説明

軸受

例えば針状ころ軸受の、軸受構造は、80〜130の範囲内のロックウェル硬さ(Mスケール)を有する第1の高分子材料を含む組成物により一部が画定された外面を有する。好ましい材料は、ポリアリールエーテルケトン、例えばポリエーテルエーテルケトンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受、より詳細にはころ軸受に関する。ただし、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ころ軸受はクランクシャフト/コネクティングロッド機構において広く用いられている。例として図1を参照すると、オートバイ、芝刈り機などの内燃機関内の従来のころ軸受10の使用が例示されている。軸受はコネクティングロッド20の一方の端部の孔21とクランクピン40との接合部に位置する。軸受10は円形の円盤2個からなるクランクシャフト30に偏心的に設置されている。クランクシャフト30は2つの側面それぞれに心棒31を有する。ころ軸受10は転動要素12と保持器11とを有する。孔21はころ軸受10のための外軌道22として働く内面を有する。クランクピン40はころ軸受10のための内軌道として働く。
【0003】
図2〜5を参照すると、ころ軸受10は、金属で形成された環状保持器11と、転動要素12と、を含む。一般に用いられる保持器11は、外面13内に凹部14を含む一体型保持器11(図2参照);または平坦な外面13を含む一体型保持器11(図3参照);または外面13に凹部を含む分割型保持器11(2個の半円部分からなる)(図4参照);または平坦な外面13を含む分割型保持器11(図5参照)の形態であってもよい。
【0004】
クランクシャフト/コネクティングロッド機構のためのころ軸受10は、コネクティングロッド20とクランクピン40との接合部に位置するため、クランクシャフト30が回転すると、ころ軸受10が駆動して2つの型の運動:第1は中心であるクランクピン40の周りのスピン;第2はクランクピン40に関連した運動による、クランクシャフト30の心棒31の周りの回転、が実施される。
【0005】
ころ軸受10はクランクシャフト30の心棒31に関して偏心的であるため、第2の運動がころ軸受10上に遠心力を発生させる。結果として、保持器11が軸受の外軌道22としても働く孔21の内面を常に摩擦する。摩擦は外軌道22上にて摩耗を起こす。摩耗を低減するために、従来の方法では保持器11の外面13上に銅層をまたは銅層上の銀層を電気めっきしていた。そのような手法により、より柔らかい銅/銀層を消費させて外軌道22上の摩耗を遅らせていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、銅層または銅層上の銀層を電気めっきする方法は高価である。その上、電気めっき方法は水素脆化(HE)問題を発生させ、軸受が運転している間、保持器11が破損を起こす可能性がある。
【0007】
本発明の目的は上記した問題に取り組むことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、軸受の可動性要素を支持する軸受構造が提供され、その構造は80〜130の範囲内のロックウェル硬さ(Rockwell hardness)(Mスケール)を有する第1の高分子材料を含む組成物により少なくとも一部が画定された外面を有する。
【0009】
前記組成物が80〜130の範囲内のロックウェル硬さ(Mスケール)を有していてもよい。
前記第1の高分子材料(および選択的に前記組成物)は120未満、好ましくは110未満、より好ましくは105未満のロックウェル硬さ(Mスケール)を有していてもよい。適切には前記硬さは、90〜105の範囲内である。
【0010】
前記第1の高分子材料はポリアミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール、ポリエステル(例えば、ポリテレフタル酸エチレンまたはポリテレフタル酸ブチレン)、ポリカーボネート、硫化ポリフェニレン、または
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよび/またはスルホン部分;ならびに
(c)エーテル部分;
を含む型の高分子材料から選択されてもよい。
【0011】
前記第1の高分子材料は260℃未満、例えば220℃未満または200℃未満のTgを有していてもよい。幾つかの例において、Tgは190℃、180℃または170℃未満であってもよい。
【0012】
前記第1の高分子材料は適切には少なくとも0.06kNsm−2の溶融粘度(MV)を有し、好ましくは少なくともの0.08kNsm−2、より好ましくは少なくともの0.09kNsm−2のMVを有する。
【0013】
MVは適切にはタングステンカーバイドダイ0.5×3.175mmを用いてせん断速度1000s−1で、400℃で操作する毛細管レオメトリーを利用して測定する。
前記第1の高分子材料は1.00kNsm−2未満、好ましくは0.5kNsm−2未満、より好ましくは0.38kNsm−2未満、特に0.25kNsm−2未満のMVを有していてもよい。
【0014】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも40MPa、好ましくは少なくとも60MPa、より好ましくは少なくとも80MPaの引張り強さを有していてもよい。引張り強さは好ましくは80〜110MPaの範囲内、より好ましくは80〜100MPaの範囲内である。
