説明

農作物収容袋

【課題】農作物収穫機に設置され、農作物収穫機によって圃場から収穫され搬送されてきた農作物がこぼれ落ちないように確実に支持しやすいものとし、また、機体から地面に降ろすときに倒れたりしにくくし、また、地面に自立しやすい農作物収容袋とすることを課題とする。
【解決手段】布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cを形成して袋状とし、前記角筒状に形成した左右の側部a,aの前後幅Lが前後の側部b,bの左右幅Wより大きく、側部a,a,b,bの上下幅Hを左右の側部a,aの前後幅Lより小さく或は同じ幅とし且つ前後の側部b,bの左右幅Wより大きく設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物収穫機に設置され、農作物収穫機によって圃場から収穫され搬送されてきた農作物を収容する布などの柔軟な素材で袋状に形成した農作物収容袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に記載されているように、機体を自走させる走行装置と、搭乗した操縦者が機体の操縦を行なう操縦部と、根菜類を圃場から引抜き搬送し茎葉部を切断して根菜類の根部側を収穫する収穫部と、収穫した根菜類を収容する収容袋を設置する回収部と、前記収穫部から収穫物を受け取って前記収容部に搬送する搬送部を設け、機体の左側部に前側から後側にわたって前記収穫部を配置し、機体の右側前部に前記操縦部を配置するとともに、該操縦部の後方近傍に前記回収部を配置し、前記搬送部に、前記収穫部側から前記収容部の後方個所に向けて横方向に搬送する横搬送部と、該横搬送部から根菜類を引継いで機体後側から前側上方に持上げ搬送して前記回収部に設置した収容袋の上側開口部内に根菜類を放出する縦搬送部を設けた構成とした根菜類収穫機がある。そして、この根菜類収穫機は、横搬送部で搬送される根菜類を、該横搬送部の前側或は後側に位置する作業者が選別作業する構成とし、また、回収部には、回収部で根菜類が大きく落下して損傷するようなことがないように、収容袋の底部を昇降可能に支持する昇降台を設け、回収初期に昇降台を上昇させて収容袋内に入り込んでくる根菜類の落下距離を小さくし、根菜類の回収量の増大に伴い昇降台を下降させていく構成としている。更に、回収部に設置した収容袋が根菜類で満杯になってその収容袋を機外に取出すときは、昇降台を機体側方に引き出して下降回動させて取出す構成としている。上記根菜類収穫機に使用されている収容袋は、上下に縦長のものであり、収容袋の上部開口部は洗濯バサミのようなもので挟んで支持している。
【特許文献1】特開平2004−89063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に記載の根菜類収穫機に使用されている収容袋は、上下に縦長のものなので、地面に降ろしたときに倒れやすく、また自立しにくい。また、収容袋の上部開口部は洗濯バサミのようなもので挟んで支持するようになっているので外れやすく、そして、その支持が外れると、収穫した農作物が零れ落ちることがある。
【0004】
そこで、本発明は、農作物収穫機に設置され、農作物収穫機によって圃場から収穫され搬送されてきた農作物がこぼれ落ちないように確実に支持しやすいものとし、また、機体から地面に降ろすときに倒れたりしにくくし、また、地面に自立しやすい農作物収容袋とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じた。
請求項1記載の発明は、布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cを形成して袋状とし、前記角筒状に形成した左右の側部a,aの前後幅Lが前後の側部b,bの左右幅Wより大きく、側部a,a,b,bの上下幅Hを左右の側部a,aの前後幅Lより小さく或は同じ幅とし且つ前後の側部b,bの左右幅Wより大きく設定したことを特徴とする農作物収容袋とした。
【0006】
請求項2記載の発明は、布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cを形成して袋状とし、互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に、上側開口部gをフック状の支持具を引っかけるための孔j,j,j,jを設けたことを特徴とする農作物収容袋とした。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記孔j,j,j,jに代えてループを設けたことを特徴とする請求項2記載の農作物収容袋とした。
請求項4記載の発明は、互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に設けた前記孔j,j,j,jの左右間に、上側開口部gをフック状の支持具を引っかけるための孔k,kを設けたことを特徴とする請求項2記載の農作物収容袋とした。
【0008】
請求項5記載の発明は、互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に設けた前記孔j,j,j,jの左右間に設けた前記孔k,kに代えてループを設けたことを特徴とする請求項3記載の農作物収容袋とした。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明は、収容袋Bの収容量を大きくしつつ、農作物収穫機から機体外側方に収容袋が大きくはみ出ないように設置できて収容袋装着時の農作物収穫機の機体幅をコンパクトにでき、且つ、収容袋Bの高さをできるだけ低くしたものとなって、収容袋の底部側に収容された農作物が傷みにくく、且つ、農作物を収容した収容袋を農作物収穫機から地面に降ろしたときに、大きく傾かないで自立し易いものとなる。
【0010】
請求項2及び請求項3記載の発明は、孔に農作物収穫機の支持具を引っかけることで、収容袋の上側開口部gを広げた状態で支持することができ、農作物収穫機によって圃場から収穫され搬送されてきた農作物がこぼれ落ちないように確実に支持しやすいものとなる。
【0011】
請求項4及び請求項5記載の発明は、左右両側の孔j,j,j,jに支持具を引っかけて収容袋の上側開口部gを広げた状態で支持し、その上側開口部gの上方に収容袋Bの一側方(前後一側方)から入り込むように収穫機の搬送部の搬送終端部側が配置されて農作物が供給されるときに、その搬送部から排出される農作物が適確に収容袋内に入り込んで、収容袋の外にこぼれ落ちてしまうのを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態の一つとして、人参等の根菜類を圃場から収穫する根菜類収穫機に設置する農作物収容袋がある。以下に、本発明を実施した農作物収容袋について詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、農作物収容袋に収容させるようにした農作物収穫機としての根菜類収穫機について説明する。
図面に示した根菜類収穫機1は、機体を自走させる走行装置2と、搭乗した操縦者が機体の操縦を行なう操縦部3と、根菜類を圃場から引抜き搬送し茎葉部を切断して根菜類の根部側を収穫する収穫部4と、該収穫部4により収穫された根菜類を搬送しながら根菜類に残る不要な茎葉部を除去する残葉処理部5と、収穫した根菜類を収容する収容袋Bを設置する回収部6と、前記収穫部4から根菜類を受け取って前記回収部6に搬送する搬送部7を設けた構成としている。
【0014】
以下に、根菜類収穫機1の各部の具体的な構成を説明する。
走行装置2は、駆動回転する左右一対のクローラ8L,8Rにより構成している。このクローラ8L,8Rの駆動機構は、まず、操縦部3の操縦座席12の下側に配置したエンジンの動力が、機体前部の低位置に設けたミッション13に伝動し、該ミッション13から左右両側に延出させた走行駆動軸が駆動回転し、この走行駆動軸の左右両外端部に取り付けた駆動スプロケット14,14が駆動回転して左右のクローラ8L,8Rが駆動される構成となっている。クローラ8L,8Rは、駆動スプロケット14,14と機体後部側の転動輪15,15、そして、その転動輪15,15と駆動スプロケット14,14との間に取り付けた転輪16,16,16;16,16,16の周りに巻き掛けて取り付けている。
【0015】
収穫部4を配置している側(左側)のクローラ8Lについては、その転動輪15と転輪16,16,16を、機体(機体フレーム17)に設けた前側支持フレーム18Lと後側支持フレーム19Lとに固着された左側転輪支持フレーム20Lに回転自在に取付けている。従って、収穫部4を配置している側(左側)のクローラ8Lの下面である接地部は機体に対して上下動操作不能となっている。
【0016】
回収部6を配置した側(右側)のクローラ8Rについては以下のように構成している。まず、機体(機体フレーム17)に設けた前側支持フレーム18Rと後側支持フレーム19Rとにそれぞれ軸心が横方向のスイング軸21,21を設け、該前後のスイング軸21,21に上方と後方にアーム部がのびるスイングアーム22,22を回動自在に取付け、該スイングアーム22,22の上方にのびるアーム部の先端部を連結ロッド23の前後端部に横軸回り回転自在に連結し、スイングアーム22,22の後方にのびるアーム部の先端部を右側転輪支持フレーム20Rに横軸回り回転自在に取付けている。そして、右側転輪支持フレーム20Rに転動輪15と転輪16,16,16を回転自在に取付けている。また、後側のスイングアーム22の上方にのびるアーム部の先端部には、更に、シリンダ基部を機体(機体フレーム17)の後部側に横軸回り回動自在に取付けた油圧シリンダ24のピストンロッド先端部を連結している。従って、油圧シリンダ24が作動してそのピストンロッドが機体前後方向に移動すると、前後のスイングアーム22,22がスイング軸21,21回りに回動して右側転輪支持フレーム20Rが上下動するとともに転動輪15と転輪16,16,16が上下動して、回収部6を配置した側(右側)のクローラ8Rの下面である接地部は機体に対して上下動操作可能となっている。なお、後側支持フレーム19Rのスイング軸21には、クローラ8Rの上側の内側面に転動可能に接する転輪25を回転自在に設けている。
