説明

転てつ機の連結機構

【課題】左据付用と右据付用の2種のでなく1種の構成で、鎖錠かんの左右を入れ替えることも要さず、主鎖錠かんと副鎖錠かんとの連結を外すこともなく、左据付にも右据付にも対応できる転てつ機の連結機構を提供し、工場生産、現場作業及び保管等の負担を軽減する。
【解決手段】本発明の転てつ機30は、鎖錠かん12,13を分岐器側に接続するための継手14a,14bが鎖錠かんの両端部に付設さてなる。また、副鎖錠かん13は主鎖錠かん12の上側に配置され、調整機構bは副鎖錠かん12の一端部に構成され、一端側の継手14aは、その分岐器側との接続部14a−1が調整機構より下方に配置されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐器のトングレールと転てつ機の鎖錠かんとを接続する転てつ機の連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
転てつ機として、動作かんと鎖錠かんとを備えたものが一般的に採用されている。かかる転てつ機は、分岐器が配備されたレールの左又は右に据え付けられ、動作かん及び鎖錠かんを延ばしてそれぞれを分岐器のトングレールに接続した構造を有し、動作かんによってトングレールを定位、反位に動作させ、トングレールと連れ動く鎖錠かんの切欠きにロックピースを横から挿入することにより鎖錠かん、従ってトングレールの動作を阻止して鎖錠を完了する。切欠き及びロックピースは定位、反位のそれぞれに対応して設けられている。転てつ機は、2つのロックピースを鎖錠かんに交差する方向に、定位‐反位のストローク動作に連動して互い違いに前後動させて各切欠きへ挿入、離脱させる。
【0003】
したがって、定位に対応する切欠きと反位に対応する切欠きとの間の間隔は、定位から反位までのストロークに所定の精度で一致していなければならない。定位から反位までのストロークは分岐器によって異なるため、現場で調整できるように、転てつ機には2つの切欠き間の間隔を調整する調整機構が必要となる。
なお、分岐器に対して転てつ機が据え付けられる方向を「据付け方向」という。
【0004】
以上説明した転てつ機に相当する従来の一例の転てつ機を図5及び図6に示した。図5は、従来の一例の転てつ機10の錠かんの平面図(a)、同転てつ機10の定位及び反位の正面図(b)(c)である。図5においては、左据付の転てつ機10が示される。図6は、同転てつ機10の錠かんの平面図(a)、同転てつ機10の正面図(b)である。図6においては、右据付の転てつ機10が示される。
【0005】
図5において、1は基本レール、2はトングレール、3はフロントロッド、4は接続かんである。転てつ機10は、左据付方向に設置されている。11は転てつ機の装置筐体で図示しない動力機構が収められる。12は主鎖錠かん、13は副鎖錠かん、14は継手である。
図示するように、トングレール2、フロントロッド3、接続かん4、継手14の順で連結され、主鎖錠かん12及び副鎖錠かん13の各一端が、継手14の一端に連結固定されている。
主鎖錠かん12と副鎖錠かん13とは、上下に間隔を隔てて平行に配置され、両端同士が連結されている。使用中は主鎖錠かん12と副鎖錠かん13とは、互いに相対的に動作不能に固定されるが、主鎖錠かん12に設けられた切欠き12aと、副鎖錠かん13に設けられた切欠き13aとの間隔を調整するために、長穴スライド機構a及び調整ねじ機構bによって相対的に動かされ、前記間隔の微調整が可能である。
2つのロックピース15,16は、図5(b)(c)及び図6(b)において図面に垂直な方向に互い違いに前後動する。図5(b)では、主鎖錠かん12に設けられた切欠き12aにロックピース15が挿入されており、図5(c)では、副鎖錠かん13に設けられた切欠き13aにロックピース16が挿入されている。
【0006】
図6では、転てつ機10は、右据付け方向に設置されている。図5に示す左据付で用いた転てつ機10を、右据付でも用いて機構を成立させるためには、主鎖錠かん12と副鎖錠かん13とを上下入れ替えた図5とは異なった組立をしてなければならない。そのため、工場で転てつ機10を一方の据付け方向に組立てて出荷すると、他方の据付け方向に設置する場合には、組換えが必要になる。仮に工場で鎖錠かんを組み込まないで出荷すると当然に現場組立の部分が増加する。したがって、現場での組立作業に負担があった。
【0007】
近年、転てつ機には、鎖錠かんの偏位量を監視するセンサが標準的に搭載されるようになってきた。
