説明

輪列装置の組立て方法およびその輪列装置

【課題】 組立て作業性が良く、互いに重なり合う複数の光透過部を光軸上に精度良く形成でき、光検出の精度を高めることができる輪列装置の組立て方法およびその輪列装置を提供する。
【解決手段】 秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各歯車が重なり合う所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性を有する樹脂部35に貫通孔36を形成する際、各歯車を組立てて各樹脂部35を検出部13の検出位置Pである光軸上に重ね合せ、この状態で各歯車の樹脂部35に加熱された細い金属棒38を刺し込んで各樹脂部35の一部を溶融させて貫通孔を光軸上に一度に形成する。このため、組立て作業性が良く、互いに重なり合う貫通孔36を光軸上に精度良く形成することができるので、光検出の精度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子腕時計などの電子時計に用いられる輪列装置の組立て方法およびその輪列装置に関し、更に詳しくは互いに重なり合った状態で回転する複数の歯車の回転位置を光検出部によって検出する輪列装置の組立て方法およびその輪列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、互いに重なり合った状態で回転して指針を運針させる複数の歯車の回転位置を、発光素子と受光素子とからなる光検出部によって検出する輪列装置を備えた電子腕時計が知られている。
【特許文献1】特開2000−162336
【0003】
この種の電子腕時計における輪列装置は、複数の歯車の各基準位置に光透過孔をそれぞれ設け、この複数の歯車を重ね合わせた状態で、その重なり合った一方側から光検出部の発光素子で光を照射し、この照射された光が複数の歯車の各光透過孔を透過した際、その透過光を光検出部の受光素子で受光することにより、複数の歯車の回転位置を検出するように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の輪列装置では、これを組立てる際、歯車の光透過孔に細い棒を挿入させながら、複数の歯車を順次重ね合わせて組立ているが、歯車の製造時にその歯車に僅かな誤差があると、その誤差が複数の歯車の重なり合いによって大きな誤差になる場合がある。このため、複数の歯車の各光透過孔が光検出部の光軸上である基準位置から少しずつそれぞれ異なる方向にずれると、複数の歯車の各光透過孔に細い棒を順次挿入させながら組立てることが難しくなり、組立て作業が煩雑で、歩留まりが悪く、光検出の精度が低下するという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、組立て作業性が良く、重なり合う複数の光透過部を光軸上に精度良く形成でき、光検出の精度を高めることができる輪列装置の組立て方法およびその輪列装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、互いに重なり合った状態で回転する複数の歯車の回転位置を光検出部によって検出する輪列装置の組立て方法において、前記複数の歯車のうち、所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性樹脂部を重ね合わせる第1の工程と、この第1工程により重ね合わせた前記複数の樹脂部を前記光検出部の光軸上の位置に回転移動し、この回転移動した状態で当該複数の樹脂部における前記光軸上に光透過部を形成する第2の工程と、を有することを特徴とする輪列装置の組立て方法である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記第1の工程に先立って、前記樹脂部を、遮光性を有する熱可塑性樹脂で形成し、前記第2の工程において、前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部を過熱棒の加熱によって溶融させ、前記樹脂部に貫通孔を前記光透過部として形成することを特徴とする請求項1に記載の輪列装置の組立て方法である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記第1の工程に先立って、前記樹脂部を、遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂で形成し、前記第2の工程において、前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部に前記特定波長の光をスポット照射させ、前記樹脂部に透明部を前記光透過部として形成することを特徴とする請求項1に記載の輪列装置の組立て方法である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、互いに重なり合った状態で回転する複数の歯車の回転位置を光検出部によって検出する輪列装置において、前記複数の歯車の重なり合う所定箇所にそれぞれ遮光性を有する樹脂部を設け、この複数の樹脂部を前記光検出部の光軸上に重ね合せた状態で、当該複数の樹脂部における前記光軸上に光透過部を形成したことを特徴とする輪列装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記歯車が金属で形成されており、前記樹脂部は前記歯車における前記光透過部を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域に対応する箇所に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記歯車が遮光性を有する第1の合成樹脂で形成されており、前記樹脂部は前記歯車における前記光透過部を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域に対応する箇所に第2の合成樹脂によって2色成形されていることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記樹脂部が遮光性を有する熱可塑性樹脂からなり、前記光透過部は加熱された細い金属棒によって前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部を溶融させることにより前記樹脂部に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の輪列装置である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、前記樹脂部が遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂で形成されており、前記光透過部は前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部に前記特定波長の光をスポット照射させて透明な状態にすることにより前記樹脂部に形成された透明部であることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、複数の歯車が重なり合う所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性を有する樹脂部に光透過部を形成する際、複数の歯車を組立てて各樹脂部を光検出部の光軸上に重ね合せ、この状態で複数の歯車の各樹脂部における光軸上に光透過部を一度に形成することができる。このため、組立て作業性が良くなるばかりでなく、重なり合う複数の光透過部を光軸上に精度良く形成することができるので、光検出の精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図1〜図14を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した一実施形態について説明する。
図1および図2に示すように、この指針式の電子腕時計1は、時計モジュール1Aを備えている。この時計モジュール1Aは、秒針2、分針3、時針4が文字板5の上方を運針して時刻を指示するものであり、腕時計ケースTK内に配置されている。腕時計ケースTKの上部には、時計ガラスGが取り付けられており、この腕時計ケースTKの下部には、裏蓋UBが取り付けられている。
【0016】
