説明

転写補助製品

【課題】簡便、確実且つ省力的に粘着体を転写し得る転写補助製品を提供する。
【解決手段】被着体Zを圧着することによって被着体Zの圧着面Zaに粘着剤1を転写し得るものであって、剥離基材2上に粘着剤1を複数のドット1dに塗工してなる転写式粘着材料Aと、少なくとも柔軟性を有し転写式粘着材料Aを支持して圧着面Zaに粘着剤1を転写し得る被圧着転写面Xを形成する表紙体Hとを具備するノート型粘着製品Nである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着体を被着体の任意の箇所に転写し得る転写補助製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、日常生活や事務用途において、被着体を任意の箇所に止着するために、被着体の任意の一面に粘着剤を塗工し、任意の対象面に圧着することによって止着する態様に代わって、両面テープや転写具といった種々の粘着製品を用いて被着体を止着することが行われている。また主に事務用途としては、粘着剤や、着色剤、マスキング材を転写するといった態様が広く行われている。
【0003】
ここで、上述したような粘着剤や両面テープといったものと、マスキングテープを転写する転写具等を総括して、転写補助製品ということとする。
【0004】
一方産業用途においても、例えば特許文献1に開示しているように、粘着剤を用いて電子部品等を位置決めするためのシートが提案されている。同文献に記載のものは、予め剥離基材に支持させておいた粘着剤をプリント基板に転写し、さらに、プリント基板における粘着剤が転写された箇所に電子部品を配置することにより、電子部品の位置決めを好適に行い得るものである。
【特許文献1】特開平5−154438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、転写補助製品として両面テープを使用した場合では、被着体の面の形状に合わせてテープを裁断すると言った手間を生じてしまう場合があるのみならず、両面テープが基材の両面に粘着剤を施す構造のために当該両面テープの厚み寸法だけ被着体と対象面との間に距離を生じてしまう。そのため例えば精密さを要する部品組立などの用途に両面テープを用いると、当該距離が部品組立時に許容されている誤差を超えてしまう場合も生じてしまうおそれがある。
【0006】
一方、粘着製品として転写具を使用する場合においては、上述の両面テープの場合と同様、被着体の面の形状によっては、当該形状に合わせて粘着剤を転写するための作業に時間を要してしまうものとなる。
【0007】
他方、上述した特許文献のような転写補助製品を使用する場合は、確かに被着体の位置決めを行うことはできるが、圧着面に対して一様に同じ大きさの粘着剤を塗布するため、被着体の大きさによっては、被着体を十分に止着し得ないといったことが起こり得る。
【0008】
本発明は、このような不具合に着目したものであり、粘着剤やマスキングテープといった粘着体を、簡便、確実且つ省力的に被着体へと転写し得る転写補助製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る転写補助製品は、被着体を圧着することによって被着体の圧着面に粘着体を転写し得るものであって、剥離基材上に粘着体を塗工してなる転写式粘着材料と、少なくとも柔軟性を有し転写式粘着材料を支持して圧着面に粘着体を転写し得る被圧着転写面を形成するステージとを少なくとも具備することを特徴とする。
【0010】
ここで、ステージが転写式粘着材料を支持することによって形成される被圧着転写面とは、平面であることに限られることはなく、被着体の圧着面を押し付けた際に圧着面に沿って若干変形し得るものであってもよい。また、被圧着転写面に柔軟性を付与する態様として、ステージに柔軟性を付与する態様と転写式粘着材料に柔軟性を付与する態様とを考えることができる。また粘着体とは、物品の止着を目的とする粘着剤に限られることはなく、他に着色剤やマスキング材など、被着体に転写し得る程度の粘着性を有するものを幅広く指し示す概念である。
【0011】
このようなものであれば、被圧着転写面に被着体を圧着すれば容易に粘着体を転写することができるので、被着体の圧着面に合わせて粘着体を塗布したり別途転写具等を用いて圧着面の形状に沿って粘着体を転写することを有効に回避して、粘着体を圧着面の形状に沿って好適に転写することができる。
【0012】
また、斯かる構成を利用して好適な粘着製品を提供するためには、前記粘着体を粘着剤とし、転写式粘着材料は、剥離基材上に粘着剤を断続パターンに塗工してなるものとすれば、圧着面の形状にそって複数の断続パターンを好適に転写することができる。そして圧着面に転写した複数の断続パターンを所望の対象面に押圧することによって、当該押圧力が個々の粘着剤の断続パターン毎に集中することとなり、それぞれの断続パターンが十分な止着力を発揮して被着体を好適に対象面へと止着することができる。
【0013】
そして個々の断続パターンが圧着面への圧着力から好適に圧着面と対象面とを止着し得るためには、断続パターンの長径を、0.1mm以上3mm以下とすることが好ましい。
【0014】
圧着面により確実に粘着剤を転写し得るものとするためには、ステージを、圧着面の形状に沿って変形し得るように構成することが好ましい。
【0015】
さらに、種々多様な被着体の圧着面の形状に対して好適に粘着体を転写し得るものとするためには、ステージに、凹凸部を設けることが好ましい。ここで、凹凸部の形状は曲線状や多角形状など、形状によって限定されるものではない。また、ステージの他の部位よりも隆起或いは陥没の何れか或いは両方をなしていればよい。
【0016】
斯かる構成を有する上に、さらに事務用途として好適に利用し得るものとして、転写式粘着材料をシート状に成形したシートを剥離部を介して複数積層した積層シート部と、積層シート部における任意のシート間に挟み得るステージとを具備している転写補助製品を挙げることができる。また、斯かる構成の転写補助製品を、被圧着転写面に露出させる粘着体の塗工領域を制限し得る転写領域制限手段をさらに具備したものとすれば、被着体に転写する粘着体の量又は占有面積を好適に調節し得るものとなる。そして収納性並びに携帯性を考慮すれば、積層シート部及びステージの一端縁を綴じてなるものとして、いわゆるノート状とした転写補助製品とすればよい。
【0017】
一方、上述の転写式粘着材料を長尺状に成形した帯状粘着材料と当該帯状粘着材料を巻回した巻回軸部とを少なくとも有したものを採用した場合には、当該巻回軸部に巻回した帯状粘着材料のうち外側に露出した露出面を被圧着転写面とし、巻回軸部又は当該巻回軸部と被圧着転写面に覆われた帯状粘着材料とによってステージを構成して、格別のステージを設けることを有効に回避し且つ長尺状の転写式粘着材料を好適に収納し得る転写補助製品とすることができる。ここで巻回軸部とは、実際に格別の部材としての軸に対して帯状粘着材料を巻回したものに限られず、帯状粘着材料自体を棒状に巻回することによって、帯状粘着材料のみで巻回軸部を構成した態様をも含むという概念である。
【0018】
他方ステージ上での粘着物の転写を持続的に行うための構成として、転写式粘着材料を保持し得る粘着材料保持機構と、転写式粘着材料を平面状に引き出し得る引出機構と、平面状に引き出した転写式粘着材料を支持し被圧着転写面を形成し得るステージとを少なくとも具備したものを挙げることができる。そして、粘着材料保持手段を、上述したような転写式粘着材料を長尺状に成形した帯状粘着材料と当該帯状粘着材料を巻回した巻回軸部とによって構成したものを挙げることができる。
【0019】
ここで引出機構は、帯状粘着材料を引き出した状態を維持し得るものであればよく、引き出した帯状粘着材料を巻き取る態様としても、引き出した帯状粘着材料を適宜廃棄し得る態様としてもよい。勿論引き出す為の動力は手動であるか否かを問わない。また、「平面状に引き出す」とは引き出した帯状粘着材料によって一定面積の平面を構成し得るという概念である。
