説明

車載用室内照明装置のバルブソケット構造

【課題】給電端子を誤って変形さることなく、スムーズにバルブを装着することができるバルブソケット構造を提供する。
【解決手段】車載用室内照明装置を構成する樹脂製のハウジング10に、ウェッジベースバルブ21を装着するためのバルブ装着穴12が設けられ、そのバルブ装着穴の内部に、ウェッジベースバルブの電球部21aの下側に配されたベース部21bが挿入された際に該ベース部側の端子と接触導通する給電端子15が装備された車載用室内照明装置のバルブソケット構造において、バルブ装着穴12に、ウェッジベースバルブの電球部21aを外周から支持可能な支持筒部31を有し、且つ、給電端子15を保護しつつベース部側の端子に対して給電端子を接触させることの可能なスペーサ30を装着した。スペーサの支持筒部の内部に、ベース部を挿入する際に、ベース部21bを、挿入に従ってバルブ装着穴12内の適正位置に導くガイド斜面35を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の天井部分に設けられる車載用室内照明装置のバルブソケット構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8は特許文献1に記載された従来のバルブソケット構造を示す分解斜視図、図9はその要部の正面図である。このバルブソケット構造は、ウェッジベースバルブ120を装着するタイプのものであり、樹脂製のソケット本体(ハウジングに相当)100と、このソケット本体100のバルブ装着穴101内に固定された一対の給電端子110とを備え、一対の給電端子110にウェッジベースバルブ120のベース部122を装着できるようになっている。
【0003】
各給電端子110は、ソケット本体100の嵌合溝102に嵌合される基板部111と、この基板部111より折り曲げられた一対の挟持片112、112と、基板部111より折り曲げられた規制突起部113とを有している。一対の挟持片112、112は、その基端側が基板部111に固定され、その先端側が自由端であると共に、基端側と自由端の間で互いに近接する方向にくの字形状に屈曲されている。なお、規制突起部113は、挟持片112が過度に撓み変形しないように規制するものである。
【0004】
ウェッジベースバルブ120(以下、単に「バルブ」という)は、フィラメントが収容された電球部121と、電球部121の下側に一体に形成された偏平形状のベース部122とを有する。ベース部122には凹部123が対称に形成され、その凹部123に、給電端子110の一対の挟持片112、112のくの字形状屈曲部が係合することにより、ベース部122側の端子と給電端子110とが接触導通するようになっている。また、ベース部122の幅方向の中央部には、円柱状部分124が設けられている。
【0005】
このバルブソケット構造においては、バルブ120を装着する場合は、ベース部122を先端にして、バルブ120をソケット本体100のバルブ装着穴101に挿入する。すると、ベース部122の先端が、各給電端子110の一対の挟持片112、112の前端内面に当接する。この状態より更にバルブ120を挿入すると、一対の挟持片112、112の自由端側が互いに離間する方向に撓み変形し、バルブ120のベース部122の挿入が許容される。ベース部122の凹部123の位置が各挟持片122のくの字形状屈曲部の位置に一致するまで挿入すると、各挟持片112が近接する方向に撓み復帰し、ベース部122の凹部123に各挟持片112のへの字形状の屈曲部が嵌係合する。これにより、バルブ120の装着が完了し、バルブ120は、そのベース部122が各給電端子110の一対の挟持片112、112の撓み復帰力によって保持される。
【0006】
また、ウェッジベースバルブを光源として使用した照明装置の例として、特許文献2に記載の車載用室内照明装置が知られている。この車載用室内照明装置は、車両の天井板の室外側に設けられる機能部を有し、その機能部の本体を構成する樹脂製のハウジングに、斜めの姿勢でバルブを装着するバルブソケット構造が設けられている。
【特許文献1】特開平7−254466号公報
【特許文献2】特開2007−245795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したいずれの特許文献に記載のバルブソケット構造においても、ウェッジベースバルブをバルブ装着穴に挿入するときに、バルブのベース部をバルブ装着穴内の給電端子に衝突させ、給電端子を変形させてしまう可能性があった。特に、特許文献2の照明装置のバルブソケット構造のように、斜めにバルブを装着するものにおいては、挿入する角度がずれた場合、ベース部で給電端子を変形させてしまいやすかった。
【0008】
