説明

農作業機

【課題】第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを防止できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機10は、第1整地体23と、この第1整地体23に上下方向に回動可能に設けた第2整地体24とを備える。第2整地体24は、左右方向長手状の整地本体板41と、この整地本体板41の左右方向両端部に立設した折曲板状の側板40とを有する。この側板40の後端部が、側板40の前端部よりも内側方に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを防止できる農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された代掻整地装置である農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、走行車であるトラクタの後部に連結される機体と、機体に回転可能に設けられた耕耘体と、機体の耕耘体カバー部の後端部に上下方向に回動可能に設けられた第1整地体(均平板)と、第1整地体の後端部に上下方向に回動可能に設けられた第2整地体(レーキ)とを備えている。
【0004】
そして、図8に示すように、第2整地体1は、左右方向長手状の整地本体板2と、整地本体板2の左右方向両端部に設けられ前後方向に沿って位置する平板状の側板(レーキ側板)3とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−125609号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば第2整地体1が鉛直姿勢の土引き状態に固定された土引き作業時や、第2整地体1が鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変化する代掻き作業の開始時において、第2整地体1の側板3の後端部(下端部)3aが畦の側面部の下側に当たり、畦が崩れてしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを防止できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の農作業機は、第1整地体と、この第1整地体に上下方向に回動可能に設けられ、左右方向端部に側板を有する第2整地体とを備え、前記側板の後端部が、前記側板の前端部よりも内側方に位置するものである。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、第2整地体の側板は、前後方向に沿って位置する第1板部と、この第1板部の後端部から後斜め内側方に向って位置する第2板部とを有するものである。
【0010】
請求項3記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、第2整地体の側板は、前後方向に沿って位置する第1板部と、この第1板部の後端部から内側方に向って位置する第2板部と、この第2板部の内側端部から後方に向って位置する第3板部とを有するものである。
【0011】
請求項4記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、第2整地体の側板は、前端部から後端部に向って徐々に内側方に向うように、前後方向に対して傾斜した方向に沿って位置するものである。
【0012】
請求項5記載の農作業機は、請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機において、第2整地体の側板は、1枚の板部材のみで構成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、第2整地体の側板の後端部が側板の前端部よりも内側方に位置する構成であるため、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを防止できる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、第2整地体の側板が前後方向に沿って位置する第1板部とこの第1板部の後端部から後斜め内側方に向って位置する第2板部とを有する構成であるため、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを適切に防止できる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、第2整地体の側板が前後方向に沿って位置する第1板部とこの第1板部の後端部から内側方に向って位置する第2板部とこの第2板部の内側端部