【0020】
斯かる引出機構の具体的な構成として、巻回軸部から引き出された帯状粘着材料を巻き取り得る巻取軸を挙げることができる。ここで巻取軸部とは、実際に格別の部材としての軸に対して帯状粘着材料を巻き取っていく態様に限られず、帯状粘着材料自体を棒状に巻き取っていくことによって、帯状粘着材料のみで巻回軸部を構成していく態様をも含むという概念である。
【0021】
そして、巻取軸部を利用して転写式粘着材料を好適にステージ上を移動させ得るための構成として、例えばギヤやプーリを用いた機構を採用するなどして、巻回軸部及び巻取軸部の動作を連動させ得る軸連動機構をさらに設けたものが望ましい。そして、転写式粘着材料を正確に引き出す為の構成として、引出機構に、帯状粘着材料を所定寸法毎に引き出し得る定寸送り手段を設ければよい。なお当該定寸送り機構は、巻取軸に連動するダイヤルに節度機構を付与することや、引出機構に連動し得る定寸送りボタンを別途設けるなど、既存の種々の機構を採用することができる。
【0022】
そして、被着体へ粘着体を転写する際に、好適に塗工し得るようにしつつ、且つ粘着体としての作用を十分に果たすためには、剥離基材上に塗工された粘着体の塗工厚を、5〜200μm以下とすることが望ましく、より好ましくは10〜120μm、さらに好ましくは15〜100μmとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、被着体の圧着面に合わせて粘着体を塗布したり別途転写具等を用いて圧着面の形状に沿って粘着体を転写することを有効に回避して、粘着体を圧着面の形状に沿って好適に転写することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお以下の各実施形態並びに変形例は、本発明の限定された一例として、粘着体として粘着剤を採用した態様を示したものである。
【0025】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態に係る転写補助製品たるノート型粘着製品Nを図1、図2、図3及び図4に示す。
【0026】
ここで、本実施形態に係るノート型粘着製品Nは、例えば写真や資料といった被着体Zを圧着することによって被着体Zの圧着面Zaに粘着体たる粘着剤1を転写するためのものである。そして、剥離基材2上に粘着剤1を断続パターンに塗工してなる転写式粘着材料Aと、少なくとも柔軟性を有し転写式粘着材料Aを支持して圧着面Zaに粘着剤1を転写し得る被圧着転写面Xを形成する表紙体Hたるステージとを少なくとも具備することを特徴とするものである。
【0027】
以下、ノート型粘着製品Nの構成について説明する。
【0028】
ノート型粘着製品Nは、後述するシートたる粘着シートSを積層した積層シート部SSと、積層シート部SSを表裏から保護し得る表紙体Hとを、それぞれ一端縁を綴じ部Fによって綴じ込むことによってノート状に構成したものである。そして本実施形態では、転写領域制限手段たる後述するスプレッドシートCをさらに付帯させている。
【0029】
綴じ部Fは、図1に示すように、本実施形態では粘着シートS並びに表紙体Hの一端縁に沿って複数設けられた綴じ孔S4、H4にそれぞれリングFrを挿通することによって、積層シート部SS並びに表紙体Hを綴じる態様を採用しているが、当該綴じ部Fの態様は当該態様に限定されることはなく、例えば一端縁を別途糊付けして綴じる態様や、別途既存の綴じ具を採用して綴じる態様など、種々の態様を採用することができる。
【0030】
特に、この粘着シートSを、ノート型粘着製品Nを構成する態様の他に、1又は複数枚の粘着シートSと、表紙体Hに代わる別体のステージとをセットとし、例えば当該セットを袋詰めにして流通させ得る態様とした本発明に係る転写補助製品を構成することも可能である。斯かる場合、これらを既存の書類等とともに綴じ込み得る態様としても良い。すなわち、既存のノートやファイルと同様の規格に準ずる寸法とし、当該ノートやファイルに後付して綴じ込むことによって本実施形態に斯かるノート型粘着製品Nを構成することも可能である。また、これらを綴じ込まずに単独の転写補助製品として使用すること可能である。
【0031】
積層シート部SSは、図2に示すように、上述の粘着シートSを複数積層させたものである。そして当該粘着シートSはそれぞれ図1に示すように、剥離基材2と、当該剥離基材2上に断続パターンすなわち複数のドット1dによるドットパターンをなして塗工された粘着剤1と、粘着剤1の上層に当該粘着剤1が不意に他の箇所に転写されることを回避するためのシートカバーSCとによって構成している。なお各粘着シートSの一端縁には、上述したリングFrを挿通し得る綴じ孔S4を設けている。
【0032】
粘着剤1は、図1、図3及び図4(a)に示すように、剥離基材2上に例えば5μm〜20μm、望ましくは10μm〜120μmの塗工厚で、長径0.2mm以上2mm以下の例えば円形状の複数のドット1dからなるパターンをもって塗工している。
【0033】
そして粘着剤1は、本実施形態において、アクリル系重合体、具体的にはアクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物10を構成する第一粘着剤組成物11、第二粘着剤組成物12、第一粘着付与剤13及び第二粘着付与剤14を混合したものを適用している。ここで当該粘着剤組成物10としては、凝集力を好適に維持するためにガラス転移温度(Tg)が0℃以下に設定され、且つ重量平均分子量を20,000〜500,000に調整されている。
【0034】
また上述のものの他に、スチレン系重合体からなる粘着剤組成物10としてもよい。、凝集力を好適に維持するためにガラス転移温度(Tg)が0℃以下に設定され、且つ重量平均分子量を20,000〜500,000に調整された水素添加又は未添加のスチレン系ブロック共重合体を採用してもよい。
【0035】
剥離基材2は、本実施形態では例えば紙素材の表面に剥離処理を施したものを採用しているが、その他ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、或いはポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂素材といった種々の素材を適用することができる。
【0036】
シートカバーSCは、図1に示すように、剥離基材2上に塗工された粘着剤1が不意に他の箇所に付着することを回避するために設けており、例えば透明の樹脂性のフィルムなど、からなる粘着剤1に対して剥離性を示す素材を適宜採用することによって構成されている。またシートカバーSCは、不使用時に好適に粘着剤1が剥離基材2上に維持されるべく、粘着剤1に対する剥離性を、剥離基材2よりも大きくなるように構成している。なお本実施形態ではシートカバーSCは各粘着シートSに設ける態様としたが、当該態様に限定されることはなく、例えば、積層シート部SSの最上部にのみ上述の樹脂製のフィルムを設けるとともに、剥離基材2の裏面側を粘着剤1に対して、同表側よりも剥離性を高く構成することによって、当該剥離基材2の裏面側をシートカバーSCとして構成してもよい。
【0037】
表紙体Hは、図2に示すように、一端縁に上述したリングFrを挿通し得る綴じ孔H4を設けて、リングFrによって当該ノート型粘着製品Nの最も下層に綴じられている。また、積層シート部SSの略2倍の幅寸法を有し、幅方向略中央部に設けた折曲部H2を介して積層シート部SSの下層から上側へ折り返すことによって、折曲部H2を境に綴じ孔H4を有する一端側を裏表紙H3とし、他端側を表表紙H1としている。折曲部H2は、図1に示すように、挟み込む積層シート部SSの厚み寸法に応じて折り返し寸法を調節し得るように、本実施形態では3本の折り線H21、H22、H23より構成している。すなわち図2に示すように、折曲部H2を複数の折り線H21、H22、H23によって構成することにより積層シート部SSにおける任意の粘着シートSの下側に挟み込み得るように構成している。なお、積層シートSSの裏面側、表表紙H1の表面には積層した粘着シートS同士が止着されることを回避するため、剥離処理を施すことにより図示しない剥離部を設けている。
