説明

車輌用室内照明灯

【課題】ブラケットの取り付けを利用してコネクタの嵌合を確実に行い、作業性と耐震性との向上を図った車輌用室内照明灯を提供する。
【解決手段】
車輌用室内照明灯10は、アーム部21と一対の弾性係合片22とを設けたブラケット20と、ブラケット20に回動自在に取り付けられた第1コネクタ30と、一対の突起部42が形成された第2コネクタ40と、を備えており、弾性係合片22が弾性変形して突起部42を乗り越え弾性係合片22のロック片22Tと突起部42のロック部42Tとが係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室を区画する天井などに取り付けられる車輌用室内照明灯に関するもので、特に回転組付けコネクタの仮係止解除に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1記載の車輌用室内照明灯>
車輌用室内照明灯を天井に取り付ける構造として、車体側パネルに室内照明灯を取り付ける車体取付用ブラケットにおいて、室内照明灯が支持されたブラケット本体と、このブラケット本体に着脱自在に組み付けられ、かつ、室内照明灯に接続された電線と接続可能な第1コネクタとを備え、ブラケット本体を車体側パネルに装着した状態で、車体側パネル側に配設された第2コネクタと第1コネクタとを接続するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−130257号公報
【0004】
<特許文献1記載の車輌用室内照明灯の問題点>
特許文献1記載の車輌用室内照明灯の構成では、第1コネクタがブラケット本体に対して着脱自在に組み付けられる別体構成であるため、ブラケット本体の構造を簡単な形状にすることができ、ブラケット本体の成形が容易になり、また、車種やグレードに応じて車室に面するブラケット本体を変えても、第1コネクタを汎用することができるので車体取付用ブラケットの構成材料で第1コネクタを成形する必要がないため、車体取付用ブラケットの低コスト化となるが、組付けの正確さが要求されるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ブラケットの取り付けを利用してコネクタの嵌合を確実に行い、作業性の向上と組付性の向上を図った車輌用室内照明灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車輌用室内照明灯は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 天井に取り付け固定される車輌用室内照明灯であって、
ブラケットと第1コネクタと第2コネクタと、を備え、
前記ブラケットには、前記ブラケットの後方に立設し側方に延在するアーム部と前記ブラケットの両側に対向して立設する弾性係合片とが設けられ、
前記弾性係合片には、ロック片が形成され、
前記第2コネクタの側方には、左右一対の突起部が形成され、
前記ブラケットに前記第1コネクタが回動自在に取り付けられ、
前記ブラケットの前記弾性係合片が弾性変形して前記突起部を乗り越え前記ロック片と前記突起部に設けられたロック部とが係合すると共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合すること。
(2) 前記弾性係合片には、第1係合孔と第2係合孔とが設けられ、
前記第1コネクタの側面には係合突起が設けられ、前記第1係合孔と前記係合突起とが係合して前記第1コネクタが前記ブラケットに仮固定されること。
(3) 前記弾性係合片が弾性変形することにより前記第1係合孔と前記係合突起との係合が解除されること。
(4) 前記ロック片と前記ロック部とが係合すると共に前記第2係合孔と前記係合突起とが係合すること。
(5) 前記アーム部の立設した部分と前記弾性係合片とで前記第1コネクタを収納する収納部が形成されたこと。
【0007】
上記(1)の構成によれば、ブラケットに形成された一対の弾性係合片の弾性変形によってブラケットと第2コネクタとの係合が行われるため、ブラケットと第2コネクタとの確実な結合ができる。一対の弾性係合片のロック片と一対の突起部に設けられたロック部とが係合するため、ブラケットと第2コネクタとの結合力が増し耐震性の優れた車輌用室内照明灯の取り付けが可能となる。
上記(2)の構成によれば、第1係合孔と係合突起との係合により、第1コネクタがブラケットに対して相対位置関係を保持することができ、確実な第1コネクタと第2コネクタとの嵌合が図られ作業性が向上する。
