説明

軟水化装置及びそれを備えた水処理装置及びそれらを備えた飲料製造装置

【課題】電極で生じたスケールを円滑に除去し、且つ、電極から発生するガスを排出して、ガスによる脈動の発生を回避することができる軟水化装置と、この軟水化装置を備えた水処理装置と、それらを備えた飲料製造装置を提供する。
【解決手段】被処理水の流路中に配置された通水性の少なくとも一対の電極105、106と、両電極105、106に電圧を供給する制御装置C(制御手段)と、被処理水の流入部102及び流出部103と、電極106の下流側における上部に位置して電極から発生するガスを排出するためのガス排出部110と、電極106の下流側における下部に位置し、陰極となる一方の電極に生じたスケールを排出するためのスケール排出部112と、流入部102から流出部103への被処理水の流通を許容した状態で、スケール排出部112と流出部103との間に設けられた隔壁130とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水からスケールを除去する軟水化装置及びそれを備えた水処理装置及びそれらを備えた飲料製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ミルクと空気とを混合し、泡立てた状態(エアレーション)でコーヒー抽出機に供給するミルクフォーマーを備えたコーヒー飲料製造装置が提案されている。このようなコーヒー飲料製造装置において、ミルクフォーマーに用いられるミルクは、ミルクの長時間保存を可能とするため、冷却装置で冷却されている。そのため、ミルクをそのままコーヒー抽出機に供給すると、コーヒー抽出機内のコーヒー液の温度を低下させ、味覚や触感を損なうこととなるので、冷却保存されたミルクをコーヒー抽出機に供給する際に蒸気発生器や蒸気供給器で発生された蒸気を用いてミルクパックなどのミルク貯留器からのミルクを空気と混合し、泡立て、蒸気処理されたミルクの混合物、即ち、ミルクフォームをコーヒー抽出機に供給する装置も提案されて来ている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−245498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような飲料製造装置では、ミルクフォーマーにおいて、ミルクフォームの抽出をある程度行うと、蒸気発生器を形成するボイラーの入口付近にスケールが析出する問題が生じていた。これは、ポンプの運転終了後にボイラの入口部のパイプ内に残留した水が蒸発と乾燥を繰り返すことにより生じるものであり、当該スケールが発生した状態で継続してミルクフォームの抽出を行うと、ボイラの入口部のパイプ内にスケールが堆積し、最終的にはパイプを詰まらせてしまう問題が生じることとなる。
【0005】
このような問題を解消するためには、スケールの発生原因となるカルシウムやマグネシウム等の硬度成分を除去し、その除去処理した水を蒸気発生に用いることが必要となる。しかしながら、これら硬度成分の除去にはイオン交換樹脂を使用した処理装置は高価であると共に、係る装置は耐熱性の点から高温の水を直接処理することが困難であった。
【0006】
一方、近年、水を電解処理することで水に含まれるスケールを除去する処理装置も開発されて来ている。当該処理装置における電解処理は、水中に一対の電極を浸漬し、これら電極間に電圧を印加して、陰極の表面に炭酸カルシウムやケイ酸マグネシウムなどの硬度成分を析出させるものである。しかしながら、このような処理装置では析出したスケールを処理するために極性転換したり、或いは、析出したスケールを取るためのメンテナンスを行う必要があった。
【0007】
更に、従来の処理装置では電解により電極で発生したガスについて別段処理されていなかったが、上述のような飲料製造装置のミルクフォーマーのように、被処理水の流量が少ないものに適用した場合、発生するガスによって被処理水の流れに脈動が生じて、ミルクフォームの形成に悪影響を及ぼす問題が生じていた。
【0008】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電解処理により被処理水中の硬度成分を除去する軟水化装置において、電極で生じたスケールを円滑に除去し、且つ、電極から発生するガスを排出して、ガスによる脈動の発生を回避することができ、安定した流量を供給することができる軟水化装置と、この軟水化装置を備えた水処理装置と、それらを備えた飲料製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の軟水化装置は、被処理水の流路中に配置された通水性の少なくとも一対の電極と、両電極に電圧を供給する制御手段と、被処理水の流入部及び流出部と、電極の下流側における上部に位置して電極から発生するガスを排出するためのガス排出部と、電極の下流側における下部に位置し、陰極となる一方の電極に生じたスケールを排出するためのスケール排出部と、流入部から流出部への被処理水の流通を許容した状態で、スケール排出部と前記流出部との間に設けられた隔壁とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明の軟水化装置は、上記発明において流出部は下部に形成され、隔壁は下部から起立して設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明の軟水化装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明においてガス排出部は、開放系であり、隔壁よりも電極側に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明の軟水化装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において電極は、一方の電極と、この一方の電極の下流側に配置された他方の電極とから成り、一方の電極と他方の電極との間に絶縁性のスペーサを介在したことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明の水処理装置は、被処理水を貯留する大気開放型のタンクを備え、このタンク内の被処理水を請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の軟水化装置に供給すると共に、ガス排出部から排出されたガスをタンクに連通させたことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置において、軟水化装置に被処理水を供給するためのポンプを備え、このポンプを軟水化装置の下流側に配置したことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明の飲料製造装置は、請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置を備えたものであって、被処理水を加熱して蒸気を生成するための蒸気ボイラを備え、軟水化装置にて処理された被処理水を蒸気ボイラに供給することを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明の飲料製造装置は、請求項7に記載の発明において、ミルクを保冷するミルク保冷庫と、蒸気ボイラにより生成された蒸気によりミルク保冷庫からミルクを吸引すると共に、空気を吸引し、吸引ミルクと吸引空気とを混合してミルクフォームを生成するミルカーとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の軟水化装置によれば、被処理水の流路中に配置された通水性の少なくとも一対の電極と、両電極に電圧を供給する制御手段と、被処理水の流入部及び流出部と、電極の下流側における上部に位置して電極から発生するガスを排出するためのガス排出部と、電極の下流側における下部に位置し、陰極となる一方の電極に生じたスケールを排出するためのスケール排出部と、流入部から流出部への被処理水の流通を許容した状態で、スケール排出部と流出部との間に設けられた隔壁とを備えたので、制御装置により一方の電極に負電位、他方の電極に正電位を印加することで、被処理水中の硬度成分を除去することができるようになる。