【0038】
そして図2に示すように、本実施形態に係るノート型粘着製品Nは使用に際して表表紙H1の外側面を粘着シートSの下側に挟み込むものとしている。すなわち、不使用時には表表紙H1を積層シート部SSの上層に位置付けて積層シート部SSを保護する一方で(図示せず)、使用時には同図に示すように使用する任意の粘着シートSの下側に挟み込むことによって、上側に位置する転写式粘着材料Aとともに本発明に係る被圧着転写面Xを構成している。また勿論、最下層に位置する粘着シートSを使用する際は裏表紙H3を使用して被圧着転写面Xを構成すればよい。
【0039】
そして特に、使用時に被着体Zの圧着面Zaの形状に沿って変形し得るように構成している。具体的には、表紙体H或いは表表紙H1そのもの又は一部をゴムやウレタンなど弾性を有する素材によって構成することによって、被着体Zを粘着剤1に向かって圧着した際に、圧着面Zaに所要の弾性反発力を付与することによって好適に粘着剤1の各ドット1dを剥離基材2から圧着面Zaへと転写し得るように構成しているものである。
【0040】
スプレッドシートCは、例えば樹脂製のシートに図示のような所定形状の成形窓C1を複数設けることによって、成形窓C1の形状に沿って粘着剤1の複数のドット1dを露出させ得るものである。本実施形態では、例えば透明又は不透明の樹脂製の板材によって構成しているものであり、その表面の片面又は両面を、粘着剤1に対して剥離基材2よりも剥離性が高くなるよう構成している。図示の態様では粘着シートSと略同じ大きさのものとしているが、スプレッドシートCの形状・寸法や成形窓C1の形状は図示の態様に限定されるものではなく、また綴じ部Fに対して着脱可能に構成しても良い。
【0041】
次に、本実施形態のノート型粘着製品Nを用いて、例えば写真等の被着体Zの裏面に粘着剤1を転写する態様について、図3等を参照して説明する。
【0042】
まず、使用したい粘着シートSの下層に表表紙H1を敷いた状態とする。そしてシートカバーSC(図示せず)を外した状態として表出させた粘着剤1の上に被着体Zを載せ、圧着することによって、同図下側に示すように被着体Zの圧着面Zaの略全面すなわち被着体Zの形状に沿って粘着剤1のドット1dを転写することができる。
【0043】
一方、被着体Zへ所望の箇所にのみ粘着剤1を転写したい場合は、上述同様にシートカバーSC(図示せず)を外した状態として表出させたスプレッドシートCを載置する。次に、成形窓C1を介して露出した粘着剤1の複数のドット1dに対して被着体Zの圧着面Zaすなわち写真裏面側の角部付近を圧着する。そして、被着体Zを粘着シートSから離間させると、図3に示す通り、写真の角部すなわち被着体Zの任意の箇所に複数の粘着シートSが転写されることとなる。
【0044】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るノート型粘着製品Nは、転写式粘着材料Aと、少なくとも柔軟性を有し転写式粘着材料Aを支持して圧着面Zaに粘着剤1を転写し得る被圧着転写面Xを形成する表紙体Hたるステージとを少なくとも具備することによって、被圧着転写面Xに被着体Zを圧着すれば容易に粘着剤1を転写することができるので、被着体Zの圧着面Zaに合わせて粘着剤1を塗布したり別途転写具等を用いて圧着面Zaへ粘着剤1を転写することを有効に回避し得るものとなっている。また、粘着剤1の複数の断続パターンたるドット1dを具備しているため、被着体Zを転写式粘着材料Aに圧着した際には個々のドット1dが圧着力によって好適に圧着面Zaに付着し、続いて圧着面Zaを図示しない所望の対象面へと止着すべく押圧する際には圧着面Zaに転写された複数の断続パターンたるドット1dがそれぞれ押圧力を受けることにより、好適に止着することができる。
【0045】
また、ステージたる表紙体Hを、圧着面Zaの形状に沿って厚み方向に変形し得るように構成しているので、転写式粘着材料Aを構成する剥離基材2そのものに圧着面Zaに圧着させるためのクッション性或いは弾性反発性を付与することを有効に回避して、転写式粘着材料Aを薄く、積層してもコンパクトに構成し得るものとなっている。
【0046】
特に、剥離基材2上に塗工された粘着剤1の塗工厚を5μm以上200μm以下、好ましくは10μm以上120μm以下とすることによって、十分な止着力を維持しつつ被着体Zを止着した際の厚み寸法を抑えることを可能としている。また、断続パターンすなわち粘着剤1の各ドット1dの長径を、0.1mm以上3mm以下、好ましくは0.2mm以上2mm以下としているので、粘着剤1を被着体Zに圧着する際に、圧着力が各ドット1dに好適に集中することによって、各ドット1d毎に好適に被着体Zに止着し得るものとなっている。
【0047】
そして本実施形態に係るノート型粘着製品Nは、転写式粘着材料Aをシート状に成形したシートを複数積層した積層シート部SSと、積層シート部SSにおける任意のシート間に挟み得る表表紙H1とを具備した構成として、具体的には積層シート部SS及びステージたる表紙体Hの一端縁を綴じて他の事務用品とともに違和感なく好適に持ち運びや取扱いを行うことができるものとなっている。
【0048】
また、被圧着転写面Xに粘着剤1の複数のドット1dを露出すなわち表出させて転写する粘着剤1の領域を制限することができる転写領域制限手段たるスプレッドシートCを付帯させることにより、使用者が任意の箇所に任意の形状に粘着剤1を転写し得るものとなっている。
【0049】
また、粘着剤1を塗工する断続パターンはそれぞれ円形状のドット1dに限られるものではない。
【0050】
<変形例>
すなわち、粘着剤1を塗工する断続パターンは、図1、図3及び図4(a)に示すようなドット1dの他に、図4(b)に示すような連結ドット1d1や、図4(c)に示すようなタイヤパターン状ドット1d2を挙げることができる。これらのような連結ドット1d1やタイヤパターン状ドット1d2を採用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることが出来る。また本実施形態に係る断続パターンとは、何れか一方の方向に対して断続的に配置されていれば良いものである。例えば、所定方向に複数の直線が延びるいわゆるボーダー模様や、複数の平行する波線を施したようなものであってもよい。勿論、前記波線を構成する線の角度、形状並びに曲がり具合を問うものではない。
【0051】
さらに、本発明に係る転写補助製品は上述のようなノート型粘着製品に限られるものではない。
【0052】
<第二実施形態>
続いて、本発明の第二実施形態に係る転写補助製品たるテープスタンドTについて、図5、図6及び図7を参照して説明する。
【0053】
本実施形態に係るテープスタンドTは、上記第一実施形態と同様の転写式粘着材料Aを長尺状に成形した帯状粘着材料A1を筐体K内に収納し、ダイヤルQ3を手動で回転することによって後述するステージST上に順次表出し得るようにすることにより、表出している部分の粘着剤1が転写される毎に、使用者が新たな粘着剤1を順次表出し得るように構成しているものである。
【0054】
ここで、当該テープスタンドTも勿論、被着体Z(図示せず)を圧着することによって被着体Zの圧着面Za(図示せず)に粘着剤1を転写し得るものであって、転写式粘着材料Aと、少なくとも柔軟性を有し転写式粘着材料Aを支持して圧着面Zaに粘着剤1を転写し得る被圧着転写面Xを形成するステージSTとを少なくとも具備しているものである。具体的には、筐体K内に、転写式粘着材料Aを長尺状に成形した帯状粘着材料A1と、当該帯状粘着材料A1を巻回した巻回軸部たる巻き出しスプールSP1とによって帯状粘着材料A1を保持し得る粘着材料保持機構Pとし、巻き出しスプールSP1に巻回した帯状粘着材料A1を平面状に引き出すための引出機構Qと、平面状に引き出した帯状粘着材料A1を支持し被着体Zを圧着させ得る被圧着転写面Xを形成するステージSTとを具備しているものである。なお、転写式粘着材料Aすなわち帯状粘着材料A1の裏面側は、巻回した帯状粘着材料A1を引き出し易くするために、剥離処理を施して図示しない剥離部を設けている。
