説明

車載装置

【課題】メンテナンスが行われたときにメンテナンスの対象となった車両部品の情報を容易に入力することが可能な「車載装置」を提供すること。
【解決手段】車載装置は、車両を構成する各部品の状態変化を検出する検出手段と、車両の点検箇所を入力するメンテナンス項目入力画面を表示する表示手段と、各部品の状態変化データを記憶する記憶手段と、検出手段から取得した各部品の状態変化データを記憶手段に格納する制御手段とを備える。制御手段は、各部品の状態変化データを基に車両のメンテナンスが行われたと判定したとき、車両のエンジン起動時にメンテナンス項目入力画面を表示手段の画面に表示させる。制御手段は、検出手段から取得した各部品の状態変化データのうちのいずれかの部品の状態変化があったとき、車両のメンテナンスが行われたと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンスの対象となった車両部品や消耗品の記録の更新処理を促すとともに、簡易に更新処理を行うことが可能な車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の安全走行を維持するために、定期的に車両の各種部品や消耗品の点検が行われている。この各種部品や消耗品のメンテナンス周期を記憶しておき、各種部品や消耗品を交換したときからの経過時間や車両の走行距離に応じて、交換や補充等のメンテナンスが必要となる時期をディスプレイに表示するなどしてユーザに案内することが行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、メンテナンスを行ったときまでの稼働時間をメンテナンス情報として記録する操作表示装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、地域による各種機器及び備品の消耗度の違いを考慮することにより、車両がどのような地域を走行しても正確に各種機器及び備品のメンテナンスの必要性を判定する技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、イグニッションスイッチのオン又はオフの直後にメンテナンス項目を所定期間自動的に表示するメンテナンス指示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−236245号公報
【特許文献2】特開平10−230800号公報
【特許文献3】実開昭61−180830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、走行距離などの情報を基にして、車両機器のメンテナンス時期を算出してユーザに指摘することができるようになっている。この指示に従ってメンテナンスを行うことにより安全な走行をサポートすることが可能となる。
【0008】
正確なメンテナンス時期を案内するために、各部品のメンテナンスを行った日時をメンテナンスの案内を行う車載装置に記録して情報を更新することが必要となる。このような情報の更新は、車両のメンテナンスが行われた後で、ユーザが車載装置のメンテナンス情報を入力する操作画面を表示させ、点検箇所が記された書類を見ながらメンテナンス情報を入力することになる。
【0009】
しかし、メンテナンス情報の入力に際してメンテナンス情報を入力する操作画面を表示させるまでに手間がかかることや、メンテナンス情報が未入力であっても車両走行に直接影響もないことから、メンテナンス情報が入力されないという状況が発生している。このような状況では車両の各機器の正確な交換時期等を指摘することができず、安全走行をサポートすることも困難となる。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、メンテナンスが行われたときにメンテナンスの対象となった車両部品の情報を容易に入力することが可能な車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の一形態によれば、車両を構成する各部品の状態変化を検出する検出手段と、車両の点検箇所を入力するメンテナンス項目入力画面を表示する表示手段と、前記各部品の状態変化データを記憶する記憶手段と、前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データを前記記憶手段に格納する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記各部品の状態変化データを基に前記車両のメンテナンスが行われたと判定したとき、前記車両のエンジン起動時に前記メンテナンス項目入力画面を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車載装置が提供される。
