説明

農作業機

【課題】耕耘爪の付け間違いを抑制できる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は、トラクタに連結する機体2と、耕耘作業をする耕耘体3と、整地作業をする整地体4とを備える。耕耘体3は、機体2に対して回転可能な回転軸21を有する。回転軸21の外周面には、第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジ30を設ける。第1耕耘爪取付部には、第1耕耘爪36を脱着可能に設ける。第2耕耘爪取付部には、第1耕耘爪36とは異なる形状の第2耕耘爪37を脱着可能に設ける。第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘爪の付け間違いを抑制できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、走行車であるトラクタの後部に連結される機体と、この機体に回転可能に設けられ回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備えている。
【0004】
また、耕耘体は、機体に回転可能に設けられた回転軸と、この回転軸の外周面に突設され第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジと、第1耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられた第1耕耘爪(例えば左耕耘爪)と、第2耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられ第1耕耘爪とは異なる形状の第2耕耘爪(例えば右耕耘爪)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−95305号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば耕耘爪の交換時等において、第1耕耘爪を間違えてフランジの第2耕耘爪取付部に取り付けたり第2耕耘爪を間違えてフランジの第1耕耘爪取付部に取り付けたりする耕耘爪の付け間違いを生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、耕耘爪の付け間違いを抑制できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の農作業機は、機体と、この機体に回転可能に設けられ、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備え、前記耕耘体は、前記機体に回転可能に設けられた回転軸と、この回転軸の外周面に突設され、第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジと、前記第1耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられた第1耕耘爪と、前記第2耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられ、前記第1耕耘爪とは異なる形状の第2耕耘爪とを有し、前記第1耕耘爪の色と前記第2耕耘爪の色とが互いに異なっているものである。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、機体と、この機体に回転可能に設けられ、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備え、前記耕耘体は、前記機体に回転可能に設けられた回転軸と、この回転軸の外周面に突設され、第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジと、前記第1耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられた第1耕耘爪と、前記第2耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられ、前記第1耕耘爪とは異なる形状の第2耕耘爪と、前記フランジに設けられ、前記第1耕耘爪を前記第1耕耘爪取付部に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印と、前記フランジに設けられ、前記第2耕耘爪を前記第2耕耘爪取付部に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印とを有するものである。
【0010】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、第1耕耘爪の色と第2耕耘爪の色とが互いに異なっているものである。
【0011】