また、従来のバルブソケット構造の場合、給電端子の挟持片のバネ力(撓み復帰力)だけでバルブを保持しているので、繰り返しバルブを抜き差しすると、給電端子のバネ力が弱くなって保持力が下がり、バルブのガタ付きが起こりやすく、そうなると接点不良を起こしたり、振動による異音の発生につながったりする問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮し、給電端子を誤って変形さることなく、スムーズにバルブを装着することができ、しかも、バルブのガタ付きによる接触不良や異音の発生を防止することのできる車載用室内照明装置のバルブソケット構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、車載用室内照明装置を構成する樹脂製のハウジングに、ウェッジベースバルブを装着するためのバルブ装着穴が設けられ、そのバルブ装着穴の内部に、前記ウェッジベースバルブの電球部の下側に配されたベース部が挿入された際に該ベース部側の端子と接触導通する給電端子が装備された車載用室内照明装置のバルブソケット構造において、前記バルブ装着穴に、前記ウェッジベースバルブの電球部を外周から支持可能な支持筒部を有し、且つ、前記給電端子を保護しつつ前記ベース部側の端子に対して前記給電端子を接触させることの可能なスペーサを装着したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記スペーサを前記バルブ装着穴の内部に着脱自在に装着すると共に、前記スペーサと前記ハウジングに、前記スペーサを前記バルブ装着穴の内部に装着した際に、前記スペーサをロックする固定手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記支持筒部の内部に、前記ウェッジベースバルブのベース部を挿入する際に、該ベース部を、挿入に従って前記バルブ装着穴内の適正位置に導くガイド斜面が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記給電端子として、前記ウェッジベースバルブのベース部を挟持する一対の挟持片をそれぞれ有した2つの給電端子が設けられると共に、前記ガイド斜面が、前記ベース部の挿入溝を挟んで対向し該挿入溝に向かって前記ベース部を誘導するように一対設けられ、前記各給電端子の一対の挟持片上の内側に凸に曲がった屈曲部が、前記挿入溝内にそれぞれ突出していることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記挿入溝の幅方向中央部に、前記ウェジベースバルブのベース部の幅方向中央の円柱状部分を挿入するための円柱状孔部が設けられ、その円柱状孔部の周囲に、前記ガイド斜面の下端に連なる円弧壁が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項4または5に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記ハウジングに対する前記ウェッジベースバルブの軸線方向が、前記ハウジングのベース面に対して傾斜しており、前記一対のガイド斜面が、前記ウェッジベースバルブの軸線の傾斜方向の上側と下側に配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記ガイド斜面の傾斜角度が、前記ウェッジベースバルブの電球部の下端からベース部にかけての傾斜部の傾斜角度に対応していることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、前記スペーサが、前記ハウジングを構成する材料よりも放熱性の高い樹脂材料により成形されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、スペーサによってバルブ装着穴内の給電端子を保護することができるので、ウェッジベースバルブ(以下、単にバルブという)の挿入時に、誤って給電端子にバルブのベース部を衝突させ、給電端子を変形させてしまうような事態を回避することができる。また、バルブを装着した状態において、スペーサの支持筒部がバルブの電球部を外周から支持するので、バルブに外力がかかっても、バルブのガタ付きを全方向において抑えることができ、給電端子とバルブ側の端子との接触不良を未然に防ぐことができて、信頼性を高めることができる。また、ハウジングと別に製作したスペーサをハウジングに装着することにより、給電端子の無理な変形を防止できるので、ハウジング自体にそのような給電端子の保護機能を有する要素を付加しなくてよく、ハウジングの構成を複雑にしないですむ。
【0019】
請求項2の発明によれば、スペーサを着脱自在にハウジングに装着するようにしているので、自由にスペーサを付け替えることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、スペーサの支持筒部の内部に、バルブのベース部を適正位置に導くガイド斜面が設けられているので、バルブの装着性を向上させることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、給電端子の一対の挟持片でバルブのベース部を挟持するので、バルブをガタつきなく保持することができると共に、ベース部側の端子と給電端子との確実な接触導通を図ることができる。また、一対のガイド斜面の間に挿入溝を形成しているので、バルブのベース部をガイド斜面によって無理なく挿入溝に誘導案内することができ、そのまま挿入溝にベース部を挿入した段階で、挿入溝内に突出した挟持片の屈曲部によってベース部を挟むことができる。