時計モジュール1Aは、図2に示すように、上部ハウジング6と下部ハウジング7とを備え、これらの間に時計ムーブメント8が設けられた構成になっている。上部ハウジング6の上面には、ソーラーパネル9を介して文字板5が設けられている。また、下部ハウジング7の内面には、回路基板10が設けられている。
【0017】
時計ムーブメント8は、図2〜図5に示すように、秒針2を運針させる第1駆動系11と、分針3および時針4を運針させる第2駆動系12と、秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出すための検出部13とを備えている。
第1、第2駆動系11、12は、地板14、輪列受15、中受16に取り付けられた状態で、上部ハウジング6と下部ハウジング7との間に配置されている。
【0018】
第1駆動系11は、図2〜図6に示すように、第1ステッピングモータ17と、この第1ステッピングモータ17によって回転される五番車18と、この五番車18によって回転される四番車である秒針車20とを備えている。秒針2は、この秒針車20の秒針軸20aに取り付けられている(図5参照)。
第1ステッピングモータ17は、図2に示すように、コイルブロック17aと、ステ―タ17bと、ロータ17cとを備えている。電流をコイルブロック17aに流すと、磁界を発生し、ロータ17cが180度の角度ずつステップ回転されるように構成されている。
【0019】
五番車18は、図2〜図4に示すように、第1ステッピングモータ17におけるロータ17cのロータカナ17dに噛み合って回転する。秒針車20は、五番車18のカナ18aに噛み合って回転する。この秒針車20の中心部には、秒針軸20aが設けられている。この秒針軸20aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。この突出した先端部に図5に示すように秒針2が取り付けられている。また、この秒針車20には、図6および図8に示すように、後述する第1光透過孔部21が設けられている。
【0020】
一方、第2駆動系12は、図2〜図6に示すように、第2ステッピングモータ22と、この第2ステッピングモータ22によって回転する中間車23と、この中間車23によって回転する三番車24と、この三番車24によって回転する二番車である分針車25と、この分針車25によって回転する日の裏車26と、この日の裏車26によって回転する筒車である時針車27とを備えている。分針3は、分針車25の分針軸25aに取り付けられている。時針4は、時針車27の時針軸27aに取り付けられている。
【0021】
第2ステッピングモータ22は、図2に示すように、コイルブロック22aと、ステ―タ22bと、ロータ22cとを備えている。電流をコイルブロック22aに流すと、磁界が発生して、ロータ22cが180度ずつステップ回転されるように構成されている。
中間車23は、図2〜図4に示すように、第2ステッピングモータ22におけるロータ22cのロータカナ22dに噛み合って回転する。この中間車23には、図6に示すように、後述する第4光透過孔部30が設けられている。三番車24は、中間車23のカナ23aに噛み合って回転し、分針車25は、三番車24のカナ24aに噛み合って回転する。
【0022】
この分針車25の中心部には、図2および図5に示すように、秒針車20の秒針軸20aが回転自在に挿入して上方に突出する円筒状の分針軸25aが設けられている。この分針軸25aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。この突出した先端部に図5に示すように分針3が取り付けられている。これにより、分針車25は、秒針車20の上側に重なった状態で秒針車20と同一軸上に配置されている。また、この分針車25には、図6に示すように、後述する第2光透過孔部28が設けられている。
【0023】
日の裏車26は、図2に示すように、分針車25のカナ25aに噛み合って回転する。時針車27は、日の裏車26のカナ26aに噛み合って回転する。この時針車27の中心部には、分針車25の分針軸25aが回転自在に挿入して上方に突出する筒状の時針軸27aが設けられている。この時針軸27aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。時針4は、この突出した先端部に図5に示すように取り付けられている。これにより、時針車27は、分針車25の上側に重なった状態で秒針車20および分針軸25と同一軸上に配置されている。また、この時針車27には、図6に示すように、後述する第3光透過孔部29が設けられている。
【0024】
第1、第2駆動系11、12にける各歯車の歯数、1パルスにおける各歯車の回転角、各歯車の1回転に要するパルス数、および第1〜第4光透過孔部21、28〜30の有無は、図7の表に示すように設定されている。
すなわち、第1駆動系11におけるロータ17cのロータカナ17dは1パルスで180度(以下、角度のタンを「°」と称する)回転(1ステップ)し、五番車18は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で36°回転する。四番車である秒針車20は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で6°回転することにより、60パルス(ロータ17cの60ステップ)で1回転する。
【0025】
第2駆動系12におけるロータ22cのロータカナ22dは1パルスで180°回転(1ステップ)し、中間車23は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で30°回転することにより、12パルス(ロータ22cの12ステップ)で1回転する。三番車24は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で4°回転し、二番車である分針車25は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1°回転することにより、360パルス(ロータ22cの360ステップ)で1回転する。日の裏車26は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/3°回転し、筒車である時針車27は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/12°回転することにより、4320パルス(ロータ22cの4320ステップ)で1回転する。
【0026】
検出部13は、図2に示すように、上部ハウジング6と回路基板10にそれぞれ設けられたLED(発光ダイオード)からなる発光素子31とフォトトランジスタからなる受光素子32を有していて、秒針車20の光透過孔部21a,21b,21cの1つ:分針車25の光透過孔部28:時針車27の光透過孔部30の1つ:中間車23の光透過孔部30が全て発光素子31と受光素子32の間の光通路即ち検出位置P(この実施形態の場合、検出位置Pとして正午位置(0時00分00秒位置)に設けた)と一致または一部重なったときに、それらの光透過部を通して発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を検出するように構成されている。検出位置Pとしては、11時55分位置など、他の位置に設けても良い。
【0027】
秒針車20の第1光透過孔部21は、図8に示すように、秒針車20の基準位置(00秒位置)に設けられた第1円形孔21aと、この第1円形孔21aにおける秒針2の運針方向側とその反対方向側との両側に異なる間隔の第1、第2遮光部21d、21eを隔てて設けられた第2、第3長孔21b、21cと、第1円形孔21aに対し秒針車20の直径上に位置する第2、第3長孔21b、21c間に設けられた第3遮光部21fとを備えている。
【0028】
第1円形孔21aは、図8および図10に示すように、秒針車20の直径が3〜4mm程度であることにより、その孔径が0.4〜0.5mm程度(秒針車20の円周に対する12°程度の幅)の大きさに形成されている。また、第2、第3の各長孔21b、21cのうち、第1長孔21bは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ48°位置(8秒位置)からほぼ168°位置(28秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。第2長孔21cは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ192°位置(32秒位置)からほぼ300°位置(50秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。