請求項4記載の農作業機は、請求項3記載の農作業機において、第1耕耘爪用目印の色が第1耕耘爪の色と同じであり、第2耕耘爪用目印の色が第2耕耘爪の色と同じであるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば耕耘爪の交換時等において、耕耘爪の付け間違いを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の耕耘体の平面図である。
【図3】同上農作業機の耕耘体の側面図である。
【図4】同上耕耘体のフランジの側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の耕耘体の側面図である。
【図6】同上耕耘体のフランジの側面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の耕耘体のフランジの側面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の耕耘体のフランジの側面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る農作業機の耕耘体のフランジの側面図である。
【図10】同上耕耘体のフランジの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。
【0015】
図1および図2において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結されて使用される耕耘整地作業機(ロータリー)である。つまり、農作業機1は、トラクタの後部に連結された状態で、トラクタの走行により進行方向である前方(図1上、左方向)に向かって圃場上を移動しながら耕耘整地作業等をするものである。
【0016】
農作業機1は、図示しないトラクタの後部の3点リンク部(農作業機昇降装置)に脱着可能に連結された機体2と、機体2に回転可能に設けられトラクタ側から動力を受けて所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体3と、機体2の耕耘体カバー部6の後端部に左右方向の軸(回動支点)7を中心として上下方向に回動可能に設けられ耕耘体3の後方で整地作業をする1枚板状の整地体(均平板)4とを備えている。
【0017】
機体2は、左右方向長手状で円筒状のフレーム部であるフレームパイプ部11を有している。フレームパイプ部11の左右方向中央部にはギアボックス部12が設けられ、このギアボックス部12から入力軸13が前方に向かって突出している。入力軸13は、トラクタのPTO軸(図示せず)に、ユニバーサルジョイントおよび伝動シャフト等にて構成された伝動手段(図示せず)を介して接続されている。
【0018】
フレームパイプ部11の長手方向一端部である左端部には、上下方向長手状でかつ箱状の耕耘体支持部であるチェーンケース部(サイド伝動ケース部)16の上部が取り付けられている。フレームパイプ部11の長手方向他端部である右端部には、上下方向長手状でかつ板状の耕耘体支持部であるブラケット部(サイドフレーム部)17の上部が取り付けられている。そして、互いに離間対向する左右のチェーンケース部16およびブラケット部17に耕耘体3が回転可能に架設されている。つまり、所定距離を介して互いに離間対向する左右1対の耕耘体支持部16,17にて、左右方向長手状の耕耘体3が回転可能に支持されている。なお、チェーンケース部16の後端部およびブラケット部17の後端部には、サイドカバー板(後側板)20が取り付けられている。
【0019】
また、機体2の耕耘体カバー部6は、耕耘体3の上方部を覆う湾曲板状のカバー本体板18と、このカバー本体板18の左右方向両端部に鉛直状に設けられた細長板状のカバー側板19とを有している。そして、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の後端部に整地体4の前端部(上端部)が軸7を中心として回動可能に取り付けられている。なお、左側のカバー側板19はチェーンケース部16の上部内面に互いに重なり合うように取り付けられ、右側のカバー側板19はブラケット部17の上部内面に互いに重なり合うように取り付けられている。
【0020】
耕耘体3は、左側のチェーンケース部16の下部と右側のブラケット部17の下部とにて回転可能に支持された左右方向の耕耘軸である回転軸21を有している。つまり、耕耘体3は、機体2に回転可能に設けられた左右方向に細長い円筒状の回転軸21を有している。回転軸21の軸方向一端部である左端部はチェーンケース部16の下部にてベアリング22aを介して回転可能に支持され、かつ、回転軸21の軸方向他端部である右端部はブラケット部17の下部にてベアリング22bを介して回転可能に支持されている。
【0021】
そして、回転軸21は、入力軸13に接続された動力伝達手段23から動力を受けて左右方向の回転中心軸線aを中心として所定方向に駆動回転する。動力伝達手段23は、入力軸13に固着された第1ギア24と、この第1ギア24と噛み合った第2ギア25と、この第2ギア25が一端部に固着された伝動シャフト26と、この伝動シャフト26の他端部に固着された第1スプロケット27と、回転軸21のうちチェーンケース部16内に位置する端部に固着された第2スプロケット28と、これら両スプロケット27,28に掛け渡されチェーンケース部16内に位置するチェーン29とを有している。
