輝度向上シート
【課題】拡散シート等の光学シートと重ねて配置した場合にも、傷付き、色付きなどの問題が発生しない輝度向上シートを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる輝度向上シート1は、拡散シート2と重ね合わせて用いられる。本発明にかかる輝度向上シート1の入射面には、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部11が形成されている。また、同じ入射面には、当該凸部11の間に溝部14が設けられ、その間に光反射層15が形成されている。本発明では、特に、凸部11の頂部に凹部12が形成されている。
【解決手段】本発明にかかる輝度向上シート1は、拡散シート2と重ね合わせて用いられる。本発明にかかる輝度向上シート1の入射面には、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部11が形成されている。また、同じ入射面には、当該凸部11の間に溝部14が設けられ、その間に光反射層15が形成されている。本発明では、特に、凸部11の頂部に凹部12が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型液晶表示装置や看板などに利用される面光源に用いられる輝度向上シートに関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶表示装置は、一般に、ドット状に画素を配した液晶パネルとバックライトを備え、各画素における光透過率を制御することによって、文字や映像の表示を実現する。バックライトは、例えば、冷陰極管、反射板、レンズシート等の組み合わせにより構成され、光の出射量分布が制御される。
【0003】
透過型液晶表示装置では、消費電力の軽減や高輝度化が要求されている。高輝度化を実現することは冷陰極管などの光源を増やすことで可能であるが、消費電力の増加につながるため実用的ではない。そこでバックライトからの出射光のうち法線方向から大きくずれた方向へ出射する光を制御し、正面方向の輝度を高める技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、入射面に凸部を有した輝度向上シートが開示されている。この輝度向上シートでは、凸部の頂部を光入射部とし、凸部の斜面を光反射面とし、隣り合う頂部の間(以下溝部と称することがある)に光反射層が設けられている。光入射部へ入射する光線のうち、シート面への入射角が比較的小さい(シート面に垂直に近い)光線は、そのまま出射側へ到達し、比較的小さい出射角で出射する。また、光入射部へ入射する光線のうち、シート面への入射角が比較的大きい(シート面に斜めに入射する)光線は、光入射部で屈折した後、凸部斜面で反射し、正面方向へ曲げられる。さらに、光反射層へ入射した光線は光源側へ反射され、光拡散シートあるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シートへ入射することによって再利用される。
【0005】
このため、特許文献1に開示された輝度向上シートは全体としては拡散光である入射光を正面方向へ集光する効果がある。
【0006】
また、特許文献1に開示された輝度向上シートに対して拡散シートを重ねて配置すると、輝度向上シートの光入射部が拡散シートの出射面と接触する。そのため、光入射部が傷付いて輝度ムラが生じる場合がある。また、ニュートンリング現象により色付き、色ムラ、輝度ムラが生じる場合もある。
【0007】
これらの問題は、輝度向上シートの光入射部と拡散シートの出射面とを透明接着剤などで接着することにより避けることができる。しかし、その場合は別の問題が生じる。かかる問題について図9〜図12を用いて、さらに説明する。
【0008】
図9に示すように、輝度向上シート1の凸部11が拡散シート2の出射面と接していない場合、入射した光線は凸部11の頂部において屈折するため、比較的大きな入射角で入射した光線であっても輝度向上シート1の内部では臨界角以内の角度で進む。そのため斜面15に到達した光線は斜面15に対し比較的大きな入射角となり、正面方向へ集光される。
【0009】
一方、図2に示すように輝度向上シート1の凸部11の頂部が拡散シート2の出射面と接着されている場合、入射した光線は凸部11の頂部で屈折せず、比較的大きな入射角で入射した光線は輝度向上シート1の内部をそのままの角度で進む。そのため斜面15に到達した光線は斜面15に対し比較的小さな入射角となり、正面方向へ集光されない。
【0010】
この不具合を避けるため、図3に示すように輝度向上シート1の凸部11における斜面15の角度θを大きくすると、凸部11の高さが低くなる。そのため比較的大きな入射角で入射した光線であっても斜面15で反射せず、そのまま出射面へ到達し、界面で屈折して正面方向へ集光されない。
【0011】
図4に示すように輝度向上シートの斜面15の角度θを小さくすると、正面方向へ集光する性能を改善できるが、金型の製造、形状転写性、離形性などの点で問題がある。