【0018】
また、制御装置により一方の電極に負電位、他方の電極に正電位を印加することで、陰極の電位となる電極に生じるスケールをスケール排出部より排出し、両電極で発生するガスをガス排出部より排出することができるようになる。これにより、スケールを円滑に除去すると共に、被処理水の流量が少ない場合にもガスによる脈動の発生を回避することができ、安定した流量を供給することが可能となる。
【0019】
特に、流出部とスケール排出部の間に隔壁を設けることで、流出部からのスケールの流出を解消或いは削減し、下部のスケール排出部から排出することができる。また、隔壁に処理後の被処理水が衝突することで、被処理水からガスを円滑に分離することができ、上部のガス排出部からのガス排出効果をより一層高めることができる。
【0020】
更に、上記発明において、請求項2の発明の如く流出部を下部に形成し、隔壁を下部から起立して設けるものとすれば、流出部からのガスの流出をより効果的に解消、或いは、
削減できる。これにより、脈動防止効果をより一層高めることができる。また、流出部からのスケール流出も効果的に解消、或いは、削減できる。
【0021】
請求項3の発明の軟水化装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明においてガス排出部は、開放系であり、隔壁よりも電極側に形成されているので、電極で発生したガスをより円滑に排出することができ、脈動防止効果を更に高めることができる。
【0022】
請求項4の発明の発明の如く、一方の電極と他方の電極との間に絶縁性のスペーサを介在することで、当該スペーサによりスケールを円滑に除去することが可能となる。
【0023】
請求項5の発明の水処理装置によれば、被処理水を貯留する大気開放型のタンクを備え、このタンク内の被処理水を請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の軟水化装置に供給すると共に、ガス排出部から排出されたガスをタンクに連通させたので、ガスをタンクに排出することができるようになり、ガス排出部から軟水化装置への塵埃の侵入を回避することができるようになる。
【0024】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置において、軟水化装置に被処理水を供給するためのポンプを備え、このポンプを軟水化装置の下流側に配置したので、ポンプにより吸引された被処理水が軟水化装置に供給されることになる。このため、上流側からポンプにより被処理水を軟水化装置に送出する場合に比して、ガス排出部から被処理水があふれ出し難くなる。
【0025】
特に、請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置は、請求項7又は請求項8に記載の飲料製造装置に適用することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用した一実施例のコーヒー飲料製造装置の正面図である。
【図2】図1のコーヒー飲料製造装置の側面図である。
【図3】図1のコーヒー飲料製造装置の内部概略構成図である。
【図4】図1のコーヒー飲料製造装置の模式図である。
【図5】本発明を適用した一実施例の軟水化装置の概略構成図である。
【図6】図5の軟水化装置の説明図である。
【図7】図5の軟水化装置における被処理水、スケール及びガスの流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。本実施例では、本発明を飲料製造装置としてのコーヒー飲料製造装置に適用して説明するものとする。図1は本発明を適用したコーヒー飲料製造装置1の正面図、図2はコーヒー飲料製造装置1の側面図、図3はコーヒー飲料製造装置1の内部概略構成図、図4はコーヒー飲料製造装置1の模式図をそれぞれ示している。
【0028】
本実施例は、ミルクフォームを生成するミルクフォーマー61を備えたコーヒー飲料製造装置1であり、前面にコーヒー液を排出するコーヒー液ノズル2と、ミルクフォームを排出するミルクフォームノズル3とを一体に備えたノズル部材4を備えた本体6により構成されている。そして、このノズル部材4の下方には、抽出されたコーヒー液を受容するカップを載置するカップ支持台7が設けられている。尚、図1中、5は排出する飲料の種類を選択する複数の飲料選択ボタンであり、8はコーヒー液の抽出に使用された残滓を受容すると共に、前方に引出自在に設けられた残滓受容部であり、9はコーヒー豆を収容する豆貯蔵容器である。
【0029】
ここで、図3及び図4を参照してコーヒー飲料製造装置1の内部構成について説明する。本実施例のコーヒー飲料製造装置1は、本体6内に、湯タンク11と、湯タンク11の底部に取り付けられたポンプ(ギヤポンプ)12と、コーヒー抽出機13と、詳細は後述するミルクフォーマー61を備えている。湯タンク11は、数リットルの飲料水を貯水可能とするタンクであり、湯タンク11の内部には、貯水された飲料水を例えば+97℃に加熱保温する図示しないヒータが設けられている。尚、図3において、30と34は、湯タンク11内に給水を行うための給水電磁弁(30)と給水給水配管(34)であり、32と36は、湯タンク11内の湯を排出するための湯排出電磁弁(32)と湯排出配管(36)である。
【0030】
また、湯タンク11は天面開口に図示しない蓋が設けられている。この蓋は、湯タンク11の天面開口を完全に閉塞するもので無く、湯タンク11内外の空気が流通可能に湯タンク11の天面に載置されている。即ち、当該湯タンク11は一部大気に開放された状態とされた、大気開放型のタンクである。
【0031】
また、湯タンク11の底部に設けられたポンプ12は、湯タンク11内の湯を加圧して排出するポンプであり、このポンプ12の排出口には、流量計14と、給湯側電磁弁15とが順次介設された給湯側配管16が接続されており、この給湯側配管16の他端には、コーヒー抽出機13が接続されている。
【0032】
この給湯側配管16には、流量計14と給湯側電磁弁15との間に位置して循環経路を構成する循環用電磁弁17を備えた循環用配管18が接続されており、この循環用配管18の他端は、湯タンク11に接続されている。更に、循環用配管18には、循環用電磁弁17と湯タンク11との間に位置してポンプ12とを接続するバイパス配管19が接続されている。このバイパス配管19には、ポンプ12内の湯を湯タンク11に還流するためのリリーフ弁21が設けられている。
【0033】
また、この給湯側配管16には、給湯側電磁弁15とコーヒー抽出機13との間に位置して一端が外部に開放された湯排出用配管26が接続されている。この湯排出用配管26には、コーヒー抽出機13や後述する抽出側配管24内の残液等を外部に排出を制御するための残液リリーフ弁27が設けられている。
【0034】
