説明

軸調整装置

【課題】見栄えが悪くなることを防止することができる軸調整装置を提供すること。
【解決手段】車両の取付面にボルト30b〜30cを介して取り付けられたレーダー装置10のレーダー軸をドライバー50によってボルト30b〜30cを操作することにより調整する軸調整装置であって、表面が塗装された金属からなり、ドライバー50が挿入される挿入孔21b(21c)を有し、その挿入孔21b(21c)に挿入されたドライバー50をボルト30b〜30cが操作可能な位置に導くガイド部材20b〜20cと、表面が塗装されていない部材からなり、挿入孔21b(21c)に対応するドライバー50が挿入される挿入孔63を有し、少なくともガイド部材20b〜20cの挿入孔21b(21c)の周囲を覆う保護カバー60とを備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取付面に取り付けられたレーダー装置のレーダー軸を調整する軸調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダー装置のレーダー軸を調整する軸調整装置としては特許文献1に示すものがあった。
【0003】
特許文献1においては、前方の物体を検知するレーダー装置は、レーダー装置のケーシングの3箇所(三隅)に設けられたステーと、車体のステーに対応する位置に設けられ操作部材が挿入される挿入孔が形成された金属のガイド部材とをボルトにて接続することによって、エンジンルームの前部空間に取り付けられる。
【0004】
そして、レーダー装置のレーダー軸を調整する場合、操作部材が挿入孔に挿入され、操作部材にて一つのボルトが回転される。レーダー装置のケーシングは、一つのボルトが回転されると、残りの2つのボルトを支点として動く。このようにレーダー装置のケーシングを動かすことによって、レーダー装置の取付角度を調整してレーダー軸を調整するものである。
【特許文献1】特開2003−170794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作部材が挿入されるガイド部材は金属からなり塗装されているのが一般的である。また、操作部材をガイド部材の挿入孔に挿入する場合、操作部材が挿入孔からずれてガイド部材に当たることもありうる。したがって、塗装されたガイド部材の場合、操作部材が当たり、塗膜が剥がれて金属部分が露出して見栄えが悪くなる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、見栄えが悪くなることを防止することができる軸調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の軸調整装置は、車両の取付面に調整部材を介して取り付けられたレーダー装置のレーダー軸を操作治具によって調整部材を操作することにより調整する軸調整装置であって、表面が塗装された金属からなり、操作治具が挿入される第一挿入部を有し、その第一挿入部に挿入された操作治具を調整部材が操作可能な位置に導くガイド部材と、表面が塗装されていない部材からなり、第一挿入部に対応する操作治具が挿入される第二挿入部を有し、少なくともガイド部材の第一挿入部の周囲を覆う保護カバーとを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように、表面が塗装された金属からなるガイド部材の第一挿入部の周囲を塗装されていない部材からなる保護カバーで覆うことによって、操作治具の挿入位置がずれたとしても、操作治具がガイド部材に直接あたることはなく、保護カバーが塗装されていない部材からなるため、塗装が剥がれて見栄えを悪くすることを防止することができる。
【0009】
また、保護カバーとしては、請求項2に示すように、樹脂材料からなるようにしてもよい。
【0010】
また、請求項3に示すように、保護カバーとガイド部材のそれぞれは、互いに対応する嵌合部を有し、その嵌合部によって固定されるようにしてもよい。このようにすることによって、保護カバーとガイド部材とを容易に、かつ、しっかりと固定して取り付けることができる。
【0011】
また、請求項4に示すように、車両の取付面に調整部材を介して取り付けられたレーダー装置のレーダー軸を操作治具によって調整部材を操作することにより調整する軸調整装置であって、表面が塗装されていない部材からなり、操作治具が挿入される挿入部と、その挿入部に挿入された操作治具を調整部材が操作可能な位置に導くガイド部とを含むガイド部材を備えることを特徴とするものである。
【0012】
このように、ガイド部材を塗装されていない部材によって構成することによって、操作治具の挿入位置がずれたとしても塗装が剥がれて見栄えを悪くすることを防止することができる。
【0013】
また、このガイド部材としては、請求項5に示すように、樹脂材料からなるようにしてもよい。
【0014】