鎖錠かんの偏位量センサを有した転てつ機を図7及び図8に示した。図7は、従来の他の一例の転てつ機20の鎖錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機20の正面図(b)である。図7においては、左据付の転てつ機20が示される。図8は、同転てつ機20の錠かんの平面図(a)、同転てつ機20の正面図(b)である。図8においては、右据付の転てつ機20が示される。
図示するように、装置筐体11内に2つの偏位量センサ17,18が配置され、主鎖錠かん12にセンサ用ブロック19aが、副鎖錠かん13にセンサ用ブロック19bが固定される。
したがって、組立、組換えのために、主鎖錠かん12及び副鎖錠かん13を抜き差しする時に、センサ構成部(17,18,19a,19b)の干渉があるから、これらの一部を取り外さなければならず、組立負担が増加するとともに、一旦センサ構成部の一部を取り外しているため、組立後にセンサ構成部の再調整が必要となる。
これらの現場組立や現場調整を現場作業員に負担させるのは無理があるため、工場で左据付の転てつ機20と右据付の転てつ機20を注文に応じてそれぞれ組立・調整後、出荷しているのが実際である。
しかしその場合でも、鉄道会社は転てつ機の故障に迅速に対応するため、予備の転てつ機を保有するが、予備品として左据付及び右据付双方の転てつ機を保有する必要が生じ、鉄道会社の負担が倍化する。
【0008】
以上説明した従来例においては、左据付・右据付の相互組換え時に、主鎖錠かん12及び副鎖錠かん13を反転(左右入れ替え)、上下反転の配置換えをする必要があった。
一方、特許文献1記載の転てつ機にあっては、主鎖錠かん及び副鎖錠かんの全体を反転することなく、左据付・右据付の相互組換えが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−245917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1記載の転てつ機にあっては、主鎖錠かん及び副鎖錠かんの両端に連結される連結部(同文献中101)及び固定部(同文献中102)を一旦外して入れ替える必要がある。また、連結部は、主鎖錠かん及び副鎖錠かんの一端部とともに調整機構を構成するから、組立後に再調整しなければならない。
【0011】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、左据付用と右据付用の2種の転てつ機を工場で組み立てることなく1種の構成で、鎖錠かんの左右を入れ替える現場作業も要さず、主鎖錠かんと副鎖錠かんとの連結を外すこともなく、鎖錠かん端部の継手を鎖錠かんから外すこともなく、左据付にも右据付にも対応できる転てつ機の連結機構を提供し、工場生産、現場作業及び保管等の負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、分岐器のトングレールを転換させる転てつ機の鎖錠かんと当該トングレールとを接続する連結機構であって、
前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手が前記鎖錠かんの両端部に付設され、
前記継手のうち、転てつ機の左据付時に前記トングレール側に配置される一方の継手を介して前記鎖錠かんと前記トングレールを接続し、転てつ機の右据付時に他方の継手を介して前記鎖錠かんと前記トングレールを接続する転てつ機の連結機構。
【0013】
請求項2記載の発明は、分岐器のトングレールを転換させる転てつ機の鎖錠かんと当該トングレールとを接続する連結機構であって、
2つのロックピースと、
前記2つのロックピースのうち一方が挿入される切欠きが側部に形成された主鎖錠かんと、
前記2つのロックピースのうち他方が挿入される切欠きが側部に形成された副鎖錠かんと、
前記主鎖錠かんの一端部と前記副鎖錠かんの一端部とを連結する連結具と、
前記主鎖錠かんの他端部と前記副鎖錠かんの他端部とを連結する連結具と、
前記主鎖錠かんと前記副鎖錠かんの軸方向相対位置を調整する調整機構と、
前記主鎖錠かんと前記副鎖錠かんとを軸方向相対移動自在に連結するスライド機構と、
前記鎖錠かんの前記一端部に付設され、前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手と、
前記鎖錠かんの前記他端部に付設され、前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手とを備え、
前記副鎖錠かんは前記主鎖錠かんの上側に配置され、