他方、コーヒー抽出機13の上方には、前記豆貯蔵容器9が設置される。この豆貯蔵容器9の下方には、豆貯蔵容器9に貯蔵されたコーヒー豆を高速回転する図示しない粉砕刃によって所定の粒度にまで粉砕するコーヒーミル22が設けられており、更に、このコーヒーミル22の下方には、当該コーヒーミルにおいて粉砕されたコーヒー粉をコーヒー抽出機13内に収容するためのシュート23が設けられている。そして、このコーヒー抽出機13の下部には、コーヒー液の抽出経路を構成する抽出側配管24が接続され、この抽出側配管24には、抽出されたコーヒー液の排出を制御する抽出電磁弁25が介設されている。この抽出電磁弁25の下流側の抽出側配管24には、前記コーヒー液ノズル2が接続されている。これにより、カップ支持台7に配置された図示しないカップにコーヒー液を注入可能としている。
【0035】
尚、カップには、コーヒー液の注入と共に購買者の要望により砂糖やクリームが注入されるが、これらの供給系統については図示及び説明を省略する。また、コーヒーミル22からシュート23に挽き豆を供給する際、計量器により計量が行われるが、これらについても図示を省略する。
【0036】
また、本実施例のコーヒー飲料製造装置1は、制御装置Cを備えており、この制御装置Cは、プログラムやデータを記憶するメモリ、クロック信号を生成するタイマ、前記クロック信号及び前記プログラムに基づいて動作するCPUを備えている。更に、この制御装置Cの入力側には、流量計14や後述する温度センサなどが接続されていると共に、出力側には、前記ポンプ12、給湯側電磁弁15、循環用電磁弁17、リリーフ弁21、抽出側電磁弁25、残液リリーフ弁27、給水電磁弁30、湯排出電磁弁32、コーヒー抽出機13の各種駆動モータ、電磁弁15、25のコイルや後述する電磁ポンプ63や軟水化装置100などが接続され、当該制御装置Cの出力に基づき制御されるものとする。
【0037】
次に、前記ミルクフォーマー61の構成について説明する。本実施例のミルクフォーマー61は、湯供給配管62と、本発明の軟水化装置100と、電磁ポンプ63と、蒸気ボイラ64と、ミルカー65とを備えている。湯供給配管62は、湯タンク11と詳細は後述する軟水化装置100を接続する湯供給配管62Aと、軟水化装置100と電磁ポンプ63を接続する湯供給配管62Bと、電磁ポンプ63と蒸気ボイラ64を接続する湯供給配管62C及び62Dと、蒸気ボイラ64とミルカ−65を接続する湯供給配管62Eとから構成される。
【0038】
電磁ポンプ63は、湯タンク11内の湯(被処理水)を軟水化装置100に供給すると共に、当該軟水化装置100にて処理された湯(被処理水)を蒸気ボイラ64に供給するためのものである。当該電磁ポンプ63は、軟水化装置100の被処理水流路下流側(以下、単に下流側と省略する)であって、且つ、蒸気ボイラ64の被処理水流路上流側(以下、単に上流側と省略する)の経路上(湯供給配管62)に配置されている。
【0039】
そして、電磁ポンプ63と蒸気ボイラ64との間に位置する湯供給配管62C及び62Dは、例えばシリコンチューブにて構成されており、これら湯供給配管62C及び62Dは、分岐配管67を介して接続される。この分岐配管67には、蒸気電磁弁68が設けられる。
【0040】
蒸気ボイラ64は、内部に図示しないヒータを備え、湯タンク11から湯供給配管62A、軟水化装置100、湯供給配管62B、電磁ポンプ63、湯供給配管62C及び62Dを介して供給された湯を例えば約+170℃に加熱し、蒸気を生成し、ミルカー65へ蒸気を供給するものである。また、蒸気ボイラ64には図示しない温度センサが設けられており、この温度センサの検出に基づいて設定した蒸気温度となるように前記制御装置Cにより温度制御が行われる。更にまた、この蒸気ボイラ64の下流側からミルカー65までを構成する湯供給配管62Eには、蒸気ボイラ64からの熱の漏洩を抑制するための図示しない保温チューブが外装されているものとする。
【0041】
次に、ミルカー65について説明する。ミルカー65は、蒸気ボイラ64により生成された蒸気によりミルク保冷庫82からミルクを吸引すると共に、空気を吸引して、吸引ミルクと吸引空気とを混合してミルクフォームを形成するためのものである。本実施例のミルカー65は、略円筒状の本体により構成されており、この本体の側面には、中心よりも左右どちらか一方に偏重すると共に、当該本体の内部に突出した吐出部が一体に形成され、本体の底面には、本体内にて生成されたミルクフォームを排出する前記ミルクフォームノズル(排出部)3が一体に形成される。
【0042】
上記吐出部は、左右に開口した略円筒状を呈しており、本体に接続される側とは反対側の端部には、蒸気ボイラ64の下流側に位置する湯供給配管62Eの端部が蒸気ノズルを介して接続される。この蒸気ノズルは、内部に左右に連通した蒸気通路が形成され、一端には蒸気を吐出部に吐出する小穴が形成されると共に、側面には、吐出部の内壁及び湯供給配管62Eとの接続を密着するためOリングが設けられている。
【0043】
吐出部の下面には、吐出部内部に連通したミルク吸込ノズルが接続されていると共に、吐出部の上面には、ミルク吸込ノズルと対向する箇所に、同じく吐出部内部に連通した空気吸込ノズルが接続されている。
【0044】
ミルク吸込ノズルには、一端が、ミルクを保冷するミルク保冷庫82に収納されるミルクパック83内に挿入されるミルク吸引チューブ77が接続される。尚、このミルク吸引チューブ77のミルクパック83側の端部(先端)には、重り部材78が設けられている。この重り部材78は、ミルクパック83の下部にまでミルク吸引チューブ77を沈めるため、本実施例では、約20gの質量とする。また、この重り部材78は、底面から側面に渡って切欠が形成されており、ミルクパック83の底面に残留したミルクをも容易に吸引可能な構成とされている。
【0045】
前記空気吸込ノズルには、空気吸込チューブ79が接続されると共に、この空気吸込チューブ79の他端開口(図3において、上端開口)には、空気吸込キャップが着脱自在に取り付けられる。この空気吸込キャップは、先端に小穴が形成された筒状部材であり、この小穴周囲には、チューブ79側に対向する方向に突出した周壁が形成されていると共に、先端近傍には、外方に突出したフランジが形成されている。これにより、空気吸込ノズルは、一度に少量の空気を吸い込むことが可能となる。また、空気吸込キャップは、小穴近傍に周壁が形成されていることから、洗浄等により空気吸込キャップを手指で触った場合であっても、直接小穴に触れ、小さなゴミなどを詰め込み、閉塞させる不都合を回避することができる。また、フランジが形成されていることから容易に取り扱うことが可能となる。
【0046】
また、ミルカー65の本体の上面開口には、本体内方に突出した突出部が形成されるミルカーキャップが着脱自在に閉塞されるものとする。更に、このミルカーキャップの上面には、本体に取り付けられた際に、本体の吐出部に形成される空気吸込ノズルを退避する切欠が形成されている。
【0047】
一方、前記ミルク保冷庫82は、上面に開口を有し、内部に市販のミルクパック83を収納可能な本体と、本体の上面開口をヒンジ部材により開閉自在に閉塞する図示しない蓋とから構成されている。この本体の上面開口縁部には、蓋を閉塞した状態で、ミルクパック83に挿入される前記ミルク吸引チューブ77を外部に引き出すための切欠が形成されている。そして、この本体は、内壁に図示しない断熱材が設けられていると共に、本体内には、図示しない冷却装置が配設されており、収納されるミルクパック83を冷却可能としている。
【0048】