から後方に向って位置する第3板部とを有する構成であるため、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを適切に防止できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、第2整地体の側板が前端部から後端部に向って徐々に内側方に向うように前後方向に対して傾斜した方向に沿って位置する構成であるため、第2整地体の側板が畦に当たって畦が崩れてしまうことを適切に防止できる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、第2整地体の側板が1枚の板部材のみで構成されているので、構成が簡単で、製造性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の平面図である。
【図2】同上農作業機の側面図である。
【図3】同上農作業機の延長整地体の展開状態を示す平面図である。
【図4】同上農作業機の延長整地体の折畳状態を示す平面図である。
【図5】同上農作業機の土引き作業時における第2整地体の背面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る農作業機の土引き作業時における第2整地体の背面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係る農作業機の土引き作業時における第2整地体の背面図である。
【図8】従来の農作業機の土引き作業時における第2整地体の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1および図2において、10は農作業機で、この農作業機10は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結して使用する代掻き機(代掻整地装置)である。
【0021】
農作業機10は、トラクタの後部に連結された状態で、水田等の圃場においてトラクタの前進走行により進行方向である前方に向って移動しながら代掻き作業および土引き作業を選択的に行うものである。
【0022】
なお、図2には、農作業機10がキャスタ付のスタンド9にて支持された状態が示されており、代掻き作業や土引き作業の作業時には、スタンド9は、取り外されるか或いは作業の邪魔にならないよう上下反転した状態に取り付けられる。
【0023】
農作業機10は、図1および図2に示されるように、トラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降装置)に連結される機体11を備えている。
【0024】
機体11は、左端部にチェーンケース部12を有し、右端部にブラケット部13を有し、これら左右のチェーンケース部12およびブラケット部13間には、入力軸14側からの動力で所定方向に回転しながら耕耘作業をするロータリ式の耕耘体16が回転可能に設けられている。
【0025】
耕耘体16は、左端部がチェーンケース部12にて回転可能に支持されかつ右端部がブラケット部13にて回転可能に支持された左右方向長手状の回転軸17と、この回転軸17に放射状に突設された複数の耕耘爪18とを有している。回転軸17は、チェーンケース部12内のチェーンおよびフレームパイプ部15内の伝動シャフト等からなる動力伝達手段(図示せず)を介して入力軸14に接続されている。入力軸14は、トラクタのPTO軸にジョイント等からなる動力伝達手段(図示せず)を介して接続される。
【0026】
また、機体11は、耕耘体16を覆う耕耘体カバー部であるカバー部19を有している。そして、カバー部19の後端部には、代掻き作業時においては耕耘体16の後方で圃場面に追従するように機体11に対して上下方向に回動しながら整地作業をする整地体21が弾性板であるゴム板22を介して上下方向に回動可能に設けられている。
【0027】
整地体21は、機体11のカバー部19の後端部に左右方向の軸26を中心として上下方向に回動可能に設けられた左右方向長手状で略板状の第1整地体(均平板)23と、この第1整地体23の後端部に左右方向の軸27を中心として上下方向に回動可能に設けられ第1整地体23と略同一の作業幅(左右方向長さ寸法)を持つ左右方向長手状で略板状の第2整地体(レーキ)24とを有している。
【0028】
そして、第1整地体23および第2整地体24を機体11に対して上下回動が許容される代掻き作業状態(フリー状態)と機体11に対して固定される土引き作業状態(ロック状態)とに選択的に設定する整地体設定手段20が、機体11と第2整地体24とに亘って位置するように設けられている。
【0029】
