説明

載荷装置および載荷試験装置

【課題】簡易かつ小形軽量の載荷装置と載荷試験装置を提供する。
【解決手段】ケーシング内の先端部に対の載荷板2を設け、ケーシング内の基端部に設置した電動モータにより、回転軸部材40、ナット部材41、リンク機構42から構成された載荷機構4を介して載荷板2を径方向に駆動して載荷を行う。回転軸部材40は左リードネジ40aと右リードネジ40bからなり、ナット部材41は左ナット41aと右ナット41bからなり、リンク機構42は平行リンク42aと固定リンク42bからなり、それらにより電動モータの回転駆動力を載荷板2の径方向への押圧力に転換して載荷を行う。本発明の載荷試験装置には回転軸部材40の先端とケーシングの先端との間に荷重検出手段としてのロードセルを介装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載荷対象物や載荷試験対象物に形成したボアホール(穿孔)内に挿入されてその内面を径方向に押圧することにより載荷するための載荷装置、およびその載荷装置を利用した載荷試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のようにこの種の装置はボアホールジャッキと通称され、岩盤やコンクリート等に対する静的破砕装置として、また特許文献1,2に示されているように岩盤強度を計測するための試験装置として、従来より多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−285747号公報
【特許文献2】特開2004−20432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来一般のボアホールジャッキは高強度の岩盤やコンクリートを対象とする破砕装置あるいは試験装置として使用されることから、載荷のために必要となる大駆動力を油圧あるいは水圧を利用して得るものであり、必然的に装置全体が大型大重量のものとならざるを得ない。
そのため従来一般のボアホールジャッキは簡易に取り扱い得るものではないし、作業現場やその周辺の環境条件によっては使用できない場合も多く、その点では必ずしも広く一般に適用できるものではない。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明はこの種のボアホールジャッキの簡易化と小形軽量化を実現して、様々な条件化においても広く適用することが可能な載荷装置とそれを利用した載荷試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、載荷対象物に形成されたボアホール内に挿入されてその内面を径方向に押圧するための載荷装置であって、前記ボアホール内に挿入可能な円筒状のケーシングと、前記ケーシング内の先端部において該ケーシングの中心を挟んで対向する位置に前記ケーシングの径方向に進退可能に設けられて、該ケーシングの先端部周面に形成されている開口部を通して前記ボアホールの内面に押圧可能な対の載荷板と、前記ケーシング内の基端部に設けられた電動モータと、前記電動モータと前記載荷板との間に介装されて前記電動モータによる回転駆動力を前記対の載荷板を前記ケーシングの径方向に進退させるための駆動力に転換する載荷機構を具備してなることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の載荷装置であって、前記載荷機構は、右ネジを形成した右リードネジと左ネジを形成した左リードネジとが継手を介して軸方向に連結された構成とされて前記電動モータにより一体に回転せしめられる回転軸部材と、前記右リードネジに螺着された右ナットと前記左リードネジに対して螺着された左ナットとがそれぞれ前記ケーシングに対してガイドシャフトを介して該ケーシングに対して相対回転不能かつ軸方向に変位可能に支持された構成とされて、前記回転軸部材の回転によって前記右ナットと前記左ナットとが同期して互いに離接するように軸方向逆側に変位せしめられるナット部材と、該ナット部材の両側に対して前記対の載荷板をそれぞれ連結するとともに、該ナット部材における前記右ナットと左ナットとの離接により前記対の載荷板を前記回転軸部材の軸線に対して平行を維持しつつ径方向逆側に同期させて変位せしめるリンク機構とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、載荷試験対象物に形成されたボアホール内に挿入されてその内面を径方向に押圧することにより強度試験を行うための載荷試験装置であって、前記ボアホール内に挿入可能な円筒状のケーシングと、前記ケーシング