【0012】
この形態に係る車載装置において、前記制御手段は、前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データのうちのいずれかの部品の状態変化があったとき、前記車両のメンテナンスが行われたと判定するようにしてもよく、前記制御手段は、前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データを基に、メンテナンスの対象となる部品を推定するようにしてもよく、前記制御手段は、前記メンテナンスの対象となる部品に該当するメンテナンス項目に限定したメンテナンス項目入力画面を生成して前記表示手段の画面に表示させるようにしてもよく、前記検出手段は、少なくとも、車両のボンネットの開閉を感知するセンサ、タイヤの有無を判断するセンサ、液量を監視するセンサ、オイル蓋の開閉を感知するセンサ、車体の傾斜を感知するセンサ、サスペンションにかかる加重を判断するセンサ、バッテリーの電圧変化を監視するセンサ、のいずれかを有するようにしてもよい。
【0013】
また、この形態に係る車載装置において、前記制御手段は、前記車両が車両の点検を行う施設に進入したとき、前記車両のメンテナンスが行われたと判定するようにしてもよく、前記制御手段は、前記メンテナンス項目入力画面にメンテナンス情報の入力がなく、その後エンジンが起動されたときに、再度前記メンテナンス項目入力画面を前記表示手段の画面に表示させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、車両のメンテナンスを行った後、車両のエンジンをオンしたときに、自動的に車両点検箇所を入力するメンテナンス項目入力画面が表示されるようにしている。これにより、メンテナンス項目の入力画面を表示させるまでの手間が省け、点検事項の最新の状態への更新を簡易に行うことが可能となる。
【0015】
また、メンテナンス項目の入力画面を表示する際に、メンテナンスを行ったと推定される項目を表示するようにしている。これにより、不要なメンテナンス項目の表示が抑制され、効率良くメンテナンス項目の入力を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の車載装置におけるメンテナンスモード画面の一例を示す図である。
【図3】図1の車載装置におけるメンテナンス項目入力画面の一例を示す図である。
【図4】メンテナンス項目入力画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る車載装置10の構成を概略的に示したものである。
【0019】
本実施形態に係る車載装置10は、図1に示すように、車両メンテナンストリガ検出部11と、制御部12と、車両情報取得部13と、表示部14と、操作部15と、記憶部16とを備えている。
【0020】
車両メンテナンストリガ検出部11は、車両の機器のメンテナンスを行うときに伴う車両の各部品の状態変化を検出し、制御部12にその状態変化の信号を送出する。例えば、車両部品であるエンジンのエンジンオイルを点検するときのトリガとしては、車両のボンネットが開閉されたという状態変換が該当する。
【0021】
車両メンテナンストリガ検出部11は、車両部品のメンテナンスを行うときに車両部品の状態変化を検知可能な位置に設置されたセンサを備えている。例えば、車両のボンネットの開閉を感知するセンサ、タイヤの有無を判断するセンサ、液量を監視するセンサ、オイル蓋の開閉を感知するセンサ、車体の傾斜を感知するセンサ、サスペンションにかかる加重を判断するセンサ、バッテリーの電圧変化を監視するセンサがそれぞれ適切な位置に設置されている。
【0022】
例えば、ボンネットの開閉は、ボンネットの開閉に応じて電流の有無を検出可能にするセンサを使用する。また、タイヤの有無を判断するセンサとして超音波センサを使用し、物体(タイヤ)までの距離を測定することによりタイヤが取り外されているか否かを検出する。
【0023】
これらのセンサからの信号はイグニッションスイッチをオフにした状態で行われるメンテナンス実行時においても車載装置10に送信され、そのデータは車載装置10の記憶部16に格納されるように、バッテリー以外の電源装置を用意しておく。
【0024】
車両情報取得部13は、車両に関連する情報を保有している車両メーカーなどの情報センターからネットワークを介して取得する。車両に関連する情報は、例えば、車両を構成する各部品の規格や、その部品の交換時期などの情報が含まれている。
