軸状部品供給装置および方法
【課題】装置の構成を簡易にすることができ、軸状部品の向きが所定方向でない場合に所定方向に整列させて供給することのできる軸状部品供給装置および方法を提供すること。
【解決手段】ボルト1が通る筒状通路21を有する筒部材20と、筒状通路を開閉するカム機構50と、切換機構60とを備え、カム機構は、第1〜第3のシャッタ51〜53を有し、第1〜第3のシャッタはいずれも、閉鎖領域と開放領域とを有し、閉鎖領域および開放領域は、ボルトの頭部が上向きの場合、第2のシャッタが頭部を係止している状態から開放領域に切り替わる第1のタイミングで、ボルトを通過させ、ボルトの頭部が下向きの場合、第1のシャッタが頭部を支持している状態から開放領域に切り替わる第2のタイミングで、ボルトを通過させ、切換機構は、第1または第2のタイミングで通過したボルトのうちのいずれか一方をそのまま通過させ、他方を反転させたのち通過させる。
【解決手段】ボルト1が通る筒状通路21を有する筒部材20と、筒状通路を開閉するカム機構50と、切換機構60とを備え、カム機構は、第1〜第3のシャッタ51〜53を有し、第1〜第3のシャッタはいずれも、閉鎖領域と開放領域とを有し、閉鎖領域および開放領域は、ボルトの頭部が上向きの場合、第2のシャッタが頭部を係止している状態から開放領域に切り替わる第1のタイミングで、ボルトを通過させ、ボルトの頭部が下向きの場合、第1のシャッタが頭部を支持している状態から開放領域に切り替わる第2のタイミングで、ボルトを通過させ、切換機構は、第1または第2のタイミングで通過したボルトのうちのいずれか一方をそのまま通過させ、他方を反転させたのち通過させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸状部品供給装置および方法に関する。詳しくは、筒状の部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給する軸状部品供給装置および軸状部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ボルト等の軸状部品を、筒状の部材の内部を通って供給する供給装置は、提案されている。例えばボルトの場合、軸線方向に沿ってねじ側と頭部側とに区分されるため、軸線方向に向きがある。そのため、ボルトのように向きのある軸状部品を供給する場合は、その向きを所定方向に整列させた状態で供給することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
軸状部品の向きを所定方向に整列させる装置も、提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−87952号公報
【特許文献2】特開平4−66412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の供給装置の場合は、筒状の部材にボルトを入れる際にその向きを所定方向に向けて入れるという操作をしなければならない。
特許文献2に記載の装置の場合は、筒状の部材の内部を通って軸状部品を供給する供給装置ではない。
一般に、軸状部品の向きを所定方向に整列させるためには、軸状部品の向きを検知するセンサ等の検知機構、および、検知機構が逆向きと判定した場合に軸状部品の向きを反転させる反転機構が必要である。そのため、このような検知機構および反転機構を備える供給装置は、概して、装置の構成が複雑になるという課題がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒状の部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することのできる軸状部品供給装置および軸状部品供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の軸状部品供給装置(例えば、後述の軸状部品供給装置10)は、
軸部(例えば、後述の軸部1a)の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部(例えば、後述の頭部1b)を有する軸状部品(例えば、後述のボルト1)の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路(例えば、後述の筒状通路21)を内部に有する筒部材(例えば、後述の筒部材20)と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構(例えば、後述のカム機構50)と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構(例えば、後述の切換機構60)と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3の板部材(例えば、後述の第1シャッタ51、第2シャッタ52、第3シャッタ53)を有し、
前記第1〜第3の板部材はいずれも、前記筒状通路を閉鎖する閉鎖領域(例えば、後述の閉鎖領域51a、52a、53a)と、前記筒状通路を開放する開放領域(例えば、後述の閉鎖領域51c、52c、53c)とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第3の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
(1)前記軸状部品の前記頭部が上向き(例えば、後述のボルト2)の場合には、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部(例えば、後述の頭部2b)を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
(2)前記軸状部品の前記頭部が下向き(例えば、後述のボルト3)の場合には、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部(例えば、後述の頭部3b)を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第1のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方(例えば、後述の正立姿勢のボルト2)をその姿勢を変えずに通過させ、他方(例えば、後述の倒立姿勢のボルト3)をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することができる。
装置の構成を簡易にすることができるため、故障等のトラブルが減少し、また、メンテナンス等の負担も軽減する。
【0008】
本発明の軸状部品供給装置(例えば、後述の軸状部品供給装置110)は、
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路(例えば、後述の筒状通路121)を内部に有する筒部材(例えば、後述の筒部材120)と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構(例えば、後述のカム機構150)と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構(例えば、後述の切換機構160)と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3、第4の板部材(例えば、後述の第1シャッタ151、第2シャッタ152、第3シャッタ153、第4シャッタ154)を有し、
前記第1〜第4の板部材はいずれも、前記筒状通路を閉鎖する閉鎖領域(例えば、後述の閉鎖領域151a、152a、153a、154a)と、前記筒状通路を開放する開放領域(例えば、後述の閉鎖領域151c、152c、153c、154c)とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第4の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
(1)前記頭部が上向きである正立姿勢の前記軸状部品(例えば、後述の正立姿勢のボルト2)の前記軸部(例えば、後述の軸部2a)と、前記頭部が下向きである倒立姿勢の前記軸状部品(例えば、後述の倒立姿勢のボルト3)の前記軸部(例えば、後述の軸部3a)とが係合している場合(例えば、後述のボルト対5)には、前記第3の板部材の前記閉鎖領域が、前記倒立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を支持している状態から、前記第4の板部材の前記閉鎖領域が、前記正立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を係止し、さらに前記第3の板部材が前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、前記正立姿勢の前記軸状部品と、前記倒立姿勢の前記軸状部品との前記係合状態を分離させ、
(2)前記倒立姿勢の前記軸状部品は、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
(3)前記正立姿勢の前記軸状部品は、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第3のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第3のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、上記の効果と同様の効果がある。
【0010】
本発明の軸状部品供給方法は、
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給方法であって、
前記軸状部品が筒状通路を通るときに前記頭部が上向きであるか、下向きであるかの姿勢に応じて、いずれか一方の姿勢である場合は第1のタイミングで通過させ、他方の姿勢である場合は、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで通過させる第1の工程と、
前記第1のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を変えずに供給し、前記第2のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を反転させたのち供給する第2の工程と、
を有することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、上記の効果と同様の効果がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することができる。
装置の構成を簡易にすることができるため、故障等のトラブルが減少し、また、メンテナンス等の負担も軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軸状部品供給装置の要部を断面にして示す正面図である。
【図2】図1の軸状部品供給装置の要部を断面にして示す側面図である。
【図3】軸状部品供給装置における導入部を示す拡大側面図である。
【図4】図3に示す導入部の平面図である。
【図5】軸状部品供給装置における整列部を示す拡大正面図である。
【図6】図5に示す整列部の側面図である。
【図7】整列部におけるカム機構の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図8】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図9】整列部の動作を示すタイムチャートである。
【図10】カム機構の所定の回転角度におけるボルト2の位置を示す断面図である。
【図11】カム機構の所定の回転角度におけるボルト2の位置を示す断面図である。
【図12】カム機構の所定の回転角度におけるボルト3の位置を示す断面図である。
【図13】カム機構の所定の回転角度におけるボルト3の位置を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る軸状部品供給装置における整列部の要部を断面にして示す拡大正面図である。
【図15】図14に示す整列部の側面図である。
【図16】整列部におけるカム機構の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図17】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図18】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図19】整列部の動作を示すタイムチャートである。
【図20】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図21】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図22】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図23】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図24】本発明による軸状部品供給装置の適用例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る軸状部品供給装置10を示す正面図、図2は側面図である。軸状部品供給装置10は、軸部の一端側に軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品(例えばボルト)の向きを整列させながら供給するものである。
【0015】
軸状部品供給装置10は、軸状部品としてのボルト1が通る筒状通路21を内部に有する筒部材20と、ボルト1を筒部材20の筒状通路21へ導入する導入部30と、整列部40と、を備える。
整列部40は、筒部材20の外方から筒状通路21に侵入して筒状通路21を開閉するカム機構50と、カム機構50を通過したボルト1を直接通過または反転通過させる切換機構60と、を備える。
【0016】
筒部材20は、機台11にほぼ垂直に固定される垂直筒22と、垂直筒22の下方において機台11に固定される湾曲筒27と、湾曲筒27の先端に取り付けられるチューブ28と、を備える。垂直筒22の下端と湾曲筒27の上端との間には、切換機構60の後述するロータ61が配置される。垂直筒22および湾曲筒27は、剛性を有する材料で構成される。チューブ28は、可撓性を有する材料で構成される。
【0017】
筒部材20の垂直筒22、湾曲筒27、およびチューブ28のすべてに、ボルト1を通過させるための筒状通路21が形成される。筒状通路21の直径は、垂直筒22、湾曲筒27、およびチューブ28のすべてに亘って、実質的に一定である。ボルト1は、筒状通路21内を圧送される。
【0018】
後述するように、導入部30の回転筒31および連結筒34にも、同様の筒状通路21が形成される。すなわち、後述する導入部30の回転筒31および連結筒34は、導入部30の一部を構成するものであると同時に、筒部材20の一部を構成するものである。
垂直筒22の側壁には、後述する第1〜第3シャッタ51〜53が侵入可能な第1〜第3スリット23〜25が形成される(図7参照)。この部分における筒状通路21は、第1〜第3シャッタ51〜53によるボルト1の操作に都合がよいように、クリアランスを余分に見積もって内径がやや大きく形成されている。
【0019】
図1〜図4に示すように、導入部30は、筒部材20の垂直筒22の上方において機台11に回転可能に支持される回転筒31と、回転筒31の上方に一体に固定される導入ホッパ32と、導入ホッパ32と回転筒31に形成された筒状通路21とを連結する連結筒34と、ベルト37を介して回転筒31を回転させるモータ36と、を備える。
