説明

転写管理システム及び転写管理方法

【課題】オリジナルの原稿の印刷品質を低下させることなくオリジナルの原稿及びその二次転写物の転写の許可、課金等の管理を行うことが可能な転写管理システムを提供する。
【解決手段】画像読取手段が転写元の原稿上の画像情報を読み取る。無線タグ情報読取手段は、転写元の原稿に無線タグが付加されている場合に、その無線タグに記録された転写管理情報を読み取る。また、印刷情報読取手段は、転写元の原稿に転写管理情報が印刷されている場合に、その印刷された転写管理情報を読み取る。転写管理情報生成手段は、転写管理情報が読み取られた場合、転写管理情報に基づいて、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成する。転写画像生成手段は、転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成する。印刷手段は、転写画像を転写先の印刷媒体に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い表示品質が要求される文書(図版も含む。以下同じ。)の転写に際し、その転写の許可、課金等の管理が可能な転写管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、転写技術の発達に伴い、コピー機やスキャナ及びプリンタなどを使用して、紙等の媒体に印刷された文書を精密に転写することが極めて容易となっている。それに伴い、文書の著作権の侵害や機密文書の不正コピー等が問題となっている。そのため、著作権の保護や機密文書の複製を防止するための種々の機能を備えた転写管理システムが考案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理装置は、書き換え可能なRFTDタグ(以下「無線タグ」という。)が埋め込まれた原稿を用いて転写管理を行う。まず、スキャナで原稿を読み取る際に、スキャナが無線タグに格納されている「世代情報」及び「枚数情報」を読み出す。ここで、「世代情報」は、(a)オリジナルデータに対する原稿のコピー世代を表すコピー世代情報、及び(b)コピーを許可する最大世代を表す最大世代情報から構成される。また、「枚数情報」は、(c)累積コピー枚数、及び(d)最大コピー枚数から構成される。
【0004】
スキャナは、コピー世代情報と最大世代情報とを比較して、コピー世代が最大世代を越えた場合には、転写を禁止する。また、累積コピー枚数と最大コピー枚数とを比較して、累積コピー枚数が最大コピー枚数を超過した場合には、転写を禁止する。コピー世代が最大世代を超過せず且つ累積コピー枚数が最大コピー枚数を超過しない場合には、転写を行う。その際に、コピー世代を1だけ増加するとともに、転写枚数に応じて累積コピー枚数を増加させて、「世代情報」及び「枚数情報」を転写原稿に埋め込まれた無線タグに記録する。
【0005】
このように、特許文献1に記載の情報処理装置は、原稿に埋め込まれた無線タグから、原稿画像の属性情報を読み出して、その属性情報に応じて転写システムの動作を制限することで、情報の機密性を高めたり、転写による著作権の侵害を防止したりすることを可能としている。
【0006】
また、特許文献2には、著作権の管理と、著作権料の徴収を行うことが可能な課金システムが記載されている。この課金システムでは、まず、転写の対象となる著作物に、バーコード,透かしデータ,特定パターン,無線タグなど(以下「著作物情報記録手段」という。)を付し、これらの著作物情報記録手段により、転写の対象となる著作物(出力対象)を特定するための情報、及び実際に転写されるページなどの著作物の一部又は全部(出力対象部分)を特定するための情報を、当該著作物に記録しておく。
【0007】
著作物の転写の際に、転写機は、著作物情報記録手段に記録された情報を読み取り、ネットワークを通して、その著作物が登録されたデータベースを参照する。そして、課金情報が生成され、当該課金情報は、課金データベースに記録される。そして、課金データベースに記録された課金情報に応じて、利用者に著作権料の請求を行うことができるようにしている。
【0008】
また、特許文献3には、出版物やデータ等に対する不正な再版やコピーを防止するための著作権管理システムが記載されている。この著作権管理システムでは、転写対象となる印刷物に無線タグを埋め込んでおき、無線タグに、著作物の識別情報を記憶させておく。転写装置は、転写対象となる印刷物をスキャンすると、無線タグから識別情報を読み取る。そして、当該識別情報に基づいて、ネットワークを通じて、著作権管理サーバに転写可能か否かを問い合わせ、転写の可否を決定する。著作権管理サーバが、転写禁止の情報を送信した場合には、当該印刷物の転写を行わない。これにより、不正な再版やコピーを防止することができる。
【0009】
【特許文献1】特開2005−148240号公報
【特許文献2】特開2005−182442号公報
【特許文献3】特開2005−31791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献2,3に記載の転写管理システムにおいては、転写元の原稿に埋め込まれた無線タグの著作権管理情報を読み出して、転写の可否の判定や著作権料の徴収を行うように構成されている。この場合、転写元の原稿から転写を行う限りにおいては、これらの転写管理システムは有効に機能する。しかしながら、転写元の原稿を転写することにより得られた原稿(以下「二次転写物」という。)には著作権管理情報はコピーされない。そのため、二次転写物を再度転写する場合には、この転写管理システムは有効に機能しないという問題がある。
【0011】
また、特許文献2において、著作権管理情報をバーコード等の画像情報として記録しておけば、転写先の原稿に著作権管理情報が転写され、二次転写物においても著作権管理を行うことができる。しかし、悪意の使用者がバーコードを隠して転写した場合には、転写装置は著作権管理情報を読み出すことができないため、著作権料の課金等を行うことができない。また、透かしデータのように、転写元の原稿の一部分又は全体に著作権管理情報を分散させて記録し、使用者が著作権管理情報を隠蔽して転写することを防止することも考えられる。しかしながら、オリジナルの原稿に著作権管理情報を分散させて印刷した場合、著作権管理情報が黒点などとして原稿内に表示されるため、オリジナルの原稿の画質が低下せざるを得ないという問題がある。特に、高度画質が要求される地図などの人工画像の著作物などにおいては、オリジナルの原稿に著作権管理情報を印刷情報として記録することは、商品の品質が低下するため好ましくない。
【0012】
一方、上述の特許文献1の転写管理システムにおいては、転写元である原稿に埋め込まれた無線タグの情報を読み出して、著作権管理等の情報の分析・加工を行い、新たに生成した著作権管理等の情報を転写先の原稿に埋め込まれた無線タグに記録することで、転写先の原稿(二次転写物)においても著作権等の管理を行うことができるようにしたものである。この場合、二次転写物には、転写元の著作権管理等の情報が伝達されるため、二次転写物を再度転写する場合にも著作権等の管理を行うことができる。また、著作権管理等の情報は、無線タグに電子情報として記録されるため、オリジナルの原稿の印刷品質の低下等の問題も生じない。
【0013】
しかしながら、この特許文献1の転写管理システムで転写を行う場合、使用者は無線タグが埋め込まれた専用の転写用紙を使用することが要求される。従って、通常の転写に比べてコストが高くなる。また、任意の転写媒体(例えば、市販のOHPシート等)に転写することができないため、転写における利便性も低下するという問題もある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、オリジナルの原稿の印刷品質を低下させることなくオリジナルの原稿及びその二次転写物の転写の許可、課金等の管理を行うことが可能な転写管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る転写管理システムの第1の構成は、転写元の原稿上の画像情報を読み取り転写先の印刷媒体に印刷するとともに、転写元の原稿上の画像情報に関する転写管理情報の生成及び転写先の原稿への付加を行う転写管理システムであって、
転写元の原稿上の画像情報を読み取る画像読取手段と、