また、請求項6に示すように、車両に固定されたブラケットを有し、ブラケットとガイド部材のそれぞれは、互いに対応する嵌合部を有し、その嵌合部によって固定されるようにしてもよい。このようにすることによって、ガイド部材を容易に、かつ、しっかりと固定して車両に取り付けることができる。
【0015】
また、請求項7に示すように、レーダー装置は、矩形形状をなし、その矩形形状の角部に取付面に対する複数の取付部を有し、一つの取付部は車両の取付面との間隔が一定に保持され、その取付部が設けられた角部に対して直交する線上にある2つの角部に設けられる取付部は前記調整部材が接続されるものであり、調整部材は一方の端部側が取付部に接続され他方の端部側にギヤ部材が設けられたネジ部材であり、操作治具はギヤ部材と噛み合う凹凸部を有し、ガイド部材は車両に固定され操作治具を操作可能な位置として凹凸部がギヤ部材に噛み合う位置に導くものであり、ギヤ部材と凹凸部とが噛み合った状態において、操作部材の回転操作によってギヤ部材が回転して前記ネジ部材を軸方向に移動させ、そのネジ部材に接続された取付部と車両の取付面との間隔を変化させることによって、レーダー軸を調整するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における軸調整装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1の上視図である。図3は、本発明の実施の形態における軸調整装置のガイド部材の概略構成を示す断面図である。図4は、本発明の実施の形態におけるガイド部材の概略構成を示す斜視図である。
【0018】
本発明の軸調整部材にて調整されるレーダー装置10は、車両の進行方向に存在する前走車等の物体を検知するものである。このレーダー装置10は、フロントバンパーの中央上部に固定されたフロントグリルの後方であって、ボンネットで開閉されるエンジンルームの前端部などに配置される。そして、レーダー装置10は、フロントグリルの格子間から前方に電磁波を照射し、かつフロントグリルの格子間から反射波を受信する。
【0019】
図1又は図2などに示すように、レーダー装置10は、略矩形形状(直方体状)の筐体11内に電磁波の送信、受信を行うための回路、アンテナなどが内蔵されている。この筐体11は、フランジ12が設けられ、筐体11の複数の角部のフランジ12から突出するボルト30a〜30cが挿入されるネジ穴が形成されたステー12a〜12cが形成される。
【0020】
そして、レーダー装置10は、このステー12a〜12cに固定したブッシュ80を介して、後ほど説明する固定部材20a及びガイド部材20b〜20cがボルト(ネジ部材)30a〜30cで接続される。尚、ブッシュ80は樹脂で作られる。そして、固定部材20a及びガイド部材20b〜20cは、図示しないブラケットを介して車両の取付面に固定されている。したがって、レーダー装置10は、ボルト30a〜30c、固定部材20a及びガイド部材20b〜20c、ブラケットを介して車両の取付面に取り付けられる。
【0021】
本実施の形態における軸調整装置は、レーダー装置10の車両の取付面に対する取付角度を調整してレーダー軸を調整するものである。従って、ステー12aと固定部材20aで固定された間隔が基準位置となる。一方、ステー12aが形成された角部に対して直交する線上にある2つの角部に設けられたステー12b〜12cとガイド部材20b〜20cとは、その間隔が変更可能な状態で接続されている。
【0022】
このようにステー12b〜12cとガイド部材20b〜20cの間隔を変更するために、ステー12b〜12cとガイド部材20b〜20cとを接続するボルト30b〜30cは、図2及び図3に示すように、ステー12b〜12cおよびブッシュ80と接続する端部側とは反対側の端部に歯部41を有するギヤ部材40(ネジ部材、調整部材)が設けられている。
【0023】
このボルト30b〜30cは、図2及び図3に示すように、ガイド部材20b〜20cを貫通して、ガイド部材20b〜20c内にギヤ部材40を配置した状態でプッシュナット23bなどによってガイド部材20b〜20cに接続される。そして、ボルト30b〜30cは、ギヤ部材40が設けられた側とは反対の端部側でステー12b〜12cに固定したブッシュ80にそれぞれネジ締め固定される。
【0024】
一方、ステー12a及びブッシュ80と固定部材20aとを接続するボルト30aは、このギヤ部材40は設けられておらず、両端部側のそれぞれでステー12a及びブッシュ80にネジ締め固定される。
【0025】
また、図2に示すように、固定部材20aは、操作治具であるドライバー50がガイド部材20bに達するようにガイド部材20bに対して前方にずれて設けられる。したがって、上視図では、ガイド部材20bは、固定部材20aによって遮られることがない。
【0026】
次に、ガイド部材20b〜20cに関して説明する。なお、ガイド部材20cは、ガイド部材20bと同じ構造をしており、例えば、ガイド部材20cの挿入孔21cは、ガイド部材20bの挿入孔21bに対応している。したがって、ここでは、ガイド部材20bのみに関して説明し、ガイド部材20cに関しての説明は省略する。また、図1乃至図3においては、ガイド部材20b〜20cは簡略化して図示している。