【0029】
第1、第2の各遮光部21d、21eのうち、秒針2の反運針方向側(図8では左回り側)に位置する第1遮光部21dは、図8に示すように、第1円形孔21aの直径(12°幅)に対して3倍程度の間隔、すなわち、第1円形孔21aの中心であるの基準位置(0°位置)から左回りにほぼ48°位置(8秒位置)までの間に、実質的に36°程度の幅の間隔で設けられている。
【0030】
また、秒針2の運針方向側と反対側(図8では右回り側)に位置する第2遮光部21eは、第1遮光部21dの間隔よりも第1円形孔21aの1個分程度長い間隔で設けられている。この間隔は、第1円形孔21aの直径に対して4倍程度の間隔であり、第1円形孔21aの中心であるの基準位置(0°位置)から右回りにほぼ60°位置(50秒位置)までの間に、実質的に48°程度の幅の間隔で設けられている。
【0031】
また、第3遮光部21fは、図8に示すように、第1円形孔21aに対し秒針車20の直径上に位置し、かつ、第2、第3長孔21b、21cの間に設けられている。この第3遮光部21fの幅は、第1円形孔21aの直径方向幅とほぼ同じに形成されている。この実施形態において、秒針車20、分針車25、時針車27の回転方向が明示されない場合は、図6に矢印で示したように、それぞれの軸心の周りに時計方向に回転するものとし、また、このとき中間車23の回転方向は軸心の回りで反時計方向とする。
【0032】
第1遮光部21dは、秒針車20の直径上に位置する第3長孔21cの一部に対応している。第2遮光部21eは、秒針車20の直径上に位置する第2長孔21bの一部に対応している。第3遮光部21fは、秒針車20の直径上に位置する第1円形孔21aに対応している。これにより、秒針車20は、第1〜第3遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置P(発光素子31と受光素子32とが対向する位置)に対応した状態で、180°回転(半回転)すると、必ず第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずかが検出部13の検出位置Pに対応するように構成されている。
【0033】
この秒針車20は、2ステップ(回転角12°であり、回転時間2秒)ずつ回転して、60ステップ(回転角360°であり、回転時間60秒)回転する間に、検出部13が2秒ごとに検出を行う。すなわち、秒針車20が0秒位置(0°位置)のときには、第1円形孔21aを検出部13が検出し、2秒位置(12°位置)から6秒位置(36°位置)までのときには、第1遮光部21dによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続する。
【0034】
秒針車20の8秒位置(48°位置)から28秒位置(168°位置)までのときには、第1長孔21bを検出部13が連続して検出する。30秒位置(180°位置)のときには、第3遮光部21fによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態になる。
32秒位置(192°位置)から50秒位置(300°位置)のときには、第2長孔21bを検出部13が連続して検出する。52秒位置(312°位置)から58秒位置(348°位置)までのときには、第2遮光部21eによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が4回連続する。
【0035】
一方、分針車25の第2光透過孔部28は、図6に実線で示すように、分針車25の基準位置(00分位置:0°位置)に設けられた1つの光検出孔(以下、円形孔と称する)である。この第2光透過孔部28の円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで、秒針車20の第1円形孔21aに対応する位置に設けられている。
時針車27の第3光透過孔部29は、図6および図9に示すように、時針車27の基準位置(0時位置:0°位置)から円周に沿って30°間隔で設けられ1個の光検出孔(以下、円形孔と称する)である。この基準位置の円形孔と11番目の円形孔との間に位置する11時位置(図9では1時位置)には、第4遮光部29aが設けられている。
【0036】
時針車27の第3光透過孔部29は、図9に示すように、0時位置を基準位置(0°位置)として、左回りに0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°の各位置、すなわち、時針4の運針方向に沿って(図9では逆回り)0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時の各位置にそれぞれ円形孔が設けられ、330°の11時位置(図9では1時位置)に第4遮光部29aが設けられている。この時針車27の第3光透過孔部29である各円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで形成されている。
【0037】
また、中間車23の第4光透過孔部30は、図6に実線で示すように、分針車25の第2光透過孔部28である1つの円形孔に対応する1つの円形孔であり、秒針車20の第1円形孔21aおよび分針車25の第2光透過孔部28である円形孔とほぼ同じ大きさで形成されている。この第4光透過孔部30は、中間車23の予め定められている位置、すなわち、分針車25の第2光透過孔28が検出部13の検出位置Pに対応したときに、分針車25の第2光透過孔部28に対応する位置に設けられている。
【0038】
光検出は、この実施の形態の場合、時針4の正時である0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時ごとに行うが、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、その各回転角が1ステップ(ロータ22cの半回転)で30°、1°、1/12°であることにより、図6に示すように、11時の位置を除いた時針4の正時において、第2〜第4光透過孔部28〜30の全てが検出部13の検出位置Pで重なり合うように構成されている。
【0039】
また、第1駆動系11の秒針車20の回転角は、1ステップ(ロータ17cの半回転)で6°である。この秒針車20は、60ステップ(60秒)ごとに第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応することにより、図6に示すように、時針4の正時(11時を除く)ごとに、第1光透過孔部21の第1円形孔21aが第2〜第4の各光透過孔部28〜30と重なり合うように構成されている。
【0040】
ここで、検出部13による秒針2、分針3、時針4の運針位置の検出は、次のように行われる。すなわち、秒針2、分針3、時針4が12時側の位置(図6では上部側の位置)で互いに重なるとき、第1〜第3の各光透過孔部21、28、29と中間車23の第4光透過孔部30は検出位置Pで重なり合う。このとき、発光素子31からの光は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30を透過して受光素子32により受光される。
【0041】
これに対して、検出部13は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30のいずれかが検出位置Pに対応しないときに、発光素子31からの光が遮断されるので、受光素子32は受光できずに、未検出状態となる。
【0042】
また、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、各ロータ17c、22cの向きを180°反転させることにより、秒針2、分針3及び時針4をそれぞれ1ステップ運針させる。このため、1ステップごとに第1、第2の各ステッピングモータ17、22に極性の異なるパルスを交互に印加することにより、各ロータ17c、22cを回転させる動作となる。このため、1ステップごとに同じ種類のパルスを第1、第2の各ステッピングモータ17、22に印加し続けても各ロータ17c、22cは回転せず、その場に停止した状態となる。
【0043】
秒針車20は、第1光透過孔部21の第1円形孔21aの大きさと1ステップの移動量との関係から、2ステップ回転させないと、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、2ステップ(2秒)ごとの検出を行っている。