【0020】
回転筒31は、その下端が垂直筒22の上端と連通する状態を保ったまま、導入ホッパ32とともに、回転軸35のまわりに回転する。機台11に固定された供給部38は、導入ホッパ32にボルト1を供給する。
【0021】
導入ホッパ32は、回転筒31の回転軸35から偏心した位置に配置される。すなわち、導入ホッパ32の中心軸32aは、回転筒31の回転軸35から偏心している。そのため、導入ホッパ32が回転軸35のまわりに回転すると、導入ホッパ32内のボルト1に遠心力が作用する。
【0022】
モータ36は、回転速度が一定ではなく、緩急をつけた速度で回転させるように制御される。すなわち、導入ホッパ32は、一定速度ではなく、緩急をつけた速度で回転される。そのため、導入ホッパ32内のボルト1に作用する遠心力も、大きくなったり、小さくなったりを繰り返す。
【0023】
導入ホッパ32の開口33は、通常よく見られるように導入ホッパ32の下端に真下に向けて開かれるのではなく、導入ホッパ32の傾斜面に開いている。すなわち、開口33の軸線は、導入ホッパ32の傾斜面に対して垂直であり、しかも、回転軸35に向かっている。そのため、導入ホッパ32内のボルト1は、遠心力が大きくなったときに押し付けられる導入ホッパ32の傾斜面から、遠心力が小さくなったときその傾斜面に沿って滑り落ちることでそのまま自然に開口33に入り込み、連結筒34の筒状通路21内を落下する。
【0024】
図5、図6に示すように、カム機構50は、筒部材20の垂直筒22と平行に隣接して、機台11に回転可能に支持される回転軸55と、回転軸55に取り付けられる第1の板部材としての第1シャッタ51、第2の板部材としての第2シャッタ52、第3の板部材としての第3シャッタ53と、機台11に支持されて、ベルト57を介して回転軸55を回転させるモータ56と、を備える。
【0025】
図7に示すように、第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、垂直筒22の側壁に形成された第1、第2、第3スリット23、24、25を通して筒状通路21内に侵入して、筒状通路21を開閉する。
第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、第1シャッタ51と第2シャッタ52との間隔をD1、第1シャッタ51と第3シャッタ53との間隔をD2、ボルト1の軸部1aの長さをL1、頭部1bを含むボルト1の全長をL2としたとき、D1<L1<L2<D2となるように、配置されている。
【0026】
図8(a)に示すように、第1シャッタ51は、筒状通路21を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域51aと、筒状通路21を開放する開放領域51cと、閉鎖領域51aと開放領域51cとを繋ぐ漸開領域51bおよび漸閉領域51dと、を有する。
閉鎖領域51aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域51cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第1シャッタ51は、0°〜30°が漸開領域51b、30°〜225°が開放領域51c、225°〜255°が漸閉領域51d、255°〜360°が閉鎖領域51a、となるように形成される。
【0027】
図8(b)に示すように、第2シャッタ52は、筒状通路21を所定範囲閉鎖する閉鎖領域52aと、筒状通路21を開放する開放領域52cと、閉鎖領域52aと開放領域52cとを繋ぐ漸開領域52bおよび漸閉領域52dと、を有する。
閉鎖領域52aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域52cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第2シャッタ52は、0°〜120°が閉鎖領域52a、120°〜150°が漸開領域52b、150°〜330°が開放領域52c、330°〜360°が漸閉領域52d、となるように形成される。
【0028】
図8(c)に示すように、第3シャッタ53は、筒状通路21を所定範囲閉鎖する閉鎖領域53aと、筒状通路21を開放する開放領域53cと、閉鎖領域53aと開放領域53cとを繋ぐ漸開領域53bおよび漸閉領域53dと、を有する。
閉鎖領域53aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域53cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第3シャッタ53は、0°〜240°が閉鎖領域53a、240°〜270°が漸開領域53b、270°〜330°が開放領域53c、330°〜360°が漸閉領域53d、となるように形成される。
【0029】
図5、図6に示すように、切換機構60は、機台11に支持されたモータ66と、モータ66に取り付けられる回転軸65を有するロータ61と、を備える。
ロータ61は、所定の厚みを有する円盤状の部材である。ロータ61は、垂直筒22の筒状通路21と湾曲筒27の筒状通路21との間に配置される。ロータ61の回転軸65は、垂直筒22の軸線と直交して配置される。
【0030】
ロータ61は、1つの通過孔62と、2つの停止孔63とを備える。
通過孔62は、筒状通路21にほぼ等しい直径の孔である。通過孔62は、ロータ61の中心を通って対向する周面間を貫通する。
停止孔63も、筒状通路21にほぼ等しい直径の孔である。停止孔63は、通過孔62に対して、ロータ61の円周方向に沿って90°変位した位置(2箇所)に配置され、ロータ61の周面からボルト1の全長を収容する深さに形成される。
【0031】
モータ66は、ロータ61を90°ずつ間欠的に回動させることにより、ロータ61の通過孔62または停止孔63のいずれかを筒状通路21に一致させるように切り換える。すなわち、モータ66は、一方の停止孔63が上向きで垂直になる位置(このとき他方の停止孔63は下向きで垂直になる)と、ここから90°回動して通過孔62が垂直になる位置(このとき両方の停止孔63はともに水平になる)と、ここからさらに90°回動して一方の停止孔63が下向きで垂直になる位置と、さらにここから90°回動して通過孔62が再び垂直になる位置と、でそれぞれロータ61を停止させる。
【0032】
カム機構50のモータ56による第1〜第3シャッタ51〜53の開閉サイクル、および、切換機構60のモータ66によるロータ61の通過孔62または停止孔63の切り換えサイクルは、互いに同期をとりながら、図9のタイムチャートに示すように実行される。
【0033】
次に、上記のように構成された第1実施形態に係る軸状部品供給装置10の作用について説明する。
[導入部30の作用]
導入部30では、供給部38から導入ホッパ32にボルト1を供給する。この場合、回転筒31および導入ホッパ32を回転させた状態で、ボルト1を供給することが好ましい。回転筒31および導入ホッパ32を停止させた状態でボルト1を供給すると、導入ホッパ32の底部付近にボルト1が詰まりやすいのに対して、回転筒31および導入ホッパ32を回転させた状態でボルト1を供給すると、詰まりが発生しにくいからである。
【0034】
導入ホッパ32に供給されたボルト1は、導入ホッパ32の開口33から連結筒34の筒状通路21内へ、順次スムーズに導入される。その理由は、前述したように、つぎの条件がすべて揃うからである。
【0035】
(1)導入ホッパ32の偏心した回転により、導入ホッパ32内のボルト1に遠心力が作用すること。
(2)導入ホッパ32の緩急をつけた速度での回転により、導入ホッパ32内のボルト1に作用する遠心力は、大きくなったり、小さくなったりを繰り返すこと。
(3)導入ホッパ32の開口33が傾斜面において回転軸35に向かって開いていることにより、導入ホッパ32内のボルト1は、遠心力が大きくなったときに押し付けられる導入ホッパ32の傾斜面から、遠心力が小さくなったときその傾斜面に沿って滑り落ちることでそのまま自然に開口33に入り込むこと。
【0036】
しかし、導入ホッパ32から連結筒34の筒状通路21内への導入過程で、ボルト1は、頭部2bが軸部2aよりも上に位置する正立姿勢のボルト2と、これとは逆に頭部3bが軸部3aよりも下に位置する倒立姿勢のボルト3とが、混在する。
この正立姿勢のボルト2と倒立姿勢のボルト3とが混在したボルト1を、整列部40によって、以下のように整列させる。
【0037】
[整列部40の作用;正立ボルト2の場合]
整列部40では、正立姿勢のボルト2は、つぎのようにして正立姿勢を保ったまま、整列部40を通過する。
まず、第1、第2、第3シャッタ51、52、53が0°の位置にあるとき、正立姿勢のボルト2がカム機構50に到達したとする。このとき、第3シャッタ53および第2シャッタ52は閉鎖領域53a、52aの初期にあり、第1シャッタ51は漸開領域51bの初期にある。
そのため、正立姿勢のボルト2は、図10(a)に示すように、軸部2aが第3シャッタ53を通過し、さらに第2シャッタ52も通過して、頭部2bの下面が第3シャッタ53に引っ掛かって停止する。なお、軸部2aの下端は第1シャッタ51よりも上方に位置する。
【0038】
この状態は、第3シャッタ53が240°回転してその閉鎖領域53aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域52cとなる。第1シャッタ51は、30°回転して開いた状態が225°回転するまで持続し、225°回転から閉じ始めて、255°回転で閉鎖領域51aとなる。
【0039】
第3シャッタ53が240°回転から開き始めて、270°回転で開放領域53cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図10(b)に示すように、頭部2bが第3シャッタ53から解放されて下降する。このとき、第2シャッタ52は開放領域52cにあるが、第1シャッタ51はその直前に閉鎖領域51aとなる。
そのため、正立姿勢のボルト2は、軸部2aの下端が第1シャッタ51に載った状態で停止する。この正立姿勢のボルト2の頭部2bは、第2シャッタ52と第3シャッタ53との間に位置する。この状態は、第2シャッタ52が330°回転してその開放領域52cの終期になるまで持続する。
【0040】
第2シャッタ52は、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域52aとなり、第3シャッタ53も同様に、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域53aとなる。続いて、第1シャッタ51が360°回転から開き始めて、390°回転で開放領域51cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図11(a)に示すように、軸部2aの下端が第1シャッタ51から解放される。
しかし、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ52に引っ掛かって停止する。この状態は、第2シャッタ52が480°回転してその閉鎖領域52aの終期になるまで持続する。
【0041】
第2シャッタ52が480°回転から開き始めて、510°回転で開放領域52cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図11(b)に示すように、頭部2bが第2シャッタ52から解放されて、開放領域51cにある第1シャッタ51を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの120°〜150°の区間でカム機構50から落下する。
【0042】
切換機構60のロータ61は、各サイクルの120°〜150°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔62が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ52から解放されて、第1シャッタ51を通って落下する正立姿勢のボルト2は、ロータ61の通過孔62を通って落下する。このようにして、正立姿勢のボルト2は、整列部40を通過する。
【0043】
[整列部40の作用;倒立ボルト3の場合]
整列部40では、倒立姿勢のボルト3は、つぎのようにして倒立姿勢から正立姿勢に反転された後、整列部40を通過する。
まず、第1、第2、第3シャッタ51、52、53が0°の位置にあるとき、倒立姿勢のボルト3がカム機構50に到達したとする。このとき、第3シャッタ53および第2シャッタ52は閉鎖領域53a、52aの初期にあり、第1シャッタ51は漸開領域51bの初期にある。
そのため、倒立姿勢のボルト3は、図12(a)に示すように、頭部3bの下面が第3シャッタ53に載った状態で停止する。
【0044】
この状態は、第3シャッタ53が240°回転してその閉鎖領域53aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域52cとなる。第1シャッタ51は、30°回転して開いた状態が225°回転するまで持続し、225°回転から閉じ始めて、255°回転で閉鎖領域51aとなる。
【0045】
第3シャッタ53が240°回転から開き始めて、270°回転で開放領域53cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、図12(b)に示すように、頭部3bが第3シャッタ53から解放されて下降する。このとき、第2シャッタ52は開放領域52cにあるが、第1シャッタ51はその直前に閉鎖領域51aとなるため、倒立姿勢のボルト3は、頭部3bの下面が第1シャッタ51に載った状態で停止する。この倒立姿勢のボルト3の軸部3aの上端は、第2シャッタ52と第3シャッタ53との間に位置する。
【0046】
この状態は、第1シャッタ51が360°回転してその閉鎖領域51aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域52aとなり、第3シャッタ53も同様に、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域53aとなる。
【0047】
続いて、第1シャッタ51が360°回転から開き始めて、390°回転で開放領域51cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、図13に示すように、頭部3bが第1シャッタ51から解放されて落下する。すなわち、倒立姿勢のボルト3は、各サイクルの0°〜30°の区間でカム機構50から落下する。
【0048】
切換機構60のロータ61は、各サイクルの0°〜30°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ51から解放されて落下する倒立姿勢のボルト3は、ロータ61の上向きの停止孔63に収容されて保持される。
【0049】
ロータ61は、その後、90°回転されて、各サイクルの120°〜150°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔62が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔63は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔63に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ61がこの状態にあるとき、前述の正立姿勢のボルト2が、垂直位置にある通過孔62を通って落下する。
【0050】