【0015】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも145MPaの曲げ強さを有していてもよい。曲げ強さは好ましくは145〜180MPaの範囲内、より好ましくは145〜165MPaの範囲内である。
【0016】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも2GPa、好ましくは少なくとも3GPa、より好ましくは少なくとも3.5GPaの曲げ弾性率を有していてもよい。曲げ弾性率は好ましくは3.5〜4.5GPaの範囲内、より好ましくは3.5〜4.1GPaの範囲内である。
【0017】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも20MPa、好ましくは少なくとも60MPa、より好ましくは少なくとも80MPaの引張り強さを有していてもよい。引張り強さは好ましくは80〜110MPaの範囲内、より好ましくは80〜100MPaの範囲内である。
【0018】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも50MPa、好ましくは少なくとも100MPa、より好ましくは少なくとも145MPaの曲げ強さを有していてもよい。曲げ強さは好ましくは145〜180MPaの範囲内、より好ましくは145〜164MPaの範囲内である。
【0019】
前記第1の高分子材料はASTM D790による測定で、少なくとも1GPa、適切には少なくとも2GPa、好ましくは少なくとも3GPa、より好ましくは少なくとも3.5GPaの曲げ弾性率を有していてもよい。曲げ弾性率は好ましくは3.5〜4.5GPaの範囲内、より好ましくは3.5〜4.1GPaの範囲内である。
【0020】
前記第1の高分子材料は、一般式
【0021】
【化1】

で示される反復単位を有するホモポリマー;
または一般式
【0022】
【化2】

で示される反復単位を有するホモポリマー;
またはIVもしくはVの単位を含む(好ましくは少なくとも2種の異なるIVおよび/またはVの単位を含む)ランダムもしくはブロックコポリマー
(式中、Bは0または1を表し、Dは0または1を表し、E’は酸素原子または直接結合を表し、mは0または1を表し、w、r、s、z、tおよびvは独立して0または1を表し、かつArはフェニル部分1個以上を介して隣接する部分に結合する以下の部分:
【0023】
【化3】

の1個以上から選択される)
であってもよい。
【0024】
本明細書において他に断りがなければ、フェニル部分は、適切には、結合した部分への1,4−結合を有する。
(i)において、中央のフェニルは1,4−または1,3−置換されていてもよい。それは、好ましくは1,4−置換されている。
【0025】
好ましくはArはフェニル部分から延びた結合1個以上を介して隣接する部分に結合した以下の部分1個以上から選択される。
【0026】
【化4】

(vii)において、中央のフェニルは1,4−または1,3−置換されていてもよい。それは、好ましくは1,4−置換されている。
【0027】
好ましい第一の高分子材料は以下の表に詳細に記載された置換基を有する式IVまたはVで示されるホモポリマーまたはコポリマー(好ましくはホモポリマー)であってもよい。
【0028】
【表1】

前記第1の高分子材料は非晶質または半結晶であってもよい。
【0029】
前記第1の高分子材料は好ましくは半結晶である。高分子における結晶化度のレベルおよび程度は、好ましくは、例えばブランデルおよびオズボーン(Blundell and Osborn)(ポリマー、第24巻、第953頁、1983年)により記載されたとおり、広角X線回折(広角X線散乱またはWAXSとも呼ばれる)により測定される。あるいは結晶化度は示差走査熱量測定(DSC)により評価してもよい。
【0030】
前記第1の高分子材料における結晶化度のレベルは少なくとも1%、適切には少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%であってもよい。
特に好ましい実施形態において、結晶化度は30%を超えていても、より好ましくは40%を超えていても、特に45%を超えていてもよい。
【0031】
前記第1の高分子材料(結晶の場合)の溶融吸熱(Tm)の主なピークは少なくとも300℃であってもよい。
前記第1の高分子材料は、好ましくは式(XX):
【0032】
【化5】

(式中、t1およびw1は独立して0または1を表し、v1は0、1または2を表す)
で示される反復単位を含み、より好ましくは主にその反復単位から構成される。好ましい高分子材料はt1=1、v1=0およびw1=0;t1=0、v1=0およびw1=0;t1=0、w1=1およびv1=2;またはt1=0、v1=1およびw1=0である前記反復単位を有する。より好ましいものは、t1=1、v1=0およびw1=0;またはt1=0、v1=0およびw1=0を有する。最も好ましいものはt1=1、v1=0およびw1=0を有する。
【0033】