内の先端部において該ケーシングの中心を挟んで対向する位置に前記ケーシングの径方向に進退可能に設けられて、該ケーシングの先端部周面に形成されている開口部を通して前記ボアホールの内面に押圧可能な対の載荷板と、前記ケーシング内の基端部に設けられた電動モータと、前記電動モータと前記載荷板との間に介装されて前記電動モータによる回転駆動力を前記対の載荷板を前記ケーシングの径方向に進退させるための駆動力に転換する載荷機構と、前記載荷機構に組み込まれて前記対の載荷板による載荷荷重を検出するための荷重検出手段を具備してなることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の載荷試験装置であって、前記載荷機構は、右ネジを形成した右リードネジと左ネジを形成した左リードネジとが継手を介して軸方向に連結された構成とされて前記電動モータにより一体に回転せしめられる回転軸部材と、前記右リードネジに螺着された右ナットと前記左リードネジに対して螺着された左ナットとがそれぞれ前記ケーシングに対してガイドシャフトを介して該ケーシングに対して相対回転不能かつ軸方向に変位可能に支持された構成とされて、前記回転軸部材の回転によって前記右ナットと前記左ナットとが同期して互いに離接するように軸方向逆側に変位せしめられるナット部材と、該ナット部材の両側に対して前記対の載荷板をそれぞれ連結するとともに、該ナット部材における前記右ナットと左ナットとの離接により前記対の載荷板を前記回転軸部材の軸線に対して平行を維持しつつ径方向逆側に同期させて変位せしめるリンク機構とからなり、かつ、前記回転軸部材を構成している前記右リードネジと前記左リードネジとを前記継手を介して軸方向の相対変位を許容せしめる状態で連結するとともに、該回転軸部材の先端と前記ケーシングの先端との間に前記荷重検出手段としてのロードセルを介装してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の載荷装置は、電動モータの回転駆動力を載荷機構によって対の載荷板をケーシングの径方向に進退させるための駆動力に転換する構成であるので、従来のボアホールジャッキのように大掛かりな油圧や水圧を利用することなく効率的な載荷が可能であり、したがって装置全体の小形軽量化を図りつつ様々な対象物に対する載荷を簡易に実施することが可能である。
特に、載荷機構を正ネジと逆ネジを組み合わせた回転軸部材とナット部材により構成して、その軸方向変位をリンク機構によって載荷板の径方向変位に転換する構成とすることにより、電動モータの回転駆動力を簡易な構成で載荷板に対して確実かつ効率的に伝達し得て載荷板を確実かつ安定に駆動することが可能である。
【0011】
本発明の載荷試験装置は、上記の載荷装置に対して載荷荷重を検出するための手段を備えたので、上記の載荷装置を利用して載荷試験を簡易に実施することが可能である。
特に、載荷時における回転軸部材の軸方向変位を許容したうえでその先端とケーシングの先端との間に荷重検出手段としてのロードセルを介装することにより、簡易な構成で載荷荷重を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態である載荷試験装置の外観図および断面図である。
【図2】同、内部機構の要部を示す斜視図である。
【図3】同、動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
なお、本発明の載荷装置と本発明の載荷試験装置は、載荷荷重を検知するための手段の有無において構成が異なるだけでそれ以外は共通しているので、以下では載荷荷重検出手段としてのロードセルを備えている載荷試験装置の実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態の載荷試験装置は、従来のボアホールジャッキと同様に、岩盤やコンクリート等の載荷試験対象物に形成したボアホール内に挿入されてその内側からボアホールの内面を外側に押圧することによって強度試験を行うためのもので、図1に示すように、円筒状のケーシング1と、ケーシング1内の先端部に設置された対の載荷板2(2a、2b)と、ケーシング1内の基端部に設置された電動モータ3(図1(c)参照)と、その電動モータ3と載荷板2との間に介装された載荷機構4とを主要構成要素として備えているものである。
【0015】
ケーシング1はボアホール内に挿入可能な径寸法の円筒状のもので、先端部周面には中心を挟んで対向する位置にそれぞれ開口部1aが形成され、その開口部1aの内側に上記の載荷板2が配置されている。