ロータ61は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば240°〜270°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔63は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立姿勢のボルト3は、整列部40を通過する。
【0051】
ロータ61は、その後、各サイクルの0°〜30°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される必要がある。
そのため、ロータ61は、上述した倒立姿勢のボルト3を落下させる停止角度範囲区間(各サイクルの例えば240°〜270°の区間を含む)から、倒立姿勢のボルト3を収容する停止角度範囲区間(各サイクルの0°〜30°の区間を含む)まで、連続して停止状態を保ってもよい。
【0052】
上記したように、カム機構50の第1シャッタ51が各サイクルの0°回転から開き始めて、30°回転で開放領域51cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、カム機構50から落下する。
カム機構50の第1シャッタ51が各サイクルの120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域51cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、カム機構50から落下する。
つまり、倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下するタイミングと、正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下するタイミングとは、互いに異なる。
【0053】
カム機構50から落下した倒立姿勢のボルト3は、ロータ61の上向きの停止孔63に一旦収容されて保持され、その後、ロータ61が180°回転して停止孔63が下向きになることで、倒立から正立に反転された姿勢で、切換機構60を落下する。
カム機構50から落下した正立姿勢のボルト2は、ロータ61の垂直位置にある通過孔62を通って、切換機構60をそのまま落下する。
したがって、倒立姿勢のボルト3が切換機構60から落下するタイミングと、正立姿勢のボルト2が切換機構60から落下するタイミングも、互いに異なる。
【0054】
図24は、第1実施形態に係る軸状部品供給装置10を適用したロボット装置80の一例を示す正面図である。
ロボット装置80は、多関節ロボット81と、軸状部品供給装置10と、を備える。多関節ロボット81のアームの先端には、ナットランナ82が備えられる。筒部材20のチューブ28の先端は、ナットランナ82まで導かれて、ナットランナ82が締め付けるボルト1を供給する。
【0055】
第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)第1シャッタ51の閉鎖領域51aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。第2シャッタ52および第3シャッタ53の閉鎖領域52a、53aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。
第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、第1シャッタ51と第2シャッタ52との間隔をD1、第1シャッタ51と第3シャッタ53との間隔をD2、ボルト1の軸部1aの長さをL1、頭部1bを含むボルト1の全長をL2としたとき、D1<L1<L2<D2となるように、配置される。
これにより、カム機構50に到来したボルト1が、正立姿勢のボルト2の場合と、倒立姿勢のボルト3の場合とで、カム機構50を通過するタイミングを明確に分けることができる。
【0056】
(2)切換機構60のロータ61は、カム機構50から落下するボルト1をそのまま通過させる通過孔62と、ボルト1を一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させる停止孔63と、を備える。
そのため、正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下する場合、このボルト2をそのままの姿勢で通過孔62を通過させることができる。
倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下する場合、このボルト3を停止孔63に一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させることができる。
これにより、すべてのボルト1の方向を、正立姿勢のボルト2に整列させることができる。
【0057】
(3)通過孔62および停止孔63と、正立姿勢のボルト2および倒立姿勢のボルト3との関係は、固定されない。
そのため、倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下する場合、このボルト3をそのままの姿勢で通過孔62を通過させることができる。
正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下する場合、このボルト2を停止孔63に一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させることができる。
これにより、すべてのボルト1の方向を、倒立姿勢のボルト3に整列させることができる。
【0058】
<第2実施形態>
図14は、本発明の第2実施形態に係る軸状部品供給装置110における整列部140の拡大正面図であり、図15は、図14に示す整列部140の側面図である。軸状部品供給装置110は、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5(図16参照)を取り扱うことができる特徴を有する。
この特徴を除けば、本実施形態に係る軸状部品供給装置110は、第1実施形態に係る軸状部品供給装置10とほぼ同様のものであるので、同様の部分には第1実施形態において用いた符号に100を加えた符号を付けて示し、重複する説明は省略することとする。
【0059】
軸状部品供給装置110は、第1の板部材としての第1シャッタ151、第2の板部材としての第2シャッタ152、第3の板部材としての第3シャッタ153、第4の板部材としての第4シャッタ154、を備える。
【0060】
図16に示すように、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、垂直筒122の側壁に形成された第1、第2、第3、第4スリット123、124、125、126を通して筒状通路121内に侵入して、筒状通路121を開閉する。
第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、第1シャッタ151と第2シャッタ152との間隔をD1、第1シャッタ151と第3シャッタ153との間隔をD2、第3シャッタ153と第4シャッタ154との間隔をD3としたとき、D1<L1<L2<D2、および、L1<D3<L3となるように、配置されている。
ここで、L1は、ボルト1の軸部1aの長さ、L2は、頭部1bを含むボルト1の全長、L3は、正立ボルト2の軸部2aと倒立ボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5における、倒立ボルト3の頭部3bの下面から正立ボルト2の頭部2bの下面までの長さである。したがって、L3は、L2≦L3<(L1+L2)である。
【0061】
図17(a)に示すように、第1シャッタ151は、筒状通路121を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域151aと、筒状通路121を開放する開放領域151cと、閉鎖領域151aと開放領域151cとを繋ぐ漸開領域151bおよび漸閉領域151dと、を有する。
閉鎖領域151aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域151cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第1シャッタ151は、0°〜135°が開放領域151c、135°〜180°が漸閉領域151d、180°〜270°が閉鎖領域151a、270°〜315°が漸開領域151b、315°〜360°が開放領域151c、となるように形成される。
【0062】
図17(b)に示すように、第2シャッタ152は、筒状通路121を所定範囲閉鎖する閉鎖領域152aと、筒状通路121を開放する開放領域152cと、閉鎖領域152aと開放領域152cとを繋ぐ漸開領域152bおよび漸閉領域152dと、を有する。
閉鎖領域152aでは、筒状通路121は、ボルト1の軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域152cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第2シャッタ152は、0°〜45°が漸開領域152b、45°〜225°が開放領域152c、225°〜270°が漸閉領域152d、270°〜360°が閉鎖領域152a、となるように形成される。
【0063】
図18(a)に示すように、第3シャッタ153は、筒状通路121を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域153aと、筒状通路121を開放する開放領域153cと、閉鎖領域153aと開放領域153cとを繋ぐ漸開領域153bおよび漸閉領域153dと、を有する。
閉鎖領域153aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域153cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第3シャッタ153は、0°〜135°が閉鎖領域153a、135°〜180°が漸開領域153b、180°〜270°が開放領域153c、270°〜315°が漸閉領域153d、315°〜360°が閉鎖領域153a、となるように形成される。
【0064】
図18(b)に示すように、第4シャッタ154は、筒状通路121を所定範囲閉鎖する閉鎖領域154aと、筒状通路121を開放する開放領域154cと、閉鎖領域154aと開放領域154cとを繋ぐ漸開領域154bおよび漸閉領域154dと、を有する。
閉鎖領域154aでは、筒状通路121は、ボルト1の軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域154cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第4シャッタ154は、0°〜90°が開放領域154c、90°〜135°が漸閉領域154d、135°〜270°が閉鎖領域154a、270°〜315°が漸開領域154b、315°〜360°が開放領域154c、となるように形成される。
【0065】
カム機構150のモータ156による第1〜第4シャッタ151〜154の開閉サイクル、および、切換機構160のモータ166によるロータ161の通過孔162または停止孔163の切り換えサイクルは、互いに同期をとりながら、図19のタイムチャートに示すように実行される。
【0066】
次に、上記のように構成された第2実施形態に係る軸状部品供給装置110の作用について説明する。
[整列部140の作用;ボルト対5の場合]
整列部140では、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合した(または噛み合った)ボルト対5は、つぎのようにして分離されて整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、ボルト対5がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、ボルト対5は、図20(a)に示すように、下側のボルト3の頭部3bの下端が第3シャッタ153に載った状態で停止する。このとき、上側のボルト2の頭部2bの下面は、第4シャッタ154よりも上方に位置する。
【0067】
この状態は、第3シャッタ153が135°回転してその閉鎖領域153aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ152は、0°回転から開き始めて、45°回転で開放領域152cとなる。第4シャッタ154は、90°回転から閉じ始めて、135°回転で閉鎖領域154aとなる。
つまり、図20(b)に示すように、第3シャッタ153が135°回転してその閉鎖領域153aの終期になったとき、これと同時に、第4シャッタ154は閉鎖領域154aとなる。
【0068】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、ボルト対5は、図21(a)に示すように、下側のボルト3の頭部3bの下端が第3シャッタ153から解放されて下降する。このとき、第4シャッタ154は閉鎖領域154aにあるため、上側のボルト2の頭部2bの下面は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止する。
つまり、第3シャッタ153から解放されて下降するボルト対5のうち、上側のボルト2だけが第4シャッタ154によって停止される。一方、下側のボルト3は自重で下降する。
【0069】
これにより、ボルト対5は、上側のボルト2の軸部2aと下側のボルト3の軸部3aとの係合が解除される。そして、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止したまま、倒立姿勢のボルト3は、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。
第1シャッタ151は、135°回転から閉じ始めて、180°回転で閉鎖領域151aとなっている。
【0070】
つまり、ボルト対5の係合が解除された、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止した状態にあり、倒立姿勢のボルト3は、第1シャッタ151に載って停止した状態にある。この状態は、第1、第4シャッタ151、154が270°回転してその閉鎖領域151a、154aの終期になるまで持続する。
【0071】
この間、第2シャッタ152は、225°回転から閉じ始めて、270°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1、第4シャッタ151、154が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151c、154cとなる期間中に、図21(b)に示すように、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154から解放されて下降する。これについては後述する。
倒立姿勢のボルト3は、第1シャッタ151から解放されて落下する。すなわち、倒立姿勢のボルト3は、各サイクルの270°〜315°の区間でカム機構150から落下する。
【0072】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの270°〜315°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ151から解放されて落下する倒立姿勢のボルト3は、ロータ161の上向きの停止孔163に収容されて保持される。
【0073】