好ましい実施形態において、前記第1の高分子材料はポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトンおよびポリエーテルケトンケトンから選択される。より好ましい実施形態において、前記高分子材料はポリエーテルケトンおよびポリエーテルエーテルケトンから選択される。特に好ましい実施形態において、前記高分子材料はポリエーテルエーテルケトンである。
【0034】
前記第1の高分子材料は、前記組成物において、熱可塑性ポリマーの総量の少なくとも60重量%、適切には少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%で組成されてもよい。好ましくは前記組成物中の唯一の熱可塑性ポリマーは、実質的に前記第1の高分子材料である。
【0035】
適切には前記組成物は前記第1の高分子材料、特に好ましくは先に参照された式(XX)で示される高分子を、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも99重量%含む。
【0036】
前記第1の高分子材料は好ましくは
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよび/またはスルホン部分;ならびに
(c)エーテル部分
を含む型である。
【0037】
前記軸受構造は好ましくは前記組成物により画定された層が設けられた基板を含む。前記基板は好ましくは前記層の前記組成物と異なる材料を含む。前記基板は、金属、例えばスチールを含んでいてもよく(例えば、少なくとも70重量%、80重量%、または90重量%が含まれ)、例えば本質的に同スチールから構成される。
【0038】
例えば、前記層は基板上にコーティング層を含んでいてもよく、ここで前記コーティング層は適切には記載された前記組成物から本質的に構成される。
前記組成物により画定された層は少なくとも1.0mg/cm、好ましくは少なくとも1.2mg/cmのコーティング重量を有していてもよい。コーティング重量は20mg/cm未満であってもよい。
【0039】
層は、前記層の単位cm当り、前記第1の高分子材料を少なくとも1.0mg、好ましくは少なくとも1.2mg含んでいてもよい。層は、前記層の単位cm当り、前記第1の高分子材料を20mg未満含んでいてもよい。
【0040】
前記層は1μm、適切には少なくとも5μm、好ましくは少なくとも8μmの最小厚さ(範囲全体で測定された)を有していてもよい。
前記層は150μm未満、好ましくは100μm未満、より好ましくは50μm未満、特に25μm未満の最大厚さ(範囲全体で測定された)を有していてもよい。
【0041】
前記層は範囲全体にわたって測定された平均厚さが10〜150μmの範囲を有していてもよい。
前記最小/最大厚さは、シーン・インスツルメンツ社(Sheen Instruments Ltd)のシーン・エコ・テスト・プラス・BFN・コーティング・シックネス・ゲージ・タイプ121−17−00(Sheen Eco Test Plus BFN Coating Thickness Gauge Type 121−17−00)を用いて測定してもよい。
【0042】
前記層は少なくとも1mg、好ましくは少なくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mgの総重量を有していてもよい。
前記層は前記第1の高分子材料を少なくとも1mg、好ましくは少なくとも10mg、特に少なくとも1g含んでいてもよい。
【0043】
軸受構造は前記第1の高分子材料を少なくとも10mg、好ましくは少なくとも500mg、特に少なくとも1g含んでいてもよい。
前記外面を画定する前記組成物は前記第1の高分子材料を、50重量%を超えて、75重量%を超えて、90重量%を超えて、95重量%を超えて、98重量%を超えて含んでいてもよい。
【0044】
前記第1の高分子材料に加えて前記組成物中に材料を含むことにより、前記外面の特性を調整してもよい。
前記組成物は第2の高分子材料を含んでいてもよい。前記第2の高分子材料はフルオロカーボン樹脂または
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよび/またはスルホン部分;ならびに
(c)エーテル部分;
を含む上記の高分子材料から選択されてもよい。
【0045】
前記第2の高分子材料がフルオロカーボン樹脂を含む場合、前記樹脂はペルフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンコポリマー樹脂(FEP)を含んでいてもよい。
【0046】
ペルフルオロアルコキシポリマー(本明細書においてPFAと呼ばれる)は以下の一般式:
【0047】
【化6】

(式中、Rfは、フルオロアルキル基である(そのため−O−Rfは、ペルフルオロアルコキシ基である))
により表されてもよい。
【0048】
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(本明細書においてFEPと呼ばれる)は以下の一般式:
【0049】
【化7】

により表されてもよい。
【0050】
市販のFEPのうち、18〜25重量%のヘキサフルオロプロピレン含量を有するそれらのコポリマーが好ましく用いられる。
