説明

農薬ナノ粒子活性成分製剤

本発明は、作物保護剤のナノ粒子製剤を含む水性分散液であって、
該ナノ粒子が平均粒径0.05〜2.0μmのコアシェル構造を有し、
該作物保護剤が、水、水溶液、または水‐溶媒混合物に不溶性または部分的にのみ可溶性である1種以上のポリマーと共に、X線アモルファス形態のコア中に存在し、
該シェルが安定化用エンベロープマトリックスからなり、
以下のステップ:
(a)水非混和性有機溶媒中の作物保護剤の溶液を調製するステップ;
(b)コアポリマーを水非混和性有機溶媒に溶解するステップ;
(c)ステップ(a)と(b)で得られた混合物をエンベロープマトリックスの成分を含む水溶液と乳化するステップであって、混合チャンバーに適切な溶液を注入し、乳化後に有機溶媒を除去することによるステップ;
を特徴とする方法によって調製できる、上記水性分散液を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物保護剤のナノ粒子製剤を含む水性分散液であって、
− 該ナノ粒子が平均粒径0.05〜2.0μmのコアシェル構造を有し、
− 該作物保護剤が、水、水溶液、または水/溶媒混合物に不溶性または部分的にのみ可溶性である1種以上のポリマーと共に、X線アモルファスのコア中に存在し、
− 該シェルが安定化用コーティングマトリックスからなり、
以下のステップ:
(a)水非混和性有機溶媒中の作物保護剤の溶液を調製するステップ;
(b)水非混和性有機溶媒にコアポリマーを溶解するステップ;および
(c)ステップ(a)と(b)から得られた混合液を、コーティングマトリックスの成分を含む水溶液と乳化するステップであって、混合チャンバーに対応する溶液を注入し、乳化後に有機溶媒を除去することによるステップ;
を含む方法によって調製できる、上記水性分散液を含む。
【0002】
また、本発明は、上記分散液から得ることができる固体ナノ粒子製剤、上記分散液で処理した固体担体の農薬製剤、種子を処理する工程、および/または望ましくない植生を制御し、および/または昆虫もしくはダニによる植物への望ましくない寄生を防除し、および/または植物病原性菌類を防除する方法も含み、これらの工程および方法は上記分散液または農薬製剤に基づく。
【背景技術】
【0003】
例えば、特許文献1から知られているようなナノ粒子作物保護製剤には、多くの利点がある。すなわち、例えば、農芸化学的に重要な溶媒中のナノ粒子製剤の溶解速度および溶解度は比較的高い。ナノ粒子製剤に使用される作物保護剤の施用割合を減少できることも多い。
【0004】
ナノ粒子調製物の水性分散液を調製する場合、これらの分散液が長期間の保存でさえも安定したままであり、粒子の集塊または粒子の成長(例えばオストワルド熟成など)が見られないことが望ましい。
【特許文献1】欧州特許出願公開第932339号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術で使用されるナノ粒子作物保護製剤の保存安定性は、水溶液に分散させ、適度に長期間保存した場合に改善の余地がある。
【0006】
従って、保存安定性が従来技術と比べて改善されている農薬製剤を提供することが本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、作物保護剤のナノ粒子製剤を含む水性分散液であって、
− 該ナノ粒子が平均粒径0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜0.9μmのコアシェル構造を有し、
− 該作物保護剤が、水、水溶液、または水/溶媒混合物に不溶性または部分的にのみ可溶性である1種以上のポリマーと共に、X線アモルファスのコア中に存在し、
− 該シェルが安定化用コーティングマトリックスからなり、
以下のステップ:
(a)水非混和性有機溶媒中の作物保護剤の溶液を調製するステップ;
(b)水非混和性有機溶媒にコアポリマーを溶解するステップ;および
(c)ステップ(a)と(b)から得られた混合物を、コーティングマトリックスの成分を含む水溶液と乳化するステップであって、混合チャンバーに対応する溶液を注入し、乳化後に有機溶媒を除去することによるステップ;
を含む方法によって調製できる、上記水性分散液を提供することによって実現された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
「水非混和性有機溶媒」という用語は、水における溶解度が、50%未満、好ましくは25%未満、特に好ましくは10%未満、特に非常に好ましくは10%未満、最も好ましい実施形態では5%未満の有機溶媒をさす。好ましい実施形態では、標準条件下(圧力1bar、20℃)での沸点は0〜100℃である。
【0009】
以下の溶媒を例として挙げることができるが、限定的なものではない:シクロヘキサン、シクロペンタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2−メチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、ベンゼン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、シクロヘキセン、1−ブタノール、エチルビニルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルビニルエーテル、ブチルエチルエーテル、1,2−エポキシブタン、フラン、テトラヒドロピラン、1−ブタナール、2−メチルプロパナール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、クロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロ−3−メチルブタン、3−クロロプロペン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ブロモメタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、2−ブロモ−2−メチルプロパン、ブロモメチレン、ヨードメタン、ヨードエタン、2−ヨードプロパン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジブロモフルオロメタン、ブロモクロロメタン、ブロモクロロフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,2−ジブロモ−1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレン、プロピオニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、トリエチルアミン、二硫化炭素、1−ブタンチオール、メチルスルフィド、エチルスルフィド、およびテトラメチルシラン。
【0010】
ジクロロメタンおよび酢酸エチルを使用するのが好ましい。
【0011】
上記溶媒の混合物を使用することもまた可能である。
【0012】
混合チャンバー工程は、当業者に公知であり、例えば、国際公開第05/44221号または欧州特許出願公開第932339号に記載されている。
【0013】
好ましい実施形態では、2種類の成分はコンパクトジェットで混合チャンバー中に注入される。
【0014】
混合工程は、バッチ式で、または好ましくは連続的に行うことができる。混合工程によって乳剤が得られる。
【0015】
ステップ(c)における乳化後、溶媒は、当業者に公知の方法、例えば、蒸留、適切であれば減圧下での蒸留、または抽出、または膜濾過などによって除去することができる。あるいは、得られた分散液は、当業者に公知の乾燥工程、例えば、フリーズドライ(凍結乾燥)、スプレー乾燥、またはスプレー造粒などにかけることができる。
【0016】
本発明によるナノ粒子のコアは、1相、2相、3相、またはそれ以上の相からなりうる。
【0017】
本発明の別の実施形態では、本発明によるナノ粒子のコアは少なくとも3相からなり、1相は作物保護剤のアモルファス粒子からなり、別の相はポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した作物保護剤であり、第3相は作物保護剤を含まないポリマー相である。本明細書において、「少なくとも3相」という用語は、記載した3相に加えて、それ以上の相が存在してもよいことを意味し、それらの相は、それらに関する限り、それぞれ、
(a)作物保護剤のアモルファス粒子、または
(b)ポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した作物保護剤、または
(c)作物保護剤を含まないポリマー粒子
からなりうる。
【0018】
本発明の一実施形態では、本発明によるナノ粒子のコアは少なくとも2相からなり、1相は活性化合物のアモルファス粒子からなり、他方の相はポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した活性化合物である。本明細書において、「少なくとも2相」という用語は、記載した2相に加えて、それ以上の相が存在してもよいことを意味し、それらの相は、それらに関する限り、それぞれ、
(a)作物保護剤のアモルファス粒子、または
(b)ポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した作物保護剤
からなりうる。
【0019】
本発明の別の実施形態では、本発明によるナノ粒子のコアは、少なくとも2相からなり、1相はアモルファス活性化合物からなり、他方の相は活性化合物を含まないポリマーマトリックスである。本明細書において、「少なくとも2相」という用語は、記載した2相に加えて、それ以上の相が存在してもよいことを意味し、それらの相は、それらに関する限り、
(a)作物保護剤のアモルファス粒子、または
(b)活性化合物を含まないポリマー粒子
からなりうる。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施形態では、本発明によるナノ粒子のコアは、ポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した活性化合物からなる。
【0021】
上記したように、コア中の作物保護剤は、1種以上のポリマーと共に、X線アモルファス形態中に存在する。「1種以上のポリマーと共に」という用語は、
(a)作物保護剤が分子状に分散分布しているポリマーマトリックスが、1種、2種、3種、または4種のポリマー、好ましくは1種または2種のポリマー、特に好ましくは1種のポリマーからなりうる、
(b)作物保護剤を含まないポリマー粒子が、ポリマーマトリックスのポリマーとは異なる、または同一でありうる、1種、2種、3種、または4種のポリマー、好ましくは1種または2種のポリマー、特に好ましくは1種のポリマーからなりうる
ということを意味する。
【0022】
好ましい実施形態では、作物保護剤を含まない粒子中のポリマーは、ポリマーマトリックス中のポリマーと同一である。
【0023】
本発明による作物保護剤調製物の粒子のコア中に存在するポリマー成分として使用するのに適切なものは、原則として、温度範囲0〜240℃、圧力範囲1〜100bar、pH範囲0〜14、またはイオン強度10mol/lまでにおいて、水、水溶液、または水/溶媒混合物に、不溶性または部分的にのみ可溶性である全てのポリマーである。
【0024】
この意味において、不溶性または部分的にのみ可溶性とは、水、または水と有機溶媒の混合液中の(1種以上の)ポリマーの第二ビリアル係数が0未満の値であると想定しうることを意味する(参照、M. D. Lechner, Makromolekulare Chemie [Macromolecular chemistry], Birkhauser Verlag, Basle, pp. 170-175)。溶媒(混合物)中のポリマーの挙動を予想する第二ビリアル係数は、例えば、光散乱を測定し、または浸透圧を測定することによって実験的に決定することができる。この係数の次元は(mol−l)/gである。
【0025】
1種以上のポリマーを使用することが可能である。使用するポリマーのモル質量は、1000〜10000000g/molの範囲であり、好ましくは1000〜1000000g/molの範囲である。原則として、作物保護で利用するのに適切な全てのポリマーを使用することができる。
【0026】
好適なコアポリマーは、以下のモノマーをベースとするポリマーである:
アクリルアミド、アリルメタクリレート、α−メチルスチレン、ブタジエン、ブタンジオールジメタクリレート、ブタンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールジメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ブタンジオールモノメタクリレート、ブタンジオールモノビニルエーテル、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、アクリル酸エチル、エチルジグリコールアクリレート、エチレン、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジビニルエーテル、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルビニルエーテル、グリシジルメタクリレート、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、イソブテン、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプレン、イソプロピルアクリルアミド、メチルアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチルメタクリレート、メチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピロリドン、オクタデシルビニルエーテル、フェノキシエチルアクリレート、ポリテトラヒドロフラン−290ジビニルエーテル、プロピレン、スチレン、tert−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジメチルアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルメチルエーテル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、4−tert−ブチル安息香酸ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルドデシルエーテル、塩化ビニリデン、ビニルイソブチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルプロピルエーテルおよびビニルtert−ブチルエーテル。