【0022】
また、回転軸21の外周面における左右方向に等間隔をおいた複数箇所には、略矩形状をなす板状のフランジ30がそれぞれ溶接等により固定的に突設されている。なお、各フランジ30の中央部には軸挿通用孔30aが形成され、この軸挿通用孔30aに回転軸21が挿通固定されている。
【0023】
そして、図3および図4に示すように、フランジ30は、複数、すなわち例えば2つの第1耕耘爪取付部31および複数、すなわち例えば2つの第2耕耘爪取付部32を有し、各第1耕耘爪取付部31には回転軸21とともに回転しながら耕耘作業をする第1耕耘爪(例えば左曲がりの左耕耘爪)36が取付手段33にて脱着可能に取り付けられ、各第2耕耘爪取付部32には回転軸21とともに回転しながら耕耘作業をする第2耕耘爪(例えば右曲がりの右耕耘爪)37が取付手段33にて脱着可能に取り付けられている。なお、第1耕耘爪36と第2耕耘爪37とは、例えば左右対称形状で、互いに異なる形状をなすものである。
【0024】
ここで、フランジ30の一側面(一方面)における一部分(図3上、左上部分)とフランジ30の他側面(他方面)における一部分(図3上、右下部分)とが第1耕耘爪取付部(第1耕耘爪取付面部)31となっており、これら互いに異なる面に位置する2つの第1耕耘爪取付部31は、側面視で回転中心軸線aを中心として点対称に位置している。また、フランジ30のうち各第1耕耘爪取付部31に対応する位置には、互いに所定距離だけ離れた1対のボルト挿通用孔34が形成されている。
【0025】
また、フランジ30の一側面における一部分(図3上、左下部分)とフランジ30の他側面における一部分(図3上、右上部分)とが第2耕耘爪取付部(第2耕耘爪取付面部)32となっており、これら互いに異なる面に位置する2つの第2耕耘爪取付部32は、側面視で回転中心軸線aを中心として点対称に位置している。また、フランジ30のうち各第2耕耘爪取付部32に対応する位置には、互いに所定距離だけ離れた1対のボルト挿通用孔35が形成されている。
【0026】
さらに、第1耕耘爪(左耕耘爪)36は、第1耕耘爪取付部31にこの第1耕耘爪取付部31に沿って取り付けられた取付部である平面状部36aを基端側に有し、左側に向かって曲がった曲面状部36bを先端側に有している。なお、各第1耕耘爪36の平面状部36aには、フランジ30のボルト挿通用孔34と対向する1対のボルト挿通用孔(図示せず)が形成されている。
【0027】
第2耕耘爪(右耕耘爪)37は、第2耕耘爪取付部32にこの第2耕耘爪取付部32に沿って取り付けられた取付部である平面状部37aを基端側に有し、右側に向かって曲がった曲面状部37bを先端側に有している。なお、各第2耕耘爪37の平面状部37aには、フランジ30のボルト挿通用孔35と対向する1対のボルト挿通用孔(図示せず)が形成されている。
【0028】
そして、第1耕耘爪36の全体の色と第2耕耘爪37の全体の色とが互いに異なっている。すなわち例えば、第1耕耘爪36の表面全体が黒色であり、第2耕耘爪37の表面全体が白色である。
【0029】
また、取付手段33は、略矩形板状の平板41と、この平板41の長手方向両端部に固定され互いに所定距離だけ離れた1対の固定ボルト42と、この各固定ボルト42に螺合されるナット43とを有している。
【0030】
そして、取付手段33の固定ボルト42が第1耕耘爪36のボルト挿通用孔およびフランジ30のボルト挿通用孔34に挿通され、この挿通された固定ボルト42にナット43が螺合され、このナット43の螺合により第1耕耘爪36がフランジ30の第1耕耘爪取付部31に脱着可能に取り付けられている。また同様に、取付手段33の固定ボルト42が第2耕耘爪37のボルト挿通用孔およびフランジ30のボルト挿通用孔35に挿通され、この挿通された固定ボルト42にナット43が螺合され、このナット43の螺合により第2耕耘爪37がフランジ30の第2耕耘爪取付部32に脱着可能に取り付けられている。
【0031】
なお、回転軸21の左右方向両端部に設けられた端部フランジ46には、第1耕耘爪36および第2耕耘爪37とは異なる特殊な形状の端部耕耘爪47が脱着可能に取り付けられている(図2参照)。
【0032】
整地体4は、図1に示されるように、機体2の耕耘体カバー部6のカバー本体板18の後端部に軸7を中心として上下方向に回動可能に取り付けられた整地本体板51を有している。整地本体板51の左右方向両端部には、細長板状の整地側板52が鉛直状に設けられている。また、整地本体板51の左右方向両端側には、延長整地板56が折畳み可能に設けられている。
【0033】
なお、農作業機1は、整地体4のメンテナンス作業状態時にこの整地体4を機体2に対して解除可能にロックするロック手段53を備えている。また、機体2の前端部には、ゲージ輪54がゲージ輪支持手段55を介して高さ位置調整可能に取り付けられている。
【0034】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0035】