【0017】
クローラ8L,8Rの内側面の左右中央側に転動輪15の外周部が左右にずれないよう転動輪15の外周部の左右両側部を挟むように突出する左右の突起26,26・・・が形成されている。また、この左右の突起26,26・・・の間に入り込んでクローラを案内する棒状のガイド部材27,27;27,27がクローラ下側の内面側に接するように転輪支持フレーム20L,20Rに取付けている。このガイド部材27,27の転動輪15,15に近接する後端部の上側は、後下がり傾斜面を形成して転動輪15,15とクローラの間にできるだけ入り込むように設けていて、ガイド部材27,27の下面側ガイド作用部ができるだけ長く形成されるようにし、クローラの外れ防止効果を向上させている。なお、クローラの外周面には、横方向にのびるラグ28・・・をクローラ回転方向一定間隔ごとに形成している。
【0018】
従って、本例の根菜類収穫機1は、前記走行装置2は駆動回転する左右一対のクローラ8L,8Rを備え、前記収穫部4は機体の左右一方側に配置し、前記回収部6は機体の左右他方側に配置し且つ該回収部6を配置した側のクローラ8Rの左右外端部より回収部7の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置している。そして、前記回収部6を配置した側のクローラ8Rの接地部を左右反対側のクローラ8Lの接地部より下方に位置する状態に下動可能に設けている。これにより、収穫部4を配置した側のクローラ8Lは畝の上面を走行し、回収部6を配置した側のクローラ8Rは畝間の溝を走行して、回収部6を配置した側が低くなるように機体が左右に傾斜する状態となる場合に、回収部6の左右外端部を上昇させて隣接する畝上面への接地を回避することが可能となり、収穫作業走行が適確に行なえる。また、収穫部4を機体の左右一方側に配置し、回収部6を機体の左右他方側に配置し且つ該回収部6を配置した側のクローラ8Rの左右外端部より回収部6の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置し、クローラを下動させる機構を回収部6を配置した側のクローラ8Rにのみ設ける構成とすると、構成の簡略化が図れ、機体の軽量化やコストダウンが図れる。なお、クローラを下動させる機構を操縦者による人為的操作に基づいて作動するように構成しても良いし、機体の左右の傾斜を検出する傾斜検出手段を設けて該傾斜検出手段の検出値に応じて自動的にクローラを下動させて機体の左右傾斜を小さく或は水平状態に変更する制御手段を設けても良い。
【0019】
収穫部4は、根菜類の茎葉部を挟持して搬送する搬送作用部として左右挟持搬送ベルト9L,9Rを備える。この左右挟持搬送ベルト9L,9Rは、機体前部側の左右に軸架した左右遊動プーリと、機体後部側の左右に設けた左右駆動プーリと、両プーリの前後間に適宜設けたローラとに巻き掛け、且つ、当該左右挟持搬送ベルトの互いに左右対向する周側面が互いに圧接する状態で回転するように構成している。左右駆動プーリがエンジンからの動力を受けて駆動回転すると左右挟持搬送ベルト9L,9Rが互いに圧接するベルト面が後方に移動するよう互い反対方向に回転して、左右のベルトの互いに圧接するベルト面の間に、根菜の茎葉部の基部(根部の肩に近い部分)を挟持して吊り下げ状態で搬送するものとなる。この収穫部4の後部は機体後部側に設けた左右横軸29回りに回動自在に取り付け、そして、油圧シリンダ30によって左右挟持搬送ベルト9L,9Rの前部を上下動できる構成としている。従って、左右挟持搬送ベルト9L,9Rの搬送作用部の搬送始端部を地面の高さ変動、搬送作用部が保持しようとする根菜類の茎葉部の状態に合わせて、容易に上下調節できる。更に、収穫部4は、機体が前下り姿勢になったとき、左右挟持搬送ベルト9L,9Rの搬送始端部など収穫部4の前部が地面に突っ込んだりしないよう地面に対して設定高さ以下の下降を規制するゲージ輪30aを収穫部4に取付けている。
【0020】
また、収穫部4には、根菜類の茎葉部を切断して根部側から取り除くために切断する切断装置31も設けている。左右挟持搬送ベルト9L,9Rで根菜類を搬送する途中で根菜類の茎葉部を引継いで挟持して機体後方略水平状に搬送する茎葉搬送ベルト32,32を、左右挟持搬送ベルト9L,9Rの終端部分の下方に略水平姿勢で左右一対に設けている。また、この茎葉搬送ベルト32,32に茎葉部を引継ぎ搬送するときに、根菜類の根部の上端部に係合して根菜類の上昇を規制し根菜類の高さを切断装置31に対して設定高さに揃えるための位置揃えベルト33,33を設けている。この位置揃えベルト33,33の後端部後方に、切断装置31を構成する左右一対の円板状の切断刃を配置し、搬送されてきた根菜の茎葉部の基部を切断する。切断された根菜類の根部は下方に落下し、茎葉部は茎葉搬送ベルト32,32で機体後方に搬送されて機体後部側から排出される。左右挟持搬送ベルト9L,9Rの前側には、該ベルト9L,9Rによる茎葉部の挟持が適確に行われるように前後方向と左右方向に突出するラグを周回させて茎葉部を引起す縦引起し装置34と横引起し装置35とを設けている。
【0021】
収穫部4により引抜き搬送され茎葉部が切断されて落下する根菜類は、残葉処理部5と搬送部7により搬送されて、収穫部4が配置されている側とは左右反対側に配置した回収部6に設置された収容袋B内に収容される。
【0022】
残葉処理部5には、収穫部4の後側に設けた切断装置31の下方から収穫部4が配置されている側とは左右反対側である右側に向けて根菜類を搬送する第一コンベア36を設けている。そして、搬送部7には、該第一コンベア36の前側に並行するように位置して第一コンベア36の搬送方向と同方向に根菜類を搬送する第二コンベア37を設けている。収穫部4によって搬送され、切断装置31によって茎葉部が切断されて落下した根菜類は、残葉処理部5の第一コンベア36上に受けられ機体の右側に向けて搬送され、そして、不要な茎葉部を除去処理されて前側に排出される。そして、搬送部7の第二コンベア37によって、残葉処理部5の前側個所から機体右側に配置された回収部6に向けて横方向に搬送される。
【0023】
残葉処理部5は、その第一コンベア36を、平坦な面を有する前後幅広の無端ベルト36aを、左右に配置した前後方向の軸心周りに回動する左右のローラ36b,36cに巻き掛けて構成し、無端ベルト36aの上面側(搬送面側)が機体右方側に向けて移動するように駆動するように設け、そして、その移送下手側の無端ベルト36a上面の上方に、小さい隙間をあけて、下側がベルト回転方向と同方向に向って駆動回転する残葉処理ローラ38を、該ローラの前端部側が後端部側に比べて機体の右側になる平面視傾斜状態に配置して設けている。なお、図示例では、右側のローラ36cを駆動回転し、左側のローラ36bは自由回転する構成としている。従って、切断装置31によって茎葉部が切断されて落下した根菜類は、第一コンベア36の上面上に受けられて機体右方側に搬送される。そして、根菜類が残葉処理ローラ38に当ると、根菜類の根部は、平面視傾斜状態に配置された残葉処理ローラ38に沿って機体前側に移動し、残葉処理部5の前側に配置した搬送部7の第二コンベア37上に供給される。ここで、根菜類の根部側と繋がった茎葉部の基部に切断装置31により切断されずに残っている葉(残葉)があるときは、その葉は、第一コンベア36のベルト上面と残葉処理ローラ38との間に引き込まれ、そして引きちぎられて、第一コンベア36の残葉処理ローラ38より搬送下手側(右側)に搬送されて、根菜の根部から取り除かれる。
【0024】
搬送部7の第二コンベア37は、平坦な面を有する前後幅広の無端ベルト37aの外周面に周方向に波状に湾曲させて外周側に突出する状態とした可撓性シート37bを周方向設定間隔で貼り付けた搬送ベルト37cを、残葉処理部5の機体前方側に配置した前後方向の軸心周りに駆動回転するローラ37dと、その駆動ローラ37dの機体右方側で回収部6の左端側上方に配置した前後方向の軸心周りに自由回転するローラ37eとに巻き掛けて構成し、搬送ベルト37cの上面側が残葉処理部5の機体前方側個所から機体右方側の回収部6に向って移動するように駆動回転するように設けている。また、残葉処理部5の前側個所の搬送ベルト37cの搬送始端部側の上面(搬送面)は、残葉処理部5の第一コンベア36の上面よりも下側に位置するように配置され、且つ、機体右方側に上る傾斜状態にして設けている。本例では、残葉処理部5の機体右方側近傍個所に設けた軸43に設けた中間ローラ37fを上記搬送ベルト37c内に設けていて、この中間ローラ37fの軸43を支点にそれより搬送下手側部分を上下回動可能に設けている。また、搬送部7の搬送ベルト37cの搬送始端部側より機体左側には、搬送ベルト37cの搬送始端部に向けて下る傾斜状態とした複数のスリットを有するスロープ37gを設けていて、このスロープ37gにより収穫部4の切断装置31に切断される前に茎葉部がちぎれてしまって落下した根菜類を受け止めて搬送ベルト37cの搬送始端部に供給することができる。
【0025】
また、搬送部7は、上下回動する搬送終端部側と上下回動しない搬送始端部側とを搬送方向に2つの異なる無端搬送ベルトを直列配置してそれぞれ周回駆動させる構成とすることもできるが、本例の搬送部7は、上下回動する搬送終端部側と上下回動しない搬送始端部側とにわたって一つの無端搬送ベルト37cを周回駆動させる構成として、上下回動しない搬送始端部側と上下回動する搬送終端部側との間の屈曲部をスムーズに根菜類を移動させて搬送できるものとしている。このため、本例においては、搬送部7の搬送ベルト37cを駆動する駆動ローラ37dより上側且つ機体右方側に軸43に取付けた中間ローラ37fを設け、該中間ローラ37fより機体右方側に前記中間ローラ37fの軸43を支点に上下回動可能に支持した回転自在の回転ローラ37eを設け、前記駆動ローラ37dと中間ローラ37fと回転ローラ37eとを内側に囲むようにして単一の無端搬送ベルト37cを巻き掛け、そして、中間ローラ37fの下方を通る搬送ベルト37cの外周に接触する回転自在のテンションローラ37hを設け、搬送部7の搬送作動中における搬送終端部側の上下回動範囲を、搬送ベルト37cが中間ローラ37fの個所で搬送終端部側が搬送始端部側に対して下方に屈曲する状態となるように搬送終端部側が下降した位置と、搬送始端側の駆動ローラ37dと中間ローラ37fと搬送終端側の回転ローラ37eとが機体背面視で右上がり傾斜で略直線状に並ぶ状態となるように搬送終端部側が上昇した位置との上下範囲内に設定した構成としている。このようにすることで、搬送部7の搬送終端部側を下降したときに、搬送ベルト37cが弛んで搬送ベルト37cがスリップするのを防止でき、且つ、搬送部7の搬送終端部側を上昇させたときも、その上昇範囲を上記のように設定することで、搬送ベルト37cの上面側に対し根菜類の搬送の妨げになるテンションローラを設けなくても、搬送ベルト37cが弛んで搬送ベルト37cがスリップするのを生じ難くできる。