前記スライド機構は前記鎖錠かんの前記他端部に配置され、
前記調整機構は前記副鎖錠かんの前記一端部に構成され、
前記一端側の前記継手は、その分岐器側との接続部が前記調整機構より下方に配置されてなる転てつ機の連結機構である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手が鎖錠かんの両端部に付設さているので、鎖錠かんのどちらの端も分岐器と接続可能であるから、左据付用と右据付用の2種の転てつ機を工場で組み立てることなく1種の構成で、鎖錠かんの左右を入れ替える現場作業も要さず、主鎖錠かんと副鎖錠かんとの連結を外すこともなく、左据付にも右据付にも対応でき、工場生産、現場作業及び保管等の負担を軽減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る転てつ機の錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機30の定位及び反位の正面図(b)(c)である。左据付の転てつ機が示される。
【図2】本発明の一実施形態に係る転てつ機の錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機30の正面図(b)である。右据付の転てつ機が示される。
【図3】本発明の一実施形態に係る鎖錠かんの一端部の平面図(a)、F−F断面図(b)及び正面図(c)である。
【図4】本発明の一実施形態に係る鎖錠かんの他端部のD−D断面図(a)、平面図(b)、正面図(c)及びE−E断面図(d)である。
【図5】従来の一例に係る転てつ機の錠かんの平面図(a)、同転てつ機の定位及び反位の正面図(b)(c)である。左据付の転てつ機が示される。
【図6】従来の一例に係る転てつ機の錠かんの平面図(a)、同転てつ機の正面図(b)である。右据付の転てつ機が示される。
【図7】従来の他の一例に係る転てつ機の鎖錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機の正面図(b)である。左据付の転てつ機が示される。
【図8】従来の他の一例に係る転てつ機の錠かんの平面図(a)、同転てつ機の正面図(b)である。右据付の転てつ機が示される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態につき図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る転てつ機30の錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機30の定位及び反位の正面図(b)(c)である。図1においては、左据付の転てつ機30が示される。図2は、同転てつ機30の錠かん及びその偏位量センサを示した平面図(a)、同転てつ機30の正面図(b)である。図2においては、右据付の転てつ機30が示される。
【0017】
まず、本実施形態における従来技術と同様の構成につき説明する。理解の容易のため、従来技術と同様の要素には同じ符号を付して説明するが、詳細については図面及び以下の説明の通りである。
図1及び図2において、1は基本レール、2はトングレール、3はフロントロッド、4は接続かんである。11は転てつ機の装置筐体で図示しない動力機構が収められる。12は主鎖錠かん、13は副鎖錠かん、14a,14bは継手である。
図示するように、トングレール2、タイバー3、接続かん4、継手14a(14b)の順で連結され、主鎖錠かん12及び副鎖錠かん13の各一端が、継手14a(14b)の一端に連結固定されている。
主鎖錠かん12と副鎖錠かん13とは、上下に間隔を隔てて平行に配置され、両端同士が連結されている。使用中は主鎖錠かん12と副鎖錠かん13とは、互いに相対的に動作不能に固定されるが、主鎖錠かん12に設けられた切欠き12aと、副鎖錠かん13に設けられた切欠き13aとの間隔を調整するために、長穴スライド機構a及び調整ねじ機構bによって相対的に動かされ、前記間隔の微調整が可能である。
2つのロックピース15,16は、図1(b)(c)及び図2(b)において図面に垂直な方向に互い違いに前後動する。図1(b)では、主鎖錠かん12に設けられた切欠き12aにロックピース15が挿入されており、図1(c)では、副鎖錠かん13に設けられた切欠き13aにロックピース16が挿入されている。
装置筐体11内に2つの偏位量センサ17,18が配置され、主鎖錠かん12にセンサ用ブロック19aが、副鎖錠かん13にセンサ用ブロック19bが固定される。
【0018】