【0055】
以下、テープスタンドTの具体的な構成について説明する。
【0056】
テープスタンドTは、筐体Kと、筐体Kの上面側を開閉し得るカバーCVと、筐体K内に収納された粘着材料保持機構Pと、引出機構Qと、ステージSTとによって主に構成している。
【0057】
筐体Kは、図5及び図6に示すように、筐体本体K1と、開閉部K2とを有している。筐体本体K1は、主に帯状粘着材料A1を含む巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2、並びにステージSTを収容している。開閉部K2は、図6に示すように、筐体Kの他方の側面において側ヒンジK3を介して開閉し得る部分であり、後述する第一駆動軸P2及び第二駆動軸Q2を支持している。なお筐体Kの下側には、テープスタンドTを壁等に設けたフックに掛けて使用し得るフック孔K11を設けている。
【0058】
カバーCVは図5及び図6に示すように、筐体Kの上面側を覆う上カバーCV1と、巻き出しスプールSP1の上側を隠蔽する中カバーCV2とを具備している。上カバーCV1と中カバーCV2とは、それぞれ筐体本体K1に回動可能に取り付けられている。本実施形態に係るテープスタンドTは、図7に示すように中カバーCV2を上方へ回動させ、且つ図6に想像線で示すように開閉部K2を回動することにより、筐体本体K1に収容した帯状粘着材料A1を、巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2ごと交換し得るように構成している。なお、交換作業をさらに円滑に行うために巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2を別異のものに収容した状態で筐体本体K1に充填する態様としてもよい。
【0059】
粘着材料保持機構Pは、図6に示すように、上述した巻き出しスプールSP1と、筐体Kから突出して設け巻き出しスプールSP1を一端側から支持する第一コアP1と、巻き出しスプールSP1の他端側を駆動可能に支持する第一駆動軸P2とによって構成されている。巻き出しスプールSP1は例えば厚紙や樹脂素材を適宜成形することによって概略円筒状に成形したものであり、当該円筒の表面の所定箇所において帯状粘着材料A1の一端を支持し(図示せず)、当該基端から帯状粘着材料A1を、予め巻回しているものである。第一コアP1は、筐体Kの一端側から他端側へ向かって巻き出しスプールSP1の内側を突出しており、巻き出しスプールSP1の幅方向略全域に亘って支持しているものである。図6では中実を示すハッチにて模式的に図示しているが、巻き出しスプールSP1の内径に沿った概略筒状のものとしても良い。第一駆動軸P2は、筐体Kの開閉部K2から突出している第一基端部P21と、後述する第三ギヤR22に噛合しダイヤルQ3からの駆動力を受ける第一ギヤP22と、巻き出しスプールSP1の他端部に係合して巻き出しスプールSP1を回転させ得る第一係合部P23とを同軸且つ一体に回転動作し得るように具備しているものである。
【0060】
引出機構Qは、図6に示すように、上述した巻取軸部たる巻き取りスプールSP2と、使用者による操作を受けるためのダイヤルQ3と、筐体Kから突出して設け巻き取りスプールSP2一端側から支持する第二コアQ1と、巻き取りスプールSP2の他端側を駆動可能に支持する第二駆動軸Q2とによって構成されている。巻き取りスプールSP2は、上述した巻き出しスプールSP1と略同様の素材及び同様の形状を有しているもので、表面において帯状粘着材料A1の他端を支持し(図示せず)、当該他端から、後述するダイヤルQ3及び第二駆動軸Q2を介した回動動作によって巻回していくものである。ダイヤルQ3は、図5に示すように上カバーCV1を開けた状態において一部が表出され使用者による駆動力を受けるものである。第二コアQ1は、筐体Kの一端側から他端側へ向かって巻き取りスプールSP2の幅方向略全域に亘って支持している。勿論図示例に拘わらず筒状のものとしてもよい。第二駆動軸Q2はダイヤルQ3に同軸且つ一体に動作し得るもので、筐体Kの開閉部K2から突出している第二基端部Q21と、ダイヤルQ3からの駆動力を第三ギヤR22へ伝達する第二ギヤQ22と、巻き取りスプールSP2の他端部に係合して巻き取りスプールSP2を回転させ得る第二係合部Q23とを同軸且つ一体に動作し得るように具備しているものである。また、本実施形態では図示しないが、ダイヤルQ3或いは第二駆動軸Q2に節度機構を設けるなどして帯状粘着材料A1を所定寸法毎に引き出し得る定寸送り手段を設けることも可能である。
【0061】
そして同実施形態では、ダイヤルQ3の回動に伴い巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2を同時に回転させるべく、ダイヤルQ3と同軸に設けた巻き取りスプールSP2の動作に巻き出しスプールSP1を連動させ得る軸連動機構Rを具備している。当該軸連動機構Rは図7に示すように、上述の第一ギヤP22と、第二ギヤQ22と、これらに噛合する第三ギヤR22とによって構成することにより、ダイヤルQ3の操作による巻き取りスプールSP2の動作に応じて巻き出しスプールSP1を適宜動作させることにより、帯状粘着材料A1を過度に緊張させることなく且つ弛ませることなく移動させ得るものとなっている。すなわち、ダイヤルQ3に加えられた駆動力は、同軸に構成される第二係合部Q23を介して巻き取りスプールSP2へと伝達される一方で、第二ギヤQ22、第三ギヤR22、第一ギヤP22、そして第一駆動軸P2を介して巻き出しスプールSP1へと伝達される。なお図7の断面図において、軸連動機構Rを構成する第一ギヤP22、第二ギヤQ22並びに第三ギヤR22を模式的に実線で誇張して示している。
【0062】
しかして、本実施形態に係るテープスタンドTは、帯状粘着材料A1を支持することによって当該帯状粘着材料A1とともに、本発明に係る被圧着転写面Xを構成し得るステージSTを具備している。
【0063】
ステージSTは、図7に示すように、筐体Kの上面側且つ巻き取りスプールSP2の上側に略水平に設け、巻き出しスプールSP1から引き出され巻き取りスプールSP2に至るまでの帯状粘着材料A1を下方から支持するものである。また当該ステージSTは、例えば筐体本体K1に一体に設けることも可能であるが、筐体Kとは別体に構成して使用時に被着体Z(図示せず)の圧着面Za(図示せず)の形状に沿ってより好適に変形し得るように構成してもよい。具体的には、ステージST自体又は一部をゴムやウレタンなど弾性を有する素材によって構成する態様を挙げることができる。
【0064】
そして、斯かる構成を有するテープスタンドTは、使用者のダイヤルQ3操作によって、ダイヤルQ3と同軸に設けられた巻き取りスプールSP2が回転する一方で、上述の軸連動機構Rを介して巻き出しスプールSP1が回転することにより、ステージST上では帯状粘着材料A1が一定の緊張を保持されることにより、好適に被圧着転写面Xを構成し得るとともに、当該一定の緊張を保ちながら巻き取りスプールSP2側へ移動させ得るものとなっている。
【0065】
以上のように、本発明の第二実施形態に係る転写補助製品たるテープスタンドTは、転写式粘着材料Aたる帯状粘着材料A1を平面状に引き出し得る引出機構Qを設け、平面状に引き出した転写式粘着材料AとステージSTとによって、被圧着転写面Xを構成することにより、被圧着転写面X上の粘着剤1が十分に転写された状態となれば引出機構Qによって同じステージST上に新たな粘着剤1を有する被圧着転写面Xを構成することができるので、同じ場所でより多くの被着体Zへ粘着剤1を転写することができる。