【0026】
また、本例の搬送部7の搬送ベルト37cは、前記のように、平坦な面を有する前後幅広の無端ベルト37aの外周面に周方向に波状に湾曲させて外周側に突出する状態とした可撓性シート37bを周方向設定間隔で貼り付けた構成として、根菜類が斜め上方に持上げ搬送できるようになっている。そして、この波状に湾曲して突出する可撓性シート37bは、前後全幅にわたって設けられていると、上記テンションローラ37hによって折り曲げられてしまうので、テンションローラ37hが接触する中央個所は、可撓性シート37bの突出がないように除いた構成としている。従って、波状に湾曲して突出する可撓性シート37bを設けて持上げ搬送可能とした搬送ベルト37cの構成としながらも、突出する可撓性シート37bを折り曲げないようにして外周面にテンションローラ37hを接触可能にし、搬送ベルト37cを弛ませないで搬送部7を屈曲させることが可能となる。
【0027】
回収部6は、収穫部4が配置されている側(左側)とは左右反対側(右側)に配置している。本例では、更に、収穫部4は機体の左側の前部側から後部側にわたって配置し、操縦部3を機体の右側の前部に配置し、そして、回収部6は、操縦部3より機体後側で、且つ、操縦部3より機体左右方向外側で、且つ、搬送部7の機体左右方向外側に配置している。このように回収部6を配置したうえで、前記のように残葉処理部5を機体の右側に向けて根菜類を搬送しながら不要な茎葉部を除去処理して前側に排出する構成とし、搬送部7を、残葉処理部5の前側個所から上記のように配置した回収部6に向けて横方向に搬送する構成としたのである。
【0028】
前記特許文献1に記載の根菜類収穫機は、収穫部により収穫され茎葉部を切断されて落下した根菜類を収穫部の後端部から右側方に排出し、継いで、横搬送部で機体右側方に搬送し、更に、縦搬送部で機体前側上方に持上げ搬送して、前記操縦部の後方近傍に配置した前記回収部の収容袋内に放出する構成としている。このため、機体が前後に長い構成となり、圃場端などで機体を旋回するときに幅広い領域を必要として機体の操縦性があまり良くない。また、回収部を操縦部と縦搬送部に前後に挟まれた個所に形成しているので、その回収部に設置できる収容袋の前後幅が回収部の前後幅に制限され、大きい収容袋が使用しにくく作業能率の向上が図りにくい点もある。
【0029】
一方、本例にあっては、収穫した根菜類を収容袋Bに収容する構成とし、且つ、収穫部4により収穫された根菜類に残存する不要な茎葉部を除去する残葉処理部5を備えた根菜類収穫機において、収穫部4により収穫され茎葉部が切断されて落下した根菜類を残葉処理部5によって機体の右側に向けて搬送しながら不要な茎葉部を除去処理して前側に排出する構成とし、そして、搬送部7によって残葉処理部5の前側個所から更に機体の右側に向けて搬送してその搬送終端部の左右方向外側方に配置した回収部6に搬送する構成としたので、残葉処理部5を備え、且つ、従来よりも機体の前後長が短い構成となって、操縦性が良好なものとなり、且つ、回収部6を操縦部3より機体後側で且つ機体左右方向外側に配置したものなので、従来よりも大きな収容袋を設置して一層多くの根菜類を収容することもできて作業能率の向上が図れる。
【0030】
また、搬送部7の後方に、搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を行う作業者が機体後方側から乗降り可能として搭乗できる選別作業者用搭乗部41,42を設けている。この選別作業者用搭乗部41,42として、作業者が機体上に立てるようにした作業ステップ41を残葉処理部5の側方で搬送部7の後方個所に設け、更に、該ステップ41の機体平面視後側に作業者が座る座席42を設けて構成している。選別作業者用搭乗部41,42を設けたことにより、根菜類の選別作業を機体に搭乗して楽に行なえ、且つ、残葉処理部5の側方で且つ搬送部7の後方個所に形成される空間を利用して設けているので、機体構成もコンパクトなものとなる。なお、搬送部7は、選別作業者用搭乗部41,42に搭乗した作業者によって選別作業が行われる選別搬送部となっている。また、搬送部7は操縦部3の後側近傍個所にも位置しているので、選別作業者用搭乗部41,42と操縦部3との前後間に挟まれた状態で搬送部7が機体左側から右側に渡って横方向に配置された構成となっている。
【0031】
また、回収部6の後側にも補助ステップ41aを設け、前記作業ステップ41から当該補助ステップ41aに直接移動することが可能となるように構成している。よって、前記作業ステップ41上に搭乗した作業者は、回収部6の収容袋Bを設置するときや満杯になった収容袋の取出し作業を行なうときなどに、機体から降りることなく補助ステップ41a上に移動し、そして、その補助ステップ41a上に立って回収部6の後側近傍から前記の作業を行うことができて、作業性が良いものとなっている。なお、補助ステップ41aは、機体フレーム17に対して前後の軸心まわりに上方回動させて収納可能に取付けていて、機体をコンパクトにすることが可能となっている。
【0032】
更に、選別作業を行う作業者が座る座席42の下方から右側方に張り出した状態で機体後端部に位置する後部ステップ41bも設けている。この後部ステップ42b上で座席42の右側方にコンテナMを置いておくことができ、座席42に座って選別作業する作業者は、選別した不良の根菜類をそのコンテナMに容易に投入して収容させておくことができる。また、非作業時には、そのコンテナMを座席42の下方個所の後部ステップ42b上に移動して座席42の下方に収納することもでき、作業者が機体後方から乗降りする際に邪魔にならないようにしておくこともできる。また、機体後端部にこの後部ステップ41bを配置したものなので、前記作業ステップ41への乗降ステップとして使用でき、作業者の乗降りも容易に行なえる。
【0033】
本例の根菜類収穫機1は、収穫部4により収穫された根菜類は、機体後部側において左側から右側に根菜類を横方向に搬送する搬送部7によって、機体左側に配置した収穫部4側から左右反対側の機体右側に配置した回収部6に根菜類を搬送する構成としたものであり、しかも、搬送部7の後側近傍個所に該搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を行う作業者が搭乗する選別作業者搭乗部41,42設け、搬送部7の前側近傍個所に機体を操縦する操縦者が搭乗する操縦部3を設けた構成とし、機体の右側部(搬送部7の搬送終端部の左右方向外方側で且つ選別作業者搭乗部41,42及び操縦部3の左右方向外方側近傍)で、選別作業者搭乗部41,42の側方個所から操縦部3の側方個所にわたる前後範囲に、搬送部7により搬送されてきた根菜類を受け入れて回収する収容袋Bを設置可能とした回収部6を設けた構成としたものなので、従来よりも機体の前後長が短い構成となって、操縦性が良好なものとなり、また、回収部6に設置する収容袋Bを前後に幅広い大容量のものを設置することが可能で、更に、収容袋Bが、選別作業者搭乗部41,42の側方個所から操縦部3の側方個所にわたる前後範囲にわたって回収部6上に設置されるので、回収部6への収容袋Bの設置作業や取出し作業が選別作業者搭乗部41,42上からも行なえ、収容袋B内に収容された根菜類の均し作業も、選別作業者搭乗部41,42に搭乗した作業者と操縦部3に搭乗した操縦者とが容易に行えて作業性が良好なものとなる。
【0034】
また、搬送部7が選別作業者搭乗部41,42の前側近傍に配置し且つ操縦部3の後側近傍に配置した構成としているので、選別作業者搭乗部41,42に搭乗した作業者だけでなく、操縦部3に搭乗した操縦者も機体後方を向いて搬送部7で搬送される根菜類を確認することができ、操縦者が機体の操縦に余裕ができれば、機体後方を振り返って搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を行なうこともできる。特に、搬送部7の搬送終端部側を上方に回動させて高く位置させたときは、操縦部3から搬送部7が一層接近するので根菜類の選別作業を容易に行なえる。更に、選別作業者搭乗部の座席42は機体左右方向の位置で搬送部7の上下回動支点の近傍位置に位置し、操縦部3の座席12は、機体左右方向の位置で、前記選別作業者搭乗部の座席42より搬送部7の搬送終端部側寄りに位置し、更に、選別作業者搭乗部の座席42の着座部の高さが低く、操縦部3の座席12の着座部の高さが高く位置するように設けたので、選別作業者搭乗部の座席42に座る作業者は、搬送部7の搬送終端部側を上下回動したときの上下動量の少ない搬送部7の上下回動支点となる軸43の近傍位置で搬送部7によって搬送される根菜類の選別作業が容易に行なえ、一方、操縦部3の座席12に座る操縦者は、機体操縦の合間で、搬送部7の搬送終端部側を上方回動させて高く位置させたときに搬送部7の搬送終端部側を搬送される根菜類の選別作業を容易に行なうことができる。
【0035】
なお、回収部6を選別作業者搭乗部41,42の側方個所から操縦部3の側方個所にわたる前後範囲に配置して作業性が良好なものとしながらも、操縦部3の乗降部よりも後側に回収部6が配置され収容袋Bが設置されるように設けることで、操縦部3への操縦者の乗降が収容袋Bに妨げられることもない。また、選別作業者搭乗部の座席42よりも前側に回収部6が配置され収容袋Bが設置されるように設けることで、選別作業者搭乗部41,42への作業者の乗降も収容袋Bに妨げられることがない。