【0027】
ガイド部材20bは、表面が塗装された金属からなり、上部24bと上部24bから折れ曲がって形成される側部25bを有した略L時形状の部材に筒状の軸受け22bが設けられた形状をなす。そして、ガイド部材20bは、側部25bと軸受け22bの貫通穴にボルト30bが挿入される。また、ガイド部材20bは、上部24bにドライバー(操作治具)50が挿入される挿入孔(第一挿入部)21bを有する。より具体的には、ガイド部材20bの挿入孔21bは、後ほど説明する保護カバー60の挿入孔63の外周部63aが挿入され、その挿入孔63を介してドライバー50が挿入される。そして、ガイド部材20bは、その挿入孔21bに挿入されたドライバー50を調整部材であるボルト30bが操作可能な位置、すなわちドライバー50の凹凸部51とギヤ部材40の歯部41とが噛み合う位置に導くものである。そして、ドライバー50は、軸受け22bに当接して止まる。また、ガイド部材20bは、後ほど説明する保護カバー60と嵌合するための溝部(嵌合部)26bが設けられる。
【0028】
なお、ガイド部材20bの形状に関しては、上記に示した構造に限定されるものではなく、ドライバー50が挿入される挿入部を備え、ドライバー50をギヤ部材40が操作可能な位置に導けるような形状であればよい。
【0029】
ここで、軸調整部材を用いたレーダー装置のレーダー軸の調整に関して説明する。
【0030】
まず、レーダー装置10のレーダー軸を上下方向に調整する場合に関して説明する。ドライバー50をガイド部材20b〜20cの挿入孔21b〜21cに挿入する。ドライバー50を挿入孔21b〜21cに挿入すると、ドライバー50は、ガイド部材20b〜20cによって凹凸部51とギヤ部材40の歯部41とが噛み合う位置に保持される。
【0031】
この状態で、挿入孔21bに挿入されたドライバー50をまわすと、凹凸部51と歯部41とが噛み合っているのでギヤ部材40が回転してボルト30bが回転する。ボルト30bは、この回転によって筐体11のステー12bに固定したブッシュ80のステー12bを前方に押し出す。筐体11は、ステー12bが前方に押し出されると、2本のボルト30a、30cを支点として上向きに揺動し、すなわち、ステー12bと車両の取付面との間隔が変化してレーダー装置のレーダー軸が上向きに調整される。
【0032】
逆に、挿入孔21bに挿入されたドライバー50を反対方向にまわすと、凹凸部51と歯部41とが噛み合っているのでギヤ部材40が反対方向に回転してボルト30bが反対方向に回転する。ボルト30bは、この反対方向の回転によって筐体11のステー12bに固定されたブッシュ80を後方に引き戻す。筐体11は、ステー12bが後方に引き戻されると、2本のボルト30a、30cを支点として下向きに揺動し、すなわち、ステー12bと車両の取付面との間隔が変化してレーダー装置のレーダー軸が下向きに調整される。
【0033】
次に、レーダー装置10のレーダー軸を左右方向に調整する場合に関して説明する。
上下方向に調整する場合と同様に、ドライバー50をガイド部材20b〜20cの挿入孔21b〜21cに挿入する。ドライバー50を挿入孔21b〜21cに挿入すると、ドライバー50は、ガイド部材20b〜20cによって凹凸部51とギヤ部材40の歯部41とが噛み合う位置に保持される。
【0034】
この状態で、挿入孔21cに挿入されたドライバー50をまわすと、凹凸部51と歯部41とが噛み合っているのでギヤ部材40が回転してボルト30cが回転する。ボルト30cは、この回転によって筐体11のステー12cに固定されたブッシュ80を前方に押し出す。筐体11は、ステー12cが前方に押し出されると、2本のボルト30a、30bを支点として右向きに揺動し、すなわち、ステー12cと車両の取付面との間隔が変化してレーダー装置のレーダー軸が上向きに調整される。
【0035】
逆に、挿入孔21cに挿入されたドライバー50を反対方向にまわすと、凹凸部51と歯部41とが噛み合っているのでギヤ部材40が反対方向に回転してボルト30cが反対方向に回転する。ボルト30cは、この反対方向の回転によって筐体11のステー12cに固定したブッシュ80を後方に引き戻す。筐体11は、ステー12cが後方に引き戻されると、2本のボルト30a、30bを支点として左向きに揺動し、すなわち、ステー12cと車両の取付面との間隔が変化してレーダー装置のレーダー軸が左向きに調整される。
【0036】
なお、レーダー装置のレーダー軸がずれているか否かを確認する場合は、レーダー装置にミラーを設ける。一方、車両外部には、そのミラーに可視レーザービームを照射するレーザーポインタなどを設ける。そして、レーザーポインタにてレーダー装置に設けたミラーに可視レーザービームを照射し、そのミラーによって反射されてきた反射レーザービームの位置を確認することによってレーダー軸がずれているか否かを確認することができる。
【0037】