ロータ161は、その後、90°回転されて、後述するように各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。このとき、倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔163は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔163に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ161がこの状態にあるとき、後述するように、正立姿勢のボルト2が、垂直位置にある通過孔162を通って落下する。
【0074】
ロータ161は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔163は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立姿勢のボルト3は、整列部140を通過する。
【0075】
ロータ161は、その後、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される必要がある。
そのため、ロータ161は、上述した倒立姿勢のボルト3を落下させる停止角度範囲区間(各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含む)から、倒立姿勢のボルト3を収容する停止角度範囲区間(各サイクルの0°〜45°の区間を含む)まで、連続して停止状態を保ってもよい。
【0076】
一方、270°〜315°のこの期間中に、第3シャッタ153は、270°回転から閉じ始めて、315°回転で閉鎖領域153aとなる。つまり、第4シャッタ154が開放領域154cとなるとき、第3シャッタ153は、それと同時に閉鎖領域153aとなる。
そのため、第4シャッタ154から解放されて下降する正立姿勢のボルト2は、第3シャッタ153に載った状態で停止する。この状態は、第3シャッタ153が495°回転してその閉鎖領域153aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ152は、360°回転から開き始めて、405°回転で開放領域52cとなる。第4シャッタ154は、450°回転から閉じ始めて、495°回転で閉鎖領域154aとなる。
【0077】
第3シャッタ153が495°回転から開き始めて、540°回転で開放領域153cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図22(a)に示すように、第3シャッタ153から解放されて、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。この状態は、第1シャッタ151が630°回転してその閉鎖領域151aの終期になるまで持続する。
【0078】
この間、第2シャッタ152は、585°回転から閉じ始めて、630°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1シャッタ151が630°回転から開き始めて、675°回転で開放領域151cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図22(b)に示すように、第1シャッタ151から解放される。
ところが、この期間の開始時に、第2シャッタ152は既に閉鎖領域152aとなっているため、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ152に引っ掛かって停止する。この状態は、第2シャッタ152が720°回転してその閉鎖領域152aの終期になるまで持続する。
【0079】
第2シャッタ152が720°回転から開き始めて、765°回転で開放領域152cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図23に示すように、第2シャッタ152から解放されて、開放領域152cにある第1シャッタ151を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの0°〜45°の区間でカム機構50から落下する。
【0080】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ152から解放されて、第1シャッタ151を通って落下する正立姿勢のボルト2は、ロータ161の通過孔162を通って落下する。このようにして、正立姿勢のボルト2は、整列部140を通過する。
【0081】
このようにして、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5は、カム機構150において、正立姿勢のボルト2と倒立姿勢のボルト3とに分離されて、それぞれ別々のタイミングでカム機構150から落下する。そしてその後、それぞれ別々のタイミングで切換機構160から落下する。
【0082】
[整列部140の作用;正立ボルト2の場合]
整列部140では、正立姿勢のボルト2は、つぎのようにして正立姿勢を保ったまま、整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、正立ボルト2がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、正立ボルト2は、図21(b)に示すように、軸部2aの下端が第3シャッタ153に載った状態で停止する。
【0083】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、正立ボルト2は、図22(a)に示すように、第3シャッタ153から解放されて、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。この状態は、第1シャッタ151が270°回転してその閉鎖領域151aの終期になるまで持続する。
【0084】
この間、第2シャッタ152は、225°回転から閉じ始めて、270°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1シャッタ151が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151cとなる期間中に、正立ボルト2は、図22(b)に示すように、第1シャッタ151から解放される。
ところが、この期間の開始時に、第2シャッタ152は既に閉鎖領域152aとなっているため、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ152に引っ掛かって停止する。
【0085】
第2シャッタ152が360°回転から開き始めて、405°回転で開放領域152cとなる期間中に、正立ボルト2は、図23に示すように、第2シャッタ152から解放されて、開放領域152cにある第1シャッタ151を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの0°〜45°の区間でカム機構50から落下する。
【0086】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ152から解放されて、第1シャッタ151を通って落下する正立ボルト2は、ロータ161の通過孔162を通って落下する。このようにして、正立ボルト2は、整列部140を通過する。
【0087】
[整列部140の作用;倒立ボルト3の場合]
整列部140では、倒立姿勢のボルト3は、つぎのようにして倒立姿勢から正立姿勢に反転された後、整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、倒立ボルト3がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、倒立ボルト3は、頭部3aの下面が第3シャッタ153に載った状態で停止する。
【0088】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、倒立ボルト3は、図21(a)に示すように、頭部3bの下端が第3シャッタ153から解放されて下降し、そして、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。
【0089】
第1シャッタ151が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151cとなる期間中に、倒立ボルト3は、図21(b)に示すように、第1シャッタ151から解放されて落下する。すなわち、倒立ボルト3は、各サイクルの270°〜315°の区間でカム機構150から落下する。
【0090】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの270°〜315°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ151から解放されて落下する倒立ボルト3は、ロータ161の上向きの停止孔163に収容されて保持される。
【0091】
ロータ161は、その後、90°回転されて、前述したように各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。このとき、倒立ボルト3を収容した停止孔163は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔163に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ161がこの状態にあるとき、前述したように、正立ボルト2が、垂直位置にある通過孔162を通って落下する。
【0092】
ロータ161は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立ボルト3を収容した停止孔163は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立ボルト3は、整列部140を通過する。
【0093】
第2実施形態に係る軸状部品供給装置110を適用したロボット装置80の一例を図24に示す。
【0094】
第2実施形態によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果がある。
(4)第1シャッタ151および第3シャッタ153の閉鎖領域151a、153aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。第2シャッタ152および第4シャッタ154の閉鎖領域152a、154aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。
第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、第1シャッタ151と第2シャッタ152との間隔をD1、第1シャッタ151と第3シャッタ153との間隔をD2、第3シャッタ153と第4シャッタ154との間隔をD3としたとき、D1<L1<L2<D2、および、L1<D3<L3となるように、配置される。
ここで、L1は、ボルト1の軸部1aの長さ、L2は、頭部1bを含むボルト1の全長、L3は、正立ボルト2の軸部2aと倒立ボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5における、倒立ボルト3の頭部3bの下面から正立ボルト2の頭部2bの下面までの長さ(すなわち、L2≦L3<(L1+L2))である。
これにより、カム機構50に到来したボルト1が、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5の場合に、その係合を解除して、正立姿勢のボルト2と、倒立姿勢のボルト3とに、確実に分離することができる。
【符号の説明】
【0095】
1…ボルト(軸状部品)
1a…軸部
1b…頭部
2…正立ボルト
2a…軸部
2b…頭部
3…倒立ボルト
3a…軸部
3b…頭部
5…ボルト対
10,110…軸状部品供給装置
20,120…筒部材
21,121…筒状通路
50,150…カム機構
51,151…第1シャッタ(第1の板部材)
51a,151a…閉鎖領域
51c,151c…開放領域
52,152…第2シャッタ(第2の板部材)
52a,152a…閉鎖領域
52c,152c…開放領域
53,153…第3シャッタ(第3の板部材)
53a,153a…閉鎖領域
53c,153c…開放領域
154…第4シャッタ(第4の板部材)
154a…閉鎖領域
154c…開放領域
60,160…切換機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸状部品供給装置および方法に関する。詳しくは、筒状の部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給する軸状部品供給装置および軸状部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ボルト等の軸状部品を、筒状の部材の内部を通って供給する供給装置は、提案されている。例えばボルトの場合、軸線方向に沿ってねじ側と頭部側とに区分されるため、軸線方向に向きがある。そのため、ボルトのように向きのある軸状部品を供給する場合は、その向きを所定方向に整列させた状態で供給することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
軸状部品の向きを所定方向に整列させる装置も、提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−87952号公報
【特許文献2】特開平4−66412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の供給装置の場合は、筒状の部材にボルトを入れる際にその向きを所定方向に向けて入れるという操作をしなければならない。
特許文献2に記載の装置の場合は、筒状の部材の内部を通って軸状部品を供給する供給装置ではない。
一般に、軸状部品の向きを所定方向に整列させるためには、軸状部品の向きを検知するセンサ等の検知機構、および、検知機構が逆向きと判定した場合に軸状部品の向きを反転させる反転機構が必要である。そのため、このような検知機構および反転機構を備える供給装置は、概して、装置の構成が複雑になるという課題がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒状の部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することのできる軸状部品供給装置および軸状部品供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の軸状部品供給装置(例えば、後述の軸状部品供給装置10)は、
軸部(例えば、後述の軸部1a)の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部(例えば、後述の頭部1b)を有する軸状部品(例えば、後述のボルト1)の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路(例えば、後述の筒状通路21)を内部に有する筒部材(例えば、後述の筒部材20)と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構(例えば、後述のカム機構50)と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構(例えば、後述の切換機構60)と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3の板部材(例えば、後述の第1シャッタ51、第2シャッタ52、第3シャッタ53)を有し、