【0025】
表示部14は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)により構成された表示装置を備え、表示画面には、車両のメンテナンスが実施された後にエンジンが始動されたときに、メンテナンス箇所を入力するメンテナンス項目入力画面が表示されるようになっている。
【0026】
操作部15は、ユーザが指示した情報を入力するためのものである。表示部14の表示画面にタッチパネルが設けられているときは、そのタッチパネルは操作部15として機能する。
【0027】
記憶部16は、その記憶媒体として、例えばHDDを使用し、情報センターから取得した車両に関連する情報(車両の各部品の規格や、交換時期等の情報)が保存される。また、ユーザによって入力された現時点における車両の各部品の点検状況が保存される。
【0028】
制御部12は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、上記各部を制御する。すなわち、車両のメンテナンス作業が行われたか否かを判定したり、メンテナンス作業が行われたときには、メンテナンス項目を入力する画面を表示部14の画面に表示させたりする。
【0029】
このように構成された車載装置10において、車両のメンテナンスが行われたときには、メンテナンス後にエンジンが始動されたときにメンテナンス項目を入力する画面を表示するようにしている。これにより、メンテナンス項目の入力画面を表示させるまでの手間が省け、点検事項の最新の状態への更新を簡易に行うことが可能となる。
【0030】
このメンテナンス項目入力画面に車両点検を行ったディーラーやユーザが点検済項目を入力して点検事項の更新を行うことにより、機器や備品等の正確な交換時期の情報提供に寄与することが可能となる。
【0031】
また、メンテナンス項目の入力画面を表示する際に、メンテナンスを行ったと推定される項目を表示するようにしている。これにより、不要なメンテナンス項目の表示が抑制され、効率よくメンテナンス項目の情報入力を行うことが可能となる。
【0032】
以下に、本実施形態に係る車載装置10において行う、メンテナンス項目入力画面の表示処理について図2から図4を参照しながら説明する。
【0033】
図2は、表示部14の表示画面に表示されるメンテナンス項目入力画面の一例を示している。図2(a)は、エンジン始動の際、車両のメンテナンスが行われたと判定されたときに表示されるメンテナンスモード画面である。このメンテナンスモード画面はメンテナンス項目(図2(a)の例では、オイル交換22a、タイヤ交換22b、消耗品22c、及び定期点検22d)が選択可能な態様で表示されている。消耗品22cは、例えばバッテリーやワイパーなどが含まれる。また、定期点検22dは、法定定期点検で整備の対象となっている部品や消耗品のすべてが対象となっている。
【0034】
また、移行トリガ箇所表示領域23には、メンテナンスモードへの移行のトリガとなって各種センサの位置が、移行トリガとなっていないセンサの位置と異なる態様で表示されている。例えば、図2(a)の移行トリガ箇所表示領域23には、車両の模式図23aが表示され、車両のボンネット開閉検出センサ23b及びタイヤの有無を検出するセンサ23cが他のセンサ23d、23eと異なる態様で表示されている。なお、この移行トリガ箇所表示領域23には、車両の模式図ではなく、移行トリガの対象となったセンサをリスト形式で表示するようにしてもよい。
【0035】
図2(a)のメンテナンス画面21aに表示されている「履歴」ボタン24は、メンテナンスの実行履歴の表示を指示するボタンである。また、「閉じる」ボタン25は、メンテナンスモード画面21aを閉じて、通常表示されるように指定されている画面、例えばナビゲーション画面などを表示する。
【0036】
図2(b)は、図2(a)と同様に、車両のメンテナンスが行われたときに表示されるメンテナンスモード画面21bであるが、図2(a)のメンテナンスモード画面21aと異なり、メンテナンスが行われた箇所が限定して表示される例を示している。
【0037】
例えば、車両メンテナンストリガ検出部11からの信号がボンネット開閉に対する信号だけであったとする。この場合、メンテナンスはエンジンルーム内の部品が対象となり、バッテリーの交換やエンジンオイルの交換などが行われ、タイヤの交換等車両の足回りの点検は行われていないと判断する。一方、車両メンテナンストリガ検出部11からの信号がタイヤの有無に対する信号だけであった場合は、タイヤ交換が行われたがオイル交換等は行われなかったと判断する。
【0038】