トラクタの走行により農作業機1全体を前方に移動させると、耕耘体3が所定方向に回転しながら耕耘作業をし、この耕耘体3の後方で整地体4が整地作業をする。つまり、耕耘体3の第1耕耘爪36および第2耕耘爪37等にて耕耘作業が行われ、整地体4の整地本体板51等にて整地作業が行われる。
【0036】
ここで、例えば長期使用等により第1耕耘爪36および第2耕耘爪37が磨耗したため、これら磨耗した古い耕耘爪36,37を新しい耕耘爪36,37に交換する場合には、作業者(取付作業者)は、古い第1耕耘爪36および第2耕耘爪37を第1耕耘爪取付部31および第2耕耘爪取付部32からそれぞれ取り外した後、新しい第1耕耘爪36および第2耕耘爪37を第1耕耘爪取付部31および第2耕耘爪取付部32にそれぞれ取り付ける。
【0037】
そして、この農作業機1によれば、第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なっているため、例えば耕耘爪36,37の交換時や農作業機1の製造時等において、第1耕耘爪36を間違えてフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けたり第2耕耘爪37を間違えてフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いを抑制できる。
【0038】
また、耕耘爪36,37の色を見て、第1耕耘爪36であるか第2耕耘爪37であるかを容易かつ適切に判断できるため、耕耘爪36,37の取付作業を効率良く行うことができる。すなわち例えば、耕耘爪36,37に付された打刻文字や、耕耘爪36,37の形状によって、第1耕耘爪36であるか第2耕耘爪37であるかを判断する必要がなく、色のみで耕耘爪36,37の種類を見分けることができ、よって効率的に耕耘爪36,37の取付作業ができる。
【0039】
次に、図5および図6には、第2の実施の形態に係る農作業機1の例が示されている。
【0040】
この第2の実施の形態に係る農作業機1の耕耘体3は、作業者(取付作業者)が第1耕耘爪36をフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印61と、作業者(取付作業者)が第2耕耘爪37をフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印62とを有している。
【0041】
第1耕耘爪用目印61は、第1耕耘爪取付部31に設けられ第1耕耘爪取付部31が第1耕耘爪36を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための文字表示である。この文字表示は、例えば第1耕耘爪取付部31に付された打刻文字「L」である。この打刻文字「L」は、第1耕耘爪取付部31のうち1対のボルト挿通用孔34間の部分に付されている。
【0042】
また、第2耕耘爪用目印62は、第2耕耘爪取付部32に設けられ第2耕耘爪取付部32が第2耕耘爪37を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための文字表示である。この文字表示は、例えば第2耕耘爪取付部32に付された打刻文字「R」である。この打刻文字「R」は、第2耕耘爪取付部32のうち1対のボルト挿通用孔35間の部分に付されている。
【0043】
さらに、打刻文字からなる第1耕耘爪用目印61の全体の色は、第1耕耘爪36の色と同じで、例えば黒色である。打刻文字からなる第2耕耘爪用目印62の全体の色は、第2耕耘爪37の色と同じで、例えば白色である。つまり、第1耕耘爪用目印61の色と第2耕耘爪用目印62の色とが互いに異なっている。また、これら耕耘爪用目印61,62は、作業者が耕耘爪36,37を取り付ける際に取付側から見て読めるようになっている。なお、その他の構成は第1の実施の形態と基本的に同一である。
【0044】
そして、この農作業機1によれば、耕耘体3が第1耕耘爪用目印61および第2耕耘爪用目印62を有するため、例えば耕耘爪36,37の交換時や農作業機1の製造時等において、第1耕耘爪36を間違えてフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けたり第2耕耘爪37を間違えてフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いを抑制できる。
【0045】
また、打刻文字からなる耕耘爪用目印61,62によって、耕耘爪36,37の取付面および取付位置を容易かつ適切に判断できるため、耕耘爪36,37の取付作業を効率良く行うことができる。
【0046】
さらに、第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なっており、しかも、第1耕耘爪用目印61の色が第1耕耘爪36の色と同じであり、第2耕耘爪用目印62の色が第2耕耘爪37の色と同じであるため、耕耘爪36,37の付け間違いをより効果的に抑制できるとともに、耕耘爪36,37の取付作業をより効率良く行うことができる。
【0047】