これに対して、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、1ステップごとの検出を行っている。
【0044】
次に、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出するための基本的な秒針位置検出動作について説明する。
この基本的な秒針位置検出動作では、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23については無視することにする。この秒針車20の基準位置の検出は、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出することにより達成される。
【0045】
すなわち、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致した位置を検出することである。この秒針車20の基準位置の状態は、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致し、検出部13による光検出ができる状態である。
【0046】
この状態で、まず、秒針車20が2ステップ回転して回転角が12°になると、第1円形孔21aが検出位置Pから右回りにずれて、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の2秒位置に示した未検出状態になる。同様に、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の3秒〜6秒位置に示したように未検出状態が3回連続する
【0047】
この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の8秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる。同様にして、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が168°になるまで、第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の10秒〜28秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。
【0048】
この状態で、秒針車20が更に2ステップ回転して回転角が180°になると、第1長孔21bが検出位置Pから右回りにずれて、第3遮光部21fが検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の30秒位置に示したように、未検出状態になる。この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が192°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の32秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
【0049】
この後、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が300°になるまで、第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の34秒〜50秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。第2長孔21cが検出位置Pから右回りにずれて、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応すると、検出部13による光検出ができず、図8の52秒位置に示したように、未検出状態になる。
【0050】
同様に、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が348°になるまで、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の54秒〜58秒位置に示したように、未検出状態が4回連続する。この状態で、秒針車20が2ステップ回転して回転角が360°になると、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の0秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
【0051】
ここで、連続して光検出ができない未検出状態は、検出部13による光検出が3回連続してできない状態と、検出部13による光検出が4回連続してできない状態とであり、この2つの状態に着目すると、それぞれ2ステップごとに検出を行った場合、前者は未検出状態が3回連続し、後者は未検出状態が4回連続し、前者と後者とで連続する未検出回数が異なることがわかる。この連続して光検出ができない未検出状態をカウントすることにより、秒針車20の基準位置を特定することが可能になる。
【0052】
秒針車20は、2ステップ(2秒)ごとに検出を行う。この秒針車20の2ステップ(2秒)ごとの光検出において、未検出状態が4回連続した後、次の回で光検出ができた場合、その位置が基準位置(00秒位置)であることになる。仮に、第1円形孔21aが検出位置Pから右回りにずれた状態から未検出状態をカウントした場合は、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、未検出状態が3回連続し、この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、検出部13による光検出ができるため、未検出状態が4回連続する条件を満足することができず、基準位置でないことが分かる。これが秒針車20の基準位置を検出するための基本的な位置検出動作である。
【0053】
次に、分針車25と時針車27との各基準位置を検出するための基本的な時分位置検出動作について説明する。
この基本的な時分位置検出動作では、第1駆動系11の秒針車20については無視することにする。分針車25の第2光透過孔部28の基準位置は「00分位置」であり、時針車27の11個の各第3光透過孔部29のうちの一つの第3光透過孔部29の基準位置は「0時位置」)であることから、これらの基準位置と、中間車23の第4光透過孔部30とが、全て検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。
【0054】
まず、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに一致した状態から分針車25を1ステップ(1°)回転させると、中間車23が30°回転し、この中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pから離れ、検出部13の検出位置Pを中間車23が塞ぐ。このとき、分針車25は右回りに1°回転して第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な位置にある。
【0055】
この状態で、分針車25が1ステップずつ回転して、合計6ステップ(6°)回転すると、中間車23が180°回転し、第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから180°離れ、検出部13の検出位置Pを塞ぎ続ける。このときには、分針車25が右回りに6°回転して第2光透過孔部28が、検出部13の検出位置Pからほぼ半分だけずれるが、検出部13による光検出がまだ可能な位置にある(図10参照)。
【0056】
この後、分針車25が1ステップずつ回転して12ステップ(12°)回転すると、中間車23が360°回転して、第4光透過孔部30が検出位置Pに対応する。このときには、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからほぼ完全に離れ、第2光透過孔部28が検出位置Pとほとんど重なり合わない状態となり、分針車25が検出位置Pを塞いで、検出部13による光検出ができない状態になる。また、このときには、時針車27が1°回転するだけであるから、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の円形孔は、検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な状態にある
【0057】