【0036】
また、図11に示すように、搬送終端部側が上下回動する搬送部7の後側にあって、選別作業者が搬送終端部側が上昇回動して高くなったときに、搬送始端部側から搬送終端部側に向く姿勢、即ち、右側斜め前方向に向いた姿勢で、或は、右側横方向に向いた姿勢で容易に座って選別作業が行えるように、右向きにした(背凭れを着座部に対して機体左側に移動させた)座席42’を設けても良い。このように座席42’を設けると、特に、搬送部7の搬送終端部側が上昇回動して高くなったときの選別作業が行ないやすくなり、また、回収部6の収容袋B内に収容される根菜類の量を確認しやすくなって、搬送部7の搬送終端部側の上昇操作と収容袋Bの上側開口部の上昇操作を一層適確に行えるものとなり、選別された不良の根菜類を機体後方に捨てる場合にその動作も行いやすくなる。また、座席42を回動操作容易設けて、横向き姿勢で座る状態(背凭れを着座部に対して機体左側に位置させた状態)と前向き姿勢で座る状態(背凭れを着座部に対して機体後側に位置させた状態)とに容易に切り替えられるようにすれば、搬送部7の搬送終端部側が低いときに前向き姿勢で選別作業を容易に行え、且つ、搬送部7の搬送終端部側が高いときに横向き姿勢で選別作業を容易に行なえるようになる。なお、選別作業を行う作業者が前向き姿勢で座る座席を残葉処理部5の上方に配置すれば、機体右側に大きな重量がかかる回収部6に対抗して選別作業者の体重を機体の左側寄りにかかるようにすることができて、機体の左右重量バランスの向上が図れる。
【0037】
また、回収部6には、搬送部7によって搬送されてきた根菜類を内側に収容した収容袋Bの底部を支持する支持台39と、該支持台39上に設置した収容袋Bの上部開口部を広げた状態で支持する収容袋開口部支持手段40を設けている。この支持台39上に支持された収容袋Bは、機体前後方向及び右外側方向に対して広く開放された状態となるので、支持台39上に設置できる収容袋Bの大きさは支持台39上からある程度はみ出るような大きな収容袋でも設置可能であり、また、この支持台39上に設置した収容袋Bは、根菜類を収容して機体の前後方向及び左右外側方向に比較的大きく膨らみながら根菜類を収容することもできる。よって、大きな収容袋Bを設置してその収容袋Bに多くの根菜類を収容して収穫作業を行なうことができ、作業能率の向上を図ることができる。
【0038】
本例の根菜類収穫機1は、機体を自走させる走行装置2と、搭乗した操縦者が機体の操縦を行なう操縦部3と、根菜類を圃場から引抜き搬送し茎葉部を切断して根菜類の根部側を収穫する収穫部4と、収穫した根菜類を収容する収容袋Bを設置する回収部6と、前記収穫部4から根菜類を受け取って前記回収部6に搬送する搬送手段5,7を設けた構成とし、更に、前記搬送部7の搬送終端部と、前記回収部6に設置した収容袋Bの上部開口部を広げた状態で支持する収容袋開口部支持手段40を上下同じ方向に昇降可能に設けた構成としている。
【0039】
これにより、空の状態の収容袋Bに根菜類を収容し始めるときは、搬送部7の搬送終端部と収容袋開口部支持手段40とを共に低い位置に下降しておけば、根菜類が収容袋B内に落下する距離を小さくでき、また、根菜類の収容量が次第に増えていくに従い、搬送部7の搬送終端部と収容袋開口部支持手段40とをともに上昇させていけば、収容袋Bから根菜類が溢れ出ないようにしながら満杯状態になるまで収容袋Bに根菜類を収容することができる。前記特許文献1に記載される根菜類収穫機では、根菜類が収容袋内に落下する距離を小さくしつつ、根菜類の収容量が増加しても収容袋から根菜類が溢れ出ないで満杯状態になるまで収容袋内に根菜類を収容することができるようにするため、収容袋の底部を支持する支持台を昇降する構成としている。このような構成とすると、大きな荷重がかかる支持台を昇降するため昇降機構を頑丈で強力なものとしなければならず、昇降機構の大型化し、コストアップする問題がある。しかし、上記のように、本例では、収容袋Bの底部を支持する支持台39は昇降しないで、収容袋Bの上部開口部を支持する収容袋開口部支持手段40と搬送部7の搬送終端部とを昇降する構成なので、前記特許文献1に記載される根菜類収穫機のように頑丈で強力な昇降機構は必要とせず、機構の簡略化が図れる効果がある。また、本例では、収容袋開口部支持手段40を搬送部7の搬送終端部に取付け、搬送部7の搬送終端部を収容袋開口部支持手段40とともに昇降する構成としているので、一層、機構の簡略化が図れるものである。
【0040】
また、前記特許文献1に記載の根菜類収穫機は、収穫部で収穫した根菜類を、選別コンベアにて収穫部を配置した側から回収部を配置した側に向けて横方向に搬送し、そして、持ち上げコンベアで前方上方に搬送して運転部後方に配置した回収部で根菜類を回収する構成としていて、選別コンベアと回収部の間に別のコンベア(持上げコンベア)があり、機体全体の構成が複雑になり、また、機体重量が増大する欠点がある。
【0041】
一方、本例にあっては、上記搬送部7の機体後方側に作業者が搭乗可能とするためのステップ41或は座席42を設けて上記搬送部7で搬送される根菜類に対して選別作業が行えるように構成し、そして、この搬送部7の搬送終端部と収容袋開口部支持手段40とを昇降可能に構成したので、根菜類が収容袋内に落下するときにできるだけ落下距離を小さくして根菜類が痛まないようにするための機構の簡略化が図れ、しかも、選別作業を行う搬送部と回収部の間に別の搬送部を設けずに、選別作業を行う搬送部の搬送終端部から直接回収部へ根菜類が放出されるので、機体全体の構成が簡略になり、また、機体の軽量化が図れる効果がある。
【0042】
上記搬送部7は、搬送始端部と搬送終端部の間に設けた軸43回りに搬送終端部側を上下回動可能に設けている。よって、搬送部7の後側に位置する作業者が搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を行うとき、搬送部7の全体が上下動せず、搬送部7の搬送途中個所で折れ曲がるようにして搬送終端部側が上下回動するので、作業者は搬送部7において上下動の少ない個所で根菜類の選別作業を行うことができ、よって、選別作業を行う個所の搬送部7が低すぎたり高すぎたりすることがなく、搬送終端部側を上下可能に構成した搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、搬送部7の搬送終端部側の上下回動支点となる軸43を、搬送部7の搬送方向中央位置より搬送始端側寄りに配置すると、搬送終端部側を設定高さ上昇させたときの搬送部7の傾斜角を小さくでき、よって、座席42に座る作業者が行う選別作業を行う個所の搬送部7の角度変化が小さくなって選別作業の作業性が良好になる。また、上記の軸43を、選別作業を行う作業者が座る座席42の前側或いはその近傍に位置するように配置することで、搬送部7をその搬送終端部側が上下動するよう回動させたとき、搬送部7の座席42の前側個所の上下動量はできるだけ小さくできて、搬送部7を上下回動しても座席42に座る作業者が行う選別作業の作業性が良好になる。更に、上記の軸43を座席42の前側位置にあって搬送終端部側に寄せて配置すれば、搬送終端部側を設定高さ上昇させたときの搬送部7の傾斜角を小さくでき、座席42に座る作業者が行う選別作業の作業性は一層良好になる。また、上記の軸43を座席42の前側位置にあって座席42の着座部上面より上方に位置するように配置することで、座席42に座る作業者にとって選別作業を行う個所の搬送部7が適度な高さに位置することになって選別作業が容易に行える。
【0044】
また、上記搬送部7は、軸心が前後方向の軸43回りに搬送終端部側が上下動するよう回動可能に設け、且つ、その軸43を残葉処理部5の残葉処理ローラー38の前端部より搬送部7の搬送方向下手側(機体の右側)に位置するように配置し、残葉処理ローラー38の前端部より搬送部7の搬送方向上手側(機体の左側)における搬送部7の上面(搬送面)は残葉処理ローラー38の前端部より下側に位置するように設けている。従って、搬送部7の搬送終端部側が、残葉処理ローラー38の前端部より搬送部7の搬送方向下手側に配置した軸43回りに上下動して、残葉処理部5の残葉処理ローラー38の前端部から機体前方側に排出される根菜類を受ける搬送部7の搬送始端部側は上下動しないので、残葉処理部5から搬送部7への根菜類の引継ぎが良好に行なわれる。また、残葉処理部5から搬送部7の搬送始端部側に供給される根菜類の量が搬送部7の根菜類の搬送量より多くなると、搬送部7の搬送始端部側において一時的に根菜類が貯留されることになるが、前記のように搬送部7の搬送終端部側が上下動しても、残葉処理部5の残葉処理ローラー38の前端部から機体前方側に排出される根菜類を受ける搬送部7の搬送始端部側は上下動しないので、搬送部7の搬送始端部側における根菜類の一時的な貯留量は変動しないので、根菜類の収穫量が一時的に増大して搬送部7の搬送始端部側で根菜類が溢れるようなことはなく、収穫作業を適正な状態で能率良く行なえる。
【0045】
搬送部7の搬送終端部側を前記軸43回り上下回動する構成とし、更に、搬送部7の搬送終端部に収容袋開口部支持手段40を取付けた構成とすると、前記のように、搬送部7の搬送終端部を収容袋開口部支持手段40とともに昇降できるので、根菜類が収容袋内に落下するときにできるだけ落下距離を小さくして根菜類が痛まないようにするための機構の簡略化が一層図れるものとなり、そのうえ、搬送部7の搬送終端部を前記軸43より下側まで下降可能にし且つ前記軸43より上側まで上昇可能とするように、搬送部7の搬送終端部の昇降範囲を設定すると、搬送部7の搬送終端部側の上下回動による収容袋開口部支持手段40の左右方向への移動量を少なくできて、根菜類を収容した収容袋Bが左右に大きく乱れた姿勢とならないようにして根菜類を収容袋Bに収容させることができる。なお、搬送部7の搬送終端部の前記軸43より下側への下降量と、前記軸43より上側への上昇量とを略同じに設定すれば、一層好ましいものとなる。また、搬送部7の搬送終端部の前記軸43より上側への上昇量を、前記軸43より下側への下降量より大きく設定すれば、上下幅の大きい収容袋Bに対して根菜類を多く収容させることができ、作業能率の一層の向上が図れる。