なお、第1耕耘爪用目印61の色が第1耕耘爪36の色と異なり、第2耕耘爪用目印62の色が第2耕耘爪37の色と異なるようにしてもよい。また、例えば第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが同じであってもよい。さらに、例えば「L」や「R」の打刻文字からなる耕耘爪用目印61,62については、特殊な色を付けなくてもよい。
【0048】
次に、図7には、第3の実施の形態に係る農作業機1の例が示されている。
【0049】
この第3の実施の形態に係る農作業機1の耕耘体3は、第2の実施の形態と同様、作業者(取付作業者)が第1耕耘爪36をフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印71と、作業者(取付作業者)が第2耕耘爪37をフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印72とを有している。
【0050】
第1耕耘爪用目印71は、第1耕耘爪取付部31に設けられ第1耕耘爪取付部31が第1耕耘爪36を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための色表示である。この色表示は、例えば第1耕耘爪取付部31に貼り付けられた円形状の黒色シールである。この黒色シールは、第1耕耘爪取付部31のうち1対のボルト挿通用孔34間の部分に貼り付けられている。
【0051】
また、第2耕耘爪用目印72は、第2耕耘爪取付部32に設けられ第2耕耘爪取付部32が第2耕耘爪37を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための色表示である。この色表示は、例えば第2耕耘爪取付部32に貼り付けられた円形状の白色シールである。この白色シールは、第2耕耘爪取付部32のうち1対のボルト挿通用孔35間の部分に貼り付けられている。
【0052】
さらに、シールからなる第1耕耘爪用目印71の全体の色は、第1耕耘爪36の色と同じで、例えば黒色である。シールからなる第2耕耘爪用目印72の全体の色は、第2耕耘爪37の色と同じで、例えば白色である。つまり、第1耕耘爪用目印71の色と第2耕耘爪用目印72の色とが互いに異なっている。なお、その他の構成は第1の実施の形態と基本的に同一である。
【0053】
そして、この農作業機1によれば、耕耘体3が第1耕耘爪用目印71および第2耕耘爪用目印72を有するため、例えば耕耘爪36,37の交換時や農作業機1の製造時等において、第1耕耘爪36を間違えてフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けたり第2耕耘爪37を間違えてフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いを抑制できる。
【0054】
また、シールからなる耕耘爪用目印71,72によって、耕耘爪36,37の取付面および取付位置を容易かつ適切に判断できるため、耕耘爪36,37の取付作業を効率良く行うことができる。
【0055】
さらに、第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なっており、しかも、第1耕耘爪用目印71の色が第1耕耘爪36の色と同じであり、第2耕耘爪用目印72の色が第2耕耘爪37の色と同じであるため、耕耘爪36,37の付け間違いをより効果的に抑制できるとともに、耕耘爪36,37の取付作業をより効率良く行うことができる。
【0056】
なお、第1耕耘爪用目印71の色が第1耕耘爪36の色と異なり、第2耕耘爪用目印72の色が第2耕耘爪37の色と異なるようにしてもよい。また例えば第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが同じであってもよい。
【0057】
次に、図8には、第4の実施の形態に係る農作業機1の例が示されている。
【0058】
この第4の実施の形態に係る農作業機1の耕耘体3は、第2の実施の形態と同様、作業者(取付作業者)が第1耕耘爪36をフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印81と、作業者(取付作業者)が第2耕耘爪37をフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印82とを有している。
【0059】
第1耕耘爪用目印81は、第1耕耘爪取付部31に設けられ第1耕耘爪取付部31が第1耕耘爪36を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための色表示である。この色表示は、例えば第1耕耘爪取付部31に塗り付けられた略ひし形状の黒色塗装である。この黒色塗装は、第1耕耘爪取付部31の略全体にわたって塗り付けられている。
【0060】