【0066】
また、転写式粘着材料Aを長尺状の帯状粘着材料A1として保持するという単純な構成によって、粘着材料保持機構Pにより多くの帯状粘着材料A1を保持させたものとなっている。
【0067】
そして引出機構Qによって引き出した帯状粘着材料A1は巻き取りスプールSP2に巻き取ることで、多くの帯状粘着材料A1をよりコンパクトに収納し得るものとなっている。
【0068】
さらに、軸連動機構Rによって巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2を連動させて、より好適な帯状粘着材料A1の引出を可能なものとし、ステージST上に好適に帯状粘着材料A1を配置し得るものとなっている。
【0069】
また、軸連動機構Rはギヤによって構成される態様に限定されるものではない。
【0070】
<変形例>
続いて、本発明の第二実施形態の変形例に係るテープスタンドTAを図8、図9及び図10に示す。なお、同変形例特有の形状並びに構造については上記実施形態と同様の記号の末尾に「A」を付した記号を記している。
【0071】
テープスタンドTAは、図8に示すように、巻き出しスプールSP1を有する粘着材料保持機構PA、巻き取りスプールSP2を有する引出機構QA、及び筐体KAに一体に設けられたステージSTを具備するとともに、本発明に係る被圧着転写面Xを構成している点は上記第二実施形態と概ね同様であるが、図9に示すように、巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2を連動させ得る第一駆動軸P2A及び第二駆動軸Q2AにプーリR22Aを架け渡すことによって、軸連動機構RAを構成していることを特徴としている。
【0072】
粘着材料保持機構PAは、図8及び図9に示すように、巻き出しスプールSP1と、図示しない第一コアP1Aと、巻き出しスプールSP1を駆動させ得る第一駆動軸P2Aとによって構成している。第一駆動軸P2Aは、一端側に位置付けられる巻き出しスプールSP1を内側から支持する第一係合部P23Aと、他端側においてプーリR22Aを取り付けている第一プーリ受けP22Aとによって構成している。なお第一コアP1Aは図示されていないが、図10に示す後述の第二コアと略同様の構成を有している。すなわち筐体KAに対して回転可能に支持されるとともに巻き出しスプールSP1を内側から支持しているものである。
【0073】
引出機構QAは、図8、図9及び図10に示すように、巻き取りスプールSP2と、ダイヤルQ3Aと、図10に示す第二コアQ1Aと、巻き取りスプールSP2を駆動させ得る第二駆動軸Q2Aとによって構成している。第二コアQ1Aは、筐体KAに対して回転可能に支持されるとともに巻き取りスプールSP2を内側から支持しているものである。第二駆動軸Q2Aは一端側において巻き取りスプールSP2を内側から支持する第二係合部Q23Aと、他端側においてプーリR22Aを取り付けている第二プーリ受けQ22Aとによって構成している。
【0074】
軸連動機構RAは、特に図9に示すように、第一プーリ受けP22A、第二プーリ受けQ22AにプーリR22Aを架け渡すことによって構成しているものである。なお図9の断面図において、軸連動機構RAを構成する第一プーリ受けP22A、第二プーリ受けQ22A並びにプーリR22Aを模式的に実線で誇張して示している。
【0075】
斯かるプーリR22Aを採用することにより、ギヤを採用する際のギヤ間の寸法誤差による起因するバックラッシの問題など、高度な寸法調節を要求されることを有効に回避するとともに、軸連動機構RA自体の単純化を実現している。
【0076】
また、図10に示すように、ステージSTを筐体KAの一部として、巻き出しスプールSP1(図示せず)並びに巻き取りスプールSP2を支持している段ボール素材によって構成することにより、構造の単純か並びに低コスト化を実現しているものである。
【0077】
そして、ステージの形状は平面状のものには限られるものではない。
【0078】
<変形例>
すなわち、図11(a)、図11(b)、図12(a)及び図12(b)に示すように、本変形例斯かるステージSTAに、それぞれ凹凸部ST1Aを設けたものを挙げることができる。
【0079】
凹凸部ST1Aは、具体的には図11(a)に示す凹曲部ST11A、図11(b)に示す凹角部ST12A、図12(a)に示す凸曲部ST13A及び図12(b)に示す凸角部ST14Aを挙げることができる。特に、図11に示すST11A並びにST12Aは、例えば筆記具の外周面の一部を模した形状など、それぞれ曲面及び角を有する被着体Zの圧着面Zaの形状に合致或いは相似する形状に構成されており、圧着する際には一定面積の曲面又は隣接する2面を一度に圧着面Zaとして粘着剤1を転写することができる。
【0080】
一方凸曲部ST13A及び凸角部ST14Aは、図12に示すように、ステージSTAの他の部位よりも突出しているので、図示しない被着体Zが例えば窪んだ面を有し当該窪んだ面を圧着面Zaとしたい場合などに好適に適用することができる。
【0081】
そして、図11及び図12に示すように、ステージSTAを設けることによって、帯状粘着材料A1がステージSTAから離間した箇所ができる為、実際に被着体Zを圧着させる際には帯状粘着材料A1が若干寸法引っ張られる事となる。そのため、特に引出機構QAには図示しない逆転防止機構を設けて、一度粘着剤1が転写された剥離基材2の面をステージSTA上へ逆行させることを防ぐ事が望ましい。勿論、凹凸部ST1Aを設けてもステージSTAと帯状粘着材料A1とを常に接しさせておく格別の機構を採用しても良い。
【0082】
さらに、ステージSTは巻き出しスプールSP1並びに巻き取りスプールSP2とは別体に構成されることに限られるものではない。
【0083】
<変形例>
さらに、本実施形態の他の変形例に係るテープスタンドTBを図13に示す。なお、同変形例特有の形状並びに構造については上記実施形態と同様の記号の末尾に「B」を付した記号を記している。
【0084】
テープスタンドTBは、上記第二実施形態並びに変形例と同様に、帯状粘着材料A1と当該帯状粘着材料A1を巻回した巻回軸部たる巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2とを有しているものである。そして、当該巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2に巻回した帯状粘着材料A1において外側に露出した露出面X1のうち、同図に薄墨を付して示す部分を本発明に係る被圧着転写面Xとしている。すなわち、巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2、又は当該巻き出しスプールSP1及び巻き取りスプールSP2と被圧着転写面Xに覆われた帯状粘着材料A1とによって、本発明に係るステージSTBを構成しているものである。
【0085】
このように別途ステージを設けることなく、単純な構成によってステージSTBを構成することも可能である。
<第三実施形態>
続いて、本発明の第三実施形態について詳述する。
【0086】
本実施形態に係る転写補助製品ACを図14及び図15に示す。
【0087】