前記組成物は充填材手段を含んでいてもよい。前記充填材手段は粒子状物質であってもよく、そして/またはナノ繊維、ナノチューブまたは他のナノフィラーを含んでいてもよい。充填材の例としては、ガラス粒子、セラミック粒子、金属粒子、鉱物粒子および顔料が挙げられる。具体的な例としては、ガラスビーズまたはミクロスフェア、シリカ粒子、カーボンブラック、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、二硫化モリブデンおよびマイカが挙げられる。
【0051】
前記組成物が主に前記第1の高分子材料で構成されていない場合、それは好ましくは前記フルオロカーボン樹脂(特にPTFE)、グラファイトおよび/または二硫化モリブデンを含む。前記組成物は、顔料、例えばカーボンブラックを含んでいてもよい。
【0052】
前記組成物中の前記第2の高分子材料および充填材手段の量の合計は、0〜50重量%、好ましくは0〜25重量%、より好ましくは0〜10重量%、特に0〜5重量%の範囲内であってもよい。
【0053】
前記組成物は好ましくは前記第1の高分子材料(特にポリエーテルエーテルケトン)を60〜100重量%、記載された前記第2の高分子材料を0〜40重量%、および記載された充填材手段を0〜10重量%含む。前記組成物は好ましくは前記第1の高分子材料(特にポリエーテルエーテルケトン)を少なくとも70重量%含み、前記第2の高分子材料と充填材手段の量の合計が、0〜30重量%の範囲内である。好ましくは前記第2の高分子材料および充填材手段は、フルオロポリマー(特にPTFE)、グラファイトおよび二硫化モリブデンから選択される。
【0054】
特に好ましい実施形態において、前記組成物はポリエーテルエーテルケトンを少なくとも90重量%含む。該組成物は主にポリエーテルエーテルケトンと、所望の色の組成物を提供するレベルの顔料(例えば、カーボンブラック)とで構成されていてもよい。
【0055】
前記軸受構造は、好ましくは前記第1の部分と係合するように配置されることで、例えば前記第1の部分の開口部(例えば円形開口部)内に(例えばコネクションロッドの例えば内軌道内に)適合する。第1の部分は好ましくは構造に関して回転運動するように搭載されて配置されている。前記構造は好ましくは第2の部分に係合するように配置されており、例えば第2の部分が前記軸受構造内の開口部(円形断面を有していてもよい)に適合する。第2の部分は構造に関して回転運動するように搭載されて配置されていてもよく、クランクピンなどのピンを含んでいてもよい。適切には前記第1および第2の部分は、記載されたとおり搭載された時に、使用時に互いに独立して運動するように配置される。
【0056】
前記構造の前記外面は好ましくは外側に面している。それは好ましくは表面を含み、それが別の部分、例えば先に記載された前記第1の部分(提供された場合)に接触してもよい(ゆえに、その結果として摩耗を生じてもよい、そして/または摩耗を受け易くてもよい)。
【0057】
前記構造は好ましくは実質的に環状である。前記外面は好ましくは放射状に外側に面している。前記外面は好ましくは構造の回転軸の周囲(好ましくは実質的に360°周囲)に延在する。
【0058】
前記外面は軸受の可動性要素に適応するように配置されていてもよい。例えば、それは回転可能な可動性要素に適応するように配置されていてもよい。そのような可動性要素は、前記外面が延在する構造の回転軸に実質的に平行に延在する回転軸を有していてもよい。前記外面は前述の可動性要素に適合する長尺状スロットを含んでいてもよい。
【0059】
外面は前記長尺状スロットの各端部に領域(適切には構造の回転軸の周囲で延在する領域)を含んでいてもよい。その領域は前記スロットの端部でランドを画定してもよい。前記領域は、別の部分、例えば先に記載された前記第1の部分(提供されている場合)と接触しても(それゆえ、結果として摩耗を生じても、そして/または摩耗を受け易くなっても)よい。前記領域の外面は好ましくは前記組成物により画定される(より好ましくは前記組成物のコーティングを含む)。
【0060】
一実施形態において(本明細書の以後の図3および4に表される)、各端部の前記領域は可動性要素に適合するように配置されたスロットのみが介在した滑らかな外面の一部であってもよい。別の実施形態において(本明細書の以後の図2および4に表される)、各端部の前記領域は外面の凹部から離れていてもよい。
【0061】
好ましい実施形態において、実質的には軸受構造の外面全体が前記組成物により画定される(例えば、前記組成物のコーティングを設けられている)。
前記軸受構造は、記載されたとおり放射状に外側に面する外面と、適切には前記外面に対して反対方向に面した内面と、適切には前記外面を横断する方向、例えば構造の回転軸の方向に面した各側面と、を含んでいてもよい。好ましくは前記放射状に外側に面した外面には前記組成物のコーティングが設けられているため、好ましくは実質的には外面全体が前記組成物により画定される。好ましくは、付随的に、前記内面には、前記組成物のコーティングが設けられているため、好ましくは実質的には内面全体が、前記組成物により画定される。好ましくは前記各側面には、前記組成物のコーティングが設けられているため、好ましくは実質的には側面全体が、前記組成物により画定される。好ましくは実質的には前記軸受構造の全体が前記組成物により画定され、例えば前記組成物のコーティングが設けられている。
【0062】