前記転写元の原稿に無線タグが付加されている場合に、その無線タグに記録された転写管理情報を読み取る無線タグ情報読取手段と、
前記転写元の原稿に転写管理情報が印刷されている場合に、その印刷された転写管理情報を読み取る印刷管理情報読取手段と、
前記無線タグ情報読取手段又は前記転写管理情報読取手段が読み取る転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成する転写画像生成手段と、
前記転写画像を転写先の印刷媒体に印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、オリジナルの原稿については、無線タグに転写管理情報を記録しておくことで、当該原稿の転写管理を行うことが可能となる。また、オリジナルの原稿には、無線タグとして転写管理情報が埋め込まれるため、転写管理情報の付加によるオリジナルの原稿の印刷品質の低下が生じることはない。
【0017】
一方、転写物には、転写管理情報が画像情報として付加される。これにより、転写先の印刷媒体に無線タグが埋め込まれていない場合であっても、転写管理情報を転写先の原稿に印刷情報として付加することができる。従って、転写先の印刷媒体の種類が限定されることが無く、転写を行う利用者の利便性に優れる。
【0018】
ここで、「転写管理情報」とは、原稿に印刷された画像情報の転写管理を行うために必要な情報をいう。転写管理情報は、例えば、透かしデータで印刷したり、微細な転写管理情報を複数紙面上に多数分散して印刷したりすることで、容易に不正が行われないように印刷することができる。
【0019】
「転写利用情報」とは、著作物の転写利用に関する情報をいい、例えば、識別IDで特定されるその著作物の転写数、転写元の原稿の識別ID、転写先の原稿の識別ID、転写により課金される著作権料の金額などの情報をいう。
【0020】
本発明に係る転写管理システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に基づいて、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成する転写管理情報生成手段を備え、
前記転写画像生成手段は、転写管理情報生成手段が生成する転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、転写管理情報生成手段は、転写元の原稿から読み取られた転写管理情報をそのまま転写先の印刷媒体に付加するのではなく、当該転写管理情報に基づいて新たに転写管理情報を生成してこれを転写先の印刷媒体に付加する。従って、新たな転写管理情報を生成する際に、転写元の原稿の情報や転写回数の情報などを新たな転写管理情報に埋め込むことができ、より高度な転写管理、例えば、転写回数に応じた課金や転写元のトレースなどを行うことが可能となる。
【0022】
また、転写管理情報を辿ることによって転写された原稿がオリジナルの原稿から何回転写を繰り返して得られたものかを検査することができる。従って、転写が繰り返された回数に応じて、転写単価を変えて課金する等の処理を行うことも可能となる。
【0023】
本発明に係る転写管理システムの第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に含まれる識別IDに基づき、識別IDを含む著作物の転写利用に関する情報である転写利用情報の生成を行う転写利用情報生成手段と、
前記転写利用情報を記憶する転写利用情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
この構成により、転写利用情報記憶手段に保存された転写利用情報を参照することにより、転写元の原稿上の転写利用の量(転写が行われた回数等)を把握することができる。従って、転写利用の量に応じて著作権料の課金をしたり、転写数の制限を行うことによって、オリジナルの原稿又はそれを転写した原稿上に印刷された著作物の管理を行うことができる。
【0025】
本発明に係る転写管理システムの第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記転写画像生成手段は、前記転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に透かしデータとして付加して、転写画像を生成することを特徴とする。
【0026】
この構成により、転写管理情報は透かしデータとして転写先の原稿に付加されるため、転写管理情報のみを隠蔽して転写を行うことはできない。従って、転写先の原稿を更に転写する際にも、転写管理情報による著作物の転写管理が可能となることが補償される。
【0027】
ここで、「透かしデータ」は、地紋透かし(印刷対象データの余白領域に、意味を持たせた微細なドットパターンを描画することにより、紙面全体に任意の情報を埋め込むことを可能とする電子透かし技術)や二値画像電子透かし(白黒データ(二値画像)に対して、白黒反転を用いてデータ自体に微弱な改変を施すことで情報を埋め込んで識別を可能とする技術)などの各種電子透かし技術を用いて作成することができる。
【0028】
本発明に係る転写管理システムの第5の構成は、前記第2の構成において、前記転写管理情報生成手段は、前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により読み取られた前記転写管理情報に含まれる識別IDに、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成し、当該新たな識別IDを含む、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成することを特徴とする。
【0029】
このように、転写元の原稿に付加された転写管理情報に含まれる識別IDに、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成することで、新たな識別IDを見れば転写元の識別IDを知ることができる。これにより、転写先の原稿に対する転写元の原稿を識別することが可能となる。従って、オリジナルの原稿に対して転々と転写が行われた場合でも、転写先の原稿から転写元の原稿を辿ることが可能となるため、不正な転写が行われていないかどうかを後で検証することが可能となる。
【0030】
本発明に係る転写管理方法の第1の構成は、転写元の原稿上の画像情報を読み取り転写先の印刷媒体に印刷するとともに、転写元の原稿上の画像情報に関する転写管理情報の生成及び転写先の原稿への付加を行う転写管理方法であって、
転写元の原稿上の画像情報を読み取る画像読取工程と、
前記転写元の原稿に無線タグが付加されている場合に、その無線タグに記録された転写管理情報を読み取る無線タグ情報読取工程と、
前記転写元の原稿に転写管理情報が印刷されている場合に、その印刷された転写管理情報を読み取る印刷情報読取工程と、
前記新たな転写管理情報を、前記画像読取工程において読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成する転写画像生成工程と、
前記転写画像を転写先の印刷媒体に印刷する印刷工程と、を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明に係る転写管理方法の第2の構成は、前記第1の構成において、前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に基づいて、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成する転写管理情報生成工程を備え、
前記転写画像生成工程においては、前記転写管理情報生成工程において生成される転写管理情報を、前記画像読取工程において読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成することを特徴とする。
【0032】
本発明に係る転写管理方法の第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に含まれる識別IDに基づき、識別IDを含む著作物の転写利用に関する情報である転写利用情報の生成を行う転写利用情報生成工程と、