【0012】
【特許文献1】特開平10−106327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、特許文献1に開示された輝度向上シートと拡散シートを重ねて配置すると、傷付き、色付きなどの問題が生じる場合がある一方、接着すると正面方向へ集光されない、という問題がある。
【0014】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、拡散シート等の光学シートと重ねて配置した場合にも、傷付き、色付きなどの問題が発生しない輝度向上シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる輝度向上シートは、入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、前記凸部の頂部に凹部が形成されたものである。
【0016】
ここで、前記凹部は、断面において円弧の一部であることが望ましい。
【0017】
また、前記凹部は、前記頂部の全領域に凹みが設けられて形成されていることが望ましい。
【0018】
前記凹部は、前記頂部の中央領域のみに凹みが設けられて形成されていてもよい。
【0019】
好適な実施の形態における前記凹部の最大深さは、0.5μm以上であり、また、前記凹部の最大深さは、前記頂部の幅の20%以下である。
【0020】
本発明にかかる他の観点による輝度向上シートは、入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、前記凸部の頂部の少なくとも一部は、前記光反射部の頂部よりも低いものである。
【0021】
上述の輝度向上シートは、その入射面側に拡散シートが重ねて配置される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、拡散シート等の光学シートと重ねて配置した場合にも、傷付き、色付きなどの問題が発生しない輝度向上シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
まず、発明の実施の形態にかかる輝度向上シートの概略構成について説明する。図1は、当該輝度向上シートの断面図を示す。図2は、輝度向上シートの各部分のサイズを説明するために記号を表記した断面図である。本実施の形態にかかる輝度向上シート1は、拡散シート2等の光学シートとともに用いられる。拡散シート2は、当該輝度向上シート1の入射面側に設けられ、光源から出射された光を入射し、拡散させて輝度向上シート1に対し出射する。輝度向上シート1と拡散シート2は、光反射層14において透明性接着剤により接着されていてもよいが、単に重ね合わされて用いられる場合もある。
【0024】
輝度向上シート1の入射面側には、複数の凸部11が形成されている。凸部11は、基部から光源側に突出して形成され、先端部に近づくにつれてその断面が小さくなるような錐状に形成されている。例えば、凸部11は、円錐状や、四角錐等の形状を有しており、相互に均等な間隔で配置されている。凸部11の頂部は、光源等からの光を入射する光入射部として機能する。
【0025】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1では、凸部11の先端にある頂部(即ち、光入射部)に球面状に凹んだ凹部12が形成されている。このように、凸部11の頂部に凹部12が設けられ、これにより凹みを有するため、拡散シート2等の光学シートに重ねて配置しても、凸部11の頂部と拡散シート2の間に空気層が形成されるので凸部11の頂部が傷つかない。また凸部11の頂部が拡散シート2等の光学シートの出射面と接触しないため、ニュートンリング現象による色付き、色ムラ、輝度ムラが生じない。さらに凹部12内に空気が存在するため、頂部の凹部界面で光線の屈折が生じ、シート面に対し比較的大きな入射角で入射した光線であっても正面方向へ集光される。
【0026】
凸部11の側面に形成される斜面13の形状は、断面において直線、放物線の一部とすることができる(図3参照)。直線の場合には、金型の設計製造が簡単という利点がある。
【0027】
斜面13の形状が放物線の一部である場合、その焦点を通り、放物線で反射した光線がシートに垂直な平行光となる。そのため、図3に示されるように、凸部11の頂部を、斜面の形状から近似される仮想的な放物線の焦点F近傍に配置することが好ましい。例えば、頂点Oから凸部頂部までの距離Aが、斜面の形状から近似される仮想的な放物線の頂点Oから焦点Fまでの距離fに対し、0.5倍〜2倍程度とすることが好ましい。また、斜面13の形状は放物線に類似した折れ線、楕円、双曲線などであっても良い。
【0028】
図5に示される、斜面13の角度θは、5度以上30度以下が好ましい。これより小さいと金型の耐久性や成形転写性、離型性に問題が生じる場合がある。また、斜面13の形状が折れ線や曲線である場合でも、やはり斜面13の角度θが最大30度、最小5度とすることが金型の耐久性や成形転写性、離型性の観点から好ましい。