一実施形態において、前記軸受構造は継ぎ目のない環状構造を含んでいてもよい(記載された図3および5と同様)。別の実施形態において、前記構造は中断された環状構造(例えば、分割環)を含んでいてもよい(図2および4と同様)。
【0063】
前記軸受構造は好ましくはころ軸受のための保持器である。保持器は転動要素に適応するように配置されていてもよい。
本発明は:
保持器の本体と;
本体の外面を覆うポリエーテルエーテルケトンを含むコーティング層と;
を含むころ軸受のための保持器に及ぶ。
【0064】
軸受構造(例えば保持器)は6mm以下の直径を有する可動性要素(例えばころ)を有するころ軸受用であってもよい(「針状ころ」と呼ばれ、針状ころ軸受内で用いられる)。
【0065】
本発明の第2の態様によれば、軸受の可動性要素を支持する軸受構造が提供され、その構造は:
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよび/またはスルホン部分;ならびに
(c)エーテル部分;
を含む第1の高分子材料を含む組成物により少なくとも一部が画定された外面を有する。
【0066】
第2の態様の組成物および前記第1の高分子材料は第1の態様により記載されたとおりであってもよい。
第1の態様の軸受構造の特徴を第2の態様の構造に必要な変更を加えて適用してもよい。
【0067】
本発明の第3の態様によれば:
(a)前記第1および/または第2の態様の前記組成物により部分的または完全に画定されていない外面を有する可動性要素を支持する軸受構造を選択すること;
(b)前記軸受構造を前記第1および/または第2の態様の組成物と接触させて、前記軸受構造の外面が前記組成物により少なくとも一部画定されること;
を含む、第1または第2の態様に記載された軸受構造を製造する方法が、提供される。
【0068】
該組成物、外面および軸受構造の特徴は、前記第1および/または第2の態様により記載されたとおりであってもよい。
前記組成物は100μm未満、適切には60μm未満、好ましくは40μm未満、より好ましくは20μm未満、特に10μm未満のD50を有する前記第1の高分子材料を含んでいてもよい。D50は1μmを超えていてもよい。前記第1の高分子材料は50μm未満、好ましくは40μm未満、より好ましくは30μm未満、特に20μm未満のD90を有していてもよい。前記第1の高分子材料は60μm未満、好ましくは50μm未満、より好ましくは40μm未満、特に30μm未満のD99を有していてもよい。
【0069】
本明細書で参照されるD50、D90およびD99は、例えばドイツのシンパテーセ GmbH(Sympatece GmbH)のウィンドクス・ソフトウェア(Windocs Software)を含むシンパテーセ・ヘロス(HO476)ロドス・アナライザ(Sympatece Helos (HO476) RODOS Analyser)を用いて、レーザ回折により測定してもよい。
【0070】
好ましくは前記第1の高分子材料の単位cm当り少なくとも1.0g、より好ましくは少なくとも1.2gを前記方法に適用して、前記外面を形成させる。
好ましくは、該方法は前記軸受構造を前記組成物を含むスプレーと接触させることを含む。
【0071】
該方法は、軸受構造を前記第1の高分子材料を含む粉末と接触させること、または基板を前記第1の高分子材料を含む液体と接触させること、を含んでいてもよい。粉末が用いられる場合、軸受構造が前記組成物と接触した時点で周囲温度を超える温度であることが好ましい。適切には基板は、前記組成物と接触した時点で、100℃を超える、好ましくは200℃を超える、より好ましくは300℃を超える、特に350℃を超える温度であってもよい。
【0072】
液体を前記軸受構造に接触させる場合、前記液体および/または前記軸受構造は、基板と第1の高分子材料が接触した時点で、10℃〜50℃の範囲内の温度であってもよい。
好ましくは、該方法は、軸受構造が前記組成物と接触した後で、前記軸受構造を温度が少なくとも100℃、好ましくは少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも300℃、特に少なくとも350℃である環境に供試することを含む。適切には前記第1の高分子材料が融解を起こす温度が、選択される。適切には前記第1の高分子材料が分解されないような、さもなければ悪影響を受けないような温度が、選択される。適切には温度は500℃未満、より好ましくは450℃未満である。
【0073】
該方法を利用して、前記第1の高分子材料が記載されたとおり融解された後に、少なくとも1mg、好ましくは少なくとも5mg、より好ましくは少なくとも10mgの総重量を有する外面を製造してもよい。
【0074】
好ましくは該方法において、前記第1の高分子材料が記載されたとおり融解された後に、5μm、好ましくは8μmの最小厚さを有する層が形成される。
該方法を利用して前記組成物の多層を塗布してもよい。
【0075】
本発明の第4の態様によれば、第1、第2および/または第3の態様に従って記載された構造を可動性要素と共に含む軸受が提供される。
前記可動性要素は、好ましくは構造に関して、例えば構造の内部で、回転するように配置されている。前記可動性要素は構造の外面の実質的に範囲全体の周りに配置されていてもよい。前記可動性要素は外面から突出するように配置されていてもよい。それらは構造の内面からも突出するように配置されて、内面が前記外面と反対方向に面していてもよい。
【0076】