【0027】
ポリマーという用語は、ホモポリマーおよびコポリマーを包含する。ここで、当業者ならば、適切なモノマーおよびそれらのポリマー中における相対的比率を選択することによって、コアポリマーの所望の水不溶性を制御することができる。上記一覧に列挙した親水性モノマーは、少なくとも1種の別の疎水性モノマーと組み合わせた時にのみ、この望ましい不溶性を有し、従ってホモポリマーとしてはコアポリマーに使用できないことは明白である。
【0028】
好適なコポリマーは、ランダム系および交互系、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーである。コポリマーという用語は、2種以上の異なるモノマーから構築されたポリマー、または例えばステレオブロックコポリマーの場合のように、様々な手段によって少なくとも1種のモノマーをポリマー鎖に組み込むことができるポリマーを包含する。
【0029】
好ましいものとしては、以下のポリマーが挙げられる:
ポリビニルエーテル、例えばポリベンジルオキシエチレン、ポリビニルアセタール、ポリビニルエステル、例えばポリ酢酸ビニル、ポリオキシテトラメチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、例えばポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリメタクリルアミド、ポリヒドロキシブチレート、アセチル化ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、例えばポリフェノキシエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリドデシルアクリレート、ポリ(イソボルニルアクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリ(t−ブチルアクリレート)、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリ(2‐エチルヘキシルアクリレート)、ポリヒドロキシプロピルアクリレート、ポリメタクリレート、例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(n−アミルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリエチルメタクリレート、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリラウリルメタクリレート、ポリ(t−ブチルメタクリレート)、ポリベンジルメタクリレート、ポリ(イソボルニルメタクリレート)、ポリグリシジルメタクリレート、およびポリステアリルメタクリレート、ポリスチレン、さらにスチレンをベースとする例えばマレイン酸無水物とのコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、メチルメタクリレート/スチレンコポリマー、N−ビニルピロリドンコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、グッタ−ペルカ、セルロースエーテル類、例えばメチルセルロース(置換度3〜40%)、エチルセルロース、ブチルセルロース、イソプロピルセルロース、セルロースエステル、例えば酢酸セルロース、澱粉、加工澱粉、例えばメチルエーテル澱粉、アラビアゴム、キチン、シェラック、さらに上記化合物のモノマーのコポリマーおよびブロックコポリマー。
【0030】
特に非常に好ましいものは、ポリフェノキシエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、およびメタクリル酸メチル/スチレンコポリマーである。
【0031】
特に重要なものは、さらに生分解性ポリマーである。
【0032】
「生分解性ポリマー」という用語は、DIN V 54900に示される生分解性の定義に合致する全てのポリマーが含まれることを意味し、特にコンポスト化できるポリエステルを意味する。
【0033】
一般的には、生分解性とは、 ポリエステルが適切な実証可能な期間内に分解することを意味する。分解とは、加水分解的および/または酸化的に起こりうるものであり、多くの場合、細菌、酵母、真菌、および藻類などの微生物の作用によって生じる。生分解性は定量することができ、例えば、ポリエステルとコンポストを混合し、一定の期間それを貯蔵することによって定量できる。例として、ASTM D5338、ASTM D6400、およびDIN V54900によれば、コンポスト化工程中、成熟したコンポストにCOを含まない空気を通し、そのコンポストを所定の温度プロフィールにさらす。ここで、生分解性は、(試料の炭素含有量から算出した)試料によって放出されたCOの最大の量に対する、(標本を含まないコンポストによって放出されたCOの量を引いた後の)試料から放出されたCOの正味量の比率により決定され、この比率が生分解性として定義される。一般的に、コンポスト化の数日後でさえ、生分解性ポリエステルは顕著な分解徴候、例えば、菌類の増殖、亀裂、および穿孔を示す。
【0034】
生分解性ポリマーの例は、生分解性ポリエステル、例えば、ポリラクチド、ポリアルキレンアジペートテレフタレートおよびポリラクチドグリコシドなどである。特に好ましいものは、生分解性ポリアルキレンアジペートテレフタレートであり、ポリブチレンアジペートテレフタレートが好ましい。好適なポリアルキレンアジペートテレフタレートは、例えば、ドイツ国特許第4440858号に記載されている(また、市販されている。例えば BASF社からのEcoflex(登録商標))。
【0035】
コーティングマトリックスに適切な化合物は、界面または表面活性ポリマーコロイドなど、低分子量両親媒性化合物、あるいはこれらのコロイドと両親媒性化合物の混合物である。
【0036】
好ましい実施形態では、コーティングマトリックスは、界面活性または表面活性ポリマー保護コロイドからなる。任意により、これらの界面活性または表面活性ポリマー保護コロイドと低分子量両親媒性化合物とを混合してもよく、結果としてこれらのポリマー保護コロイドは安定化する。
【0037】
好適な低分子量両親媒性化合物は、イオン性および非イオン性の界面活性剤である。
【0038】
好適なイオン界面活性剤は、例えば、アルキルアリールスルホン酸塩、フェニルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルポリグリコールエーテルリン酸塩、ポリアリールフェニルエーテルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩、タウリド、サルコシド、脂肪酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、リグノスルホン酸、リグノ亜硫酸排液(それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩を含む)、アルキルリン酸塩、四級アンモニウム化合物、アルキルリン酸塩、アミンオキシド、ベタイン、ならびにそれらの混合物である。
【0039】
好適な非イオン性界面活性剤は、例えば、アルキルフェノールアルコキシレート、アルコールアルコキシレート、脂肪族アミンアルコキシレート、ポリオキシエチレングリセロール脂肪族エステル、ヒマシ油アルコキシレート、脂肪酸アルコキシレート、脂肪族アミドアルコキシレート、脂肪酸ポリジエタノールアミド、ラノリンエトキシレート、脂肪酸ポリグリコールエステル、イソトリデシルアルコール、脂肪族アミド、脂肪族エステル、シリコーン油、アルキルポリグリコシド、グリセロール脂肪族エステルである。
【0040】
好適な界面または表面活性ポリマー保護コロイドはまた、保護コロイドともいい、合成ポリマーおよびバイオポリマーもしくは改変バイオポリマーであってもよい。
【0041】
好適な合成保護コロイドの例には、以下のモノマーをベースとするポリマーがある:
2−メチル−N−ビニルイミダゾール、アクリルアミド、アリールアミドメチルプロパンスルホン酸、アクリロニトリル、アクリル酸、アミノプロピルビニルエーテル、ブタンジオールモノアクリレート、ブタンジオールモノメタクリレート、ブタンジオールモノビニルエーテル、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートメトクロリド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、塩化メチルで四級化したジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、エチルアクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルアクリルアミド、マレイン酸無水物、メタクリル酸、メタクリル酸無水物、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルビニルエーテル、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチルアクリレート、ポリテトラヒドロフラン290−ジビニルエーテル、スチレン、スチレンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルイソブチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルプロピルエーテル、およびビニルtert−ブチルエーテル、さらにアクリル酸またはメタクリル酸とオリゴエチレンオキシドまたはポリエチレンオキシドとのエステル、例えば、モノメチルポリエチレンオキシドアクリル酸エステルまたはモノメチルポリエチレンオキシドメタクリル酸エステル(前記ポリエチレンオキシドの数平均分子量は約300〜約5000g/molである)。
【0042】
必要に応じて、重合の前、途中、または後に、イオン化可能なモノマーを完全にまたは部分的に中和された形で存在させることができる。
【0043】
ポリマーという用語は、ホモポリマーおよびコポリマーを包含する。ここで、当業者ならば、適切なモノマーおよびそれらのポリマー中における相対的比率を選択することによって、コーティングポリマーの所望の両親媒性を制御することができる。上記一覧に列挙した高度に疎水性のモノマーは、少なくとも1種の別の親水性モノマーと組み合わせた時にのみ、所望の両親媒性を有し、従ってホモポリマーとしてはコーティングポリマーに使用できないことは明白である。
【0044】
好適なコポリマーは、ランダム系および交互系、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーである。コポリマーという用語は、2種以上の異なるモノマーから構築されたポリマー、または例えばステレオブロックコポリマーの場合のように、様々な手段によって少なくとも1種のモノマーをポリマー鎖に組み込むことができるポリマーを包含する。
【0045】
特に好ましいポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールエーテルブロックコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリアクリルアミドメチルプロピルスルホン酸、ポリカルボキシレート、例えばポリアクリル酸、ポリアクリレート、マレイン酸無水物/オレフィンコポリマー(例えば、Sokalan(登録商標)CP9、BASF)、およびさらにポリオキシエチレングリセロールトリリシノレートに加えてこれらのポリマーのモノマーをベースとするコポリマー、およびさらにスルホン化ナフタレンまたはフェノール類と、ホルムアルデヒド、および適切であれば、水溶性塩として、例えばナトリウム塩として存在する尿素との縮合物、例えばナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物またはフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドと尿素との縮合物(例えば、BASF社製Wettol(登録商標)D1、Tamol(登録商標)NN、Tamol(登録商標)NH、またはWitco社製Morwet(登録商標)D425などの化合物)である。
【0046】
保護コロイドとして適切なバイオポリマーまたは改変バイオポリマーの例は、ゼラチン、ペクチン、キトサン、澱粉、加工澱粉、デキストリン、アラビアゴム、カゼイン、カゼイネート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびアルギネートがある。
【0047】
本発明の好ましい実施形態では、コーティングマトリックスに使用する成分は、ポリビニルアルコールである。
【0048】
本発明のさらに好ましい実施形態では、コーティングマトリックスに使用する成分は、無水マレイン酸/オレフィンコポリマー(例えば、Sokalan(登録商標)CP9、BASF)である。
【0049】
本発明のさらに好ましい実施形態では、コーティングマトリックスに使用する成分は、ポリビニルピロリドンである。
【0050】
本発明のさらに好ましい実施形態では、コーティングマトリックスに使用する成分は、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレートである。
【0051】
本発明のさらに好ましい実施形態では、コーティングマトリックスに使用する成分は、ナフタレンスルホン縮合物(Na塩、例えば、Wettol(登録商標)D2)である。