また、第2耕耘爪用目印82は、第2耕耘爪取付部32に設けられ第2耕耘爪取付部32が第2耕耘爪37を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための色表示である。この色表示は、例えば第2耕耘爪取付部32に塗り付けられた略ひし形状の白色塗装である。この白色塗装は、第2耕耘爪取付部32の略全体にわたって塗り付けられている。
【0061】
さらに、塗装からなる第1耕耘爪用目印81の全体の色は、第1耕耘爪36の色と同じで、例えば黒色である。塗装からなる第2耕耘爪用目印82の全体の色は、第2耕耘爪37の色と同じで、例えば白色である。つまり、第1耕耘爪用目印81の色と第2耕耘爪用目印82の色とが互いに異なっている。なお、その他の構成は第1の実施の形態と基本的に同一である。
【0062】
そして、この農作業機1によれば、耕耘体3が第1耕耘爪用目印81および第2耕耘爪用目印82を有するため、例えば耕耘爪36,37の交換時や農作業機1の製造時等において、第1耕耘爪36を間違えてフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けたり第2耕耘爪37を間違えてフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いを抑制できる。
【0063】
また、塗装からなる耕耘爪用目印81,82によって、耕耘爪36,37の取付面および取付位置を容易かつ適切に判断できるため、耕耘爪36,37の取付作業を効率良く行うことができる。
【0064】
さらに、第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なっており、しかも、第1耕耘爪用目印81の色が第1耕耘爪36の色と同じであり、第2耕耘爪用目印82の色が第2耕耘爪37の色と同じであるため、耕耘爪36,37の付け間違いをより効果的に抑制できるとともに、耕耘爪36,37の取付作業をより効率良く行うことができる。
【0065】
なお、第1耕耘爪用目印81の色が第1耕耘爪36の色と異なり、第2耕耘爪用目印82の色が第2耕耘爪37の色と異なるようにしてもよい。また例えば第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが同じであってもよい。
【0066】
次に、図9および図10には、第5の実施の形態に係る農作業機1の例が示されている。
【0067】
この第5の実施の形態に係る農作業機1の耕耘体3は、第2の実施の形態と同様、作業者(取付作業者)が第1耕耘爪36をフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印91と、作業者(取付作業者)が第2耕耘爪37をフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印92とを有している。
【0068】
第1耕耘爪用目印91は、第1耕耘爪取付部31の反対側の面にその第1耕耘爪取付部31と対応する位置に設けられ第1耕耘爪取付部31が第1耕耘爪36を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための突起(溶接肉)である。つまり、この突起からなる第1耕耘爪用目印91が第1耕耘爪取付部31の反対側の面において1対のボルト挿通用孔34間の位置に設けられているため、第1耕耘爪36を間違って第1耕耘爪取付部31の反対側の面に取り付けようとすると、第1耕耘爪36が第1耕耘爪用目印91に当たり、第1耕耘爪36を適正な状態に取り付けることができない。
【0069】
また、第2耕耘爪用目印92は、第2耕耘爪取付部32の反対側の面にその第2耕耘爪取付部32と対応する位置に設けられ第2耕耘爪取付部32が第2耕耘爪37を取り付けるべき部分であることを作業者に知らせるための突起(溶接肉)である。つまり、この突起からなる第2耕耘爪用目印92が第2耕耘爪取付部32の反対側の面において1対のボルト挿通用孔35間の位置に設けられているため、第2耕耘爪37を間違って第2耕耘爪取付部32の反対側の面に取り付けようとすると、第2耕耘爪37が第2耕耘爪用目印92に当たり、第2耕耘爪37を適正な状態に取り付けることができない。なお、その他の構成は第1の実施の形態と基本的に同一である。
【0070】
そして、この農作業機1によれば、耕耘体3が第1耕耘爪用目印91および第2耕耘爪用目印92を有するため、例えば耕耘爪36,37の交換時や農作業機1の製造時等において、第1耕耘爪36を間違えてフランジ30の第2耕耘爪取付部32に取り付けたり第2耕耘爪37を間違えてフランジ30の第1耕耘爪取付部31に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いを抑制できる。
【0071】
しかも、突起からなる耕耘爪用目印91,92があるため、第1耕耘爪36を間違って第1耕耘爪取付部31の反対側の面に取り付けたり第2耕耘爪37を間違って第2耕耘爪取付部32の反対側の面に取り付けたりする耕耘爪36,37の付け間違いも抑制できる。
【0072】
また、突起からなる耕耘爪用目印91,92によって、耕耘爪36,37の取付面および取付位置を容易かつ適切に判断できるため、耕耘爪36,37の取付作業を効率良く行うことができる。