前記転写利用情報を転写利用情報記憶手段に保存する転写利用情報記録工程と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明に係る転写管理方法の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記転写画像生成工程においては、前記転写管理情報生成工程において生成される前記新たな転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に透かしデータとして付加して、転写画像を生成することを特徴とする。
【0034】
本発明に係る転写管理方法の第5の構成は、前記第2の構成において、前記転写管理情報生成工程においては、前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において読み取られた前記転写管理情報に含まれる識別IDに、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成し、当該新たな識別IDを含む、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成することを特徴とする。
【0035】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに読み込ませて実行することにより、コンピュータを前記第1乃至5の何れか一の構成の転写管理システムとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
以上のように、本発明によれば、オリジナルの原稿については無線タグに転写管理情報を記録しておくことで、当該原稿の転写管理を行うことが可能となるとともに、転写管理情報の付加によるオリジナルの原稿の印刷品質の低下が生じることはない。従って、印刷物の商品としての価値が低下することなく、転写利用管理を行うことができる。
【0037】
一方、あまり高品質が要求されない転写物には、転写管理情報が画像情報として付加されるため、転写先の印刷媒体に無線タグが埋め込まれていない場合であっても、転写管理情報を転写先の原稿に印刷情報として付加することができる。従って、転写先の印刷媒体の種類が限定されることが無く、転写を行う利用者の利便性に優れた転写管理システム及び転写管理方法を提供できる。
【0038】
また、転写が行われたときに、転写利用情報記憶手段に、転写元の原稿の識別IDを含む転写利用情報を保存することで、当該原稿の著作物の利用者から転写利用に係る正当な利用料金を徴収することができる。また、著作物の利用者側からすると、転写利用を行った実態値を元に利用費を請求されるため、著作物を正規に利用することができる。
【0039】
また、転写先の原稿に付加する新たな転写管理情報を生成する際に、転写元の転写管理情報に含まれる識別ID(以下「転写元ID」という。)に、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成し、当該新たな識別ID(以下「転写先ID」という。)を含む、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成することにより、転写先IDには転写元IDの情報が含まれるため、転写先IDから転写元IDを割り出すことが可能である。従って、オリジナルの原稿に対して転々と転写が行われた場合でも、転写先の原稿から転写元の原稿を辿ること(転写による著作物の流通履歴の追跡)が可能となるため、不正な転写が行われていないかどうかを後で検証することが可能となる。また、内部統制の整備において、文書流出などのリスクへの対応にも適応できる。
【0040】
更に、販売管理の業務手順として、転写元原稿の著作物の提供時に著作物の登録を行う処理を追加し、販売著作物に組み込まれた転写管理情報と組み合わせることで、その著作物が誰に譲渡されたものなのかを把握することが可能となる。著作物の登録情報に著作物の購入者の情報及びその原稿の識別IDも含めることで、転写元原稿の転写管理情報を読み取った場合に、その識別IDをキーに購入者情報を読み出して、その購入者情報と著作物の保有者が同じか否かを比較して、盗難管理に適応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0042】
処理する以下に本発明の処理方式について図面を用いて詳細に説明する。
【0043】
〔1〕転写管理システム1のシステム構成
図1は、本発明の実施例1に係る転写管理システム1の全体構成を表す図である。本実施例に係る転写管理システム1は、転写機2、透かしデータ管理データベース3、転写利用者ID管理データベース4、著作物管理データベース5、著作権者管理データベース6、転写利用情報データベース7、課金集計システム13、及び課金情報データベース14を備えている。透かしデータ管理データベース3、転写利用者ID管理データベース4、著作物管理データベース5、著作権者管理データベース6、及び転写利用情報データベース7、課金集計システム13、及び課金情報データベース14は、転写機2と、LANやインターネット等のネットワーク10を介して接続されている。
【0044】
転写元原稿11は、著作物提供者Aにより提供される著作物が印刷されている。また、転写元原稿11には、無線タグ12が埋め込まれており、この無線タグ12には、著作物の転写を管理するための転写管理情報が記憶されている。転写管理情報には、転写元原稿11を特定するためのRFID(Radio Frequency Identification)が含まれている。
【0045】
また、転写利用者Bは無線タグ12が付加された転写元原稿11を転写機2で転写実行をすると、転写著作物が印刷された転写先原稿21が得られる。転写先原稿21の印刷媒体としては、通常の紙やOHPシート等が用いられている。転写実行の際に、転写機2は、転写元原稿11に印刷された画像(以下「元画像」という。)を読み取るとともに、無線タグ12に記憶された転写管理情報を読み取る。そして、転写機2に組み込まれたプログラムにより、転写管理情報に基づいて透かしデータ22を生成し、元画像に透かしデータ22を埋め込む。そして、この元画像に透かしデータ22が埋め込んで得られる転写画像を、転写先原稿21に印刷する。
【0046】
転写元原稿11は、無線タグ12が埋め込まれた原稿だけでなく、透かしデータ22が印刷された原稿の場合でも、同様の操作方法で透かしデータが印刷された転写先原稿21を出力することが可能となっている。
【0047】
また、転写機2は、転写処理実行時には、透かしデータ管理データベース3にて利用実績情報を収集し、著作課金計算等に利用できる。
【0048】
尚、図1において、透かしデータ管理データベース3は、透かしデータとそれに関連する各情報(利用者,転写機,転写枚数実績等)を集中的に登録・管理するためのデータベースである(後述の図5を参照)。転写利用者ID管理データベース4は、転写機2を利用する利用者に関する情報(利用者ID,利用者の利用区分等)を登録・管理するためのデータベースである(後述の図9を参照)。著作物管理データベース5は、各著作物に関する情報(著作物ID,著作権者ID等)を登録・管理するためのデータベースである(後述の図7を参照)。著作権者管理データベース6は、著作権者に関する情報(著作権者ID,著作権者氏名,振込口座等)を登録・管理するためのデータベースである(後述の図8を参照)。転写利用情報データベース7は、各著作物の転写利用の回数や課金情報等を集計・管理するためのデータベースである。課金情報データベース14は、著作物管理データベース5に登録された各著作物に対して、その転写を行う際の料金に関する情報を格納するためのデータベースである。
【0049】
課金集計システム13は、各著作物及び各転写機2に対する著作物の転写利用の実績を集計し、各著作物に対する利用料収入額及び各転写機2に対する課金額を計算するシステムである。
【0050】
図2は、図1の転写機2の機能構成を示すブロック図である。転写機2はコンピュータを内蔵しており、当該コンピュータに制御プログラムを実行させることによって図2の機能構成が実現される。
【0051】
転写機2は、操作部41、転写利用ID入力部42、タイマ43、一時記憶部44、無線タグ情報読取部45、無線タグ情報解析部46、画像読取部47、画像入力処理部48、画像管理部49、画像データベース50、転写機ID出力部51、印刷管理情報読取部52、転写利用者ID管理部53、転写管理情報生成部54、転写管理情報記憶部55、転写画像生成部56、出力制御部57、転写利用情報生成部58、通信部59、及び印刷部60を備えている。