【0052】
難溶性作物保護剤は文献から当業者に公知である。作物保護剤という用語は、本明細書では、本発明の製剤用に、殺虫剤、殺菌薬、除草剤、および/または安全化剤(safener)(参照、Pesticide Manual,第13版(2003))の群から少なくとも1種の作物保護剤を選択することを意味する。
【0053】
難溶性とは、室温での作物保護剤の溶解度が水に500mg/l未満であることを意味する。
【0054】
考えられる作物保護剤を以下の殺虫剤リストに示すが、このリストが包括的であるという意味ではない:
【0055】
A.1.オルガノ(チオ)ホスフェート:アジンホス−メチル、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルフェンビンフォス、ダイアジノン、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メチダチオン、メチル−パラチオン、オキシデメトン−メチル、パラオクソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン
【0056】
A.2.カルバメート:アラニカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、チオジカルブ、トリアザメート
【0057】
A.3.ピレスロイド:アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、ゼータ−シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ−シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン
【0058】
A.4.成長調節剤:a)キチン合成阻害薬:ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン、b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン、c)ジュベノイド:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ、d)脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、式Dのテトロン酸誘導体
【化1】

【0059】
A.5.ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト:クロチアニジン、ジノテフラン、チアクロプリド
【0060】
A.6.GABAアンタゴニスト:アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール
【0061】
A.7.マクロライド殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド
【0062】
A.8.METI I殺ダニ剤:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド
【0063】
A.9.METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン
【0064】
A.10.脱共役剤化合物:クロルフェナピル
【0065】
A.11.酸化的リン酸化阻害薬:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット
【0066】
A.12.エクジソンアンタゴニスト:クリオマジン
【0067】
A.13.混合機能酸化酵素阻害薬:ピペロニルブトキシド
【0068】
A.14.ナトリウムチャネル遮断薬:インドキサカルブ、メタフルミゾン
【0069】
A.15.種々:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、および式Dのアミノイソチアゾール化合物
【化2】

【0070】
[式中、Rは−CHOCHCHまたはHであり、RiiはCFCFCFまたはCHCH(CHである]、式Dのアントラニルアミド化合物
【化3】

【0071】
[式中、Bは水素または塩素であり、Bは臭素またはCFであり、RはCHまたはCH(CHである]、および日本国特許公報第2002−284608号、国際公開第02/89579号、国際公開第02/90320号、国際公開第02/90321号、国際公開第04/06677号、国際公開第04/20399号、または日本国特許公報第2004−99597号に記載されているようなマロノニトリル化合物、N−R’−2,2−ジハロ−1−R’’−シクロプロパンカルボキサミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)ヒドラゾンまたはN−R’−2,2−ジ(R’’’)プロピオンアミド−2−(2,6−ジクロロ−α,α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)ヒドラゾン[式中、R’はメチルまたはエチルであり、ハロは塩素または臭素であり、R’’は水素またはメチルであり、そしてR’’’はメチルまたはエチルである]。
【0072】
以下の殺菌剤リストは、潜在的な活性化合物を示すが、これらに限定されるという意味ではない:
【0073】
1.ストロビルリン、例えば、
アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、オリサストロビン、メチル(2−クロロ−5−[1−(3−メチルベンジルオキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル(2−クロロ−5−[1−(6−メチルピリジン−2−イルメトキシイミノ)エチル]ベンジル)カルバメート、メチル2−(オルト−(2,5−ジメチルフェニルオキシメチレン)フェニル)−3−メトキシアクリレート
【0074】
2.カルボキサミド、例えば、
− カルボキシアニリド:ベナラキシル、ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、メプロニル、フェンフラム、フェンヘキサミド、フルトラニル、フラメトピル、メタラキシル、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド、チアジニル、N−(4’−ブロモビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(4’−トリフルオロメチルビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(4’−クロロ−3’−フルオロビフェニル−2−イル)−4−ジフルオロメチル−2−メチルチアゾール−5−カルボキサミド、N−(3’,4’−ジクロロ−4−フルオロビフェニル−2−イル)−3−ジフルオロメチル−1−メチルピラゾール−4−カルボキサミド、N−(2−シアノフェニル)−3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキサミド;
− カルボン酸モルホリド:ジメトモルフ、フルモルフ;
− ベンズアミド:フルメトベル、フルオピコリド(ピコベンズアミド)、ゾキサミド;
− 他のカルボキサミド:カルプロパミド、ジクロシメット、マンジプロパミド、N−(2−(4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イニルオキシ]−3−メトキシフェニル)エチル)−2−メタンスルホニルアミノ−3−メチルブチルアミド、N−(2−(4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イニルオキシ]−3−メトキシフェニル)エチル)−2−エタンスルホニルアミノ−3−メチルブチルアミド;
【0075】
3.アゾール、例えば、
− トリアゾール:ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エニルコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメノール、トリアジメホン、トリチコナゾール;
− イミダゾール:シアゾファミド、イマザリル、ペフラゾアート、プロクロラズ、トリフルミゾール;
− ベンゾイミダゾール:ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール;
− その他:エタボキサム、エトリジアゾール、ヒメキサゾール;
【0076】
4.窒素含有ヘテロシクリル化合物、例えば、
− ピリジン:フルアジナム、ピリフェノックス、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]−ピリジン;
− ピリミジン:ブピリメート、シプロジニル、フェリムゾン、フェナリモール、メパニピリム、ヌアリモール、ピリメタニル;
− ピペラジン:トリホリン;
− ピロール:フルジオクソニル、フェンピクロニル;
− モルホリン:アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ;
− ジカルボキシミド:イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
− その他:アシベンゾラル−S−メチル、アニラジン、カプタン、カプタホール、ダゾメット、ジクロメジン、フェノキサニル、ホルペット、フェンプロピジン、ファモキサドン、フェンアミドン、オクチリノン、プロベナゾール、プロキナジド、キノキシフェン、トリシクラゾール、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルクロメン−4−オン、N,N−ジメチル−3−(3−ブロモ−6−フルオロ−2−メチルインドール−1−スルホニル)−[1,2,4]トリアゾール−1−スルホンアミド;
【0077】
5.カルバメートおよびジチオカルバメート、例えば、
− カルバメート:ジエトフェンカルブ、フルベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、プロパモカルブ、メチル3−(4−クロロフェニル)−3−(2−イソプロポキシカルボニルアミノ−3−メチルブチリルアミノ)プロピオネート、4−フルオロフェニルN−(1−(1−(4−シアノフェニル)エタンスルホニル)ブタ−2−イル)カルバメート;
【0078】
6.他の殺真菌薬、例えば、
− 有機金属化合物:フェンチン塩;
− 硫黄含有ヘテロシクリル化合物:イソプロチオラン、ジチアノン;
− 有機リン化合物:エジフェンホス、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、イプロベンホス、ピラゾホス、トルクロホス−メチル、亜リン酸、およびその塩;
− 有機塩素化合物:チオファネート−メチル、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、フルスルファミド、フタリド、ヘキサクロロベンゼン、ペンシクロン、キントゼン;
− ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン;
− その他:スピロキサミン、シフルフェンアミド、シモキサニル、メトラフェノン。
【0079】
以下の除草剤リストに潜在的な活性化合物を示すが、これらに限定されるという意味ではない:
【0080】
脂質の生合成を阻害する化合物、例えば、クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップ、シクロホップ、フェノキサプロプ、フェノキサプロプ−p、フェンチアプロプ、フルアジホップ、フルアジホップ−P、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−P、トリホップ、またはそのエステル、ブトロキシジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、ブチレート、シクロレート、ジアレート、ジメピペレート、EPTC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、スルファレート、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリアレート、ベルノレート、ベンフレセート、エトフメセートおよびベンスリド;
【0081】
ALS阻害薬、例えば、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エタメトスルフロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メトスルフロン、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリトスルフロン、イマザメタベンズ、イマザモキス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、ペノキスラム、ビスピリバク、ピリミノバク、プロポキシカルバゾン、フルカルバゾン、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、およびピリチオバク;pHが<8の場合、
光合成を阻害する化合物、例えば、アトラトン、アトラジン、アメトリン、アジプロトリン、シアナジン、シアナトリン、クロラジン、シプラジン、デスメトリン、ジメタメトリン、ジプロペトリン、エグリナジン、イパジン、メソプラジン、メトメトン、メトプロトリン、プロシアジン、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロパジン、セブチルラジン、セクブメトン、シマジン、シメトン、シメトリン、テルブメトン、テルブチルアジン、およびテルブトリン;
【0082】