次に、図5乃至図7を参照して本発明の軟水化装置100について説明する。図5は湯タンク11の下部に設置された軟水化装置100の概略構成図である。この軟水化装置100は、湯タンク100からミルクフォーマー61の電磁ポンプ63に吸い込まれる湯が流れる流路中に設けられている。具体的に、本実施例の軟水化装置100は、水平方向に延在する軸を有した円筒状の側壁面101Aと、その両端にそれぞれ設けれた端面101B、101Cからなる容器101にて本体が構成されている。容器101は、ガラスや樹脂材などの絶縁部材から成り、一端面(図5では左端面)101Bの軸中心には、流入部102が当該一端面101Bと一体に形成されている。流入部102は、容器101内に被処理水を導入するためのものである。この流入部102は、一端面101Bの中心を軸方向(図5では左右方向)に貫通する貫通孔を流入口102Aとし、当該流入口102Aから容器101の側壁面101Aとは逆方向(図5では左方向)に突出した管体102Bにて構成されている。この管体102Bの先端開口102Cには前記湯供給配管62Aが接続されている。
【0049】
また、他端面(図5では右端面)101Cの下部には、流出部103が当該他端面101Cと一体に形成されている。流出部103は、容器101内の被処理水を導出するためのものであり、他端面101Cの下部を軸方向(図5では左右方向)に貫通する流出口103A(貫通孔)と、当該流出口103Aから容器101の側壁面101Aとは逆方向(図5では右方向)に突出した管体103Bにて構成されている。即ち、軟水化装置100において、被処理水の流出部103は、下部に形成されている。この流出部103の管体103Bの先端開口103Cには、前記湯供給配管62Bが接続されている。
【0050】
一方、容器101内には、通水性の一対の電極(給電極)105、106と、通水性であって多孔質の導電性繊維107と、スペーサ109と、その下流側外周に設けられた固定リング115とが収納されている。電極105、106は共に通水性を有し、且つ、不溶性の電極であって、円形網目状(メッシュ状)を呈している。これら電極105、106の外径は容器101の内径と略同一とされ、容器101の内周面に当該電極105、106の外周面が当接可能な寸法関係とされている。そして、容器101の流入口102側に一方の電極105が配置され、その下流側となる流出口103側に前記導電性繊維107が配置され、導電性繊維107の下流側にスペーサ109と固定リング115が設けられ、その下流側に他方の電極106が配置されている。
【0051】
導電性繊維107は、各電極105、106と同様に外径が容器101の内径と略同一とされ、容器101の内周面に外周面が当接可能な寸法関係とされている。本実施例では導電性繊維107として、炭素繊維を使用するものとする。炭素繊維は、安価であり且つ吸着性能が優れるので、導電性繊維107の材料として好適である。しかしながら、導電性繊維107は、本実施例の炭素繊維に限定されるものでなく、例えば、活性炭素繊維、白金繊維、チタン繊維、カーボンナノチューブ、並びにそれぞれ触媒を塗布した炭素繊維、樹脂繊維(ヨウ素や五フッ化砒素等をドープしたポリアセチレン樹脂等のそれ自体が導電性である樹脂繊維又は導電性材料が組成物として配合されている樹脂繊維)、活性炭素繊維、チタン繊維のいずれか、若しくは2種類以上含んだものを使用しても差し支えない。
【0052】
具体的に、本実施例の導電性繊維107は、導電性を有する第1の繊維層107Aと第2の繊維層107Bから成る積層構造により構成されている。第1の繊維層107Aは、電極105の下流側の面(図5では右面)に密着された状態で配置されており、電極105に電気的に接続されている。第2の繊維層107Bは、第1の繊維層107Aの下流側の面に当接して設けられ、電気的に接続されている。
【0053】
第1の繊維層107Aは、第2の繊維層107Bに比べて比表面積(単位重量あたりの表面積)が小さい導電性の繊維を集積させたものである。第1の繊維層107Aは、第2の繊維層107Bに比べてイオン吸着能力、或いは、硬度除去能力が低い。第1の繊維層107Aの硬度除去能力が低い理由としては、比表面積が小さくなることで、第1の繊維層107Aの表面に蓄積される電荷量が少なくなり、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの化学的吸着性能が低下することが挙げられる。
【0054】
より詳細には、第1の繊維層107Aの比表面積は、第2の繊維層107Bの比表面積の1/10以下であることが望ましい。例えば、第1の繊維層107A、第2の繊維層107Bの比表面積は、例えば、それぞれ15m2/g、1250m2/gである。この場合の第1の繊維層107A、第2の繊維層107Bの硬度除去率は、それぞれ8.5%、61.5%である。ここで、硬度除去率とは、軟水化装置100への通水処理前と通水処理後の硬度の除去率のことである。本実施例では、硬度100mg/Lの水1Lを使用し、硬度除去率を換算した。
硬度除去率=(処理後硬度/処理前硬度)×100
【0055】
本実施例の第1の繊維層107Aは、炭素繊維で形成された、圧縮性を有するフエルト状の部材(厚さは、例えば2mm)である。ここで、圧縮性とは押圧したときに体積が減少する性質をいう。また、第2の繊維層107Bは、活性炭素繊維で形成された圧縮性をを有するフエルト状の部材(厚さは、例えば2mm)である。
【0056】
第1の繊維層107Aは、原料を熱処理し、不溶融化後に、黒鉛化することにより得られる。具体的には、まず、原料となるピッチ系繊維(石炭ピッチを原料とする炭素繊維)、ポリアクリロニトリル系繊維などの原料を空気中にて200〜300℃で酸化させて、黒色の酸化繊維を中間材料として製造する。この工程を耐炎化工程といい、炭素繊維は酸化の進行とともに分子内で環状構造を形成し、難燃かつ不溶融性となる。得られた炭素繊維を2500℃で炭素化し、黒鉛化することにより、第1の繊維層107Aに適した炭素繊維が得られる。
【0057】
一方、第2の繊維層107Bは、原料を熱処理し、不溶融化、耐炎化工程後に、水蒸気または炭酸ガス、不活性ガス中で賦活化することにより得られる。具体的には、まず、第1の繊維層232と同様な工程で同様な原料に熱処理、不溶融化、耐炎化工程を施して炭素繊維を製造する。この炭素繊維に水蒸気または炭酸ガス、不活性ガス中で賦活化させて比表面積を増大することにより第2の繊維層107Bに適した炭素繊維が得られる。
【0058】
上記導電性繊維107は、電極105の下流側の面(図5では右面)に密着された状態で配置、即ち、電極105の下流側に導通関係で設けられており、電極105と共に電極108を構成している。即ち、後述するように陰極となる一方の電極108は、給電極である電極105と導電性繊維107にて構成されている。
【0059】
また、導電性繊維107の下流側となる電極106側の面(図5では右面)には、スペーサ109が設けられている。即ち、スペーサ109は、導電性繊維107とその下流側に位置する電極106との間に介設されている。このスペーサ109は、絶縁性(非導電性)の多孔質体であって、空隙率が高いものを用いることが望ましい。ここで、空隙率とは、多孔質構造の内部に存在する空隙部(空気の部分)の割合のことである。従って、空隙率が高いほどスペーサ109の密度(かさ密度)が低く(目が粗い)、空隙率が低いほどスペーサ109の密度が高く(目が細かい)なる。絶縁性多孔質体には、絶縁性(非導電性)の樹脂(PP樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等)、化学繊維(ガラス繊維、ポリエステル繊維等)、不織布、紙などが使用されるが、本実施例では、通水性を有する高分子の不織布、例えば、ポリエステルやサラン(旭化成製)等のポリ塩化ビニリデン系の高分子などであって、空隙率が95%より大きいものをスペーサ109として使用している。