整地体設定手段20は、例えば操作レバー(図示せず)を有し、作業者が操作レバーを土引き位置に切り換えると、第1整地体23および第2整地体24が土引き作業状態に設定され、第1整地体23が機体11に対して固定されかつ第2整地体24が第1整地体23に対して固定される。このとき、第2整地体24は、前端部が上端部となりかつ後端部が下端部となるように鉛直面に略沿って位置する鉛直姿勢の土引き状態に固定される。そして、土引き作業時においては、第2整地体24は、鉛直姿勢の土引き状態に固定されたまま、土引き作業(整地作業)をする(図2の実線で示す状態)。
【0030】
また、作業者が操作レバーを代掻き位置に戻せば、第1整地体23および第2整地体24は代掻き作業状態に戻ることが可能となる。そして、代掻き作業時においては、第2整地体24は、水平面に略沿って位置する水平姿勢の代掻き作業状態で、圃場面に追従するように上下方向に回動しながら代掻き作業(整地作業)をする(図2の2点鎖線で示す状態)。
【0031】
なお、整地体設定手段20は、操作レバーを有さず、電動リモコン等の遠隔操作手段の操作に基づいてトラクタからの油圧等で第1整地体23および第2整地体24が代掻き作業状態および土引き作業状態に設定される構成でもよい。
【0032】
また、第2整地体24の左右方向両端部には、第2整地体24の左右方向端部から外側方に向って突出してこの第2整地体24の左右方向長さを延長した状態で、この第2整地体24とともに代掻き作業をする左右1対の略板状の延長整地体(延長レーキ)31が前後方向の軸32を中心として上下方向に回動可能に設けられている。
【0033】
この延長整地体31は、第2整地体24の左右方向端部に軸32および軸支持板35,36,37を介して回動可能に連結されている。また、この延長整地体31の状態を保持するための状態保持用の付勢手段として引張ばねであるコイルばね33の一端部が第2整地体24の左右方向端部の側板40に取り付けられ、このコイルばね33の他端部が延長整地体31のばね取付部34に取り付けられている。
【0034】
そして、延長整地体31は、図3に示すように、最大作業幅で代掻き作業をする代掻き作業時には、軸32を中心とする展開方向への略180度回動により第2整地体24の左右方向端部から外側方に向って突出する作業状態(展開状態)に設定され、コイルばね33の付勢力でその所望の作業状態に保持される。
【0035】
また、延長整地体31は、図4に示すように、土引き作業時および非作業時には、軸32を中心とする折畳方向への略180度回動により第2整地体24上にこの第2整地体24と重なり合うように位置する非作業状態(折畳状態)に設定され、コイルばね33の付勢力でその所望の非作業状態に保持される。また、延長整地体31は、土引き作業時および非作業時のほか、畦付近で代掻き作業を行う場合においても、非作業状態に設定される。
【0036】
なお、延長整地体31の状態の切換えは、作業者の手作業による人力で行われるものでもよく、モータ等の駆動手段からの動力で行われるものでもよい。
【0037】
ここで、第2整地体24は、図1ないし図4に示されるように、第1整地体23と略同一の作業幅を持つ左右方向長手状の整地本体板41と、この整地本体板41の左右方向両端部にこの整地本体板41に対して直交状に立設された1枚の折曲板状の側板40とを有している。つまり、互いに離間対向する左右1対をなす1枚板状の側板40が、整地本体板41の長手方向端部に溶接等により固設されている。なお、側板40の前後方向長さ寸法と整地本体板41の前後方向長さ寸法とは略同じである。
【0038】
整地本体板41の後端部は、泥土を後方にスムーズに排出できるように、例えば凸凹状に形成されている。
【0039】
また、左右の各側板40は、左右対称形状のもので、いずれも例えば前後方向中間の1箇所(前後方向中央より後側の1箇所)の折曲部43のみで鋭角に折り曲げられた例えば金属製の1枚の板部材42のみで構成されている。なお、折曲部43の位置は、前後方向中央より後側の位置には限定されず、前後方向中央位置や、前後方向中央より前側の位置でもよい。
【0040】
つまり、第2整地体24が左右方向端部に有する側板40は、前後方向に沿って位置する第1板部46と、この第1板部46の後端部から折曲部43の折り曲げにより後斜め内側方に向って一体に位置する第2板部47とを有している。このため、第2整地体24の代掻き作業状態時つまり水平姿勢時には、平面視で、側板40の後端部が、側板40の前端部よりも内側方(内側である第2整地体24の左右方向中心側)に位置する。
【0041】
なお、側板40の折曲部43の折曲角度θ、つまり第1板部46と第2板部47とがなす角度θは、例えば10度〜45度、好ましくは略20度である。つまり、この角度θは、畦の側面部(畦側面)の上下方向に対する傾斜角度と同じ角度か、それよりも僅かに大きな角度であることが好ましい。
【0042】