プロトポルフィリノーゲン−IXオキシダーゼ阻害薬、例えば、アシフルオルフェン、ビフェノックス、クロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトキシフェン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン、ホメサフェン、フリロキシフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、オキシフルオルフェン、フルアゾレート、ピラフルフェン、シニドン−エチル、フルミクロラク、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルチアセット、チジアジミン、オキサジアゾン、オキサジアルギル、アザフェニジン、カルフェントラゾン、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ベンズフェンジゾン、ブタフェナシル、ピラクロニル、プロフルアゾール、フルフェンピル、フルプロパシル、ニピラクロフェンおよびエトニプロミド;
【0083】
除草剤、例えば、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、フルフェニカン、ジフルフェニカン、ピコリナフェン、ベフルブタミド、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、メソトリオン、スルコトリオン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、クロマゾン、アクロニフェン、4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン、および次式の3−ヘテロシクリル−置換ベンゾイル誘導体(参照、国際公開第96/26202号、国際公開第97/41116号、国際公開第97/41117号、および国際公開第97/41118号)
【化4】

【0084】
[式中、置換基R〜R13は以下に定義する通りである:
、R10 は、水素、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−アルキルスルフィニル、またはC〜C−アルキルスルホニルであり、
は、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−4−イル、および4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イルからなる群の複素環式基であり、その際、記載した基は、1個または複数の置換基を有していてもよく、例えば、基はハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−ハロアルキル、C〜C−ハロアルコキシ、またはC〜C−アルキルチオによってモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ置換されていてもよく、
11は、水素、ハロゲンまたはC〜C−アルキルであり、
12は、C〜C−アルキルであり、
13は、水素、またはpH<8の場合にC〜C−アルキルである];
【0085】
有糸分裂阻害薬、例えば、ベンフルラリン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン、ニトラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロフルラリン、トリフルラリン、アミプロホス−メチル、ブタミホス、ジチオピル、チアゾピル、プロピズアミド、クロルタール、カルベタミド、クロルプロファムおよびプロファム;
【0086】
VLCFA阻害薬、例えば、アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ブテナクロール、デラクロール、ジエタチル、ジメタクロール、ジメテナミド、ジメテナミド−P、メタザクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、プレチラクロール、プロピソクロール、プリナクロール、テルブクロール、テニルクロール、キシラクロール、CDEA、エプロナズ、ジフェナミド、ナプロパミド、ナプロアニリド、ペトキサミド、フルフェナセット、メフェナセット、フェントラザミド、アニロホス、ピペロホス、カフェンストロール、インダノファンおよびトリジファン;
【0087】
セルロースの生合成阻害薬、例えば、ジクロベニル、クロルチアミド、イソキサベンおよびフルポキサム;
【0088】
除草剤、例えば、ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェン、およびメジノテルブ;
【0089】
その他:ベンゾイルプロップ、フランプロップ、フランプロップ−M、ブロモブチド、クロルフルレノール、シンメチリン、メチルジムロン、エトベンザニド、ピリブチカルブ、オキサジクロメホン、トリアジフラムおよび臭化メチル。
【0090】
「安全化剤」という用語は、以下に定義する通りである。幾つかのケースにおいて、特定の作用を有する除草剤と、その役割として除草剤活性を有しうる有機活性化合物とを共同的に施用することによって、より良好な除草剤耐性が達成できることが分かっている。これらのケースでは、これらの化合物は、解毒薬またはアンタゴニストとして働き、そして有用な植物へのダメージを低減し、または防止するので「安全化剤」と呼ばれる。
【0091】
以下のリストに考えられる安全化剤を示すが、これらに限定されるという意味ではない:
ベノキサコール、クロキントセット、シオメトリニル、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェネート、ナフタル酸無水物、2,2,5−トリメチル−3−(ジクロロアセチル)−1,3−オキサゾリジン(R−29148)、4−(ジクロロアセチル)−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン(AD−67;MON4660)およびオキサベトリニル。
【0092】
好ましくは、作物保護剤は、殺菌剤または殺虫剤の群から、特に好ましくはα−シペルメトリン、ボスカリド、ピラクロストロビン、メトコナゾール、エポキシコナゾール、およびメタフルミゾンからなる群から、特に極めて好ましくはα−シペルメトリン、ピラクロストロビン、およびメタフルミゾンからなる群から選択する。
【0093】
本発明の別の実施形態では、特に好ましいものは、ポリマーマトリックス、作物保護剤、およびコーティング成分の以下の組合せである:
ポリマーマトリックスとしてポリメチルメタクリレート、作物保護剤としてα−シペルメトリン、および両親媒性ポリマーであるポリビニルアルコールの相、および任意によりドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの低分子量界面活性剤。
【0094】
ポリマーマトリックスとしてポリメチルメタクリレート、作物保護剤としてピラクロストロビン、および両親媒性ポリマーであるポリビニルアルコールの相。
【0095】
ポリマーマトリックスとしてポリ(メタクリル酸メチル/スチレン)、作物保護剤としてピラクロストロビン、および両親媒性ポリマーであるポリビニルアルコールの相。
【0096】
ポリマーマトリックスとしてポリフェノキシエチルアクリレート、作物保護剤としてピラクロストロビン、および両親媒性ポリマーであるポリビニルアルコールの相。
【0097】
ポリマーマトリックスとしてポリブチレンアジペートテレフタレート、作物保護剤としてメタフルミゾン、および両親媒性ポリマーであるNaカゼイネートの相。
【0098】
本発明によれば、様々な成分の量は、調製物が、活性化合物を0.1〜70重量%、好ましくは1〜40重量%含み、1種以上の両親媒性ポリマー(コーティングポリマー)を1〜80重量%、好ましくは10〜60重量%含み、コア用の1種以上のポリマーを0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%含み、かつ1種以上の界面活性剤を0〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含むように選択する。重量%は、上記分散液から得ることができる乾燥粉末を基準とする。
【0099】
上記水性分散液は、任意により、更なる製剤助剤を含んでもよい。
【0100】
製剤助剤という用語は、湿潤剤などの界面活性剤、粘着付与剤、または抗起泡剤、増粘剤、抗凍結剤、および殺菌剤のことをさす。加えて、種子を粉衣(dressing)することを目的とする製剤は、接着剤および適切であれば色素もさらに含みうる。
【0101】
上記組成物の重要性および適切な使用は、活性化合物の性質に依存する。
【0102】
増粘剤(すなわち、製剤に擬塑性流動特性、例えば、静止時に高粘度および攪拌時に低粘度を付与する化合物)の例には、例えば、多糖類および有機シート鉱物、例えば、キサンタンガム(Kelco社製Kelzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標)23(Rhone Poulenc)またはVeegum(登録商標)(R. T. Vanderbilt社製)またはAttaclay(登録商標)(Engelhardt社製)がある。
【0103】
好適な抗起泡剤には、例えば、シリコーン乳濁液(例えばWacker社製Silikon(登録商標)SRE、またはRhodia社製Rhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、有機フッ素化合物、ならびにそれらの混合物がある。
【0104】
水性殺菌剤製剤を安定化させるために、殺菌剤を加えることができる。本発明による製剤中に存在させてよい殺菌剤は、例えば、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールをベースとする殺菌剤など、農芸化学的に活性な化合物を製剤化するのに慣用の全ての殺菌剤である。殺菌剤の例には、ICI社製Proxel(登録商標)またはThor Chemie社製Acticide(登録商標)RS、およびRohm & Haas社製Kathon(登録商標)MKがある。
【0105】
好適な抗凍結薬剤は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロールである。
【0106】
界面活性剤の例には、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、脂肪族アルコールスルフェート、脂肪酸、および硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテル;さらにスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物;ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル;エトキシル化されたイソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールと脂肪アルコールエチレンオキシドとの縮合物、エトキシル化されたヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化されたポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸排液、およびメチルセルロースがある。
【0107】
種子粉衣製剤中に存在してもよい接着剤は、種子粉衣で習慣的に使用されている全ての結合剤である。好ましいものとしては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびTyloseを挙げることができる。
【0108】
さらに、任意により、本発明による分散液に着色料を加えることもできる。適切なものは、そのような目的に慣用の全ての着色料である。本明細書では、水難溶性色素および水溶性色素を使用することができる。例として、Rhodamin B, C. I. Pigment Red 112および C. I. Solvent Red 1の名で知られる色素を挙げることができ、さらにPigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 80、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 13、Pigment Red 112、Pigment Red 48:2、Pigment Red 48:1、Pigment Red 57:1、Pigment Red 53:1、Pigment Orange 43、Pigment Orange 34、Pigment Orange 5、Pigment Green 36、Pigment Green 7、Pigment White 6、Pigment Brown 25、Basic Violet 10、Basic Violet 49、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 14、Acid Blue 9、Acid Yellow 23、Basic Red 10、Basic Red 108を挙げることができる。
【0109】
本発明は、さらに、本発明による水性分散液を公知の方法により乾燥することによって調製可能な、固体作物保護製剤を提供するが、上記したように、その分散液は別の製剤助剤を任意に含みうる。あるいは、それ以上の製剤助剤を含まない本発明による水性分散液を公知の方法により乾燥することも可能である。続いて、好適な製剤助剤をその固体作物保護製剤に加えてもよい。
【0110】
本発明の別の実施形態では、本発明による分散液または本発明による固体作物保護製剤により、固体担体を処理するステップを含む、農薬製剤を調製する方法を特許請求し、さらに上記方法によって得ることができる農薬製剤も特許請求する。
【0111】