【0060】
また、当該スペーサ109は、導電性繊維107の下流側の面(右面)に当接し、当該導電性繊維107を押圧しているので、導電性繊維107は、スペーサ109の当該押圧力により、電極105に押しつけられ、電極105の下流側の面に密着されることとなる。このように、導電性繊維107を電極105と密着させることで、この導電性繊維107が電極105と電気的に接続されると共に、電極105に対する接触抵抗を低下させ、電極105の一部分を形成することとなる。即ち、電極105に通電されると、導電性繊維107にも通電され、この導電性繊維107は、電極105と同一の電位に帯電されることとなる。
【0061】
更に、スペーサ109を設けることで、導電性繊維107の下流側である電極106側の面(即ち、図5において左面)を平坦化することができる。即ち、上述したように、導電性繊維107は電極105に密着して設けられているため、導電性繊維105全体が電極105の一部を構成することとなるが、導電性繊維107の上面が平坦でない場合、導電性繊維表面が不均一に帯電し、吸着効率が低下する。また対向する電極106との距離が不均一となるため、導電性繊維107に均一に電流が流れず、導電性繊維107の上面と電極106の下面との距離が最も近い部分(即ち、最短距離の箇所)に局所的に大電流が流れる不都合が生じる。
【0062】
特に、触媒を塗布された導電性繊維107の場合、局所的に大電流が流れた箇所では、触媒層が剥離しやすくなるため劣化しやすく、当該導電性繊維107の寿命が短くなると云う問題が生じていた。そこで、本実施例の如く導電性繊維107の下流側の面にスペーサ109を配置することで、電極106側の面も平坦化することができるようになる。これにより、導電性繊維107と電極106との距離を略均一とすることが可能となる。これにより、導電性繊維107に局所的に大電流が流れる不都合を解消することができる。更に、スペーサ109は、撥水性を有するため、導電性繊維107に析出したスケールが剥離し易くなるという効果も有する。尚、析出し肥大化したスケールは後に上述するが自重で降下し、容器101の下部にあるスケール排出部112に蓄積することとなる。尚、固定リング115はスペーサ109の下流側外周に設けられ、スペーサ109を固定するたものである。この固定リング115は、スペーサ109と同様に、絶縁性の多孔質部材により構成されている。
【0063】
また、電極105、106は給電棒118を介して前記制御装置C(即ち、両電極105、106に電圧を供給する制御手段)に接続され、制御装置Cにより電極105と電極106との間を通過する電流が所定の値(所定の電流)となるように、両電極105、106に印加される電圧の電圧値が制御されている。この給電棒118は流入口102側となる容器101の一端面101B、或いは、容器101流出口103側となる容器101の他端面101Cにそれぞれパッキンなどの図示しないシール部材を介して取り付けられている。
【0064】
他方、前記容器101の電極106の下流側となる側壁面101Aには、上部に開放系のガス排出部110が設けられ、下部にはスケール排出部112が設けられている。即ち、ガス排出部110は、電極106の下流側における上部の側壁面101Aに形成され、スケール排出部112は、電極106の下流側における下部の側壁面101Aに形成されている。
【0065】
ガス排出部110は、制御装置Cからの電圧の供給(通電)により、各電極108、106にて発生するガスを容器101の外部に排出するためのものであり、側壁面101Aに一体形成されている。本実施例のガス排出部110は、容器101の前記電極106と他端面101Cとの間の側壁面101Aであって、当該側壁面101Aの最も上側となる位置に設けられている。
【0066】
具体的に、ガス排出部110は、側壁面101Aを上下に貫通する孔(ガス排出口110A)と、このガス排出口110Aの上方に起立する管体110Bにて構成されており、管体110Bの先端(上端)110Cには、ガス排出配管120が接続されている(図3)。当該ガス排出配管120は、容器101からガス排出部110に排出されたガスを湯タンク11に導き入れて、当該湯タンク11内に排出するための通路であり、ガス排出部110と湯タンク11とを連通接続している。実施例のガス排出配管120は湯タンク11内の上方であって、当該湯タンク11内に貯留される湯(被処理水)の水面(水位)より上方となるタンク11の壁面に接続され、その先端がタンク11内の水面上方にて開口している。
【0067】
一方、前記スケール排出部112は、制御装置Cからの電圧の供給(通電)により、陰極となる電極108に生じたスケールを排出するためのものである。当該スケール排出部112も前記ガス排出部110と同様に容器101の側壁面101Aに一体形成されている。本実施例のスケール排出部112は、電極106と他端面101Cとの間の側壁面101Aであって、当該側壁面101Aの最も下側となる位置、即ち、前記ガス排出部110の下方に対応する位置に設けられている。
【0068】
具体的に、スケール排出部112は、側壁面101Aを上下に貫通する孔(スケール排出口112A)と、このスケール排出口112Aから下方に降下する管体112Bにて構成されており、管体112Bの先端(下端)112Cには、スケール排出配管122が接続されている(図3)。当該スケール排出配管122は、容器101からスケール排出部112に湯(被処理水)と共に排出されたスケールを、湯タンク11内の湯を排出するための前記湯排出配管36に導き入れて、湯タンク11内の湯と共に外部に排出するための通路である。実施例のスケール排出配管122は、湯排出電磁弁32の上流側となる湯排出配管36の途中部に接続されており、スケール排出部112と湯排出配管36とを連通接続している。
【0069】
ここで、図5乃至図7に示す130は、本発明の隔壁である。隔壁130は、前記スケール及びガスを被処理水から積極的に分離し、流出部103からの流出を解消、若しくは、削減するために設けられたものである。当該隔壁130は、流入部102から流出部103への被処理水の流通を許容した状態で、スケール排出部112と流出部103との間に設けらている。具体的に、隔壁130は、電極106と他端面101Cとの間であって、且つ、前記ガス排出部110及びスケール排出部112の下流側となる側壁面101Aの下部から鉛直(上方向)に起立して設けられている。即ち、ガス排出部110及びスケール排出部112は、隔壁130よりも電極106側に形成されている。
【0070】
また、隔壁130の先端(上端)は、容器101内の側壁面101Aの上面より下方に位置しており、隔壁130の上方には、被処理水が通過可能な十分な隙間が確保されている。
【0071】
以上の構成により、ミルクフォーマー61の動作について説明する。ミルクの供給が要求される飲料の飲料選択ボタン5が操作された際に、前記制御装置Cの出力により、電磁ポンプ63が所定時間、例えば約10秒間、運転される。これにより、湯タンク11内の湯(被処理水)が湯供給配管62Aを介して、軟水化装置100の流入部102から容器101内に供給される。
【0072】
上記流入部102から容器101内に被処理水が供給されると、電極105、導電性繊維107、スペーサ109、固定リング115、電極106は被処理水中に浸漬されるかたちとなる。そして、容器101内に供給された被処理水は、図7に太線矢印で示すように、電極105、導電性繊維107、スペーサ109、固定リング115及び電極106を順次通過した後、最終的に流出部103より軟水化装置100の外部に流出、即ち、流出部103の管体103B先端に接続された湯供給配管62Bに流れる。