上記(3)の構成によれば、弾性係合片の弾性変形により、スムーズな第1係合孔と係合突起との係合解除が行われ、ブラケットの回転もスムーズとなり組み付け作業が容易となる。
上記(4)の構成によれば、一対の弾性係合片によって左右からの弾性押圧力が第1コネクタに作用し、第2コネクタへの嵌合と共にブラケット内での安定した保持力が第1コネクタに提供される。
上記(5)の構成によれば、収納部に第1コネクタが収納載置されることにより第1コネクタやワイヤーハーネスが作業中などに生じる外部からの衝撃等に対して保護される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブラケットに弾性係合片と第2コネクタの突起部を利用して係合が行われるため、一般のメスオスコネクタに設けられた係合手段に比べ大きな係合力を得ることができる。特に上下方向での安定した保持力が確保できる。また、メスオスコネクタに係合手段を設ける必要がなくコンパクトな構成となる。そして、弾性係合片と第1コネクタとが係合することにより、第1コネクタのブラケットに対する相対的位置関係が正確に決まり、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合作業が確実に行われ、作業性が向上する。更に、弾性係合片も突起部も一対であるため左右方向の移動が規制され安定した取り付け状態と成り、耐震性の優れた車輌用室内照明灯を提供できる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る車輌用室内照明灯の一実施形態を示し、図1(A)は分解斜視図、図1(B)は取り付け断面図である。
【図2】図1に係る車輌用室内照明灯の各部品を示し、図2(A)(1)は第2コネクタの側面斜視図、図2(A)(2)は第2コネクタが天井に組み付けられたことを示す断面図、図2(B)(1)はブラケットの側面斜視図、図2(B)(2)は弾性係合片の拡大図、図2(C)(1)は第1コネクタの右側斜視図、図2(C)(2)は第1コネクタの左側斜視図である。
【図3】図1に係る車輌用室内照明灯の各部品の関係を示し、図3(A)は組み付け状態を示す裏面図、図3(B)(1)(2)は弾性係合片の拡大図、図3(B)(3)は弾性係合片の動作を示す斜視図、図3(C)(1)は図3(B)(1)のA視点から見た部分断面図、図3(C)(2)は図3(B)(1)のB視点から見た斜視図である。
【図4】図1に係る車輌用室内照明灯の組み付け手順を示し、図4(A)は組み付け前の断面図、図4(B)は組み付け途中1の断面図、図4(C)は図4(B)に於ける弾性係合片の拡大図である。
【図5】図1に係る車輌用室内照明灯の組み付け手順を示し、図5(A)は組み付け途中2の断面図、図5(B)(1)は図5(A)に於ける弾性係合片の拡大図、図5(B)(2)は図5(A)に於ける第1コネクタ部分の上部からの斜視図、図5(C)は組み付け完了の断面図、図5(D)は図5(C)に於ける弾性係合片の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る車輌用室内照明灯の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<具体的構成>
図1に基づいて、本発明の一実施形態である車輌用室内照明灯10を説明する。
この一実施形態の車輌用室内照明灯10は、車輌の車室を区画する天井RにルーフパネルBを用いて取り付けられるもので、略長方形状のブラケット(灯具)20とブラケット20に取り付けられる第1コネクタ(メスコネクタ)30と天井Rの裏側に取り付けられる第2コネクタ(オスコネクタ)40とから概略構成されている。ルーフパネルBには第2コネクタ40の上部およびブラケット20の一部が貫通するT字状の貫通口BHが形成され、天井Rには第1コネクタ30とブラケット20の後部が貫通する開口部RHが形成されている。
ブラケット20と第1コネクタ30と第2コネクタ40とが組み付けられて成る車輌用室内照明灯10は、ルーフパネルBを用いて天井Rに取り付けられる(図1(B)参照)。
以下、ブラケット20、第1コネクタ30、第2コネクタ40の順に各構成を詳述する。
【0012】
<ブラケット20:図2(B)参照>
ブラケット20の裏側には、後方に立設して側方に延在するアーム部21が設けられ、ブラケット20の裏側中央近傍には、両側に対向して一対の弾性係合片22が立設されている。また、アーム部21の延在する方向と反対側には略円形状のボス23が備えられている。更に、アーム部21と弾性係合片22との間にはスリット24が設けられ、弾性係合片22の先端部は自由端として互いに外方に弾性変形可能な機能を有している。なお、ブラケット20の表側(図で下側)には、図には見えないがレンズや光源などが配置される。アーム部21の立設部分と弾性係合片22とで囲まれる空間内には、第1コネクタ30が収納載置される収納部25が形成されている。