この転写補助製品ACは、図14及び図15に示すように、転写式粘着材料TCと後述するステージSTCとを有するものである。具体的には、転写式粘着材料TCをステージSTC上に配置することによって、例えば紙片、ワッシャWCや後述するプレートPLC等の部品や、他の物品といった被着体をステージSTC上に圧着させて、その圧着面WaC、PLaCに粘着体gCを転写するためのものである。言い換えれば、ステージSTC上に、圧着面WaC、PLaCに粘着体gCを転写し得る被圧着転写面ZCを形成しているものである。そして本実施形態で採用している転写式粘着材料TCは、同図に示すように、後述する巻出軸21C並びに巻取軸22Cに架けて巻回した帯状の剥離基材tC上に、粘着体gCを間欠状たる断続パターンすなわちドットパターンで配置しているものである。このようにすることによって、被着体の圧着面WaC、PLaCにドットパターン状に粘着体gCを転写することとなり、例えば剥離基材tCに粘着剤を均一塗布したものに比べて圧着面WaC、PLaCに対する粘着体gCのはみ出しを有効に回避し、所謂優れた糊切れ性能を発揮しているものである。また言い換えれば、圧着面WaC、PLaCに合わせた粘着剤の型どりという手間を回避しつつ好適に圧着面に沿って粘着体gCを好適に転写し得るものとなっている。なお本明細書において、「正方向」を、転写式粘着材料TCを後述する巻出軸21Cから巻取軸22Cへ移動させる方向とし、「逆方向」を、巻取軸22Cから巻出軸21Cへ移動させる方向とする。
【0088】
以下、転写補助製品ACの具体的な構造について具体的に説明する。
【0089】
転写補助製品ACは、図14及び図15に示すように、装置本体A1Cと、カバーA2Cとを有し、図14においてカバーA2Cを閉めた状態、図15においてカバーA2Cを開けた状態を図示している。
【0090】
装置本体A1Cは、当該装置本体A1Cの主体をなす後に詳述する引出機構たる巻取装置1Cの内側に、図16に示すホルダ2Cを保持し、当該ホルダ2Cに巻回軸部たる巻出軸21C並びに巻取軸22Cを保持してなるものである。
【0091】
巻取装置1Cは、図17と、図18及び図19とで破線で示され、巻出軸21C並びに巻取軸22Cを保持する巻出軸支持手段11C並びに巻取軸保持手段12Cを有している。加えて、巻取装置1Cを、移動方向として正方向並びに逆方向の2方向へ転写式粘着材料TCを移動させ得るものとし、正方向へ転写式粘着材料TCを移動させる正方向移動部10aCと、逆方向へ転写式粘着材料TCを移動させる逆方向移動部10bCとを有するものとしている。斯かる構成により、後述する正方向レバー13C並びに逆方向レバー14に対する往復動作による操作力を好適に正方向又は逆方向への駆動力へと変換し、転写式粘着材料TCを両方向に好適に送り得るものとなっている。
【0092】
正方向移動部10aCは、図17及び図18に示すように、上述の巻取軸保持手段12Cと、正方向レバー13Cと、正方向駆動手段15Cと姿勢維持手段17Cとによって構成している。なお図18は、巻取装置1Cにおける右側面付近における内部の構成を示したものである。
【0093】
巻取軸支持手段12Cは、図17に示すように、巻取軸22Cを回動可能に支持し得るものであり、正方向駆動手段15Cからの駆動力を巻取軸22Cへ伝達し得る駆動力伝達部121Cと巻取軸支持部122Cとを有している。駆動力伝達部121Cは、巻取軸22Cの一端側において後述する軸カバー24Cの被取付部244Cの内側に係り合いながら正方向駆動手段15Cからの駆動力によって回動することにより、当該駆動力を巻取軸22Cへ伝達するものである。巻取軸支持部122Cは巻取軸22Cの他端側において軸カバー24Cの被取付部244Cに係り合うとともに、節度機構122aCを有することにより、巻出軸21Cの回動位置を保持し、巻取軸22Cの不意な反転によるたるみ等を抑制するものである。
【0094】
正方向レバー13Cは、図17及び図18に示すように、上下方向に係る操作力を受け付ける入力端部131Cと、当該入力端部131Cが受けた動作力を正方向駆動手段15Cへと伝達する伝達部132Cと、回動中心を構成する取付軸部133Cとを有するものとしている。ここで入力端部131Cは、図14、図15にも示すように、後述する弾性部材SPCによって、操作力を付与していない状態では回動基端部である上端に位置付けられ且つ伝達部132Cが正方向駆動手段15Cと係り合わない回動許容状態(NC)をなしている。当該弾性部材SPCにより、入力端部131Cに上側から下側への一方方向の操作力を付与すれば正方向レバー13Cは往復動作をすることとなる。伝達部132Cは、取付軸部133C付近に位置付けられ且つ正方向駆動手段15Cにおける後述する歯車部151Cに噛合い得る伝達歯132aCからなるものである。なお当該正方向レバー13Cは、入力端部131Cと取付軸部133Cとの間の入力寸法ICを、伝達部132Cと取付軸部133Cとの間の出力寸法OCよりも大きく設定しているものとして、いわゆる「てこの原理」により小さい操作力により強い駆動力を出力し得るものとしている。
【0095】
正方向駆動手段15Cは、図17及び図18に示すように、正方向レバー13Cが受け付けた往復動作による操作力を巻取軸支持手段12Cに対する正方向への駆動力へと変換し得るものである。具体的には正方向駆動手段15Cは、上述した伝達歯132aCと噛合い得る歯車部151Cと、歯車部151Cと同軸に設けられるとともに、歯車の回動のうち片側方向に係る回動のみを上述の駆動力伝達部121Cへと伝達し得る一方向クラッチ部152Cとを有している。なお一方向クラッチ部152Cの具体的な構成は、既知の構成を採用しているため、本明細書における詳細な説明を省略するものとする。
【0096】
姿勢維持手段17Cは、図18に示すように、正方向レバー13Cを回動許容状態(NC)に維持し得るものである。具体的には、同図に示すように、正方向レバー13Cを回動始端側である上端へと付勢する弾性部材SPCによって構成している。そして上述の通り、正方向レバー13Cは、上端において伝達部132Cと歯車部151Cとが離間した回動許容状態(NC)となっている。
【0097】
そして同図に示すように、正方向レバー13Cに操作力を付与し入力端部131Cを下方向へ移動させると、同図に想像線で示すような駆動状態(EC)となり、伝達歯132aCが歯車部151Cと噛合いながら下方へ移動することにより歯車部151Cが回動し、当該回動に係る作用力が一方向クラッチ152部並びに上述の駆動力伝達部121Cを介して巻取軸22Cへと伝達され、巻取軸22Cが回動し、転写式粘着材料TCを巻き取ることにより当該転写式粘着材料TCを正方向へ移動する。一方入力端部131Cへの操作力を解除すれば弾性部材SPCによって入力端部131Cは上端へ移動する。このとき、当該動作に係る伝達歯132aCの動作によって歯車151は上記とは反対方向へ回動することとなるが、一方向クラッチ部152Cが上述の駆動力伝達部121Cへ当該回転を伝達させずに所謂空回りをさせることによって、巻取軸22Cが反対の方向へ回動することはない。
【0098】
一方、逆方向移動部10bCは、本実施形態では、図17及び図19に示すように、上述の巻出軸支持手段11Cと、逆方向レバー14Cと、逆方向駆動手段16と、姿勢維持手段17Cとによって構成している。なお図5は、巻取装置1Cにおける左側面付近における内部の構成を示したものである。
【0099】
巻出軸支持手段11Cは、上述の巻出軸支持手段12Cとそれぞれの配置が略反転した構成となっている。すなわち、図17に示すように、巻出軸21Cを回動可能に支持し得るものであり、逆方向駆動手段16Cからの駆動力を巻出軸21Cへ伝達し得る駆動力伝達部111Cと巻出軸支持部112Cとを有している。駆動力伝達部111Cは、巻出軸21Cの一端側において軸カバー24Cの被取付部244Cの内側に係り合いながら逆方向駆動手段16Cからの駆動力によって回動することにより、当該駆動力を巻出軸21Cへ伝達するものである。巻出軸支持部112Cは巻出軸21Cの他端側において軸カバー24Cの被取付部244Cに係り合うとともに、節度機構112aCを有することにより、巻出軸21Cの回動位置を保持し、過度な回転によるたるみ等を抑制するものである。
【0100】