分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに一致した状態から分針車25が360ステップ回転(1回転)すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応した状態になる。このとき、時針車27は第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pに一致した状態から30°回転し、第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
【0058】
このときには、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、また時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になるので、分針車25が基準位置(00分位置)であることが分かる。この状態で、分針車25が9時間分(合計10時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、時針車27は300°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11個目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
【0059】
この後、分針車25が更に1時間分(合計11時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応するが、時針車27は330°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11番目の円形孔が検出位置Pから離れ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応する。このため、検出部13による光検出ができない状態になる。この状態が、「11時00分位置」であると特定することができる。
【0060】
分針車25が更に1時間分(合計12時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27が360°回転し、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pから離れ、各第3光透過孔部29のうち、基準位置(0時位置)にある第3光透過孔部29が検出位置Pに対応するので、時針車27は第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pに一致した状態(0時00分位置)に戻る。
【0061】
このように、分針車25の1ステップの回転量が1°と非常に小さいため、分針車25の1ステップの回転量では第2光透過孔部28が検出位置Pから完全に離れることができず、分針車25の基準位置を正確に検出することができないことになるが、中間車23は1ステップで30°回転することにより、分針車25の1ステップにおける回転量が小さくても、中間車23の回転量が大きいので、この中間車23によって検出位置Pを塞ぐことができる。
【0062】
また、中間車23が12ステップで1回転すると、分針車25が12°回転するので、分針車25の第2光透過孔部28の円形孔が検出位置Pから完全に離れることになり、このため分針車25が検出位置Pを塞ぐことになる。このときには、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに一致しても、検出部13による光検出ができない状態になる。
【0063】
また、分針車25は、360ステップ回転して1回転し、その基準位置が検出位置Pに戻るごとに、分針車25の第2光透過孔部28と、中間車23の第4光透過孔部30と、時針車27の第3光透過孔部29のいずれか(但し、11時位置の第4遮光部29aを除く)とが、検出位置Pに対応することにより、時針車27の回転位置(11時位置を除く)に係わらず検出部13による光検出が可能な状態になる。
【0064】
さらに、分針車25の基準位置(0°位置)を検出した後は、分針車25を360ステップ(1回転)ずつ回転させると、時針車27が30°ずつ回転することにより、分針車25を1ステップごとに検出部13による光検出を行わなくても、分針車25を1回転させたときだけ、検出部13による光検出を実行すれば、時針車27の回転位置が検出できることになる。このとき、分針車25を360ステップずつ回転させて、検出部13による光検出を試みるとき、時針車27の第4遮光部29aと検出位置Pとが一致していると、光検出はできないが、このときの時針車27の位置は「11時00分位置」にあると特定することができる。
【0065】
この検出部13による光検出ができない「11時00分位置」から分針車25を更に360°回転させると、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能になる。すなわち、時針車27の基準位置は、検出位置Pが設けられている「0時00分位置」にあることになる。これにより、検出部13による光検出ができる状態から、分針車25が360°回転(1回転)するごとに、検出部13による光検出を試みることにより、検出部13による光検出できない位置から、更に分針車25を360°回転させて検出部13による光検出ができる時針車27の回転位置が見つかると、この位置を、時針車27の基準位置、すなわち、「0時00分位置」であると特定することができる。
【0066】
次に、通常運針時における正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているかを確認する基本的な針位置確認動作について説明する。
この基本的な針位置確認動作は、正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているのか否かについて判断するが、秒針2の場合は、11時、23時を除く正時ごとに秒針2が合っているか否かを判断して確認する。この場合、正時から10秒以内に秒針2のずれを確認することとしている。これは、正時から10秒経過すると、第2駆動系12の第2ステッピングモータ22によって分針車25が1ステップ(1°)回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、その中間車23に設けた1つの孔部30が分針車25の遮光部で遮られて、検出部13の検出位置Pを塞ぐので、光検出ができないことによる。
【0067】
通常運針時における正時(例えば2時)の状態で、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21a、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29(例えば3番目の円形孔)、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致している。この状態で、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転する通常運針をする。このときには、秒針車20は1秒ごとに6°回転するだけであるから、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れず、検出部13による光検出が可能な状態である。
【0068】
この後、秒針車20が更に1ステップ回転して、2ステップ(12°)回転した2秒位置になると、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れ、検出部13の検出位置Pが第1遮光部21dによって塞がれる。このときに、検出部13による光検出を試みると、検出部13による光検出ができない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントする。
【0069】
そして、秒針車20が1ステップずつ回転し、2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このとき、4秒位置、および6秒位置では、検出部13が秒針車20の第1遮光部21dによって連続して塞がれる。これにより、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
【0070】