前記可動性要素は、適切には表面と接触して使用時に表面を転動するように配置された外面を含む。前記可動性要素の外面は、好ましくは軸受構造の外面を画定する組成物とは異なる材料により画定される。前記可動性要素の外面は、好ましくは第1の態様において記載されたとおり
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよび/またはスルホン部分;ならびに
(c)エーテル部分;
を含む型の高分子材料を含むコーティングを含まない。
【0077】
前記可動性要素は金属を含んでいてもよい。
前記可動性要素は玉またはころを含んでいてもよい。例えば玉は構造内に搭載されるとともに保持されていてもよい。好ましくは、前記可動性要素はころを含み、ころのそれぞれが適切には各軸の周りを回転するように搭載されている。ころは円形断面を有していてもよい。それらは先細りになっていてもよい。好ましくはその断面は、ころの範囲に沿って実質的に一定である。前記ころは、好ましくは実質的に円筒状である。
【0078】
前記可動性要素、例えばころは、長さ(l)および外径(d)を有していてもよく、その比l/dは、2より大きく、適切には3より大きく、好ましくは4より大きく、特に5より大きい。外径は、適切には可動性要素の最大径を指す。
【0079】
前記軸受は、好ましくはころ軸受であり、前記構造は保持器を含み、前記可動性要素はころを含む。軸受は6mm以下の直径を有する針状ころを含む針状ころ軸受であってもよく、または6mmを超える直径を有するころを含む軸受を含んでいてもよい。
【0080】
本発明の第5の態様によれば:
(i)第1、第2および/または第3の態様に従って記載された軸受構造を選択すること;
(ii)多様な可動性要素を選択すること;
(iii)構造内、例えば構造の外面に介在するスロット内に、可動性要素を搭載すること;
を含む、第4の態様に従う軸受を組立てる方法が提供される。
【0081】
本発明の第6の態様によれば:
(a)第4の態様の軸受と;
(b)軸受の軸受構造に関して回転運動するように搭載された第1の部分と;
を含む組立て体が提供される。
【0082】
第1の部分は開口部を含んでいてもよく、その内部に軸受が配置されており、適切には開口部を画定する表面と隣接し、かつ転動するように配置された軸受の可動性要素を備えている。使用時に、軸受構造の外面が、例えば遠心力の下で、前記開口部を画定する前記表面に向かって、そして/またはそれと反対に付勢し得る組立て体であってもよい。これは軸受構造の外面を危険にさらし、開口部を画定する表面が摩耗する可能性がある。しかしながら、有利には本明細書に記載された組成物を含む軸受構造は、従来のものよりも摩耗する傾向および摩耗を起こす傾向が低くなり得、それゆえ軸受および前記第1の部分の有効寿命が延長し得る。
【0083】
第6の態様の組立て体は、付随的に第2の部分を含んでいてもよく、それが軸受構造に関して回転運動されるように搭載され、適切には第1の部分と独立している。
第2の部分は、軸受の開口部を備えて伸長するように配置されており、適切には前記第2の部分の表面と隣接し、かつ同表面を転動するように配置された軸受の可動性要素を備えている。
【0084】
前記第1の部分は、円形断面の開口部を含んでいてもよい。それは、内軌道を画定していてもよく、連結部材、例えばコネクティングロッドに関連してもよい。
前記第2の部分は円形断面を含んでいてもよく、円筒状であってもよい。それはクランクピンを含んでいてもよい。
【0085】
第6の態様の組立て体はクランクシャフトおよびコネクションロッド組立て体を含んでいてもよい。
その組立て体は前記第1および第2の部分を含んでいてもよく、それらは適切には前記軸受に関連しており、適切には同じ回転軸の周りを回転する。組立て体は、例えばクランクシャフトの、心棒を含んでいてもよく、それは適切には前記第1および第2の部分の回転軸と同心円上にない軸に関して回転するように配置されている。心棒は前記第1および第2の部分の回転軸に関して偏った(好ましくはそれと実質的に平行に延在する)軸の周りを回転するように配置されていてもよい。
【0086】
前記組立て体は内燃機関のためのものあってもよい。前記組立て体は多数の針状ころ軸受を含んでいてもよい。
本発明は本明細書に記載された組立て体を含む内燃機関に及ぶ。
【0087】
本明細書に記載されたいずれかの発明または実施形態のいずれかの態様のいずれかの特徴を、必要な変更を加えながら、本明細書に記載されたいずれか他の発明または実施形態のいずれかの態様と組み合わせてもよい。
【0088】
本発明の具体的な実施形態を、添付の図面を参照しながら、実施例としてここに記載する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】先に記載されたクランクシャフト/コネクティングロッド機構に関連するころ軸受の分解図である。
【図2】先に記載された異なる構造のころ軸受の斜視図である。
【図3】先に記載された異なる構造のころ軸受の斜視図である。
【図4】先に記載された異なる構造のころ軸受の斜視図である。
【図5】先に記載された異なる構造のころ軸受の斜視図である。
