説明

車載用電子機器

【課題】車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、開閉自在に設けた表示装置において、表示装置が開いた状態においても、運転者の後方視界を広げることを目的とする。
【解決手段】車両1の天井4部分に取り付けられる電子機器本体6と、この電子機器本体6に対して開閉自在に設けた表示装置7とを備え、表示装置7は、その両側に開閉軸を有し、この開閉軸に対応する電子機器本体6には、車両1の天井4方向に突出する突部を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のたとえば車内の天井部分に装着される車載用電子機器は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、この電子機器本体に対して開閉自在に設けた表示装置とを備え、前記表示装置は、その両側に開閉軸を有する構成となっていた。
【0004】
つまり、表示装置に映像を表示させるときには、この表示装置の電子機器本体から開放し、また映像を見終わったときには、前記表示装置を電子機器本体に閉じるような構成となっていた(たとえば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−335564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例においては、表示装置によって映像を楽しむときには、この表示装置が電子機器本体から開放されて車内において天井から垂直方向に垂れ下がった状態となる。このため、運転者にとっては、この電子装置が後方視界を狭めることになる。
【0007】
そこで本発明は、後方視界を広げることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明の電子機器は、車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、この電子機器本体に対して開閉自在に設けた表示装置とを備え、前記表示装置は、その両側に開閉軸を有し、この開閉軸に対応する前記電子機器本体には、車両の天井方向に突出する突部を形成し、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明は、車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、この電子機器本体に対して開閉自在に設けた表示装置とを備え、前記表示装置は、その両側に開閉軸を有し、この開閉軸に対応する前記電子機器本体には、車両の天井方向に突出する突部を形成したものであるので、後方視界を広げることができる。
【0010】
すなわち、本発明においては、前記電子機器本体の前記表示装置の開閉軸に対応する部分に、車両の天井方向に突出する突部を形成したものであるので、表示装置の開閉軸が車両の天上方向に移動することとなり、その結果として、表示装置の上方に移動し、これにより後方視界を広げることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における車載用電子機器を装着した車両を示す図
【図2】同車載用電子機器の表示装置を閉じた状態を示す斜視図
【図3】同車載用電子機器の表示装置を開いた状態を示す斜視図
【図4】同車載用電子機器の開閉機構を示す図
【図5】同車載用電子機器の上方よりの斜視図
【図6】同車載用電子機器の表示装置の回転軸部分を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1において、1は車両を示し、その車内2の後部座席3前方の天井4部分には、車載用電子機器5が取り付けられている。この車載用電子機器5は、図2、図3に示すように、その電子機器本体6から表示装置7を開放し、そのディスプレイ(図3の8)に映像を映すことで、例えば映画やテレビを楽しむものである。この車載用電子機器5は、図2、図3に示す如く、非使用時は、電子機器本体6に対して表示装置7を閉じた状態とすることで、後部座席3前方の空間を確保するとともに、運転者からの後方視界を広くするようになっている。
【0014】
さて、前記車載用電子機器5は、図1から図3に示す如く、天井4に取り付けられる電子機器本体6と、この電子機器本体6に対して開閉自在に設けた表示装置7とを備え、前記表示装置7は、図4に示す如くその両側に開閉軸9、10を有する。
【0015】
この開閉軸9は、表示装置7を図2から図3の如く開放したり、図3から図2の如く閉成したりするための開閉機構11が連結されている。また、開閉軸10には、例えば、表示装置7を図2から図3の如く開放したり、図3から図2の如く閉成したときに、その位置で表示装置7を定位置に保つためのブレーキ装置12が連結されている。
【0016】
本実施形態における特徴は、図3の如く表示装置7が開放された状態においても、運転者からの後方視界を広くすることである。
【0017】
具体的には、前記電子機器本体6は、車両1の天井4部分に取り付けられる図5、図6に示す天井板13と、この天井板13の下方に配置した化粧板14とを有し、前記天井板13および化粧板14の前記表示装置7の開閉軸9、10に対応する部分には、天井4方向に突出した突部15、16を形成した。
【0018】
この点についてさらに詳細に説明すると、化粧板14の開閉軸9、10に対向する部分には、天井4方向に突出した突部16が形成され、この突部16内に表示装置7の開閉軸9、10部分を配置することで、表示装置7が開放された状態においても、この表示装置7が天井4方向に移動し、これにより運転者からの後方視界を広くするようにしている。
【0019】
また、天井板13の前記表示装置7の開閉軸9、10に対応する部分には、突部15を設け、この突部15内に前記化粧板14の突部16を配置した。
【0020】
このため、表示装置7が開放された状態においても、この表示装置7が天井4方向に、さらに移動し、これにより運転者からの後方視界を広くすることができる。
【0021】
また、図5、図6に示すように天井板13の前記表示装置7の開閉軸9、10に対応する部分に突部15を設ければ、この突部15部分の強度が強くなり、この強くなった突部15部分に前記化粧板14の突部16を図6に示す如く押し当てることで、この部分における定形性が高まり、これにより表示装置7の開閉がスムーズに行えるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明は、車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、この電子機器本体に対して開閉自在に設けた表示装置とを備え、前記表示装置は、その両側に開閉軸を有し、この開閉軸に対応する前記電子機器本体には、車両の天井方向に突出する突部を形成したものであるので、後方視界を広げることができる。
【0023】
すなわち、本発明においては、前記電子機器本体の前記表示装置の開閉軸に対応する部分に、車両の天井方向に突出する突部を形成したものであるので、表示装置の開閉軸が車両の天上方向に移動することとなり、その結果として、表示装置の上方に移動し、これにより後方視界を広げることができるのである。
【0024】
したがって、車載用電子機器としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0025】
1 車両
2 車内
3 後部座席
4 天井
5 車載用電子機器
6 電子機器本体
7 表示装置
8 ディスプレイ
9、10開閉軸
11 開閉機構
12 ブレーキ装置
13 天井板
14 化粧板
15、16 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の天井部分に取り付けられる電子機器本体と、この電子機器本体に対して開閉自在に設けた表示装置とを備え、
前記表示装置は、その両側に開閉軸を有し、この開閉軸に対応する前記電子機器本体には、車両の天井方向に突出する突部を形成した車載用電子機器。
【請求項2】
前記表示装置の少なくとも一方の開閉軸には、回動機構を連結した請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
電子機器本体は、車両の天板部分に取り付けられる天井板と、この天井板の下方に配置した化粧板とを有し、前記天井板および化粧板の前記表示装置の開閉軸に対応する部分に突部を形成した請求項1、または、2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−103595(P2013−103595A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248340(P2011−248340)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】