【0046】
本例の収容袋開口部支持手段40は、収容袋Bの上側開口部の左右前後の四箇所を支持する前後の内側支持部40a,40aと前後の外側支持部40b,40bを備えていて、上側開口部を広く開放した状態で支持できて、搬送部7の搬送終端部側から放出される根菜類を適確に収容袋B内に収容させることができる。また、搬送部7の搬送終端部下方個所の収容袋Bの上側開口部を支持する中間支持部40cを設けているので、搬送部7の搬送終端部下方個所の収容袋Bの上側開口部が弛んで搬送部7の搬送終端部側から放出される根菜類が収容袋Bの外側にこぼれ落ちることがなく、根菜類を一層適確に収容袋B内に収容させることができる。また、収容袋Bの上側開口部にあって搬送部7の搬送終端部側の左右方向内側個所を支持する内側支持部40a,40a及び中間支持部40cは、搬送部7の搬送終端側の上下回動とともに上下回動する搬送部7の搬送終端部側のフレーム(具体的には、回動ローラー37eを回動自在に支持している前後の搬送部上下回動側板)に取付けているので、搬送部7の搬送終端部側の上下回動とともに、搬送部7の搬送終端部側の収容袋Bの上側開口部を支持する内側支持部40a,40a及び中間支持部40bが上下回動して、搬送部7の搬送終端部側個所の収容袋Bの上側開口部が搬送部7の搬送終端部から離れることなく確実に支持され、根菜類が収容袋Bの外側にこぼれ落ちることがなく、根菜類を一層適確に収容袋B内に収容させることができる。
【0047】
なお、本例では、内側支持部40a,40a、外側支持部40b,40b、中間支持部40cのそれぞれは、収容袋Bの上側開口部に設けた孔或は輪に引掛けるようにフック状に形成しており、この内側支持部40aと外側支持部40bを左右両端部に形成したハンガー40dを前後に二つ設けて、この前後のハンガー40d,40dの左右中間部に形成した係合部を、前後方向にのびるハンガー支持フレーム40eの前後両端部に係合させ、そして、そのハンガー支持フレーム40eの前後両端部を、搬送部7の搬送終端部側のフレーム部(具体的には、前後の前記搬送部上下回動側板)に取付けて搬送部7の搬送終端部の前後両側部から左右方向外方側にのび且つ前後に間隔を広げながらのびる前後の取付アーム40f,40fの各先端部に連結して、各支持部40a,40a;40b,40b;40cを、上下回動する搬送部7の搬送終端部側のフレーム部に支持させている。前後のハンガー40d,40dは、ハンガー支持フレーム40eの前後両端部に前後方向軸まわりに回動自在に係合しているので、搬送部7の搬送終端部側が上下回動して取付アーム40f,40fが上下回動しても略水平姿勢を維持しながら上下することができるので、収容袋Bの上側開口部を適確に上昇させていくことができて根菜類を収容した収容袋Bの姿勢が大きく乱れることがなく、根菜類を満杯になるまで収容袋Bに適確に収容させることができる。なお、搬送部7の搬送終端部の外側方で搬送部7の搬送終端部より前側から後側にかけて機体平面視前後方向にのびるハンガー支持フレーム40eは、ハンガー40d,40dと連結する前後両端部の間が上方に位置するように上側に屈曲させた形状にしているので、特に、搬送部7の搬送終端部側を低い位置に下降させたときに搬送部7の搬送終端部から放出された根菜類がハンガー支持フレーム40eに当たらないようにしている。
【0048】
なお、図10〜11に示すような収容袋開口部支持手段40’とすることもできる。即ち、搬送部7の搬送終端部側のフレーム(具体的には、前後の前記搬送部上下回動側板)から前後にのびる内側取付軸40gの前後両端部及び前後中間部に前後の内側支持部40a,40aと中間支持部40cを取付け、搬送部7の搬送終端部側のフレーム部(具体的には、前後の前記搬送部上下回動側板)に取付けて搬送部7の搬送終端部の前後両側部から略平行状態で搬送部7の搬送終端部から左右方向外方側にのびる前後の取付アーム40h,40hの各先端部に連結した前後にのびる外側取付軸40iの前後両端部に前後の外側支持部40b,40bを取付ける。このように収容袋開口部支持手段40’を構成すると、後側の内側支持部と40aと外側支持部40bとの左右間に取付け部材が配置されず、後側に開放された状態になっているので、搬送部7の後側に位置する作業者が収容袋B内に収容された根菜類を平らに均すために収容袋B内に手を入れて作業を行うときに、収容袋開口部支持手段の取付部材などが邪魔にならず作業がし易くなる。なお、取付アーム40h,40hを板ばね材などによる弾性変形可能な部材で構成すると、収容袋Bを一層バランス良く支持することができる。
【0049】
また、搬送部7の搬送終端部は収容袋開口部支持手段40,40’に支持された収容袋Bの上側開口部内の上方に張り出した状態に位置していて、搬送部7の搬送終端部から放出した根菜類が適確に収容袋B内に収容されるようになっている。また、搬送部7の搬送終端部は、収容袋Bの上側開口部の機体内側個所寄りに位置しているので、搬送部7の搬送終端部から左右方向外側に収容袋Bの上側開口部が大きく上方に開放された状態となっているので、搬送部7の搬送終端部から根菜類が勢い良く放出されても適確に収容袋B内に収容される。更に、搬送部7の搬送終端部から根菜類が勢い良く放出されて収容袋Bから飛び出てしまわないように、搬送部7の搬送終端部の左右方向外側方に、薄いゴムシートや厚手のビニールシートなどの可撓性シート40jを吊り下げて設けて、搬送部7の搬送終端部から放出する根菜類をこの可撓性シート40jで受け止めて収容袋B内に適確に落下させるようにすることができる。可撓性シート40jは、前記収容袋開口部支持手段40にあっては、ハンガー支持フレーム40eに吊り下げ状態で容易に取付けることができ、また、収容袋開口部支持手段40’にあっては、前後の取付アーム40h,40hに吊り下げ状態で取付けることができる。
【0050】
回収部6は操縦部3より機体の左右方向外側に張り出した状態で位置し、該回収部6の上方に搬送部7の搬送終端部側が張り出した状態で位置して上下回動する構成としている。そして、回収部6に設けた収容袋底部を支持する支持部材等の操縦部3より右側外方に突出する回収部構成部材を機体フレーム17に対して軸心が前後方向の取付け軸6a,6aを介して取付けて、該回収部構成部材を取付け軸6a,6a回りに上方回動させて機体内側方向に移動して収納可能に設ける。更に、搬送部7の搬送終端部側は、搬送作業中の作業時上限位置より更に上方の収納上昇位置に回動させて機体内側方向に収納可能に設ける。これにより、機体の運搬・移動時や格納時に機体をコンパクトにできるものとなる。なお、搬送部7を一つの無端搬送ベルト37で構成し且つ搬送終端部側を上下回動させる構成とするにあたり、搬送ベルト37を弛ませないで途中で屈折させるために設けるテンションローラ37hが搬送ベルト37の下側に対してのみ設けているので、搬送部7の搬送終端部側を収納上昇位置に回動させたときは、テンションローラのない側に折りたたみ搬送ベルト37を弛ませながら回動させる状態となるので、搬送部7の搬送終端部側の収納時に容易に大きく回動させることができ、一層機体をコンパクトにできる。また、このような収納時に、搬送部7の搬送終端部側を大きく上方に回動させると、収容袋開口部支持手段40の取付アーム40f,40fや収容袋開口部支持手段40’の取付アーム40h,40hが上方に突出する状態となるので、その取付アーム40f,40f;40h,40hを折り畳み可能に設けることで、更に機体をコンパクトにできる。また、回収部6の回収部構成部材は、収納上昇位置に回動させた状態の搬送部7の搬送終端部側の下方空間に入り込むようにして上方に回動させて収納する構成としているので、一層機体をコンパクトにできる。
【0051】
本例では、搬送部7の搬送終端部側を搬送始端部側に設けた軸心が前後方向の軸43回りに上下回動可能に設け、搬送終端部側を上下駆動する昇降駆動装置(図例では電動シリンダであるが油圧シリンダでも良い)44を設け、該昇降駆動装置44を作業者が任意に作動操作可能に設けている。作動操作具は、搬送部7の後方に位置する作業者が足で操作可能な足操作具45としている。図例では、座席42より前側のステップ41近傍に設けたペダル式操作具としている。搬送部7の後方に位置する作業者は、搬送部7を搬送される根菜類の選別作業を両手で行いながら、収容袋B内への根菜類の収容状況を確認し、根菜類が収容袋Bの上側開口部附近まで収容されたら、ペダル式操作具45を足で操作して、搬送部7の搬送終端部側と収容袋Bの上側開口部をを適宜上昇操作する。従って、作業者は選別作業の手を休めずに搬送部7の搬送終端部側と収容袋Bの上側開口部を足操作にて上昇操作できて、作業能率も良好となる。また、このペダル式操作具45は上昇操作のみを行うので、操作が単純で選別作業中でも容易に且つ迅速に操作でき、操作性、作業性が良好となる。
【0052】
また、ペダル式操作具45を、操作具から足を離したときは非操作時の位置に自動復帰する復帰機構を備え、該ペダル式操作具45を一度押し操作すると、搬送部7の搬送終端部側が設定高さ上昇して自動的に停止するように設けると、選別作業中における搬送部7の搬送終端部側の上昇操作を迅速に且つ容易に行え作業性、操作性が良好なものとなる。ペダル式操作具45を一度押し操作して搬送部7の搬送終端部側が上昇し収容袋開口部支持手段40,40’が上昇するが、この上昇量を15〜25cmに設定すると、根菜類が搬送部7の搬送終端部から収容袋B内に落下したときに割れなどの損傷が生じにくい。
【0053】