本明細書では、本発明による固体作物保護製剤は溶媒に分散させることができる。本発明による種子粉衣製剤中に存在させてもよい好適な溶媒は、農薬組成物に使用できる全ての有機溶媒(上記溶媒を含む)および水である。好ましいものは、ケトン、例えば、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン;さらにジメチルホルムアミドなどのアミド;さらに環式化合物、例えば、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ドデシルピロリドン、N−オクチルカプロラクタム、N−ドデシルカプロラクタム、およびγ−ブチロラクトン;加えてジメチルスルホキシドなどの高極性溶媒;さらにキシレンなどの芳香族炭化水素;さらにエステル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アジピン酸5−ジブチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、クエン酸トリ−n−ブチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジ−n−ブチル、およびさらにアルコール類、例えば、エタノール、n−およびイソプロパノール、n−およびイソブタノール、n−およびイソアミルアルコール、ベンジルアルコール、および1−メトキシ−2−プロパノールである。特に好ましい溶媒は水である。
【0112】
好適な固体担体は、固体担体物質または種子である。本発明の好ましい実施形態では、使用する固体担体は種子である。この場合は、農薬製剤は粉衣した種子である。「粉衣」という用語には、当業者には公知の全ての種子粉衣法(例えば、種子粉衣、種子コーティング、および種子ペレッティング)が含まれる。
【0113】
好適な固体担体物質には、例えば、シリカゲルなどの鉱物土類、高度に分割されたケイ酸、シリケート、タルク、カオリン、アタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、クレイ/アルミナ、タルク、苦灰石、珪藻土、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、およびさらに磨砕した合成物質、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニウム硝酸塩、尿素、および植物起源生成物、例えば、穀粉、樹皮穀粉、木穀粉、およびナッツシェル穀粉、セルロース粉末、および他の固体担体物質がある。
【0114】
「種子」という用語は、全ての種類の種子、例えば、穀粒、種子、果実、塊茎、実生など、および類似する形態を含む。本明細書では「種子」という用語は好ましくは穀粒および種子をいう。
【0115】
好適な種子は、穀類(cereals)、穀類(grain crops)、根菜類、油料作物、野菜、香辛料、鑑賞植物の種子、例えば、デュラムコムギ、および他のコムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、トウモロコシ(飼料用トウモロコシおよびスイートコーン)、大豆、油料作物、アブラナ科(crucifers)、綿、ヒマワリ、バナナ、イネ、油料種子ナタネ、カブ、テンサイ、飼料用ビート、ナス、ジャガイモ、イネ科草本、芝草(lawn)、芝草(turf)、飼料用イネ科類、トマト、ニラ、カボチャ(pumpkin)/カボチャ(squash)、キャベツ、アイスバーグレタス、コショウ、キュウリ、メロン、アブラナ(Brassica)属、メロン、豆類、エンドウマメ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、塊茎植物、例えば、サトウキビ、タバコ、ブドウ、ペチュニア、ゼラニウム/ペラルゴニウム、パンジー、ツリフネソウ、好ましくはコムギ、トウモロコシ、大豆、およびイネの種子である。
【0116】
種子として、遺伝子導入植物または慣用の育種法によって得られた植物の種子を使用することも可能である。
【0117】
従って、除草剤、殺菌剤、または殺虫剤に耐性を有する種子、例えば、スルホニルウレア、イミダゾリノンまたはグルホシネート、またはグリホサートに抵抗力のある植物(参照、例えば、欧州特許出願公開第0242236号、欧州特許出願公開第242246号)(国際公開第92/00377号)(欧州特許出願公開第0257993号、米国特許第5,013,659号)、または例えば、バチルスチューリンゲンシス毒素(Bt毒素)を産生し、それによってある種の有害な生物に抵抗力を有する綿などの遺伝子導入植物の種子(欧州特許出願公開第0142924号、欧州特許出願公開第0193259号)を使用することができる。
【0118】
さらに、慣用の植物と比較して特性が改変されている植物の種子を使用することも可能である。こうした例には、加工澱粉合成(例えば、国際公開第92/11376号、国際公開第92/14827号、国際公開第91/19806号)または脂肪酸組成物(国際公開第91/13972号)がある。
【0119】
本発明はまた、望ましくない植生を制御し、および/または昆虫もしくはダニによる植物への望ましくない寄生を防除し、および/または植物病原性菌類を防除する方法であって、本発明による分散液または本発明による固体作物保護製剤によって、上記のような有用な植物の種子を処理するステップを含む方法を特許請求する。
【0120】
本発明はまた、望ましくない植生を制御し、および/または昆虫もしくはダニによる植物への望ましくない寄生を防除し、および/または植物病原性菌類を防除する方法であって、本発明による分散液、または本発明による固体作物保護製剤、または本発明による農薬製剤によって、菌類/昆虫、それらの生息地、または菌類もしくは昆虫による寄生から保護すべき土壌もしくは植物、または望ましくない植物、望ましくない植物が生育する土壌、またはその種子を処理するステップを含み、その際、固体担体物質を固体担体として使用する方法を特許請求する。
【0121】
植物病原性菌類という用語は、それだけには限定されないが以下の種をさす:イネ、野菜、大豆、アブラナ、テンサイ、および果実に対するアルテルナリア(Alternaria)属、テンサイおよび野菜に対するアファノミセス(Aphanomyces)属、トウモロコシ、穀類、イネおよび観賞用芝草に対するビポラリス(Bipolaris)属およびドレクスレラ(Drechslera)属、穀類に対するウドンコ病菌(Blumeria graminis)(powdery mildew)、イチゴ、野菜、観賞用花、ブドウ蔓に対する灰色カビ病(Botrytis cinerea)(gray mold)、レタスに対するレタスべと病菌(Bremia lactucae)、トウモロコシ、大豆、およびテンサイに対するサーコスポラ(Cercospora)属、トウモロコシ、穀類、イネに対するコクリオボルス(Cochliobolus)属(例えば、穀類に対するイネ科斑点病菌(Cochliobolus sativus)、イネに対するイネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus))、大豆および綿に対するコレトトリクム(Colletotrichum)属、穀類およびトウモロコシに対するドレクスレラ(Drechslera)属、トウモロコシに対するエキセロヒラム(Exserohilum)属、キュウリに対するクコウドンコ病菌(Erysiphe cichoracearum)およびウリウドンコ病菌(Sphaerotheca fuliginea)、ブドウ蔓に対するブドウウドンコ病菌(Erysiphe necator)、様々な植物に対するフザリウム(Fusarium)属、およびバーティシリウム(Verticillium)属、穀類に対するムギ類立枯病菌(Gaeumannomyces graminis)、穀類およびイネに対するジベレラ(Gibberella)属(例えば、イネに対するイネ馬鹿苗病菌(Gibberella fujikuroi)、穀類に対する赤かび病(Gibberella zeae))、イネに対する穀粒染色複合体(Grainstaining complex)、穀類に対する紅色雪腐病菌(Microdochium nivale)、穀類、バナナ、およびピーナッツに対するコタマカビ(Mycosphaerella)属、大豆に対するダイズさび病菌(Phakopsora pachyrhizi)およびファコプソラメイボミア(Phakopsora meibomiae)、大豆およびヒマワリに対するホモプシス(Phomopsis)属、ジャガイモおよびトマトに対するジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、ブドウ蔓に対するブドウべと病菌(Plasmopara viticola)、リンゴに対するリンゴウドンコ病(Podosphaera leucotricha)、コムギおよびオオムギに対するコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)、ホップおよびキュウリに対するシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)属、穀類およびトウモロコシに対するプッシニア(Puccinia)属、穀類に対するピレノホラ(Pyrenophora)属、イネに対するイネいもち病菌(Pyricularia oryzae)、イネ、トウモロコシ、綿、ヒマワリ、アブラナ、(キャノーラ、アブラナ)、野菜、観賞用芝草、ナッツ、および他の植物に対するイネごま葉枯病菌(Cochliobolus miyabeanus)およびコルチシウムササキイ(Corticium sasakii)(イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、角膜症原因菌(Fusarium semitectum)(および/またはmoniliforme)、セルコスポラオリザ(Cercospora oryzae)、イネ葉しょう腐敗病菌(Sarocladium oryzae)、イネ褐色米病(S attenuatum)属、黒しゅ病菌(Entyloma oryzae)、イネ馬鹿苗病菌(Gibberella fujikuroi)(バカナエ)、穀粒染色複合体(様々な病原体)、ビポラリス(Bipolaris)属、ドレクスレラ(Drechslera)属およびピシウム(Pythium)属およびリゾクトニア(Rhizoctonia)属;ジャガイモに対するイネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani)、アブラナ種(キャノーラ/アブラナ)およびヒマワリに対するスクレロチニア(Sclerotinia)属、コムギに対する葉枯病菌(Septoria tritici)およびスタゴノスポラノドルム(Stagonospora nodorum)、ブドウ蔓に対するウドンコ病菌(Uncinula necator)、トウモロコシに対するスファセロテカレイリアナ(Sphacelotheca reiliana)、大豆および綿に対するチエバリオプシス(Thievaliopsis)属、穀類に対するチレチア(Tilletia)属、穀類、トウモロコシ、サトウキビに対するウスチラゴ(Ustilago)属および、リンゴおよびセイヨウナシに対するベンツリア(Venturia)属(scab)。
【0122】
望ましくない昆虫またはダニという用語は、それだけには限定されないが以下の属をさす:
【0123】
ヤスデ類(倍脚綱)、例えば、ブラニウルス(Blaniulus)属
【0124】
アリ(膜翅目)、例えば、ハキリアリ(Atta capiguara)、ハキリアリ(Atta cephalotes)、ハキリアリ(Atta laevigata)、ハキリアリ(Atta robusta)、ハキリアリ(Atta sexdens)、ハキリアリ(Atta texana)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、アカカミアリ(ソレノプシス(Solenopsis geminata)、ヒアリ(Solenopsis invicta)、ポゴノミルメキス(Pogonomyrmex)属、およびツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)
【0125】
カブトムシ(鞘翅目)、例えば、アカバナガタマムシ(Agrilus sinuatus)、アグリオテスリネアツス(コメツキムシ(Agriotes lineatus)、コメツキムシ(Agriotes obscurus)、および他のコメツキムシ(Agriotes)属、アンフィマルスソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルスジスパル(Anisandrus dispar)、ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ(Anthonomus pomorum)、アラカンツスモレイ(Aracanthus morei)、アトマリアリネアリス(Atomaria linearis)、ブラプスチヌス(Blapstinus)属、ブラストファグスピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガウンダタ(Blitophaga undata)、ボチノデレスプンシベントリス(Bothynoderes punciventris)、ソラマメゾウムシ(Bruchus rufimanus)、エンドウゾウムシ(Bruchus pisorum)、ブルクスレンチス(Bruchus lentis)、ビクチスクスベツラ(Byctiscus betulae)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、セロトマトリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、コイトリンクスアッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、コイトリンクスナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマチビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルスベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、および他のコノデルス(Conoderus)属、コノリンクスメンジクス(Conorhynchus mendicus)、クリオセリスアスパラギ(Crioceris