4】
前記外部電源は、第1の直流電源と、前記第1の直流電源より電源容量が小さい1乃至複数の第2の直流電源とで構成されており、
前記4本以上の端子は、前記第1の直流電源の高圧側が接続される第1の電源端子と、1つ以上の前記第2の直流電源の各々の高圧側が接続される接続される第2の電源端子と、前記第1の直流電源の低圧側が接続されるグランド端子と、他の端子とを含んでおり、
前記端子の並設方向において、前記第1の電源端子、前記第2の電源端子、前記グランド端子、他の端子の順に、各々の端子が挿通するスルーホールが形成され、
前記第2の電源端子が挿通する前記スルーホール近傍に、前記グランド端子と電気的に接続されたグランドパターンが形成されることを特徴とする請求項1または2記載の車載用前照灯点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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