ケーシング1の基端部にはボアホール内に挿入するための適宜のシャフト5が接続可能とされている。
【0016】
電動モータ3は小径の円筒状の形態のもので、その先端部がケーシング1内に形成されている隔壁板1bに支持されて設置されている。
【0017】
載荷板2はケーシング1の周面と同様に湾曲した板体であって、上記の載荷機構4(詳細は後述する)により支持されてケーシング1の径方向に進退可能に設置されたものである。各載荷板2は通常は図1(a)に示すようにケーシング1に形成されている開口部1aの内側に配置されているが、載荷試験の際には鎖線で示すように開口部1aを通してその外側に変位してボアホール(図示せず)の内面に押圧せしめられるものである。
なお、載荷板2の外表面は図示しているように適宜の凹凸や段部を形成することが通常であるが、試験対象物の特性や試験目的に応じて単なる平滑面とすることでも良い。
【0018】
載荷機構4は電動モータ3による回転駆動力によって対の載荷板2を同期させてケーシング1の径方向に進退させるための機構であって、この載荷機構4は、図2〜図3に示すように、電動モータ3に対して連結された回転軸部材40と、その回転軸部材40に螺着されたナット部材41と、ナット部材41に対して載荷板2を連結するためのリンク機構42とにより構成されている。
【0019】
回転軸部材40はその両端部が軸受けにより回転自在に支持されているが、この回転軸部材40は単一の部材からなるものではなく、互いに逆方向のネジが形成された2本のリードネジが継手を介して連結されたものである。
すなわち、図示例では逆ネジからなる左リードネジ40aが電動モータ3に対して継手6を介して連結され、その左リードネジ40aの先端に、左リードネジ40aと同ピッチの正ネジからなる右リードネジ40bが継手7を介して相対回転不能に連結されていて、電動モータ3を駆動するとこの回転軸部材40の全体が1本の回転軸として(つまり左リードネジ40aと右リードネジ40bとが一体となって同方向に)回転するようになっている。
【0020】
回転軸部材40が左リードネジ40aと右リードネジ40bとにより構成されていることに対応して、ナット部材41も左ナット41aと右ナット41bにより構成されていて、左リードネジ40aには左ナット41aが螺着され、右リードネジ40bには右ナット41bが螺着されている。
それら左ナット41aおよび右ナット41bにはケーシング1内に固定されている2本のガイドシャフト8が挿通していて、それらのガイドシャフト8によって左ナット41aと右ナット41bはケーシング1に対する相対回転が拘束され、かつそれらガイドシャフト8により案内されてそれぞれ独立にケーシング1の軸方向に変位可能に支持されている。
したがって、電動モータ3を駆動して回転軸部材40を回転させると、左リードネジ40aに螺着されている左ナット41aと、右リードネジ40bに螺着されている右ナット41bとは、互いに離接するように同期して軸方向逆側に対称的に変位せしめられることになる。
【0021】
そして、上記のナット部材41の左右両側にそれぞれ上記のリンク機構42が対称的に設置され、それらリンク機構42を介して対の載荷板2がナット部材41に対して連結されている。
すなわち、対の載荷板2のうち一方の載荷板2a(図示例では上側のもの)は右ナット41bに対して2本の平行リンク42aにより連結されているとともに左ナット41aに対して1本の固定リンク42bにより連結されている。また、他方の載荷板2b(図示例では下側のもの)は左ナット41aに対して2本の平行リンク42aにより連結されているとともに右ナット41bに対して1本の固定リンク42bにより連結されている。
【0022】
これにより、この載荷機構4は、電動モータ3を駆動して回転軸部材40を回転(正転および逆転)させることにより、ナット部材41を構成している左ナット41aと右ナット41bとが同期して互いに離接するように軸方向逆側に対称的に変位し、そのようなナット部材41の動作がリンク機構42を介して載荷板2に伝達され、その結果、対の載荷板2が回転軸部材40の軸線に対して平行を維持しつつ径方向逆側に同期して対称的に変位するようになっている。
つまり、図1(c)および図3(a)に白矢印で示すように、載荷板2をケーシング1に収納している状態(ケーシング1の開口部1aの内側に配置している状態)から、電動モータ3の回転軸を正転させたときには、左ナット41aと右ナット41bとが接近するように軸方向に変位して双方の載荷板2はリンク機構42を介して外側に押し出されるように径方向に変位し、これにより図3(b)に示す状態となって載荷板2による試験対象物に対する載荷が可能となっている。