この状態で、次に秒針車20が2ステップ回転し、8秒位置になり、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応し、検出部13による光検出ができたときに、秒針車20の基準位置である第1円形孔21aが8秒位置になることにより、秒針車20が正しく回転し、秒針2が正しい運針位置であることになる。すなわち、秒針2は、正時の位置から秒針車20が2ステップ回転するごとに、検出部13による検出を行い、検出部13による未検出状態が3回連続した後、次に検出部13による検出ができたときに、8秒位置であることになり、正しく運針していることになる。
【0071】
この後、秒針車20が更に2ステップ回転して10秒になると、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応して検出部13による光検出が可能になるが、分針車25が1ステップ(1°)回転し、中間車23が1ステップ(30°)回転することにより、分針車25の第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pから完全に離れていなくても、中間車23の第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから完全に離れて、中間車23が検出部13を塞ぐことになる。このため、通常運針時における針合わせは、毎正時から10秒以内に行っている。
【0072】
次に、図11〜図14を参照して、この指針式の電子腕時計1において、第1駆動系11と第2駆動系12とからなる輪列装置を組立てる場合について説明する。
まず、図11に示すように、複数の歯車のうち、互いに重なり合う秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の所定箇所に遮光性を有する樹脂部35をそれぞれ設け、この樹脂部35がそれぞれ設けられた秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を重ね合わせて組立てる(この組立てを第1の工程という)。この後、図12に示すように、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23にそれぞれ設けられた各樹脂部35を検出部13の検出位置Pである光軸上の位置まで回転駆動し、この回転駆動された各樹脂部35を検出位置Pに重ね合せ、この状態で各樹脂部35における光軸上に光透過部である貫通孔36を形成する(この形成を第2の工程という)。
【0073】
この場合、第1の工程に先立って、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23における第1〜第4の各光透過孔部21、28、29、30のうち、基準位置(0時00分00秒位置)に対応する箇所に樹脂部35をそれぞれ形成する。このため、秒針車20の第1光透過孔部21は、基準位置(00秒位置)の第1円形孔21a除いて、第2、第3の各長孔21b、21cを予め形成しておく。また、時針車27の第3光透過孔部29は、基準位置(12時位置)の円形孔を除いて、10個の円形孔を予め形成しておく。
【0074】
また、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各基準位置の円形孔は、全て同じ状態で形成されるため、以下では、分針車25について説明する。
この分針車25は、図13および図14に示すように、金属からなり、その所定箇所である第2光透過部28を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域37に樹脂部35を形成する。すなわち、光透過部形成領域37は、図13および図14に示すように、基準位置(00分位置)である第2光透過孔部28を含む広い円形状の領域であり、第2光透過孔部28の円形孔よりも十分に大きい広円形孔に形成されている。樹脂部35は、遮光性を有する低融点の熱可塑性樹脂からなり、光透過部形成領域37の広円形孔内に設けられている。
【0075】
これと同様に、秒針車20にも、樹脂部35が第1光透過孔部21の基準位置(00秒位置)である第1円形孔21aに対応して設けられており、時針車27にも、樹脂部35が第3光透過孔部29の基準位置(12時位置)である円形孔に対応して設けられている。また、中間車23にも、樹脂部35が基準位置(00分位置)である第4光透過孔部30に対応して設けられている。そして、図11に示すように、秒針車20、分針車25、時針車27を上下反転させて同軸上に重ね合わせた状態で組み付けると共に、中間車23の一部を分針車25に重ね合わせた状態で組み付ける。
【0076】
次に、第2の工程では、まず、電子回路のCPU(中央演算処理装置)で制御しながら第2ステッピングモータ22を駆動して分針車25と時針車27とを基準位置(12時00分位置)に対応する状態に配置し、この分針車25の分針軸25aに分針3を取り付けると共に、時針車27の時針軸27aに時針4を取り付ける。この後、第1ステッピングモータ17を駆動して秒針車20を基準位置(00秒位置)に対応する状態に配置し、この秒針車20の秒針軸20aに秒針2を取り付ける。
【0077】
この状態では、図11に示すように、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35が基準位置(0時00分00秒位置)において検出部13の検出位置Pである光軸上で互いに重なり合うと共に、秒針2、分針3、時針4は、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35に重なり合わず、各樹脂部35から離れた位置に配置される。
【0078】
この後、図12に示すように、細い金属棒38を加熱して、この加熱された細い金属棒38を検出位置Pである光軸上に重なり合った秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35に、秒針車20側(図12では下側)から時針車27側(図12では上側)に向けて刺し込む。このときには、各樹脂部35が低融点の熱可塑性樹脂で形成されているので、加熱された細い金属棒38によって検出位置Pである光軸上に位置する各樹脂部35の一部が溶け、図13および図14に示すように、各樹脂部35における光軸上に円形状の貫通孔36が光透過部としてそれぞれ形成される。
【0079】
これにより、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35に、図2に示すように、光検出部13の発光素子31で発光した光が透過する秒針車20の第1光透過孔部21における基準位置(00秒位置)の第1円形孔21a、分針車25の基準位置(00分位置)である第2光透過孔部28の円形孔、時針車27の第3光透過孔部29における基準位置(12時位置)の円形孔、および中間車23の基準位置(00分位置)である第4光透過孔部の円形孔にそれぞれ対応する貫通孔36が、検出位置Pである光軸上に一度に形成される。
【0080】
このように、この電子腕時計によれば、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の重なり合う所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性を有する樹脂部35に貫通孔36を形成する際、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を組立てて秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35を検出部13の検出位置Pである光軸上に重ね合せ、この状態で各樹脂部35における光軸上に貫通孔36を一度に形成することができる。このため、組立て作業性が良く、互いに重なり合う複数の貫通孔36を光軸上に精度良く形成することができるので、光検出の精度を高めることができる。
【0081】
この場合、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23はそれぞれ金属で形成されており、これら秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35は第1〜第4の各光透過孔部21、28、29、30の各基準位置の円形孔を含んでその周囲近傍に跨る光透過孔形成領域37に対応する広円形孔の箇所にそれぞれ形成されているので、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を組立てて各樹脂部35を検出位置Pである光軸上に重ね合わせた際、余裕をもって各樹脂部35を確実に重ね合わせることができ、これにより各樹脂部35における光軸上に貫通孔36を確実に形成することができる。