asparagi)、シリンドロコプツルスアドスペルスス(Cylindrocopturus adspersus)、ジアブロチカ(Diabrotica)((ロンギコルニス(longicornis))バルベリ(barberi)属、ジアブロチカセミ−プンクタタ(Diabrotica semi-punctata)、ジアブロチカスペシオサ(Diabrotica speciosa)、ジアブロチカウンデシンプンクタタ(Diabrotica undecimpunctata)、コーンルートワーム(Diabrotica virgifera)、および他のジアブロチカ(Diabrotica)属、エレオデス(Eleodes)属、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、エピトリキスヒルチペンニス(Epitrix hirtipennis)、オイチノボトルスブラジリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、マツアナマキゾウムシ(Hylobius abietis)、ヒペラブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、ヤツバキクイ(Ips typographus)、レマビリネアタ(Lema bilineata)、レマメラノプス(Lema melanopus)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウスカリホルニクス(Limonius californicus)、および他のリモニウス(Limonius)属、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、リストロノツスボナリエンシス(Listronotus bonariensis)、メラノツスコンムニス(Melanotus communis)、および他のメラノツス(Melanotus)属、メリゲテスアエノイス(Meligethes aeneus)、コフキコガネ(Melolontha hippocastani)、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、イネクビボソハムシ(Oulema oryzae)、オルチオリンクススルカツス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オリゾファグスオリザ(Oryzophagus oryzae)、オチオリンクスオバツス(Otiorrhynchus Ovatus)、イネクビボソハムシ(Oulema oryzae)、ファエドンコクレアリア(Phaedon cochleariae)、フィロトレタクリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガクヤバナ(Phyllophaga cuyabana)、および他のフィロファガ(Phyllophaga)属、フィロペルタホルチコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタネモルム(Phyllotreta nemorum)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、および他のフィロトレタ(Phyllotreta)属、マメコガネ(Popillia japonica)、プロメコプスカリニコリス(Promecops carinicollis)、プレムノトリペスボラズ(Premnotrypes voraz)、プシルリオデス(Psylliodes)属、アカアシチビコフキゾウムシ(Sitona lineatus)、シトフィルスグラナリア(Sitophilus granaria)、ステルネクスピングイス(Sternechus pinguis)、ステルネクススブシグナツス(Sternechus subsignatus)、およびタニメクスパリアツス(Tanymechus palliatus)、および他のタニメクス(Tanymechus)属
【0126】
ハエ(双翅目)、例えば、アグロミザオリゼア(Agromyza oryzea)、トウヨウラセンウジバエ(Chrysomya bezziana)、クリソミアホミニボラキス(Chrysomya hominivorax)、クリソミアマセラリア(Chrysomya macellaria)、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、ダシノイラブラッシカ(Dasineura brassicae)、デリアアンチク(Delia antique)、デリアコアルクタタ(Delia coarctata)、タネバエ(Delia platura)、デリアラジクム(Delia radicum)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、ウマバエ(Gasterophilus intestinalis)、ゲオミザトリプンクタタ(Geomyza Tripunctata)、ツェツェバエ(Glossina morsitans)、ノサシバエ(Haematobia irritans)、ハプロジプロシスエクェストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒポデルマリネアタ(Hypoderma lineata)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、ハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、ルシリアカプリナ(Lucilia caprina)、ヒツジクロバエ(Lucilia cuprina)、ヒロズキンバエ(Lucilia sericata)、リコリアペクトラリス(Lycoria pectoralis)、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、オオイエバエ(Muscina stabulans)、ヒツジバエ(Oestrus ovis)、オポミザフロルム(Opomyza florum)、オシネラフリット(Oscinella frit)、ペゴミアヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、ホルビアアンチクア(Phorbia antiqua)、ホルビアブラッシカ(Phorbia brassicae)、ホルビアコアルクタタ(Phorbia coarctata)、プロゴニアレヨシアニイ(Progonya leyoscianii)、プシラロサ(Psila rosae)、ヨーロッパオウトウミバエ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレチスポモネラ(Rhagoletis pomonella)、タバヌスボビヌス(Tabanus bovinus)、テタノプスミオパエホルミス(Tetanops myopaeformis)、チプラオレラセア(Tipula oleracea)およびガガンボ(Tipula paludosa)
【0127】
ヘテロプテランス(heteropterans)属(異翅目)、例えば、アクロステルヌムヒラル(Acrosternum hilare)、ブリッススロイコプテルス(Blissus leucopterus)、ヨコバイ(Cicadellidae)属、例えばジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)など、ハムシ(Chrysomelidae)属、シルトペルチスノタツス(Cyrtopeltis notatus)、デルパーシダ(Delpahcidae)属、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus)、ジスデルクスインテルメジウス(Dysdercus intermedius)、チャイロカメムシ(Eurygaster integriceps)、オイスキスツスインピクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッススフィロプス(Leptoglossus phyllopus)、メクラカメムシ(Lygus lineolaris)、リグスプラテンシス(Lygus pratensis)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix)属、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、カメムシ(Pentatomidae)属、ピエスマクアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベアインスラリス(Solubea insularis)およびチアンタペルジトル(Thyanta perditor)
【0128】
アブラムシ(aphids)属、および他のホモプテランス(homopterans)属(同翅目)、例えば、アシルトシホンオノブリキス(Acyrthosiphon Onobrychis)、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis)、アフィズラナスツルチイ(Aphidula nasturtii)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、ダイズアブラムシ(Aphis glycines)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、アフィスグロッスラリア(Aphis grossulariae)、アフィスポミ(Aphis pomi)、アフィススクネイデリ(Aphis schneideri)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、アフィスサンブシ(Aphis sambuci)、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ブラキカウズスカルズイ(Brachycaudus cardui)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキカウズスペルシカ(Brachycaudus persicae)、ブラキカウズスプルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、カピトホルスホルニ(Capitophorus horni)、セロシファゴッシピイ(Cerosipha gossypii)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズスリビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシアノルドマンニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシアピセア(Dreyfusia piceae)、ジサフィスラジコラ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルツムプソイドソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、ジサフィスピリ(Dysaphis pyri)、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシホンロサ(Macrosiphon rosae)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、メラナフィスピラリウス(Melanaphis pyrarius)、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、モモアカアブラムシ(Myzodes(Myzus)persicae)属、ミズスアスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ミズスセラシ(Myzus cerasi)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians)、ナソノビアリビス−ニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ペンフィグスブルサリウス(Pemphigus bursarius)、ペンフィグスポプリベナ(Pemphigus populivenae)、および他のペンフィグス(Pemphigus)属、クロツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、キジラミ(Psyllidae)属、例えばプシルラマリ(Psylla mali)、プシルラピリ(Psylla piri)など、および他のキジラミ(Psylla)属、ロパロミズスアスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフムインセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィスマラ(Sappaphis mala)、サッパフィスマリ(Sappaphis mali)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、スキゾノイララヌギノサ(Schizoneura lanuginosa)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、およびブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)
【0129】