このように、本実施の形態における軸調整装置においては、ガイド部材20b〜20cの挿入孔21b〜21cにドライバー50を挿入する必要がある。ところが、ガイド部材20b〜20cは、表面が塗装された金属からなるものである。したがって、ドライバー50を挿入孔21b〜21cに挿入する際に、ドライバー50の挿入位置がずれた場合、ドライバー50がガイド部材20b〜20cの上部24bなどにあたって、塗膜が剥がれる可能性がある。このようにガイド部材20b〜20cの塗膜が剥がれると、その部分だけ金属が露出することとなり見栄えが悪くなる。
【0038】
そこで、本実施の形態においては、図4に示すように、このガイド部材20b〜20cの塗膜を保護するための保護カバー60を備える。なお、図4においては、わかりやすくするためにギヤ部材40をガイド部材20bから離間して図示している。この保護カバー60は、塗装されていない部材、例えば、樹脂材料などからなるものである。
【0039】
保護カバー60は、挿入孔(第二挿入部)63が設けられる天井部61、ガイド部材20bの挿入孔21bに挿入される外周部63a、天井部61から延設される足部62、足部の一部に内側に突出する爪(嵌合部)64を備える。
【0040】
天井部61は、少なくともガイド部材20bの上部24bにおけるドライバー50が挿入される側の表面を覆う程度の大きさ、すなわち、少なくとも上部24bにおけるドライバー50が挿入される側の表面と略同じ大きさである。また、挿入孔63は、挿入孔21bに対応する位置に設けられ、当該挿入孔21bに保護カバー60の挿入孔63の外周部63aが挿入される。つまり、ドライバー50は、挿入孔63を通ってガイド部材20bの挿入孔21bに挿入される。足部62の一部形成された爪64はガイド部材20bの溝部26bと嵌合するためのものである。保護カバー60とガイド部材20bとは、この爪64と溝部26bとが嵌合することによって固定される。したがって、ガイド部材20bに保護カバー60を固定することによって、少なくともガイド部材20b〜20cの挿入孔21b〜21cの周囲は、保護カバー60で覆われることとなる。
【0041】
このように、表面が塗装された金属からなるガイド部材20b〜20cの挿入孔21b〜21cの周囲を塗装されていない部材からなる保護カバー60で覆うことによって、ドライバー50の挿入位置がずれたとしても、ドライバー50がガイド部材20b〜20cに直接あたることはなく、また、保護カバー60が塗装されていない部材からなるため、塗装が剥がれて見栄えを悪くすることを防止することができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、保護カバー60の一部(外周部63a)がガイド部材20bの挿入孔21bに挿入される例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではい。
【0043】
(変形例)
また、変形例として、ガイド部材を塗装されていない部材で構成してもよい。図5は、本発明の変形例におけるガイド部材の概略構成を示す斜視図である。図5においては、わかりやすくするためにギヤ部材40などを省略して図示している。
【0044】
ガイド部材70は、塗装されていない部材、例えば、樹脂材料などからなるものである。ガイド部材70は、ドライバー50の挿入孔(第二挿入部)74が形成された天井部71、挿入孔74から連通する貫通穴を有する筒状部72、ドライバー50の形状に溝形成されたガイド部72a、取付穴73aが形成された嵌合部73が一体に形成される。
【0045】
つまり、変形例におけるガイド部材70は、上述の実施の形態におけるガイド部材20b〜20cを樹脂部材などの塗装されていない部材で形成し、そのガイド部材20b〜20cと保護カバー60とを一体に設けた部材に相当するものである。
【0046】
筒状部72は、ドライバー50が挿入された状態で少なくともドライバー50の凹凸部51が筒状部72の外部に露出するように、ガイド部72aよりも上部に形成されている。
【0047】
また、嵌合部73は、ガイド部材70を車体に固定されたブラケット200bに取り付けるためのものである。ガイド部材70は、取付穴73aをブラケット200bに挿入することによってブラケット200bに取り付けられる。また、取付穴73aの内部には、穴部(嵌合部)210bに対応する突起を備え、その突起とブラケット200bの穴部210bとが嵌合することによってガイド部材70とブラケット200bとが固定される。
【0048】
ブラケット200bには、ボルト30b〜30cを挿入するための挿入穴200cを有する共に、ドライバー50の受け穴を有する軸受け220bが取り付けられる。
【0049】
そして、ボルト30b〜30c、ガイド部材70、ブラケット200b、軸受け220bは、組みつけられた状態において、ギヤ部材40の歯部41がガイド部72aに配置されると共に、ガイド部材70に挿入されたドライバー50の凹凸部51が軸受け220bの上部(受け穴)で止まりギヤ部材40の歯部41と噛み合うように位置決めされる。