【0082】
また、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23にそれぞれ設けられた各樹脂部36は遮光性を有する低融点の熱可塑性樹脂からなり、この各樹脂部35にそれぞれ形成された貫通孔36は、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を組立てて、検出位置Pである光軸上に各樹脂部35を重ね合わせた状態で、各樹脂部35に加熱された細い金属棒38を刺し込んで検出位置Pである光軸上に位置する各樹脂部35の一部をそれぞれ溶融させることにより、各樹脂部35における光軸上に各貫通孔36を一度に形成することができる。このため、組立て作業性が良く、且つ互いに重なり合う複数の貫通孔36を光軸上に精度良く形成することができる。
【0083】
なお、前記実施形態1では、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23にそれぞれ設けられた各樹脂部36に、加熱された細い金属棒38を刺し込んで貫通孔36を検出位置Pである光軸上に形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図15に示す第1変形例のように、レーザー光線を検出位置Pである光軸上に位置する秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部35に照射させて、各樹脂部35の一部をそれぞれ溶かすことにより、各樹脂部35における光軸上に各貫通孔36を一度に形成するようにしても良い。
【0084】
(実施形態2)
次に、図16〜図18を参照して、この発明を適用した電子腕時計の実施形態2について説明する。なお、図1〜図14に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この指針式の電子腕時計は、第1駆動系11と第2駆動系12とからなる輪列装置の各歯車のうち、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23における検出部13の検出位置Pである光軸上に光透過部40をそれぞれ形成した構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0085】
この場合にも、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各基準位置(0時00分00秒位置)の各円形孔は、全て同じ状態で形成されるため、以下では、分針車25について説明する。この分針車25は、図17および図18に示すように、金属からなり、その所定箇所である第2光透過部28を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域37に遮光性を有する樹脂部41を形成する。
【0086】
すなわち、光透過部形成領域37は、実施形態1と同様、基準位置に位置する第2光透過孔部28を含んでその周囲近傍に跨る広い円形状の領域であり、第2光透過孔部28の円形孔よりも十分に大きい広円形孔に形成されている。樹脂部41は、遮光性を有し、且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂、例えば紫外線に反応して透明な状態になる紫外線反応樹脂からなり、光透過部形成領域37の広円形孔内に設けられている。
【0087】
これと同様に、秒針車20にも、樹脂部41が第1光透過孔部21の基準位置(00秒位置)である第1円形孔21aに対応して設けられており、時針車27にも、樹脂部41が第3光透過孔部29の基準位置(0時位置)である円形孔に対応して設けられている。また、中間車23にも、樹脂部41が基準位置(00分位置)である第4光透過孔部30に対応して設けられている。そして、図16に示すように、秒針車20、分針車25、時針車27を上下反転させて同軸上に重ね合わせた状態で組み付けると共に、中間車23の一部を分針車25に重ね合わせた状態で組み付ける。
【0088】
この状態で、まず、電子回路のCPUで制御しながら第2ステッピングモータ22を駆動して分針車25と時針車27とを基準位置(12時00分位置)に対応した状態に配置し、この分針車25の分針軸25aに分針3を取り付けると共に、時針車27の時針軸27aに時針4を取り付ける。この後、第1ステッピングモータ17を駆動して秒針車20を基準位置(00秒位置)に対応する状態に配置し、この秒針車20の秒針軸20aに秒針2を取り付ける。
【0089】
このときには、図16に示すように、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部41が基準位置(0時00分00秒位置)において検出部13の検出位置Pである光軸上で互いに重なり合うと共に、秒針2、分針3、時針4は、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部41に重なり合わず、各樹脂部41から離れた位置に配置される。
【0090】
この状態で、図16に示すように、紫外線などの特定波長の光を検出位置Pである光軸上で重なり合った秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部41に、秒針車20側(図16では下側)から時針車27側(図16では上側)に向けてスポット照射する。このときには、各樹脂部41が紫外線反応樹脂などの感光性樹脂で形成されているので、図17および図18に示すように、スポット照射された紫外線などの特定波長の光によって検出位置Pである光軸上に位置する各樹脂部41の一部が反応して順次透明な状態になり、各樹脂部41における光軸上に円形状の透明部40が光透過部としてそれぞれ形成される。
【0091】
これにより、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各樹脂部41に、図16に示すように、光検出部13の発光素子31で発光した光が透過する秒針車20の第1光透過孔部21の基準位置(00秒位置)である第1円形孔21a、分針車25の基準位置(00分位置)である第2光透過孔部28の円形孔、時針車27の第3光透過孔部29の基準位置(0時位置)である円形孔、および中間車23の基準位置(00分位置)である第4光透過孔部の円形孔にそれぞれ対応する透明部40が光透過部として検出位置Pである光軸上に一度に形成される。
【0092】
このような指針式の電子腕時計においても、実施形態1と同様、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の重なり合う所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性を有する樹脂部41に透明部40を光透過部として形成する際、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を組立てて各樹脂部41を検出部13の検出位置Pである光軸上に重ね合せ、この状態で各樹脂部41における光軸上に透明部40を一度に形成することができる。このため、組立て作業性が良く、互いに重なり合う複数の透明部40を光軸上に精度良く形成することができるので、光検出の精度を高めることができる。
【0093】
すなわち、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23にそれぞれ設けられた各樹脂部41は遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂、例えば紫外線に反応して透明な状態になる紫外線反応樹脂からなり、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23を組立てて各樹脂部41を検出部13の検出位置Pである光軸上に重ね合わせた状態で、紫外線などの特定波長の光を樹脂部41の一部にスポット照射させて各樹脂部41を反応させることにより、各樹脂部41における光軸上にそれぞれ透明部40を一度に形成することができる。このため、組立て作業性が良く、且つ互いに重なり合う複数の光透過部40を光軸上に精度良く形成することができる。
【0094】