【0013】
図2(B)(2)の弾性係合片22の拡大図に示す通り、弾性係合片22には、第1係合孔22Aと第2係合孔22Bが形成され、弾性係合片22の先端近傍には、略V字状で先端がテーパー状の突起片22Sと先端近傍の側方に突出し先端がテーパー状のロック片22Tとが形成されている。
【0014】
<第1コネクタ30:図2(C)参照>
メス型の第1コネクタ30には、コネクタ本体31とコネクタ本体31の底部から側方に突出し上方向に屈曲する嵌合部32とが備えられている。コネクタ本体31の両側には、ブラケット20の弾性係合片22に形成された第1及び第2の係合孔22A、22Bと係合する係合突起33が設けられ、コネクタ本体31の中央部から外方に延びるワイヤーハーネスWを保護し、ワイヤーハーネスWを取り囲むように設けられた保護壁34が設けられている。また、コネクタ本体31の嵌合部32と反対側の底部には断面略円形状の回転軸30R(図3(C)(2))が設けられている。なお、第1コネクタ30をメスコネクタ、第2コネクタ40をオスコネクタとして記載しているがもちろん逆であっても良い。
【0015】
<第2コネクタ40:図1(A)及び図2(A)参照>
オス型の第2コネクタ40には、図1(A)に示す通り、天井Rの開口部RHの一側面に係合する一対の第1挟持部41が第2コネクタ40の側方に形成されている。更に、第2コネクタ40には、図2(A)(1)に示す通り、開口部RHの他の側面に係合する一対の第2挟持部41Sが第1挟持部41と直角方向に形成されている。これらの第1及び第2の挟持部41、41Sにより第2コネクタ40は、図2(A)(2)に示す通り、開口部RHに係合固定され、ルーフパネルBは、ルーフパネルBの貫通口BHの側面と第2コネクタ40の側部とが当接して天井Rの裏側に載置される。また、第2コネクタ40の側面には外方に突出する突起部42が左右に対向して形成され、突起部42の上端には段差形状のロック部42Tが設けられている。
【0016】
<ブラケット20と第1コネクタ30との関係:図3参照>
次に図3を用いて、ブラケット20と第1コネクタ30との組み付け関係を詳述する。
図3(A)はブラケット20と第1コネクタ30とが組み付けられた状態を示す裏面図である。第1コネクタ30は、ブラケット20の裏面に設けられた収納部25に収納載置されている。この収納部25は、第1コネクタ30を取り囲むようにアーム部21と弾性係合片22とが壁を構成し、作業中などに生じる外部からの衝撃等に対して第1コネクタ30やワイヤーハーネスWを保護する保護壁として機能する。
【0017】
第1コネクタ30は、最初、第1コネクタ30のコネクタ本体31に設けられた係合突起33とブラケット20の弾性係合片22に形成された第1係合孔22Aとが係合する。この係合は、ブラケット20と第1コネクタ30との仮固定となる。その際、回転軸30Rが支点P(図3(B)(1)の円形破線参照)となり第1コネクタ30は回動自在に収納部25に収納載置される。
【0018】
次に、支点P(図3(B)(1))を中心として図で反時計方向に回転した第1コネクタ30は、第2係合孔22Bと係合突起33とが係合することにより、ブラケット20に係合固定される。第1係合孔22Aと係合突起33との係合、及び、第2係合孔22Bと係合突起33との係合において、一対の弾性係合片22の左右からの弾性圧接により第1コネクタ30は、ブラケット20に対する左右方向の移動が規制される。
【0019】
コネクタ本体31に係合突起33を設けたことにより、嵌合部32に第2コネクタ40との係合手段を設ける必要が無くなり、嵌合部32がシンプルな形状となすことができる。同時に、第1コネクタ30と第2コネクタ40との係合を促す作業が不要となり、作業性が向上する。
【0020】
弾性係合片22は、第1コネクタ30をブラケット20に仮固定する際と、第1コネクタ30が回動する際とで、ブラケット20の両側が拡開する方向に弾性変形する(図3(B)(3)矢印参照)。
第1コネクタ30の回動取り付けについて図3(C)を用いて説明する。図3(C)(1)は図3(B)(1)のA視点で見た部分断面図であり、図3(C)(2)は図3(B)(1)のB視点で見た斜視図である。
【0021】