転てつ機30は、分岐器が配備されたレールの左又は右に据え付けられ、動作かん(図示せず)及び鎖錠かん12,13を延ばしてそれぞれを分岐器のトングレール2に接続かん4等を介して接続した構造を有し、動作かんによってトングレール2を定位、反位に動作させ、トングレール2と連れ動く鎖錠かん12,13の切欠き12a,13aにロックピース15,16を横から挿入することにより鎖錠かん12,13、従ってトングレール2の動作を阻止して鎖錠を完了する。切欠き12a,13a及びロックピース15,16は定位、反位のそれぞれに対応して設けられている。転てつ機30は、2つのロックピース15,16を鎖錠かん12,13に交差する方向に、定位‐反位のストローク動作に連動して互い違いに前後動させて各切欠き12a,13aへ挿入、離脱させる。
【0019】
以下に、本実施形態特有の構成について詳細に説明する。
転てつ機30は、2つの継手14a,14bを備える。すなわち、鎖錠かん12,13を分岐器側に接続するための継手14a,14bが鎖錠かん12,13の両端部に付設さている。
転てつ機30は、図1に示すように継手14aを接続かん4に接続することにより左据付け方向に設置される。この転てつ機30を右据付け方向に設置する場合には、図2に示すように、図1の左据付けに対して転てつ機30を反転することなく、レール1の右側に配置し、継手14bを接続かん4に接続することにより右据付け方向に設置することができる。したがって、左据付・右据付の相互組換え時に、鎖錠かん12,13及び継手14a,14bを転てつ機30から外すことも必要ない。すなわち、転てつ機30は、従来必要であった鎖錠かん12,13の左右を入れ替える現場作業も要さず、主鎖錠かん12と副鎖錠かん13との連結を外すこともなく、鎖錠かん端部の継手を鎖錠かんから外すこともなく、左据付にも右据付にも対応できる。この転てつ機30によれば、左据付用・右据付用という2種はなく、1種の構成で左据付用と右据付用に対応しているので、2種の転てつ機を工場で組み立てるという負担は生じることもなく、工場生産、現場作業及び保管等の負担を軽減することができる。
【0020】
次に、図3を参照して継手14a及びこれと鎖錠かん12,13との連結、調整ねじ機構bの構造について説明する。図3は、本実施形態の鎖錠かんの一端部の平面図(a)、F−F断面図(b)及び正面図(c)である。
【0021】
本実施形態においては、副鎖錠かん13は主鎖錠かん12の上側に配置される。また、図3に示すように、主鎖錠かん12の一端部と副鎖錠かん13の一端部とを連結する連結具は、独立した部品は無く、継手14aが兼ねている。すなわち、主鎖錠かん12の一端部と副鎖錠かん13の一端部とを連結する連結具と、分岐器側に接続するための継手とは一部品として構成されている。
【0022】
図3に示すように、主鎖錠かん12及び副鎖錠かん13は、それぞれ一端部を継手14aに形成された孔に挿入されてナットで締結、固定される。
主鎖錠かん12と副鎖錠かん13の軸方向相対位置を調整する調整ねじ機構bが、雄螺子b1、ナットb2,b3、スライドブッシュb4、保持孔b5等で構成されている。このように、調整ねじ機構bは副鎖錠かん13の一端部に構成されている。
継手14aには、その分岐器側との接続部として孔14a−1が形成されている。この孔14a−1が主鎖錠かん12のほぼ軸上で調整ねじ機構bより下方に配置されている。
【0023】
次に、図4を参照して継手14b及びこれと鎖錠かん12,13との連結、長穴スライド機構aの構造について説明する。図4は、本実施形態の鎖錠かんの他端部のD−D断面図(a)、平面図(b)、正面図(c)及びE−E断面図(d)である。
【0024】
図4に示すように、主鎖錠かん12の他端部と副鎖錠かん13の他端部とを連結する連結具は、独立した部品は無く、継手14bが兼ねている。すなわち、主鎖錠かん12の他端部と副鎖錠かん13の他端部とを連結する連結具と、分岐器側に接続するための継手とは一部品として構成されている。
【0025】
図4に示すように、副鎖錠かん13は、その他端部を継手14bに形成された孔に挿入されてナットで締結、固定される。
主鎖錠かん12の他端部には、長孔a1が形成されている。主鎖錠かん12の他端部は、継手14bに形成された断面コの字状(図4(d)参照)の受け部a5に挿入され、継手14b及び長孔a1に貫通挿入されたボルトa2と、このボルトa2に螺合するナットa3と、このナットa3の台座a4とで、締結、固定される。