前記第1〜第3の板部材はいずれも、前記筒状通路を閉鎖する閉鎖領域(例えば、後述の閉鎖領域51a、52a、53a)と、前記筒状通路を開放する開放領域(例えば、後述の閉鎖領域51c、52c、53c)とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第3の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
(1)前記軸状部品の前記頭部が上向き(例えば、後述のボルト2)の場合には、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部(例えば、後述の頭部2b)を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
(2)前記軸状部品の前記頭部が下向き(例えば、後述のボルト3)の場合には、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部(例えば、後述の頭部3b)を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第1のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方(例えば、後述の正立姿勢のボルト2)をその姿勢を変えずに通過させ、他方(例えば、後述の倒立姿勢のボルト3)をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することができる。
装置の構成を簡易にすることができるため、故障等のトラブルが減少し、また、メンテナンス等の負担も軽減する。
【0008】
本発明の軸状部品供給装置(例えば、後述の軸状部品供給装置110)は、
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路(例えば、後述の筒状通路121)を内部に有する筒部材(例えば、後述の筒部材120)と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構(例えば、後述のカム機構150)と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構(例えば、後述の切換機構160)と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3、第4の板部材(例えば、後述の第1シャッタ151、第2シャッタ152、第3シャッタ153、第4シャッタ154)を有し、
前記第1〜第4の板部材はいずれも、前記筒状通路を閉鎖する閉鎖領域(例えば、後述の閉鎖領域151a、152a、153a、154a)と、前記筒状通路を開放する開放領域(例えば、後述の閉鎖領域151c、152c、153c、154c)とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第4の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
(1)前記頭部が上向きである正立姿勢の前記軸状部品(例えば、後述の正立姿勢のボルト2)の前記軸部(例えば、後述の軸部2a)と、前記頭部が下向きである倒立姿勢の前記軸状部品(例えば、後述の倒立姿勢のボルト3)の前記軸部(例えば、後述の軸部3a)とが係合している場合(例えば、後述のボルト対5)には、前記第3の板部材の前記閉鎖領域が、前記倒立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を支持している状態から、前記第4の板部材の前記閉鎖領域が、前記正立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を係止し、さらに前記第3の板部材が前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、前記正立姿勢の前記軸状部品と、前記倒立姿勢の前記軸状部品との前記係合状態を分離させ、
(2)前記倒立姿勢の前記軸状部品は、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
(3)前記正立姿勢の前記軸状部品は、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第3のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第3のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、上記の効果と同様の効果がある。
【0010】
本発明の軸状部品供給方法は、
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給方法であって、
前記軸状部品が筒状通路を通るときに前記頭部が上向きであるか、下向きであるかの姿勢に応じて、いずれか一方の姿勢である場合は第1のタイミングで通過させ、他方の姿勢である場合は、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで通過させる第1の工程と、
前記第1のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を変えずに供給し、前記第2のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を反転させたのち供給する第2の工程と、
を有することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、上記の効果と同様の効果がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置の構成を簡易にすることができ、それにも拘わらず、筒部材の内部を通って供給される軸状部品の向きが所定方向でない場合に、その軸状部品の向きを所定方向に整列させて供給することができる。
装置の構成を簡易にすることができるため、故障等のトラブルが減少し、また、メンテナンス等の負担も軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軸状部品供給装置の要部を断面にして示す正面図である。
【図2】図1の軸状部品供給装置の要部を断面にして示す側面図である。
【図3】軸状部品供給装置における導入部を示す拡大側面図である。
【図4】図3に示す導入部の平面図である。
【図5】軸状部品供給装置における整列部を示す拡大正面図である。
【図6】図5に示す整列部の側面図である。
【図7】整列部におけるカム機構の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図8】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図9】整列部の動作を示すタイムチャートである。
【図10】カム機構の所定の回転角度におけるボルト2の位置を示す断面図である。
【図11】カム機構の所定の回転角度におけるボルト2の位置を示す断面図である。
【図12】カム機構の所定の回転角度におけるボルト3の位置を示す断面図である。
【図13】カム機構の所定の回転角度におけるボルト3の位置を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る軸状部品供給装置における整列部の要部を断面にして示す拡大正面図である。
【図15】図14に示す整列部の側面図である。
【図16】整列部におけるカム機構の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図17】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図18】カム機構における板カムを示す拡大平面図である。
【図19】整列部の動作を示すタイムチャートである。
【図20】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図21】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図22】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図23】カム機構の所定の回転角度におけるボルト対5の位置を示す断面図である。
【図24】本発明による軸状部品供給装置の適用例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る軸状部品供給装置10を示す正面図、図2は側面図である。軸状部品供給装置10は、軸部の一端側に軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品(例えばボルト)の向きを整列させながら供給するものである。
【0015】
軸状部品供給装置10は、軸状部品としてのボルト1が通る筒状通路21を内部に有する筒部材20と、ボルト1を筒部材20の筒状通路21へ導入する導入部30と、整列部40と、を備える。
整列部40は、筒部材20の外方から筒状通路21に侵入して筒状通路21を開閉するカム機構50と、カム機構50を通過したボルト1を直接通過または反転通過させる切換機構60と、を備える。
【0016】
筒部材20は、機台11にほぼ垂直に固定される垂直筒22と、垂直筒22の下方において機台11に固定される湾曲筒27と、湾曲筒27の先端に取り付けられるチューブ28と、を備える。垂直筒22の下端と湾曲筒27の上端との間には、切換機構60の後述するロータ61が配置される。垂直筒22および湾曲筒27は、剛性を有する材料で構成される。チューブ28は、可撓性を有する材料で構成される。
【0017】
筒部材20の垂直筒22、湾曲筒27、およびチューブ28のすべてに、ボルト1を通過させるための筒状通路21が形成される。筒状通路21の直径は、垂直筒22、湾曲筒27、およびチューブ28のすべてに亘って、実質的に一定である。ボルト1は、筒状通路21内を圧送される。
【0018】
後述するように、導入部30の回転筒31および連結筒34にも、同様の筒状通路21が形成される。すなわち、後述する導入部30の回転筒31および連結筒34は、導入部30の一部を構成するものであると同時に、筒部材20の一部を構成するものである。
垂直筒22の側壁には、後述する第1〜第3シャッタ51〜53が侵入可能な第1〜第3スリット23〜25が形成される(図7参照)。この部分における筒状通路21は、第1〜第3シャッタ51〜53によるボルト1の操作に都合がよいように、クリアランスを余分に見積もって内径がやや大きく形成されている。
【0019】
図1〜図4に示すように、導入部30は、筒部材20の垂直筒22の上方において機台11に回転可能に支持される回転筒31と、回転筒31の上方に一体に固定される導入ホッパ32と、導入ホッパ32と回転筒31に形成された筒状通路21とを連結する連結筒34と、ベルト37を介して回転筒31を回転させるモータ36と、を備える。
【0020】
回転筒31は、その下端が垂直筒22の上端と連通する状態を保ったまま、導入ホッパ32とともに、回転軸35のまわりに回転する。機台11に固定された供給部38は、導入ホッパ32にボルト1を供給する。
【0021】
導入ホッパ32は、回転筒31の回転軸35から偏心した位置に配置される。すなわち、導入ホッパ32の中心軸32aは、回転筒31の回転軸35から偏心している。そのため、導入ホッパ32が回転軸35のまわりに回転すると、導入ホッパ32内のボルト1に遠心力が作用する。
【0022】
モータ36は、回転速度が一定ではなく、緩急をつけた速度で回転させるように制御される。すなわち、導入ホッパ32は、一定速度ではなく、緩急をつけた速度で回転される。そのため、導入ホッパ32内のボルト1に作用する遠心力も、大きくなったり、小さくなったりを繰り返す。
【0023】
導入ホッパ32の開口33は、通常よく見られるように導入ホッパ32の下端に真下に向けて開かれるのではなく、導入ホッパ32の傾斜面に開いている。すなわち、開口33の軸線は、導入ホッパ32の傾斜面に対して垂直であり、しかも、回転軸35に向かっている。そのため、導入ホッパ32内のボルト1は、遠心力が大きくなったときに押し付けられる導入ホッパ32の傾斜面から、遠心力が小さくなったときその傾斜面に沿って滑り落ちることでそのまま自然に開口33に入り込み、連結筒34の筒状通路21内を落下する。
【0024】
図5、図6に示すように、カム機構50は、筒部材20の垂直筒22と平行に隣接して、機台11に回転可能に支持される回転軸55と、回転軸55に取り付けられる第1の板部材としての第1シャッタ51、第2の板部材としての第2シャッタ52、第3の板部材としての第3シャッタ53と、機台11に支持されて、ベルト57を介して回転軸55を回転させるモータ56と、を備える。
【0025】
図7に示すように、第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、垂直筒22の側壁に形成された第1、第2、第3スリット23、24、25を通して筒状通路21内に侵入して、筒状通路21を開閉する。
第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、第1シャッタ51と第2シャッタ52との間隔をD1、第1シャッタ51と第3シャッタ53との間隔をD2、ボルト1の軸部1aの長さをL1、頭部1bを含むボルト1の全長をL2としたとき、D1<L1<L2<D2となるように、配置されている。
【0026】
図8(a)に示すように、第1シャッタ51は、筒状通路21を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域51aと、筒状通路21を開放する開放領域51cと、閉鎖領域51aと開放領域51cとを繋ぐ漸開領域51bおよび漸閉領域51dと、を有する。
閉鎖領域51aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域51cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第1シャッタ51は、0°〜30°が漸開領域51b、30°〜225°が開放領域51c、225°〜255°が漸閉領域51d、255°〜360°が閉鎖領域51a、となるように形成される。
【0027】
図8(b)に示すように、第2シャッタ52は、筒状通路21を所定範囲閉鎖する閉鎖領域52aと、筒状通路21を開放する開放領域52cと、閉鎖領域52aと開放領域52cとを繋ぐ漸開領域52bおよび漸閉領域52dと、を有する。
閉鎖領域52aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域52cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第2シャッタ52は、0°〜120°が閉鎖領域52a、120°〜150°が漸開領域52b、150°〜330°が開放領域52c、330°〜360°が漸閉領域52d、となるように形成される。
【0028】
図8(c)に示すように、第3シャッタ53は、筒状通路21を所定範囲閉鎖する閉鎖領域53aと、筒状通路21を開放する開放領域53cと、閉鎖領域53aと開放領域53cとを繋ぐ漸開領域53bおよび漸閉領域53dと、を有する。
閉鎖領域53aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域53cでは、筒状通路21は完全に開放される。
所定の回転位相において、第3シャッタ53は、0°〜240°が閉鎖領域53a、240°〜270°が漸開領域53b、270°〜330°が開放領域53c、330°〜360°が漸閉領域53d、となるように形成される。