【図6】本発明の好ましい実施形態に従うころ軸受の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図6を参照すると、保持器100はローリング要素200を保持する本体110を含む。ローリング要素200は、6mmよりも小さな直径を有する針状ころ、または6mmよりも大きな直径を有するころであってもよい。加えて、本体110は厚さ1μm〜50μmで形成されたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)含有コーティング層120で覆われた外面を有する。その上、添加剤、例えばPTFE、グラファイト、MoSまたはその化合物がコーティング層に添加されていてもよい。カーボンブラックなどの顔料も美観のために添加されてもよい。
【0091】
保持器100の本体110は環状であり、図2〜5を参照して記載されたとおり、外面に凹部を有する一体型、平坦な外面を有する一体型、2個の半円環からなり外面に凹部を有する分割型、または平坦な外面を有する分割型であってもよい。
【0092】
保持器の外面にめっきされた銅層の上の電気めっきされた銀層を有する公知の保持器と比較すると、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)含有コーティング層120は、より長期間、保持器100に残留させることができ、外軌道上の摩耗をより効果的に遅らせることができる。これを、以下に例示する。
【0093】
比較の目的で、保持器の外面が厚さ10μmの銅で電気めっきされ、更に厚さ10μmの銀で電気めっきされて、めっき層全体が厚さ20μmであるテスト片Aを選択した。
厚さ10μmのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)コーティング層120を有するテスト片Bを、以下のとおり製造した。
【0094】
PCT/GB2004/003710に記載された手順を用い、ポリエーテルエーテルケトン、エアロソル OT75E(Aerosol OT75E)、カーボンブラックおよび水を含む分散体を使用して、保持器の外面をコーティングし、10mmコーティング層120を画定した。ころを組み込むことにより、テスト片AおよびBを軸受に成形し、軌道内で組立てて、以下のテスト条件下でテストした。
【0095】
軸受を9000RPMで回転させ、外軌道に加えられる保持器の遠心力は95ニュートンであり、保持器と外軌道の間の相対速度は7.2m/秒であり、潤滑油温度は80℃であり、軸受の外軌道の硬度はHV720〜750であった。
【0096】
100時間テストの後のテスト結果は、以下のとおりであった。
1.テスト片A:保持器の外面にめっきされた銀層は、全体的に摩耗され、めっきされた銅層の一部も摩耗された。軸受の外軌道の最大摩耗は、約2μmであった。
【0097】
2.テスト片B:保持器の外面のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)含有コーティング層は、無傷のままであり、軸受の外軌道の最大摩耗は、1μm未満であった。
テスト結果から、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)コーティング層120が、従来の銅+銀めっきよりも長期間、保持器の外面に残留し得ることが示される。同じくポリエーテルエーテルケトン(PEEK)含有コーティング層は、外軌道の摩耗をより効果的に遅らせることができる。
【0098】
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された特徴のいずれかの新規な1つもしくはいずれかの新規な組合せ、またはそのように開示されたいずれかの方法もしくは工程のステップのいずれかの新規な1つもしくはいずれかの新規な組合せに及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受の可動性要素を支持する軸受構造であって、80〜130の範囲内のロックウェル硬さ(Mスケール)を有する第1の高分子材料を含む組成物により少なくとも一部が画定された外面を有する構造。
【請求項2】
前記第1の高分子材料が、ポリアミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、硫化ポリフェニレン、または
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよびスルホン部分の少なくとも一つ;ならびに
(c)エーテル部分
を含む型の高分子材料から選択される、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記第1の高分子材料が、一般式:
【化1】

で示される反復単位を有するホモポリマー、
または一般式:
【化2】

で示される反復単位を有するホモポリマー、
またはIVもしくはVの単位を含むランダムもしくはブロックコポリマー、
(式中、Bは0または1を表し、Dは0または1を表し、E’は酸素原子または直接結合を表し、m、w、r、s、z、tおよびvは独立して0または1を表し、かつ、Arは以下の部分:
【化3】

から選択されるとともにフェニル部分1個以上を介して隣接する部分に結合する)
である、請求項1または2に記載の構造。
【請求項4】
前記第1の高分子材料が、式(XX):
【化4】

(式中、t1およびw1は独立して0または1を表し、v1は0、1または2を表す)で示される反復単位を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構造。