図2(b)は、このときに表示されるメンテナンスモード画面21bの一例であり、メンテナンス項目として、タイヤ交換22bと消耗品22cだけが表示されている。また、移行トリガ箇所表示領域23に表示されている車両の模式図23aには、タイヤの有無を検出するセンサ23cが他のセンサと異なる態様で表示されている。
【0039】
このように、車両メンテナンスのトリガとなる信号を検出するセンサの位置と、そのセンサ位置に対応したメンテナンスの対象部品とを対応付けて管理し、メンテナンスが行われていない項目をメンテナンスモード画面に表示しないようにすることによって、効率的にメンテナンス情報の更新を行うことができるようにしている。
【0040】
図2(b)のメンテナンスモード画面21bのようにメンテナンス項目が一部しか表示されない場合には、「一覧」ボタン26が用意されている。この「一覧」ボタン26が選択されることにより、すべてのメンテナンス項目が表示される図2(a)のメンテナンスモード画面21aに移行する。図2(b)のメンテナンスモード画面21bにも「閉じる」ボタン25が用意されており、「閉じる」ボタン25が選択されることにより、通常表示されるナビゲーション等の画面に移行する。
【0041】
なお、図2(a)又は図2(b)に示すメンテナンスモード画面は一例にすぎず、実際には、その他のメンテナンス項目、例えば、ブレーキペダルやステアリング等、メンテナンスの対象に応じてメンテナンスモード画面が構成される。
【0042】
図2(c)は、図2(a)のメンテナンスモード画面21aに表示されている「履歴」ボタン24を選択することによって表示されるメンテナンス履歴画面27を示している。
【0043】
図2(c)のメンテナンス履歴画面27では、どの部品がメンテナンスの対象となったかがわかるように、リスト形式で一覧表示される。例えば、リスト28aに示すようにメンテナンスの対象となったエンジンオイル、エンジンオイルの規格、推奨される交換時期が、「エンジンオイル:10W−40SL:d+5000km/y1年m1月d1日」のように表示されている。
【0044】
図2(c)のメンテナンス履歴画面27において「戻る」ボタン29を選択することにより、前の画面、すなわち、メンテナンスモード画面(21a又は21b)に移行する。
【0045】
図3は、メンテナンス項目入力画面の一例を示している。図3(a)は、図2(a)に示したメンテナンス項目(22a〜22d)のうち、「オイル交換」22aが選択されたときに表示されるメンテナンス項目入力画面31aである。
【0046】
このメンテナンス項目入力画面31aは、メンテナンス対象表示領域32に「オイル交換」が表示され、具体的なメンテナンス項目として、エンジンオイル33a、オイルフィルタ33b、ミッションオイル33c、ブレーキオイル33dが選択可能に表示されている。
【0047】
また、メンテナンス事項表示領域36には、車両の模式図36aが表示され、メンテナンスの該当箇所が表示されている。例えば、図3(a)の車両の模式図36aには、メンテナンス箇所として、エンジンオイル36d、ブレーキオイル36e、バッテリー36f、パワーステアリングフルード36g、ウォッシャー液36hが表示されている。
【0048】
また、「交換」ボタン34、「補充」ボタン35、及び「戻る」ボタン37が表示されている。メンテナンス項目のいずれかが選択された後に「交換」ボタン34が選択されると、そのメンテナンス項目が交換されたことが車載装置10に入力され、メンテナンス項目のいずれかが選択された後に「補充」ボタン36が選択されると、そのメンテナンス項目が補充されたことが車載装置10に入力される。「戻る」ボタン37が選択されると、一つ前の画面、すなわちメンテナンスモード画面(21a又は21b)に移行する。
【0049】
図3(a)のメンテナンス項目入力画面31aにおいて、メンテナンス項目の「エンジンオイル」ボタン33aを選択すると、そのボタン33aが選択されたことを示す表示態様に変わり、メンテナンス箇所表示領域36aの該当箇所が点滅表示される。図3(a)のメンテナンス事項表示領域36に示すように、「エンジンンオイル」ボタン33aが選択されたとき、メンテナンス箇所のエンジンオイル36dが他のメンテナンス箇所とは異なる態様で表示される。
【0050】
図3(b)は、図3(a)において「エンジンオイル」ボタン33aが「交換」ボタン34にドラッグアンドドロップされた後の表示画面を示している。すなわち、エンジンオイルが交換されたというメンテナンス情報が記憶部16に記録されたとき、メンテナンス事項表示領域36にはメンテナンス内容の情報が表示される。例えば、メンテナンス項目がエンジンオイルであり、エンジンオイルを交換した日時、そのエンジンオイルの規格や、推奨される交換時期などの情報が表示される。