【0029】
凹部12の形状は、図4に示されるように、断面において円弧の一部とすることができる。また、「へ」の字型や台形などとすることも可能である。また、他の光学シートとの間に空気層を形成し、上述の効果を十分に発揮するためには、図5(a)に示されるように、頂部の全てに凹みを設けることが好ましい。その一方で、図5(b)に示されるように、耐傷付き性などを考慮して頂部の一部のみ、例えば中央領域のみに凹みを設けても良い。
【0030】
凹部12の最大深さCは、0.5μm以上が好ましい。これより小さいとニュートンリング現象による問題を充分に解消できない場合がある。凹部12の最大深さCは、凸部11の頂部の幅Hに対し、20%以下が好ましい。また凹部12の傾斜部とシート面とがなす角度の最大値φは30度以下が好ましい。これより大きい場合、光反射層15の形成が困難になる場合がある。
【0031】
隣り合う凸部11の間に形成される溝部14には光反射層(光反射部)15が設けられる。したがって、輝度向上シート1のうち、凸部11の頂部以外の領域に入射した光線は、光源側、即ち拡散シート2側へ反射され、拡散シート2あるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シート1へ入射することで再利用される。凸部11の頂部の少なくとも一部は、光反射層15の頂部(再外面)よりも低くなる。
【0032】
光反射層15の形成方法としては、例えば凸部11を形成した側の面全体に、溝部14を充分に埋めるように光拡散性のインクを塗布し、掻き取り具で頂部以外のインクを除去した後、インクを硬化する方法がある。このほか、凸部11を形成した側の面の端部にインク溜まりを形成し、掻き取り具でインク溜まりを塗り広げながら掻き取ることによっても溝部14のみにインクを充填できる。以下、このような光反射層15の形成法を掻き取り法あるいは掻き取り印刷法と称することがある。掻き取り具は例えばゴム製のスキージなどを使用できる。ゴム硬度(JIS K6253に準ずる)は60〜90程度が好ましい。
【0033】
このように溝部14に光拡散性の材料を充填して光反射層15を形成する場合、硬化後の光拡散性の材料の屈折率が、凸部11の屈折率より小さいことが好ましい。これにより斜面13へ入射した光線の一部が全反射し、効率的に正面方向へ集光される。
【0034】
全反射を利用する場合、溝部14に空気層を残す形態が最も効率が高い。そこで斜面13の形状を図6(a)のように折れ線状とし、くびれ133を境に幅狭部分131、幅広部分132を形成するようにしてもよい。
このような形状を有する溝部14に比較的高粘度のインクを充填することにより、溝部14の幅が比較的広い幅広部分132のみに光反射層142が形成され、また溝部14に空気層141を残す形態が可能となる。インクの粘度は例えば1000mPa・s以上(25℃、E型粘度計、0.5rpm)とすることが好ましい。
【0035】
図6(a)に示すように斜面の空気層141を残す幅狭部分131の最大幅は20μm以下、好ましくは15μm以下とすることが好ましい。斜面14の形状は図6(a)に示す形状のほか、図6(b)に示す階段状とすることができる。
【0036】
あらかじめ斜面13に金属蒸着などにより反射層を形成し、その後溝部14に光拡散性の材料を充填して光反射層15を形成してもよい。このように凸部11の斜面13に反射層を形成する場合は溝部14に充填する光拡散性の材料の屈折率は特に制限されない。
【0037】
金属蒸着などによる光反射層15の形成工程に先立ち、凸部11の頂部へ離型層を形成しておいてもよい。離型層としては、例えばポリシロキサンを数μm塗布することができる。凸部11の頂部のみへロール印刷などによりポリシロキサンを塗布し、凸部11を形成した側の面に対して全面に金属蒸着を施した後、粘着部材で頂部の金属蒸着を除去することで溝部14のみに光反射層を形成することができる。
【0038】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1を液晶表示装置用のバックライトとして用いる場合、凸部11のピッチP(図2参照)が液晶表示装置の画素と干渉し、モアレ障害が発生する場合がある。これを回避するため、凸部11のピッチPは1mm以下とすることが好ましく、さらに0.5mm以下、特には0.2mm以下とすることが好ましい。
【0039】
凸部11の頂部の幅H(図4参照)は、ピッチPに対し0.2〜0.8倍とすることが好ましい。これより大きいと斜面13の角度θが小さくなり過ぎ、効率的に正面方向へ集光することが困難になる場合がある。これより大きいと光反射層15の面積割合が大きくなり過ぎ、光の利用効率が低下することがある。光反射層15に入射した光線は拡散シート2側へ反射され、拡散シート2あるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シートへ入射することで再利用されるが、実際の反射率は100%ではないため、再利用される光の割合が大きすぎると光の利用効率が低下するためである。