逆方向レバー14Cは、図17及び図19に示すように、具体的な外形を除いては上述の正方向レバー13Cと同様の構成を有しているものである。すなわち逆方向レバー14Cは、上下方向に係る操作力を受け付ける入力端部141Cと、当該入力端部141Cが受けた動作力を逆方向駆動手段16Cへと伝達する伝達部142Cと、回動中心を構成する取付軸部143Cとを有するものとしている。ここで入力端部141Cは弾性部材SPCによって、操作力を付与していない状態では回動基端部である上端に位置付けられ且つ伝達部142Cが逆方向駆動手段16Cと係り合わない回動許容状態(NC)をなしている。当該弾性部材SPCにより、入力端部141Cには上側から下側への一方方向の操作力を付与すれば逆方向レバー14Cは往復動作をすることとなる。伝達部142Cは、取付軸部143C付近に位置付けられ且つ逆方向駆動手段16Cにおける後述する歯車部161Cに噛合い得る伝達歯142aCからなるものである。なお当該逆方向レバー14Cについても、入力端部141Cと取付軸部143Cとの間の入力寸法ICを、伝達部142Cと取付軸部143Cとの間の出力寸法OCよりも大きく設定しているものとして、いわゆる「てこの原理」により小さい操作力により強い駆動力を出力し得るものとしている。
【0101】
逆方向駆動手段16Cは、図17及び図19に示すように、逆方向レバー14Cが受け付けた往復動作による操作力を駆動力伝達部111Cに対する逆方向への駆動力へと変換し得るものである。具体的には逆方向駆動手段16Cは、上述した伝達歯142aCと噛合い得る第一歯車161aCと第二歯車161bCとからなる歯車部161Cと、第二歯車161bCと同軸に設けられるとともに、歯車の回動のうち片側方向に係る回動のみを上述の駆動力伝達部111Cへと伝達し得る一方向クラッチ部162Cとを有している。
【0102】
姿勢維持手段17Cは、図19に示すように、逆方向レバー14Cを回動許容状態(NC)に維持し得るものである。具体的には、同図に示すように、逆方向レバー14Cを回動始端側である上端へと付勢する弾性部材SPCによって構成している。そして上述の通り、逆方向レバー14Cは、上端において伝達部142Cが第一歯車161aCとが離間した回動許容状態(NC)となっている。
【0103】
そして同図に示すように、逆方向レバー14Cにおいても、当該逆方向レバー14Cに操作力を付与されて入力端部141Cが下方向へ移動すると、同図に想像線で示すよう駆動状態(EC)となり、伝達歯142aCが第一歯車161aCと噛合いながら下方へ移動することにより第二歯車161bCが回動し、当該回動に係る作用力が一方向クラッチ部162C並びに駆動力伝達部111Cを介して巻出軸21Cへと伝達され、しかる後、巻出軸21Cが回動し、転写式粘着材料TCを逆方向に巻き取ることにより当該転写式粘着材料TCを逆方向へ移動する。一方入力端部141Cへの操作力を解除すれば弾性部材SPCによって入力端部141Cは上端へ移動する。このとき、当該動作に係る伝達歯142aCの動作によって歯車部161Cは上記とは反対方向へ回動することとなるが、一方向クラッチ部162Cが駆動力伝達部111Cへ当該回転を伝達させずに所謂空回りをさせることによって、巻出軸21Cが反対の方向へ回動することはない。
【0104】
一方、ホルダ2Cは、図16及び図20に示すように、当該ホルダ2Cの上面部分において転写式粘着材料TCを支持する粘着材料支持部25Cと、巻出軸21C並びに巻取軸22Cを仮保持するホルダ部26Cと、巻取軸22C並びに巻出軸21Cの回動位置を保持し得る位置保持手段たる摩擦制動部27Cとを有している。
【0105】
巻出軸21C及び巻取軸22Cは、図16、図17及び図20に示すように、帯状粘着材料である転写式粘着材料TCを巻回した筒状の芯材20Cの両端に軸カバー24Cを取り付けたものである。なお巻出軸21C及び巻取軸22Cを当該ホルダ2Cに最初に取り付けた状態では巻出軸21Cは芯材20Cに転写式粘着材料TCを所定量巻回した状態となり、巻取軸22Cは転写式粘着材料TCの先端を芯材20Cに固定したのみの状態となっている。そして軸カバー24Cは、芯材20Cに取り付ける取付部241Cと、後述する圧接部材271Cに接する外周部242Cと、ホルダ2Cに仮支持される仮支持部243Cと、当該仮支持部243Cの内側において巻出軸支持手段11C並びに巻取軸支持手段12Cに取り付けられる被取付部244Cとからなるものである。そして被取付部244Cの表面は巻出軸支持手段11C並びに巻取軸支持手段12Cに係り合って好適に回動し得るように凹凸形状を成している。
【0106】
ホルダ部26Cは、同図に示すように、ホルダ2Cの外形を軸カバー24Cの仮支持部243Cの形状に略合致させてなるとともに、軸カバー24Cを支持した状態において仮支持部243Cの脱落を防止する抜け止め突起261Cを形成している。
【0107】
摩擦制動部27Cは、図20に示すように、後述する上板部250Cの下面側に圧接部材271Cを取り付けてなるものである。そして当該圧接部材271Cは、巻取軸22CカバーA2C並びに巻取り軸カバー24Cの外周部242Cに弾性反発力を蓄積した状態で圧接し得るものである。また圧接部材271Cは巻出軸21C並びに巻取軸22Cの両端に計4カ所に設けている。
【0108】
粘着材料支持部25Cは、図14、図15、図16及び図20に示すように、ホルダ2Cの上面をなす上板部250Cと、当該上板部250Cの中央に配置され、例えば柔軟性を有するウレタン素材によってなるステージSTCと、後述する圧着部材3Cを取り付けるための圧着部材取付部251Cとを有している。そして当該ステージSTC上に転写式粘着材料TCを配置することにより、被着体たる例えば図15に示すワッシャWCの圧着面WaCや図20に示す被着体である後述するプレートPLCの圧着面PLaCに均一に圧着力を付与し得るものとして、好適に粘着体gCを転写し得る被圧着転写面ZCを構成し得るものとなっている。
【0109】
そして、特に図20に示すように、当該粘着材料支持部25Cにおける正方向並びに逆方向の端部を、転写式粘着材料TCを被圧着転写面の面方向に対して鋭角に折り返して支持する正方向案内部25aC並びに逆方向案内部25bCとし、それぞれ鋭角案内手段X1C、X2Cとしている。具体的には、これら鋭角案内手段X1C、X2Cを、転写式粘着材料をステージSTCに対して90°以下の角度で折り返して設けたものとしている。そして望ましくは90°から30°の角度で折り返した態様が良く、このようなものであれば、上述の効果を得るのみならず、転写式粘着材料を移動させる際に要する駆動力が大きくなり過ぎることを有効に回避し得るものとなる。
【0110】
そして、本実施形態に係る転写補助製品は図21及び図22に示すように、粘着材料支持部における圧着部材取付部251Cに、被圧着転写面ZCに対して被着体を圧着し得る圧着部材3Cをさらに設けることも可能である。
【0111】
以下、圧着部材3Cの構成について図21及び図22に示して説明する。なお、同図は被着体としてのプレートPLの圧着面PLaCに粘着体gCを転写する態様を示したものである。
【0112】
圧着部材3Cは、支持脚31Cと、回動脚32Cと、圧着ローラ33Cを有している。支持脚31Cは、粘着材料支持部25Cにおいて2箇所に設けた圧着部材取付部251Cに例えば弾性係合によって取り付けられるものである。回動脚32Cは、支持脚31Cの先端側において当該支持脚31Cに対して基端側を回動可能に設けられるとともに、先端側において圧着ローラ33Cを架設支持するものである。圧着ローラ33Cは、両端を回動脚32Cに支持されることにより、転写式粘着材料TCの上側において、移動方向とは直交する方向に延びるように位置付けられるとともに、軸芯周りに回転可能に設けられている。
【0113】
そして本実施形態において圧着部材3Cは、図22に示すように、回動脚32Cを回動させることにより同図に実線で示す圧着状態(PC)と、同図に破線で示す解除状態(RC)とをとり得るものとなっている。このように構成することにより、圧着状態(PC)において同図に図示する薄板状のプレートPLCを転写式粘着材料TC、すなわち被圧着転写面ZCと圧着ローラ33Cとの間に挟持した状態とし、プレートPLC自体を例えば手指等で引っ張るか、或いは上述の正方向移動部10aC並びに逆方向移動部10bCによりプレートPLCごと転写式粘着材料TCを移動させることにより、プレートPLCの圧着面における圧着ローラ33Cに対応する位置において順次被圧着転写面ZCに圧着されて確実に粘着体gCが転写されていくようになっている。