【0051】
これらの規格や交換推奨時期などの情報は、インターネットを介してそれらの情報を提供している情報センター(例えば、車両メーカーのホームページ)などから取得して記憶部16に格納しておいた情報を利用する。
【0052】
図3(a)又は図3(b)のメンテナンス項目入力画面の「戻る」ボタン37を選択することにより、図2(a)又は図2(b)のメンテナンスモード画面に移行する。このとき、図3(b)のメンテナンス項目入力画面のように、すでにエンジンオイルに関する情報入力が済んでいる項目については入力済であることを示すように項目選択ボタンを未入力の選択ボタンとは態様を変えて表示するようにしてもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る車載装置10の制御部12において行うメンテナンス項目入力画面表示処理について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0054】
まず、最初のステップS11では、メンテナンス情報の記録を行う。メンテナンス情報は、車両のメンテナンスを行ったことを示す情報であり、車両部品の状態変化があったことを示すものである。この情報は、車両部品の状態変化を検出可能な位置に設置されたセンサの情報に対応している。
【0055】
例えば、ボンネット内に配置された部品のメンテナンスが行われたことを推定するためにボンネット開閉を感知するセンサが使用される。また、ボンネット内の各部品のメンテナンスが行われたことを判定するために、エンジンオイルなどの液量を監視するセンサ、オイルの蓋の開閉を感知するセンサ、バッテリーを外したことを感知するセンサが使用される。
【0056】
また、タイヤ回りの点検をしたことを判定するために、車体の傾斜を感知するセンサ、タイヤの有無を判断するためのセンサ、サスペンション部にかかる加重を判断するセンサ等が使用される。
【0057】
これらのセンサからの情報を取得して、記憶部16に各センサによって検出された部品の状態変化のデータを記憶する。
【0058】
次のステップS12において、イグニッションスイッチがオンになりエンジンが始動したことを検出する。
【0059】
次のステップS13において、ステップS11において記憶部16に格納したメンテナンス情報を取得する。
【0060】
次のステップS14において、車両のメンテナンスが行われたか否かを判定する。すなわち、記憶部16に格納されたメンテナンス情報から、ボンネットが開かれたことやタイヤが無いことなどの車両部品の状態変化があったことを検出したとき、車両のメンテナンスが行われたと判定する。メンテナンスがあると判定したときはステップS15に移行し、メンテナンスが行われていないと判定したとき本処理は終了する。
【0061】
次のステップS15において、メンテナンス項目入力画面を表示する。メンテナンス項目入力画面は、まず、図2(a)又は図2(b)に示したようなメンテナンスモード画面を表示する。メンテナンスモード画面が表示されたあと、ユーザがメンテナンス項目を選択することにより図3(a)に示したような詳細なメンテナンス項目入力画面が表示される。
【0062】
次のステップS16において、メンテナンス項目の入力が済んだか否かを判定する。メンテナンス項目はメンテナンス項目入力画面を表示してメンテナンスを担当したディーラーや、メンテナンスした項目のリストをディーラーから受け取ったユーザが行う。すべてのメンテナンス項目の入力が終了したときは、ディーラー又はユーザはメンテナンスモード画面から「閉じる」ボタンを選択することによって終了する。この「閉じる」ボタン25が選択されたことによって、メンテナンス項目の入力が済んだと判定する。
【0063】
なお、すべてのメンテナンス項目の入力が済んでいない場合であっても、「閉じる」ボタン25が選択されると、強制的にメンテナンスモードを中止してステップS18に移行する。
【0064】
メンテナンス項目の入力が済んでいないときは、ステップS17に移行する。メンテナンス項目の入力が済んでいない状態は、メンテナンスモード画面が表示された状態でユーザがなにも入力をしていない場合である。
【0065】
次のステップS17において、所定時間経過したか否かを判定する。メンテナンスモード画面が所定時間表示された状態のときは、メンテナンスモードを中止して、ステップS18に移行する。
【0066】