また、図2から明らかなように、側面視で第2整地体24の鉛直状の側板40の第1板部46の前端部が第1整地体23の鉛直状の側板23aの後端部と重なり、これら側板40の前端部と側板23aの後端部とが軸27を介して回動可能に連結されている。
【0043】
さらに、第2整地体24の側板40の第2板部47の上側中央部にはばね用孔部48が形成され、このばね用孔部48にコイルばね33の一端部が取り付けられている。同様に、延長整地体31のばね取付部34にはばね用孔部49が形成され、このばね用孔部49にコイルばね33の他端部が取り付けられている。
【0044】
次に、農作業機10の作用等を説明する。
【0045】
例えば農作業機10を使用して最大作業幅で代掻き作業をする場合は、第1整地体23および第2整地体24を代掻き作業状態に設定し、かつ、左右の延長整地体31を作業状態に設定する。
【0046】
そして、圃場においてトラクタの前進走行により農作業機10を進行方向前方に移動させると、耕耘体16にて耕耘作業が行われ、この耕耘体16の後方で、第1整地体23と、水平姿勢の第2整地体24および延長整地体31とにて代掻き作業が行われる。
【0047】
なお、畦付近(畦際)で代掻き作業を行う際には、左右の延長整地体31を第2整地体24上に折り畳むことにより非作業状態に設定し、水平姿勢の第2整地体24のみで代掻き作業を行う。
【0048】
また、農作業機10を使用して土引き作業をする場合は、第1整地体23および第2整地体24を土引き作業状態に設定し、かつ、左右の延長整地体31を非作業状態に設定する。
【0049】
そして、圃場においてトラクタの前進走行により農作業機10を進行方向前方に移動させると、上下方向に略沿った鉛直姿勢の第2整地体24にて土引き作業が行われる。つまり、前端部が上端部となりかつ後端部が下端部となるように、第1整地体23に対して回動して土引き状態に設定固定された鉛直姿勢の第2整地体24によって、土引き作業が行われる。
【0050】
ここで、図5に示すように、畦付近で土引き作業をする場合であっても、第2整地体24の側板40の下端部40aとなっている後端部が、側板40の上端部40bとなっている前端部よりも内側方(反畦側)に位置するため、第2整地体24の側板40の後端部が畦の側面部の下側に当たることはなく、第2整地体24の側板40で畦を崩すようなことがない。
【0051】
なお、同様に、畦付近における、第2整地体24が鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変化する代掻き作業の開始時においても、第2整地体24の側板40の後端部が畦の側面部の下側に当たることはなく、第2整地体24の側板40で畦を崩すようなことがなく、また、畦付近における代掻き作業途中でのトラクタによる旋回時においても、水平姿勢の第2整地体24の側板40の後端部が畦の側面部に当たることはなく、第2整地体24の側板40で畦を崩すようなことがない。
【0052】
そして、このような農作業機10によれば、第2整地体24の側板40の後端部が側板40の前端部よりも内側方に位置する構成であるため、第2整地体24の側板40が畦に当たって畦が崩れてしまうことを防止でき、また、例えば第2整地体24の側板40がコンクリート製の畦等に当たってその側板40が破損してしまうことを防止できる。
【0053】
また、第2整地体24の側板40が前後方向に沿って位置する第1板部46とこの第1板部46の後端部から後斜め内側方に向って位置する第2板部47とを有する構成であるため、第2整地体24の側板40が畦に当たって畦が崩れてしまうことを適切かつ効果的に防止できる。
【0054】
さらに、第2整地体24の側板40が1枚の板部材42のみで構成されているので、複数枚の板部材を溶接等で連結した構成した場合に比べて、部品点数が少なく、構成が簡単で、製造性が良好である。
【0055】
なお、第2整地体24の側板40は、図5に示すような前後方向に沿って位置する第1板部46とこの第1板部46の後端部から後斜め内側方に向って位置する第2板部47とを有するものには限定されず、例えば図6に示すものであっても、図5のものと同様の作用効果を奏し得る。
【0056】
この図6に示す第2整地体24の側板40は、前後方向中間の2箇所(前後方向中央より後側の2箇所)の折曲部43a,43bのみでそれぞれ略直角に折り曲げられた例えば金属製の1枚の板部材42のみで構成されている。なお、折曲部43a,43bの位置は、前後方向中央より後側の位置には限定されず、前後方向中央位置や、前後方向中央より前側の位置でもよい。
【0057】