なお、前記実施形態1、2では、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各歯車をそれぞれ金属で形成し、この各歯車に光透過部形成領域37の広円形孔をそれぞれ設け、この各光透過部形成領域37の広円形孔に樹脂部35、41をそれぞれ設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図19に示す第2変形例のように、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各歯車をそれぞれ樹脂で形成し、この各歯車に光透過部を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域37の広円形孔をそれぞれ設け、この各光透過部形成領域37の広円形孔に樹脂部35、41を2色成形によってそれぞれ一体に形成し、この各樹脂部35、41における光軸上に貫通孔36または透明部40をそれぞれ一度に形成するようにしても良い。
【0095】
また、これに限らず、例えば図20に示す第3変形例のように、秒針車20、分針車25、時針車27、および中間車23の各歯車をそれぞれ透明な樹脂で形成し、この透明な各歯車の一面に、遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる樹脂層50をそれぞれ設け、検出部13の検出位置Pである光軸上に位置する各樹脂層50の一部に特定波長の光をスポット照射させて、透明部51を光透過部としてそれぞれ光軸上に一度に形成するようにしても良い。
【0096】
さらに、前記実施形態1、2およびその各変形例では、指針式の電子腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも電子腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の電子時計に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】この発明を適用した指針式の電子腕時計の実施形態1における時計モジュールを示した平面図である。
【図2】図1の時計モジュールにおける要部を示した拡大断面図である。
【図3】図3の時計ムーブメントの要部を示した拡大斜視図である。
【図4】図2の時計ムーブメントの要部を裏蓋側から見た拡大底面図である。
【図5】図2の要部を示した拡大断面図である。
【図6】図4の秒針車、分針車、時針車を分解した拡大平面図である。
【図7】図2の第1駆動系と第2駆動系とにおける各歯車の歯数、1パルスの各回転角、1回転の各パルス数、光検出孔の有無を表で示した図である。
【図8】図6の秒針車を示した拡大平面図である。
【図9】図6の時針車を示した拡大平面図である。
【図10】図6の分針車が1ステップ(1°)ずつ回転した際に分針車の第2光透過孔部が検出部の検出位置に対する移動量を示した拡大平面図である。
【図11】図6の秒針車、分針車、時針車、および中間車にそれぞれ樹脂部を形成して組立てた状態を示した要部の拡大断面図である。
【図12】図12の秒針車、分針車、時針車、および中間車の各樹脂部に貫通孔を加熱された細い金属棒で形成した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図13】図12の分針車を示した拡大平面図である。
【図14】図13のA−A矢視における拡大断面図である。
【図15】実施形態1の第1変形例において秒針車、分針車、時針車、および中間車の各樹脂部に貫通孔をレーザー光線で形成した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図16】この発明を適用した指針式の電子腕時計の実施形態2において、秒針車、分針車、時針車、および中間車の各樹脂部に特定波長の光をスポット照射させて透明部を光透過部として形成した状態を示した要部の拡大断面図である。
【図17】図16の分針車を示した拡大平面図である。
【図18】図17のB−B矢視における拡大断面図である。
【図19】実施形態1、2の第2変形例における分針車の拡大断面図である。
【図20】実施形態1、2の第3変形例における分針車の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0098】
1 時計モジュール
2 秒針
3 分針
4 時針
8 時計ムーブメント
11 第1駆動系
12 第2駆動系
13 検出部
20 秒針車
21 第1光透過孔部
21a 第1円形孔
23 中間車
25 分針車
27 時針車
28〜30 第2〜第4の各光透過孔部
31 発光素子
32 受光素子
35、41 樹脂部
36 貫通孔
37 光透過部形成領域
38 細い金属棒
40、51 透明部
50 樹脂層
P 検出位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重なり合った状態で回転する複数の歯車の回転位置を光検出部によって検出する輪列装置の組立て方法において、
前記複数の歯車のうち、所定箇所にそれぞれ設けられた遮光性樹脂部を重ね合わせる第1の工程と、
この第1工程により重ね合わせた前記複数の樹脂部を前記光検出部の光軸上の位置に回転移動し、この回転移動した状態で当該複数の樹脂部における前記光軸上に光透過部を形成する第2の工程と、
を有することを特徴とする輪列装置の組立て方法。
【請求項2】
前記第1の工程に先立って、前記樹脂部を、遮光性を有する熱可塑性樹脂で形成し、前記第2の工程において、前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部を過熱棒の加熱によって溶融させ、前記樹脂部に貫通孔を前記光透過部として形成することを特徴とする請求項1に記載の輪列装置の組立て方法。
【請求項3】
前記第1の工程に先立って、前記樹脂部を、遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂で形成し、前記第2の工程において、前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部に前記特定波長の光をスポット照射させ、前記樹脂部に透明部を前記光透過部として形成することを特徴とする請求項1に記載の輪列装置の組立て方法。
【請求項4】
互いに重なり合った状態で回転する複数の歯車の回転位置を光検出部によって検出する輪列装置において、
前記複数の歯車の重なり合う所定箇所にそれぞれ遮光性を有する樹脂部を設け、この複数の樹脂部を前記光検出部の光軸上に重ね合せた状態で、当該複数の樹脂部における前記光軸上に光透過部を形成したことを特徴とする輪列装置。
【請求項5】
前記歯車は金属で形成されており、前記樹脂部は前記歯車における前記光透過部を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域に対応する箇所に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置。
【請求項6】
前記歯車は遮光性を有する第1の合成樹脂で形成されており、前記樹脂部は前記歯車における前記光透過部を含んでその周囲近傍に跨る光透過部形成領域に対応する箇所に第2の合成樹脂によって2色成形されていることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置。
【請求項7】
前記樹脂部は遮光性を有する熱可塑性樹脂からなり、前記光透過部は加熱された細い金属棒によって前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部を溶融させることにより前記樹脂部に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の輪列装置。
【請求項8】
前記樹脂部は遮光性を有し且つ特定波長の光に反応して透明な状態になる感光性樹脂で形成されており、前記光透過部は前記光軸上に位置する前記樹脂部の一部に前記特定波長の光をスポット照射させて透明な状態にすることにより前記樹脂部に形成された透明部であることを特徴とする請求項4に記載の輪列装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−145207(P2010−145207A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322005(P2008−322005)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】