その状態から、図1(c)および図3(b)に黒矢印で示すように電動モータ3の回転軸を逆転させると、左ナット41aと右ナット41bとが離間するように軸方向に変位して双方の載荷板2はリンク機構42を介して内側に引き寄せられるように径方向に変位し、元の状態に復帰する。
【0023】
以上の構成は本発明の載荷装置においても同様であるが、本実施形態の載荷試験装置ではさらに以下の構成が付加されて載荷試験時における載荷荷重を精度良く検知可能とされている。
すなわち、上記の回転軸部材40においては継手7を介して連結されている基端側の左リードネジ40aと先端側の右リードネジ40bとの相対回転は当然に拘束されるのであるが、その継手7は左リードネジ40aと右リードネジ40bとの軸方向の相対変位を許容する状態で連結するものとされている。
また、回転軸部材40の先端側の右リードネジ40bの先端がセンサープレート50により支持されているとともに、そのセンサープレート50は上記のガイドシャフト8に案内されて軸方向変位が許容されており、そのセンサプレート50とケーシング1内の先端部に固定されている端面板1cとの間にはロードセル51が介装されている。
【0024】
これにより、載荷試験に際して図3(a)に示すように電動モータ3を正転させて載荷板2をボアホールの内面に押圧させたときには、その反力がリンク機構42、ナット部材41を介して回転軸部材40の軸方向に作用して左リードネジ40aと右リードネジ40bとが互いに離間する方向に付勢され、その付勢力が破線矢印で示しているように右リードネジ40bからセンサープレート50を介してロードセル51に作用するから、その時点における載荷板2による実際の載荷荷重をロードセル51の計測値として検知することができる。
そして、電動モータ3に付設したエンコーダ(図示せず)により得られる回転量から左リードネジ40aと右リードネジ40bの位置(相互間隔)を把握し、またリンク機構42の幾何学条件から載荷板2の径方向への変位量を把握すれば、それらの情報とロードセル51の計測値とから強度その他の特性を精度良く検知することが可能である。
【0025】
以上のように、本発明の載荷試験装置によれば、電動モータ3の回転駆動力が、左リードネジ40aと右リードネジ40bとにより構成されている回転軸部材40、左ナット41aと右ナット41bにより構成されているナット部材41、平行リンク42aと固定リンク42bにより構成されているリンク機構42を介して載荷板2の径方向への押圧力に転換され、それにより効率的な載荷が可能である。
したがって従来のボアホールジャッキのように大掛かりな油圧や水圧を利用することなく、それにより装置全体の小形軽量化を図りつつ、載荷試験を簡易に実施することが可能である。
【0026】
なお、以上の説明で明らかと思われるが、上記実施形態の載荷試験装置から荷重検出手段としてのロードセル51を省略すれば本発明の載荷装置として機能するものとなる。
すなわち、上記実施形態の載荷試験装置は載荷試験を行うことを目的とするものであるので当然に載荷荷重を検出するためのロードセル51が不可欠であるが、この載荷試験装置を(載荷試験を目的とするのではなく)岩盤やコンクリート等を対象としてたとえば静的破砕のための載荷を目的として使用することも可能であり、その場合には単に載荷機能を有するものであれば良いのであって必ずしも載荷荷重を精度良く検出する必要はないから、そのような場合にはロードセル51およびそれに関連する構成要素を省略することのみで本発明の載荷装置を構成することができる。
【0027】
以上で本発明の載荷試験装置および載荷装置の実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例であって本発明の載荷装置および載荷試験装置は上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば装置全体の外観や形状・寸法、電動モータ3の仕様はもとより、載荷機構4における回転軸部材40やナット部材41、リンク機構42、荷重検出のための構成や荷重検出手段の設置位置、その他細部の構成については、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の設計的変形や応用が可能であることはいうまでもない。
【0028】
特に、本発明における載荷機構としては上記実施形態のように正ネジ(右ネジ)と逆ネジ(左ネジ)を組み合わせて構成することが好適ではあるが、それに限るものでもなく、要は電動モータの回転駆動力を載荷板の径方向への駆動力に転換するための動力伝達機構として機能するものであれば適宜構成の載荷機構の採用が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 ケーシング