【0040】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1の厚みTは、光学性能に特に影響は無いが、例えば0.1〜2mmである。これより小さいとシートの剛性不足でバックライト組立工程などでの取り扱い性などに問題が生じる場合がある。これより大きくしても取り扱い上、特に利点はなく、むしろバックライトの薄型化、軽量化の妨げとなる場合がある。凸部の高さDはシートの厚みTに対し5%〜70%とすることが好ましい。これより大きいとシートが裂けやすくなるなど、取り扱い性に問題が生じる場合がある。これより小さくしても取り扱い上、特に利点はなく、むしろバックライトの薄型化、軽量化の妨げとなる場合がある。
【0041】
凸部を有するシートを製造するには、例えば押出し製造法、プレス成形法、光硬化性樹脂を使用したいわゆる2P成形法などを利用できる。
【0042】
押出し製造法、プレス成形法の場合、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を使用することができる。2P成形法の場合、基材シートとして上記樹脂のほか、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を使用することができ、光硬化性樹脂としてはウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂を使用することができる。
【0043】
このような成形法における成形型の耐久性や成形品の離形性などを考慮し、隣り合う頂部をつなぐ谷部(成形型としては凸状部)に面取りやフラット部、曲面部を設けることが好ましい(図4参照)。面取り部の幅Rは凸部11の頂部の幅Hに対し、1〜5%程度が好ましい。
【0044】
上述の例では、凸部11の頂部に凹部12を設けたが、これに限らず、図7に示されるように、溝部14に形成された光反射層15を、凸部11の頂部よりも外側にまで突出して形成することによって、隣接する光反射層15間に空気層16を形成するようにしてもよい。このとき、光反射層15としては、膨張性を有する膨張インクを用いるとよい。
【0045】
実施例.
図8に実施例にかかる輝度向上シートの構成を示す。当該輝度向上シート1の厚みTは400μm、ピッチPは50μm、凸部11の頂部の幅Rは3μm、凹部12の曲率半径Rは10μm、凹部12の幅は23μm、凹部12の最大深さCは1μm、溝部14の深さDは77μmであった。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる輝度向上シートの凸部の先端部近傍を示す模式図である。
【図4】本発明にかかる輝度向上シートの一部構成を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる輝度向上シートの凸部の先端部近傍を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる輝度向上シートの溝部の構造を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図8】実施例にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図9】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図10】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図11】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図12】従来の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 輝度向上シート
2 拡散シート
11 凸部
12 凹部
13 斜面
14 溝部
15 光反射層
16 空気層
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型液晶表示装置や看板などに利用される面光源に用いられる輝度向上シートに関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶表示装置は、一般に、ドット状に画素を配した液晶パネルとバックライトを備え、各画素における光透過率を制御することによって、文字や映像の表示を実現する。バックライトは、例えば、冷陰極管、反射板、レンズシート等の組み合わせにより構成され、光の出射量分布が制御される。
【0003】