【0029】
図5、図6に示すように、切換機構60は、機台11に支持されたモータ66と、モータ66に取り付けられる回転軸65を有するロータ61と、を備える。
ロータ61は、所定の厚みを有する円盤状の部材である。ロータ61は、垂直筒22の筒状通路21と湾曲筒27の筒状通路21との間に配置される。ロータ61の回転軸65は、垂直筒22の軸線と直交して配置される。
【0030】
ロータ61は、1つの通過孔62と、2つの停止孔63とを備える。
通過孔62は、筒状通路21にほぼ等しい直径の孔である。通過孔62は、ロータ61の中心を通って対向する周面間を貫通する。
停止孔63も、筒状通路21にほぼ等しい直径の孔である。停止孔63は、通過孔62に対して、ロータ61の円周方向に沿って90°変位した位置(2箇所)に配置され、ロータ61の周面からボルト1の全長を収容する深さに形成される。
【0031】
モータ66は、ロータ61を90°ずつ間欠的に回動させることにより、ロータ61の通過孔62または停止孔63のいずれかを筒状通路21に一致させるように切り換える。すなわち、モータ66は、一方の停止孔63が上向きで垂直になる位置(このとき他方の停止孔63は下向きで垂直になる)と、ここから90°回動して通過孔62が垂直になる位置(このとき両方の停止孔63はともに水平になる)と、ここからさらに90°回動して一方の停止孔63が下向きで垂直になる位置と、さらにここから90°回動して通過孔62が再び垂直になる位置と、でそれぞれロータ61を停止させる。
【0032】
カム機構50のモータ56による第1〜第3シャッタ51〜53の開閉サイクル、および、切換機構60のモータ66によるロータ61の通過孔62または停止孔63の切り換えサイクルは、互いに同期をとりながら、図9のタイムチャートに示すように実行される。
【0033】
次に、上記のように構成された第1実施形態に係る軸状部品供給装置10の作用について説明する。
[導入部30の作用]
導入部30では、供給部38から導入ホッパ32にボルト1を供給する。この場合、回転筒31および導入ホッパ32を回転させた状態で、ボルト1を供給することが好ましい。回転筒31および導入ホッパ32を停止させた状態でボルト1を供給すると、導入ホッパ32の底部付近にボルト1が詰まりやすいのに対して、回転筒31および導入ホッパ32を回転させた状態でボルト1を供給すると、詰まりが発生しにくいからである。
【0034】
導入ホッパ32に供給されたボルト1は、導入ホッパ32の開口33から連結筒34の筒状通路21内へ、順次スムーズに導入される。その理由は、前述したように、つぎの条件がすべて揃うからである。
【0035】
(1)導入ホッパ32の偏心した回転により、導入ホッパ32内のボルト1に遠心力が作用すること。
(2)導入ホッパ32の緩急をつけた速度での回転により、導入ホッパ32内のボルト1に作用する遠心力は、大きくなったり、小さくなったりを繰り返すこと。
(3)導入ホッパ32の開口33が傾斜面において回転軸35に向かって開いていることにより、導入ホッパ32内のボルト1は、遠心力が大きくなったときに押し付けられる導入ホッパ32の傾斜面から、遠心力が小さくなったときその傾斜面に沿って滑り落ちることでそのまま自然に開口33に入り込むこと。
【0036】
しかし、導入ホッパ32から連結筒34の筒状通路21内への導入過程で、ボルト1は、頭部2bが軸部2aよりも上に位置する正立姿勢のボルト2と、これとは逆に頭部3bが軸部3aよりも下に位置する倒立姿勢のボルト3とが、混在する。
この正立姿勢のボルト2と倒立姿勢のボルト3とが混在したボルト1を、整列部40によって、以下のように整列させる。
【0037】
[整列部40の作用;正立ボルト2の場合]
整列部40では、正立姿勢のボルト2は、つぎのようにして正立姿勢を保ったまま、整列部40を通過する。
まず、第1、第2、第3シャッタ51、52、53が0°の位置にあるとき、正立姿勢のボルト2がカム機構50に到達したとする。このとき、第3シャッタ53および第2シャッタ52は閉鎖領域53a、52aの初期にあり、第1シャッタ51は漸開領域51bの初期にある。
そのため、正立姿勢のボルト2は、図10(a)に示すように、軸部2aが第3シャッタ53を通過し、さらに第2シャッタ52も通過して、頭部2bの下面が第3シャッタ53に引っ掛かって停止する。なお、軸部2aの下端は第1シャッタ51よりも上方に位置する。
【0038】
この状態は、第3シャッタ53が240°回転してその閉鎖領域53aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域52cとなる。第1シャッタ51は、30°回転して開いた状態が225°回転するまで持続し、225°回転から閉じ始めて、255°回転で閉鎖領域51aとなる。
【0039】
第3シャッタ53が240°回転から開き始めて、270°回転で開放領域53cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図10(b)に示すように、頭部2bが第3シャッタ53から解放されて下降する。このとき、第2シャッタ52は開放領域52cにあるが、第1シャッタ51はその直前に閉鎖領域51aとなる。
そのため、正立姿勢のボルト2は、軸部2aの下端が第1シャッタ51に載った状態で停止する。この正立姿勢のボルト2の頭部2bは、第2シャッタ52と第3シャッタ53との間に位置する。この状態は、第2シャッタ52が330°回転してその開放領域52cの終期になるまで持続する。
【0040】
第2シャッタ52は、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域52aとなり、第3シャッタ53も同様に、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域53aとなる。続いて、第1シャッタ51が360°回転から開き始めて、390°回転で開放領域51cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図11(a)に示すように、軸部2aの下端が第1シャッタ51から解放される。
しかし、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ52に引っ掛かって停止する。この状態は、第2シャッタ52が480°回転してその閉鎖領域52aの終期になるまで持続する。
【0041】
第2シャッタ52が480°回転から開き始めて、510°回転で開放領域52cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図11(b)に示すように、頭部2bが第2シャッタ52から解放されて、開放領域51cにある第1シャッタ51を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの120°〜150°の区間でカム機構50から落下する。
【0042】
切換機構60のロータ61は、各サイクルの120°〜150°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔62が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ52から解放されて、第1シャッタ51を通って落下する正立姿勢のボルト2は、ロータ61の通過孔62を通って落下する。このようにして、正立姿勢のボルト2は、整列部40を通過する。
【0043】
[整列部40の作用;倒立ボルト3の場合]
整列部40では、倒立姿勢のボルト3は、つぎのようにして倒立姿勢から正立姿勢に反転された後、整列部40を通過する。
まず、第1、第2、第3シャッタ51、52、53が0°の位置にあるとき、倒立姿勢のボルト3がカム機構50に到達したとする。このとき、第3シャッタ53および第2シャッタ52は閉鎖領域53a、52aの初期にあり、第1シャッタ51は漸開領域51bの初期にある。
そのため、倒立姿勢のボルト3は、図12(a)に示すように、頭部3bの下面が第3シャッタ53に載った状態で停止する。
【0044】
この状態は、第3シャッタ53が240°回転してその閉鎖領域53aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域52cとなる。第1シャッタ51は、30°回転して開いた状態が225°回転するまで持続し、225°回転から閉じ始めて、255°回転で閉鎖領域51aとなる。
【0045】
第3シャッタ53が240°回転から開き始めて、270°回転で開放領域53cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、図12(b)に示すように、頭部3bが第3シャッタ53から解放されて下降する。このとき、第2シャッタ52は開放領域52cにあるが、第1シャッタ51はその直前に閉鎖領域51aとなるため、倒立姿勢のボルト3は、頭部3bの下面が第1シャッタ51に載った状態で停止する。この倒立姿勢のボルト3の軸部3aの上端は、第2シャッタ52と第3シャッタ53との間に位置する。
【0046】
この状態は、第1シャッタ51が360°回転してその閉鎖領域51aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ52は、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域52aとなり、第3シャッタ53も同様に、330°回転から閉じ始めて、360°回転で閉鎖領域53aとなる。
【0047】
続いて、第1シャッタ51が360°回転から開き始めて、390°回転で開放領域51cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、図13に示すように、頭部3bが第1シャッタ51から解放されて落下する。すなわち、倒立姿勢のボルト3は、各サイクルの0°〜30°の区間でカム機構50から落下する。
【0048】
切換機構60のロータ61は、各サイクルの0°〜30°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ51から解放されて落下する倒立姿勢のボルト3は、ロータ61の上向きの停止孔63に収容されて保持される。
【0049】
ロータ61は、その後、90°回転されて、各サイクルの120°〜150°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔62が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔63は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔63に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ61がこの状態にあるとき、前述の正立姿勢のボルト2が、垂直位置にある通過孔62を通って落下する。
【0050】
ロータ61は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば240°〜270°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔63は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立姿勢のボルト3は、整列部40を通過する。
【0051】
ロータ61は、その後、各サイクルの0°〜30°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔63が垂直位置に停止される必要がある。
そのため、ロータ61は、上述した倒立姿勢のボルト3を落下させる停止角度範囲区間(各サイクルの例えば240°〜270°の区間を含む)から、倒立姿勢のボルト3を収容する停止角度範囲区間(各サイクルの0°〜30°の区間を含む)まで、連続して停止状態を保ってもよい。
【0052】
上記したように、カム機構50の第1シャッタ51が各サイクルの0°回転から開き始めて、30°回転で開放領域51cとなる期間中に、倒立姿勢のボルト3は、カム機構50から落下する。
カム機構50の第1シャッタ51が各サイクルの120°回転から開き始めて、150°回転で開放領域51cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、カム機構50から落下する。
つまり、倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下するタイミングと、正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下するタイミングとは、互いに異なる。
【0053】
カム機構50から落下した倒立姿勢のボルト3は、ロータ61の上向きの停止孔63に一旦収容されて保持され、その後、ロータ61が180°回転して停止孔63が下向きになることで、倒立から正立に反転された姿勢で、切換機構60を落下する。
カム機構50から落下した正立姿勢のボルト2は、ロータ61の垂直位置にある通過孔62を通って、切換機構60をそのまま落下する。
したがって、倒立姿勢のボルト3が切換機構60から落下するタイミングと、正立姿勢のボルト2が切換機構60から落下するタイミングも、互いに異なる。
【0054】
図24は、第1実施形態に係る軸状部品供給装置10を適用したロボット装置80の一例を示す正面図である。
ロボット装置80は、多関節ロボット81と、軸状部品供給装置10と、を備える。多関節ロボット81のアームの先端には、ナットランナ82が備えられる。筒部材20のチューブ28の先端は、ナットランナ82まで導かれて、ナットランナ82が締め付けるボルト1を供給する。
【0055】
第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)第1シャッタ51の閉鎖領域51aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。第2シャッタ52および第3シャッタ53の閉鎖領域52a、53aでは、筒状通路21は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。
第1、第2、第3シャッタ51、52、53は、第1シャッタ51と第2シャッタ52との間隔をD1、第1シャッタ51と第3シャッタ53との間隔をD2、ボルト1の軸部1aの長さをL1、頭部1bを含むボルト1の全長をL2としたとき、D1<L1<L2<D2となるように、配置される。
これにより、カム機構50に到来したボルト1が、正立姿勢のボルト2の場合と、倒立姿勢のボルト3の場合とで、カム機構50を通過するタイミングを明確に分けることができる。
【0056】
(2)切換機構60のロータ61は、カム機構50から落下するボルト1をそのまま通過させる通過孔62と、ボルト1を一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させる停止孔63と、を備える。
そのため、正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下する場合、このボルト2をそのままの姿勢で通過孔62を通過させることができる。
倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下する場合、このボルト3を停止孔63に一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させることができる。
これにより、すべてのボルト1の方向を、正立姿勢のボルト2に整列させることができる。
【0057】
(3)通過孔62および停止孔63と、正立姿勢のボルト2および倒立姿勢のボルト3との関係は、固定されない。