ブラケット20の収納部25の内壁端には断面略半円状の軸部20R((B)(1)のA視点)が形成され、第1コネクタ30の回転軸30Rが軸部20Rに摺接し、第1コネクタ30はブラケット20に対して回動自在に取り付けられる((B)(1)のB視点)。
【0022】
<車輌用室内照明灯10の組み付け手順:図4、図5参照>
図4、図5を用いて車輌用室内照明灯10の天井Rへの組み付け手順を詳述する。
(1) 組み付け開始:図4(A)
天井RはルーフパネルBの車室側に載置されている。第2コネクタ40はその天井Rの裏側に取り付け、第1コネクタ30の係合突起33と弾性係合片22の第1係合孔22Aとを係合させる。第1コネクタ30が仮固定されたブラケット20の一端を天井Rの室内側面に当接させて支点とし、ブラケット20のアーム部21が天井Rの開口部RH及びルーフパネルBの貫通口BHを貫通させながらブラケット20を回転(図中矢印参照)させる。
【0023】
(2) 組み付け途中1:図4(B)及び(C)
ブラケット20を回転させ、第1コネクタ30の嵌合部32を第2コネクタ40に挿入させる。その際、ブラケット20の弾性係合片22の突起片22Sが第2コネクタ40の突起部42(図4(C))の下部と当接する。この状態では、第1コネクタ30の係合突起33と弾性係合片22の第1係合孔22Aとの係合は解除されていない。この係合突起33と第1係合孔22Aとの係合により、第1コネクタ30とブラケット20との相対的位置関係が定まり、ブラケット20を車輌の室内側から天井Rに組み付ける作業に於いて、第1コネクタ30を第2コネクタ40へ正確に挿入できる。
【0024】
(3) 組み付け途中2:図5(A)及び(B)
更に、ブラケット20を回転させると第1コネクタ30の回転軸30Rを中心として第1コネクタ30が回動する。第2コネクタ40の突起部42が弾性係合片22の突起片22Sの内面のテーパ部A(図3(B)(3))に当接して、回動するにしたがい突起部42が突起片22Sを外側に撓ます。したがって、弾性係合片22の突起片22Sが、外方に弾性変形することにより第2コネクタ40の突起部42の側面を離間しながら乗り越えていく。この弾性係合片22の弾性変形により、第1係合孔22Aと係合突起33との係合が解除されると共に無理なくブラケット20の回転が行える。また、すでに第1コネクタ30が第2コネクタ40に挿入されているため、ブラケット20と天井Rとの位置関係が定まり作業性が向上する。
【0025】
(4) 組み付け完了:図5(C)及び(D)
組み付け完了状態を説明する。
アーム部21側:
ブラケット20のアーム部21によりルーフパネルBが天井R側に押圧され、ブラケット20の一端とアーム部21とで天井R及びルーフパネルBが挟持される。
【0026】
コネクタ30、40:
第1コネクタ30と第2コネクタ40が嵌合する。
【0027】
他端側(アーム部21側と反対側):
ブラケット20のボス23の周縁と天井Rの開口部RHの一側壁とが当接し、ボス23が開口部RH内に嵌着される。
【0028】
ブラケット20と第2コネクタ40:
第2コネクタ40の突起部42が弾性係合片22のロック片22Tの内面のテーパ部B(図5(D))に当接して、回動するにしたがい突起部42がロック片22Tを外側に撓ます。そして弾性係合片22が通過した時点でロック片22Tは撓みから弾性復帰し最終的に、ロック片22Tが、第2コネクタ30の突起部42に設けられたロック部42T上に係合し、ブラケット20の脱落を防止する。同時に、弾性係合片22の第2係合孔22Bと係合突起33が係合し、左右方向の移動も規制され、車輌用室内照明灯10の天井Rへの耐震性の優れた取り付けが完了する。
【0029】
以上、組み付け手順を説明したが、ブラケット20を天井Rから取り外す時は、上記の手順と逆の手順で行うことができる。
本発明に係る車輌用室内照明灯10によれば、ブラケット20に設けられた弾性係合片22と第2コネクタ40に形成された突起部42とが係合する。この係合によって、一般のメスオスコネクタ係合手段に比べ大きな係合面積が得られ同時に大きな係合力を得ることができ、上下方向での安定した保持力が確保できる。更に、一般のメスオスコネクタ係合手段を設ける必要が無く、コネクタ30、40が小型化され車輌用室内照明灯10全体の形状もシンプルと成る。
【0030】
また、第1コネクタ30の係合突起33とブラケット20の弾性係合片22の第1係合孔22Aとが係合するため、第1コネクタ30のブラケット20に対する相対的位置関係が正確に決まり、第1コネクタ30と第2コネクタ40との嵌合作業が確実に行われ、作業性が向上する。更に、弾性係合片22も突起部42も一対であるため左右方向の移動が規制され安定した取り付け状態と成り、耐震性の優れた車輌用室内照明灯10を提供できる。