【0073】
さらに、第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが互いに異なっており、しかも、耕耘爪用目印91,92が突起からなるため、耕耘爪36,37の付け間違いをより効果的に抑制できるとともに、耕耘爪36,37の取付作業をより効率良く行うことができる。
【0074】
なお、第1耕耘爪用目印91の色が第1耕耘爪36の色と同じであることが好ましいが違ってもよく、第2耕耘爪用目印92の色が第2耕耘爪37の色と同じであることが好ましいが違ってもよい。また例えば第1耕耘爪36の色と第2耕耘爪37の色とが同じであってもよい。
【0075】
また、例えば回転軸21の外周面にフランジ30を溶接により固定する際に、フランジ30の所定位置に溶接肉を盛るようにして耕耘爪用目印91,92となる突起を設けることが好ましいが、例えばフランジ30の所定位置に予め形成した孔にピン等の部材を嵌入して耕耘爪用目印91,92となる突起を設けるようにしてもよい。
【0076】
なお、耕耘爪36,37等の色は黒色や白色には限定されず、例えば第1耕耘爪が赤色で第2耕耘爪が青色である構成でもよく、またこれに対応して第1耕耘爪用目印が赤色で第2耕耘爪用目印が青色である構成等でもよい。
【0077】
また、例えば第2の実施の形態において、耕耘爪用目印61,62である文字表示は、耕耘爪36,37に対応するものであれば、「左」・「右」や、「黒」・「白」等でもよく、さらにこれら文字表示に耕耘爪36,37に対応した色を付けるようにしてもよい。
【0078】
さらに、上記各実施の形態を適宜組み合わせるようにしてもよく、例えば耕耘爪用目印として文字表示および色表示の両方を設けたり、文字表示および色表示の少なくとも一方と突起とを設けたりしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 農作業機
2 機体
3 耕耘体
4 整地体
21 回転軸
30 フランジ
31 第1耕耘爪取付部
32 第2耕耘爪取付部
36 第1耕耘爪
37 第2耕耘爪
61,71,81,91 第1耕耘爪用目印
62,72,82,92 第2耕耘爪用目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
この機体に回転可能に設けられ、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、
この耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備え、
前記耕耘体は、
前記機体に回転可能に設けられた回転軸と、
この回転軸の外周面に突設され、第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジと、
前記第1耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられた第1耕耘爪と、
前記第2耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられ、前記第1耕耘爪とは異なる形状の第2耕耘爪とを有し、
前記第1耕耘爪の色と前記第2耕耘爪の色とが互いに異なっている
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
機体と、
この機体に回転可能に設けられ、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、
この耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備え、
前記耕耘体は、
前記機体に回転可能に設けられた回転軸と、
この回転軸の外周面に突設され、第1耕耘爪取付部および第2耕耘爪取付部を有するフランジと、
前記第1耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられた第1耕耘爪と、
前記第2耕耘爪取付部に脱着可能に取り付けられ、前記第1耕耘爪とは異なる形状の第2耕耘爪と、
前記フランジに設けられ、前記第1耕耘爪を前記第1耕耘爪取付部に取り付けるようにするための第1耕耘爪用目印と、
前記フランジに設けられ、前記第2耕耘爪を前記第2耕耘爪取付部に取り付けるようにするための第2耕耘爪用目印とを有する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項3】
第1耕耘爪の色と第2耕耘爪の色とが互いに異なっている
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
第1耕耘爪用目印の色が第1耕耘爪の色と同じであり、
第2耕耘爪用目印の色が第2耕耘爪の色と同じである
ことを特徴とする請求項3記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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