【0050】
このように、ガイド部材を塗装されていない部材、例えば、樹脂材料によって構成することによって、ドライバー50の挿入位置がずれたとしても塗装が剥がれて見栄えを悪くすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態における軸調整装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の上視図である。
【図3】本発明の実施の形態における軸調整装置のガイド部材の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるガイド部材の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の変形例におけるガイド部材の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
10 レーダー装置、11 筐体、12 フランジ、12a〜12c ステー(取付部)、20a〜 固定部材、20b〜20c ガイド部材、21b〜21c 挿入孔(第一挿入部)、22b 軸受け、23b プッシュナット、24b 上部、25b 側部、26b 溝部(嵌合部)、30a〜30c ボルト(ネジ部材)、40 ギヤ部材、41 歯部、50 ドライバー(操作治具)、51 凹凸部、60 保護カバー、61 天井部、62 足部、63 挿入孔(第二挿入部)、64 爪(嵌合部)、70 ガイド部材、71 天井部、72 筒状部、72a ガイド部、73 嵌合部、73a 取付穴、74 挿入孔(第二挿入部)、200b ブラケット、210b 穴部(嵌合部)、220b 軸受け、80 ブッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の取付面に調整部材を介して取り付けられたレーダー装置のレーダー軸を操作治具によって前記調整部材を操作することにより調整する軸調整装置であって、
表面が塗装された金属からなり、前記操作治具が挿入される第一挿入部を有し、当該第一挿入部に挿入された前記操作治具を前記調整部材が操作可能な位置に導くガイド部材と、
塗装されていない部材からなり、前記第一挿入部に対応する前記操作治具が挿入される第二挿入部を有し、少なくとも前記ガイド部材の前記第一挿入部の周囲を覆う保護カバーと、
を備えることを特徴とする軸調整装置。
【請求項2】
前記保護カバーは、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1記載の軸調整装置。
【請求項3】
前記保護カバーと前記ガイド部材のそれぞれは、互いに対応する嵌合部を有し、当該嵌合部によって固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸調整装置。
【請求項4】
車両の取付面に調整部材を介して取り付けられたレーダー装置のレーダー軸を操作治具によって前記調整部材を操作することにより調整する軸調整装置であって、
塗装されていない部材からなり、前記操作治具が挿入される挿入部と、当該挿入部に挿入された前記操作治具を前記調整部材が操作可能な位置に導くガイド部とを含むガイド部材を備えることを特徴とする軸調整装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項4に記載の軸調整装置。
【請求項6】
前記車両に固定されたブラケットを有し、前記ブラケットと前記ガイド部材のそれぞれは、互いに対応する嵌合部を有し、当該嵌合部によって固定されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の軸調整装置。
【請求項7】
前記レーダー装置は、矩形形状をなし、当該矩形形状の角部に前記取付面に対する複数の取付部を有し、一つの取付部は前記車両の前記取付面との間隔が一定に保持され、その取付部が設けられた角部に対して直交する線上にある2つの角部に設けられる取付部は前記調整部材が接続されるものであり、
前記調整部材は一方の端部側が前記取付部に接続され他方の端部側にギヤ部材が設けられたネジ部材であり、前記操作治具は前記ギヤ部材と噛み合う凹凸部を有し、前記ガイド部材は前記車両に固定され前記操作治具を前記操作可能な位置として前記凹凸部が前記ギヤ部材に噛み合う位置に導くものであり、
前記ギヤ部材と前記凹凸部とが噛み合った状態において、前記操作部材の回転操作によって前記ギヤ部材が回転して前記ネジ部材を軸方向に移動させ、そのネジ部材に接続された前記取付部と前記車両の取付面との間隔を変化させることによって、前記レーダー軸を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の軸調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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