【0052】
操作部41は、転写利用者Bが転写機2を操作するための入力装置である。操作部41は、ボタンスイッチやタッチパネルにより構成される。操作部41からは、転写枚数や転写濃度といった転写に関する制御情報が入力される。
【0053】
転写利用ID入力部42は、転写利用者Bの操作により、当該転写利用者Bの転写利用者IDを入力する。転写利用ID入力部42は、転写利用者Bがキー操作等により直接入力する構成としてもよいし、転写利用者BがICカードのような利用者カードやクレジットカード等を挿入することで転写利用IDを自動的に読み取る構成としてもよい。タイマ43は、転写利用者Bが転写操作を行った時刻を出力するための時計である。一時記憶部44は、後述する転写管理処理において、転写枚数,転写時刻,利用者ID,転写機ID,RFID管理ID,透かしデータ22などを一時的に記憶するメモリである。
【0054】
無線タグ情報読取部45は、無線タグ12の埋めこまれた転写元原稿11の転写管理情報を読み取る。無線タグ情報読取部45は、転写機に内蔵されたRFIDリーダにより構成される。無線タグ情報読取部45が読み取った転写管理情報は、無線タグ情報解析部46に渡される。無線タグ情報解析部46は、無線タグ情報読取部45から送られる転写管理情報のデータ内容を解析し、転写管理に必要な情報を抽出してその情報を一時記憶部44に保存する。
【0055】
画像読取部47は、転写元原稿11の画像を電子データ(以下「入力画像」という。)として読み込む。画像読取部47は、スキャナやCCD(Charge Coupled Devices)などの画像読み取り装置により構成される。画像入力処理部48は、入力画像の入力制御を行う。画像管理部49は、入力画像の画像情報の管理制御を行う。画像データベース50は入力画像を一旦蓄積し管理する機能を持つ。画像データベース50は、転写機2内に備えられた磁気ディスク等のメモリにより構成される。
【0056】
転写機ID出力部51は、転写機2を識別するための機器個体識別情報(以下「転写機ID」という。)を出力し、一時記憶部44に保存する。
【0057】
印刷管理情報読取部52は透かしデータを抽出し、著作物管理情報を取り出す。
【0058】
転写利用者ID管理部53は転写利用ID入力部42から入力された転写利用者IDに対応した利用条件を確認し転写処理の可否を判定する。転写管理情報生成部54は転写機2が各種管理情報を出力する際に機器個体識別情報を含んだ透かしデータを生成し、転写管理情報記憶部55に登録する。転写管理情報記憶部55は、透かしデータを一時的に保存する。
【0059】
転写画像生成部56は、入力画像に透かしデータ22を埋めこんで転写画像を生成し、出力制御部57に渡す。出力制御部57は転写画像生成部56から入力される転写画像又は画像記憶部50から読み出される入力画像の情報を元に印刷制御情報を作成し印刷部60で印刷を実行する。
【0060】
転写利用情報生成部58は利用条件による転写の可否や、転写実績情報を管理する。
【0061】
通信部59は、透かしデータ管理データベース3,転写利用者ID管理データベース4,著作物管理データベース5,著作権者管理データベース6,及び転写利用情報データベース7と、転写機2との間の通信を制御する。印刷部60は出力制御部57より透かしデータ22が組込まれた転写画像データを受け取り、転写先原稿21に印刷出力する。
【0062】
〔2〕データ構造及びデータベース構造
図3は、図2の画像データベース50のテーブル・データ構造を表す図である。画像データベース50は、画像読取部47で読み込まれた入力画像を画像データとして一時的に保持するためのデータベースである。画像データベース50のテーブルは、「画像管理ID」,「RFID管理ID」,「透かしデータID」,及び「画像データ」の4つのフィールドを有する。「画像管理ID」フィールドが主キーとされる。「画像管理ID」フィールドは、更に「印刷JOB No.」フィールドと「通番」フィールドの2つの部分フィールドから構成されている。
【0063】
「印刷JOB No.」は、画像読取部47における画像読み込み処理毎に付番される番号である。ここでは、「印刷JOB No.」は、画像読み込み処理が行われた日時により生成されるものとする。例えば、画像読み込み処理が行われた日時が2006年4月1日の1時0分0.1秒の場合、「印刷JOB No.」は、「200604010100001」のように生成される。「通番」は、1回の画像読み込み処理で連続して複数枚の入力画像が読み込まれた場合に、各入力画像に通し番号として付番される番号である。このように、画像データベース50は、「印刷JOB No.」を集計単位とし、「通番」を付けて画像データが登録・管理される。
【0064】
また、印刷時には「透かしデータID」をキーに透かしデータ管理データベース3を参照して透かしデータ22を取得し、「印刷JOB No.」単位に透かしデータの組込み処理ができる様にされている。
【0065】
また、無線タグ情報読取部45が転写元原稿11からRFIDを読込んだ場合には、読み込み時にRFID管理IDが「RFID管理ID」フィールドに登録される。このように、一時保管用でなく、RFID管理IDを全件保存することで、「RFID管理ID」から転写を行ったイメージデータを特定することが可能となる。
【0066】
図4は、無線タグ12が埋め込まれた転写元原稿11に付与されるRFIDのデータ構造を示す図である。RFID管理IDは、RFIDを識別・特定するためにIDであり、全世界で一意的に付与されるIDである。本発明ではRFIDに著作情報を蓄積して管理するのではなく、著作物管理システム(図1,図2)で著作物情報を集中管理する方法を採る。そのため、RFIDにはRFID管理IDだけを保持させる。
【0067】
図5は、透かしデータ管理データベース3のテーブル・データ構造を示す図である。透かしデータ管理データベース3は、転写出力する転写先原稿21に組み込む透かしデータ22を登録保持するためのデータベースである。転写管理システム1は、転写出力時に、この透かしデータ管理データベース3から情報を取得して、透かしデータ22を入力画像データに埋め込んで転写画像を作成し印刷出力する。
【0068】
透かしデータ管理データベース3のテーブルは、「RFID管理ID」,「透かしデータID」,「利用者ID」,「転写機ID」,「転写枚数実績」,及び「転写処理日時」の6つのフィールドを有する。
【0069】
「RFID管理ID」フィールドには、透かしデータに組み入れられるRFID管理IDが格納される。「透かしデータID」フィールドには、各透かしデータを識別・特定するための「透かしデータID」が格納される。「透かしデータID」は、「新透かしデータID」と「旧透かしデータID」との組み合わせにより構成されている。「新透かしデータID」は、各透かしデータに対して新たに生成されるIDである。また、「旧透かしデータID」には、転写元原稿11の透かしデータIDに含まれる「新透かしデータID」が登録される。このように、本実施例においては、「透かしデータID」に「旧透かしデータID」の情報を含ませることで、二次、三次、四次と転々と転写される各転写原稿から、転写元の原稿を辿ることが可能となる。すなわち、「旧透かしデータID」から、印刷履歴をバックトレースすることが可能であり、最終的にはRFIDの組込まれた一次著作物にたどり着くことができる。これにより、任意の転写原稿から、誰が、いつ、どこで、何を転写したものかをトレースすることが可能となり、著作権管理や秘密漏洩経路の追跡が可能となる。
【0070】
「利用者ID」フィールドには、転写を行った転写利用者Bの利用者IDが格納される。「転写機ID」フィールドには、転写元原稿11の転写を行う転写機2の転写機IDが格納される。「転写枚数実績」フィールドには、転写が行われた枚数が格納される。この転写枚数実績を参照することにより、著作物の転写利用に対する課金額を正確に計算することができる。「転写処理日時」フィールドには、転写が行われた日時が格納される。
【0071】
図6は、転写画像の透かしデータに組込まれる転写管理情報のデータ構造を表す図である。透かしデータには、「透かしデータID」,「RFID管理ID」,「利用者ID」,「転写機ID」,及び「転写処理日時」の各情報が組み込まれる。転写画像には、この構造の転写管理情報が、透かしデータとして埋めこまれる。