1a 開口部
1b 隔壁板
1c 端面板
2 載荷板
3 電動モータ
4 載荷機構
5 シャフト
6,7 継手
8 ガイドシャフト
40 回転軸部材
40a 左リードネジ
40b 右リードネジ
41 ナット部材
41a 左ナット
41b 右ナット
42 リンク機構
42a 平行リンク
42b 固定リンク
50 センサープレート
51 ロードセル(荷重検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載荷対象物に形成したボアホール内に挿入されてその内面を径方向に押圧するための載荷装置であって、
前記ボアホール内に挿入可能な円筒状のケーシングと、
前記ケーシング内の先端部において該ケーシングの中心を挟んで対向する位置に前記ケーシングの径方向に進退可能に設けられて、該ケーシングの先端部周面に形成されている開口部を通して前記ボアホールの内面に押圧可能な対の載荷板と、
前記ケーシング内の基端部に設けられた電動モータと、
前記電動モータと前記載荷板との間に介装されて、前記電動モータによる回転駆動力を前記対の載荷板を前記ケーシングの径方向に進退させるための駆動力に転換する載荷機構を具備してなることを特徴とする載荷装置。
【請求項2】
請求項1記載の載荷装置であって、
前記載荷機構は、右ネジを形成した右リードネジと左ネジを形成した左リードネジとが継手を介して軸方向に連結された構成とされて前記電動モータにより一体に回転せしめられる回転軸部材と、
前記右リードネジに螺着された右ナットと前記左リードネジに対して螺着された左ナットとがそれぞれ前記ケーシングに対してガイドシャフトを介して該ケーシングに対して相対回転不能かつ軸方向に変位可能に支持された構成とされて、前記回転軸部材の回転によって前記右ナットと前記左ナットとが同期して互いに離接するように軸方向逆側に変位せしめられるナット部材と、
該ナット部材の両側に対して前記対の載荷板をそれぞれ連結するとともに、該ナット部材における前記右ナットと左ナットとの離接により前記対の載荷板を前記回転軸部材の軸線に対して平行を維持しつつ径方向逆側に同期させて変位せしめるリンク機構とからなることを特徴とする載荷装置。
【請求項3】
載荷試験対象物に形成したボアホール内に挿入されてその内面を径方向に押圧することにより強度試験を行うための載荷試験装置であって、
前記ボアホール内に挿入可能な円筒状のケーシングと、
前記ケーシング内の先端部において該ケーシングの中心を挟んで対向する位置に前記ケーシングの径方向に進退可能に設けられて、該ケーシングの先端部周面に形成されている開口部を通して前記ボアホールの内面に押圧可能な対の載荷板と、
前記ケーシング内の基端部に設けられた電動モータと、
前記電動モータと前記載荷板との間に介装されて、前記電動モータによる回転駆動力を前記対の載荷板を前記ケーシングの径方向に進退させるための駆動力に転換する載荷機構と、
前記載荷機構に組み込まれて前記対の載荷板による載荷荷重を検出するための荷重検出手段を具備してなることを特徴とする載荷試験装置。
【請求項4】
請求項3記載の載荷試験装置であって、
前記載荷機構は、右ネジを形成した右リードネジと左ネジを形成した左リードネジとが継手を介して軸方向に連結された構成とされて前記電動モータにより一体に回転せしめられる回転軸部材と、
前記右リードネジに螺着された右ナットと前記左リードネジに対して螺着された左ナットとがそれぞれ前記ケーシングに対してガイドシャフトを介して該ケーシングに対して相対回転不能かつ軸方向に変位可能に支持された構成とされて、前記回転軸部材の回転によって前記右ナットと前記左ナットとが同期して互いに離接するように軸方向逆側に変位せしめられるナット部材と、
該ナット部材の両側に対して前記対の載荷板をそれぞれ連結するとともに、該ナット部材における前記右ナットと左ナットとの離接により前記対の載荷板を前記回転軸部材の軸線に対して平行を維持しつつ径方向逆側に同期させて変位せしめるリンク機構とからなり、
かつ、前記回転軸部材を構成している前記右リードネジと前記左リードネジとを前記継手を介して軸方向の相対変位を許容せしめる状態で連結するとともに、該回転軸部材の先端と前記ケーシングの先端との間に前記荷重検出手段としてのロードセルを介装してなることを特徴とする載荷試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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