特に、挿入溝に対してベース部を角度を付けた姿勢で挿入しようとした場合や、挿入溝とベース部の位置が合っていない場合であっても、ガイド斜面の案内作用によって、ベース部の向きを修正しながら、ベース部を挿入溝に誘導できるので、手探りでバルブを挿入したとしても、バルブのベース部を、給電端子の挟持片間にスムーズに装着することができ、ベース部側の端子と給電端子との確実な接触導通を図ることができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、前記挿入溝の幅方向中央部に、ウェジベースバルブのベース部の幅方向中央の円柱状部分を挿入するための円柱状孔部を設け、その円柱状孔部の周囲に、ガイド斜面の下端に連なる円弧壁を設けたので、バルブのベース部を、幅方向に確実に位置決めした状態で、給電端子の挟持片間に挿入することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、ハウジングに対してウェッジベースバルブを斜めの姿勢で装着しなければならない場合でも、上下のガイド斜面の案内によって、バルブのベース部を適正な角度で挿入溝に誘導することができる。特に斜めの姿勢でバルブを装着する場合は、バルブの角度を適正に保つのが難しいが、大体の見当でバルブのベース部をスペーサに挿入するだけで、角度を特に気にしないで挿入しても、自動的にベース部を適正な位置に納めることができるので、バルブの装着性が向上する。
【0024】
請求項7の発明によれば、ウェッジベースバルブの電球部の下端からベース部にかけての傾斜部をガイド斜面に当接させて保持することができるので、バルブをより安定して支持することができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、バルブの周囲の耐熱性の向上を図ることができ、より発熱量の大きい明るいバルブの使用が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0027】
図1は実施形態のバルブソケット構造を備えた車載用室内照明装置の機能部の構成を示す分解斜視図、図2はバルブソケット構造のバルブ装着穴の内部構造を拡大して示す斜視図、図3はそのバルブ装着穴にスペーサを装着した状態を示す斜視図、図4は図3のようにスペーサを装着したバルブ装着穴に対してウェッジベースバルブを装着するときの作用を説明するための断面図、図5はウェッジベースバルブを装着した状態の機能部の構成を示す外観斜視図、図6は図5のVI−VI矢視断面図、図7は図5のVII−VII矢視断面図である。
【0028】
まず、実施形態のバルブソケット構造が適用された車載用室内照明装置は、図1に示すような、車両の天井板の室外側(天井裏側)に設けられる機能部1を有している。この機能部1は、電線を接続する電線接続部14、光源であるウェッジベースバルブ21を装着するバルブ装着部(バルブ装着穴12)、バルブ21への通電モードを選択するスイッチ22を装着するスイッチ装着部13、などを有する機能部本体としての樹脂製のハウジング10と、ハウジング10のバルブ装着部(バスバー装着穴12)およびスイッチ装着部13にそれぞれ装着されるバルブ21およびスイッチ22と、ハウジング10の電線接続部14に電線(図示略)を接続した後から装着されて、電線接続部14に接続された電線を保護する電線保護カバー24と、を備えている。
【0029】
バルブ装着穴12は、機能部本体を構成するハウジング10の一端側に設けられており、そのバルブ装着穴12の部分に、本実施形態のバルブソケット構造が適用されている。ここでは、バルブ装着穴12は、ハウジング10のベース面(室内側の意匠部と組み合わせる面)10aに対して傾斜しており、ハウジング10のベース面10aに対して、ウェッジベースバルブ21が、軸線を傾けた姿勢で装着されるようになっている。
【0030】
ウェッジベースバルブ21(以下、単に「バルブ」という)は、図4にも示すように、円筒形状の電球部21aの下側に、傾斜部21cを介して、偏平形状のベース部21bを有するもので、ベース部21bに端子が設けられ、また、ベース部21bの幅方向中央に円柱状部分(図示略)が設けられている。
【0031】
図2に示すように、バルブ装着穴12の内部には、バルブ21のベース部21bが挿入された際に、ベース部21b側の端子と接触導通する一対の給電端子15、15が装備されている。一対の給電端子15、15は、別系統のブスバー16にそれぞれ形成されており、各給電端子15には、バルブ21のベース部21bを挟持する拡開変形可能な一対の挟持片15a、15aがそれぞれ設けられている。
【0032】
また、図3に示すように、バルブ装着穴12の内部には、バルブ21の電球部21aを外周から支持可能な支持筒部31を有した樹脂製のスペーサ30が着脱自在に装着されている。このスペーサ30は、給電端子15を保護しつつ、バルブ21のベース部21b側の端子に対して給電端子15を接触させることできる形状のものであり、図1に示すスペーサ30の外壁32の両側の合計4カ所に設けられた係合爪33を、バルブ装着穴12の内部に設けられた被係合部(図示略)に係合させることで、ハウジング10に固定されている。
【0033】