【0072】
「透かしデータID」は、図5で説明したように、「新透かしデータID」と「旧透かしデータID」との組み合わせである。このような「透かしデータID」を透かしデータとして転写画像に埋め込むことで、転写画像に基づき転写元の書類を特定することが可能となる。従って、仮に秘密書類が漏洩した場合に、「透かしデータID」を辿ることでその漏洩ルートを辿ることも可能とされている。
【0073】
尚、本実施例においては、転写画像に埋め込む透かしデータには「透かしデータID」(図5参照)を含ませることとしたが、「旧透かしデータID」は省略して「新透かしデータID」のみを含ませるようにしてもよい。
【0074】
図7は、著作物管理データベース5のテーブル・データ構造を示す図である。著作物管理データベース5のテーブルは、「著作物ID」,「RFID管理ID」,「著作権者ID」,及び「転写管理データ」の4つのフィールドを有する。「著作物ID」フィールドには、転写が行われた転写元原稿11に印刷された著作物を特定するための著作物IDが格納される。「RFID管理ID」フィールドには、転写元原稿11の転写管理情報に含まれるRFID管理IDが格納される。「著作権者ID」フィールドには、転写元原稿11に印刷された著作物の著作権者を特定するための著作権者IDが格納される。「転写管理データ」フィールドには、転写利用可否判定のための利用区分や、著作料計算のための転写単価情報などを含む転写管理データが格納される。
【0075】
図8は、著作権者管理データベース6のテーブル・データ構成を示す図である。著作権者管理データベース6は、著作権者IDをキーとして著作権者への著作料送金に必要な情報を保持するためのデータベースである。著作権者管理データベース6のテーブルは、「著作権者ID」,「著作権者名」,「住所」,及び「振込口座」の4つのフィールドを有する。「著作権者ID」フィールドには、転写元原稿11に印刷された著作物の著作権者を特定するための著作権者IDが格納される。「著作権者名」フィールドには、著作権者IDに対応する著作権者の氏名情報が格納される。「住所」フィールドには、当該著作権者の住所情報が格納される。「振込口座」フィールドには、当該著作権者に対して転写利用料金を支払う場合の振込先口座の口座番号が格納される。
【0076】
図9は、転写利用者ID管理データベース4のテーブル・データ構造を示す図である。転写利用者ID管理データベース4は、上記、著作物管理データベース5とともに使用することで利用者の転写可否の判定を行うために使用されるデータベースである。著作物管理データベース5に登録されている利用区分と同じ利用区分を、本DBの利用区分の中で検索し、利用が可能な状態として登録してあれば転写可能であると判定するように使用する。ここで、「利用区分」とは、転写利用者Bの著作物の利用権限を管理するために各転写利用者Bに付される区分である。
【0077】
転写利用者ID管理データベース4のテーブルは、「利用者ID」フィールド、各利用区分に対して設けられた「利用区分」フィールド、及び「転写利用者情報」フィールドを有する。「利用者ID」フィールドには、各転写利用者Bの利用者IDが格納される。「利用区分」フィールドには、上述のように、各利用者の利用区分が格納される。「転写利用者情報」フィールドには、各転写利用者Bに関する追加的な情報が格納される。
【0078】
図10は、課金情報データベース14のテーブル・データ構造を示す図である。課金情報データベース14は、「RFID管理ID」,「転写世代」,及び「転写単価」の3つのフィールドから構成されている。
【0079】
「RFID管理ID」フィールドには、無線タグ又は透かしデータの転写管理情報に組み入れられるRFID管理IDが格納される。課金情報データベース14の各レコードは、この「RFID管理ID」を介して、著作物管理データベース5に登録された著作物情報と1対1に対応している。
【0080】
「転写世代」フィールドには、転写物の世代数(以下「転写世代」という。)が格納される。ここで、「転写世代」とは、オリジナル原稿からある転写物が得られるまでに行われた転写の回数をいう。例えば、最初にオリジナル原稿を転写して得られた転写物の転写世代は1、更にその転写物を転写して得られた転写物の転写世代は2となる。
【0081】
「転写単価」フィールドには、「RFID管理ID」フィールド及び「転写世代」フィールドにより特定される特定の著作物の特定の転写世代に対する転写利用の単価が格納される。例えば、図10においては、RFID管理ID「R0001」により特定される著作物の転写利用の単価は、転写世代1の場合が100円,転写世代2の場合が50円,転写世代3以上の場合が30円に設定されている。一般に、転写物は完全にオリジナル原稿の転写はされず、転写を繰り返すことにより転写物の画質は低下する。そこで、「転写世代」フィールドを使用することによって、転写による画質の低下を考慮して、転写利用料金に差をつけて設定することが可能とされている。
【0082】
図11は、転写利用情報データベース7のテーブル・データ構造を示す図である。転写利用情報データベース7には、図11に示したように、著作物別収入集計テーブル(a)と、転写装置別収入集計テーブル(b)との2つのテーブルが格納されている。
【0083】
著作物別収入集計テーブル(a)は、著作物別に転写利用による収入額を集計するテーブルであり、「RFID管理ID」フィールド,「収入額」フィールド,及び「著作権者」フィールドの3つのフィールドにより構成されている。
【0084】
「RFID管理ID」フィールドには、無線タグ又は透かしデータの転写管理情報に組み入れられるRFID管理IDが格納される。著作物別収入集計テーブル(a)の各レコードは、この「RFID管理ID」を介して、著作物管理データベース5に登録された著作物情報と1対1に対応している。「収入額」フィールドには、RFID管理IDにより特定される著作物毎の複写利用による収入額が格納される。「著作権者」フィールドには、RFID管理IDにより特定される著作物の著作権者IDが格納される。
【0085】
一方、転写装置別収入集計テーブル(b)は、転写機別に転写利用による課金額を集計するテーブルであり、「転写機ID」フィールド及び「課金額」フィールドの2つのフィールドにより構成されている。「転写機ID」フィールドには、各転写機2の転写機IDが格納される。また、「課金額」フィールドには、各転写機2により著作物の転写利用がされたことにより発生した課金額の合計額が格納される。
【0086】
〔3〕著作物提供システム8のシステム構成
図12は、実施例1に係る著作物提供システム8の概要図である。著作物提供システム8は、RFID管理システム71,著作物管理データベース5,及び著作権者管理データベース6を有し、各構成部分はネットワーク10により接続されている。尚、著作物管理データベース5,及び著作権者管理データベース6は、図1の転写管理システム1と共通に用いられる。
【0087】
RFID管理システム71は、無線タグ12が埋め込まれた転写元原稿11から、無線タグ12に記憶されたRFID情報を読み出す。そして、転写利用条件などを含む著作物情報を著作物管理データベース5に、著作権者名,住所などの情報を著作権者管理データベース6に登録する。
【0088】
〔4〕著作物提供システム8における著作物登録処理
以上のように構成された実施例1に係る転写管理システム1及び著作物提供システム8において、以下その動作を説明する。
【0089】
まず、著作物提供システム8による著作物の登録処理を図7,図8,図12,及び図13を参照しながら説明する。図13は、著作物提供システム8による著作物の登録処理を表すフローチャートである。
【0090】
まず、ステップS1において、著作物提供者Aは、RFID管理システム71に対して、自己の氏名又は自己の著作権者IDを入力する。
【0091】
ステップS2において、RFID管理システム71は、ネットワーク10を介して、著作権者管理データベース6を参照し、入力された著作物提供者Aの氏名又は著作権者IDが著作権者管理データベース6のテーブル内に存在するか否かを調べる。登録済みであれば、次のステップS3に進み、未登録であればステップS4に進む。
【0092】
