説明

車載電子機器

【課題】車載電子機器に関するもので、使い勝手を良くする。
【解決手段】携帯電話7との交信を行う通信部13と、この通信部13に接続された制御部14と、この制御部14に接続されたメモリ9とを備え、前記制御部14は、車両の起動を検出する車両起動検出部を有し、この車両起動検出部による車両起動検出時に、前記制御部14は、前記通信部13を介して前記携帯電話7と交信することで、前記携帯電話7が保有する登録情報を入手し、この入手した前記登録情報と、前記メモリ9が保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリ9が保有する登録済情報対して新規情報を保有するときには、その新規情報を前記メモリ9に記憶させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用電子機器として、例えばハンズフリー機能を充実させるものがあり、その構成としては、以下のようになっている。
【0003】
すなわち、携帯端末(携帯電話)との交信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたメモリとを備え、前記制御部は、車両の起動を検出する車両起動検出部を有し、この車両起動検出部による車両起動検出時に、前記制御部は、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手し、これをメモリに記憶させるようになっている(例えば下記特許文献1)。
【0004】
そして、メモリに記憶させた登録済情報(例えば電話番号)を基に、携帯端末(携帯電話)を操作することなく、この車載用電子機器によって電話をかけることが出来る様にし、これにてハンズフリー機能が発揮されるようにしているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−296045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来例における課題は、メモリの交換頻度が早くなり、使い勝手が悪くなると言うことであった。
【0007】
すなわち、従来例においては、前記制御部によって、車両の起動が行われるごとに、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手し、これをメモリに毎回記憶させる(例えば書き換える)ようになっているので、メモリの記憶頻度が多くなり、これがメモリの劣化を早め、これによってメモリの交換頻度が早くなり、使い勝手が悪くなるのであった。
【0008】
そこで、本発明は、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、携帯端末との交信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたメモリとを備え、前記制御部は、車両の起動を検出する車両起動検出部を有し、この車両起動検出部による車両起動検出時に、前記制御部は、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手し、この入手した前記登録情報と、前記メモリが保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリが保有する登録済情報対して新規情報を保有するときには、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、携帯端末との交信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたメモリとを備え、前記制御部は、車両の起動を検出する
車両起動検出部を有し、この車両起動検出部による車両起動検出時に、前記制御部は、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手し、この入手した前記登録情報と、前記メモリが保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリが保有する登録済情報に対して新規情報を保有するときには、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成としたので、使い勝手の良いものとなる。
【0011】
すなわち、本発明においては、車両起動検出部によって車両起動を検出するごとに、その制御部により、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手するが、この入手した前記登録情報と、前記メモリが保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリが保有する登録済情報に対して新規情報を保有するときだけ、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成としたので、メモリの記憶頻度が少なく、その結果メモリの劣化が抑制され、これによってメモリの交換を頻繁に行う必要がなくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる車載用電子機器を車両に搭載した状態を示す図
【図2】同車載用電子機器の動作を説明する図
【図3】同車載用電子機器の制御ブロック図
【図4】同車載用電子機器の動作フローチャート
【図5】同車載用電子機器の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は車両本体を示し、この車両本体1の車内2前方にはハンドル3が配置され、またハンドル3の後方には、運転席4、助手席5が配置されている。
【0014】
また、車内2のハンドル3左方には車載用電子機器6が配置され、この車載用電子機器6は、携帯端末の一例として用いた携帯電話7と交信が可能なものとなっている。
【0015】
例えば、図2はその一例を示しており、携帯電話7が保有する図5に示した登録情報8の一部が、車載用電子機器6の不揮発性のメモリ(図3の9)に記憶されるようになっている。
【0016】
ちなみに、図5に示した携帯電話7が保有する登録情報とは、氏名、会社名、電話番号、住所、Fax番号、顔写真であるが、この内、車載用電子機器6の不揮発性のメモリ9には、氏名、電話番号、顔写真が記憶されるようになっている。
【0017】
つまり、本実施形態の車載用電子機器6は図3からも理解されるように、車内2においてハンズフリーで携帯電話7の操作、会話が行えるようにするものである。
【0018】
そして、そのようなハンズフリー操作が行えるようにするために、図3の携帯電話7には、前記図5で示した登録情報8を保有するメモリ10と、そのメモリ10に接続した制御部11と、この制御部11に接続した通信部12とを備えている。なお、携帯電話7本来の通信部分は、一般的なものであるので、説明の煩雑化を避けるためにも、省略している。
【0019】