【0073】
また、制御装置Cは、前記電磁ポンプ63の運転開始と同時に、軟水化装置100の被処理水の流路上流側(即ち、流入口102A側)に位置する一方の電極105に負電位を印加し、下流側(即ち、流出口103A側)に位置する他方の電極106に正電位を印加する。このとき、印加する電位は電極105、106の摩耗を考慮して決定された所定値とする。
【0074】
係る電位の印加によって、導電性繊維107が電極105と同じ負電位に帯電される。これにより、被処理水の流路上流側となる電極108(即ち、電極105及び導電性繊維107)は、カソードとなり、下流側の電極106はアノードとなる。即ち、即ち、各電極108、106により容器101内の被処理水に通電すると、カソードとなる多孔質電極108(電極105及び導電性繊維107)特に、導電性繊維107の電極106側の面)では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こり、アノードとなる電極106では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こる。
【0075】
上記の如くカソードとなる導電性繊維107のアノードとなる電極106側の面(図5乃至図7では、導電性繊維107の右面)では、水酸化物イオン(OH-)が生成される。水酸化物イオンは非常に強い塩基であるため、導電性繊維107の電極106側の面周囲は局所的にアルカリ性となる。これにより、被処理水中の硬度成分が当該水酸化物イオンと反応し、塩となる。具体的には、被処理水中に含まれ主なスケール成分となるカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのイオンが、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなどの難溶性の塩となって析出する。尚、被処理水中にリン、イオウや亜鉛などのイオンが含まれるときは、塩として硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛なども析出することがある。
【0076】
これら析出したスケールの多くは、導電性繊維107のアノードとなる電極106側の面(図5乃至図7では、導電性繊維107の右面)に付着する。この導電性繊維107の電極106側の面に付着したスケールは種結晶となる。即ち、導電性繊維107の電極106側の面に付着したスケールを核として後に析出したスケールが付着して成長していくこととなる。また、スケールは、導電性繊維107の下流側に設けられたスペーサ109にも付着する。即ち、発生したスケールを導電性繊維107とスペーサ109により効果的に除去することができる。当該スケールは、導電性繊維107及びスペーサ109から剥がれ落ちて被処理水と共に下流側に流れ、隔壁130に衝突する。係る隔壁130への衝突により被処理水からスケールが分離される。分離した被処理水は、隔壁130の壁面(図5に示す左壁面)に沿って上方に流れ、当該隔壁130を乗り越えて下流側に流れる。一方、スケールは重量があるため、その多くは被処理水のように隔壁130を乗り越えることができず、隔壁130の壁面(図5に示す左壁面)で停滞するか、或いは、肥大化して自重で容器101底部に沈み、その後、後述する湯排出電磁弁32の開放動作により、当該容器101内の被処理水と共にスケール排出部112を介して湯排出配管36に排出されることとなる(図7に示す破線矢印)。
【0077】
一方、電解を行うことで、各電極108、106からガスが発生する。即ち、上記化学式に示すようにカソード側の電極108では水素(H2)が発生し、アノード側の電極106では酸素(O2)が発生することとなる。この発生したガス(気泡状)は、容器101内の上方に上昇し、図7に白抜き矢印で示すように、電極106の下流側となる容器101の側壁面101A上部に形成された前記ガス排出部110に排出される。具体的に、各電極108、106で発生したガスは、被処理水の流れにより電極106の下流側のガス排出口101Aに至り、そこからガス排出部110に流入する。
【0078】
特に、本発明では、電極106の下流側に上述した隔壁130を備えるので、当該隔壁130により被処理水からガスを円滑に分離することができる。即ち、各電極108、106で発生したガスは、被処理水と共に下流側に流れ、隔壁130に衝突する。係る隔壁130への衝突により被処理水からガスが分離される。分離したガスは、上昇し、ガス排出口101Aに至り、そこからガス排出部110に流入する。そして、図4に破線矢印で示すように、当該ガス排出部110のガス排出管101B、ガス排出配管120を経て、湯タンク11内に排出される。
【0079】
他方、上記の如く軟水化装置100にてスケールが除去された後の被処理水は、湯排出配管62B、電磁ポンプ63、湯排出配管62C及び湯排出配管62Dを経て、蒸気ボイラ64に浸入する。ここで、湯タンク11内に貯溜される湯の温度は、上記コーヒー抽出機13で用いるのに適した温度、例えば+97℃に設定されるため、蒸気ボイラ64には、この約100℃に近い温度の湯が供給される。蒸気ボイラ64内に供給された湯は当該蒸気ボイラ64により、更に加熱され、ミルクフォーマー61に適した温度、例えば+170℃にまで昇温され蒸気とされる。蒸気ボイラ64からの蒸気の排出は、電磁ポンプ63の運転終了後も、既に蒸気ボイラ64内に供給された湯が蒸気に変換される例えば約7秒間も、行われる。
【0080】
尚、本実施例では、制御装置Cは、電磁ポンプ63の運転停止と共に、両電極105、106への通電を停止する。但し、硬度の高い水、導電率が低い水が被処理水となる場合には、制御装置Cにより電解時間をポンプ63の稼働時間よりも通電時間を長くする制御が実行されるものとする。
【0081】
この場合、本実施例では図示しないが、被処理水の硬度を検出するための検出手段、被処理水の導電率を検出するための検出手段が設けられ、これらが制御装置Cに接続されているものとする。尚、被処理水の導電率により電流値は変動するが、容器101内の被処理水が枯渇するなどの問題が生じて、異常電流値を記録した場合には、制御装置Cは、電磁ポンプ63及び両電極105、106への通電を停止する制御を実行するものとする。
【0082】
一方、本実施例では、制御装置Cは、電磁ポンプ63の運転が終了した後、所定時間、例えば約5秒経過後、一定時間、例えば約2秒間分岐配管67に接続される蒸気電磁弁68に通電を行い、該蒸気電磁弁68を開弁とする。これにより、蒸気ボイラ64の入口部のパイプ内に残留する湯を、蒸気ボイラ64内の水蒸気の圧力で排出することができる。
【0083】
電磁ポンプ63の運転が終了した直後に蒸気電磁弁68を開放すると圧力が高すぎるために勢いよく水蒸気が吐出されて危険であるので、本実施例では、電磁ポンプ63の運転が終了した後、所定時間経過させ、ある程度圧力を低下させた後、蒸気電磁弁68を開弁するものである。それにより、危険も回避できると共に、水も排出することができる。
【0084】
そして、上述したように蒸気ボイラ64により生成された蒸気は、該蒸気ボイラ64の下流側に接続された湯供給配管62E及び前記蒸気ノズルを介してミルカー65の吐出部内に噴射される。ここで、蒸気が吐出部内のミルク吸込ノズル及び空気吸込ノズルの近傍を通過する際に、吐出部内に負圧が生じ、ミルク吸込ノズルからは、ミルクパック83内のミルクがミルク吸引チューブ77を介して吐出部内に吸い込まれ、空気吸込ノズルからは、外部の空気が前記空気吸込キャップ及び空気吸込チューブ79を介して吐出部内に吸い込まれる。