このスペーサ30の支持筒部31の内部には、図4に示すように、バルブ21のベース部21bを挿入する際に、ベース部21bを、挿入に従ってバルブ装着穴12内の適正位置に導くガイド斜面35が設けられている。ガイド斜面35は、図3に示すように、ベース部21bを挿入するための挿入溝36を挟んで対向しており、挿入溝36に向かってベース部21bを誘導するように一対設けられている。一対のガイド斜面35、35は、図4に示すように、バルブ21の軸線の傾斜方向の上側と下側に配置されている。
【0034】
また、図6に示すように、これら一対のガイド斜面35、35の傾斜角度は、バルブ21の電球部21aの下端からベース部21bにかけての傾斜部21cの傾斜角度に対応している。
【0035】
また、図3に示すように、挿入溝36の幅方向中央部には、バルブ21のベース部21bの幅方向中央の円柱状部分を挿入するための円柱状孔部36aが設けられており、その円柱状孔部36aの周囲に、ガイド斜面35の下端に連なる円弧壁37が設けられている。そして、各給電端子15の一対の挟持片15a、15a上の内側に凸に曲がった屈曲部が、挿入溝36内にそれぞれ突出している。
【0036】
次に作用を説明する。
【0037】
まず、バルブ21を装着する前に、スペーサ30を、ハウジング10のバルブ装着穴12の内部に装着し、ロックさせる。次にバルブ21を、ベース部21b側からスペーサ30の内部に挿入する。その際、スペーサ30によってバルブ装着穴12内の給電端子15が保護されているので、誤って給電端子15にバルブ21のベース部21bを衝突させてしまい、給電端子15を変形させてしまうような事態を回避することができる。
【0038】
また、スペーサ30の支持筒部31の内部には、一対のガイド斜面35、35が設けられており、それら一対のガイド斜面35、35の間にベース部21bの挿入溝36が形成されているので、バルブ21のベース部21bを、ガイド斜面35によって無理なく挿入溝36に誘導案内することができ、そのまま挿入溝36にベース部21bを挿入した段階で、挿入溝36内に突出した給電端子15の挟持片15aの屈曲部によって、ベース部21bを挟むことができ、ベース部21b側の端子と給電端子15との接触導通を図ることができる。
【0039】
特に、図4に示すように、挿入溝36に対してベース部21bを角度を付けた姿勢で挿入しようとした場合や、挿入溝36とベース部21bの位置が合っていないまま挿入しようとした場合であっても、ガイド斜面35の案内作用により、ベース部21bの向きや位置を修正しながら、ベース部21bを挿入溝36にスムーズに誘導することができるので、手探りでバルブ21を挿入したとしても、バルブ21のベース部21bを、給電端子15の挟持片15a間に、給電端子15を無理な変形をさせずに、スムーズに装着することができる。
【0040】
また、挿入溝36の幅方向中央部には、バルブ21のベース部21bの幅方向中央の円柱状部分を挿入するための円柱状孔部36aを設けてあり、その円柱状孔部36aの周囲に、ガイド斜面35の下端に連なる円弧壁37を設けているので、バルブ21のベース部21bを、幅方向に確実に位置決めした状態で、給電端子15の挟持片15a間に挿入することができる。
【0041】
従って、本実施形態のように、ハウジング10に対してバルブ21を斜めの姿勢で装着しなければならない場合には、実際のところ、バルブ21の角度を適正に保つのが非常に難しいのであるが、大体の見当でバルブ21のベース部21bをスペーサ30に挿入するだけで、角度を特に気にしないで挿入しても、上下のガイド斜面35の案内によって、バルブ21のベース部21bを適正な角度で挿入溝36に誘導することができ、適正な位置に納めることができる。そのため、バルブ21の装着性が著しく向上する。
【0042】
このように挿入溝36にベース部21bを挿入すると、給電端子15の一対の挟持片15a、15aによってベース部21bを挟持できるので、バルブ21をガタつきなく保持することができると共に、ベース部21b側の端子と給電端子15との確実な接触導通を図ることができる。
【0043】
そして、図5〜図7に示すように、バルブ21を装着した状態においては、スペーサ30の支持筒部31がバルブ21の電球部21aを外周から支持するので、バルブ21に外力がかかっても、バルブ21のガタ付きを全方向において抑えることができ、給電端子15とバルブ21側の端子との接触不良を未然に防ぐことができて、信頼性を高めることができる。
【0044】
また、バルブ21の電球部21aの下端からベース部にかけての傾斜部21cがガイド斜面35に当接するので、バルブ21を安定して支持することができる。
【0045】
また、このように、ハウジング10と別に製作したスペーサ30をハウジング10に装着することにより、給電端子15の無理な変形を防止できるので、ハウジング10自体にそのような給電端子15の保護機能を有する要素を付加しなくてよく、ハウジング10の構成を複雑にしないですむ。また、スペーサ30は着脱自在にハウジング10に装着しているので、自由に付け替えることもできる。
【0046】
なお、スペーサ30を、ハウジング10を構成する材料よりも放熱性の高い樹脂材料で成形した場合は、バルブ21の周囲の耐熱性の向上を図ることができるので、より発熱量の大きい明るいバルブ21の使用を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態のバルブソケット構造を備えた車載用室内照明装置の機能部の構成を示す分解斜視図である。