一方、車載用電子機器6は、前記携帯電話7の通信部12との間で、例えばbluetooth(登録商標)による通信を行うための通信部13を有し、この通信部13は制御
部14に接続されている。
【0020】
また、制御部14には、各種操作を行う操作部15、ディスプレイ16、スピーカ17、動作支援用のメモリ(RAM)18、および前記メモリ9が接続されている。
【0021】
また、図示していないが、制御部14は、車両の起動を検出する車両起動検出部を有し、この車両起動検出部によって車両の起動を検出するようにしている。
【0022】
上記構成において、車両が起動、例えばエンジンが起動されると(図4のS1)、車載用電子機器6の制御部14により、その通信部13が起動される(図4のS2)。
【0023】
次に、制御部14はメモリ9内に登録済情報が存在するか、否かの判断を行う(図4のS3)。
【0024】
その後、車載用電子機器6の制御部14は、前記起動された通信部13を介して、携帯電話7の通信部12との間で、bluetooth(登録商標)通信を開始する(図4のS4)。
【0025】
そして、車載用電子機器6の通信部13と、携帯電話7の通信部12がbluetooth(登録商標)で接続されると(図4のS5)、車載用電子機器6の制御部14は、携帯電話7が保有する図5に示した登録情報8から、氏名、電話番号、顔写真を読み出す(図4のS6、S7)。
【0026】
次に、車載用電子機器6の制御部14は、携帯電話7が保有する図5に示した登録情報8から、氏名、電話番号、顔写真のデータのSUM値(例えば4ビットごとの情報)を算出す(図4のS8)。
【0027】
その後、車載用電子機器6の制御部14は、メモリ9内に記憶された登録済情報のSUM値を比較する(図4のS9)。 なお、この比較は、氏名ごとに行われる。
【0028】
そして、上記比較によりSUM値が異なるときには、その異なった氏名に付属させた電話番号、顔写真のデータを、メモリ9に記憶(書き換える)させる(図4のS10)。
【0029】
また、(図4のS9)においてSUM値が同じものであった場合、または(図4のS10)において、新規情報が書き換えられた後には、ディスプレイ16にメモリ9に記憶させられた情報を図2のごとく表示させる(図4のS11、S12)。
【0030】
なお、(図4のS5、S7)において、携帯電話7が保有する図5に示した登録情報8の入手が失敗した場合には、ディスプレイ16に、その旨の表示をする(図4のS13)。
【0031】
以上のごとく、本実施形態においては、車両起動検出部によって車両起動を検出するごとに、その制御部14により、前記通信部13を介して前記携帯電話7と交信することで、この携帯電話7が保有する登録情報を入手するが、この入手した前記登録情報と、前記メモリ9が保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリ9が保有する登録済情報対して新規情報を保有するときだけ、その新規情報を前記メモリ9に記憶させる構成としたので、メモリ9の記憶頻度が少なく、その結果メモリ9の劣化が抑制され、これによってメモリ9の交換を頻繁に行う必要がなくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように本発明においては、車両起動検出部によって車両起動を検出するごとに、その制御部により、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手するが、この入手した前記登録情報と、前記メモリが保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリが保有する登録済情報対して新規情報を保有するときだけ、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成としたので、メモリの記憶頻度が少なく、その結果メモリの劣化が抑制され、これによってメモリの交換を頻繁に行う必要がなくなり、使い勝手の良いものとなるのである。
【0033】
したがって、車載用電子機としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0034】
1 車両本体
2 車内
3 ハンドル
4 運転席
5 助手席
6 車載用電子機器
7 携帯電話
8 登録情報
9、10 メモリ
11、14 制御部
12、13 通信部
15 操作部
16 ディスプレイ
17 スピーカ
18 メモリ(RAM)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末との交信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたメモリとを備え、前記制御部は、車両の起動を検出する車両起動検出部を有し、この車両起動検出部による車両起動検出時に、前記制御部は、前記通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する登録情報を入手し、この入手した前記登録情報と、前記メモリが保有する登録済情報を比較し、前記登録情報が、前記メモリが保有する登録済情報に対して新規情報を保有するときには、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成とした車載電子機器。
【請求項2】
制御部は、通信部を介して前記携帯端末と交信することで、前記携帯端末が保有する複数の登録情報を入手し、先ず、この入手した複数の登録情報の一部と、メモリが保有する複数の登録済情報の一部とを比較し、次に、比較されている前記登録情報のSUM値と、前記比較されている登録済情報のSUM値とを比較し、その後この比較されている前記登録情報のSUM値と、前記比較されている登録済情報のSUM値が異なるときには、前記登録情報を、前記メモリが保有する登録済情報対して新規情報を保有するときには、その新規情報を前記メモリに記憶させる構成とした請求項1に記載の車載電子機器。
【請求項3】
制御部は、携帯端末の登録情報と、メモリの登録済情報を比較後、新規情報を、前記登録済情報として書き換える構成とした請求項1または2に記載の車載電子機器。
【請求項4】
携帯端末の登録情報は、登録名と、登録番号、登録映像を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の車載電子機器。
【請求項5】
携帯端末の登録情報は、氏名と、電話番号、顔写真を有する請求項4に記載の車載電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63687(P2013−63687A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202641(P2011−202641)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】