鱗翅目、例えば、タマナヤガ(Agrotis ypsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、および他のアグロチス(Agrotis)属、アラバマアルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシアゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)ガンマキンウワバ(Autographa gamma)、ブパルスピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシアムリナナ(Cacoecia murinana)、カプアレチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビアブルマタ(Cheimatobia brumata)、ニカメイガ(Chilo suppresalis)、および他のニカメイチュウ(Chilo)属、コリストノイラフミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コリストノイラオッシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、アワヨトウ(Cirphis unipuncta)、クナフロクロシスメジナリス(Cnaphlocrocis medinalis)、コドリンガ(Cydia pomonella)、歐州産マツケムシ(Dendrolimus pini)、ジアファニアニチダリス(Diaphania nitidalis)、ジアトラエアグランジオセラ(Diatraea grandiosella)、ミスジアオリンガ(Earias insulana)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、ブドウホソハマキ(Eupoecilia ambiguella)、オイキソア(Euxoa)属、エベトリアボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチアスブテラネア(Feltia subterranea)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、グラホリタフネブラナ(Grapholitha funebrana)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、オオタバコガ(Heliothis armigera)、オオタバコガ(Heliothis virescens)、ヘリオチスゼア(Heliothis zea)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、ヒベルニアデホリアリア(Hibernia defoliaria)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、ヒポノモイタマリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリアリコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブジナフィセラリア(Lambdina fiscellaria)、シロイチモンジヨトウ(Laphygma exigua)、レロデアオイファラ(Lerodea eufala)、ロイコプテラコフェエラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラシテラ(Leucoptera scitella)、リトコレチスブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ホソバヒメハマキ(Lobesia botrana)、ロキソステグスチクチカリス(Loxostege sticticalis)、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha)、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アカバナキバガ(Momphidae)属、オルギイアプソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、マツキリガ(Panolis flammea)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ファレラブセファラ(Phalera bucephala)、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、ミカンコハモグリ(Phyllocnistis citrella)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、プラチペナスカブラ(Plathypena scabra)、コナガ(Plutella xylostella)、キンウワバ(Pseudoplusia includens)、キンウワバ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラアブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、セサミアノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides)、および他のセサミア(Sesamia)属、バクガ(Sitotroga cerealella)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana)、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラリットラリス(Spodoptera littoralis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、タウマトポエアピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリキスビリダナ(Tortrix viridana)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)およびゼイラフェラカナデンシス(Zeiraphera canadensis)
【0130】
直翅目、例えば、バッタ(Acrididae)属、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domestica)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)、グリルロタルパグリルロタルパ(Gryllotalpa Gryllotalpa)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、メラノプルスビビッタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルスフェムル−ルブルム(Melanoplus femur-rubrum)、メラノプルスメキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルスサングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルススプレツス(Melanoplus spretus)、ノマダクリスセプテンファシアタ(Nomadacris septemfasciata)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アメリカイナゴ(Schistocerca americana)、スキストセルカペレグリナ(Schistocerca peregrina)、スタウロノツスマロッカヌス(Stauronotus maroccanus)およびクラズミウマ(Tachycines asynamorus)
【0131】
シロアリ(等翅目)、例えば、カロテルメスフラビコリス(Calotermes flavicollis)、コプトテルメス(Coptotermes)属、ダルブルスマイジス(Dalbulus maidis)、ロイコテルメスフラビペス(Leucotermes flavipes)、キノコシロアリ(Macrotermes gilvus)、レチクリテルメスルシフグス(Reticulitermes lucifugus)およびテルメスナタレンシス(Termes natalensis)
【0132】
アザミウマ(Thrips)(総翅目)、例えば、フランクリニエラフスカ(Frankliniella fusca)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラトリチシ(Frankliniella tritici)、および他のハナアザミウマ(Frankliniella)属、シルトトリプスシトリ(Scirtothrips citri)、トリプスオリザ(Thrips oryzae)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、グラジオラスアザミウマ(Thrips simplex)およびネギアザミウマ(Thrips tabaci)
【0133】
クモ類(arachnids)、例えば、ヒメダニ(Argasidae)科、マダニ(Ixodidae)科、およびヒゼンダニ(Sarcoptidae)科のダニ目(Acarina)、例えば、マダニ(Amblyomma americanum)、マダニ(Amblyomma variegatum)、アルガスペルシクス(Argas persicus)、ボオフィルスアンヌラツス(Boophilus annulatus)、ボオフィルスデコロラツス(Boophilus decoloratus)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、デルマセントルシルバルム(Dermacentor silvarum)、ヒアロンマトルンカツム(Hyalomma truncatum)、タネガタマダニ(Ixodes ricinus)、イキソデスルビクンズス(Ixodes rubicundus)、アフリカカズキダニ(Ornithodorus moubata)、オトビウスメグニニ(Otobius megnini)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、ヒツジキュウセンヒゼンダニ(Psoroptes ovis)、コイタマダニ(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルスエベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)、およびエリオフィイダ(Eriophyidae)属、例えば、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタオレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)およびエリオフィエスシェルドニ(Eriophyes sheldoni);タルソネミダ(Tarsonemidae)属、例えば、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)およびチャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);テヌイパルピダ(Tenuipalpidae)属、例えば、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis);テトラニキダ(Tetranychidae)属、例えば、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、オウトウハダニ(Tetranychus pacificus)、ナミハダニ(Tetranychus telarius)およびニセナミハダニ(Tetranychus urticae)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、およびオリゴニクスプラテンシス(Oligonychus pratensis)
【0134】
センチュウ類、特に植物寄生虫センチュウ類、例えば、ネコブセンチュウ類、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、および他のネコブセンチュウ(meloidogyne)属;シスト形成センチュウ類、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)および他のグロボデラ(globodera)属;ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ヘテロデラスカクチイ(Heterodera schachtii)、クロバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)、および他のヘテロデラ(heterodera)属;シードゴール(seed gall)センチュウ類、アングイナ(anguina)属;茎および葉のセンチュウ類、アフェレンコイデス(aphelenchoides)属;スティング(sting)センチュウ類、ベロノライムスロンギカウダツス(Belonolaimus longicaudatus)、および他のベロノライムス(belonolaimus)属;マツセンチュウ類、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)、および他のブルサフェレンクス(bursaphelenchus)属;リング(ring)センチュウ類、クリコネマ(criconema)属、クリコネメラ(criconemella)属、クリコネモイデス(criconemoides)属、メソクリコネマ(mesocriconema)属;茎および鱗茎センチュウ類、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)またはジチレンクスジプサシ(ditylenchus dipsaci)、および他のジチレンクス(ditylenchus)属;錐(awl)センチュウ類、ドリコドルス(dolichodorus)属;らせんセンチュウ類、ヘリオコチレンクスマルチシンクツス(Heliocotylenchus