【図2】前記バルブソケット構造のバルブ装着穴の内部構造を拡大して示す斜視図である。
【図3】そのバルブ装着穴にスペーサを装着した状態を示す斜視図である。
【図4】図3のようにスペーサを装着したバルブ装着穴に対してウェッジベースバルブを装着するときの作用を説明するための断面図である。
【図5】ウェッジベースバルブを装着した状態の機能部の構成を示す外観斜視図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図5のVII−VII矢視断面図である。
【図8】従来のバルブソケット構造の例を示す分解斜視図である。
【図9】その要部の正面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ハウジング
10a ベース面
12 バルブ装着穴
15 給電端子
15a 挟持片
21 ウェッジベースバルブ
21a 電球部
21b ベース部
21c 傾斜部
30 スペーサ
31 支持筒部
33 係止爪(固定手段)
35 ガイド斜面
36 挿入溝
36a 円柱状孔部
37 円筒壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用室内照明装置を構成する樹脂製のハウジングに、ウェッジベースバルブを装着するためのバルブ装着穴が設けられ、そのバルブ装着穴の内部に、前記ウェッジベースバルブの電球部の下側に配されたベース部が挿入された際に該ベース部側の端子と接触導通する給電端子が装備された車載用室内照明装置のバルブソケット構造において、
前記バルブ装着穴に、前記ウェッジベースバルブの電球部を外周から支持可能な支持筒部を有し、且つ、前記給電端子を保護しつつ前記ベース部側の端子に対して前記給電端子を接触させることの可能なスペーサを装着したことを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記スペーサを前記バルブ装着穴の内部に着脱自在に装着すると共に、前記スペーサと前記ハウジングに、前記スペーサを前記バルブ装着穴の内部に装着した際に、前記スペーサをロックする固定手段を設けたことを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記支持筒部の内部に、前記ウェッジベースバルブのベース部を挿入する際に、該ベース部を、挿入に従って前記バルブ装着穴内の適正位置に導くガイド斜面が設けられていることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項4】
請求項3に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記給電端子として、前記ウェッジベースバルブのベース部を挟持する一対の挟持片をそれぞれ有した2つの給電端子が設けられると共に、前記ガイド斜面が、前記ベース部の挿入溝を挟んで対向し該挿入溝に向かって前記ベース部を誘導するように一対設けられ、前記各給電端子の一対の挟持片上の内側に凸に曲がった屈曲部が、前記挿入溝内にそれぞれ突出していることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項5】
請求項4に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記挿入溝の幅方向中央部に、前記ウェジベースバルブのベース部の幅方向中央の円柱状部分を挿入するための円柱状孔部が設けられ、その円柱状孔部の周囲に、前記ガイド斜面の下端に連なる円弧壁が設けられていることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項6】
請求項4または5に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記ハウジングに対する前記ウェッジベースバルブの軸線方向が、前記ハウジングのベース面に対して傾斜しており、前記一対のガイド斜面が、前記ウェッジベースバルブの軸線の傾斜方向の上側と下側に配置されていることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記ガイド斜面の傾斜角度が、前記ウェッジベースバルブの電球部の下端からベース部にかけての傾斜部の傾斜角度に対応していることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の車載用室内照明装置のバルブソケット構造であって、
前記スペーサが、前記ハウジングを構成する材料よりも放熱性の高い樹脂材料により成形されていることを特徴とする車載用室内照明装置のバルブソケット構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−173163(P2009−173163A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13926(P2008−13926)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】