ステップS3において、RFID管理システム71は、著作権者管理データベース6のテーブルから、著作物提供者Aの氏名又は著作権者IDに対応するレコードを読み出して、著作物提供者Aの著作権者ID,著作権者名,住所,及び振込口座の情報を記憶する。そして、ステップS6へ移行する。
【0093】
一方、著作物提供者Aが未登録の場合、ステップS4において、RFID管理システム71は著作物提供者Aの著作権者IDを新たに発行する。そして、著作物提供者Aは、RFID管理システム71に対して、自己の住所,及び振込口座の情報を入力する。ステップS5において、RFID管理システム71は、著作物提供者Aの著作権者ID,著作権者名,住所,及び振込口座の情報を著作権者管理データベース6のテーブルに追加登録する。そして、次のステップS6へ移行する。
【0094】
ステップS6において、著作物提供者AがRFID管理システム71の無線タグ読み取り装置(図示せず)に転写元原稿11を掲げ、RFID管理システム71は、RFID管理ID等の無線タグ情報を読み込む。
【0095】
ステップS7において、著作物提供者Aは、RFID管理システム71に対して、転写元原稿11に印刷された著作物の転写管理データ(利用区分,転写単価等)を入力する。
【0096】
最後に、ステップS8において、RFID管理システム71は、取得したRFID管理ID,著作物ID,著作権者ID,転写利用に関する転写管理データを著作物管理データベース5に登録する。
【0097】
以上の処理により、転写元原稿11の著作物の関する情報が、著作物管理データベース5に登録され、転写における著作権利用料の課金等の管理が可能となる。
【0098】
〔5〕転写管理システム1における転写管理処理
次に、転写管理システム1による転写管理処理について説明する。図14,図15は、転写管理システム1による転写管理処理を表すフローチャートである。図16は、無線タグ12が組込まれた転写元原稿11を転写する際の転写管理処理の概要図である。図17は、透かしデータ22が組込まれた転写元原稿11を転写する際の転写管理処理の概要図である。
【0099】
まず、ステップS10において、転写利用者Bは、転写機2の操作部41から利用者IDを入力する。利用者IDの入力の仕方としては、キーボタンの操作により入力する方法の他、利用者IDが記憶された転写利用者BのICカードを操作部41から読み込ませる方法を採ることができる。転写利用ID入力部42は、転写利用者Bが操作部41で入力した利用者IDを受け取り、転写機2の一時記憶部44に保存する。
【0100】
ステップS11において、転写利用者Bは、転写機2の操作部41から転写枚数を入力する。入力された転写枚数は、転写機2の一時記憶部44に保存される。
【0101】
ステップS12において、転写利用者Bは、転写元原稿11を画像読取部47の光学読み取り面(以下「原稿台」という。)又はオートシートフィーダに設置し、操作部41から転写開始指示を入力する。転写開始指示が入力されると、転写元原稿11がオートシートフィーダにセットされている場合には原稿台に移送される。そして、まず、無線タグ情報読取部45が、転写元原稿11の無線タグ12に対して読み出し信号を送信し、無線タグ情報の読み取りを試みる。
【0102】
転写元原稿11に無線タグ12が埋め込まれており、無線タグ情報読取部45において無線タグ情報が読み取られた場合には、無線タグ情報解析部46は、当該無線タグ情報を解析してRFID管理IDを取得し、転写機2の一時記憶部44に保存する。
【0103】
次に、ステップS13において、画像読取部47は、原稿台に置かれた転写元原稿11の表面を光学的に走査し、画像イメージを取り込む。
【0104】
ステップS14において、画像入力処理部48は、ステップS13において取り込まれた画像イメージをメージデータ(入力画像データ)に変換する。画像管理部49は、この入力画像データを画像データベース50に登録する。このとき、画像管理部49は、画像データベース50のテーブルに、印刷JOB No.、通番、画像データを登録する(図3参照)。
【0105】
ステップS15において、画像読取部47は、すべての入力画像データが取り込まれたか否かを判定し、まだ入力画像データがすべて取り込まれていない場合には、ステップS13に戻る。すべての入力画像データが取り込まれていれば、次のステップS16に移行する。
【0106】
ステップS16において、印刷管理情報読取部52は、一時記憶部44にRFID管理IDが取り込まれているか否かを判定する。RFID管理IDが取り込まれていた場合には、印刷管理情報読取部52は、画像データから透かしデータを解析する処理はせず、透かしデータ転写利用可否判定(ステップS19)の処理へ移行する。一方、RFID管理IDが取り込まれていない場合(即ち、転写元原稿11に無線タグ12が埋め込まれていない場合)には、次の転写元原稿11に透かしデータが存在するかを確認する処理(ステップS17)へ移行する。
【0107】
ステップS17において、印刷管理情報読取部52は、画像データベース50に登録された入力画像データを読み出す。そして、入力画像データを解析し、透かしデータが登録してあるかを確認する。透かしデータが存在している場合は、印刷管理情報読取部52は、透かしデータを一時記憶部44に保存する。
【0108】
ステップS18において、入力画像データに透かしデータが埋め込まれていない場合には、無線タグ情報も透かしデータも存在しないことになり、転写物は管理著作物でないと判断される。ここで、RFIDも透かしデータもない場合においては、転写処理不能として操作部41にメッセージを表示して印刷を中止させるか、管理すべき著作物でないとしてそのまま印刷実行させるかいずれの処理も可能となる。本実施例1においては、後者の処理を行うこととし、ステップS24の印刷処理に移行する。
【0109】
ステップS19において、転写利用者ID管理部53は、転写実行可否判断処理を行う。まず、転写利用者ID管理部53は、著作物の利用条件情報を取得する。これは、一時記憶部44に一時保存していたRFID管理IDを使用して、著作物管理データベース5のテーブルを、RFID管理IDを検索キーとして検索し、検索キーに対応する転写管理データを取得する(図7参照)。そして、その転写管理データから登録されている利用区分を取得する。一方、転写利用者ID管理部53は、一時記憶部44に一時保存している利用者IDを使用して、当該利用者IDを検索キーとして転写利用者ID管理データベース4のテーブルを検索する。利用者IDが転写利用者ID管理データベース4に登録があり、その利用者IDに対応して登録されている「利用区分」フィールドにおいて、著作物管理データベース5から抽出された転写管理データの利用区分と同じ利用区分が利用可の状態である場合に、転写許可と判定する。それ以外は、転写不許可と判定する。
【0110】
ステップS20において、転写不許可と判定された場合は、転写機2は、印刷処理を行うことなく終了する。転写許可の場合には、次のステップS21に進む。
【0111】
ステップS21において、転写機ID出力部51は、転写機2のもつ転写機IDを取得し、一時記憶部44に保存する。
【0112】
ステップS22において、転写管理情報生成部54は、透かしデータに使用する透かしデータ管理情報の生成を行い、ネットワーク10を通じて透かしデータ管理データベース3に登録する(図5参照)。ここで、新たに登録する転写管理情報のレコード(以下「新規登録レコード」という。)の「RFID管理ID」フィールド,「利用者ID」フィールド,「転写機ID」フィールド,及び「転写処理枚数実績」フィールドには、一時記憶部44に一時保存しておいた値を登録する。また、透かしデータ管理データベース3の「透かしデータID」フィールドの「新透かしデータID」を検査し、登録済みの「新透かしデータID」のうち最終番の新透かしデータIDを取得する。そして、その最終番の新透かしデータIDの次の番号を新規登録レコードの「新透かしデータID」フィールドに登録する。また、新規登録レコードの「旧透かしデータID」フィールドには、転写元原稿11から電子タグ情報を読込んだ場合には初期値を登録する。転写元原稿11から透かしデータを読み込んだ場合には、転写元原稿11から読込んで一時保存しておいた透かしデータIDを登録する。また、新規登録レコードの「転写処理日時」フィールドには、転写処理実行ボタンを押した日時を登録する。
【0113】