透過型液晶表示装置では、消費電力の軽減や高輝度化が要求されている。高輝度化を実現することは冷陰極管などの光源を増やすことで可能であるが、消費電力の増加につながるため実用的ではない。そこでバックライトからの出射光のうち法線方向から大きくずれた方向へ出射する光を制御し、正面方向の輝度を高める技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、入射面に凸部を有した輝度向上シートが開示されている。この輝度向上シートでは、凸部の頂部を光入射部とし、凸部の斜面を光反射面とし、隣り合う頂部の間(以下溝部と称することがある)に光反射層が設けられている。光入射部へ入射する光線のうち、シート面への入射角が比較的小さい(シート面に垂直に近い)光線は、そのまま出射側へ到達し、比較的小さい出射角で出射する。また、光入射部へ入射する光線のうち、シート面への入射角が比較的大きい(シート面に斜めに入射する)光線は、光入射部で屈折した後、凸部斜面で反射し、正面方向へ曲げられる。さらに、光反射層へ入射した光線は光源側へ反射され、光拡散シートあるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シートへ入射することによって再利用される。
【0005】
このため、特許文献1に開示された輝度向上シートは全体としては拡散光である入射光を正面方向へ集光する効果がある。
【0006】
また、特許文献1に開示された輝度向上シートに対して拡散シートを重ねて配置すると、輝度向上シートの光入射部が拡散シートの出射面と接触する。そのため、光入射部が傷付いて輝度ムラが生じる場合がある。また、ニュートンリング現象により色付き、色ムラ、輝度ムラが生じる場合もある。
【0007】
これらの問題は、輝度向上シートの光入射部と拡散シートの出射面とを透明接着剤などで接着することにより避けることができる。しかし、その場合は別の問題が生じる。かかる問題について図9〜図12を用いて、さらに説明する。
【0008】
図9に示すように、輝度向上シート1の凸部11が拡散シート2の出射面と接していない場合、入射した光線は凸部11の頂部において屈折するため、比較的大きな入射角で入射した光線であっても輝度向上シート1の内部では臨界角以内の角度で進む。そのため斜面15に到達した光線は斜面15に対し比較的大きな入射角となり、正面方向へ集光される。
【0009】
一方、図2に示すように輝度向上シート1の凸部11の頂部が拡散シート2の出射面と接着されている場合、入射した光線は凸部11の頂部で屈折せず、比較的大きな入射角で入射した光線は輝度向上シート1の内部をそのままの角度で進む。そのため斜面15に到達した光線は斜面15に対し比較的小さな入射角となり、正面方向へ集光されない。
【0010】
この不具合を避けるため、図3に示すように輝度向上シート1の凸部11における斜面15の角度θを大きくすると、凸部11の高さが低くなる。そのため比較的大きな入射角で入射した光線であっても斜面15で反射せず、そのまま出射面へ到達し、界面で屈折して正面方向へ集光されない。
【0011】
図4に示すように輝度向上シートの斜面15の角度θを小さくすると、正面方向へ集光する性能を改善できるが、金型の製造、形状転写性、離形性などの点で問題がある。
【0012】
【特許文献1】特開平10−106327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、特許文献1に開示された輝度向上シートと拡散シートを重ねて配置すると、傷付き、色付きなどの問題が生じる場合がある一方、接着すると正面方向へ集光されない、という問題がある。
【0014】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、拡散シート等の光学シートと重ねて配置した場合にも、傷付き、色付きなどの問題が発生しない輝度向上シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる輝度向上シートは、入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、前記凸部の頂部に凹部が形成されたものである。
【0016】
ここで、前記凹部は、断面において円弧の一部であることが望ましい。
【0017】
また、前記凹部は、前記頂部の全領域に凹みが設けられて形成されていることが望ましい。
【0018】
前記凹部は、前記頂部の中央領域のみに凹みが設けられて形成されていてもよい。
【0019】
好適な実施の形態における前記凹部の最大深さは、0.5μm以上であり、また、前記凹部の最大深さは、前記頂部の幅の20%以下である。
【0020】
本発明にかかる他の観点による輝度向上シートは、入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、前記凸部の頂部の少なくとも一部は、前記光反射部の頂部よりも低いものである。
【0021】
上述の輝度向上シートは、その入射面側に拡散シートが重ねて配置される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、拡散シート等の光学シートと重ねて配置した場合にも、傷付き、色付きなどの問題が発生しない輝度向上シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