そのため、倒立姿勢のボルト3がカム機構50から落下する場合、このボルト3をそのままの姿勢で通過孔62を通過させることができる。
正立姿勢のボルト2がカム機構50から落下する場合、このボルト2を停止孔63に一旦収容して停止させ、姿勢を反転させたのち通過させることができる。
これにより、すべてのボルト1の方向を、倒立姿勢のボルト3に整列させることができる。
【0058】
<第2実施形態>
図14は、本発明の第2実施形態に係る軸状部品供給装置110における整列部140の拡大正面図であり、図15は、図14に示す整列部140の側面図である。軸状部品供給装置110は、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5(図16参照)を取り扱うことができる特徴を有する。
この特徴を除けば、本実施形態に係る軸状部品供給装置110は、第1実施形態に係る軸状部品供給装置10とほぼ同様のものであるので、同様の部分には第1実施形態において用いた符号に100を加えた符号を付けて示し、重複する説明は省略することとする。
【0059】
軸状部品供給装置110は、第1の板部材としての第1シャッタ151、第2の板部材としての第2シャッタ152、第3の板部材としての第3シャッタ153、第4の板部材としての第4シャッタ154、を備える。
【0060】
図16に示すように、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、垂直筒122の側壁に形成された第1、第2、第3、第4スリット123、124、125、126を通して筒状通路121内に侵入して、筒状通路121を開閉する。
第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、第1シャッタ151と第2シャッタ152との間隔をD1、第1シャッタ151と第3シャッタ153との間隔をD2、第3シャッタ153と第4シャッタ154との間隔をD3としたとき、D1<L1<L2<D2、および、L1<D3<L3となるように、配置されている。
ここで、L1は、ボルト1の軸部1aの長さ、L2は、頭部1bを含むボルト1の全長、L3は、正立ボルト2の軸部2aと倒立ボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5における、倒立ボルト3の頭部3bの下面から正立ボルト2の頭部2bの下面までの長さである。したがって、L3は、L2≦L3<(L1+L2)である。
【0061】
図17(a)に示すように、第1シャッタ151は、筒状通路121を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域151aと、筒状通路121を開放する開放領域151cと、閉鎖領域151aと開放領域151cとを繋ぐ漸開領域151bおよび漸閉領域151dと、を有する。
閉鎖領域151aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域151cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第1シャッタ151は、0°〜135°が開放領域151c、135°〜180°が漸閉領域151d、180°〜270°が閉鎖領域151a、270°〜315°が漸開領域151b、315°〜360°が開放領域151c、となるように形成される。
【0062】
図17(b)に示すように、第2シャッタ152は、筒状通路121を所定範囲閉鎖する閉鎖領域152aと、筒状通路121を開放する開放領域152cと、閉鎖領域152aと開放領域152cとを繋ぐ漸開領域152bおよび漸閉領域152dと、を有する。
閉鎖領域152aでは、筒状通路121は、ボルト1の軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域152cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第2シャッタ152は、0°〜45°が漸開領域152b、45°〜225°が開放領域152c、225°〜270°が漸閉領域152d、270°〜360°が閉鎖領域152a、となるように形成される。
【0063】
図18(a)に示すように、第3シャッタ153は、筒状通路121を実質的に完全に閉鎖する閉鎖領域153aと、筒状通路121を開放する開放領域153cと、閉鎖領域153aと開放領域153cとを繋ぐ漸開領域153bおよび漸閉領域153dと、を有する。
閉鎖領域153aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。開放領域153cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第3シャッタ153は、0°〜135°が閉鎖領域153a、135°〜180°が漸開領域153b、180°〜270°が開放領域153c、270°〜315°が漸閉領域153d、315°〜360°が閉鎖領域153a、となるように形成される。
【0064】
図18(b)に示すように、第4シャッタ154は、筒状通路121を所定範囲閉鎖する閉鎖領域154aと、筒状通路121を開放する開放領域154cと、閉鎖領域154aと開放領域154cとを繋ぐ漸開領域154bおよび漸閉領域154dと、を有する。
閉鎖領域154aでは、筒状通路121は、ボルト1の軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。開放領域154cでは、筒状通路121は完全に開放される。
所定の回転位相において、第4シャッタ154は、0°〜90°が開放領域154c、90°〜135°が漸閉領域154d、135°〜270°が閉鎖領域154a、270°〜315°が漸開領域154b、315°〜360°が開放領域154c、となるように形成される。
【0065】
カム機構150のモータ156による第1〜第4シャッタ151〜154の開閉サイクル、および、切換機構160のモータ166によるロータ161の通過孔162または停止孔163の切り換えサイクルは、互いに同期をとりながら、図19のタイムチャートに示すように実行される。
【0066】
次に、上記のように構成された第2実施形態に係る軸状部品供給装置110の作用について説明する。
[整列部140の作用;ボルト対5の場合]
整列部140では、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合した(または噛み合った)ボルト対5は、つぎのようにして分離されて整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、ボルト対5がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、ボルト対5は、図20(a)に示すように、下側のボルト3の頭部3bの下端が第3シャッタ153に載った状態で停止する。このとき、上側のボルト2の頭部2bの下面は、第4シャッタ154よりも上方に位置する。
【0067】
この状態は、第3シャッタ153が135°回転してその閉鎖領域153aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ152は、0°回転から開き始めて、45°回転で開放領域152cとなる。第4シャッタ154は、90°回転から閉じ始めて、135°回転で閉鎖領域154aとなる。
つまり、図20(b)に示すように、第3シャッタ153が135°回転してその閉鎖領域153aの終期になったとき、これと同時に、第4シャッタ154は閉鎖領域154aとなる。
【0068】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、ボルト対5は、図21(a)に示すように、下側のボルト3の頭部3bの下端が第3シャッタ153から解放されて下降する。このとき、第4シャッタ154は閉鎖領域154aにあるため、上側のボルト2の頭部2bの下面は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止する。
つまり、第3シャッタ153から解放されて下降するボルト対5のうち、上側のボルト2だけが第4シャッタ154によって停止される。一方、下側のボルト3は自重で下降する。
【0069】
これにより、ボルト対5は、上側のボルト2の軸部2aと下側のボルト3の軸部3aとの係合が解除される。そして、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止したまま、倒立姿勢のボルト3は、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。
第1シャッタ151は、135°回転から閉じ始めて、180°回転で閉鎖領域151aとなっている。
【0070】
つまり、ボルト対5の係合が解除された、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154に引っ掛かって停止した状態にあり、倒立姿勢のボルト3は、第1シャッタ151に載って停止した状態にある。この状態は、第1、第4シャッタ151、154が270°回転してその閉鎖領域151a、154aの終期になるまで持続する。
【0071】
この間、第2シャッタ152は、225°回転から閉じ始めて、270°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1、第4シャッタ151、154が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151c、154cとなる期間中に、図21(b)に示すように、正立姿勢のボルト2は、第4シャッタ154から解放されて下降する。これについては後述する。
倒立姿勢のボルト3は、第1シャッタ151から解放されて落下する。すなわち、倒立姿勢のボルト3は、各サイクルの270°〜315°の区間でカム機構150から落下する。
【0072】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの270°〜315°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ151から解放されて落下する倒立姿勢のボルト3は、ロータ161の上向きの停止孔163に収容されて保持される。
【0073】
ロータ161は、その後、90°回転されて、後述するように各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。このとき、倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔163は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔163に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ161がこの状態にあるとき、後述するように、正立姿勢のボルト2が、垂直位置にある通過孔162を通って落下する。
【0074】
ロータ161は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立姿勢のボルト3を収容した停止孔163は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立姿勢のボルト3は、整列部140を通過する。
【0075】
ロータ161は、その後、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される必要がある。
そのため、ロータ161は、上述した倒立姿勢のボルト3を落下させる停止角度範囲区間(各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含む)から、倒立姿勢のボルト3を収容する停止角度範囲区間(各サイクルの0°〜45°の区間を含む)まで、連続して停止状態を保ってもよい。
【0076】
一方、270°〜315°のこの期間中に、第3シャッタ153は、270°回転から閉じ始めて、315°回転で閉鎖領域153aとなる。つまり、第4シャッタ154が開放領域154cとなるとき、第3シャッタ153は、それと同時に閉鎖領域153aとなる。
そのため、第4シャッタ154から解放されて下降する正立姿勢のボルト2は、第3シャッタ153に載った状態で停止する。この状態は、第3シャッタ153が495°回転してその閉鎖領域153aの終期になるまで持続する。この間、第2シャッタ152は、360°回転から開き始めて、405°回転で開放領域52cとなる。第4シャッタ154は、450°回転から閉じ始めて、495°回転で閉鎖領域154aとなる。
【0077】
第3シャッタ153が495°回転から開き始めて、540°回転で開放領域153cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図22(a)に示すように、第3シャッタ153から解放されて、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。この状態は、第1シャッタ151が630°回転してその閉鎖領域151aの終期になるまで持続する。
【0078】
この間、第2シャッタ152は、585°回転から閉じ始めて、630°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1シャッタ151が630°回転から開き始めて、675°回転で開放領域151cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図22(b)に示すように、第1シャッタ151から解放される。
ところが、この期間の開始時に、第2シャッタ152は既に閉鎖領域152aとなっているため、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ152に引っ掛かって停止する。この状態は、第2シャッタ152が720°回転してその閉鎖領域152aの終期になるまで持続する。
【0079】
第2シャッタ152が720°回転から開き始めて、765°回転で開放領域152cとなる期間中に、正立姿勢のボルト2は、図23に示すように、第2シャッタ152から解放されて、開放領域152cにある第1シャッタ151を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの0°〜45°の区間でカム機構50から落下する。
【0080】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ152から解放されて、第1シャッタ151を通って落下する正立姿勢のボルト2は、ロータ161の通過孔162を通って落下する。このようにして、正立姿勢のボルト2は、整列部140を通過する。
【0081】
このようにして、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5は、カム機構150において、正立姿勢のボルト2と倒立姿勢のボルト3とに分離されて、それぞれ別々のタイミングでカム機構150から落下する。そしてその後、それぞれ別々のタイミングで切換機構160から落下する。
【0082】
[整列部140の作用;正立ボルト2の場合]
整列部140では、正立姿勢のボルト2は、つぎのようにして正立姿勢を保ったまま、整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、正立ボルト2がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、正立ボルト2は、図21(b)に示すように、軸部2aの下端が第3シャッタ153に載った状態で停止する。