主鎖錠かん12と副鎖錠かん13の軸方向相対移動を自在にする長穴スライド機構aが、長孔a1、ボルトa2、ナットa3、台座a4、受け部a5等で構成されている。このように、長穴スライド機構aは主鎖錠かん12の他端部に構成されている。
継手14bには、その分岐器側との接続部として孔14b−1が形成されている。この孔14b−1が主鎖錠かん12のほぼ軸上で長穴スライド機構aより外方に配置されている。
【0026】
以上の構造の長穴スライド機構a及び調整ねじ機構bにより、主鎖錠かん12と副鎖錠かん13の軸方向相対位置、従って切欠き12a,13a間の間隔を調整することができる。
それにはまず、長穴スライド機構aのロック手段であるボルトa2とナットa3の締結を緩めて、主鎖錠かん12を継手14bに対してスライド自在にする。
次に、調整ねじ機構bの調整ナットb3を雄螺子b1に対して螺合回転させて軸方向に移動し、ナットb2により固定した後、長穴スライド機構aをロックする。
【0027】
以上のように、調整ねじ機構bが副鎖錠かん13の一端部に構成されることにより上側に配置され、分岐器側との接続部(孔14a−1)が調整ねじ機構bより下方に配置されているので、ナットb2,b3を回す工具が干渉するものが少なく、調整ねじ機構bの操作が容易である。
仮に、調整ねじ機構bを主鎖錠かん12の一端部に構成してしまうと、工具挿入スペースや調整幅を確保するために継手14bが大きくなる。継手14bが鎖錠かん軸方向に大きくなって接続部(孔14b−1)が外方にずれることにより、右据付時、転てつ機30のレール1からの距離が余分に大きく必要になり、レール脇の余地が狭い場合に、転てつ機の設置が不可能になる率が高まってしまう。
これに対し本実施形態によれば、継手を鎖錠かんの両端に設けるに際して、調整ねじ機構bへの工具挿入スペースや調整幅を確保するために継手14bが大きくなることはなく、狭い余地への転てつ機設置率を低下させるおそれがない。
【符号の説明】
【0028】
1 レール
2 トングレール
3 フロントロッド
4 接続かん
10 転てつ機(従来)
11 装置筐体
12 主鎖錠かん
13 副鎖錠かん
14 継手
14a,14b継手
15,16 ロックピース
17,18 偏位量センサ
19a センサ用ブロック
19b センサ用ブロック
20 転てつ機(従来)
30 転てつ機(本発明)
a 長穴スライド機構
a1 長孔
a2 ボルト
a3 ナット
a4 台座
b 調整ねじ機構
b1 雄螺子
b2 ナット
b3 調整ナット
b4 スライドブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐器のトングレールを転換させる転てつ機の鎖錠かんと当該トングレールとを接続する連結機構であって、
前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手が前記鎖錠かんの両端部に付設され、
前記継手のうち、転てつ機の左据付時に前記トングレール側に配置される一方の継手を介して前記鎖錠かんと前記トングレールを接続し、転てつ機の右据付時に他方の継手を介して前記鎖錠かんと前記トングレールを接続する転てつ機の連結機構。
【請求項2】
分岐器のトングレールを転換させる転てつ機の鎖錠かんと当該トングレールとを接続する連結機構であって、
2つのロックピースと、
前記2つのロックピースのうち一方が挿入される切欠きが側部に形成された主鎖錠かんと、
前記2つのロックピースのうち他方が挿入される切欠きが側部に形成された副鎖錠かんと、
前記主鎖錠かんの一端部と前記副鎖錠かんの一端部とを連結する連結具と、
前記主鎖錠かんの他端部と前記副鎖錠かんの他端部とを連結する連結具と、
前記主鎖錠かんと前記副鎖錠かんの軸方向相対位置を調整する調整機構と、
前記主鎖錠かんと前記副鎖錠かんとを軸方向相対移動自在に連結するスライド機構と、
前記鎖錠かんの前記一端部に付設され、前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手と、
前記鎖錠かんの前記他端部に付設され、前記鎖錠かんを分岐器側に接続するための継手とを備え、
前記副鎖錠かんは前記主鎖錠かんの上側に配置され、
前記スライド機構は前記鎖錠かんの前記他端部に配置され、
前記調整機構は前記副鎖錠かんの前記一端部に構成され、
前記一端側の前記継手は、その分岐器側との接続部が前記調整機構より下方に配置されてなる転てつ機の連結機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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