まず、発明の実施の形態にかかる輝度向上シートの概略構成について説明する。図1は、当該輝度向上シートの断面図を示す。図2は、輝度向上シートの各部分のサイズを説明するために記号を表記した断面図である。本実施の形態にかかる輝度向上シート1は、拡散シート2等の光学シートとともに用いられる。拡散シート2は、当該輝度向上シート1の入射面側に設けられ、光源から出射された光を入射し、拡散させて輝度向上シート1に対し出射する。輝度向上シート1と拡散シート2は、光反射層14において透明性接着剤により接着されていてもよいが、単に重ね合わされて用いられる場合もある。
【0024】
輝度向上シート1の入射面側には、複数の凸部11が形成されている。凸部11は、基部から光源側に突出して形成され、先端部に近づくにつれてその断面が小さくなるような錐状に形成されている。例えば、凸部11は、円錐状や、四角錐等の形状を有しており、相互に均等な間隔で配置されている。凸部11の頂部は、光源等からの光を入射する光入射部として機能する。
【0025】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1では、凸部11の先端にある頂部(即ち、光入射部)に球面状に凹んだ凹部12が形成されている。このように、凸部11の頂部に凹部12が設けられ、これにより凹みを有するため、拡散シート2等の光学シートに重ねて配置しても、凸部11の頂部と拡散シート2の間に空気層が形成されるので凸部11の頂部が傷つかない。また凸部11の頂部が拡散シート2等の光学シートの出射面と接触しないため、ニュートンリング現象による色付き、色ムラ、輝度ムラが生じない。さらに凹部12内に空気が存在するため、頂部の凹部界面で光線の屈折が生じ、シート面に対し比較的大きな入射角で入射した光線であっても正面方向へ集光される。
【0026】
凸部11の側面に形成される斜面13の形状は、断面において直線、放物線の一部とすることができる(図3参照)。直線の場合には、金型の設計製造が簡単という利点がある。
【0027】
斜面13の形状が放物線の一部である場合、その焦点を通り、放物線で反射した光線がシートに垂直な平行光となる。そのため、図3に示されるように、凸部11の頂部を、斜面の形状から近似される仮想的な放物線の焦点F近傍に配置することが好ましい。例えば、頂点Oから凸部頂部までの距離Aが、斜面の形状から近似される仮想的な放物線の頂点Oから焦点Fまでの距離fに対し、0.5倍〜2倍程度とすることが好ましい。また、斜面13の形状は放物線に類似した折れ線、楕円、双曲線などであっても良い。
【0028】
図5に示される、斜面13の角度θは、5度以上30度以下が好ましい。これより小さいと金型の耐久性や成形転写性、離型性に問題が生じる場合がある。また、斜面13の形状が折れ線や曲線である場合でも、やはり斜面13の角度θが最大30度、最小5度とすることが金型の耐久性や成形転写性、離型性の観点から好ましい。
【0029】
凹部12の形状は、図4に示されるように、断面において円弧の一部とすることができる。また、「へ」の字型や台形などとすることも可能である。また、他の光学シートとの間に空気層を形成し、上述の効果を十分に発揮するためには、図5(a)に示されるように、頂部の全てに凹みを設けることが好ましい。その一方で、図5(b)に示されるように、耐傷付き性などを考慮して頂部の一部のみ、例えば中央領域のみに凹みを設けても良い。
【0030】
凹部12の最大深さCは、0.5μm以上が好ましい。これより小さいとニュートンリング現象による問題を充分に解消できない場合がある。凹部12の最大深さCは、凸部11の頂部の幅Hに対し、20%以下が好ましい。また凹部12の傾斜部とシート面とがなす角度の最大値φは30度以下が好ましい。これより大きい場合、光反射層15の形成が困難になる場合がある。
【0031】
隣り合う凸部11の間に形成される溝部14には光反射層(光反射部)15が設けられる。したがって、輝度向上シート1のうち、凸部11の頂部以外の領域に入射した光線は、光源側、即ち拡散シート2側へ反射され、拡散シート2あるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シート1へ入射することで再利用される。凸部11の頂部の少なくとも一部は、光反射層15の頂部(再外面)よりも低くなる。
【0032】
光反射層15の形成方法としては、例えば凸部11を形成した側の面全体に、溝部14を充分に埋めるように光拡散性のインクを塗布し、掻き取り具で頂部以外のインクを除去した後、インクを硬化する方法がある。このほか、凸部11を形成した側の面の端部にインク溜まりを形成し、掻き取り具でインク溜まりを塗り広げながら掻き取ることによっても溝部14のみにインクを充填できる。以下、このような光反射層15の形成法を掻き取り法あるいは掻き取り印刷法と称することがある。掻き取り具は例えばゴム製のスキージなどを使用できる。ゴム硬度(JIS K6253に準ずる)は60〜90程度が好ましい。
【0033】