また、上記ペダル式操作具45とは別に搬送部7の搬送終端部側を任意の高さに手動で上下操作する手動操作具45aを設けている。これにより、上記ペダル式操作具45によって設定高さ上昇させた後で、収容袋Bの上側開口部の位置をより適正な位置に上下調節することができて、一層、作業性、操作性が良好になる。また、上記ペダル式操作具45による上昇操作は作業中に上昇できる作業上昇上限位置までとし、回収部6で根菜類で満杯になった収容袋Bを機外に排出するときに作業上昇上限位置より更に上方に上昇させて退避させるときや収納上昇位置まで上昇させるときは、手動操作具45aにて行うように構成することで、選別作業中のペダル操作具45の操作によって搬送部7の搬送終端部側を作業上昇上限位置より上方に操作してしまって、満杯になた大重量の収容袋を浮上させて大きな負荷がかかり破損するような状況を回避できる。なお、手動操作具45aにて作業上昇上限位置より上方に操作えきるが、選別作業時以外で操作するので、注意が行き届き前記のような状況は容易に気づいて回避できる。また、ペダル式操作具45と手動操作具45aを同時に操作したときには、手動操作具の方が優先して動作する構成としている。足の動作より手の動作に意識が集中するので、安全且つ適確な操作が行える。手動操作具45aは搬送部7の搬送終端部側の後側部に取付けていて、搬送部7の後側に位置する作業者のみならず、収容袋Bのセットするために或は満杯の収容袋Bを機外に排出するために機外の回収部近傍に位置する作業者からも容易に操作できて、操作性が良好となる。また、操縦部3に位置する操縦者からも手が届く位置にあれば更に操作性が良好となる。なお、上記構成を示す制御ブロック図を図12に示しており、その図において、制御装置Cと、ペダル式操作具45によって切り替わるスイッチSW1と、手動操作具45aによって切り替わるスイッチSW2と、それらのスイッチSW1,SW2の切り替え信号が入力されて制御装置Cが昇降駆動装置44に制御出力する構成を示している。
【0054】
なお、上記のペダル式操作具45をペダルの前後中間部を左右方向の軸回りに回動可能に支持して、ペダル前部を下方回動可能に且つペダル後部を下方回動可能に構成し、更に、前後回動中立位置に自動復帰する復帰機構を設けて、ペダル前部を下方回動操作したときは搬送部7の搬送終端部側を上昇動作するように設け、ペダル後部を下方回動操作したときは搬送部7の搬送終端部側を下降動作するように設けると、搬送部7の搬送終端部側の上下両方向の操作を足操作のみで行え、収容袋Bの上側開口部の位置を上昇させ過ぎたとき下降操作して適正な位置に上下調節することが選別作業中に足操作で行え、一層、作業性、操作性が良好になる。なお、搬送部7の搬送終端部側を上昇させる上昇操作ペダルと下降させる下降操作ペダルを別々に設けることもできる。
【0055】
作業中に行う搬送部7の搬送終端部側の上昇操作は、上記においては、作業者が任意に足或は手で操作して行う構成としているが、搬送部7の搬送終端部側の自動上昇させる構成として選別作業中の搬送部7の搬送終端部側の上昇操作を不要にし、作業性、操作性を更に向上させることもできる。具体的には、例えば、図13の制御ブロック図に示すように、収容袋Bの底部を受けて支持する支持台39の下側にその支持台39の底面に接して根菜類を収容した収容袋Bの重量を検出するセンサWSを設け、このセンサWSの検出結果に基づいて昇降駆動装置44を駆動制御する構成として、収容袋B内の根菜類の増加に伴う搬送部7の搬送終端部側の上昇を自動的に動作させる構成とする。
【0056】
本例の根菜類収穫機1は、機体を前後進可能に自走させる走行装置2と、搭乗した操縦者が機体の操縦を行なう操縦部3と、根菜類を圃場から引抜き搬送し茎葉部を切断して根菜類の根部側を収穫する収穫部4と、収穫した根菜類を収容する収容袋Bを設置する回収部6と、前記収穫部4から根菜類を受け取って前記回収部6に搬送する搬送手段5,7を設けた構成とし、更に、前記回収部6に搬送部7によって搬送されてきた根菜類を内側に収容した収容袋Bの底部を支持する支持台39を設け、該支持台39を前下り姿勢或は後下り姿勢に姿勢変更可能に設けている。
【0057】
したがって、回収部6の収容袋Bが根菜類で満杯になってその満杯になった収容袋Bを機外に排出する際に、支持台39を前下り姿勢或は後下り姿勢に姿勢変更するだけで、その傾斜姿勢になった支持台39上を収容袋Bが地面GLまで滑って移動するので、満杯の収容袋Bを地面に降ろす作業が容易に行なえる。また、支持台39の前側或は後側の地面にGLに収容袋Bを降ろす構成なので、地面GLまで収容袋Bを移動させた後は、支持台39を前下り姿勢にして支持台39の前側の地面に収容袋Bを降ろした場合には、機体を後進させるだけで、収容袋Bを支持台39から完全に離して地面に起立状態にさせることができる。支持台39を後下り姿勢にして支持台39の後側の地面に収容袋Bを降ろした場合には、機体を前進させるだけで、収容袋Bを支持台39から完全に離して地面に起立状態にさせることができる。よって、簡単な構成で、且つ、収容袋Bの地面への移動も迅速且つ容易に行なえて作業能率が向上する。
【0058】
本例では、支持台39は、収容袋Bの底面を支持する平坦な上面を有する台部39aと、その台部39aの左右両側に立ち上がる側壁部39b,39bと、台部39aの後側に立ち上がる後壁部39cとを設け、台部39aの前側には立ち上がる壁部を設けず前方に開放状態としたバッケト形状としたもので、収容袋Bの底部が支持台39からずれにくく、収容袋Bを確実に支持できるものとなっている。また、台部39aの前側部分は、前上り状態の斜面部39dを形成していて、支持台39を略水平姿勢にして収容袋Bを支持しているときの収容袋Bの前方へのズレを抑制でき、更に、支持台39の前部を前向きに装着した状態で前下り状態に姿勢変更して、或は、支持台39の前部を後向きに装着した状態で後下り状態に姿勢変更して、支持台上の収容袋Bを地面GLに滑らせて移動させるとき、支持台39を水平姿勢から前下り姿勢へ姿勢変更する途中で収容袋Bが滑り落ちようとするが、支持台39の前端部に形成した斜面部39dで収容袋Bを受け止めて、姿勢変更途中での収容袋Bの支持台39上から落下を防止できる。なお、支持台39の前端部を地面GLに接触するまで或は地面GLの上方近傍個所まで下降させたときは、斜面部39dは地面GLに対しては前下り傾斜状態となり、収容袋Bの地面GLへの滑り移動を許容するようになっている。また、支持台39は着脱自在な構成としている。支持台39は、支持台39の後部に設けた係合部39jが回動軸47に固着した係合部材46a,46aに係合した状態で装着され、この係合により、支持台39を傾斜姿勢にしても、支持台39が収納袋Bとともにズレ落ちないようになっている。
【0059】
支持台39の姿勢変更機構は、図例では、着脱自在の支持台39を下側から支持する支持部材39eの後端部に軸心横方向の回動軸46を一体的に取付け、該回動軸46を機体側に回動可能に取付け、更に、該回動軸46を回動操作して支持台39を略水平姿勢から前下り姿勢に変更可能にする姿勢変更操作機構を連結している。回動軸46の機体側への取付け構成は、機体フレーム17に取付けブラケット17a,17a;17a,17aを固着し、一方、機体フレーム17の右側部の前後に伸びるフレーム部に沿って前後にのびる縦フレーム39fを設け、該縦フレーム39fに固着の取付けブラケット39g,39g,39g,39gとを前後方向の取付け軸6a,6aを介して連結している。また、縦フレーム39fの後端部には左右方向外方側にのびる横フレーム39hを固着し、更に、その横フレーム39hの外端部に支持プレート39iを取付け、この支持プレート39iと縦フレーム39fとに回動軸46の左右両端部を回動自在に取付けている。そして、姿勢変更操作機構として、回動軸46の外端部近傍に一体にアーム47を取付け、該アーム47にネジ部の回動によって伸縮可能な伸縮ロッド48を連結し、また、該伸縮ロッド48の後端部側を支持する支持部49を設け、伸縮ロッド48のネジ部を回動して伸縮操作する操作ハンドル50を設け、その操作ハンドル50の回動操作により伸縮ロッド48が伸縮動作し、これによりアーム47とともに回動軸46と支持部材39eが回動して支持台39が回動軸46回りに回動するように構成している。これらの支持台構成部材は、姿勢変更操作機構も含めて、取付軸6a,6a回りに上方回動させて機体側に適宜設けた支持具で支持し、収納状態にすることができるようになっている。また、姿勢変更操作機構は機体後部側に配置しているので、選別作業者用搭乗部41,42に搭乗する作業者が容易に操作でき、操作性が良い。なお、別の図例に示すように、支持台39の回動軸心となる回動軸46を支持台39に対して前側に配置して、支持台39を略水平姿勢から後下り姿勢に変更可能とする構成とすることもできる。
【0060】
姿勢変更操作機構は、上記のように手動操作可能な構成にすれば、低コストで簡易な構成となる。また、上記姿勢変更操作機構の伸縮ロッドに変えて電動シリンダや油圧シリンダなどの伸縮駆動体48aとし、操作ハンドル50に変えて、伸縮駆動体48aを伸縮駆動操作するスイッチ等の操作具を操縦部3に設けた構成とすると、支持台39の姿勢変更操作を迅速且つ容易に行え、また、操縦部3に搭乗した操縦者が支持台39の姿勢変更操作を行なって収容袋Bを地面に移動させることができ、そして、その操作に続いて機体を前進或は後進操作できるので、収容袋Bを地面に降ろす作業を一層迅速に行なえ、作業性が一層向上する。
【0061】
なお、支持台39を後下り姿勢にして支持台39の後側の地面に収容袋Bを降ろす構成とした場合には、収容袋Bが支持台39上を滑り落ち難いときに機体後部に搭乗するようにした作業者が機体後方に収容袋Bを引っ張ることが迅速に行なえる。
【0062】
図20〜24には、回収部6’で回収された根菜類が満杯になった収容袋Bを機体上に積載しておく積載部51を回収部6’の機体前側に設け、回収部6’上の収容袋Bを前方に移動させて積載部51上に移動可能に設けた構成のものを示している。このように構成すると、満杯になった収容袋Bを機体上に積載して収穫作業を継続できて、収穫作業の能率向上が図れ、また、収穫作業を圃場端まで継続してから満杯になった収容袋Bを地面に降ろすこともできて、満杯になった収容袋Bの回収作業も迅速に行なえて、収穫した根菜類の運搬作業の能率向上も図れる。
【0063】
また、収容袋Bを支持する支持台39を回収部6’から積載部51にわたって複数着脱自在に設置可能とし、支持台39を回収部6’から前方に移動させて積載部51上に移動可能に設けた構成としたので、収容袋Bを支持台39上に載置した状態のままで回収部6’から積載部51に迅速に移動でき、且つ、積載部51において安定した状態で満杯の収容袋Bを積載しておくことができる。