ステップS18において、メンテナンス項目入力画面の表示を終了し、通常表示される表示画面、例えばナビゲーション画面などを表示して、本処理は終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態における車載装置では、車両のメンテナンスを行った後、車両のエンジンをオンしたときに、自動的に車両点検箇所を入力するメンテナンス項目入力画面が表示されるようにしている。これにより、メンテナンス項目の入力画面を表示させるまでの手間が省け、点検事項の最新の状態への更新を簡易に行うことが可能となる。
【0068】
また、メンテナンス項目の入力画面を表示する際に、メンテナンスを行ったと推定される項目を表示するようにしている。これにより、不要なメンテナンス項目の表示が抑制され、効率良くメンテナンス項目の入力を行うことが可能になる。
【0069】
なお、本実施形態では、メンテナンスモード画面を表示するトリガとして、車両の各部に設けられたセンサの情報を基に判断したが、これに限らず、例えば、車両が車両点検を行う施設であるディーラーやカーショップに進入したことをトリガとするようにしてもよい。この場合には、車両の現在位置を検出するGPS装置(不図示)を設け、GPS衛星からの電波を受信して現在地を検出する。また、施設の情報が格納されている地図データベース(不図示)を設け、自車両がディーラーなどの特定の施設に進入したことを判定する。
【符号の説明】
【0070】
10…車載装置、
11…車両メンテナンストリガ検出部、
12…制御部、
13…車両情報取得部、
14…表示部、
15…操作部、
16…記憶部、
21a、21b…メンテナンスモード画面、
22a〜22d…メンテナンス項目、
23…移行トリガ箇所表示領域、
24…履歴ボタン、
25…閉じるボタン、
26…一覧ボタン、
27…メンテナンス履歴表示画面、
28…メンテナンス履歴項目、
29…戻るボタン、
31a、31b…メンテナンス項目入力画面、
32…メンテナンス項目表示領域、
33a〜33d…メンテナンス詳細項目、
34…交換ボタン、
35…補充ボタン、
36…メンテナンス事項表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を構成する各部品の状態変化を検出する検出手段と、
車両の点検箇所を入力するメンテナンス項目入力画面を表示する表示手段と、
前記各部品の状態変化データを記憶する記憶手段と、
前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データを前記記憶手段に格納する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記各部品の状態変化データを基に前記車両のメンテナンスが行われたと判定したとき、前記車両のエンジン起動時に前記メンテナンス項目入力画面を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データのうちのいずれかの部品の状態変化があったとき、前記車両のメンテナンスが行われたと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出手段から取得した前記各部品の状態変化データを基に、メンテナンスの対象となる部品を推定することを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記メンテナンスの対象となる部品に該当するメンテナンス項目に限定したメンテナンス項目入力画面を生成して前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記メンテナンス項目入力画面にメンテナンス情報の入力がなく、その後エンジンが起動されたときに、再度前記メンテナンス項目入力画面を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする請求項4に記載の車載装置。
【請求項6】
前記検出手段は、少なくとも、車両のボンネットの開閉を感知するセンサ、タイヤの有無を判断するセンサ、液量を監視するセンサ、オイル蓋の開閉を感知するセンサ、車体の傾斜を感知するセンサ、サスペンションにかかる加重を判断するセンサ、バッテリーの電圧変化を監視するセンサ、のいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両が車両の点検を行う施設に進入したとき、前記車両のメンテナンスが行われたと判定することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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