【0083】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、正立ボルト2は、図22(a)に示すように、第3シャッタ153から解放されて、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。この状態は、第1シャッタ151が270°回転してその閉鎖領域151aの終期になるまで持続する。
【0084】
この間、第2シャッタ152は、225°回転から閉じ始めて、270°回転で閉鎖領域152aとなる。続いて、第1シャッタ151が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151cとなる期間中に、正立ボルト2は、図22(b)に示すように、第1シャッタ151から解放される。
ところが、この期間の開始時に、第2シャッタ152は既に閉鎖領域152aとなっているため、正立姿勢のボルト2は、頭部2bの下面が第2シャッタ152に引っ掛かって停止する。
【0085】
第2シャッタ152が360°回転から開き始めて、405°回転で開放領域152cとなる期間中に、正立ボルト2は、図23に示すように、第2シャッタ152から解放されて、開放領域152cにある第1シャッタ151を通って落下する。すなわち、正立姿勢のボルト2は、各サイクルの0°〜45°の区間でカム機構50から落下する。
【0086】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。そのため、第2シャッタ152から解放されて、第1シャッタ151を通って落下する正立ボルト2は、ロータ161の通過孔162を通って落下する。このようにして、正立ボルト2は、整列部140を通過する。
【0087】
[整列部140の作用;倒立ボルト3の場合]
整列部140では、倒立姿勢のボルト3は、つぎのようにして倒立姿勢から正立姿勢に反転された後、整列部140を通過する。
まず、第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154が0°の位置にあるとき、倒立ボルト3がカム機構150に到達したとする。このとき、第4シャッタ154は開放領域154cの中期、第3シャッタ153は閉鎖領域153aの中期、第2シャッタ152は漸開領域152bの初期、第1シャッタ151は開放領域151cの中期にある。
そのため、倒立ボルト3は、頭部3aの下面が第3シャッタ153に載った状態で停止する。
【0088】
第3シャッタ153が135°回転から開き始めて、180°回転で開放領域153cとなる期間中に、倒立ボルト3は、図21(a)に示すように、頭部3bの下端が第3シャッタ153から解放されて下降し、そして、開放領域152cにある第2シャッタ152を通って、閉鎖領域151aの初期にある第1シャッタ151に載った状態で停止する。
【0089】
第1シャッタ151が270°回転から開き始めて、315°回転で開放領域151cとなる期間中に、倒立ボルト3は、図21(b)に示すように、第1シャッタ151から解放されて落下する。すなわち、倒立ボルト3は、各サイクルの270°〜315°の区間でカム機構150から落下する。
【0090】
切換機構160のロータ161は、各サイクルの270°〜315°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。そのため、第1シャッタ151から解放されて落下する倒立ボルト3は、ロータ161の上向きの停止孔163に収容されて保持される。
【0091】
ロータ161は、その後、90°回転されて、前述したように各サイクルの0°〜45°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、通過孔162が垂直位置に停止される。このとき、倒立ボルト3を収容した停止孔163は、水平位置となるため、ボルト3は、停止孔163に収容されたまま水平姿勢に保持される。
ロータ161がこの状態にあるとき、前述したように、正立ボルト2が、垂直位置にある通過孔162を通って落下する。
【0092】
ロータ161は、その後、さらに90°回転されて、各サイクルの例えば135°〜180°の区間を含むその前後の所定の角度範囲区間において、停止孔163が垂直位置に停止される。このとき、さきほど倒立ボルト3を収容した停止孔163は、下向きの垂直位置となるため、ボルト3は、反転されて正立姿勢となり、この正立姿勢を保って落下する。このようにして、倒立ボルト3は、整列部140を通過する。
【0093】
第2実施形態に係る軸状部品供給装置110を適用したロボット装置80の一例を図24に示す。
【0094】
第2実施形態によれば、上記の効果に加えて、以下のような効果がある。
(4)第1シャッタ151および第3シャッタ153の閉鎖領域151a、153aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aも頭部1bも通れないように閉鎖される。第2シャッタ152および第4シャッタ154の閉鎖領域152a、154aでは、筒状通路121は、ボルトの軸部1aは通れるけれども頭部1bは通れない範囲が閉鎖される。
第1、第2、第3、第4シャッタ151、152、153、154は、第1シャッタ151と第2シャッタ152との間隔をD1、第1シャッタ151と第3シャッタ153との間隔をD2、第3シャッタ153と第4シャッタ154との間隔をD3としたとき、D1<L1<L2<D2、および、L1<D3<L3となるように、配置される。
ここで、L1は、ボルト1の軸部1aの長さ、L2は、頭部1bを含むボルト1の全長、L3は、正立ボルト2の軸部2aと倒立ボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5における、倒立ボルト3の頭部3bの下面から正立ボルト2の頭部2bの下面までの長さ(すなわち、L2≦L3<(L1+L2))である。
これにより、カム機構50に到来したボルト1が、正立姿勢のボルト2の軸部2aと倒立姿勢のボルト3の軸部3aとが係合したボルト対5の場合に、その係合を解除して、正立姿勢のボルト2と、倒立姿勢のボルト3とに、確実に分離することができる。
【符号の説明】
【0095】
1…ボルト(軸状部品)
1a…軸部
1b…頭部
2…正立ボルト
2a…軸部
2b…頭部
3…倒立ボルト
3a…軸部
3b…頭部
5…ボルト対
10,110…軸状部品供給装置
20,120…筒部材
21,121…筒状通路
50,150…カム機構
51,151…第1シャッタ(第1の板部材)
51a,151a…閉鎖領域
51c,151c…開放領域
52,152…第2シャッタ(第2の板部材)
52a,152a…閉鎖領域
52c,152c…開放領域
53,153…第3シャッタ(第3の板部材)
53a,153a…閉鎖領域
53c,153c…開放領域
154…第4シャッタ(第4の板部材)
154a…閉鎖領域
154c…開放領域
60,160…切換機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路を内部に有する筒部材と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3の板部材を有し、
前記第1〜第3の板部材はいずれも、前記筒状通路をそれぞれ所定の範囲で閉鎖する閉鎖領域と、前記筒状通路を開放する開放領域とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第3の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
前記軸状部品の前記頭部が上向きの場合には、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
前記軸状部品の前記頭部が下向きの場合には、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第1のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする軸状部品供給装置。
【請求項2】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路を内部に有する筒部材と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3、第4の板部材を有し、
前記第1〜第4の板部材はいずれも、前記筒状通路をそれぞれ所定の範囲で閉鎖する閉鎖領域と、前記筒状通路を開放する開放領域とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第4の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
前記頭部が上向きである正立姿勢の前記軸状部品の前記軸部と、前記頭部が下向きである倒立姿勢の前記軸状部品の前記軸部とが係合している場合には、前記第3の板部材の前記閉鎖領域が、前記倒立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を支持している状態から、前記第4の板部材の前記閉鎖領域が、前記正立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を係止し、さらに前記第3の板部材が前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、前記正立姿勢の前記軸状部品と、前記倒立姿勢の前記軸状部品との前記係合状態を分離させ、
前記倒立姿勢の前記軸状部品は、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
前記正立姿勢の前記軸状部品は、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第3のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第3のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする軸状部品供給装置。
【請求項3】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給方法であって、
前記軸状部品が筒状通路を通るときに前記頭部が上向きであるか、下向きであるかの姿勢に応じて、いずれか一方の姿勢である場合は第1のタイミングで通過させ、他方の姿勢である場合は、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで通過させる第1の工程と、
前記第1のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を変えずに供給し、前記第2のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を反転させたのち供給する第2の工程と、
を有することを特徴とする軸状部品供給方法。
【請求項1】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路を内部に有する筒部材と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3の板部材を有し、
前記第1〜第3の板部材はいずれも、前記筒状通路をそれぞれ所定の範囲で閉鎖する閉鎖領域と、前記筒状通路を開放する開放領域とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第3の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
前記軸状部品の前記頭部が上向きの場合には、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
前記軸状部品の前記頭部が下向きの場合には、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第1のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする軸状部品供給装置。
【請求項2】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給装置であって、
前記軸状部品が通る筒状通路を内部に有する筒部材と、
前記筒部材の外方から前記筒状通路に侵入して前記筒状通路を開閉するカム機構と、
前記カム機構を通過した前記軸状部品を直接通過または反転通過させる切換機構と、を備え、
前記カム機構は、下流側から上流側へ向かって順に第1、第2、第3、第4の板部材を有し、
前記第1〜第4の板部材はいずれも、前記筒状通路をそれぞれ所定の範囲で閉鎖する閉鎖領域と、前記筒状通路を開放する開放領域とを、円周方向に沿って所定角度ずつ有し、
前記第1〜第4の板部材の前記閉鎖領域および前記開放領域は、
前記頭部が上向きである正立姿勢の前記軸状部品の前記軸部と、前記頭部が下向きである倒立姿勢の前記軸状部品の前記軸部とが係合している場合には、前記第3の板部材の前記閉鎖領域が、前記倒立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を支持している状態から、前記第4の板部材の前記閉鎖領域が、前記正立姿勢の前記軸状部品の前記頭部を係止し、さらに前記第3の板部材が前記開放領域に切り替わる第1のタイミングで、前記正立姿勢の前記軸状部品と、前記倒立姿勢の前記軸状部品との前記係合状態を分離させ、
前記倒立姿勢の前記軸状部品は、前記第1の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を支持している状態から前記開放領域に切り替わる第2のタイミングで、当該軸状部品を通過させ、一方、
前記正立姿勢の前記軸状部品は、前記第2の板部材の前記閉鎖領域が当該軸状部品の前記頭部を係止している状態から前記開放領域に切り替わる第3のタイミングで、当該軸状部品を通過させるように構成され、
前記切換機構は、前記第2のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、または前記第3のタイミングで前記カム機構を通過した前記軸状部品、のうちのいずれか一方をその姿勢を変えずに通過させ、他方をその姿勢を反転させたのち通過させる、
ことを特徴とする軸状部品供給装置。
【請求項3】
軸部の一端側に前記軸部よりも径が大きい頭部を有する軸状部品の向きを整列させながら供給する軸状部品供給方法であって、
前記軸状部品が筒状通路を通るときに前記頭部が上向きであるか、下向きであるかの姿勢に応じて、いずれか一方の姿勢である場合は第1のタイミングで通過させ、他方の姿勢である場合は、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで通過させる第1の工程と、
前記第1のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を変えずに供給し、前記第2のタイミングで通過した前記軸状部品については、その姿勢を反転させたのち供給する第2の工程と、
を有することを特徴とする軸状部品供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−148373(P2012−148373A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9268(P2011−9268)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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