【0085】
そして、吐出部内を通過する蒸気によって吐出部内に吸引されたミルク(吸引ミルク)と空気(吸引空気)は、吐出部の内壁に沿ってミルカー65の本体内に吐出される。尚、このとき、吐出部内を通過する蒸気は、制御装置Cによって電磁ポンプ63の運転が終了した後、所定時間経過後、一定時間蒸気電磁弁68に通電を行い、開弁されることで、上述した如く蒸気ボイラ64内の圧力を排出することができるため、ミルカー65へのミルク供給の切れを良くすることができるようになる。そして、本体内に吐出されたミルクと空気は、蒸気の圧力により、本体内壁内に沿って旋回する。この旋回により、ミルクと空気とが混合され、泡立てられた状態となり、本体の底面に形成されたミルクフォームノズル3から吐出され、当該ノズル3の下方に載置されたカップなどに供給される。
【0086】
次に、本実施例のコーヒー飲料製造装置1の動作について説明する。尚、飲料選択ボタン5の操作が行われる前は、何れの電磁弁も非通電とされ、閉鎖若しくは、一定圧力以上にて湯の流通を許容する状態とされているものとする。先ず初めに、作業者が、本体6に設けられた飲料選択ボタン5の内、何れかのボタン5を操作することにより、制御装置Cに抽出開始入力が行われる。これにより、制御装置Cは、循環用電磁弁17を開放し、所定時間、本実施例では4秒間、ポンプ12の低速運転を行う配管昇温工程を実行する。これにより、湯タンク11内の湯がポンプ12により給湯側配管16を介して循環経路を構成する循環用電磁弁17及び循環用配管18に送出される。そして、ポンプ12と給湯側電磁弁15との間に位置する給湯側配管16内に滞溜する湯は循環用電磁弁17を介して循環用配管18に圧送され、湯タンク11に戻される。これにより、湯タンク11から供給される約+90℃乃至+95℃の高温の湯でポンプ12と給湯側電磁弁15との間に位置する給湯側配管16の昇温を行うことができる。
【0087】
上記配管昇温工程が開始してから上記所定時間経過後に、制御装置Cは、ポンプ12の運転を停止し、次いで循環用電磁弁17を閉鎖し、配管昇温工程を終了する。尚、この場合において、本実施例では、循環用電磁弁17に隣接して給湯側配管16に介設される給湯側電磁弁15は、上述した如く非通電とされ、一定圧力以上にて湯の流通を許容する状態とされていることから、循環用電磁弁17が開閉状態から閉鎖される状態に移行した際に生じる配管16内の圧力変化によるショックを当該給湯側電磁弁15に設けられた前記スプリングにて緩衝することができる。これにより、給湯側電磁弁15の損傷を未然に回避することができると共に、当該電磁弁15の耐久性の向上を図ることができるようになる。 尚、本実施例のコーヒー抽出機13では、制御装置Cにより前回のコーヒー液の供給工程の終了後に次回の抽出準備工程(即ち、予め豆貯蔵容器9内のコーヒー豆をコーヒーミル22において粉砕し、挽き豆Pとする工程)が行われるが、この抽出準備工程についての説明は省略する。
【0088】
次に、コーヒー液抽出工程について説明する。当該コーヒー液抽出工程において、制御装置Cは、供給側電磁弁15を開放すると共にポンプ12を駆動する。これにより、0.3MPaの圧力で約+90℃乃至+95℃に加熱された高温且つ加圧された湯が給湯側配管16を介してコーヒー抽出機13の図示しないシリンダーに供給され、圧縮された挽き豆Pからコーヒー液が抽出される。このとき、シリンダー内には、高温高圧の湯が供給されるため、抽出初期からコーヒー成分を十分に溶出した濃いコーヒー液を抽出することが可能となる。
【0089】
そして、コーヒー抽出機13のシリンダーにて抽出されたコーヒー液は、抽出側配管24及び抽出側電磁弁25を介してコーヒー液ノズル2に排出される。ここで、抽出側電磁弁25は、制御装置により、一定圧力、例えば0.3MPa以上にてコーヒー液の流通を許容する状態とすることにより、抽出されるコーヒー液に一定圧力、本実施例では、ポンプ12にて0.3MPaの圧力が加えられており、シリンダーにおいて膨潤した挽き豆Pにより更に圧力が加えられることから、実際には0.4MPa以上の圧力を加えることができるようになる。これにより、コーヒー液の液面上にきめ細かい良質な泡を生成することができると共に、濃い芳醇な味と香りのコーヒー液を得ることができ、コーヒー液の品質の向上を図ることができるようになる。
【0090】
そして、カップなどにコーヒー液の抽出を行っている際に、制御装置Cにより電磁ポンプ63に通電を行うことにより、ミルクフォーマー61を詳細は上述した如く作動させることが可能となり、抽出されたコーヒー液の上面に泡立てられたミルクを注ぐことができる。
【0091】
尚、湯タンク11内に貯留された湯は衛生上の問題から定期的に排出される。本実施例のコーヒー飲料製造装置1では、一日に一度、例えば、コーヒー飲料の販売終了後に湯タンク11内の湯の排出作業がなされるものとして説明する。この排出作業は、作業者が湯排出配管36に設けられた湯排出電磁弁32を操作することにより成される。即ち、作業者が湯排出電磁弁32を開放すること、湯タンク11内の湯が湯排出配管36を介して外部に排出される。
【0092】
ここで、前述したように軟水化装置100のスケール排出部120に接続されたスケール排出配管122は、湯排出電磁弁32の上流側となる湯排出配管36に連通接続されているため、湯排出電磁弁32の開放により、軟水化装置100の容器101内に貯留された被処理水もスケール排出部120、スケール排出配管122を経て、湯排出配管36に排出される。このとき、前記電解処理により析出し、導電性繊維107に付着、或いは、スペーサ109に付着したスケール、及び、肥大化して容器101の底部に沈んだスケール、及び、隔壁130に衝突し壁面(図5において左壁面)に停滞、或いは、肥大化して壁面下部に沈んだスケールも、図7に破線矢印で示すように、容器101内の被処理水の流れにより当該被処理水と共にスケール排出部120、スケール排出配管122を経て、湯排出配管36に排出され、そこで湯タンク11から排出された湯と合流し外部に排出される。
【0093】
以上詳述したように、本発明の軟水化装置100によれば、制御装置Cにより一方の電極105に負電位、他方の電極106に正電位を印加することで、被処理水を電解処理して、被処理水中の硬度成分を除去することができる。特に、本発明では係る電解処理により陰極の電位となる電極108に生じるスケールを、スケール排出部112から排出することができるので、電極108で生じたスケールを円滑に除去することが可能となる。これにより、析出したスケールを処理するために極性転換したり、或いは、析出したスケールを取るためのメンテナンスを行う必要が無くなり、メンテナンス作業が容易となる。
【0094】
また、両電極108、106で発生するガスは被処理水から分離して、ガス排出部110より随時排出することができるので、容器101内にガスが溜まる不都合を解消することができる。これにより、被処理水の流量が少ない場合であってもガスによる脈動の発生を回避することができ、安定した流量を供給することが可能となる。
【0095】
特に、本発明では流出部103とスケール排出部112の間に隔壁130を設けることで、流出部103からのスケールの流出を解消或いは削減し、下部のスケール排出部112から排出することができるようになる。また、隔壁130に処理後の被処理水が衝突することで、被処理水からガスを円滑に分離することができ、上部のガス排出部110からのガス排出効果をより一層高めることが可能となる。