つまり、この第2整地体24の側板40は、前後方向に沿って位置する第1板部51と、この第1板部51の後端部から折曲部43aの折り曲げにより内側方に向って一体に位置する第2板部52と、この第2板部52の内側端部から折曲部43bの折り曲げにより後方に向って一体に位置する第3板部53とを有している。このため、第2整地体24の代掻き作業状態時(水平姿勢時)には、平面視で、側板40の後端部が、側板40の前端部よりも内側方(内側である第2整地体24の左右方向中心側)に位置する。
【0058】
そして、第2整地体24の土引き作業状態時(鉛直姿勢時)、代掻き作業の開始時や代掻き作業途中での旋回時等には、側板40の後端部(下端部)が側板40の前端部(上端部)よりも内側方に位置するため、第2整地体24の側板40の後端部(下端部)が畦の側面部に当たることはなく、第2整地体24の側板40で畦を崩すようなことがない。
【0059】
また、第2整地体24の側板40は、例えば図7に示すものであっても、図5のものと同様の作用効果を奏し得る。
【0060】
この図7に示す第2整地体24の側板40は、上述した折曲板状のものとは異なり、平板状のもので、例えば折り曲げられていない真直ぐな金属製の1枚の板部材42のみで構成されている。
【0061】
つまり、この第2整地体24の側板40は、前端部から後端部に向って徐々に内側方に向うように、すなわち例えば畦の側面部と略平行になるように、その側板40の全体が前後方向(図に示すA線に沿った方向)に対して傾斜した方向に沿って位置する。このため、第2整地体24の代掻き作業状態時(水平姿勢時)には、平面視で、側板40の後端部が、側板40の前端部よりも内側方(内側である第2整地体24の左右方向中心側)に位置する。
【0062】
そして、第2整地体24の土引き作業状態時(鉛直姿勢時)、代掻き作業の開始時や代掻き作業途中での旋回時等には、側板40の後端部(下端部)が側板40の前端部(上端部)よりも内側方に位置するため、第2整地体24の側板40の後端部(下端部)が畦の側面部に当たることはなく、第2整地体24の側板40で畦を崩すようなことがない。
【0063】
なお、側板40の前後方向に対する傾斜角度θ、つまり板部材42とA線とがなす角度θは、例えば10度〜45度、好ましくは略20度である。つまり、この角度θは、畦の側面部(畦側面)の上下方向に対する傾斜角度と同じ角度か、それよりも僅かに大きな角度であることが好ましい。
【0064】
さらに、第2整地体24の側板40は、例えば前後方向中間の3箇所以上の折曲部で折り曲げられた1枚の板部材のみで構成されたものや、後端部が円弧状或いは湾曲状に曲げられた曲板状の1枚の板部材のみで構成されたもの等でもよい。
【0065】
また、延長整地体31の回動中心軸である軸32が側板40よりも内側方に配設された構成には限定されず、例えば側板40の上方に配設された構成でもよく、この場合、折畳状態の延長整地体31の角部で畦を崩さないよう、延長整地体31の内端部後側の角部を側板40の形状に対応させるように切り欠く必要がある。
【0066】
さらに、農作業機10は、例えば延長整地体31を有しない構成でもよく、また例えば3分割式の折り畳み可能な構成でもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 農作業機
23 第1整地体
24 第2整地体
40 側板
42 板部材
46,51 第1板部
47,52 第2板部
53 第3板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1整地体と、
この第1整地体に上下方向に回動可能に設けられ、左右方向端部に側板を有する第2整地体とを備え、
前記側板の後端部が、前記側板の前端部よりも内側方に位置する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
第2整地体の側板は、
前後方向に沿って位置する第1板部と、
この第1板部の後端部から後斜め内側方に向って位置する第2板部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
第2整地体の側板は、
前後方向に沿って位置する第1板部と、
この第1板部の後端部から内側方に向って位置する第2板部と、
この第2板部の内側端部から後方に向って位置する第3板部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項4】
第2整地体の側板は、前端部から後端部に向って徐々に内側方に向うように、前後方向に対して傾斜した方向に沿って位置する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項5】
第2整地体の側板は、1枚の板部材のみで構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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