【0064】
回収部6’から積載部51にわたって横軸回りに回動自在のローラー52…を複数設けて、該ローラー52…上に支持台39を設置して移動させる構成としたので、回収部6’から積載部51への収納袋Bの移動を、比較的軽い力で移動させることができ、移動機構を簡略化が図れる。
【0065】
また、積載部51で支持台39を支持する支持部材39e’を略水平姿勢から前下がり姿勢に姿勢変更可能に設けたので、積載部51に積載した根菜類を収容した収容袋Bを地面に容易に且つ迅速に降ろすことができて、作業能率が良好なものとなる。
【0066】
更に、回収部6’から積載部51まで支持台39を移動させると、支持台39の一部(本例では係合部39j)と支持台39を支持する側に設けた係合部材46a’とが係合して支持台39の前方への移動を規制する構成としたので、積載部51で支持台39を略水平姿勢から前下がり姿勢に姿勢変更したとき、収容袋Bとともに支持台39がズレ落ちないようになり、よって、支持台39を下に敷いた状態で収容袋Bが地面に降ろされてしまうことがなく、作業能率が良好なものとなる。
【0067】
なお、前記の構成と比べると、回収部6’には姿勢変更機構は設けていない構成であり、積載部51に、収容袋Bを支持する支持台39を略水平姿勢から前下り傾斜姿勢に姿勢変更する姿勢変更機構を設けた構成となっている。また、支持台39の姿勢変更機構の具体的構成は、前記の回収部6の支持台39の姿勢変更機構と同様な機構を採用している。図例では、同じ機能を有する部分については同じ符号を付している。
【0068】
上記構成とした根菜類収穫機において、回収部6’に設置した収容袋Bが回収された根菜類で満杯になったときは、回収部6’から積載部51にその収容袋Bを移動させる。このとき、支持台39は、横軸回りに回転自在のローラー52…を回収部6’から積載部51にわたって複数設けた支持部53上に支持させた構成としているので、積載部51上にある何も積載していない支持台39を取り外し、その後、作業者が根菜類で満杯になった収容袋Bを前方に押すことで、収容袋Bを上に載せた支持台39を、支持部53のローラー52…を回転させながら支持部53上を前方に容易に移動させることができる。積載部51には、支持台39を下側から支持する横軸回りに回転自在のローラー52…を複数設けた支持部材39e’を設けていて、その後端部を前記と同様な軸心横方向の回動軸46に一体的に取付け、この回動軸46を、前記と同様な、アーム47、伸縮ロッド48、支持部49、操作ハンドル50によって構成した姿勢変更操作機構によって、回動軸46を回動操作して支持部材39e’とともに支持台39を回動軸46回りに回動させて略水平姿勢から前下り傾斜姿勢に姿勢変更できるように構成している。なお、これら手動操作機構に代えて駆動機構を用いて姿勢変更する構成とすることもできる。回収部6’から満杯の収容袋Bを積載部51上に移動させたら、先に取り外しておいた収容台39を、回収部6’上に設置する。そして、収穫作業を継続する。その後、再び、回収部6’に設置した収容袋Bが満杯になったら、まず、積載部51上の収容袋Bをその支持台39を前下り状態に姿勢変更し、前記と同様に地面に降ろす。そして、積載部51の支持台39を元の略水平姿勢に姿勢を戻して、再び、回収部6’から満杯の収容袋Bを積載部51上に移動させる。そしてまた、その積載部51上に移動させた収容袋Bをその支持台39を前下り状態に姿勢変更し、前記と同様に地面に降ろす。このように作業を進めると、収穫作業の能率向上が図れる。また、積載部51に満杯の収容袋Bを移動した後で回収部6’に再び設置した収容袋Bが満杯になる前に、機体が圃場端に至ったときに、収容袋Bを積載部51から地面に降ろすこともできる。このようにすれば、根菜類を収容した収容袋Bの回収作業を迅速に行なえて、収穫した根菜類の運搬作業の能率向上も図れる。
【0069】
回収部6’に設置した支持台39は、その後側に設けたストッパ54と積載部51に設置した支持台39に挟まれて前後に大きくずれることがないように設けている。積載部51に設置した支持台39は、前下りに姿勢変更したときに支持台39がズレ落ちないように、支持台39の一部(本例では係合部39j)と支持台39を支持する側に設けた係合部材46a’とが係合して支持台39の前方への移動が規制されているので、回収部6’に設置した支持台39が前側にずれて積載部51に設置した支持台39に当っても、それ以上前側にずれることがなく、積載部51の支持台39のズレ止め機構が、回収部6’に設置した支持台39の前側へのズレ止めも兼ねて、構成の簡略化が図られている。また、回収部6’に設置した支持台39の左右方向へのズレ止めは支持部53に設けた左右ガイド55,55によって行われ、積載部51に設置した支持台39の左右方向へのズレ止めは支持部材39e’に設けた左右ガイド56,56によって行われる。
【0070】
図8に示すように、選別作業者用搭乗部41,42の座席42の前側で搬送部7の後側には、搬送部7で搬送される根菜類から選別し取出した不良な根菜類を圃場に落下案内する落下通路57の投入部を配置している。選別作業者用搭乗部41,42の前側には搬送部7と操縦部3があり、左側には収穫部4の後部と残葉処理部5があり、右側には回収部6があるため、取出した不良な根菜類は、機体の前側及び左右側方には投げ捨てられない。前向きで後方に投げ捨てると、投げた不良な根菜類が過って未収穫の圃場側に飛んでいってしまうことがあり、収穫の障害となる恐れがある。そこで、本例では、作業者は前向きに座って搬送部7で搬送される根菜類の選別作業を行いながら、作業者の前側にある落下通路57内に投入して不良な根菜類を圃場の適確な個所に落して行くことができる。落下通路57は、ステップ41を貫通して機体下方の圃場に達するように形成した筒状の案内通路によって構成し、或は、座席42の前側下方個所から座席42の下方を通って機体後方に延びるスロープ状のシュータで構成することもできる。収穫部4の切断装置31により切断されて根菜類の根部から切り離された茎葉部は、収穫部4の茎葉搬送ベルト32,32で機体後方に搬送されて、その搬送ベルトの後端部から後方に放出される。放出された茎葉部は、隣接する未収穫側圃場に落下しないように排葉シューター58によって機体の左右方向内側に寄せながら落下させるように設けている。また、茎葉部が落下排出される排葉シューター58の下側排出部58aは、選別作業者用搭乗部41,42の座席42より後側になるように設けているので、座席42に座る作業者に落下排出される茎葉部がかからず、快適に作業が行える。なお、茎葉部が落下排出される排葉シューター58の下側排出部58aが、選別作業者用搭乗部41,42の座席42の下方に位置するように排葉シューター58の下部を延設すれば、座席42に座る作業者に落下排出される茎葉部がかからないようにしつつ、排葉シューター58を機体後方にあまり突出させないで設けられ、機体のコンパクト化が図れる。また、選別作業者用搭乗部41,42の座席42の左側方には、残葉処理部5を配置していて、残葉処理ローラ38から機体右側個所の第一コンベア36は、残葉処理ローラ38によって取り除かれた茎葉部が搬送され、その茎葉部が搬送終端部から落下する。第一コンベア36の搬送終端部の下方は開口されていて、第一コンベア36の搬送終端部から落下した茎葉部はその開口部を通過して圃場に落下する。なお、残葉処理部5の上側を安全のためにカバー5aで覆うように設けても良い。この場合、そのカバー5aを第一コンベア36の搬送終端部の右側方及びその下方まで延長して覆って、その延長したカバー部が第一コンベア36の搬送終端部から落下した茎葉部を圃場に落下させるために下方に形成した前記開口部に案内するガイドを兼ねるようにする。そして、残葉処理ローラ38から機体右側の第一コンベア36の搬送終端部側上方のカバー5aには開口部5bを設けていて、この開口部5bに、搬送部7で搬送される根菜類から選別されて取出した不良な根菜類を投入することもできる。開口部5bに投入された不良な根菜類は、残葉処理ローラ38によって取り除かれた茎葉部とともに、第一コンベア36の搬送終端部から落下し、その下方に形成した前記開口部を通って圃場に落下する。(図8参照)
なお、従来の根菜類収穫機は、特開平2004−89063号公報に記載されているように、機体を自走させる走行装置と、搭乗した操縦者が機体の操縦を行なう操縦部と、根菜類を圃場から引抜き搬送し茎葉部を切断して根菜類の根部側を収穫する収穫部と、収穫した根菜類を収容する収容袋を設置する回収部と、前記収穫部から収穫物を受け取って前記収容部に搬送する搬送部を設け、機体の左側部に前側から後側にわたって前記収穫部を配置し、機体の右側前部に前記操縦部を配置するとともに、該操縦部の後方近傍に前記回収部を配置し、前記搬送部に、前記収穫部側から前記収容部の後方個所に向けて横方向に搬送する横搬送部と、該横搬送部から根菜類を引継いで機体後側から前側上方に持上げ搬送して前記回収部に設置した収容袋の上側開口部内に根菜類を放出する縦搬送部を設けた構成とした根菜類収穫機がある。そして、この根菜類収穫機は、横搬送部で搬送される根菜類を、該横搬送部の前側或は後側に位置する作業者が選別作業する構成とし、また、回収部には、回収部で根菜類が大きく落下して損傷するようなことがないように、収容袋の底部を昇降可能に支持する昇降台を設け、回収初期に昇降台を上昇させて収容袋内に入り込んでくる根菜類の落下距離を小さくし、根菜類の回収量の増大に伴い昇降台を下降させていく構成としている。更に、回収部に設置した収容袋が根菜類で満杯になってその収容袋を機外に取出すときは、昇降台を機体側方に引き出して下降回動させて取出す構成としている。
【0071】
図25〜27に示した農作物用の収容袋Bについて以下に説明する。