【0114】
また同図に示すように、プレートPLCを被圧着転写面ZCへ圧着した状態で転写式粘着材料TCとともに例えば正方向へ順次移動させていくことにより、プレートPLCが鋭角案内手段X1Cを通過することとなる。このとき、正方向案内部25aCの位置において剥離基材tCがプレートPLCから離間していくことによって、プレートPLCの裏面には粘着体gCが付着した状態で当該プレートPLCの端部のみがせり出した状態となる為、粘着体gCを転写したプレートPLCを手指によって好適に取り出し易いものとなっている。勿論、同図に破線で示したように、プレートPLCを逆方向へ移動させた場合でも同様である。
【0115】
また例えば、図23に示すように、箱状の整列配置手段4Cを適用することも可能である。
【0116】
整列配置手段4Cは、箱体41Cと、底面側に設けた整列穴42Cとを有するものである。当該整列穴42Cの形状は、使用する所要の被着体の形状に沿った形状に設定されている。同図においては、被着体としてワッシャWCを配置させた態様を例示している。
【0117】
以上のような構成とすることにより、本発明の第三実施形態に係る転写補助製品ACは、上記各実施形態並びに各変形例と同様の効果を示すものとなっている。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0119】
例えば、上記第二実施形態では、ステージを巻き出しスプール及び巻き取りスプールとは別体に構成する態様と、巻き出しスプール及び巻き取りスプールを利用して構成する態様とを記したが、これらの態様は択一的に選択する物ではなく両方の態様を組み合わせることによって、より好適にステージを構成することも可能である。
【0120】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第一実施形態に係る平面図。
【図2】同実施形態に係る構成説明図。
【図3】同作用説明図。
【図4】同実施形態の変形例に係る説明図。
【図5】本発明の第二実施形態に係る外観図。
【図6】同実施形態に係る上断面図。
【図7】同側断面図。
【図8】同実施形態の変形例に係る構成説明図。
【図9】同実施形態の変形例に係る模式的な断面図。
【図10】同実施形態の変形例を示す断面図。
【図11】同実施形態の他の変形例を図9を基に示す説明図。
【図12】同上
【図13】同実施形態の他の変形例に係る外観図。
【図14】本発明の第三実施形態に係る転写補助製品を示す外観図。
【図15】同上。
【図16】同上。
【図17】同実施形態に係る構造説明図。
【図18】同実施形態に係る粘着材料移動手段を示す構成説明図。
【図19】同上。
【図20】同実施形態に係る構成説明図。
【図21】同実施形態に係る他の外観図。
【図22】同実施形態に係る作用説明図。
【図23】同実施形態に係る他の外観図。
【符号の説明】
【0122】
1…粘着体(粘着剤)
gC…粘着体
10…粘着剤組成物
1d、1d1、1d2…断続パターン(ドット、連結ドット、タイヤパターン状ドット)
2、tC…剥離基材
A…転写式粘着材料
A1…帯状粘着材料
H…ステージ(表紙体)
ST、STA、STB、STC…ステージ
ST1A…凹凸部
N…転写補助製品(ノート型粘着製品)
T、TA、TB…転写補助製品(テープスタンド)
AC…転写補助製品
S…シート(粘着シート)
SS…積層シート部
C…転写領域制限手段(スプレッドシート)
SP1…巻回軸部(巻き出しスプール)
21C…巻回軸部(巻出軸)
SP2…巻取軸、巻回軸部(巻き取りスプール)
22C…巻取軸、巻回軸部(巻取軸)
X、ZC…被圧着転写面
X1…露出面
P、PA、PB…粘着材料保持機構
Q、QA、QB…引出機構
1C…引出機構(巻取装置)
R、RA…軸連動機構
Z…被着体
WC…ワッシャ(被着体)
PLC…プレート(被着体)
Za、WaC、PLaC…圧着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体を圧着することによって被着体の圧着面に粘着体を転写し得るものであって、剥離基材上に前記粘着体を塗工してなる転写式粘着材料と、少なくとも柔軟性を有し前記転写式粘着材料を支持して前記圧着面に前記粘着体を転写し得る被圧着転写面を形成するステージとを少なくとも具備することを特徴とする転写補助製品。
【請求項2】
前記粘着体を粘着剤とするとともに、前記転写式粘着材料を、前記剥離基材上に前記粘着剤を断続パターンに塗工してなるものとしている請求項1記載の転写補助製品。
【請求項3】
前記断続パターンの長径を、0.1mm以上3mm以下としている請求項2記載の転写補助製品。
【請求項4】
前記ステージを、前記圧着面の形状に沿って変形し得るように構成している請求項1、2又は3記載の転写補助製品。
【請求項5】
前記ステージを、凹凸面を有するものとしている請求項1、2、3又は4記載の転写補助製品。
【請求項6】
前記転写式粘着材料をシート状に成形したシートを剥離部を介して複数積層した積層シート部と、前記積層シート部における任意のシート間に挟み得る前記ステージとを具備している請求項1、2、3、4又は5記載の転写補助製品。
【請求項7】
前記被圧着転写面に露出させる前記粘着体の塗工領域を制限し得る転写領域制限手段をさらに具備している請求項6記載の転写補助製品。
【請求項8】
前記積層シート部及び前記ステージの一端縁を綴じてなるものとしている請求項6又は7記載の転写補助製品。
【請求項9】
前記転写式粘着材料を長尺状に成形した帯状粘着材料と当該帯状粘着材料を巻回した巻回軸部とを少なくとも有し、当該巻回軸部に巻回した帯状粘着材料のうち外側に露出した露出面を前記被圧着転写面とし、前記巻回軸部又は当該巻回軸部と前記被圧着転写面に覆われた前記帯状粘着材料とによって前記ステージを構成している請求項1、2、3、4又は5記載の転写補助製品。
【請求項10】
前記転写式粘着材料を保持し得る粘着材料保持機構と、転写式粘着材料を平面状に引き出し得る引出機構と、平面状に引き出した前記転写式粘着材料を支持し前記被圧着転写面を形成し得る前記ステージとを少なくとも具備している請求項1、2、3、4又は5記載の転写補助製品。
【請求項11】
前記粘着材料保持機構を、前記転写式粘着材料を長尺状に成形した帯状粘着材料と当該帯状粘着材料を巻回した巻回軸部とを少なくとも有するものとし、前記巻回軸部に巻回した帯状粘着材料を平面状に引き出し得る前記引出機構と、平面状に引き出した帯状粘着材料を支持し前記被圧着転写面を形成し得る前記ステージとを少なくとも具備している請求項10記載の転写補助製品。
【請求項12】
前記引出機構を、前記巻回軸部から引き出された前記帯状粘着材料を巻き取り得る巻取軸部を具備するものとしている請求項11記載の転写補助製品。
【請求項13】
前記巻回軸部及び前記巻取軸部の動作を連動させ得る軸連動機構をさらに具備するものとしている請求項12記載の転写補助製品。
【請求項14】
前記引出機構を、前記帯状粘着材料を所定寸法毎に引き出し得る定寸送り手段を具備するものとしている請求項10、11、12又は13記載の転写補助製品。
【請求項15】
前記剥離基材上に塗工された前記粘着体の塗工厚を、5〜200μmとしている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載の転写補助製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−238913(P2007−238913A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170692(P2006−170692)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】