【0031】
<本発明のまとめ>
以上に説明した車輌用室内照明灯10では、アーム部21と一対の弾性係合片22とを設けたブラケット20と、ブラケット20に回動自在に取り付けられた第1コネクタ30と、一対の突起部42が形成された第2コネクタ40と、を備え、弾性係合片22が弾性変形して突起部42を乗り越え弾性係合片22のロック片22Tと突起部42のロック部42Tとが係合する。
【0032】
この構成により、ブラケット20に形成された一対の弾性係合片22の弾性変形によってブラケット20と第2コネクタ40との係合が行われるため、ブラケット20と第2コネクタ40との確実な結合ができる。更に、一対の弾性係合片22のロック片22Tと一対の突起部42に設けられたロック部42Tとが係合するため、ブラケット20と第2コネクタ40との結合力が増し耐震性の優れた車輌用室内照明灯10の取り付けが可能となる。
【0033】
また、第1コネクタ30に係合突起33、弾性係合片22に第1係合孔22Aを設け、それぞれが係合することにより、第1コネクタ30とブラケット20との相対位置関係が決まり、確実な第1コネクタ30と第2コネクタ40との嵌合が図られ作業性が向上する。
【0034】
また、弾性係合片22が弾性変形することにより、スムーズに第1係合孔22Aと係合突起33との係合が解除されるため、ブラケット20の回転もスムーズとなり組み付け作業が容易となる。
【0035】
更に、ロック片22Tとロック部42Tとが係合すると共に第2係合孔22Bと係合突起33とが係合することにより、一対の弾性係合片22によって左右からの弾性押圧力が第1コネクタ30に作用し、第2コネクタ40への嵌合と共にブラケット20内での安定した保持力が第1コネクタ30に提供される。
【0036】
そして、アーム部21の立設した部分と弾性係合片22とで収納部25を形成している。収納部25に第1コネクタ30が収納載置されることにより第1コネクタ30やワイヤーハーネスWが作業中などに生じる外部からの衝撃等に対して保護される。
【0037】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0038】
10:車輌用室内照明灯
20:ブラケット
20R:軸部
21:アーム部
22:弾性係合片
22A:第1係合孔
22B:第2係合孔
22S:突起片
22T:ロック片
25:収納部
30:第1(メス)コネクタ
30R:回転軸
33:係合突起
40:第2(オス)コネクタ
42:突起部
42T:ロック部
B:ルーフパネル
R:天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に取り付け固定される車輌用室内照明灯であって、
ブラケットと第1コネクタと第2コネクタと、を備え、
前記ブラケットには、前記ブラケットの後方に立設し側方に延在するアーム部と前記ブラケットの両側に対向して立設する弾性係合片とが設けられ、
前記弾性係合片には、ロック片が形成され、
前記第2コネクタの側方には、左右一対の突起部が形成され、
前記ブラケットに前記第1コネクタが回動自在に取り付けられ、
前記ブラケットの前記弾性係合片が弾性変形して前記突起部を乗り越え前記ロック片と前記突起部に設けられたロック部とが係合すると共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合することを特徴とする車輌用室内照明灯。
【請求項2】
前記弾性係合片には、第1係合孔と第2係合孔とが設けられ、
前記第1コネクタの側面には係合突起が設けられ、前記第1係合孔と前記係合突起とが係合して前記第1コネクタが前記ブラケットに仮固定されることを特徴とする請求項1記載の車輌用室内照明灯。
【請求項3】
前記弾性係合片が弾性変形することにより前記第1係合孔と前記係合突起との係合が解除されることを特徴とする請求項1または2記載の車輌用室内照明灯。
【請求項4】
前記ロック片と前記ロック部とが係合すると共に前記第2係合孔と前記係合突起とが係合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車輌用室内照明灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−178274(P2012−178274A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40632(P2011−40632)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】