収容袋Bは、布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cが形成されて袋状となっている。また、各側部a,a,b,bの上縁部には、それぞれの側部が延長するような状態でそれぞれ布が縫い付けられ、それらの布が上蓋d,d,d,dとなっている。各上蓋d,d,d,dの端部には、紐通し用の筒部e,e,e,eを形成しており、その筒部e,e,e,eに紐fを通している。収容袋Bの上側開口部gは、各側部a,a,b,bの上端部によって形成される。各上蓋d,d,d,dを袋の外側(各側部a,a,b,bの外側)にまくるようにして出せば、収容袋Bの上側開口部gを開口した状態となり、各上蓋d,d,d,dを袋の内側(各側部a,a,b,bの内側)に寄せて上蓋に通した前記の紐fで絞り込んで縛れば、収容袋B内に収容した内容物が容易に飛び出ないように上蓋c,c,c,cを閉じることができる。
【0072】
また、収容袋Bは、角筒状に形成した左右の側部a,aの前後幅Lが前後の側部b,bの左右幅Wより大きく、側部a,a,b,bの上下幅Hを左右の側部a,aの前後幅Lより小さく或は同じ幅とし且つ前後の側部b,bの左右幅Wより大きく設定している。このように形成した収容袋Bは、農作物収穫機の左右一側部に左右の側部a,aが機体の左右側方に向いた状態で載置することで、農作物収穫機から機体外側方に収容袋Bが大きくはみ出すことがなく、収容袋装着時の農作物収穫機の機体幅をコンパクトにできる。更に、左右の側部a,aの前後幅Lは前後の側部b,bの左右幅Wより大きく設定し、且つ、側部a,a,b,bの上下幅Hを左右の側部a,aの前後幅Lより大きくならないように設定しているので、収容袋Bの収容量を大きくしつつ、できるだけ高さを低くしたものとなり、よって、収容袋Bの底部側に収容された農作物がその上側に載っている農作物の重量を受けることになるが、収容袋Bの高さを低くしているので、底部側に収容された農作物が傷みにくく、また、農作物を収容した収容袋Bを農作物収穫機から地面に降ろしたときに、大きく傾かないで自立し易いものとなる。更には、農作物を収容した収容袋Bを洗浄機等の上方に移動するときなどに、収容袋Bの高さを低くしていることによって、低い屋内の天井に収容袋Bの上部や収容袋Bを吊上げたフォークリフトのフォークが当ったりすることが生じ難くなる。
【0073】
前後の側部b,bの左右幅Wより前後幅Lを大きく設定した左右の側部a,aに、吊上げ用の吊手h,hを縫い付けている。この吊手にフォークリフトのフォークFを突っ込んで上昇して収容袋Bを吊上げることができる。
【0074】
また、収容袋Bの互いに対向する側部、本例では左右の側部a,aの各上端部には、それぞれ左右両端部側に、収容袋Bの上側開口部gを支持具(上記根菜類収穫機の収容袋開口支持手段40或は40’のフック状の支持具40b…)を引っかけるための孔j,j,j,jを設けている。この孔に支持具を引っかけることで、収容袋Bの上側開口部gを広げた状態で支持することができる。更に、その左右両側の孔の左右間にも一つ或は複数の孔k,kを設けている。これにより、左右両側の孔j,j,j,jに支持具を引っかけて収容袋Bの上側開口部gを広げた状態で支持し、その上側開口部gの上方に収容袋Bの一側方(前後一側方)から入り込むように搬送部(上記根菜類収穫機にあっては前記搬送部7の搬送終端部側)を配置し、その搬送部から排出されるものが適確に収容袋B内に入り込んでいくように、前記左右両側の孔の左右間に設けた孔k,kにも支持具を引っかけて支持することで、前記左右両側の孔の間の上側開口部が弛んで、搬送部から排出されたものが収容袋Bの外にこぼれ落ちてしまうのを確実に防止できる。なお、上側開口部gを広げて支持する支持具は収容袋Bの内側から前記の孔に引っかける。このとき、各上蓋d,d,d,dは袋の外側(各側部a,a,b,bの外側)にまくるようにして出して、上蓋が収容させたものとともに収容袋Bの内側に入り込んでしまって後で上蓋を引き出し難くならないようにする。なお、孔に代えてループを縫い付けて設けても良い(図示省略)。図26は、上記根菜類収穫機の収容袋開口支持手段40或は40’のフック状の支持具40b…で支持した状態を示している。
【0075】
更に、底部cには、その底部の中央側の一部を開口した下側開口部mを形成しており、更に、この開口部mを塞ぐ二重の底蓋n,pを設けている。この底蓋n,pには、上蓋のように紐qを通していて、この紐qを縛って下側開口部mを容易に開放しないよう閉じている。この下側開口部mは、フォークリフトのフォークなどで収容袋Bを吊上げて、収容したものを袋の外に排出するとき、吊上げた収容袋Bの底部cの下側にある紐qをほどくことで開くことができ、内容物の排出を迅速且つ容易に行なえる。
【0076】
また、図29のように、互いに対向する側部a,a,b,bを支持し合う紐r、rやバンドを袋の内側に設けると、収容袋が膨らんで地面に自立し難くなるのを防止できる。図27に示すように、互いに対向する側部a,aに二つづつ吊手h’,h’,h’,h’を並べて設けると、横長の収容袋をフォークリフトの二つ並んだフォークF,Fを各吊手h’,h’,h’,h’に突っ込んで傾かないようにして吊上げることができる。
【0077】
また、図25、図30に示すように、収容袋Bの周囲に棒STなどを突っ込めるような隙間s’を一部に開けた状態のバンドsを設けると、前記根菜類収穫機の支持台39を傾斜させて収容袋Bを地面に移動させた後、支持台39を収容袋Bから離れるように機体を移動させるとき、収容袋Bが引きずられて移動しないようにバンドsの隙間s’に棒STを突っ込んでその引きずりを食い止めることができる。また、図31に示すように、前記根菜類収穫機の支持台39を傾斜させて収容袋Bを地面に移動させるときに、収容袋Bが傾斜方向に倒れないように吊手h,hを引っかけて機体に支持させるフックhfを機体に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】根菜類収穫機の左側面図。
【図2】根菜類収穫機の右側面図。
【図3】根菜類収穫機の平面図。
【図4】根菜類収穫機の背面図。
【図5】収穫部を配置した側の走行装置の左側面図。
【図6】回収部を配置した側の走行装置の右側面図。
【図7】(a)残葉処理部と搬送部の搬送始端部側を示す平面図、(b)残葉処理部を示す背面視断面図。
【図8】機体後部側の一部を示す斜視図。
【図9】搬送部の回動支点個所の構成を示す斜視図。
【図10】別構成とした収容袋開口部支持手段を示す斜視図。
【図11】収容袋開口部支持手段と選別作業用座席を別構成とした根菜類収穫機の平面図。
【図12】搬送部の搬送終端部側の上下回動制御の制御ブロック図。
【図13】別構成とした搬送部の搬送終端部側の上下回動制御の制御ブロック図。
【図14】回収部を示す右側面図。
【図15】回収部を示す平面図。
【図16】支持台を示す斜視図。
【図17】(a)収容袋内の根菜類回収量が少ないときの根菜類収穫機の右側面図、(b)収容袋内の根菜類回収量が多くなったときの根菜類収穫機の右側面図。
【図18】(a)支持台を前下り姿勢にして根菜類を収容した収容袋を地面に移動させたときの根菜類収穫機の右側面図、(b)機体を後進させて支持台を収容袋から離れさせたときの根菜類収穫機の右側面図。
【図19】(a)支持台を後下り姿勢にして根菜類を収容した収容袋を地面に移動させたときの根菜類収穫機の右側面図、(b)機体を前進させて支持台を収容袋から離れさせたときの根菜類収穫機の右側面図。
【図20】積載部を備えた根菜類収穫機の右側面図。
【図21】積載部を備えた根菜類収穫機の平面図。
【図22】積載部を備えた根菜類収穫機における支持台の係合部の構成を示す部分右側面図。
【図23】収容袋満載状態とした積載部装備の根菜類収穫機の右側面図。
【図24】収容袋満載状態とした積載部装備の根菜類収穫機の平面図。
【図25】収容袋の構成を示す斜視図。
【図26】収容袋開口部支持手段に支持させた状態の収容袋を示す斜視図。
【図27】収容袋をホークリフトのフォークで吊上げて下側開口部を開放した状態を示す斜視図。
【図28】膨らみ防止した収容袋を示す斜視図。
【図29】吊手を二連に構成した収容袋を示す斜視図。
【図30】根菜類収穫機から収容袋を排出する際に引きずり防止を行なった状態を示す側面図。
【図31】根菜類収穫機から収容袋を排出する際に収容袋の倒れを防止する構成を示す側面図。
【符号の説明】
【0079】
1 根菜類収穫機
2 走行装置
3 操縦部
4 収穫部
5 残葉処理部
6 回収部
6’ 回収部
7 搬送部
40 収容袋開口部支持手段
51 積載部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cを形成して袋状とし、前記角筒状に形成した左右の側部a,aの前後幅Lが前後の側部b,bの左右幅Wより大きく、側部a,a,b,bの上下幅Hを左右の側部a,aの前後幅Lより小さく或は同じ幅とし且つ前後の側部b,bの左右幅Wより大きく設定したことを特徴とする農作物収容袋。
【請求項2】
布などの柔軟な素材で袋状に形成したものであって、左右の側部a,aと前後の側部b,bとで角筒状に形成し、その側部a,a,b,bに連続して底部cを形成して袋状とし、互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に、上側開口部gをフック状の支持具を引っかけるための孔j,j,j,jを設けたことを特徴とする農作物収容袋。
【請求項3】
前記孔j,j,j,jに代えてループを設けたことを特徴とする請求項2記載の農作物収容袋。
【請求項4】
互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に設けた前記孔j,j,j,jの左右間に、上側開口部gをフック状の支持具を引っかけるための孔k,kを設けたことを特徴とする請求項2記載の農作物収容袋。
【請求項5】
互いに対向する側部a,aの各上端部の左右両端部側に設けた前記孔j,j,j,jの左右間に設けた前記孔k,kに代えてループを設けたことを特徴とする請求項3記載の農作物収容袋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2006−34250(P2006−34250A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222675(P2004−222675)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】