【請求項5】
前記第1の高分子材料が、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンから選択される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構造。
【請求項6】
前記構造が前記組成物により画定された層が設けられた基板を含み、前記基板が、前記組成物から本質的に構成される前記層と比較して異なる材料である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構造。
【請求項7】
前記組成物が、フルオロカーボン樹脂または
(a)フェニル部分;
(b)ケトンおよびスルホン部分の少なくとも一つ;ならびに
(c)エーテル部分
を含む型の高分子材料から選択される第2の高分子材料を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の構造。
【請求項8】
前記組成物が、前記第1の高分子材料を、フルオロカーボン樹脂、グラファイトおよび二硫化モリブデンのうちの少なくとも一つ、と共に含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の構造。
【請求項9】
前記組成物が、前記第1の高分子材料を60〜100重量%、第2の高分子材料を0〜40重量%、および充填材手段を0〜10重量%含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の構造。
【請求項10】
前記第1の高分子材料を少なくとも70重量%含み、第2の高分子材料と充填材手段との量の合計が0〜30重量%の範囲内であり、前記第2の高分子材料および充填材手段が、フルオロポリマー、グラファイトおよび二硫化モリブデンから選択される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の構造。
【請求項11】
前記組成物が、ポリエーテルエーテルケトンを少なくとも90重量%含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の構造。
【請求項12】
前記構造がころ軸受の保持器である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の構造。
【請求項13】
6mm以下の直径を有する可動性要素を有するころ軸受けのための、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の構造。
【請求項14】
保持器の本体と、
前記本体の外面を覆うポリエーテルエーテルケトンを含むコーティング層と、
を含む、ころ軸受のための保持器。
【請求項15】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軸受構造を製造する方法であって、
(a)請求項1乃至13のいずれか一項に記載の前記組成物により部分的または完全に画定されていない外面を有する可動性要素を支持する軸受構造を選択することと、
(b)前記選択された軸受構造を請求項1乃至13のいずれか一項に記載の組成物と接触させることにより、前記軸受構造の外面が前記組成物により少なくとも部分的に画定されることと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の構造を、可動性要素と共に含む軸受。
【請求項17】
前記可動性要素が長さ(l)および外径(d)を有し、比l/dが2より大きい、請求項16に記載の軸受。
【請求項18】
前記軸受がころ軸受であり、前記構造が保持器を含み、かつ前記可動性要素がころを含む、請求項16または17に記載の軸受。
【請求項19】
請求項16乃至18のいずれか一項に記載の軸受を組立てる方法であって、
(i)請求項1乃至13のいずれか一項に記載の軸受構造を選択することと、
(ii)多様な可動性要素を選択することと、
(iii)前記構造内に可動性要素を搭載することと、
を含む、方法。
【請求項20】
(a)請求項16乃至18のいずれか一項に記載の軸受と、
(b)前記軸受の軸受構造に関して回転運動するように搭載された第1の部分と、
を含む組立て体。
【請求項21】
内燃機関のための、請求項20に記載の組立て体。
【請求項22】
請求項20または21に記載の組立て体を含む内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−518799(P2010−518799A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547744(P2009−547744)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001533
【国際公開番号】WO2008/096097
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(501097318)ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】VICTREX MANUFACTURING LIMITED
【Fターム(参考)】