このように溝部14に光拡散性の材料を充填して光反射層15を形成する場合、硬化後の光拡散性の材料の屈折率が、凸部11の屈折率より小さいことが好ましい。これにより斜面13へ入射した光線の一部が全反射し、効率的に正面方向へ集光される。
【0034】
全反射を利用する場合、溝部14に空気層を残す形態が最も効率が高い。そこで斜面13の形状を図6(a)のように折れ線状とし、くびれ133を境に幅狭部分131、幅広部分132を形成するようにしてもよい。
このような形状を有する溝部14に比較的高粘度のインクを充填することにより、溝部14の幅が比較的広い幅広部分132のみに光反射層142が形成され、また溝部14に空気層141を残す形態が可能となる。インクの粘度は例えば1000mPa・s以上(25℃、E型粘度計、0.5rpm)とすることが好ましい。
【0035】
図6(a)に示すように斜面の空気層141を残す幅狭部分131の最大幅は20μm以下、好ましくは15μm以下とすることが好ましい。斜面14の形状は図6(a)に示す形状のほか、図6(b)に示す階段状とすることができる。
【0036】
あらかじめ斜面13に金属蒸着などにより反射層を形成し、その後溝部14に光拡散性の材料を充填して光反射層15を形成してもよい。このように凸部11の斜面13に反射層を形成する場合は溝部14に充填する光拡散性の材料の屈折率は特に制限されない。
【0037】
金属蒸着などによる光反射層15の形成工程に先立ち、凸部11の頂部へ離型層を形成しておいてもよい。離型層としては、例えばポリシロキサンを数μm塗布することができる。凸部11の頂部のみへロール印刷などによりポリシロキサンを塗布し、凸部11を形成した側の面に対して全面に金属蒸着を施した後、粘着部材で頂部の金属蒸着を除去することで溝部14のみに光反射層を形成することができる。
【0038】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1を液晶表示装置用のバックライトとして用いる場合、凸部11のピッチP(図2参照)が液晶表示装置の画素と干渉し、モアレ障害が発生する場合がある。これを回避するため、凸部11のピッチPは1mm以下とすることが好ましく、さらに0.5mm以下、特には0.2mm以下とすることが好ましい。
【0039】
凸部11の頂部の幅H(図4参照)は、ピッチPに対し0.2〜0.8倍とすることが好ましい。これより大きいと斜面13の角度θが小さくなり過ぎ、効率的に正面方向へ集光することが困難になる場合がある。これより大きいと光反射層15の面積割合が大きくなり過ぎ、光の利用効率が低下することがある。光反射層15に入射した光線は拡散シート2側へ反射され、拡散シート2あるいは光源下部に設けられた反射部材などで散乱反射された後、再び輝度向上シートへ入射することで再利用されるが、実際の反射率は100%ではないため、再利用される光の割合が大きすぎると光の利用効率が低下するためである。
【0040】
本実施の形態にかかる輝度向上シート1の厚みTは、光学性能に特に影響は無いが、例えば0.1〜2mmである。これより小さいとシートの剛性不足でバックライト組立工程などでの取り扱い性などに問題が生じる場合がある。これより大きくしても取り扱い上、特に利点はなく、むしろバックライトの薄型化、軽量化の妨げとなる場合がある。凸部の高さDはシートの厚みTに対し5%〜70%とすることが好ましい。これより大きいとシートが裂けやすくなるなど、取り扱い性に問題が生じる場合がある。これより小さくしても取り扱い上、特に利点はなく、むしろバックライトの薄型化、軽量化の妨げとなる場合がある。
【0041】
凸部を有するシートを製造するには、例えば押出し製造法、プレス成形法、光硬化性樹脂を使用したいわゆる2P成形法などを利用できる。
【0042】
押出し製造法、プレス成形法の場合、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を使用することができる。2P成形法の場合、基材シートとして上記樹脂のほか、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を使用することができ、光硬化性樹脂としてはウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂を使用することができる。
【0043】
このような成形法における成形型の耐久性や成形品の離形性などを考慮し、隣り合う頂部をつなぐ谷部(成形型としては凸状部)に面取りやフラット部、曲面部を設けることが好ましい(図4参照)。面取り部の幅Rは凸部11の頂部の幅Hに対し、1〜5%程度が好ましい。
【0044】
上述の例では、凸部11の頂部に凹部12を設けたが、これに限らず、図7に示されるように、溝部14に形成された光反射層15を、凸部11の頂部よりも外側にまで突出して形成することによって、隣接する光反射層15間に空気層16を形成するようにしてもよい。このとき、光反射層15としては、膨張性を有する膨張インクを用いるとよい。
【0045】
実施例.