multicinctus)、および他のヘリコチレンクス(helicotylenchus)属;鞘およびシーソイド(sheathoid)センチュウ類、ヘミシクリオホラ(hemicycliophora)属およびヘミクリコネモイデス(hemicriconemoides)属;ヒルシュマンニエラ(hirshmanniella)属;槍(lance)センチュウ類、ホプロアイムス(hoploaimus)属;偽ネコブセンチュウ(False rootknot)センチュウ類、ナコッブス(nacobbus)属;針センチュウ類、ロンギドルスエロンガツス(longidorus elongatus)、および他のロンギドルス(longidorus)属;病変センチュウ類、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、プラチレンクスクルビタツス(Pratylenchus curvitatus)、プラチレンクスゴオデイ(Pratylenchus goodeyi)、および他のプラチレンクス(Pratylenchus)属;ネモグリセンチュウ(burrowing nematodes)、バナナネモグリセンチュウ(radopholus similis)および他のラドホルス(radopholus)属;腎形センチュウ(reniform nematodes)、ロチレンクスロブスツス(rotylenchus robustus)、および他のロチレンクス(rotylenchus)属;スクテロネマ(Scutellonema)属;スタビールートセンチュウ(stubby root nematodes)、トリコドルスプリミチブス(Trichodorus primitivus)、および他のユミハリセンチュウ(trichodorus)属、パラトリコドルス(paratrichodorus)属;スタントセンチュウ(stunt nematodes)、イシュクセンチュウ(tylenchorhynchus claytoni)、チレンコリンクスズビウス(tylenchorhynchus dubius)、および他のチレンコリンクス(tylenchorhynchus)属;ミカンネセンチュウ(citrus nematodes)、チレンクルス(tylenchulus)属;ダガーセンチュウ(dagger nematodes)、キシフィネマ(xiphinema)属;、および他の植物寄生センチュウ。
【0135】
望ましくない植生を制御するとは、望ましくない場所での、例えば、以下の植物の増殖を制御/破壊することを意味する:
【0136】
双子葉植物種:シロガラシ(Sinapis)属、マメグンバイナズナ(Lepidium)属、ガリウム(Galium)属、ステラリア(Stellaria)属、シカギク(Matricaria)属、ローマカミツレ(Anthemis)属、ハキダメギク(Galinsoga)属、アカザ(Chenopodium)属、ウルチカ(Urtica)属、セネキオ(Senecio)属、ハゲイトウ(Amaranthus)属、スベリヒユ(Portulaca)属、オナモミ(Xanthium)属、セイヨウヒルガオ(Convolvulus)属、サツマイモ(Ipomoea)属、タデ(Polygonum)属、セスバニア(Sesbania)属、ブタクサ(Ambrosia)属、アザミ(Cirsium)属、ヒレアザミ(Carduus)属、ハチジョウナ(Sonchus)属、ナス(Solanum)属、イヌガラシ(Rorippa)属、キカシグサ(Rotala)属、アゼナ(Lindernia)属、オドリコソウ(Lamium)属、クワガタソウ(Veronica)属、イチビ(Abutilon)属、エメキス(Emex)属、チョウセンアサガオ(Datura)属、スミレ(Viola)属、ガレオプシス(Galeopsis)属、ケシ(Papaver)属、ヤグルマギク(Centaurea)属、シャジクソウ(Trifolium)属、キンポウゲ(Ranunculus)属、タンポポ(Taraxacum)属;
【0137】
単子葉植物種:イヌビエ(Echinochloa)属、エノコログサ(Setaria)属、キビ(Panicum)属、メヒシバ(Digitaria)属、アワガエリ(Phleum)属、ナガハグサ(Poa)属、ウシノケグサ(Festuca)属、オヒシバ(Eleusine)属、ビロードキビ(Brachiaria)属、ドクムギ(Lolium)属、スズメノチャヒキ(Bromus)属、カラスムギ(Avena)属、カヤツリグサ(Cyperus)属、モロコシ(Sorghum)属、カモジグサ(Agropyron)属、ギョウギシバ(Cynodon)属、ミズアオイ(Monochoria)属、フィンブリスチスリス(Fimbristyslis)属、オモダカ(Sagittaria)属、ハリイ(Eleocharis)属、ホタルイ(Scirpus)属、スズメノヒエ(Paspalum)属、カモノハシ(Ischaemum)属、ナガボノウルシ(Sphenoclea)属、タツノツメガヤ(Dactyloctenium)属、ヌカボ(Agrostis)属、スズメノテッポウ(Alopecurus)属、ホソセイヨウヌカボ(Apera)属。
【実施例1】
【0138】
A)乳濁液の調製
ピラクロストロビン10gおよびPMMA(工業グレードのポリメチルメタクリレート、タイプ:Lucryl G77、バッチ:5695/11)30gをジクロロメタン170gに溶解した。透明でわずかに粘稠な溶液が形成された。ポリビニルアルコール(87〜89%、加水分解済み、MW:13000〜23000g/mol)30gを脱塩水2kgに溶解した。上記2種の溶液を混合チャンバーで混合した。この目的のために、ポンプ速度2kg/hを使用し、ピラクロストロビン溶液を、流速20kg/hのポリビニルアルコール溶液と混合セルで混合した。Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により328nmと測定された。
【0139】
B)濃縮物の調製
次いで、ロータリーエバポレーター(槽温度40℃、圧力<50mbar)でジクロロメタンを除去した。次いで、Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により332nmと測定された。
【実施例2】
【0140】
A)乳濁液の調製
ピラクロストロビン10gおよびPMMA(工業グレードのポリメチルメタクリレート、タイプ:Lucryl G77、バッチ:5695/11)30gをジクロロメタン170gに溶解した。透明でわずかに粘稠な溶液が形成された。ポリビニルアルコール(87〜89%、加水分解済み、MW:13000〜23000g/mol)30gを脱塩水2kgに溶解した。上記2種の溶液を混合チャンバーで混合した。この目的のために、ポンプ速度2kg/hを使用し、ピラクロストロビン溶液を、流速20kg/hのポリビニルアルコール溶液と混合セルで混合した。Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により328nmと測定された。
【0141】
B)濃縮物の調製
次いで、ロータリーエバポレーター(槽温度40℃、圧力<50mbar)でジクロロメタンを除去した。次いで、Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により332nmと測定された。
【実施例3】
【0142】
A)乳濁液の調製
ピラクロストロビン5gおよびPMMA(工業グレードのポリメチルメタクリレート、バッチ:5695/11)15gをジクロロメタン180gに溶解した。透明でわずかに粘稠な溶液が形成された。ポリビニルアルコール(87〜89%、加水分解済み、MW:13000〜23000g/mol)15gを脱塩水2kgに溶解した。上記2種の溶液を混合チャンバーで混合した。この目的のために、ポンプ速度2kg/hを使用し、ピラクロストロビン溶液を、流速20kg/hのポリビニルアルコール溶液と混合セルで混合した。Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により340nmと測定された。
【0143】
B)濃縮物の調製
次いで、ロータリーエバポレーター(槽温度40℃、圧力<50mbar)でジクロロメタンを除去した。次いで、Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により336nmと測定された。
【実施例4】
【0144】
A)乳濁液の調製
ピラクロストロビン2.5gおよびPMMA(工業グレードのポリメチルメタクリレート、バッチ:5695/11)7.5gをジクロロメタン190gに溶解した。透明でわずかに粘稠な溶液が形成された。ポリビニルアルコール(87〜89%、加水分解済み、MW:13000〜23000g/mol)7.5gを脱塩水2kgに溶解した。上記2種の溶液を混合チャンバーで混合した。この目的のために、ポンプ速度2kg/hを使用し、ピラクロストロビン溶液を、流速20kg/hのポリビニルアルコール溶液と混合セルで混合した。Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により311nmと測定された。
【0145】
B)濃縮物の調製
次いで、ロータリーエバポレーター(槽温度40℃、圧力<50mbar)でジクロロメタンを除去した。次いで、Brookhaven Instruments BI90(PCS)型装置を使用し、平均粒径は準弾性光散乱により297nmと測定された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物保護剤のナノ粒子製剤を含む水性分散液であって、
− 該ナノ粒子が平均粒径0.05〜2.0μmのコアシェル構造を有し、
− 該作物保護剤が、水、水溶液、または水/溶媒混合物に不溶性または部分的にのみ可溶性である1種以上のポリマーと共に、X線アモルファスのコア(core X-ray amorphous)中に存在し、
− 該シェルが安定化用コーティングマトリックスからなり、
以下のステップ:
(a)水非混和性有機溶媒中の作物保護剤の溶液を調製するステップ;
(b)水非混和性有機溶媒にコアポリマーを溶解するステップ;および
(c)ステップ(a)と(b)から得られた混合物を、コーティングマトリックスの成分を含む水溶液と乳化するステップであって、混合チャンバーに対応する溶液を注入し、乳化後に有機溶媒を除去することによるステップ;
を含む方法によって調製できる、上記水性分散液。
【請求項2】
前記ナノ粒子のコアが少なくとも2相からなり、1相が活性化合物のアモルファス粒子からなり、他方の相がポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した活性化合物である、請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
前記ナノ粒子のコアが少なくとも2相の別々の相を含み、1相がアモルファス活性化合物からなり、他方の相が活性化合物を含まないポリマーマトリックスである、請求項1または2に記載の分散液。
【請求項4】
前記ナノ粒子のコアがポリマーマトリックス中に分子状に分散分布した活性化合物からなる、請求項1または2に記載の分散液。
【請求項5】
使用するコアポリマーが、以下の群:ポリメチルメタクリレート、ポリフェノキシエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ポリスチレン、ポリラウリルアクリレート、ポリビニルカプロラクタム、上記モノマーのコポリマーおよびブロックコポリマー、ならびに生分解性ポリエステルから選択される非水溶性ポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散液。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性分散液を公知の方法によって乾燥させたナノ粒子製剤。
【請求項7】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の分散液または請求項9に記載の固体作物保護製剤で処理した固体担体の農薬製剤。
【請求項8】
前記固体担体が種子である、請求項10に記載の農薬製剤。
【請求項9】
前記固体担体が固体担体物質である、請求項10に記載の農薬製剤。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液または請求項6に記載の固体作物保護製剤によって固体担体を処理することを含む、農薬製剤を調製する、または種子を粉衣する方法。
【請求項11】
請求項6に記載の固体作物保護製剤が溶媒中に分散している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
望ましくない植生を制御し、および/または昆虫もしくはダニによる植物への望ましくない寄生を防除し、および/または植物病原性菌類を防除する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液、請求項6に記載の固体作物保護製剤、または請求項9に記載の農薬製剤によって有用な植物の種子を処理することを含む、上記方法。
【請求項13】
望ましくない植生を制御し、および/または昆虫もしくはダニによる植物への望ましくない寄生を防除し、および/または植物病原性菌類を防除する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液、請求項6に記載の固体作物保護製剤、または請求項9に記載の農薬製剤によって、菌類/昆虫、それらの生息地、または菌類もしくは昆虫による感染に対して保護すべき土壌もしくは植物、または望ましくない植物、望ましくない植物が生育する土壌、またはその種子を処理することを含む、上記方法。

【公表番号】特表2009−517338(P2009−517338A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537058(P2008−537058)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067475
【国際公開番号】WO2007/093232
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】