また、この新規登録レコードで新たに発行した透かしデータID(新透かしデータID+旧透かしデータID)を、画像データベース50のテーブル内の、RFID管理IDが対応するレコードの「透かしデータID」フィールドに登録しておく。これは入力画像データに透かしデータ22を組み込むときに、画像データベース50と透かしデータ管理データベース3を透かしデータIDで関連づけて入力画像情報に透かしデータ22を埋め込むことを実現するためである。
【0114】
ステップS23において、転写画像生成部56は、透かしデータ管理データベース3のテーブルから、転写管理情報(図6参照)のすべてのフィールドに対応する情報を取得する。そして、取得した転写管理情報の「透かしデータID」を検索キーとして、画像データベース50を検索し、抽出されたレコードを読み込んで「透かしデータID」に対応する「画像データ」を取得する。次いで、転写画像生成部56は、この画像データに転写管理情報を透かしデータとして組み込んで、転写画像を生成する。そして、出力制御部57に印刷依頼を発行する。
【0115】
ステップS24において、出力制御部57は、印刷部60に転写画像を送信する。印刷部60は、透かしデータが組込まれた転写画像を転写先原稿21に印刷し、一連の処理を終了する。
【0116】
〔6〕課金集計システム13における課金集計処理
最後に、著作物を転写利用した場合の課金処理について説明する。
【0117】
課金情報は、転写処理ごとにトランザクションデータとして登録している透かしデータ管理データベース3より提供が可能となっている。著作権者毎の著作料金計算は、RFID管理IDをキーに、著作物管理データベース5のテーブル内のレコードを読み込んで、著作権者IDを取得し、この著作権者ID毎に著作料の計算を行う。これにより、転写数量に応じて正確に著作物の転写利用料金を課金することができる。
【0118】
図18は、課金集計システム13における課金集計処理の流れを表すフローチャートである。
【0119】
まず、転写機2において著作物の転写が行われると、上述の転写管理処理によって透かしデータ管理データベース3にレコードが追加される。課金集計システム13は、透かしデータ管理データベース3の更新を監視しており(S31)、更新がされると、以下のステップS32以下の動作を行う。
【0120】
ステップS32において、課金集計システム13は、透かしデータ管理データベース3から、更新(追加)されたレコードのデータ(RFID管理ID,透かしデータID(新透かしデータID,旧透かしデータID),利用者ID,転写機ID,転写枚数実績,転写処理日時)を取得する。以下、更新(追加)されたレコードのRFID管理IDをRFID管理ID(n)、当該レコードの転写機IDを転写機ID(m),当該レコードの転写枚数実績をpと記す。
【0121】
ステップS33において、課金集計システム13は、著作物管理データベース5から、RFID管理ID(n)に対応する著作権者IDを取得する。
【0122】
ステップS34において、課金集計システム13は、転写利用情報データベース7の著作物別収入集計テーブルから、RFID管理ID(n)に対応する収入額X(n)を取得する。また、転写利用情報データベース7の転写装置別収入集計テーブルから、転写機ID(m)に対応する課金額Y(m)を取得する。
【0123】
ステップS35において、課金集計システム13は、課金情報データベース14より、RFID管理ID(n)に対応する転写単価U(n,g)を取得する。ここで、gは転写世代を表し、転写世代によって複数の転写単価が設定されている場合には、各転写世代の転写単価U(n,g)を取得する。
【0124】
ステップS36において、課金集計システム13は、ステップS32で取得したレコードに対する転写利用料金Cを計算する。この計算は、次のようにして行われる。
まず、ステップS32で取得されたレコードの転写世代gをステップS32で取得されたレコードの転写世代gを決定する。これは、次のような処理により行えばよい。
(1)まずgを1に設定する。次に、当該レコードの旧透かしデータIDを検査し、旧透かしデータIDが設定されていない場合にはgを現在の値に決定する。
(2)一方、旧透かしデータIDが設定されている場合には、gの値を1だけ追加し、その旧透かしデータIDを検索キーとして、透かしデータ管理データベース3の「新透かしデータID」フィールドを検索する。
(3)そして、検索により得られたレコードの旧透かしデータIDを検査し、旧透かしデータIDが設定されていない場合にはgを現在の値に決定する。
(4)当該レコードの旧透かしデータIDが設定されている場合には、(2)以下の動作を繰り返す。
【0125】
こうして得られた転写世代gとRFID管理ID(n)に基づき、転写単価U(n,g)が決定される。この転写単価U(n,g)に転写枚数実績pをかけることで、転写利用料金C=U(n,g)×pが計算される。
【0126】
ステップS37において、課金集計システム13は、ネットワーク10を介して、転写機2に転写利用料金Cを送信する。転写機2の側では、受信した転写利用料金Cに基づいて利用者に課金することができる。
【0127】
ステップS38において、課金集計システム13は、RFID管理ID(n)に対応する収入額X(n)に転写利用料金Cを加算して、転写利用情報データベース7の著作物別収入集計テーブルのRFID管理ID(n)に対応するレコードの「収入額」フィールドを更新する。
【0128】
ステップS39において、課金集計システム13は、転写機ID(m)に対応する収入額Y(m)に転写利用料金Cを加算して、転写利用情報データベース7の転写装置別収入集計テーブルの転写機ID(m)に対応するレコードの「課金額」フィールドを更新する。そして、ステップS31に戻る。
【0129】
以上のようにして、課金集計システム13は、各著作物及び各複写機毎に収入額集計及び課金集計を行い、転写利用情報データベース7の更新を行う。
【実施例2】
【0130】
実施例2における転写管理システム1の構成は、透かしデータ管理データベース3のテーブル構造を除いて実施例1と同様であるため、同様な部分の説明は省略する。
【0131】
図19に、実施例2の透かしデータ管理データベース3のテーブル構造を示す。実施例1では、「透かしデータID」フィールドが「新透かしデータID」と「旧透かしデータID」とによって構成されていたのに対して、本実施例では、「透かしデータID」フィールドは「新透かしデータID」のみにより構成されている点で異なっている。
【0132】
この実施例2における転写管理システム1の転写管理処理は、ステップS22(図13参照)を除いて実施例1と同様である。本実施例では、ステップS22において、転写管理情報生成部54は、転写元原稿11から電子タグ情報を読み込んだ場合には、新たな「透かしデータID」を発行するが、それ以外の場合には新たな「透かしデータID」を発行しない。すなわち、転写元原稿11の入力画像データから透かしデータが読み取られた場合には、新たな「透かしデータID」を発行せずに、その透かしデータに含まれている透かしデータIDを、転写先原稿に付加する「透かしデータID」とする。
【0133】
このような構成にすると、実施例1で説明したような転写世代別に転写単価を設定することはできなくなる。また、透かしデータに含まれる「透かしデータID」に基づいて転写元の原稿をバックトレースすることもできなくなる。
【0134】
しかしながら、透かしデータに付加すべき情報量が少なくなり、データの管理も簡単化される。従って、転写世代別に転写単価を設定する必要がない場合や、転写元の原稿をバックトレースする必要がない場合には、本実施例のような簡略化した構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の実施例1に係る転写管理システムの全体構成を表す図である。
【図2】図1の転写機2の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2の画像データベース50のテーブル・データ構造を表す図である。
【図4】無線タグ12が埋め込まれた転写元原稿11に付与されるRFIDのデータ構造を示す図である。
【図5】透かしデータ管理データベース3のテーブル・データ構造を示す図である。
【図6】透かしデータに組込まれる転写管理情報のデータ構造を表す図である。
【図7】著作物管理データベース5のテーブル・データ構造を示す図である。
【図8】著作権者管理データベース6のテーブル・データ構成を示す図である。