図8に実施例にかかる輝度向上シートの構成を示す。当該輝度向上シート1の厚みTは400μm、ピッチPは50μm、凸部11の頂部の幅Rは3μm、凹部12の曲率半径Rは10μm、凹部12の幅は23μm、凹部12の最大深さCは1μm、溝部14の深さDは77μmであった。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる輝度向上シートの凸部の先端部近傍を示す模式図である。
【図4】本発明にかかる輝度向上シートの一部構成を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる輝度向上シートの凸部の先端部近傍を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる輝度向上シートの溝部の構造を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図8】実施例にかかる輝度向上シートの構成を示す断面図である。
【図9】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図10】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図11】従来の問題点を説明するための説明図である。
【図12】従来の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1 輝度向上シート
2 拡散シート
11 凸部
12 凹部
13 斜面
14 溝部
15 光反射層
16 空気層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、
前記凸部の頂部に凹部が形成された輝度向上シート。
【請求項2】
前記凹部は、断面において円弧の一部であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項3】
前記凹部は、前記頂部の全領域に凹みが設けられて形成されていることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項4】
前記凹部は、前記頂部の中央領域のみに凹みが設けられて形成されていることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項5】
前記凹部の最大深さは、0.5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項6】
前記凹部の最大深さは、前記頂部の幅の20%以下であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項7】
入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、
前記凸部の頂部の少なくとも一部は、前記光反射部の頂部よりも低い輝度向上シート。
【請求項8】
前記輝度向上シートの入射面側に拡散シートが重ねて配置される請求項1〜7いずれかに記載の輝度向上シート。
【請求項1】
入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、
前記凸部の頂部に凹部が形成された輝度向上シート。
【請求項2】
前記凹部は、断面において円弧の一部であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項3】
前記凹部は、前記頂部の全領域に凹みが設けられて形成されていることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項4】
前記凹部は、前記頂部の中央領域のみに凹みが設けられて形成されていることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項5】
前記凹部の最大深さは、0.5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項6】
前記凹部の最大深さは、前記頂部の幅の20%以下であることを特徴とする請求項1記載の輝度向上シート。
【請求項7】
入射面側に設けられ、その頂部より光を入射し、かつその斜面で光を反射する凸部と、当該凸部の間に設けられた光反射部とを備えた輝度向上シートであって、
前記凸部の頂部の少なくとも一部は、前記光反射部の頂部よりも低い輝度向上シート。
【請求項8】
前記輝度向上シートの入射面側に拡散シートが重ねて配置される請求項1〜7いずれかに記載の輝度向上シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−210771(P2009−210771A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53063(P2008−53063)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]