【0096】
更に、流出部103を下部に形成し、隔壁130を下部から起立して設けたると共に、流出部103からのガスの流出をより効果的に解消、或いは、削減することができる。これにより、上記脈動防止効果をより一層高めることができるようになる。また、流出部103からのスケール流出も効果的に解消、或いは、削減することが可能となる。更にまた、ガス排出部110を、隔壁130よりも電極106側に形成したので、電極で発生したガスをより円滑に排出することができようになるる。これにより、脈動防止効果を更に高めることが可能となる。
【0097】
また、本実施例の軟水化装置100では、ガス排出部110とスケール排出部112とが被処理水の流入部102及び流出部103を有し、電極108、106が収納された容器101に一体に形成されているので、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0098】
更に、ガス排出配管120を設けて、ガス排出部110から排出されたガスを当該ガス排出配管120を介して大気開放型の湯タンク11内に連通させたので、ガスを湯タンク11内を介して外部に排出することができるようになる。これにより、ガス排出部110から直接外部に排出する構成とした場合より軟水化装置100への塵埃の侵入を回避することができるようになる。
【0099】
更にまた、軟水化装置100に被処理水を供給するためのポンプ63を軟水化装置100の下流側に配置することで、ポンプ63により吸引された被処理水が軟水化装置100に供給されることになる。このため、上流側からポンプにより被処理水を軟水化装置100に送出する場合に比して、ガス排出部110から被処理水があふれ出し難くなる。
【0100】
特に、本発明の軟水化装置100を本実施例の如く被処理水の流量が少ないミルクフォーマー61に内蔵した場合には、本発明は特に有効であり、安価でコーヒー飲料製造装置1の信頼性及び性能の向上を図ることが可能となる。
【0101】
尚、本実施例では、スケール排出配管122を湯排出電磁弁32の上流側となる湯排出配管36の途中部に接続するものとした。この場合、湯排出電磁弁32の開放動作のみで、軟水化装置100の容器101内のスケールを(容器101内の被処理水も)湯排出配管36に排出し、湯タンク11内から排出された湯と共に、外部にすることができる。このため、軟水化装置100の容器101内に析出したスケールを排出するための格別の動作を行う必要がないので、排出作業を忘れる不都合を防止することができる。しかしながら、本実施例の如くスケール排出配管122を湯排出配管36の途中部に接続せずに、当該スケール排出配管122上に弁装置を設置し、湯タンク11内の湯の排出とは独立して、スケールの排出作業を行うものとしても差し支えない。
【0102】
また、本実施例では、本発明の軟水化装置100をコーヒー飲料製造装置1のミルクフォーマー61に適用した。このようなミルクフォーマー61では1回に使用する湯の量が少なく、流量も少ないので、電極108、106で発生するガスの脈動の影響が大きいので、特に本発明の軟水化装置100が有効である。しかしながら、本発明の軟水化装置100は本実施例のような飲料製造装置への適用に限定されるものでない。例えば、単にタンク内に貯留された被処理水を処理する水処理装置に適用しても良いし、それ以外にも種々の装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 コーヒー飲料製造装置(飲料製造装置)
2 コーヒー液ノズル
3 ミルクフォームノズル
4 ノズル部材
5 飲料選択ボタン
6 本体
7 カップ支持台
8 残滓受容部
9 豆貯蔵容器
11 湯タンク
12 ポンプ
13 コーヒー抽出機
14 流量計
15 給湯側電磁弁
16 給湯側配管
17 循環用電磁弁
30 給水電磁弁
32 湯排出電磁弁
34 給水配管
36 湯排出配管
61 ミルクフォーマー
62 湯供給配管
63 電磁ポンプ
64 蒸気ボイラ
100 軟水化装置
101 容器
101A 側壁面
101B 一端面(左端面)
101C 他端面(右端面)
102 流入口
103 流出口
105、106 電極、電極
107 導電性繊維
107A 第1の繊維層
107B 第2の繊維層
108 電極
109 スペーサ
110 ガス排出部
112 スケール排出部
115 固定リング
120 ガス排出配管(ガス排出部)
122 スケール排出配管(スケール排出部)
130 隔壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水の流路中に配置された通水性の少なくとも一対の電極と、
両電極に電圧を供給する制御手段と、
前記被処理水の流入部及び流出部と、
前記電極の下流側における上部に位置して前記電極から発生するガスを排出するためのガス排出部と、
前記電極の下流側における下部に位置し、陰極となる一方の前記電極に生じたスケールを排出するためのスケール排出部と、
前記流入部から流出部への前記被処理水の流通を許容した状態で、前記スケール排出部と前記流出部との間に設けられた隔壁とを備えたことを特徴とする軟水化装置。
【請求項2】
前記流出部は下部に形成され、前記隔壁は下部から起立して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項3】
前記ガス排出部は、開放系であり、前記隔壁よりも前記電極側に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軟水化装置。
【請求項4】
前記電極は、前記一方の電極と、該一方の電極の下流側に配置された他方の電極とから成り、前記一方の電極と前記他方の電極との間に絶縁性のスペーサを介在したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の軟水化装置。
【請求項5】
前記被処理水を貯留する大気開放型のタンクを備え、該タンク内の被処理水を前記軟水化装置に供給すると共に、前記ガス排出部から排出されたガスを前記タンクに連通させたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の軟水化装置を備えた水処理装置。
【請求項6】
前記軟水化装置に前記被処理水を供給するためのポンプを備え、該ポンプを前記軟水化装置の下流側に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置。
【請求項7】
前記被処理水を加熱して蒸気を生成するための蒸気ボイラを備え、前記軟水化装置にて処理された前記被処理水を前記蒸気ボイラに供給することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の軟水化装置又は水処理装置を備えた飲料製造装置。
【請求項8】
ミルクを保冷するミルク保冷庫と、前記蒸気ボイラにより生成された蒸気により前記ミルク保冷庫からミルクを吸引すると共に、空気を吸引し、当該吸引ミルクと吸引空気とを混合してミルクフォームを生成するミルカーとを備えたことを特徴とする請求項7に記載の飲料製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−156462(P2011−156462A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18698(P2010−18698)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】