【図9】転写利用者ID管理データベース4のテーブル・データ構造を示す図である。
【図10】課金情報データベース14のテーブル・データ構造を示す図である。
【図11】転写利用情報データベース7のテーブル・データ構造を示す図である。
【図12】実施例1に係る著作物提供システムの概要図である。
【図13】著作物提供システム8による著作物の登録処理を表すフローチャートである。
【図14】転写管理システム1による転写管理処理を表すフローチャートである。
【図15】転写管理システム1による転写管理処理を表すフローチャートである。
【図16】無線タグ12が組込まれた転写元原稿11を転写する際の転写管理処理の概要図である。
【図17】透かしデータ22が組込まれた転写元原稿11を転写する際の転写管理処理の概要図である。
【図18】課金集計システム13における課金集計処理の流れを表すフローチャートである。
【図19】実施例2における透かし管理データベース3のテーブル構造を表す図である。
【符号の説明】
【0136】
1 転写管理システム
2 転写機
3 透かしデータ管理データベース
4 転写利用者ID管理データベース
5 著作物管理データベース
6 著作権者管理データベース
7 転写利用情報データベース
8 著作物提供システム
10 ネットワーク
11 転写元原稿
12 無線タグ
13 課金集計システム
14 課金情報データベース
21 転写先原稿
22 透かしデータ
41 操作部
42 転写利用ID入力部
43 タイマ
44 一時記憶部
45 無線タグ情報読取部
46 無線タグ情報解析部
47 画像読取部
48 画像入力処理部
49 画像管理部
50 画像データベース
51 転写機ID出力部
52 印刷管理情報読取部
53 転写利用者ID管理部
54 転写管理情報生成部
55 転写管理情報記憶部
56 転写画像生成部
57 出力制御部
58 転写利用情報生成部
59 通信部
60 印刷部
71 RFID管理システム
A 著作物提供者
B 転写利用者



【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写元の原稿上の画像情報を読み取り転写先の印刷媒体に印刷するとともに、転写元の原稿上の画像情報に関する転写管理情報の転写、変換、又は生成、及び転写先の原稿への付加を行う転写管理システムであって、
転写元の原稿上の画像情報を読み取る画像読取手段と、
前記転写元の原稿に無線タグが付加されている場合に、その無線タグに記録された転写管理情報を読み取る無線タグ情報読取手段と、
前記転写元の原稿に転写管理情報が印刷されている場合に、その印刷された転写管理情報を読み取る印刷管理情報読取手段と、
前記無線タグ情報読取手段又は前記転写管理情報読取手段が読み取る転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成する転写画像生成手段と、
前記転写画像を転写先の印刷媒体に印刷する印刷手段と、
を備えた転写管理システム。
【請求項2】
前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に基づいて、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成する転写管理情報生成手段を備え、
前記転写画像生成手段は、転写管理情報生成手段が生成する転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成することを特徴とする請求項1記載の転写管理システム。
【請求項3】
前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に含まれる識別IDに基づき、識別IDを含む著作物の転写利用に関する情報である転写利用情報の生成を行う転写利用情報生成手段と、
前記転写利用情報を記憶する転写利用情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の転写管理システム。
【請求項4】
前記転写画像生成手段は、前記転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に透かしデータとして付加して、転写画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一記載の転写管理システム。
【請求項5】
前記転写管理情報生成手段は、前記無線タグ情報読取手段又は前記印刷管理情報読取手段により読み取られた前記転写管理情報に含まれる識別IDに、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成し、当該新たな識別IDを含む、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成することを特徴とする請求項2記載の転写管理システム。
【請求項6】
(課金システム)
【請求項7】
転写元の原稿上の画像情報を読み取り転写先の印刷媒体に印刷するとともに、転写元の原稿上の画像情報に関する転写管理情報の転写、変換、又は生成、及び転写先の原稿への付加を行う転写管理方法であって、
転写元の原稿上の画像情報を読み取る画像読取工程と、
前記転写元の原稿に無線タグが付加されている場合に、その無線タグに記録された転写管理情報を読み取る無線タグ情報読取工程と、
前記転写元の原稿に転写管理情報が印刷されている場合に、その印刷された転写管理情報を読み取る印刷情報読取工程と、
前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において読み取られる前記転写管理情報を、前記画像読取工程において読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成する転写画像生成工程と、
前記転写画像を転写先の印刷媒体に印刷する印刷工程と、
を備えた転写管理方法。
【請求項8】
前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に基づいて、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成する転写管理情報生成工程を備え、
前記転写画像生成工程においては、前記転写管理情報生成工程において生成される転写管理情報を、前記画像読取工程において読み取られた画像に画像情報として付加して、転写画像を生成することを特徴とする請求項6記載の転写管理方法。
【請求項9】
前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において前記転写管理情報が読み取られた場合、前記転写管理情報に含まれる識別IDに基づき、著作物の転写利用に関する情報である転写利用情報の生成を行う転写利用情報生成工程と、
前記転写利用情報を転写利用情報記憶手段に保存する転写利用情報記録工程と、
を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の転写管理方法。
【請求項10】
前記転写画像生成工程においては、前記転写管理情報生成工程において生成される前記新たな転写管理情報を、前記画像読取手段により読み取られた画像に透かしデータとして付加して、転写画像を生成することを特徴とする請求項6乃至8の何れか一記載の転写管理方法。
【請求項11】
前記転写管理情報生成工程においては、前記無線タグ情報読取工程又は前記印刷情報読取工程において読み取られた前記転写管理情報に含まれる識別IDに、新たに転写の情報を付加して新たな識別IDを生成し、当該新たな識別IDを含む、転写先の原稿についての新たな転写管理情報を生成することを特徴とする請求項7記載の転写管理方法。
【請求項12】
コンピュータに読み込ませて実行することにより、コンピュータを請求項1乃至5の何れか一に記載の転写管理システムとして機能させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−59213(P2008−59213A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234482(P2006−234482)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【出願人】(506294945)株式会社日立システム九州 (3)
【Fターム(参考)】